静岡プロリーグ レポート/第13期静岡プロリーグ 第3節レポート
2017年07月11日
向夏の候、麻雀ファンの皆様はいかがお過ごしでしょうか。
日本プロ麻雀連盟 静岡支部 32期生の足立純哉です。
先日、棋士の加藤一二三九段が現役引退を表明された。
Twitter上で引退時の家族を思いやる気持ちが賞賛を浴びる中で、ある子供が加藤九段の存在を知り、「将棋の段位は、1,239段もあるのか。」と発言したことが話題となっている。
当然、笑い話なのだが、将棋のルールも知らない子供に存在を知ってもらう為には、ただ単純に将棋が強いだけでなく、棋士としての個性が人気を得る重要な要素であり、それは麻雀プロも同様であると考えさせられた。
前置きが長くなってしまったが、梅雨入りを肌で感じる中、第13期静岡プロリーグ第3節が開催された。
第3節の組合せは以下の通りである。
1卓 望月×平野×原×大橋
2卓 土屋×都築×杉村×川崎
3卓 太田×鷲見×足立×越川
4卓 鈴木(郁)×山本×島崎×渡辺×佐藤
別日対局 鈴木(秀)×中×岡本×京平×平岡
1卓 望月×平野×原×大橋
(第2節終了時成績 望月▲16.5P 平野▲52.1P 原+12.8P 大橋+35.5P)
これまでの2節で調子の振るわなかった平野がようやく始動した。「落ち着いて対局に臨むことができ、場も良く見えていた。相手からの攻めに対しても、焦らず対応できた。」と述べている通り、終始安定感のある麻雀を見せた。
原は、2回戦終了時点で、▲28.5Pと苦しい展開になるかと思われたが、3・4回戦をうまくまとめ上げ、マイナスを最小限に抑えた。
望月+1.7P 平野+21.9P 原▲12.0P 大橋▲12.6P
2卓 土屋×都築×杉村×川崎
(第2節終了時成績 土屋+61.9P 都築▲29.4P 杉村▲28.6P 川崎+0.8P)
第2節終了時首位の土屋の動向が気になるところ。1回戦で、43,700点持ちのトップを取る。
このまま突き抜けるかと思われたが、守りを意識し過ぎてしまい、3回戦終了時にはここまでのトータル▲4.2Pまでポイントを削ってしまう。
しかし4回戦は54,400点持ちの1人浮きトップを取り、卓内トップを奪取した。
道中ポイントを減らしても、そこからまた攻めに切り替えせるのが土屋の長所であり、その爆発力は非常に恐ろしいものがあると改めて痛感した。
土屋+32.2P 都築+7.0P 杉村▲19.9P 川崎▲20.3P
3卓 太田×鷲見×足立×越川
(第2節終了時成績 太田+31.7P 鷲見▲6.2P 足立+53.6P 越川▲29.5P)
第2節終了時、ポイントマイナスの越川・鷲見が怒涛の攻めを見せる。
1回戦目は沈みの3着となった越川だが、2回戦目で浮きの2着、3回戦目で57,500点持ちのトップ、4回戦目で42,900点持ちの2着と大きくポイントを伸ばすことに成功した。
それに対する鷲見も、1回戦目で57,300点持ちのトップ、2・3回戦目は沈みの3着になるも、4回戦目で48,600点持ちのトップでポイントを伸ばした。
一方、この日の太田は選択が全て裏目となる厳しい展開となり、大きくポイントをマイナスする結果となった。
太田▲72.8P 鷲見+38.3P 足立▲12.0P 越川+46.5P
4卓 鈴木(郁)×山本×島崎×渡辺×佐藤
(第2節終了時成績 鈴木(郁)▲90.0P 山本+11.0P 島崎±0P 渡辺▲50.0P 佐藤▲5.6P)
第2節終了時、ビハインドを背負った鈴木(郁)・渡辺がどう巻き返していくかが注目された卓。
結果は鈴木(郁)が4回戦中3回トップ且つオール浮きの圧巻の麻雀を見せる。勝因としては、対局前の各選手の分析と対応方法をきちんと想定し、実行できた点を挙げており、鈴木(郁)の戦略が光った第3節となった。
逆に渡辺は、4回戦中3戦でラスを引いてしまい、厳しいポイント状況となってしまった。
鈴木(郁)+64.8P 山本▲9.0P 島崎▲4.1P 渡辺▲69.4P 佐藤+17.7P
