グランプリ レポート/第4期麻雀グランプリ MAX二次予選レポート
2014年03月11日
昨日に引き続き、第4期グランプリMAX2次予選が新橋にて行われた。
昨日の1次予選の勝ち上がり者10名と、シード選手10名の計20名が5卓に別れ、同一メンバーで半荘5回戦を行い、ポイント上位2名が夏目坂スタジオにて行われる、ベスト16へと駒を進める。
A卓(森山茂和VS灘麻太郎VS望月雅継VS浜上文吾)
灘麻太郎 |
森山茂和 |
望月雅継 |
浜上文吾 |
“カミソリ灘”こと灘名誉会長と森山茂和現会長との新旧会長対決。
そこに、2次予選から登場の望月(A1)と勝ち上がりの浜上(B2)。
誰が勝ち上がるのか予想が難しい。
立ち合い人の対局開始の号令からわずか、起家の灘24,000炸裂。何という元気さか。
放銃は、リーチをしていた浜上。開局いきなり5,000点持ちとなってしまう。
しかし続く東2局では、
ツモ
高めメンホン四暗刻。安めだがこれを浜上がアガリ返す。
荒れ場を予感させたが、南場に入りやや静観。
1回戦目は、灘名誉会長が60,000点越えのトップ。
続く2回戦、またしても灘がリード。
東家・灘
ポン ドラ
連風牌のをツモれば8,000オールのこのテンパイ。
南家・望月
このチャンス手ではあるもののテンパイが入らない。
テンパイが入らない事が逆に調子の良さかもしれない。
この局は、森山現会長がを勝負して収束。
灘が2連勝。
望月は2着ではあるものの、47,300点まで素点を伸ばし、2回戦終了時の成績がこちら。
灘+75.2P 望月+13.7P 浜上▲35.4P 森山▲53.5P
灘は3着まで110P以上を付き離しすでに当確か。
3回戦は後のない浜上・森山の番。
浜上、東場の親で連荘し3本場。
リーチ ツモ
3,900は4,200オール。持ち点は50,000を超える。
しかし灘、親番で
ポン ポン ポン ツモ
4,000オールで簡単には沈まない。
ツモアガリが多く、失点を免れられない森山の我慢がついに昇華。
南家・森山
ポン ツモ ドラ
この4,000・8,000。
北家・森山
ポン ロン
そしてこの8,000点は望月から。
森山の波は4回戦も続き、70ポイント差を半荘2回でひっくり返し最終戦へ。
灘+74.4P 森山▲12.7P 望月▲14.3P 浜上▲41.1P
最終戦、森山・望月は着順勝負。浜上は2人を交わさなければいけないために、50,000点以上が最低条件。
2人の着順勝負であるため、灘や浜上(ある程度までは)にトップを取られてもいい打ち方をする人が多いが森山は違う。損得ではない麻雀本来の勝負がそこにはあった。
南3局、持ち点は望月38,600点、森山36,100点、大接戦。
南3局2本場、望月が3,900は4,500を灘からロンアガリ。
オーラス、望月46,100点、森山35,100点。
親は森山、しかしあまりにも無情な時間切れでこれが最終局となってしまう。
メンホン七対子ドラドラのテンパイを入れるも流局。
観戦者達の心の声が聞こえてきそうだった。
「次の一局はきっと・・・」その先は人それぞれ胸の裡に。
1位通過 灘麻太郎
2位通過 望月雅継 ベスト16進出
B卓(柴田弘幸VS河井保国VS吾妻さおりVS安村浩司)
柴田弘幸 |
河井保国 |
吾妻さおり |
安村浩司 |
2次予選から登場の女流桜花・吾妻、鳳凰位決定戦進出を目前で逃した柴田(A1)ら相手に、桜花の麻雀はどこまで通用するのか見物。
そして河井(B1)安村(B2)の両名。この2人は新たなライバル関係かもしれない。
