プロクイーン決定戦 レポート/第13期プロクイーンベスト16レポート 白鳥 翔
2015年10月15日
2015年9月21日。
第13期プロクイーンのベスト16が行われた。
前日に行われた2次予選を通過した11名に、前年度決勝進出者4名と現女流桜花を加えて(前年度優勝者は決勝シード)行われる。
システムは固定メンツでの半荘5回戦、各卓トータルポイント上位2名がベスト8進出となる。
ルールは一発・裏ドラ有りの連盟Bルール。
順位点はトップから+15,000点、+5,000点、▲5,000点、▲15,000点でオカは無し。
それでは各卓の模様をお届けしていきたいと思う。
A卓:茅森早香(最高位戦)、大里奈美、片倉まち、愛内よしえ(協会)
経験豊富な茅森、愛内を相手に大里、片倉がどう立ち向かっていくのか。
1回戦、東1局から茅森が1,300・2,600で先制し、次局もリーチといくが先に仕掛けていた片倉が400/700のツモアガリ。
新人の片倉、このアガリで落ち着くことができたか。
東4局、大里の先制リーチを受けて、親の茅森、
ドラ無しのこの形から打としてヤミテンとすると、すぐに大里がを掴んで2,000のアガリ。
続く1本場で4,000は4,100オールと繋げてこの半荘トップ。
2着には終始冷静に打ち回していた愛内が、
ツモ ドラ
これをツモって2着に浮上した。
2回戦は南4局を迎えて、持ち点が
大里49,500
愛内47,700
片倉23,100
茅森▲400
なんと「天才」茅森が箱下の状態。少しでも失点を取り返そうと茅森が
ドラ
これでリーチすると、一発でをツモって裏ドラが。ラスのままだが12,000点の素点を返してこの半荘を終えた。
3回戦はここまで4着、3着ときていた片倉が意地のトップで望みを繋げ、愛内にラスを押し付けると4回戦は愛内がトップとかなり混戦に。
4回戦終了時のトータルポイントは
大里+20.9P
愛内+16.4P
片倉▲15.0P
茅森▲22.3P
終始淡々と打ち回していた大里がトータルトップ目、4回戦目のラスの分だけ茅森がラス目に。
5回戦、ここまで、終始冷静に見えた愛内が2フーロしている茅森に痛恨の8,000を放銃。
アガった茅森の形も珍しい形でのアガリで致し方ない放銃にも見えるが、点数的にはかなり痛い。
これで、片倉、茅森にもチャンスができた。片倉も踏ん張って1,000・2,000などをアガるも、勝負に行った場面で親の茅森に12,000放銃。
南3局、愛内が子方で
リーチ ドラ
これをリーチし一発で引きアガリ2,000・4,000。
南4局、現状は大里、茅森の勝ち上がり。
オーラスの愛内の親を大里が1,000点で捌き自ら勝ち上がりを決めた。
最終成績
大里+28.2P 茅森+3.3P 愛内▲7.7P 片倉▲23.8P
A卓勝ち上がり:大里奈美 茅森早香
B卓:優木美智、古川彩乃、優月みか、命(協会)
B卓はベテランの優木、命に、古川と優月がどう対抗するかといったところ。
このB卓、場をリードしていったのは新人の古川。東1局からテンパイで親を続けると、同1本場、
ポン
これを優木からアガって7,700は8,000。
2本場タンピンのリーチは空振るも、3本場にこの形になったのが6巡目。
ドラ
前局の空振りをものともせず堂々とドラ切りリーチといった。この選択が見事成功しすぐさまアガリ牌を引き当て4,300オール。
1回戦は古川がトップ、優木がラス。2着は鳴きを駆使しながらも絶妙なバランスを保っていた命。
2回戦は優木が南4局に、
ドラ
これを命からヤミテンでアガって意地の逆転トップ。ラスは優月だが丁寧に打っているが終始手が入らず辛い印象。
その丁寧さが実ったのが3回戦の南場の親番。難しい手牌をうまく七対子にまとめてリーチ。
これを優木からアガって4,800は5,100。2本場のリーチは流局するも、3本場に500は800オールと粘っていく。
しかしこの回のトップは古川。押すところでしっかり押してトップをもぎとった。
4回戦も東1局、優月が待ちの七対子のリーチ。これを受けた親の優木が押し返し、
ドラ
この3,900を優月からアガると、次局テンパイしていた命からリーチで12,300を捕らえ、2本場では2つ仕掛けて4,200オールと3回戦の鬱憤を晴らすかの様なアガリを連発。
