中級/第132回:中級講座『敗戦から学ぶ』 浜上 文吾
2018年01月15日
麻雀ファンの皆様、あけましておめでとうございます!
九州本部の浜上です。
2017年度の各リーグ戦もほとんどの対局が終了して、決勝戦の時期になりました。
まずは鳳凰位決定戦です。
【1月14日(土)第34期鳳凰位決定戦~初日~ 14時~】
前原雄大(現鳳凰位)vsHIRO柴田vs内川幸太郎vs瀬戸熊直樹
実況:古橋崇志
解説:荒正義・和久津晶
牌譜解説:白鳥翔
今年はどのようなドラマが待っているのか楽しみな対局ですね。
さて今年は各地方本部、支部の決勝戦も放送されることになりました。
放送スケジュールは
【1月17日(水)第13期静岡プロリーグ決勝14時~】
平岡理恵vs鷲見隼人vs平野敬悟vs鈴木秀幸
実況:日吉辰哉 解説:望月雅継
【1月19日(金)第52期北海道プロリーグ決勝10時~】
山屋洋平vs石田雅人vs喜多清貴vs加藤晋平
実況:日吉辰哉 解説:瀬戸熊直樹・西野拓也(北海道副本部長)
【1月24日(水)第30期中部リーグ決勝14時~】
寺戸孝志vs古川孝次vs杉村泰治vs三戸亮祐
実況:小笠原奈央 解説:山井弘・青山大
【1月26日(金)第1期北陸リーグ決勝14時~】
木戸僚之vs藤本鉄也vs安城るいvs後藤正博
実況:小笠原奈央 解説:山井弘・浦田豊人(北陸支部長)
【2月2日(金)第18期皇帝位決定戦(九州リーグ決勝)14時~】
浜上文吾vs柴田祐一朗vs塚本将之vs坂平二郎
実況:小車祥 解説:和久津晶・中村政時(九州本部長)
【2月7日(水)第16期太閤位決定戦(関西リーグ決勝)14時~】
花岡章生vs藤川謙次vs坂本誠裕vs横山毅
実況:日吉辰哉 解説:瀬戸熊直樹・上村宜久(関西副本部長)
地方所属の選手にとって地方リーグの決勝戦を映像対局で放送してもらえるということは、今後の雀力アップに繋がる可能性が高く、貴重な経験となります。
昨年、私の所属する九州本部の第17期皇帝位決定戦も放送予定ではありましたが、震災の影響もあり日程調整ができずに悔しい思いをしました。
今期は予定通りに日程が終了し、放送できることになり大変嬉しいです。
その第17期皇帝位決定戦では塚本将之の優勝で幕を閉じましたが、最終戦で私の敗因のひとつとなった局がありますので反省を踏まえ紹介させていただきます。
下の画像は第17期皇帝位決定戦8回戦(最終戦)南1局1本場の牌譜です(日本プロ麻雀連盟公式ルール)。
7回戦終了時成績は
塚本将之 +74.2P
浜上文吾 +62.0P
中尾多門 ▲65.4P
安東裕允 ▲70.8P
となり、私が優勝するには、首位塚本との12.2P差を逆転しないといけません。
1着順差だと8.200点以上、2着順差だと200点以上リードする必要があります。
私は東場でアガリを重ね、ついに首位の塚本をとらえ、さらに南1局の親番には2,000オールをツモアガリ、優位に進み得点状況は
南1局1本場
東家 浜上44,900点(+88,9P)
南家 中尾22,200点(▲81.2P)
西家 安東29,800点(▲72.0P)
北家 塚本23,100点(+64.3P)
カッコ内は順位点も含めたトータルポイント。
となり、塚本との点差は24.6Pのリードとなります。
南1局1本場 浜上配牌
ドラ
正直、追いかけることは数多く経験はしていますが、逃げる展開はあまり経験がありません。
親の落とし方が難しいな・・・
と考えながら配牌を取るとドラがトイツのチャンス手です。
10巡目までのツモと捨て牌は
ツモ | |
捨て |
と以下の牌姿の1シャンテンになります。
南1局1本場 浜上 10巡目
ドラ
ここまでは順調です。さてここからはどう対応するかが問題です。
