中級

中級/第84回『序盤の組み立て方』

ニコニコ動画内の、日本プロ麻雀連盟チャンネルにて配信されている、
各リーグやタイトル戦はご覧いただけておりますでしょうか。
先日A1リーグの最終節の対局があり、降級争いに臨むもあえなく撃沈。
来年度はA2リーグから再出発となりました。
何だかんだでA1には3年間いたわけですが、その間、全てが降級争いと振るわず。
年間を通してのリーグ戦なので、1年や2年ならまだしも、3年連続は流石に運がどうのこうの以前に、
自分の能力に難があるとしか考えようがありません。
来年度の対局に向けて、1から自分の麻雀を見直し、新しいものに作り直そうと考えていますが、
現在、自分がどんな麻雀を打っているかを再認識する為にも、
今回は、序盤、中盤、終盤に分けて、何をどう考えながら麻雀を打っているかを書いていこうと思います。
●序盤 ~配牌から1段目~
まずは、現在の状況を把握することから入ります。
各家の持ち点だったり、相手の調子、それまでの展開や自分の調子。
その日の1半荘目なら、打ってみないとわからない状態ですが、既に何半荘か打っている状態なら、
今日は誰が調子良いとか、○○は河に何回もメンツを並べちゃってるとか、考える事はたくさんあります。
ただ、何も考えずボーっと、親がサイコロを振るのを待つのではなく、
前の局までの反省や分析を、この間に済ましてしまいましょう。
配牌のランクは、自分の中で数種類に分けています。
もちろんランクが上な程、その局のやる気が上がり、下になるほど受けを意識します。
とは言っても、あくまで目安となるだけで、ツモ次第となる部分は大きいですが。
配牌のランク分けに関しては、大体4段階に分けています。
ランクA・・・シャンテン数、打点共に優秀。シャンテン数は2シャンテン以内、打点は8,000点以上が目安。
ランクB・・・シャンテン数が優秀。
ランクC・・・遠目に高打点が望めそうな配牌。8種9牌以上の国士配牌もここ。
ランクD・・・夢も希望も無い配牌。
Aは、誰もが羨む様な配牌です。タンピン3色にドラが含まれている様なら間違いなくAです。
しかし、高打点の仕掛け材料が揃っている場合は、多少マイナス査定になります。
仕掛け前提の配牌は、自力でテンパイを入れるにしては形が悪い場合がほとんどですし、
仕掛けるにしても、周りに警戒をさせてしまい、結果、仕掛け倒れになってしまうケースもあるからです。
相手も必ず前に出ないといけない状況なら問題ないんですけどね。
Bは、Aの劣化版ですね。打点がAに劣るケースです。
それでも一般的には好配牌の部類に入ると思います。
競技ルールでは、一発裏ドラがないので、捌きとして優秀であるといった感じですが、
巷の一発裏ドラアリルールなら、門前での速さがあれば、後は一発や裏ドラが補助してくれるので、
Aにランク分けしても問題ないかと思います。
Cは、2翻以上の役が見えていたり、手は遅くてもドラが2枚以上あるような手牌ですね。
大体の配牌はここになるんじゃないかと思います。
ツモによりますが、スピードでは他家に勝てないので、決着が終盤になる場合は戦える状況が増えるでしょう。
基本的に、安全牌を抱えながら最高形を目指して進めていきます。
8種9牌といった国士狙いの配牌は、相手の早いヤミテン以外なら自分にテンパイが入らない限り、
放銃せずにすむケースが多いので、ランクはここになります。成就した時のリターンも大きいですからね。
今を思えば、このCの配牌を貰ったときの戦い方が、自分は宜しくなかったのでしょう。
一番頻度が多い配牌なんですから、ここの扱い方次第では、もっと上を目指せたと思います。
例えば、安全牌を抱えずにもっと踏み込んでいったらどうなっていたか。
まあ、今となっては詮無きことですが。
Dは、そのまま夢も希望もない配牌です。配牌を見るだけならベタオリ以外の選択肢はないでしょう。
7種9牌で、中途半端に中張牌のカンチャン受けがあるような配牌といえば、おわかりいただけるでしょうか。
しかし、全ての配牌にいえることですが、ツモ次第で手牌は一変します。
逆に、どんな良い配牌でも、ツモが利かなければテンパイすらしません。
以前、十段戦の決勝で藤原プロが、タンピン系の受け入れ枚数満載な1シャンテンの配牌を貰って、
1枚も入らずに、テンパイすらしなかったという事がありましたから。
さて、配牌はこのぐらいにして、いよいよ序盤について書いていきましょう。
とはいっても、自分でやる事といえば、まずはアガリに向かっていらない牌を切って行くぐらいでしょう。
ランクDの配牌で、更にツモも利いていない限りは、配牌からベタオリはまずありえません。
問題は他家の動向です。
一般的に多い捨て牌の順番は、ヤオチュウ牌(役牌除く)→役牌→数牌。
こんな感じですよね。手なりで手牌を進めると、大体こんな感じになります。
では、他家の捨て牌がこうじゃなかった場合はどう考えればいいか。
まずは、相手がどんなタイプの打ち手かですね。攻撃的か守備的かで大きく変わります。
守備的な人が数牌から切り出してきた場合は、序盤に関してはあまり怖くありません。
配牌があまり良くなく、安全牌を抱えながら手役を作りにいっているケースの方が多いからです。
問題は、攻撃的な人が数牌から切り出してきたケースでしょう。
攻撃的なタイプは、基本、配牌からオリを選択することがありません。
にも関わらず、数牌から切り出してきたという事は、何らかの意志がそこに込められています。
もちろん、考えられるケースは山ほどあるので、中々序盤だけの捨て牌で判断する事はできませんが、
相手のツモ切り、手出しをしっかりと見ておくぐらいの対応はすべきだと思います。
ツモ切りが多い程、好配牌である可能性は上がり、手出しが多い程、悪い配牌である可能性が高まります。
この辺りの判断方法ですが、どうしても慣れの部分が大きくなってしまいますので、
たくさん麻雀を打って、自分なりにデータをまとめるといいと思います。
まずは、自分ならこういう時はこうするといった感じで、
序盤の手牌と捨て牌を、まとめてみてはいかがでしょうか。
思っていたよりも書くことが増えてしまったので、中盤、終盤は次回の講座で書かせていただきます。