河井は24期、安村は25期と1期違い。共に低段から十段戦ベスト16へ進み、王位戦では河井はあと一歩でベスト16を逃し、安村はベスト16へ。逆に、リーグ戦では先に河井がAリーグへ、安村はC1リーグ優勝に続き、B2リーグ優勝の位置から最終節惜しくも昇級を逃した。
今年最後の公式戦で、ベスト16の壁を乗りこえる挑戦権は共に得たいはず。
1回戦、女流桜花になったばかりの勢いそのままに、東家・吾妻。
リーチ ドラ
この18,000点を柴田からロンアガリ。
しかし連荘をさせない安村。
リーチ ツモ ドラ
吾妻は大きなハンデを得たが、終わってみれば沈みの2着で、安村が1人浮きのトップ。
2回戦は河井のターン。リーチツモ七対子ドラ2などをアガリ45,000点のトップ。
吾妻は1回戦に引き続き、40,000点オーバーから尻すぼみの展開。
A1の柴田が連続ラスと、1人沈みで大きく出遅れる。
しかし3回戦、東場で河井が50,000点を超え連勝を決めるも、柴田はなんとか食らいつき、ようやく浮くことに成功。
3回戦終了時。
河井+40.1P 安村+3.0P 吾妻▲8.9P 柴田▲34.2P
4回戦、親の柴田
ドラ
この形から切りリーチ。
すると西家・吾妻が追いかけリーチ。
リーチ
高めをツモれば、親の満貫クラスなので両面は普通だが、シャンポン受けならば二度のアガリを逃していた柴田。
肝を冷やしていたはずだが、をツモり事なきを得た。
親の安村、初動はポンから。その時の形がこれ。
ポン ドラ
役役トイトイ、あわよくばホンイツトイトイまでという仕掛けだが、ここでドラのを引いて、のトイツ落としでホンイツへ。そこで吾妻は、役無しドラ無しの、愚形残りの1シャンテンでをリリース。
このたった一打が敗因に繋がった可能性がある。(現在の標的は安村)
ここから一気に場が動く。
柴田からメンタンピンドラ1のリーチ。
しかし、七対子ドラ2の河井が安村へ痛い12,000。
ポン ポン ロン ドラ
安村56,000点まで吹き上がる。
この後、河井は吾妻に8,000を放銃して大きい4着を取ってしまう。
4回戦終了時
安村+37.6P 河井+6.3P 吾妻▲20.5P 柴田▲23.4P
安村はほぼ当確。河井は原点キープが必要。
親・柴田
ドラ
このヤミテンが入るも、河井が300・500で交わし柴田のグランプリはここで終了。
親番で吾妻が女流桜花の意地を見せてオーラス。
親が安村なので1局勝負。
吾妻46,300(+3.8P)河井33,000(+13.3P)満貫ツモで逆転。
北家・吾妻リーチ。
リーチ ドラ
を河井から出アガるかツモアガると逆転だったが流局。
桜花が2次予選で散った。
1位通過 安村浩司
2位通過 河井保国 ベスト16進出
C卓(勝又健志VS二階堂瑠美VS佐々木寿人VS前田直哉)
勝又健志 |
二階堂瑠美 |
佐々木寿人 |
前田直哉 |
麻雀IQ200。一昨年の覇者で、昨年も決勝に進みグランプリと相性の良さそうな勝又(A2)の登場。
A2リーグを優勝し、来期からは、同卓者前田(A2)とともにA1リーグ挑戦が決まっている。
その前田も1次予選は圧巻の出来。本日はどうか。
そして、今年同じくA2リーグで切磋琢磨した佐々木(A2)。
今年は初のAリーグ、十段戦で初めて一段だが階段を登り、このグランプリも初出場して1次予選を突破。
その強者3名に相対するのはプロクイーンの二階堂瑠美。とても興味深い卓組となった。
1、2回戦、リーグ戦の好調そのままに勝又が連勝、佐々木は連続4着になってしまう。
東場、勝又
ポン
この2,600点がを加カンしてリンシャンからをツモり1,600・3,200。
