上級/第124回『尖牌』 沢崎 誠
2017年10月05日
早いもので今回5回目の上級講座となりました。元々は5回連載予定でした。書いていると楽しいのですが・・僕は人の戦術とかその類の物の知識は全く有りません。
誰かが書いたり言ったりしていて皆さんが知っている事を書いているのかな?と思う事も有ります。
書いている事は僕にとっては普通の事なので・・これを書いていて良いのかな?と時々考えてしまいます。たくさんの方が知っている事を書いてしまったらごめんなさいね。
いきなり問題です。余計な条件は付けません。
何切りでしょうか?
問1
ツモ ドラ
A
B
C
D その他
日本シリーズ第3戦(11~15回戦)が行われました。一次予選全21回戦、1人あたり均等に6回戦を打ちます。
我がプロ連盟の攻め達磨・・佐々木寿人プロは11・14回戦に参戦でした。この11回戦は寿人の4回戦目、14人中8名勝ち上がりですから・・
今日の2戦でプラスの世界には戻しておきたいところです。
その11戦のオーラスが上の画像です。
この11戦は僕の解説でした。テンパイの瞬間、「リーチ!」と思いました。
選択はヤミテンでした。
僕のコメントは「賢いんじゃない?絶対リーチだと思った!! ・・。」
そのように話をしました。
対局後のコメントを求められて・・僕ならリーチをしたと話しています。
南4局北家 ドラ
配牌 | |
ツモ | |
捨て | |
最終形 | ツモ |
結果的にこの局はツモアガリとなりました。
コメントはこの結果の後ですから・・何とでも言えますよね。
でも・・
僕が寿人プロの予選の麻雀状況なら100%リーチを打ちます。
後が無い・・絶対引かない親の追いかけリーチの放銃からラスを引いたり、リーチ棒の千点を出したおかげで3着落ちしても全く悔いは無いと思います。
それ以前に・・来る人がいるのだからアガリになると前向きに考えます。
ガラクタ総帥曰く・・点棒ある人が強い!!
同感です!!
リーチをして親がオリての1人テンパイからの2着も考えられますが・・そこを考えるのは攻め達磨の寿人プロには似合いません。
その辺りは小さい麻雀チームにお任せで良いのでしょう。
対局後の会話 A変なおじさん(僕) B寿人 C総帥
A「お疲れ寿人、最後リーチだろ!?」
B「・・ 」
A「あれリーチしてアガリなら・・次(第14回戦)もトップだろ!?」
B「そうですね・・。 」
そこにC氏の到着。
A「あれは・・リーチだよね!? 」
C「引いてもリーチしないかな!?」
という事は・・どちらもリーチが無いと言う事か??
部屋を出て・・ドアプレートを見る。
チーム小っちゃい!! の小部屋では無いらしい??
A「寿人・・2と3は違うよ」
そう話して別れたのですが・・。何でそんな話になったのか??
自分でも頭悪いな!と思います。
2と3はどう違うのか?
〇
〇
上は待ち、下は待ち。
上はやを引けば待ちは変わりますが、そういう話をしているのではありません。
単純に2と3の数牌の違いを・・と言うか
その時に思い浮かんだ数牌のお話をしたいと思います。
ちなみに前局はリーチをして、3フーロに放銃となっていました。
それを考えればヤミテンも一理あるのでしょう。
チームガラクタ・・ちょっと繊細なのかも!?
数牌の能力を考えます。
123456789
数牌の中心は何ですか?
5 ・・。
数字の1~9の中心は5に違いありません。
それでは・・麻雀ゲームの軸となる中心と思う数牌は何ですか?
考えた事ありますか?
そこで個々の数牌の個性について考えたいと思います。
以下の表は個々の数牌にツモによるターツの完成形と両面ターツの数を左側に・・右側にはその数牌が一般的に多いと思われる両面形で放銃する待ちと数を表にしました。
左側はターツを作る構成力を考えます。
はターツになる牌を引いてもペンチャン・カンチャンになります。
も同様ですが・・1つ両面待ちがありますね。
~は2つ両面待ちがありターツ数も同じで能力は全く互角です。
メンツを作るという攻撃力は~の内、~が秀でているのはご覧の通りです。
次に守備力を考えます。
~・~は両面形で捕らえられるのは1種類です。
~は2種類有りますね。の牌はに比べて両面マチならば倍の危険度があります。いつも対戦者が両面待ちとは限りませんが・・使える数牌の特性があるようです。
と攻めのターツを作る可能性・・放銃形の危険度を考えると数牌の中心はなのでしょうが、ターツ作りの軸牌となる数牌は~の内でが特に便利と考えます。
「この数牌を尖牌と呼びます」と数年前に前原鳳凰位に教えられました。
この尖牌、対局の序盤ではターツ作りと言う面ではより手牌に残す事が多いと思います。
問1の解答 あなたの答えはAでしたか?
そうでしょう!?
違う?BCDを選んだあなた、あなたのラッキー牌という事でしょうか?
ラッキー牌も大切です。
先にあげた
〇
〇
この形ですが・・待ち・待ちでは特に条件が無ければ
アガリやすいのは待ち・・ヤミテン
出難い待ちは・・リーチの方が少し分が良いと考えます。
問2
ツモ ドラ
A
B
C
D その他
問1と似ていますね。とを入れ替えた形です。
これは危険度を考えての問題です。
アガリのターツを作るにはは同じ能力ですが・・
守備を考えれば両面待ち2つあるが防御的に落ちると考えます。
状況によって打牌選択が変わるのは当然の事ですが・・
ここは危険度の高い切りがベストと判断します。
A1リーグ第7節C卓
配牌 | |
ツモ | |
捨て | |
最終形 | ロン |
ドラはとはドラ表示牌ですが・・それと関係無しにしてもをターツ作りの軸と考えます。先々の危険度を考えれば雀頭はにしておくと安全度があがりそうです。この手の基本はピンフで良いのでしょうからを1牌外して他マンズの好形引きを期待します。
引きならと落としていきます。最後の最後までの尖牌に付けるつもりでの基本の闘牌を考えます。
いつも牌姿のようなツモなら苦労しませんね。でももう少し苦労しないと麻雀は楽しくないかな?
尖牌を大切にするべし!!
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