第7期北陸プロリーグ 第3節レポート
2024年07月25日
Aリーグレポート
2024年6月30日に北陸プロリーグ第3節が開催された。
まず注目したのは、今節を1着、2着、2着、1着で終え、+60.7Pを叩いて首位に躍り出た里木。
里木が振り返って、今節を大きなプラスに繋いだ局は4回戦のオーラスにあった。
4回戦 南4局 0本場 東家ドラ
里木は3回戦を終えて+31.2P。また、4回戦オーラスでは、36,000点持ちの2着目であった。
南家の安城が早々にポン、さらに ポン、そしての加カン、放銃すれば、ほぼ沈みの3着の可能性がある仕掛けに対して、里木は一旦回ったが、テンパイ時に勝負してこの手牌。
ポン チー
をツモり、500オールのアガリ。現在のトータルポイントなどを考えると、無理をせずにオリる選択肢もありそうだが、「決勝に行くためにはここで手を緩めてはいけない。」と里木は語った。その結果、更なる加点で1人浮きのトップを獲得し、大きくポイントを伸ばした。
たとえ自身の手が安く、相手の仕掛けが高く見える場合でも、勝負する場面を見極め、ポイントを伸ばすチャンスを逃さないことついて、筆者である私も見習わないといけないと感じた。
「去年は最終節4位からのスタートで、負けて決勝を逃し、一昨年は4節の時点で+140Pを持っていた場面から、大きくポイントを削られて決勝を逃したので、今年こそ決勝へという気持ちが強く、そういった意味でも今日の勝ち方は価値があったなと思います。」
第4期に優勝して以来、もどかしい思いが続く彼が、今期こそ決勝進出を果たせるのか注目である。
次に注目したのが、女流の文月。
北陸支部の広報も担当している彼女は、開幕からマイナスが続き、苦しい展開がであったが、今節+29.3Pを叩き、降級圏内から脱した。
文月の印象の局がこちら
4回戦 東4局 0本場 北家 ドラ
チー ポン
を切るかを切るかの選択の場面で、14巡目ということで、打点よりもアガリやすさを優先し、を切った。結果は終盤で梅本から、が切られ、7,700のアガリ。このアガリで浮きの2着を獲得した。
「降級ゾーンを脱出したとはいえ、まだ降級ゾーン付近なので、気合を入れてプラスを重ねて、マイナスを減らしていきたいと思います。」
彼女のここからの巻き返しに期待したい。
また、浦田がトータル4位と決勝圏内に入った。
第3節の前に第41期十段戦ベスト16の対局があった浦田。佐々木寿人、藤崎智、藤本哲也といったトッププロと戦い、惜しくも敗れてしまった。
「強者たちとの真剣勝負を経て、この年齢にして改めて貴重な経験を得ることができた。その時に得たヒントを現在麻雀に組み込み中。次節以降も日々進化していくことができれば、自ずと決勝にいけるのではないかと思っている。目標はもちろん優勝あるのみです。」
進化を止めない支部長の麻雀に今後も注目である。
他にも、第1期優勝の後藤、第2期優勝の木戸が決勝圏内をキープしている一方、前期チャンピオンである志多木は今節もマイナスと苦しい展開が続いている。
次回第4節は折り返しとなる北陸プロリーグ。上位陣の逃げ切りか、下位陣の巻き返しが起こるのかまだまだ分からない。今後の展開に目が離せない。
次回は8月25日に富山で開催されます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
(文:山田 航輔)
Aリーグ
順位 | 名前 | 合計 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 里木 祐介 | 78.4 | 3.9 | 13.8 | 60.7 | |||||
2 | 後藤 正博 | 62.1 | ▲ 24.0 | 77.4 | 8.7 | |||||
3 | 木戸 僚之 | 58.0 | 56.1 | 12.4 | ▲ 10.5 | |||||
4 | 浦田 豊人 | 37.0 | ▲ 24.3 | 48.9 | 12.4 | |||||
5 | 松井 直大 | 32.7 | 66.4 | ▲ 18.1 | ▲ 15.6 | |||||
6 | 梅本 翔 | 21.5 | ▲ 4.2 | 16.2 | 9.5 | |||||
7 | 藤本 鉄也 | 11.1 | 23.0 | ▲ 29.3 | 17.4 | |||||
8 | 獅坂 祐一 | 6.6 | 40.4 | 18.4 | ▲ 52.2 | |||||
9 | 安城 るい | ▲ 24.5 | ▲ 72.5 | 31.2 | 16.8 | |||||
10 | 文月 愛美 | ▲ 78.2 | ▲ 61.9 | ▲ 45.6 | 29.3 | |||||
11 | 岡田 拓也 | ▲ 90.3 | 19.8 | ▲ 48.3 | ▲ 61.8 | |||||
12 | 志多木 健 | ▲ 136.4 | ▲ 22.7 | ▲ 98.0 | ▲ 15.7 |
Bリーグレポート
2024年6月30日、第7期北陸プロリーグ(Bリーグ)第3節が富山で開催されました。