別日対局 鈴木(秀)×中×岡本×京平×平岡
(第2節終了時成績 鈴木(秀)+24.7P 中+24.5P 岡本±0P 京平▲0.2P 平岡+30.6P)
事前に別日対局が行われていた卓。
実績から言えば、B2リーグ所属で今季の鳳凰戦第1節で▲50Pオーバーと沈むも、現在ではトータル+34.0Pで昇級圏内にいる鈴木(秀)であろうか。ポイントプラス者同士の戦いに注目が集まる。
結果はB2リーグでの反省点を活かし、戦い方を変えて挑んだ鈴木(秀)の1人舞台となる。4回戦中、60,000点オーバーのトップを含む3勝で、大きくポイントを伸ばすことに成功した。
鈴木(秀)+91.4P 中+6.8P 岡本▲49.4P 京平▲4.9P 平岡▲43.9P
第3節にてポイントの上下がハッキリ分かれ、鈴木(秀)と土屋が抜け出す構図となった。
現B2リーガーの意地がある鈴木(秀)と3年連続の決勝を目指す土屋には、並々ならぬ決意が感じられる。そして、あくまで個人的な予想だが、そろそろあの跳満ベースの男が本領を発揮してくるに違いない。
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 | 9節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 鈴木秀幸 | 45.5 | ▲ 20.8 | 91.4 | 116.1 | ||||||
2 | 土屋幸弘 | 61.9 | 0.0 | 32.2 | 94.1 | ||||||
3 | 京平遥 | 59.2 | ▲ 0.2 | ▲ 4.9 | 54.1 | ||||||
4 | 中寿文 | 21.5 | 24.5 | 6.8 | 52.8 | ||||||
5 | 足立純哉 | 53.6 | 0.0 | ▲ 12.0 | 41.6 | ||||||
6 | 鷲見隼人 | ▲ 6.2 | 0.0 | 38.3 | 32.1 | ||||||
7 | 大橋幸正 | 35.5 | 0.0 | ▲ 12.6 | 22.9 | ||||||
8 | 越川清一 | ▲ 29.5 | 0.0 | 46.5 | 17.0 | ||||||
9 | 佐藤あいり | ▲ 5.6 | 0.0 | 17.7 | 12.1 | ||||||
10 | 山本拓哉 | ▲ 65.5 | 76.5 | ▲ 9.0 | 2.0 | ||||||
11 | 島﨑涼 | 5.1 | 0.0 | ▲ 4.1 | 1.0 | ||||||
12 | 平岡理恵 | 30.6 | 0.0 | ▲ 43.9 | ▲ 13.3 | ||||||
13 | 原佑典 | ▲ 15.2 | 12.8 | ▲ 12.0 | ▲ 14.4 | ||||||
14 | 望月雅継 | ▲ 16.5 | 0.0 | 1.7 | ▲ 14.8 | ||||||
15 | 都築友和 | ▲ 49.6 | 20.2 | 7.0 | ▲ 22.4 | ||||||
16 | 鈴木郁孝 | ▲ 93.4 | 3.4 | 64.8 | ▲ 25.2 | ||||||
17 | 平野敬悟 | ▲ 33.7 | ▲ 18.4 | 21.9 | ▲ 30.2 | ||||||
18 | 太田昌樹 | 57.8 | ▲ 26.1 | ▲ 72.8 | ▲ 41.1 | ||||||
19 | 杉村泰治 | 33.1 | ▲ 61.7 | ▲ 19.9 | ▲ 48.5 | ||||||
20 | 岡本和也 | 0.3 | 0.0 | ▲ 49.4 | ▲ 49.1 | ||||||
21 | 川崎義之 | ▲ 70.9 | 0.8 | ▲ 20.3 | ▲ 90.4 | ||||||
22 | 渡辺洋巳 | ▲ 18.0 | ▲ 32.0 | ▲ 69.4 | ▲ 119.4 |
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