第38回静岡リーグ(プロアマ混合)決勝レポート
2022年11月11日
寒さがまだ残る3月6日。第38回静岡リーグの決勝戦が行われた。
静岡リーグは1日4半荘を5節戦い20半荘で上位5名が決勝戦に進める形式である。
決勝戦では1位通過の方から+40P、+30P、+20P、+10P、+0Pとアドバンテージがつく。
各者1回ずつ抜け番がありまず5回戦を行い、下位1名が脱落。その後残った4名で最終戦を行い優勝者を決める。
今回決勝戦に駒を進めた5名の方々はこちら。
1位通過 +160.0P 片山一哉(一般参加)
2回目の決勝進出。
直近の第36回静岡リーグで決勝戦に駒を進めたが5回戦で敗退。
今回は1位通過というアドバンテージもある。そのリベンジをここで果たせるか。
2位通過 +157.6P 大河内茂之(一般参加)
初めての決勝進出。
今日のために練習セットも繰り返し準備万端。
会場入りからめちゃくちゃ緊張していたがしっかり自分の麻雀を貫いて欲しいとこだ。
3位通過 +140.2P 川崎義之(第29.32.33回静岡リーグ優勝)
4回目の決勝進出。
これまで3回決勝戦に進出し3度優勝を掴んでいる。
第3節に+125.9Pを叩き出しており爆発力、安定さを共に持ち合わせている選手だ。
4位通過 +138.0P 望月雅継(第1.6回静岡リーグ優勝)
11回目の決勝進出。
言わずもがなの我らが支部長。久しぶりの決勝だが自分なりの優勝ポイントを定めており、そこに向かって頑張るのみと語っていた。
5位通過 +126.2P ダニエル・モレノ(鳳凰位戦 D1リーグ所属)
初めての決勝進出。
最終節に+70P叩き滑り込みで決勝戦に駒を進めた。
決勝メンバーの中では間違いなく一番手数が多い選手。
始めから40P差のアドバンテージから始まるのでいつも通り欲張りの麻雀を貫くと語っていた。
1回戦 (起家から望月、川崎、大河内、ダニエル 抜け番:片山)
1回戦 南1局 1本場 ドラ
望月の配牌
ツモ
端に寄っていてドラも端。三色やチャンタ形も見えそうな手牌だ。
2巡目にを引き入れ打
3巡目にツモで打
しばらくツモ切りが続き7巡目。
をツモで打
続く8巡目にを引き入れ切りリーチ。
“跳満ベース”の名の通りツモれば跳満のリーチ。
決勝戦は頭取りのため、ここで6,000オールを引きに行く選択。
結果は2人テンパイでの流局だったが、リーチの打牌の音といいリーチ選択も望月らしい一局だったと思う。
1回戦成績
望月+23.7P ダニエル +12.0P 川崎 ▲9.4P 大河内 ▲26.3P
1回戦終了時
片山 +40P 望月 +33.7P ダニエル +12.0P 川崎 +10.6P 大河内 +3.7P
2回戦 (起家からダニエル、片山、川崎、大河内 抜け番:望月)
2回戦成績
片山 +30.1P 川崎 ▲1.4P ダニエル ▲6.3P 大河内 ▲22.4P
2回戦終了時
片山 +70.1P 望月 +33.7P 川崎 +9.2P ダニエル +5.7P 大河内 ▲18.7P
3回戦 (起家から川崎、片山、ダニエル、望月 抜け番:大河内)
3回戦成績
川崎 +13.5P ダニエル +4.8P 片山 +1.2P 望月 ▲19.5P
3回戦終了時
片山 +71.3P 川崎 +22.7P 望月 +14.2P ダニエル +10.5P 大河内 ▲18.7P
4回戦 (起家から望月、ダニエル、大河内、片山 抜け番:川崎)
東2局 2本場
望月がカン待ちのジュンチャンイーペーコーの8,000をアガリ。
続く東3局 今度は大河内さんがアガリ返す。
親番の大河内さんがペン待ちの三色をリーチ。
すぐにツモリ3,900オール。
大河内さんの連荘が続く東3局2本場。望月にまたもや超勝負手が入る。
と待ちのツモリ四暗刻テンパイ。両方とも1枚ずつ残ってはいたが、アガったのは大河内さん。
をポンしての2,900は3,200のアガリだった。
この戦いを制した大河内さんは決勝戦初トップをもぎとり、首位の片山さんを沈ませることに成功。
4回戦成績
大河内 +22.2P 望月 +4.3P 片山 ▲7.1P ダニエル ▲19.4P
4回戦終了時
片山 +64.2P 川崎 +22.7P 望月 +18.5P 大河内 +3.5P ダニエル ▲8.9P
5回戦 (起家から大河内、川崎、片山、望月)
5回戦成績
望月 +15.0P 大河内 +5.2P 片山 +1.7P 川崎 ▲21.9P
5回戦終了時
片山 +45.9P 望月 +33.5P 大河内 +8.7P 川崎 +0.8P ダニエル ▲8.9
ここで5位のダニエルは敗退。
決勝戦という舞台で戦った経験は必ず今後の麻雀人生に生きてくる。来期以降の決勝戦にも必ず現れるだろう。
最終戦 (起家から望月、大河内、川崎、片山)
大きなトップが必要な川崎は、東2局に1,300・2,600をツモ。
東3局で2,600オール。南場に入っても勢いは衰えず、3,200、12,000、2,900とアガリを続けオーラス勝負まで持ち込んだ。
最終戦オーラス1本場 供託1本
点棒状況
望月 35,800 大河内 17,800 川崎 61,800 片山 3,500
トータルポイント
望月 +43.3P 大河内 ▲7.5P 川崎 +40.6P 片山 +11.4P
望月はアガれば優勝。
川崎の条件は望月からは1,000点以上でツモは300/500以上。そして他家からは1,600以上。
大河内さんはダブル役満条件で親番の片山さんは連荘あるのみ。
先に仕掛けたのは川崎。
をポンして待ちのテンパイ。
それに対抗して望月もをポン。をチーして待ちは。
望月がを掴み、めくりあいを制したのは川崎。
最終戦成績
川崎 +42.1P 望月 +8.5P 大河内 ▲16.2P 片山 ▲34.4P
最終順位
優勝 川崎義之プロ+42.9P
2位 望月雅継プロ+42.0P
3位 片山一哉さん+11.5P
4位 大河内茂之さん▲7.5P
5位 ダニエル・モレノプロ▲8.9P
優勝は川崎プロ。
川崎はこれで4回決勝に残り4度目の優勝。決勝に残ることも簡単なことではない。そして、その舞台で負け知らずの強さ。
2位との差がなんと0.9ポイント。リーチ棒1本に満たない差であった。
最後の最後まで誰が優勝するのか全く分からない状況で、誰もが4人の一挙手一投足に夢中になった対局だった。
プロアマ問わず人々を夢中にさせる、ワクワクさせられるような麻雀打ちというのは本当にカッコいいと思うし、決勝戦に残れなかった人の分の思いを背負って戦う5人の”勇姿”を間近で見られてよかったと思う。
次回の静岡リーグも4月から新たに始まります。
次の決勝には自分も残りたい。その気持ちが更に強まった1日でした。
(文:高橋大輔)
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