プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第32期A2リーグ最終節D卓レポート 古橋 崇志
2016年02月15日
ついにプロ連盟最高峰A1リーグへ昇級する2名が決まる。
組み合わせは9節終了時の1位、2位、3位、4位。
ポイントは以下の通り。
1位石渡正志+194.2P
2位内川幸太郎+112.4P
3位柴田弘幸+76.8P
4位山田浩之+65.6P
1回戦
東1局から白熱した戦いとなる。
まずは親番山田の配牌。
ドラ
234の三色が見える配牌だが山田の選択は打、ホンイツへ向かう。
今期のA2リーグでは佐々木寿人の影に隠れているように見えるが、山田もかなりホンイツを狙う打ち手である。
ここも高打点を狙い一気に勝負を懸けようと言う事だろう。
そしてこちらは西家・内川の5巡目。
ツモ
テンパイまでの牌効率だけで言えば打だが内川の選択は打。役ありにしたいと言う事か。
内川は山田とは反対に様子見から入ったように見える。
そして山田の手が進み、12巡目テンパイが入る。
ツモ ドラ
ペンカン待ちだが一通やリャンペーコーの手変わりもある。
山田は当然テンパイ取りの打。このドラのを南家・石渡がポン!
場が一気に緊張に包まれる!
ポン
が自身から3枚見え、ソウズの下はかなり場況が良く見えるがが2枚切れ。
石渡は打のカンに受ける。
2巡進み北家の柴田にテンパイが入る。
しかし次巡、石渡のアタリ牌であるを掴んでしまう。
ここで柴田は長考。石渡の河にはとが切られているが最終手出しは。
カンを読みきったように現物のを切り役無しテンパイに受けた柴田。
このあたりの読みは柴田ならば当たり前なのかも知れない。
だが、もちろんファインプレーである。
次巡、山田のアタリ牌のを掴んでオリを選択。
東1局は山田、石渡の2人テンパイで流局となった。
非常に濃い1局であったのだが、1つ気になるのが内川だ。
5巡目の段階で
ツモ
を切ってもを切ってもアガリがあった。
解説の瀬戸熊は「このポイント差は守って守れるものではない」と言う。
内川は守りにいった訳ではないかも知れないが少し消極的にも感じられた。
この作戦が吉と出るか凶と出るか。
この後は柴田が順調に加点し1人浮きのトップ。
内川は東3局と南3局の親番でリーチを打つも、どちらも柴田が被せ、内川の放銃となってしまった。
結果を見れば勝負所の半荘、ここを制した柴田が早くも内川を捕らえた。
1回戦終了時トータルポイント
1位石渡+188.5P
2位柴田+104.6P
3位内川+90.5P
4位山田+64.4P
2回戦
東場は石渡と山田が交互にアガリ迎えた南1局。
10巡目に南家内川がリーチの宣言。
ドラ
出アガリ3,200、ツモれば1,300・2,600のリーチ。
手変わり待ちでヤミテンもあるが、リーチを打つのも自然だ。
しかし1回戦、内川のリーチにことごとく被せ、そして直撃した柴田。
不思議とこの局面でも噛み合ってしまう。同巡、親番柴田の手牌
ツモ
ピンフドラ2のテンパイである。そして内川の河には。
現物待ちなのでヤミテンを選択するかと思われたが柴田は何とリーチ!
ここは勝負所と捉えたか、1回戦からの相性なども考えたか。
そして内川の一発目のツモは無常にも・・・
これで柴田に決まったか、会場内もそんな雰囲気に包まれる。
2回戦終了時トータルポイント
1位石渡+202.8P
2位柴田+111.6P
3位山田+69.0P
4位内川+64.6P
しかし最後まで諦めない男がいた。
東1局、内川に満貫を放銃してしまった山田。
この放銃で目が覚めたのか次局から怒涛の攻めを繰り出す!
東2局
ドラ
この配牌を
ここまで仕上げリーチ!
3巡後にド高目のを力強くツモアガリ、3,000・6,000!
次局東3局も山田が先制リーチ!
このリーチを受け、柴田が山田の現物で親の内川に放銃となる。
山田、アガれはしなかったものの、柴田を苦しめる。
1本場またもや先制リーチ!
ドラ
今度は高目のをツモリ2,000・4,000!持ち点は4万点を越えた!
東4局、山田何と4局連続の先制リーチ!
暗カン ドラ
四暗刻の手変わりもあるが、が2枚切られていた為か、それとも先制でリーチを打つ事に重きを置いたのか。
しかし親番の柴田も譲らない。
ドラ
ドラ暗刻の追いかけリーチ!
これがA1リーグを経験した者の戦いか。復権に懸ける思いは両者譲らず流局となる。
1本場またしてもこの両者のぶつかり合い!
まずは山田が先制。5局連続のリーチとはいかなかったものの10巡目に以下のポンテン。
ポン ドラ
ここはサバいて親番で勝負、と言ったところか。
そしてこの鳴きにより同巡、柴田にテンパイが入る。
ツモ
ドラとのシャンポン待ち、どちらが出ても12,000のリーチ!
山田、一発で無筋のを掴むがノータイムで切り飛ばしていく。
そして次巡、柴田がを掴み1,000点の放銃となった。
勝負所を制した山田、南場の親番を迎える。
この親番、山田の大連荘に期待が掛かるが、まだ柴田も引き下がらない!
ホンイツの1,300・2,600をツモり3着に浮上。
しかし、この半荘の主役はやはり山田。
オーラス、ピンフドラ1の手を当然のようにリーチし、ツモ。
1人浮きのトップでついに柴田を捕えた。
3回戦終了時トータルポイント
1位石渡+186.4P
2位柴田+102.3P
3位山田+99.2P
4位内川+60.1P
4回戦
柴田と山田ポイント差はわずかに3.1ポイント。順位が上の方がA1リーグに昇級となる。
お互いに譲れない、絶対に負けられない半荘。しかし、決着は驚くほど早く訪れた。
柴田、東1局からホームラン級のアガリ。
リーチ ツモ ドラ
この6,000オールで勝負あり。
オーラス、山田の親も柴田がきっちりとアガリ、激闘に終止符が打たれた。
こうして第32期A2リーグは幕を閉じた。
A1昇級を果たしたのは石渡正志・柴田弘幸。次点は惜しくも山田。
しかし、いつの日かA1リーグで戦う山田の姿が見えた気がした。
そしてA1リーグからは荒正義・ともたけ雅晴が降級。
来期も当然、激戦が予想される。誰が喜び、誰が涙を呑むのか。今からその戦いが楽しみである。
そしてその戦い、実況を務めるのは私、古橋崇志!
最終節に体調を崩さないように頑張りたいものである。
(視聴者・関係者の皆様、ご迷惑をお掛けして申し訳ございません!汗)
1年間ありがとうございました!
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)レポート