2022AKRacing杯予選D卓レポート
2022年09月27日
【躍動する日吉、~2022 AKRacing杯予選D卓~】
『藤崎智vs佐々木寿人vsHIRO柴田vs日吉辰哉』
当初の発表ではこの4選手だった。
日吉辰哉!?!?実況日吉辰哉の間違いではなくて?
と驚いた人も多かっただろう。
残念ながら直前に佐々木が欠場となり、その代わりに萩原聖人が出場するというサプライズ。
この豪華メンバーを見ようと、日吉の対局を一目見ようと、見ることはできないがTwitterの速報はチェックしようなど、注目度が高かったように思われる。
TwitterにいただいたRTやいいねは普段の十倍以上だった。
連盟チャンネルの実況ではおそらく100回を超えている日吉だが、意外にも対局で出演するのは初。
表情からもかなり緊張しているのが見て取れる。
なかなか緊張が解けなかった日吉だが、東4局の親番にドラが暗刻という好配牌を得ると、ヤミテンにしてHIRO柴田から12,000。
初アガリ、12,000の高打点と、だいぶ緊張も解けた様子。
東4局1本場
一発でをツモり、なんと裏3!
リーチ、一発、ツモ、、三暗刻、裏3の倍満だ。
こんな最高のアガリを得られると、日吉には感じられるナニカがあったのではなかろうか。
ここから1回戦は日吉の時間帯が続く。
4本場にて流局で親が流れて迎えた南1局5本場(供託3)
リーチ ロン ドラ 裏
HIRO柴田のリーチ宣言牌を捕らえて、リーチ、ドラ、裏、赤の8,000(+4,500)
南2局、、赤2の2,000・4,000。
ツモ ポン ポン ドラ
南3局、、赤2の1,000・2,000。
ツモ チー ドラ
南4局、リーチ、赤2の7,700を満貫テンパイの入ったHIRO柴田から。
リーチ ロン ドラ 裏
赤も多いし、恵まれてアガリを重ねているように思われるが、南3局の繊細なこの一手が光った。
次のキャプチャ、皆さんなら何を切るだろうか?
が暗刻になってもが出ていくので自己都合では切りがセオリーだが、は親の萩原の現物(次キャプチャ参照)。
日吉はよりを残す方が価値が高いと判断した。
すぐに親の萩原からリーチを受ける。
最近はMリーグの実況をはじめ引っ張りだこで、非常に忙しいからかリーグ戦は振るっていないが、日吉も20年選手。技術力は高い。
が残っていたら、攻め返せなかった可能性が高く、このアガリにはならなかっただろう。
解説の白鳥もこの手順を絶賛していた。
南4局1本場で萩原がアガって、日吉の一人舞台を終わらせたが、ここまでに稼いだ点数は90,100点。
圧倒的な差で最終2回戦を迎える。
1回戦終了時
日吉90,100点、藤崎30,700点、萩原20,900点、HIRO柴田▲21,700点
実況の松田「#日吉10万点を(Twitterの)トレンドにしましょう。トレンドにしてほしい。」
という盛り上がりとは裏腹に、最終戦の日吉は消極的な麻雀になってしまう。
東4局の親番ではダブを鳴かずにあっさり親を終わらせてしまったが、どうだったか。
失ってしまったナニカは萩原のもとにたどり着いたのか、萩原の猛追が始まる。
東2局、萩原4,000オール。
リーチ ツモ ドラ 裏
南1局3本場では、手堅くヤミテンにして供託5本を回収、日吉とは3万点差。
ロン ドラ
南2局の親番でも1,300オールと2回の1人テンパイで2万点弱まで詰めると、
リーチ ツモ ドラ カンドラ 裏 カン裏
南3局はHIRO柴田、日吉もテンパイしていたが、一発でツモって2,000・4,000。
その差を7,000点にしてオーラスを迎える。
7,000点のリードなんて、赤ありの麻雀では無いようなものだ。
(南4局を前に天を仰ぐ日吉と、この1局と集中する萩原)
追い詰められた日吉だったが、ここで日吉を助けたのは数百回と行ってきた実況の経験だった。
脳内日吉「勝又さん、ピンフのテンパイですけどどうしますか?ヤミテンにしておいて、逆転の手が萩原に入ったときにアガるのがいいですか?」
脳内勝又「1,500点をアガっても、もう1局チャンスを与えるだけでしょ。リーチしてアガって条件を突きつけなきゃ。」
脳内は僕の想像ではあるが、こんなやり取りが思い出されたかもしれない。
5巡目ピンフのテンパイ、日吉はリーチを打って勝負を委ねた。
萩原も追いつく。
リーチのみだが直撃でもツモでも、一発か裏ドラが1枚乗れば逆転だ。
日吉「これで僕が放銃して、(萩原さんは)さすがのヒーローだなあ、というところまで想像(覚悟)していたんですけども、応援してくれる皆様のお陰で――」
運命の1局は日吉がツモアガリ。裏ドラ1枚を乗せた2,600オール。
これで萩原を倍満ツモ条件として、辛くも逃げ切ることになった。
2022AKRacing杯もいよいよ決勝戦。
各卓を勝ち上がった次の4選手で行われる。
白鳥翔vs和久津晶vs伊達朱里紗vs日吉辰哉
解説:滝沢和典
実況:松田彩花
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OPENREC
(文:福光聖雄)
カテゴリ:対局番組レポート