後がない優月もこの後前にでるもそれを、古川、命に捕らえられ実質4回戦で優月は敗退濃厚となってしまった。
4回戦終了時のトータルポイントは
古川+48.0P
命+19.4P
優木+11.4P
優月▲78.8P
古川は命、優月、2人にかわされなければOK、実質、命、優木の着順勝負といったところ。
最終戦、東1局から命の親リーチ対優木のリーチ。
ここを優木が制して2,000・4,000をツモるとその後も加点に成功。その後の自身での親番での選択が秀逸だった。
下家の命からドラのポンが入るが、親の優木はタンピンの1シャンテン。しかし次に引いた牌でノータイムで命の現物に合わせた。
まだ命にはテンパイは入っていなそうだったが、現状優木48,700、命21,200、という点差を考えると、自身もチャンス手ではあるが残り局数などを考えると絞った方が得策ということだろう。
命も親番で執念のこの4,000オール。
ツモ ドラ
これで優木に近づいた命だったが、次局優木が終盤にリーチ、命から捕らえて2,600は2,900のアガリ。
これでほぼ優木、古川の勝ち上がりかと思われたが。。。
南4局をむかえて
優木47,100
命 32,300
優月20,800
古川19,800
この点数状況。これは古川にとって最悪の並びで、自身がラス目にいるため命にもかわされてしまっているのだ。
古川の条件はどこからでも1,000点をアガれば通過。ラス親がトータルトップの優木なので実質1局勝負。
優月は条件がほぼ無いに等しい為、流局した場合はノーテンで終わることが予測できる。
そうなるとテンパイ料で古川が3着に浮上して逆転されてしまう可能性がある為、ここは命もアガリに向かわなければならないところだ。
命、古川、両者タンヤオで仕掛けていくが、古川が、
チー チー ツモ
このアガリで勝ち上がりを決めた。
古川はここまで淡々と感情が出ない様に打っている様に見えたが、この最終局だけは顔も紅潮し打牌もこれまでより力が入っていてそれがとても印象的だった。
命は着順が2着4回と3着1回で敗退と悔しい結果に終わってしまった。
最終成績
優木+43.0P古川+33.9P命+26.4P優月▲103.3P
B卓勝ち上がり:優木美智 古川彩乃
C卓:宮内こずえ、高田麻衣子、和泉由希子、鳥越智恵子(最高位戦)
連盟を代表する女流の宮内、和泉がいるC卓。場数では圧倒的にこの2人が有利なので、高田、鳥越はいかに自分の麻雀が打てるかが勝負の分かれ目。
1回戦、東3局で高田がピンフドラ1をリーチして一発ツモで2,000・4,000。
続く東4局、自身の親番で和泉から先制リーチが入るも、怯まずドラ切りリーチ。
これは実らなかったものの、ベスト16という舞台にも動じずしっかりと入り込めているなと感じる1局だった。
南3局、和泉が好判断。
ツモ
ドラなしのこの形から、場に高いマンズを見切り仕掛けも見越してツモ切り。すぐさまを仕掛けることができ高田から1,000点のアガリ、これでトップ目に立つと、次局も自らアガリきって、1回戦は和泉のトップ。
2回戦は宮内が大物手連発で60,000点オーバーのトップを取ると、3回戦は和泉が南4局の親で連荘してトップ。
その間、高田、鳥越の両者が共にラスを引いてしまい、2人にとってはかなり厳しい展開に。
3回戦終了時
和泉+47.5P
宮内+34.2P
高田▲38.8P
鳥越▲42.9P
4回戦は高田が和泉から点数を奪うことに成功し、なんとか和泉にラスを落ち着けることに成功するが、和泉は24,500点のラスとかなり小さめのラス。
しかもトップは宮内で、宮内は通過がほぼ確定のポジションに。
4回戦終了時の成績
宮内+57.3P
和泉+27.0P
鳥越▲38.1P
高田▲46.2P
3着目4着目の鳥越、高田は約65P、75P差なのでトップラスで35,000点以上の差をつけなければならない。トップ3着なら45,000点差だ。
これはかなり厳しいが、諦めずに目標に向かってやるしかない。
東2局、終盤に高田がリーチ。これを仕掛けていた和泉、オリる牌、通りそうな牌はかなりありそうに見えたが、無筋を打って高田に放銃。
これが高めでメンタンピン三色ドラ1の12,000。これで並びができてしまった。
続く東3局も高田がリーチ。これには中抜いてオリる和泉だったが、高田のリーチの現物で待っていたのが親の鳥越。
