プロ雀士コラム

プロ雀士コラム/第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  プロ雀士準決勝レポート ケネス徳田

先頃ゲスト雀豪準決勝が終了し残るは7月19日に行われたプロ準決勝。この卓から勝ち上がった2名が第6回麻雀トライアスロンの決勝戦へ進出する。
過去5大会、いずれも女性で決勝進出者が存在しておらず、和久津晶・二階堂亜樹がそのジンクスを破るか? それとも世界チャンピオン、モンド杯と連続優勝している山井弘が変則三冠を狙いに行くか? あるいは79歳で優勝というおそらく麻雀界最高齢でのタイトル獲得となるであろう小島武夫か…。

100

 
 
★東風戦(順位点5-15)
東2局、いきなり天下分け目の勝負所が訪れる。まず7巡目に東家・亜樹が

100

七筒九筒を切れば実質(ピンズ・字牌引きで)メンホン七対子のテンパイだが、ここは1枚切れの南を切って最高目を狙いに行く。9巡目に白をポンしてテンパイ。
七筒七筒七筒九筒九筒九筒発発中中  ポン白白白
発中はション牌。簡単には出てくる牌ではないが…しかしこの時点で西家・山井が234のタンヤオ三色テンパイ。
二万三万四万四万五万六万八万八万二索四索二筒三筒四筒  ドラ四索
そして北家・小島も12巡目に
三万五万三索四索五索五索六索七索八索八索三筒四筒五筒  ドラ四索
この345のタンヤオ三色テンパイ。どちらも発中が止まらない手格好に。
だが同巡、亜樹が自ら発をツモリアガる。

100

ホンイツ・トイトイ・三暗刻・小三元、親の倍満8,000オール!
そしてさらに1本場でも6,000オール。
二万三万四万五万六万七万二索二索三索四索五索東東  リーチ  一発ツモ二索  ドラ二索  裏二万

100

東風戦では1回でも充分な大物手を立て続けに繰り出し大トップ。順位点以上に大きな素点を獲得してまずは初戦を制す。
東風戦成績
亜樹+52.7P 和久津▲0.2P 山井▲17.3P 小島▲35.2P
 
半荘戦(順位点10-30)
東風戦を2着で耐えた和久津、東2局14巡目にテンパイ。

100

高目456三色テンパイ。だが安目でもピンフドラ3ということでヤミテン。すると最後のツモで高目四筒をツモって跳満のアガリ。
トータルダントツ目の亜樹が暗カン、仕掛けている山井の捨て牌に四筒があったということもあってのヤミテンだが、和久津ならばリーチという選択もあったのでは?

100

東3局、8巡目に東家・山井が先制リーチ。
五万六万七万二索二索六索七索六筒七筒八筒北北北  リーチ  ドラ七索
同巡、南家・亜樹が追っかけリーチ。
七万八万九万三索四索六索七索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ
一部同じ待ちの五索を山井が一発でツモって4,000オール。
さて、1人取り残されているのが小島。

100

ようやく南1局で1,000点をアガリ、親番を自力で引いた格好となる。
だがその貴重な親番も9巡目に西家・亜樹が
六万七万七索八索九索五筒六筒七筒七筒九筒東東南  ツモ八筒  ドラ五索
これでテンパイ、ヤミテン。そしてその打南を南家・山井がポンテン。
一万二万三万六万七万八万三索四索一筒一筒  ポン南南南
一気に2人テンパイ。すると同巡、小島にもテンパイが入る。

100

発を切ってヤミテン。ソーズが伸びれば二万四万と切ってホンイツを狙いに…普段ならそう打つが、ここは他家を止めるためにと思い直して次巡ツモ切りリーチに。
山井はギリギリまで踏み込む。一方亜樹は東の雀頭落としで回るが、止めた七索が重なってテンパイ復活。その同巡に小島が放銃となってしまう。
六万七万七索七索七索八索九索五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ロン五万
これで亜樹・山井・和久津の三すくみ状態に。特に山井・和久津はお互いの着順勝負の色合いが濃い。その思考が南3局、山井の親番で以下の手牌でヤミテンに構えたのかもしれない。

100

すると同巡、南家・亜樹がリーチ。
二万二万四万五万六万七万八万九万三索四索九索九索九索  リーチ  ドラ三万
このリーチを受けて山井はテンパイを崩す。完全に和久津との点差のみに徹した構えである。
その結果、オーラスで亜樹が連荘、もつれにもつれ最後は亜樹が和久津からアガって2連勝となる。トップ逆転された格好の山井だが、最初から和久津との着順勝負を狙っていたとするなら…。

100

半荘戦成績
亜樹+39.6P 山井+14.9P 和久津▲10.1P 小島▲44.4P
半荘戦終了時
亜樹+92.3P 山井▲2.4P 和久津▲10.3P 小島▲79.6P
 
★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)
起家スタートの山井、3巡目で先制リーチ。

100

10巡目に南家・和久津が追っかける。
一索二索三索七索七索九索九索九索二筒二筒二筒白白  リーチ  ドラ一万
開局から全面戦争。この2件リーチに、四暗刻1シャンテンだった小島がギリギリまで抑えていた二索が山井に放銃となる。
山井に先制されると厳しくなるのが和久津。東4局5巡目に先制リーチ。
九万九万八索八索八索三筒四筒七筒八筒九筒白白白  リーチ  ドラ中
同巡、東家・亜樹が追いつく。

100

九筒を切ればペン三筒の一気通貫テンパイ。だが亜樹は一筒を切って追っかける。これは4枚目の五筒を引いた時に暗カンを行えるようにするためである。
結果は五筒暗カンの前に三筒ツモアガリ。6,000オール(親満ツモ)でさらに加点に成功。
南1局2本場、ようやく和久津にとって待望のアガリが。

100

リーチ・ツモ・発・ドラで4,000オール(満貫ツモ)。このアガリで山井を追い越す。
次局、連荘を狙って山井を突き放したい和久津だが、逆にその狙いが裏目に出る。
3巡目に
四索赤五索一筒一筒一筒一筒六筒九筒東南白白中  ツモ六索  ドラ中
南で西家・亜樹がポン。その後一筒を暗カンすると新ドラが東に。

100

そのドラの中東が浮いている和久津。一方南をポンした亜樹は
二筒二筒五筒六筒東東発発中中  ポン南南南
和久津が七筒四索を入れてリーチ。だがその切った東中を亜樹がポンして

100

8,000オール(倍満)のツモアガリ。抜け番だった山井は失点無しで、この瞬間再び山井が和久津を追い抜く。そして西1局の親番で山井は3巡目リーチから
四索五索六索六索七索八索一筒二筒三筒七筒八筒発発  リーチ  ツモ六筒  ドラ六索  裏発
9,000オール(親跳満)のツモアガリが決定打で終止符を打った。
三麻戦成績
亜樹+55.1P 山井+23.8P 小島▲16.4P 和久津▲62.5P 
最終成績
亜樹+147.4P 山井+21.4P  和久津▲72.8P 小島▲96.0P
プロ準決勝勝ち上がり 二階堂亜樹 山井弘
第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦~決勝戦~
8/23(日) 18:00~

100