第4期JPML WRCリーグ ベスト16B卓レポート
2018年08月29日
【B卓】
前原雄大(鳳凰位)vs山脇千文美(C3)vs安村浩司(B1)vs藤井すみれ(C1)
怪物・ゴジラ・がらくた…
色々な呼ばれ方をするものの、その誰もが認める絶対強者、前原雄大が鳳凰位シードでここから登場。
対するは予選から勝ち上がってきた女流プロ2名、藤井と山脇。そしてB1セレクトにもよく登場している安村。
「ベスト16の4卓で、対局を放送して欲しい卓は?」という事前アンケートでは、このB卓が総投票数の70%を獲得。
それほど注目されている組み合わせである。
1回戦(藤井―安村―前原―山脇)
東1局、親の藤井が6巡目リーチ!
リーチ ドラ
ペンチャンのドラ待ちながら、この時点で山に4枚生きていた。
9巡目には山脇が追い付く。
ツモ
しかしここはを切りテンパイとらずとした。リャンメン待ちは追いかける印象だったが、山脇ここは慎重だ。
結果流局。藤井の1人テンパイだった。(なんとは王牌に3枚)
1本場は前原お得意のリーチ。
リーチ ドラ
同巡安村
ツモ
絶好の所を引いた安村だったが、分が悪いと見たか、現物の切りとした。
山脇も一瞬テンパイし、リーチをかけていれば一発で前原からのアガリだったが、ここも慎重に対応した。
結果、前原の1人テンパイ。
開かれた手牌を見て、それぞれ何を思っただろうか。
東2局2本場 供託1本
山脇
ツモ ドラ
なかなか感触の良いテンパイ。
迷わず切りリーチといった。
数巡後、藤井
ツモ ドラ
追い付いた藤井。だがテンパイ打牌のは山脇に放銃だ。
藤井は少考し、打とした。これでは勝てない、見合わないという判断だろう。
一方安村
ツモ ドラ
安村は切りリーチ!しかしこれが山脇に放銃となり、しかも裏ドラがだった。
安村→山脇8,000は8,600
東3局
先ほど放銃した安村のリーチに対し、親の前原はまっすぐ勝負した。
安村
リーチ ロン ドラ 裏
前原→安村8,000
東4局
親の山脇がをポン。藤井がリーチ
リーチ ドラ
同巡安村もテンパイ
ツモ
ここは懐深く打。さらに同巡前原
ツモ ドラ
打でヤミテンを選択。はリーチの現物。
次巡安村がを掴み、前原に8,000の放銃となった。
一発、裏ドラありのルールとはいえ、8,000点の応酬。
南1局にもピンズのメンホンテンパイから安村がドラの4を切ると山脇に8,000点の放銃となった。
次局は安村の1人テンパイ。
南2局1本場
前原と2着争いをしている藤井が自風のをポンしてテンパイ。
安村
ツモ ドラ
何を切るか好みの分かれそうな牌姿。
安村は落としとした。次のツモがだったため何切りでもテンパイするのだが、安村は打点MAXをとらえた。
リーチ ドラ
しかし結果は流局。またしても安村の1人テンパイ。
南2局2本場 供託1本
藤井の配牌が良い。2巡目にはこの形
ツモ ドラ
藤井は三色への渡りも見て打とした。
目論見通り次巡ツモとなり、フリテンだが3メンチャンを残した。
しかし藤井はここから手が進まず、10巡目には前原に追い越された。
前原
ドラ
12巡目には親の安村がリーチ。
リーチ
これを受けて藤井はまっすぐ行けず迂回。のトイツ落としなどを経て回っていくが…アガリを得たのはなんと藤井だった。
ツモ
2巡目の形とはかなり変わった形での500・1,000(700・1,200)となった。
南3局、藤井リーチ。
安村が仕掛けて対抗、1,000・2,000のアガリ。
南4局(藤井30,600・安村19,200・前原27,300・山脇42,900)
7巡目に藤井がリーチ。
リーチ ドラ
ツモって裏ドラ1枚でトップ。
そして藤井からリーチ棒が出たことで、2着まで2,000点でよくなった前原がをポンしてテンパイ。
ポン ドラ
そこに高目三色になった安村
ツモ
はフリテンとなっていたが力強くリーチ!しかしこのが前原に放銃。前原が2着に上がり、1回戦が終了した。
1回戦
山脇+27.9P・前原+5.3P・藤井▲5.4P・安村▲27.8P
2回戦(前原―山脇―安村―藤井)
東1局、8巡目にリーチした山脇。
ツモったのはハイテイだった。
ハイテイツモ ドラ 裏
山脇2,000・4,000のアガリ。また一歩リード。
東2局は前原が安村に5,200の放銃。
東3局、安村がダブポン。チー。
チー ポン ドラ
9巡目にトップ目山脇からのリーチ。
リーチ ドラ
11巡目、前原が追い付きヤミテン
リーチの現物待ち
同巡藤井
ツモ ドラ
を切れば役ありのテンパイだが、このテンパイには勝機なしと切り。実際には山脇の当たり牌。
藤井はよく我慢しているが、終盤に山脇がをツモ。
裏ドラがでまたもや2,000・4,000のアガリとなった。
東4局は藤井が親リーチ!
