第15期静岡プロリーグ 第2節レポート
2019年05月29日
新元号令和を迎えたゴールデンウィークに静岡プロリーグ第2節が行われた。
前節は別日対局者が多く、実質2節目が開幕戦となる選手も多かった。
その中には今期静岡プロリーグ初参戦の選手が5人。どのような麻雀を見せてくれるか楽しみだ。
それでは、第2節の対局を振り返りたいと思う。
1卓
藤島健二郎 × 都築友和 × 大月れみ × 土屋幸弘
前節マイナススタートとなった藤島、静岡プロリーグ初参戦の大月の卓。
土屋 +30.4P 大月 +22.1P 藤島 +2.6P 都築▲55.1P
土屋は持ち前の積極性で攻め続けたのが功を奏した。
土屋らしさが良く出ていた対局であった。
前節、別日対局で静岡プロリーグ初参戦。
優勝するという目標を持ってやってきたという大月れみは嬉しいプラススタート。
前節大きなマイナススタートとなった藤島は1・2回戦でラスを引き、苦しいスタートとなるか…と思ったが、3・4回戦で巻き返し、プラスでまとめたのはさすがの一言。
都築はなすすべなく1人沈み。
非常に苦しいスタートとなったが、もともと爆発力が高い選手でまだ2節目。
都築にとってはこのくらいのマイナスは応えないだろう。
2卓
鈴木秀幸 × 鷲見隼人 × 岡本和也 × 高木翔太
鈴木秀・鷲見・岡本と高木以外は何度も対戦し、打ち慣れた相手との対局になった卓。
鷲見 +35.7P 高木 ▲0.4P 岡本 ▲4.1P 鈴木秀 ▲31.2P
この日の鷲見は調子が良かったと聞く。
鷲見が一度点棒を持ったら怖い、流れを掴んだと感じたら攻め続ける麻雀で堂々の卓内トップ。
高木は前節に続き、少しのマイナスだがプラスが非常に遠い。早くプラスがほしくて麻雀に焦りがなければ良いが。
岡本は積極的に攻めるも調子の良い鷲見の壁は厚く、その牙城を崩せず。
鈴木秀は得意の仕掛けをできる局面が少なく、我慢の1日となった。
3卓
鈴木郁孝 × 望月雅継 × 岩井健太 × 後藤咲
前期決勝進出者2人と第13期麻雀マスターズの岩井。
実力者3人に静岡プロリーグ初参戦の新人・後藤が挑む構図の卓。
鈴木郁 +27.9P 望月 +21.2P 岩井 +5.3P 後藤▲54.4P
結果は後藤の1人沈みと、厳しい洗礼となった。
岩井は望月・鈴木郁との猛攻にあいながらも最終戦で大きなトップをとり、うまくまとめた。
望月・鈴木郁はプラスし、またしても決勝進出争いの中心選手となりそうだ。
4卓
太田昌樹 × 山本拓哉 × 岡田智和 × 田中寛治
攻撃的な太田、足を使う山本と目まぐるしい展開が予想される。
それに初参戦の岡田・新人の田中の雀力が問われる形となった卓。
田中 +54.5P 山本 ▲5.6P 岡田 ▲24.2P 太田▲24.7P
結果は静岡プロリーグ初参戦の新人・田中が大金星を上げた。
強者相手に1人浮きの卓内トップ。
これから自信を持って戦えるに違いない。
新人の田中にやられた太田・山本・岡田はこのまま黙ってはいないだろう。
次節が楽しみである。
5卓
中野妙子 × 中寿文 × 京平遥 × 杉村泰治
守備型の杉村以外、先手を取りに来る選手がおらず、重い展開の局が多くなりそうな卓。
中野 +32.3P 杉村 +5.5P 中 ▲13.0P 京平 ▲24.8P
中野は前節、大きなマイナススタートだったが今節はプラスで巻き返す。
これで次節以降も気持ち良く戦えそうだ。
杉村は中野の1人舞台の中、苦しい展開が続いたが最後はプラスで終えた。
中は前節首位スタートで今節もプラスし、リーグ戦をリードしていきたいところだがマイナスとなった。
前期決勝進出の京平は2節連続マイナスと苦しい。
決勝進出が多い京平だけにこのまま終わることは考えにくい。
次節以降に期待か。
6卓
平野敬悟 × 相沢かおる × 青嶋宏樹 × 渡辺洋巳