第3節のレポートは日本プロ麻雀連盟39期新保翔太が担当します。
今回初のレポートということで簡単に自己紹介をさせていただきます。
新保翔太(しんぼ しょうた)39期、石川県出身21歳
北陸支部所属プロのなかで最年少としてプロ活動を行っています。
それではレポートに移らせていただきます。
前節の第2節では、小林が第1節に引き続き、第2節でも大きなプラスをし、頭一つ抜けた展開となって迎えた今節。
今回、特に際立って成績を伸ばしたのは、荒谷+58.7P、堂垂+63.2Pの2人だった。
まずは荒谷に、今回のこの大きなプラスに至った1局について話を聞いた。
最終戦、東場の親で8,000オールをアガリ、勢いをつけ迎えたオーラス、持ち点を55,700点とのばして迎えた親
ドラ
8巡目
前巡にドラを重ね七対子の1シャンテンとなったが、ここで打たれた2枚目のをしかけてトイトイに向かう選択をとった。ドラドラの七対子を本線としていたが、ここだけは絶対の急所かつ跳満確定となるため、仕掛けたそうだ。
そして見事に石川から打たれたをとらえて、18,000のアガリを決めた。
私自身同じ状況になったら、自分の持ち点に余裕があるため、ドラドラの七対子で手を進め、無理にアガリに向かわない選択肢をとっていたでしょう。
次節以降で意識することを聞いた。
「まだ8分の3が終わったところであるため、順位自体はまだそこまで意識することはないが、自分の麻雀を見失わず、次節以降も素点を積み重ねていきたい」とのこと。
今期はBリーグスタートとなった荒谷だが、前期はプロリーグ決勝にのこり、爪痕を残した実力者。次節以降の戦いにも注目だ。
次に堂垂。今回の大きなプラスは、1回戦目からの怒涛のアガリから生まれたようだ。
1回戦の開局から3,200オール、2,000オール、4,000オールと他を圧倒したアガリで気持ち的にも楽に局が進み迎えた、東4局南家45,000点持ち
ドラ
この形の1シャンテンだったが、他家からのリーチが入る。トップ目だったが、勝負手かつこの手をアガリきればほぼ勝負を決められる局面とみた堂垂は、無筋を勝負し、ドラをカン。そして有効牌を引き入れ、この形でリーチし見事アガリきる
暗カン ツモ
このアガリを決めた堂垂は、残りの局を危なげなくすすめ、大きなトップを獲得した。
自分がいくと決めたらとことん前に出る麻雀が見事ハマり、この勢いのまま残りの3回戦もプラスで終えることができたようだ。
次節以降に関しては、堂垂自身気分屋な面があり、気持ちの上り下がりが多いため、「次節は大きなマイナスをしないよう気を引き締めて臨みたい」とのこと。
今節を終えて3節までが終了した。私自身は、前節と今節で大きなマイナスをしてしまっているがまだ序盤。次節で折り返しとなるため、今一度気を引き締めて次節に挑みたい。残り5節どんな展開となるかまだまだわからないBリーグにもぜひともご注目してください。
(文:新保 翔太)
Bリーグ
順位 | 名前 | 合計 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 小林 和樹 | 71.1 | 39.9 | 43.3 | ▲ 12.1 | |||||
2 | 荒谷 誠 | 48.9 | ▲ 9.8 | 0.0 | 58.7 | |||||
3 | 堂垂 正裕 | 45.1 | ▲ 14.8 | ▲ 3.3 | 63.2 | |||||
4 | 宮成 さく | 43.2 | 24.0 | 12.8 | 6.4 | |||||
5 | 日水 亮輔 | 38.6 | ▲ 0.5 | 34.1 | 5.0 | |||||
6 | 宮川 悟 | 32.4 | ▲ 29.5 | 18.2 | 43.7 | |||||
7 | 髙地 真生 | 24.0 | 7.0 | ▲ 2.8 | 19.8 | |||||
8 | 如月 靖之 | 12.2 | 35.9 | ▲ 18.1 | ▲ 5.6 | |||||
9 | 月野 桜悠 | 7.4 | ▲ 26.2 | 43.6 | ▲ 10.0 | |||||
10 | 中川 竜伍 | ▲ 2.0 | ▲ 36.2 | 12.9 | 21.3 | |||||
11 | 栄田 勇作 | ▲ 16.6 | ▲ 7.7 | ▲ 3.7 | ▲ 5.2 | |||||
12 | 夏野 千代 | ▲ 27.7 | ▲ 6.5 | ▲ 4.9 | ▲ 16.3 | |||||
13 | 山田 航輔 | ▲ 32.1 | 1.1 | 19.2 | ▲ 52.4 | |||||
14 | 石川 雄基 | ▲ 37.7 | 44.6 | ▲ 54.6 | ▲ 27.7 | |||||
15 | 南 和之 | ▲ 82.2 | ▲ 5.9 | ▲ 56.4 | ▲ 19.9 | |||||
16 | 新保 翔太 | ▲ 127.6 | ▲ 15.4 | ▲ 42.3 | ▲ 69.9 |
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