プロ雀士コラム/『麻雀格闘倶楽部 彩の華 世代別王&女王決定戦 頂上対局』レポート 小車 祥
2015年07月03日
2015年6月20日、『麻雀格闘倶楽部 彩の華 世代別王&女王決定戦 頂上対局』が、日本プロ麻雀連盟の夏目坂スタジオから生放送で行われました。
その模様をレポートという形で皆様にお伝えさせて頂くこととなりました。
担当させて頂きます、小車祥です。
よろしくお願い致します。
このイベントは、麻雀格闘倶楽部 彩の華において『SG第1回世代別王&女王決定戦』ゲーム機大会で上位入賞したユーザー16名が世代別の看板を背負い直接対局するイベントです。
さらに四人麻雀、三人麻雀の各優勝者は、プロとの特別対局で対戦できるというスペシャルなイベントとなっているのです!
まずは四人麻雀と三人麻雀の決勝メンバーを決める予選が行われました。
四人麻雀の予選は東風戦を3回戦行い、上位4名が決勝進出。
三人麻雀の予選は4回戦行い、上位3名が決勝進出。
まずは出場メンバーをご紹介します!
・四人麻雀
U24 セロニアスさん
25-29 TERRYさん
30-34 ちばいがこさん
35-39 ずみさん
40-44 テンサバ!さん
45-49 きみさん
O50 クリリンさん
・三人麻雀
U24 VIOさん
25-29 あさメロンさん
30-34 ひろやんさん
35-39 しゃーぼーさん
40-44 *ふみや*さん
45-49 ひろゆきさん
O50 フラット。さん
女性 SAC13さん
激戦の末、見事決勝に勝ち残ったのが以下の方々です!
・四人麻雀
TERRYさん(1位通過)
クリリンさん(2位通過)
テンサバ!さん(3位通過)
きみさん(4位通過)
・三人麻雀
ひろゆきさん(1位通過)
VIOさん(2位通過)
ひろやんさん(3位通過)
まずは四人麻雀の決勝が生放送されました。
実況は私小車、解説は滝沢和典プロ、特別解説として和久津晶プロと魚谷侑未プロが解説ブースに入り、対局の模様をお伝えしました。
四人麻雀決勝(起家から、テンサバ!さん・きみさん・TERRYさん・クリリンさん)
東1局、まずはTERRYさんから先制リーチ!
リーチ ドラ
カンテンパイをヤミテンに構え、を引き入れ上手くリャンメン待ちに変えてからのリーチ。
このリーチに対して仕掛け返していったのがクリリンさん。
チー ポン ロン
2,000のアガリ。
東2局、親のきみさんが先制リーチ!
リーチ ドラ
これに対してさきほどリーチをうまくかわされたTERRYさんが今度こそはと言わんばかりに追いかけリーチ。
リーチ
しかし軍配はきみさんに上がり、きみさんが九をツモ、裏ドラがで2,600オール。
南2局1本場にはクリリンさんの跳満が炸裂!
リーチ ロン ドラ 裏
12,000のアガリでトップ目に立つ。
これできみさんとクリリンさんの一騎打ちになりました。
南3局にはきみさんがアガリ返し、再度きみさんが2,800点差のトップ目に。
南4局。
仕掛けを入れてテンパイを取ったきみさん。
ポン ドラ
終局間際、をツモ。
最後はきみさんがきっちりアガりきり、見事優勝を勝ち取りました。
四人麻雀優勝 きみさん
続いて、三人麻雀の決勝が放送されます。
三人麻雀決勝の特別解説は、荒正義プロが務めました。
三人麻雀決勝(起家から、ひろやんさん・ひろゆきさん・VIOさん)
東1局、まずはひろやんさんがアガります。
ポン ツモ ドラ
3人麻雀の親の満貫は6,000オールの得点となり、まずはリード。
東場はひろやんさんがアガリを重ね、南場に入った時には2着と4万点以上の差をつけたトップ目。
放送時間の都合上、時間打ち切りがあり、残り時間は10分程度。
ひろやんさんの優勝ムードが漂い始めました。
南1局でひとまずアガり親を持ってきたのがひろゆきさん。
ポン ツモ ドラ
子の満貫は4,000オール。
南2局、29,800点差でひろやんさんを追うひろゆきさん。
後がないVIOさんがチンイツでリーチ。
そして親のひろゆきさんも苦しい配牌から14巡目にようやくリーチ。
リーチ ドラ
ひろゆきさん、を一発ツモ。
9,000オールでひろやんさんとの点差が僅か1,800点になります。
南2局、1本場。
残り時間僅かな中、早めにアガってなんとか最後の親番に賭けたいVIOさんから先制リーチ。
リーチ ドラ
ここで動いたのがひろゆきさん。
ポン
そしてひろやんさんが以下の手牌。
ツモ
14巡目、を切ればテンパイですが、は場に1枚も切れていない危険牌。
テンパイノーテンでひろゆきさんに逆転されてしまうひろやんさんですが、かと言って簡単に切れる牌ではなく、ここで少し考えます。
を使い切ってのテンパイを目指すという選択肢を取れば、ひろゆきさんがノーテンだった場合や、VIOさんのアガリが発生した時に自分が優勝となる可能性も残っています。
ひろやんさんの選択は打。
その直後にリーチをかけていたVIOさんがツモ切ったを、ひろゆきさんがポンしてカンのテンパイ。
そしてすぐにVIOさんがをツモ切ってひろゆきさんのアガリ。
仮にひろやんさんがを勝負していたとしても、ひろゆきさんがをツモアガっていたという結果。
限られた時間の中で追い上げ、優勝を勝ち取ったのはひろゆきさんとなりました。
三人麻雀優勝 ひろゆきさん
これにて世代別王&女王決定戦 頂上対局の頂点に輝いたユーザーが決まりました。
改めておめでとうございます!