オーラス21,600点持ちの二階堂瑠美。
ポン ロン ドラ
放銃はトップ目の前田。放銃した形は以下。
暗カン
ホンイツ七対子の1シャンテンからのテンパイ。
1回戦とういうことでやむなしか。
しかし、これにより佐々木は1人沈み。
3回戦、後のない佐々木が、跳満を引きアガリ親番で60,000点オーバー。
南場、東家・瑠美。
暗カン リーチ ドラ
ここに、リーチしていた勝又が放銃となり18,000。
箱下20,000点の4着で、並びががらりと変わってしまった。
4回戦終了時
二階堂瑠美+35.1P 前田+17.3P 佐々木▲20.2P 勝又▲32.2P
リーチ ロン
この11,600などをアガリ、最終戦も二階堂瑠美が55,000点を超えるトップ。
最後まで序列は変わらず。
1位通過 二階堂瑠美
2位通過 前田直哉 ベスト16進出
D卓(伊藤優孝VS和久津晶VS魚谷侑未VS四柳弘樹)
伊藤優孝 |
和久津晶 |
魚谷侑未 |
四柳弘樹 |
鳳凰位決定戦の激闘冷めやらぬ伊藤(A1)
マスターズ準優勝の四柳(A2)
この2人は2次予選からのシード。
そして、昨日の1次予選に引き続き、女流決定戦にのぞむ和久津(B2)は、ライバルと公言している魚谷(C2)との再戦。
1回戦から和久津VS魚谷がぶつかりあう。
魚谷がリーチ。
リーチ ドラ
しかし親の和久津に放銃。
リーチ ロン
さらに、ヤミテンの四柳にも満貫放銃。
ドラ ロン
緒戦は箱割れ近い大きい4着。和久津が47,000点のトップ。
2回戦も和久津のペース。点棒を積み重ねていく。
しかし伊藤も黙っていない。
ポン ポン ポン ロン
大きい7,700。飛び込んだのは和久津。
ここから4着まで落ちてしまう。並びは1回戦と真逆になり接戦へ。
3回戦は魚谷の跳満からスタート。
リーチ ツモ ドラ
しかし、同じ三色でもこちらはヤミテンで実らず。
ドラ
すると和久津が、南場の親番で大連荘し50,000点を超える。
魚谷も放銃し、原点を割るが今度は私の番と、
チー チー ドラ
この11,600点に飛び込んだのは伊藤。ついに箱下へ。
4回戦目も流れは変わらない。
伊藤は東2局で、
綺麗な手をリーチしてツモアガリしたが、終わってみれば1人沈みの4着。
4回戦を終えて、和久津と魚谷が交互にトップを取り独占状態。
和久津+38.0P 魚谷+18.5P 四柳+3.7P 伊藤▲60.2P
最終5回戦、ついに四柳の番。
魚谷の親番で、西家・四柳がフリテンリーチ。
リーチ ツモ ドラ
まず魚谷を交わす。
すると、和久津の親番で丁寧に手作りして決めに行くリーチ。
リーチ ロン ドラ
ここは和久津が安めを放銃。
和久津は放銃後もやや余裕の表情。
しかし、ここまで余裕をもっていた和久津であったが、この後じりじりと点数がなくなり、南場の親では伊藤に、満貫をツモられてしまい伊藤が3着、和久津が4着へ。
すると南3局、四柳の親では、今度は四柳が伊藤に8,000の放銃。
伊藤が30,000点を超えてこの半荘2着目になる。
最終戦オーラス持ち点とポイント(合計P)
東家 伊藤35,700+9.7P(▲50.5P)
南家 魚谷29,900▲4.1P(+14.4P)
西家 和久津15,200▲22.8P(+15.2P)
北家 四柳39,200+17.2P(+20.9P)
伊藤は連荘を続けるのみ。跳満2回以上が必要。
女流対決はわずか0.8ポイント差のためアガリ条件。
四柳は、魚谷と和久津には、この半荘2着に落ちてしまうため3,900は放銃出来ない。
伊藤がツモアガリした場合も2着になり一気に3者の競りとなるが、有利なのには変わりなし。
