麻雀日本シリーズ2018決勝レポート 黒木 真生
2019年01月19日
平賀聡彦プロ(最高位戦)、佐々木寿人、瀬戸熊直樹、松ヶ瀬隆弥プロ(RMU)という、超攻撃型雀士4名が揃った決勝戦は、終わってみれば僅差で決着した。
初戦、第3戦と平賀プロが連勝。いつものように、トップ目に立ったからといってオリたり安全牌を多目に抱えたり、わざと鳴かせたり放銃したりという「小技」には目もくれず、「もらった手をできるだけ高く、ほんの少しだけ相手より早くアガる」ことを目指す「麻雀の王道」で突き抜けた。
2戦終了時成績
1:平賀 +64.1P
2:瀬戸熊▲3.3P
3:松ヶ瀬▲30.2P
4:佐々木▲30.5P
このような点数状況で迎えた3目の東1局、西家・佐々木が6巡目に先行リーチ。
対して平賀プロは南家で9巡目にテンパイする。
ドラ
平賀プロは当然のようにを切って追いかけリーチを掛ける。
もちろん、これが普通といえば普通なのだが、4回戦で優勝を決めるシステムで最初の2回トップを取ったら、どうしても「浮きを守る」という心理が働くものだ。
たとえば、この局面で頭から突っ込んでいかなくても、最終戦を迎える時点でトップ目には立っていられるだろうという計算が働くこともあるはずだ。
そういう考えが浮かんできてしまうと、現物に手がかかる。
あるいは、テンパイだけはとるがヤミテンを選択し、さらなる危険牌をつかんだらやめるという中途半端な行動に出てしまうかもしれない。
だが、平賀プロはそういう発想が浮かぶスキを与えないようにしているのではないかと思わされるぐらい、猪突猛進するのだ。
この局は流局したが、続く東3局、今度は西家・瀬戸熊が以下の捨て牌で先制リーチ。
対する北家・平賀は、
ツモ ドラ
確かに1シャンテンではあるが、ここも別に勝負所とは言えない。別にオリたって良いような気もするが、平賀プロはをツモ切る。
瀬戸熊の捨て牌を見て変則手だと読んでいたかもしれないが、それでもは怖い牌である。
この後、親の佐々木からもリーチが掛かり、最終的にはオリに回ったが、平賀プロの「押し切ろうとする気持ち」は凄まじかった。
最終的には、マイナスの3番手だった佐々木が怒涛の追い上げを見せ、オーラスに奇跡的な逆転劇を見せたが、平賀の「戦う姿勢」は本当に素晴らしかった。
もちろん「好勝負」は1人では演出できない。
今回は「脇役」に回されてしまったが、瀬戸熊も、松ヶ瀬プロも「ファイター」として超一流の戦いぶりを見せてくれた。
彼ら4名が目一杯自らにムチを入れ、足を止めて殴り合ったからこその「名勝負」だったと思う。
私が大袈裟に言っているのではないかと疑う人は、実際に番組を見ていただきたい。
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