戦術の系譜

戦術の系譜36 勝又 健志

みなさんこんにちは!
前回は「構想力」について書かせていただきました。自分で書いているうちに復習になり、最近麻雀が絶好調です(笑)。興味ある方は是非前回の戦術の系譜も読んでいただけたらと思います。

戦術の系譜35 勝又 健志

今月のテーマは「アガリのない局に何をするべきか」です。
麻雀は4人で行うゲームなので、大雑把に考えると4局に1局しかアガれません。となると当然4局に3局はアガれないことになります。

つまりアガリのない局の方が圧倒的に多くあり、このアガれない局にどう戦っていくかこそが成績を大きく分ける部分なのではないでしょうか。ここに戦術を考える余地があると思います。
ここからは、僕自身がアガる可能性がかなり低いと見切った局を、どのように打っているのかお話させていただきます。

まず始めに、自分にアガリのない局にどんな結果があるのか考えてみます。

1.流局
2.他家のツモアガリ
3.他家への放銃
4.他家同士の横移動

自分にアガリがない場合、この4つの結果のどれかになります。
これをもう少し詳しく分類してみると

1-1.自分がテンパイで流局
1-2.自分がノーテンで流局
2-1.親のツモアガリ
2-2.子のツモアガリ
3-1.親への放銃
3-2.子への放銃
4.横移動

と分けてみました。
みなさん上の7つを自分にとって嬉しい順番に並び替えてみてください。
どのくらい点数が移動するかを考え並び変えると

1-1 +1,500点
4 ±0点
1-2と2-2が同じくらいで-1500点
2-1 -3,000点
3-2 -4,500点
3-1 -7,000点
(移動する点数は大雑把なものですが)

このような順番になると思います。
これを踏まえると、アガリのない局にするべき優先順位は

① 絶対に放銃しないこと
アガリのない局の結果を並び変えた時に、大きな失点となるのは放銃した時でした。よってまず一番に考えるべきは絶対に放銃しないことです。
「アガリのない局≒自分の手牌の価値が低い」なので、しっかりと安牌を持つことが大切です。ここでは絶対に放銃したくないので、2人リーチに挟まれても凌ぎ切れるように準備します。

次に、①の絶対に放銃しないを確実にできるようになると、残された結果は下の5つになります。
1-1 自分がテンパイで流局
4 横移動
1-2.2-2 自分がノーテンで流局、子のツモアガリ
2-1 親のツモアガリ
となると次の優先順位は

② 親になるべくツモアガリさせないこと
これは、自分の力だけでツモアガリを防げるものではないので「なるべく」となります。ここで大切なことは、これは優先順位の2位であるということです。

例として
下家が親で役牌をポン、自分の手は到底アガリの見込めない価値の低い手。このような時に親にアガらせまいと、早い段階から絞りにまわって、いざ他家からリーチがきた時に気付いたら安牌が無い!これが最悪です。
優先順位の1位は絶対に放銃しないことなので、手詰まらない程度に下家に絞るのがポイントです。
安牌が無くなり放銃の危険が高まるくらいであれば、下家の親にチーされてツモられた方がマシなのです。

ここまでを整理すると
①絶対に放銃しない
②親になるべくツモアガリさせない
でした。そして、そのために安牌をたくさん持つ、ただ親には鳴かせないでした。
口で言うのは簡単ですがこれはかなり難しいことです。

ここからは具体的にどうすれば良いのかというお話です。最近の練習会で以下のような状況になりました。

下家の親がダブ東をポンしている3巡目とします。
その親の捨て牌が

北白九万 上向き

自分の手牌

一万三万六万八万八万一索三索一筒二筒七筒九筒西西北

だとします。
ここでの僕の選択は八万切りでした。

その理由は、

(1).西がトイツであるとはいえ、絶対に放銃したくないこの手牌から北を切るのは守備力に不安が残ること。
(2).九万を切っていることからカン八万でチーされる可能性がかなり低いこと。
(3).九万を切っているかつ自分が2枚持っているのでポンされる可能性がかなり低いこと。

思考の流れとしては、絶対に放銃したくない→西北は切らない。
親にツモアガリされないために鳴かれたくない→北以外全ての牌が鳴かれる可能性がある→だったら鳴かれた時に急所にならないところを切った方がマシ。
(今回のテーマと少しずれますが、チャンタ三色に伸びた時に攻める可能性も残る)

というものです。
次は、といきたいところですが、かなり長くなってしまったので、今回はここまでとさせていただき続きはまた次回に!
僕に文章力が無く読みにくい点も多々あったと思いますが、最後まで読んでいただきありがとうございました!