私の考えでは
・⇒打でカン待ちでヤミテン、ポンも同様。
・⇒カン待ちでリーチ
・⇒打として待ちでリーチ
仕掛けるのはだけで後付けのテンパイは取らないと決めていました。
しかし自分のアガることばかりが先行して、大事なことを見落としています。
10巡目までの捨て牌は以下の通りです。
全体的に変則的な捨て牌です。(相手の手牌が読みにくい)
浜上
中尾
安東
塚本
11巡目に西家の安東がドラを捨ててリーチときます。
もちろん私はポンテンなので仕掛けて応戦します。
浜上
ポン 打 ドラ
オリる気はありません。これをアガリ決定打にしようと思っていました。
14巡目
ポン ツモ ドラ
となり、私の手が止まります。
13巡目までの捨て牌は以下の通りです。
浜上
中尾
安東
塚本
もも1枚切れでかの選択で長考します。
が4枚切れているのでを選択してにしても、リャンメン待ちへの変化の可能性はありません。
私の選択は、安東の捨て牌の現物である狙いで打としました。
15巡目には北家の塚本がを捨ててリーチ。
塚本
ドラ
当面の敵である塚本のリーチで、勝負どころです。
ここでオリるようでは勝てません(と思ってました)。
次の私のツモは無情にも先程までアガリ牌であったです。
ここで一度冷静(を捨てずに我慢の選択)になればよかったのですが、勝ちたい欲で打としました。
次の私のツモはでしたが止まるはずがありません。
西家 安東
ドラ
結果は西家、安東に手痛い12,000点放銃となりました。
すべての対局が終了して後日、この局の反省点をノートにしてみました。
・ポンテンをとって応戦するのはいいが、守備の意識が全くない。
・現状、順位点込みで24.6Pリードしていることが飛んでしまって、その局のテーマ(アガることが目標ではあるが放銃はしない)を見失っている。
・単純にアツくなっている。
私が見落としていたのは局面判断でした。
非常にメンタル面が課題に残りました。
アガリ抜くことだけを考えて、アガリ逃しがあったのにもかかわらず、無理攻めをしたことを後悔しています。
塚本のリーチ後に通ったを潔く中抜して守るべきだと・・・
放銃後の次局の南2局の得点状況は
東家 浜上32,600点(+68.6P)
南家 中尾22,200点(▲77.2P)
西家 安東43,100点(▲49.7P)
北家 塚本22,100点(+58.3P)
こうで現状リードはしていますが、前局致命的な放銃をしてしまい、気持ちも立て直せないままズルズルと後退してしまいました。
オーラスを迎えた時点では塚本に微差ながらも逆転され、私の優勝条件はツモアガリすればOKでしたが、テンパイも出来ずに悔しい敗戦となりました。
【私が第17期皇帝位決定戦の敗戦から学んだこと】
今までは勝負どころはすべて押し切ることが正しいと思っていました。しかし、アガリ逃しなどの選択ミスがあった時などの押しは単なる無理攻めでしかなく、良い結果には繋がりにくいということを学びました。
その反省点を踏まえ、今期の九州リーグではミスをしたときには潔く守備を重視することができ、その結果無駄な放銃をする機会が減り、攻守のメリハリができたことで今期も決勝に進出することができたと思います。
2月2日(金)の第18期皇帝位決定戦は九州本部で初めて放送対局となります。
浜上文吾vs柴田祐一朗vs塚本将之vs坂平二郎
実況:小車祥 解説:和久津晶・中村政時(九州本部長)
地方所属でも中央のリーグ戦、タイトル戦と同様に面白い対局にできるように頑張りたいです!
それでは「日本プロ麻雀連盟チャンネル」にてお会いしましょう!
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