そして放送では、そのまま優勝者とプロとの特別対局が生放送されました。
まずは四人麻雀の特別対局。
特別解説には森山茂和プロ。
優勝者のきみさんの対戦相手は、二階堂亜樹プロ、和久津晶プロ、魚谷侑未プロと豪華メンバー。
四人麻雀特別対局(起家から、きみさん・魚谷・和久津・亜樹)
序盤は緩やかな立ち上がりでしたが、
東4局の和久津のアガリで、和久津が抜き出ます。
リーチ ロン ドラ
8,000のアガリ。
和久津はさらにアガリを重ね、オーラス亜樹の親番を迎えた頃には2着と23,900点も差をつけたトップ目。
親の亜樹はここまで我慢を強いられていた展開だったため、すぐに親が終わってしまうようなイメージすらあった。
しかし亜樹、このまま終わるわけにはいかないと力強い粘りを見せる。
リーチ ロン ドラ
アガリ連チャンの麻雀格闘倶楽部ルール。
本心ではアガりたくない亜樹だったのかもしれないが、ひとまずは2,000のアガリ。
南4局1本場、亜樹が以下のテンパイ。
ロン ドラ
11,600のアガリ。
終局間際なんとかアガり、連チャンに成功する。
これで亜樹と和久津の点差は12,500点。
南4局2本場。
亜樹、苦しい手牌から15巡目にようやくテンパイ。
ドラ
しかしなんと、この巡目にしてこのが牌山に3枚残っているという事実。
当然のように、ほどなくしてを亜樹がツモり6,000は6,200オール。
なんとついには逆転してしまい、亜樹が見事勝利となりました。
対局後のインタビューでのきみさんの言葉。
「やはりプロの方はオーラが違いますね。麻雀を打っているとひしひしと伝わってきます。とても楽しかったです」
第一線で戦う女流プロ3名に囲まれて、その戦いに巻き込まれたような雰囲気になってしまった(笑)きみさんでしたが、とても楽しそうにされていたのが印象的でした。
続いて三人麻雀特別対局。
特別解説には二階堂亜樹プロ。
三人麻雀優勝者のひろゆきさんの対戦相手は、森山茂和プロ、荒正義プロ。
三人麻雀特別対局(起家から、ひろゆきさん・森山・荒)
東1局から親のひろゆきさんが思い切った選択。
ドラ
この手牌から打とします。
3巡目とはいえ、ドラ含みのリャンメンターツをここから外していったひろゆきさん。
思惑通りすぐにホンイツのテンパイを入れます。
–待ちならをすぐにツモっていて、跳満のアガリ逃しをしてしまいましたねなんて解説席では話していましたが、ひろゆきさんは最終的に以下の手牌にしてツモアガリ。
ツモ
親の倍満で12,000オールの大きなアガリからスタートします。
東1局1本場にもひろゆきさんがアガり、大きなリードとなります。
その勢いを止めたのが荒。
続く2本場、荒のテンパイ。
ツモ ドラ
実はこの手牌、一度カンのテンパイを外していて、荒の河にはが置かれている。
この時、森山はでテンパイしていて、荒がフリテンを嫌えば放銃は明らかでした。
しかしここでの荒の選択はを切ってのフリテンリーチ。
ほどなくしてを暗カンし、リンシャン牌でをツモ。
子の跳満で6,000は6,600オール。
南1局には荒のメンゼン大三元テンパイ。
ドラ
しかしこれは成就せず。
南2局、森山の最後の親番。
荒がリーチ。
リーチ ドラ
この親は落とせない森山も以下のテンパイ。
しかしここは荒がを一発ツモ。
南3局。
かなりの点差だったが荒が追い上げ、ついには8,200点差と逆転圏内。
制限時間の都合上、この局が最終局となります。
荒、8巡目にテンパイ。
ツモ ドラ
一気通貫がつかない方のツモ。
ここはリーチを打たず打とし、確実に逆転できる手を目指します。
しかし、同巡にテンパイを入れたひろゆきさん。
すぐにが打たれ勝負あり。
森山、荒という強敵を相手に見事ひろゆきさんが勝ち切りました。
ひろゆきさんは対局後のインタビューでも
「偶然です。流れがよかったんでしょう」
と謙虚な姿勢で、とても好印象な方でした。
実際は偶然ではなく、しっかりと麻雀を打った結果だと思いました。
放送が終わった後は、優勝者以外の方々とプロとの記念対局も行われました。
その後には写真撮影やサイン会など。
皆さんとても気さくで楽しい方ばかりで、その場にいることができた僕もとても幸せに感じました。
この日、改めて麻雀という競技を通してたくさんの人と交流も持てることに感謝をしつつ、私自身もっと精進して今より深く関わっていけるプロになりたいなと思うのでした。
また機会があれば、このような素敵なイベントに参加させてもらいたいと思いました!
ご参加くださった方々、放送をご視聴頂いた方々に改めて感謝しつつ、お礼の言葉と共に締めさせて頂きたいと思います。
本当にありがとうございました!!
この対局の模様は下記youtubeでご覧いただけます。
https://youtu.be/exDYeEUT-mA
カテゴリ:プロ雀士コラム