十段戦 レポート/第34期十段戦 ベスト16D卓レポート HIRO柴田
2017年07月26日
十段戦ベスト16D卓の対戦する選手は以下。
花岡章生(五段戦からの出場)
西川淳(五段戦からの出場)
青山めぐみ(二段戦からの出場)
ダンプ大橋(前年度決勝シード)
1回戦(起家から、花岡・西川・青山・ダンプ)
東1局 親花岡
開局の4者の様子をみてみよう。
最初にテンパイを入れたのは親の花岡。
花岡
打 ドラ
選択肢はいくつかあったが花岡はがフリテンということもあり三色への渡りもみたを選択。
青山
ツモ
青山は2枚目のを見送ってツモで迷わずと打った。打点と守備を重視するタイプとみる。
そこへ13巡目だが積極的に先制リーチと出たのは西川。ドラを重ねてのタンキ、このは親が打ち出しているだけで残り2枚山に生きていた。
西川
リーチ
しかしこの局を制したのはダンプ。残りツモ1回でも無筋の牌を勝負して西川からアガリきったのだ。
ダンプ
ロン ドラ
親の花岡もテンパイを入れていた、西川の待つもまだ2枚あったことから、ダンプがここで退いていたら別の十段戦が生まれていたはずだと思わせる1局だった。
東3局 親青山
花岡わずか5巡でドラ2七対子をテンパイするが待ち選択が難しい。
花岡
ドラ
字牌が高く全体の捨て牌が変則的な局な為、→→と待ち変えは待ちとして良さそうだ。
親の青山も手牌の格好が良い。
青山
西川もここで勝負とばかりとのポンを3度見送り跳満狙い。
西川
全員の手がぶつかり卓上の熱気が伝わってくるこの局は先ほどのご褒美とばかりにダンプのホンイツだった。
ダンプ
ロン
東4局 親ダンプ ドラ
青山ドラを1枚かかえて手牌が重いということからまずはトイツ手に向かう。
青山
打 ドラ
西川はダンプが打ち出したドラを合わせての切りリーチ。
西川
リーチ
青山の手が育っていた。先ほどの手牌から→と打ち出しリーチ同巡にを合わせてなんとチンイツになっていたのだ。
青山
ロン ドラ
このチンイツに放銃したのは西川、青山の手巡が秀逸な1局だった。
南4局1本場 親ダンプ
この半荘終始苦しかった花岡がこの1,300・2,600をツモアガリなんとか原点復帰、西川は1人沈みで引き離される形で終えた。
花岡
リーチ ツモ ドラ
1回戦成績
ダンプ+28.9P 青山+10.7P 花岡+1.6P 西川▲41.2P
2回戦(起家から、西川・青山・ダンプ・花岡)
東1局1本場 親西川
西川・青山・ダンプの手がぶつかる。
青山高めのあるリーチを打つ、親の西川もタンヤオドラ2で応戦、そこへダンプが後手を踏みながらも一通ドラ2で思い切りの良いリーチ。
西川
チー ポン ポン ドラ
青山
暗カン リーチ
ダンプ
リーチ ロン
出アガリの打点は変わらないがダンプの強い意志を感じられるアガリとなった。
東3局 親ダンプ
1回戦粘りをみせた花岡がここで3,000・6,000をツモアガリ一気に抜け出す。
花岡
リーチ ツモ ドラ
東4局 親花岡
失点が続いた青山ターツ選択を見事に正解しテンパイしたがリーチによって3者に受けきられてしまう。
青山
リーチ ドラ
南1局 親西川
青山
リーチ ドラ
西川
ポン
西川のホンイツに対して青山リーチ、青山先ほどの三色をヤミテンにしていれば今局もヤミテンにできそうだったが空回りしてしまう。
南1局2本場 親西川
青山こんな時は悪い方向に向かってしまうとばかりに西川へ5,800の放銃となった。
西川
ポン ロン ドラ
南4局 親花岡
西川
リーチ ドラ
ダンプ
チー ロン ドラ
トップ目の花岡は47,000持ち、西川32,100とトップにはなれないが少しでも素点を稼ぎたくリーチといくが、原点狙いのダンプに2,000点の放銃となってしまい原点を割ってしまう。
2回戦成績
花岡+25.0P ダンプ+6.6P 西川▲4.9P 青山▲26.7P
2回戦終了時成績
ダンプ35.5P 花岡+26.6P 青山▲16.0 西川▲46.1P
3回戦(起家から、西川・ダンプ・青山・花岡)
東2局 親ダンプ
ポイントの上下が分かれての中盤戦、最初にリードしたのは追いかける立場の青山。
青山
ツモ ドラ
東3局 親青山
青山
ロン ドラ
東4局1本場 親花岡