リーチ ドラ
同巡前原もテンパイ。
ヤミテン選択からの次巡ツモ切りリーチ!これに放銃するのは藤井。
藤井→前原2,600
南1局
ダブをポンした山脇の選択
ポン ドラ
ここから打。すぐにをチーして狙い通りのテンパイ。
ポン チー
しかしこれが中々アガれず、13巡目には前原に追い付かれた。
リーチ ドラ
この後も粘った山脇だったが、前原がをツモ。4,000オールでトップに迫る。
次局は山脇がヤミテンで安村から3,900は4,200。前原の親落としを最優先とした。
その後前原の1人テンパイを挟み南3局1本場。藤井がをカンしてリーチ。
暗カン リーチ ドラ
これをアガって良い気分でオーラスの親を迎えたいところ。
しかし山脇が立ちはだかり500・1,000(600・1,100)
ポン ツモ ドラ
南4局(前原36,800・山脇48,500・安村18,900・藤井15,800)
山脇が果敢に仕掛け、7巡目にはテンパイ。
ポン チー ドラ
9巡目に前原がテンパイし即リーチ!
リーチ ドラ
そしてアガリ牌のを一発でツモり、さらには裏ドラもで3,000・6,000になるのだから恐れ入る。
この跳満のアガリでトップももぎ取った。
2回戦
前原+33.8P・山脇+20.5P・安村▲19.1P・藤井▲40.6P
2回戦終了時
山脇+48.4P・前原+39.1P・藤井▲40.6P・安村▲46.9P
3回戦(藤井―山脇―安村―前原)
東1局、安村のリーチに前原が飛び込む。
リーチ ロン ドラ 裏
追いかける立場の安村、この大事な3回戦で嬉しい8,000スタートとなった。
しかし次局は山脇に2,900放銃。
続く1本場、安村8巡目リーチ。
リーチ ドラ
それを受けた山脇
ツモ ドラ
打点のある最終形を見るならかだろうか。しかし無理をする必要のない山脇、一発目ということもあってか現物の切りとする。だがこうなると次のが危ない。
次のツモが→打(無スジ)
不思議だった。結局2巡後に完全撤退。最後までを切ることはなかった。
山脇と言えば仕掛け屋なイメージが強いが、放銃がかなり少ないように感じる。この辺の嗅覚が、山脇の秀でているところなのだろう。
安村、前原の2人テンパイ。
ここから安村が抜けた展開となり、南2局。
持ち点(親から)山脇24,500・安村44,600・前原25,100・藤井25,800
なんとか上の着順で終わりたい藤井、ドラのを切ってリーチ!
