第147回:中級講座『内切り・外切り②』 森下 剛任
2019年05月29日
第1回目の中級講座では、「内切り・外切り」について簡単に触れましたが、第2回目では深く掘り下げて紹介したいと思います。
まずは、内切りのメリット・デメリットについて紹介します。
① 内切りのメリット
(1) 危険度の高い内側の牌から切り出すため、手牌の安全度が上がる。
② 内切りのデメリット
(1) ターツを取りこぼす可能性がある。
(2) 捨て牌で情報を与える可能性がある。
続いて、外切りのメリット・デメリットについて紹介します。
③ 外切りのメリット
(1) ターツの取りこぼしを防ぐことができる。
(2) 捨て牌で情報を与えづらくなる。
④ 外切りのデメリット
(1) 危険度の高い内側の牌が残るため、手牌の危険度が増す。
内切り・外切りのメリット・デメリットを箇条書きで紹介しましたが、内切りのメリットと外切りのデメリットはコインの表裏のように同じ内容の表裏であり、外切りのメリットは内切りのデメリットの内容の表裏になります。
但し、常に内側の牌が外側の牌より危ないわけではないので注意が必要です。
それでは、実際の牌姿を用いて説明したいと思います。
ツモ
234の三色同順もタンヤオにもならない、あまり嬉しくないのツモですが、567の三色を残すためにものカンチャンターツを払いたい所です。
巡目が進んでからの危険度を考えれば、から切りたい所ですが、⇒という切り順(内切り)だとマンズの待ちが残った際に‐待ち(もしくは、‐待ち)が読み筋に残ります。
⇒という切り順(外切り)であれば、内切りの時と同様に‐待ちという読み筋は残りますが、‐待ち以外にも読み筋に残ります。
他家に放銃しないように手牌の安全度を取るか(内切りのケース)、他家に与える情報を少なくして自分のアガれる可能性を少しでも高めるか(外切りのケース)、選択となります。
南場の西家配牌で、
ツモ
ホンイツのチャンス手です。あなたなら何から切りますか?
候補としては、おもに、、があるのではないでしょうか?
私はを切ります。
メンホン七対子を見つつ、のターツ外しよりのターツ落としのほうが捨て牌がおとなしくなり、情報を与えにくいと思うからですが、これよりも大事だと思うのは、の切り時です。
この手はメンホン七対子より役牌×2・ホンイツを見て、打の後に役牌が鳴ければ打とし、その後打と行くとホンイツに見えにくくなり、次の役牌や、マンズの牌が少し鳴きやすくなると考えるからです。
ではこの手が7巡目ならどうでしょう?
相手の捨て牌にもよりますが、危険度の高い打と切る事が多くなると思います。
但し、常に内側の牌が外側の牌より危ないわけではないので注意が必要です。
例えば、親の捨て牌が、
ドラ
のターツ外しをするとき、親にはよりものほうが危険度が高いと思います。
このように、内切り・外切りの使い方は、自分の手型と巡目や相手の進行速度によって使い分けることが大事だと思います。
序盤:外切りベースでアガリをこぼさないように、中盤:内切り外切りを使いわけて、終盤:押し引きを考え、終局までを考える。
但し、4巡目でも中盤・終盤の時はもちろんありますし、10巡目でも序盤のような時もありますので注意が必要です。
次回は手牌と捨て牌の関連性について書きたいと思います。
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