親の花岡、全体の河が派手なことからヤミテン選択、この的確な判断が最善手となり現状ライバルである青山から5,800をアガる。
花岡
ロン ドラ
東4局3本場 親花岡
親の花岡がリードを広げようと仕掛ける。青山も加点狙いでリーチといく。
花岡
チー ドラ
青山
リーチ
アガったのは西川だった。西川この3回戦をマイナスしてしまうと厳しくなってしまうだけに嬉しい3,000・6,000でトップ目に。
西川
ツモ
南1局 親西川 ドラ2
先ほどアガった西川ここで変則のリーチを打つ。リーチ宣言牌はだ、が場に2枚見えていて他家ポンを見てが良いと見たか。
西川
打
本手が入っていた花岡、攻め選択で打ち出されたが西川の7,700のアガリとなる。
花岡
打
南1局1本場 親西川 ドラ
西川やっと訪れた好機、トイツの選択を間違えずリーチと行き力強く6,000オールをツモアガる。
リーチ ツモ
これで西川60,000点持ちへなんとしてもマイナス返済で一気に逆転へ繋げたい。
南3局1本場 親青山
青山の手役の連続攻撃が決まる。
青山
リーチ ロン ドラ
南3局2本場 親青山
青山
リーチ ツモ ドラ
南3局3本場 親青山
青山またしても18,000の大物手テンパイ、その捨て牌にはが。
そのをダンプが打つと西川の早いヤミテン8,000に放銃となる。
青山
ポン ポン ドラ
西川
ロン
ダンプこの3回戦大幅にマイナスしてしまい、上下で70Pついていた差が4者1桁の接戦となる。
3回戦成績
西川+39.6P 青山+18.6P 花岡▲18.8P ダンプ▲39.4P
3回戦終了時成績
花岡+7.8P 青山+2.6P ダンプ▲3.9P 西川▲6.5P
4回戦(起家から、花岡・ダンプ・青山・西川)
東1局 親花岡
親の花岡が2枚目のをチーすると子方3者が一斉に受ける。
だがその受けで功を奏したのはダンプ手を崩しフリテンを引き返し2,000・4,000をツモアガる。
ダンプ
ツモ ドラ
南1局 親花岡
ダンプ
リーチ ツモ ドラ
ここも南家ダンプがリーチで2,000・4,000とし花岡2度の親かぶりで4回戦4着で終える。
4回戦成績
ダンプ+21.9P 青山+6.4P 西川▲5.8P 花岡▲22.5P
4回戦終了時成績
ダンプ+18.0P 青山+9.0P 西川▲12.3P 花岡▲14.7P
5回戦(起家から、ダンプ・青山・花岡・西川)
最終戦、大差ではないので西川・花岡トップを取れば逆転か、ダンプ・青山は浮いていれば安泰に見える。
東3局 親花岡
1日通しての相性なのか花岡親でダンプがダブルリーチ、待ちはペン7。
追いかける立場の花岡にオリる理由はなく満貫のリーチで追いかける。
ここでダンプが放銃となれば敗着の1局となっただろうが今日の運はダンプにあった。
花岡
リーチ ドラ
ダンプ
リーチ ロン
南1局 親ダンプ
西川が現状トップの為、アガリが欲しい青山がポンとするとダンプに好牌が流れる。
青山は変則の手を組んでいた為に、ダンプの早いテンパイには止めようもなく12,000の放銃となり西川・花岡の着順勝負の図式ができる。
ダンプ
ロン ドラ
南1局1本場 親ダンプ
先ほどの状況が一変してダンプはほぼ安泰、西川有利となったこの局。
最初のテンパイは西川。待ちの枚数とポイント状況でヤミテンを選択、先ほどの局が無ければリーチといっていたはずだ。
西川
ドラ
追いかける花岡はここで迷わずリーチ、ツモれば一気に混戦だ。
放銃はできない西川はそれにより手を崩すがそんな時に限って後からアガリ牌だったがくる。
花岡
状況による打牌選択この僅かな隙をくぐりぬけアガリは青山にやってきた。
青山
ツモ
南4局 親西川 ドラ
オーラスの西川と青山の差は3.3P青山が上、青山は1,000点放銃すると着順が下がるので放銃はできない。花岡は跳満ツモ条件と厳しい。
ダンプが8巡目にテンパイを入れると当たり牌を持ってきた青山は冷静に手を諦めた。
青山の的確な状況判断に答えるようにダンプのツモアガリとなって決着となった。
ダンプ
ポン ツモ ドラ
5回戦成績
ダンプ+33.2P 西川▲1.4P 青山▲13.2P 花岡▲18.6P
5回戦終了時成績
ダンプ+51.2P 青山▲4.2P 西川▲13.7P 花岡▲33.3P
勝ち上がり ダンプ大橋 青山めぐみ
カテゴリ:十段戦 レポート