ツモ ドラ
その時山脇
ドラ
リーチ宣言牌の中を鳴くかどうか悩んでいた。少考したあとをポンして打。すぐにを引いてテンパイした山脇は打とした。
するとこのが前原に放銃。素晴らしい捌きを見た。
南3局、前原が8巡目にリーチ。
山脇は安全牌を切りながらなんと国士無双の1シャンテンとなった。
ドラ
リーチしていた前原がを切ると、親の安村からロンの声。タンヤオドラドラの7,700。前原の捨て牌にがあったゆえのヤミテン。
山脇はテンパイすると放銃となっていた。
次局には藤井と前原の2軒リーチ。
前原が競り勝ち1,000・2,000(1,100・2,100)のアガリ。
南4局(前原23,700・藤井22,700・山脇22,400・安村51,200)
2着争いは接戦である。最終戦に望みを繋げるために、藤井はなんとしても2着を取りたい。
藤井はをポンし、その後テンパイした。
ポン ツモ ドラ
2着前原とは1,000点差。同点の場合の順位点はきっちり分けである。(2着3着で同点の場合は順位点±0)
藤井の選択はドラの切り。
数巡後をツモり、大きな大きな300・500。単独2着で3回戦フィニッシュした。
3回戦
安村+35.9P・藤井▲1.2P・前原▲11.8PP・山脇▲25.5P
3回戦終了時
前原+27.3P・山脇+25.5P・安村▲11.0P・藤井▲41.8P
4回戦(前原―山脇―安村―藤井)
東1局
前原
ツモ ドラ
これをドラの切りヤミテン。
同巡山脇
ツモ
ドラのを合わせ打ってヤミテン。
同巡安村
チー ツモ
切りテンパイ。
3者が同巡にテンパイするから面白い。
結果は藤井がをツモ切り、前原の1,500のアガリとなった。
1本場は安村がリーチして1人テンパイ。上の2人は安村のリーチには向かいにくい。
東2局2本場 供託1本
早くもターニングポイントとなりそうな局に。
藤井が4巡目リーチ。
リーチ ドラ
6巡目に安村追いかけリーチ。
リーチ
下2人のリーチ合戦。
結果は安村がでの放銃。安目だったが裏ドラがで8,000点の支払いとなった。
この安村の放銃で上の2人は少し楽に。藤井がアガる分にはまださほど問題ではない。と思っていただろう…
東3局にも藤井が5巡目リーチ。
17巡目にツモ。
ツモ ドラ 裏
ドラは乗らず1,600・3,200のアガリ。
東4局 親・藤井
ダブポンして1人テンパイ。
東4局1本場
10巡目に藤井がリーチ。
そろそろ全員が止めたいと思ってきているだろう。
同巡山脇
ツモ ドラ
親のリーチを受けた一発目。安全牌はない。勝負できる手格好ではある。しかし何を切る?
山脇の選択はドラの切りだった。
格好良いと思った。もしも当たってしまったらと考えると、切れない人も相当数いるのではないか。山脇のメンタルの強さを見た。
だがここは藤井が一発ツモ。
リーチ ツモ ドラ 裏
4,000は4,100オール。トータルポイントも肉薄した。
次局は山脇が捌きに。
チー ドラ
藤井も悪くない形。
ドラ
ここからツモ切ったを山脇がポン。その後山脇に、、とツモ切られるものだから藤井はたまったもんじゃない。
結果、山脇ツモ300・500は500・700。
南入となった。
持ち点(親から)前原23,300・山脇24,000・安村13,600・藤井59,100
現状、藤井はトータル2位前原と13,300点差。現実的な数字である。
5巡目、藤井にテンパイが入る。
ツモ ドラ
これは打のヤミテンとする。
そして8巡目にアガリ牌のを持ってきた藤井。打でフリテンリーチと行った。
すると13巡目に前原が仕掛けてドラスジのを勝負!現状ライバルのリーチに対してこのプレー。解説の瀬戸熊は、前原にしか出来ないと絶賛。
こうなると本当に勝ってしまうのが前原。勝てる時に、前に出るのだ。
チー ロン ドラ
藤井から2,900のアガリとなった。
続く1本場は山脇が1,000は1,300をアガリ、次局も山脇が1,500をアガった。またその次局も1,500は1,800をアガリ少しずつ加点していく山脇。
南2局2本場
安村がリーチ
リーチ ドラ
このリーチに対し、テンパイしている2人。
前原は押し、山脇は引いた。しかし安全牌も無くなり、テンパイし直した山脇がで放銃。裏ドラは乗らず、3,900は4,500のアガリ。
南3局は全員ノーテンとなり、最終局へ。
南4局1本場
(前原27,200・山脇25,100・安村15,600・藤井52,100)
藤井は現状ターゲットの山脇と20.3ポイント差。とにかく一度アガること。
安村の条件は前原、山脇から倍満直撃。
最終局が始まり、すぐに山脇が自風のをポン。藤井はドラドラながらまだ3シャンテン。
をポンした前原が山脇に1,000は1,300を打ち、B卓の戦いは終焉を迎えた。
藤井・安村も戦っていたが、イメージとしては2人の幾度ものリーチを、するするとすり抜けてアガった山脇と、真っ向から粉砕した前原の勝ち上がり。という印象となった。
1位通過:山脇千文美 2位通過:前原雄大
カテゴリ:JPML WRCリーグ レポート