グランプリ レポート

第9期麻雀グランプリMAX ベスト16 D卓レポート 日吉 辰哉

【D卓】魚谷侑未(王位)・沢崎誠(マスターズ)・HIRO柴田・近藤久春

 

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日本プロ麻雀連盟最高峰のタイトル、鳳凰位。今期その頂点に立ったのは吉田。
HIRO柴田はその頂を目指し2年連続、通算4回目の挑戦も僅かに届かなかった。

 

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1回戦、東3局では3巡目で以下のテンパイ。

北家 HIRO柴田
八万八万二筒二筒二筒三筒四筒西西西北北北  ドラ七万

北暗カン後に8,000を近藤から打ち取る。
更に南1局、南3局で2度の2,000・4,000をツモアガリトップ発進。

2回戦でしっかりプラスを積み上げ、迎えた3回戦で勝ち上がりを決めてしまう。
3回戦、東4局。沢崎が大きくリードしている状況でHIRO柴田は以下のテンパイをヤミテンに構える。

北家 HIRO柴田
二万二万四万五万六万四索五索六索四筒五筒八筒八筒八筒  ドラ七筒

テンパイにたどり着いた魚谷から5,200のアガリ。
そして南1局1本場では以下のテンパイ。

西家 HIRO柴田
一万一万五万五万六万六万五索五索五筒五筒南中中  リーチ  ドラ一万

生牌の南単騎でリーチの選択。これにも飛び込んでしまったのは魚谷。ヤミテンとリーチを上手く使い分け加点に成功。
初タイトルに向け盤石の勝ち上がりである。

今期麻雀業界を席巻した選手がいる。
第44期王位、第16回日本オープン、女流プロ麻雀日本シリーズ2018。
今年度3冠を達成した魚谷。

 

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西家 魚谷
一万二万四万八万二索九索六筒八筒東東南中中  ツモ六筒  打九索  ドラ二筒

1回戦、東1局の開局。上記の配牌から九索を打ち出した魚谷。
北家沢崎の第一打目の中を仕掛けて出る。9巡目に理想通りのテンパイを果たし、11巡目にツモアガリ。

西家 魚谷
一万二万三万七万八万東東東南南  ポン中中中  ツモ六万

更に次局も手役狙いの大きな構想を描いた手順を披露する。

南家 魚谷
二索二索二索五索五索七索九索九索六筒七筒北白発  ツモ八筒  打六筒  ドラ一筒

2巡目にメンツが完成した魚谷。上記から打六筒とする。11巡目にテンパイ一番乗り。東1局に続き理想通りの最終形。

二索二索五索五索七索九索九索西西白白発発

今局は追いついた近藤に交わされてしまうが、この立ち上がりから対局に向かう準備がしっかりと出来ていると感じさせる。

1回戦はHIRO柴田に交わされる結果となった魚谷ではあるが、2回戦以降はアガリと放銃を繰り返し戦線に踏みとどまる。
HIRO柴田が抜け出し迎えた4回戦。
近藤▲18.5P、魚谷▲20.8P、沢崎▲25.4Pと3者横並び一戦。

4回戦、東1局。沢崎が5巡目にリーチ。同巡追いついた魚谷はメンホンのテンパイ。

西家 魚谷
三筒三筒四筒五筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒九筒白白  ドラ九万

両者のめくり合いが続く。岐路は10巡目の魚谷。ツモ七筒での選択。三筒七筒は共に現物。
魚谷の選択はツモ切り。そして14巡目に結果がでる。魚谷のツモは裏目の白
長考に入る魚谷。魚谷の決断はツモリ三暗刻を含む、中スジとなった四筒切り。この四筒に沢崎の手が開かれた。

南家 沢崎
七万八万九万三索三索三索四索五索四筒四筒七筒八筒九筒  ロン四筒

これ以降、魚谷の戦いは更に激しさを増していく。
東3局の親番では沢崎から12,000をアガリ、次局も500は600オール。
しかし東4局、南1局では沢崎に二度の8,000、南3局では7,700を打ち上げてしまう。
そして南4局、親番HIRO柴田に5,800、続く1本場では近藤に5,200の放銃となり、大きなラスを押し付けられた魚谷。今年度最後の戦いは幕を閉じた。

ベスト8最後の切符は沢崎、近藤の争奪戦となった。
最終戦を迎えた両者のポイント差は14.8P。この大接戦を演じたのは沢崎の底力。
4回戦では東4局の時点で持ち点は6,000点。ターゲットの近藤の持ち点は50,000点間近と最終戦を待たずして大勢が決しかかっていた。
今年度の沢崎はマスターズ、WRC優勝を含む4度の決勝戦進出。その力を偉観なく発揮する。4回戦6,000点持ちの崖っぷちから終わってみれば47,100点持ちの2着で最終戦に望みを繋いだ。

 

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対する近藤。沢崎とはA1リーグを通して戦っており、この巻き返しも想定内か。
今期は無念の鳳凰戦降級。このグランプリMAXで再起をかける。

 

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5回戦はこの両者の激しい殴り合い。
まずは東2局1本場、1シャンテンの沢崎が近藤に2,000点の放銃。
続く東3局の親番で沢崎がテンパイの近藤から2,000点。
次局、近藤がドラの中に続いて九万をポン。

南家 近藤
八万二索三索一筒一筒七筒九筒  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン中中中  ドラ中

これに沢崎が以下から仕掛けて出る。

東家 沢崎
二万五万七万一索四索四索六索六索五筒七筒八筒八筒九筒

六索ポンで打九筒とする。近藤にアガられては一気に持っていかれるかもしれない。腹を括って攻め返す。
近藤は一索をチーしてテンパイ。

一筒一筒七筒七筒  チー一索 左向き二索 上向き三索 上向き  ポン九万 上向き九万 上向き九万 上向き  ポン中中中  ドラ中

沢崎は1シャンテンで以下の選択。

二万五万六万七万四索四索五筒七筒八筒八筒  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き  ツモ三万

ここから打五筒とする。入り目次第では七筒が打ち出される。絶対絶命かと思われた沢崎は六筒チーでカタアガリのテンパイ。

二万三万五万六万七万四索四索  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン六索 上向き六索 上向き六索 上向き

これを近藤から打ち取ることに成功。両者一歩も譲らない対決が続く。
次局は近藤が1,000・2,000ツモアガリで沢崎の親番を流す。
東4局、親番の近藤はチンイツテンパイ。しかし沢崎が近藤から3,900の直撃に成功。
南1局では近藤が500・1,000のツモアガリ。次局は沢崎から1,600の直撃。
両者の意地が正面からぶつかる。
そして迎えた南3局、近藤は沢崎の親番を700、1,300のツモアガリで通過。

南家 近藤
七万七万八万八万九万三索四索五索二筒三筒四筒九筒九筒  ツモ六万  ドラ三索

オーラスの1局勝負。跳満ツモアガリ条件の沢崎にそれをはね返す力は残っていなかった。

D卓勝ち上がり HIRO柴田 近藤久春