メンホンの12,000を和泉からアガると、続く1本場でミスなく4,100オールのアガリ。相手の隙は見逃さない。
鳥越はこれまで持ち味の面前高打点が決まらず苦しい闘いを強いられていたがここでようやく実った。
展開や相手のミスも味方したのは事実だが、持ち前の打点力で宮内と共に通過を決めた。
そして、高田。直後少し話す機会があって、2回戦に最終手番で仕掛けている親の鳥越に12,000を打ってしまった局があったのでその局について尋ねてみた。
「鳥越さんの現物はありましたが宮内さんからも気配が出ていてその牌が打てませんでした。でも、他の人が打っていたらもっとしっかりした読みで別の牌を切ることができたと思います」
こう返答をくれた高田は、更に強くなってまたこの舞台に戻ってくるだろうなと感じた。
最終成績
宮内+59.2P 鳥越+2.2P 和泉▲29.0P 高田▲32.4P
C卓勝ち上がり:宮内こずえ 鳥越智恵子
D卓:二階堂瑠美、吾妻さおり、童瞳、池田幸枝(最高位戦)
一昨年のプロクイーン覇者二階堂に、現女流桜花の吾妻がいるD卓。童瞳は新人王決勝などの場慣れもある分、最高位戦の新人池田が不利か。
1回戦、東1局から吾妻が安手ながらも500・1000、2,000と連続でアガる。
点数が大きく動いたのは東4局、池田と童瞳が共にリーチも池田に軍配があがり、
ロン
裏1で大きな8,000のアガリ。
続く南1局も童瞳テンパイするも二階堂に捕まり3,900の放銃。
南4局を迎えて持ち点は
池田38,500
吾妻32,200
二階堂29,800
童瞳19,500
吾妻がトップ狙いでタンピンでリーチにいくも、童瞳が追いつき力強く一発ツモで4,000オール。
一発ツモ ドラ
続く1本場は二階堂が先制リーチ。ここに追いついた吾妻、ドラのを先に切って安全そうなを残していて、切りリーチ。
このを二階堂が鮮やかに七対子で捕らえて6,400は6,700のアガリ。
これで童瞳と同点の2着目となった。トップは東4局のリードを守りきった池田。
2回戦は吾妻が渾身のトップも、池田が落ち着いた打ちまわしで2着に。
しかしここから池田が失速、3回戦、4回戦と4着、3着と引いてしまう。
吾妻も童瞳とぶつかり競り負け3着、4着と引かされ苦しい展開に。
4回戦終了時
二階堂+31.5P
童瞳+20.6P
池田▲15.6P
吾妻▲37.5P
二階堂はとにかくラスを引かない。トーナメントはこう打つんだという様な打ち回しでやはり安定感抜群だ。
最終5回戦、東1局吾妻の親番、吾妻が仕掛けて、二階堂も仕掛け返すが冷静に対処して終盤にオリ。吾妻の1人テンパイで流局すると、1本場、吾妻の大物手が炸裂する。
ポン ツモ ドラ
これで6,000は6,100オール。これで全く分からなくなった。
2本場は池田もリーチとでるが流局。
東2局3本場では童瞳が700は1,000オールをアガると4本場は二階堂はここが勝負とリーチ。
リーチ ドラ
これを力強くツモって裏1で2,000・4000のアガリ。これで勝ち上がりに向けてかなり有利になった。
南4局、持ち点は
吾妻54,500
二階堂28,200
池田19,800
童瞳17,500
ラス親の池田は4,000オールでとりあえず捲くりだがまだ局が続く。
童瞳は3着になればOKで、現状は二階堂、吾妻の勝ち上がり。
吾妻、ポン、ポンでこの形。
ポン ポン
雀頭のもポンして1シャンテンからイ1シャンテン、テンパイチャンスを広くした。
この状況なら当たり前といえば当たり前だが完全に卓に入り込んでいる。
童瞳も、とポン(童瞳は西家)。そしてこのテンパイ。
ポン ポン
吾妻がテンパイし、そのテンパイ打牌が。これで童瞳が二階堂と共に勝ち上がりを決めた。
最終成績
二階堂+34.7P童瞳+8.6P吾妻▲3.5P池田▲40.8P
D卓勝ち上がり:二階堂瑠美 童瞳
このレポートが連盟ホームページにアップされる頃には既に決勝進出者も決まっているだろう。
ディフェンディング和久津晶に挑戦する4名は誰なのか!
連盟チャンネルで、目の離せない戦いが続きます!
~編集部~
決定戦メンバー決まりました!
和久津晶vs二階堂瑠美vs童瞳vs大里奈美vs茅森早香(最高位戦)
初日2015/10/31(土) 12:00
最終日2015/11/1(土) 12:00
日本プロ麻雀連盟チャンネルにて放送!
お見逃しなく!
カテゴリ:プロクイーン決定戦 レポート