魚谷は手牌が整う前から役無しで仕掛けていき、役牌を重ねる。
和久津はRが暗刻で上家が魚谷の為、仕掛けやすかったが、動かない。
伊藤がドラをポンし、一気に場に緊張感が走るが、魚谷がツモ牌を手元に引き寄せた。
1位通過 魚谷侑未
2位通過 四柳弘樹 ベスト16進出
E卓(滝沢和典VS杉浦勘介VS石渡正志VS中村毅)
滝沢和典 |
杉浦勘介 |
石渡正志 |
中村毅 |
この卓にはタイトル戦で活躍した2名がここからのシード。
B2リーグを優勝し、王位戦でも準優勝の杉浦(B2)
十段戦で第3位の中村(B1)
そして1次予選圧勝の石渡(A2)
2位だったものの絶好調の滝沢(A2)
攻撃力では中村、繊細さの杉浦、滝沢、この卓ではベテランの石渡。
玄人好みのこの卓、初戦は南場途中まで小場で進み、ワンチャンスをものにした石渡が、素点は小さいものの大きい1人浮きのトップを取る。
2回戦目も石渡が好調。
東家・石渡、安めと高めに差のあるこの手も3,900オール。
リーチ ツモ ドラ
南3局、東家・中村がリーチ。
リーチ
すると1回戦4着、2回戦も現在4着目の西家の杉浦が優しくツモ。
発声は8,000・16,000!
暗カン ツモ
ファーストテンパイは、
暗カン
ここにを持ってきて四暗刻単騎に。ちなみに暗カンのリンシャン牌は。
3回戦は中村が主役。
満貫をツモアガると、次は絶妙なヤミテン。
ロン ドラ
放銃は杉浦。
南4局、親・滝沢。
中村49,500 滝沢29,500 石渡21,100 杉浦19,800
並びがいいだけに、滝沢はなんとか浮きに回りたい所だが、杉浦からリーチが入ってしまう。
しかし滝沢が、
この七対子をアガリ浮いて3回戦目を終える。
4回戦もかなり小場であったが、石渡が親でリーチ
リーチ
杉浦も
リーチ
ここは石渡が高め8,000を放銃。
杉浦39,200 石渡29,200 滝沢25,800 中村25,800
オーラス、中村が力の入った発声でリーチ。
リーチ ツモ
高めをツモアガリ3,000・6,000で2連勝。
4回戦終了時
中村+15.3P 石渡+5.6P 杉浦+5.6P 滝沢▲26.5P
誰が勝ち上がるか全くわからない展開。
滝沢も50,000点のトップを取れれば大体通過だろう。
その滝沢、東2局の親番。
ポン ロン
石渡から大きい12,000。
続く1本場も、
リーチ ドラ
このリーチは空振り。
次局、対局者をぐったりさせる、石渡のリーチツモ七対子ドラドラで失点を挽回。
東4局親、石渡が畳み掛けるリーチ。
リーチ
すると、南家・中村が気配を消しながら、石渡の現物であるで国士無双テンパイ。
滝沢の手にが2枚ともあったが、さすが滝沢、安易には切らず勝負は先送りに。
南場に入り、
石渡3,7000 滝沢31,800 中村31,700 杉浦19,500
攻めたい所だが、滝沢には大きい2局連続の1人ノーテン。
親も落ちてしまい、ここで滝沢のグランプリは終わってしまった。
最終決戦は、杉浦の親番に訪れた。
東家・杉浦
リーチ ドラ
ノータイムで先制リーチを放つ。
南家・石渡
リーチ
全て勝負し追いかけリーチ。
最終決戦の結末は、杉浦の6,000オールで閉幕。
オーラスの石渡の親は、中村が満貫をアガリ3連勝で終局した。
1位通過 中村毅
2位通過 杉浦勘介 ベスト16進出
2次予選勝ち上がりの10名に、以下のシード選手6名を加え
現グランプリ 前原雄大
鳳凰位 藤崎智
十段位 瀬戸熊直樹
王位 森下剛任
マスターズ 小車祥
最強位 沢崎誠
場所を夏目坂スタジオに移し、いよいよベスト16が行われる。
カテゴリ:グランプリ レポート