実力上位の相沢・平野に対し、渡辺・青嶋の出来が対局の結果を大きく左右するであろう卓。
相沢 +39.5P 渡辺 +9.4 平野 +6.4P 青嶋 ▲55.3P
相沢が上位リーグの実力をしっかりと示し、危なげなくプラスを積み重ねた。
渡辺は引き気味に打ちすぎる部分もあるのだが、今節は押し引きのバランスがピタリとはまった印象。
平野は場面がよく見えていた。
要所、要所での状況判断はさすがの一言。しっかりとプラスした。
7卓
原佑典 × 大橋幸正 × 蓮沼友樹 × 鈴木涼太
超攻撃型な鈴木涼以外は万能タイプが揃った卓。
原 +65.1P 蓮沼 +1.1P 鈴木涼 ▲32.3P 大橋 ▲33.9P
前節別日だった原はロケットスタートを決めた。
静岡プロリーグ参戦も3年目となる原は意外にも静岡プロリーグ初のトータルプラスで、首位に立った。
今期の台風の目となることができるか?次節以降も期待したい。
器用な蓮沼は調子の良い原にぶら下がる形でプラス。
1人攻撃型の鈴木涼はしっかり受ける3人に攻撃が空振りスタミナ切れか。
バランス型でも頭一つ上をいく、戦略家の大橋は頭で描いていた展開と噛み合わなかったのだろう。
第2節でまだまだロースコアな状況。
下位陣もまだまだ決勝進出の目はある。
次節以降は下位陣の奮起に期待だ。
今回の結果で気づいた点は実力上位者の1日の戦い方だ。
一戦、一戦で考えるのではなく、自分と相手の調子、ポイント状況、相手のメンタルバランス。
色々なことを加味して1日、そして長いリーグ戦を戦おうとしている。
当たり前のことではあるがそれがなかなかできないのだ。
その違いが長いリーグ戦では大きくのしかかっている。
実際に上位陣は最終戦までにポイントをうまくまとめている。
下位陣との違いはそこにあるのだろう。
私たちは麻雀プロだ。
常に考え、自分の打牌に後悔が無いようにしたいものだ。
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 | 9節 | 10節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 原佑典 | 65.1 | 65.1 | |||||||||
2 | 鷲見隼人 | 28.9 | 35.7 | 64.6 | ||||||||
3 | 望月雅継 | 41.9 | 21.2 | 63.1 | ||||||||
4 | 田中寛治 | 54.5 | 54.5 | |||||||||
5 | 相沢かおる | 39.5 | 39.5 | |||||||||
6 | 足立純哉 | 36.7 | 36.7 | |||||||||
7 | 中寿文 | 43.7 | ▲ 13.0 | 30.7 | ||||||||
8 | 鈴木郁孝 | 27.9 | 27.9 | |||||||||
20 | 土屋幸弘 | ▲ 3.8 | 30.4 | 26.6 | ||||||||
9 | 岡本和也 | 29.9 | ▲ 4.1 | 25.8 | ||||||||
14 | 大月れみ | 22.1 | 22.1 | |||||||||
10 | 岩井健太 | 2.3 | 5.3 | 7.6 | ||||||||
11 | 渡辺洋巳 | ▲ 2.0 | 9.4 | 7.4 | ||||||||
12 | 蓮沼友樹 | 1.1 | 1.1 | |||||||||
13 | 大橋幸正 | 34.8 | ▲ 33.9 | 0.9 | ||||||||
15 | 藤本哲也 | 0.0 | ||||||||||
17 | 山本拓哉 | 3.9 | ▲ 5.6 | ▲ 1.7 | ||||||||
18 | 鈴木涼太 | 28.7 | ▲ 32.3 | ▲ 3.6 | ||||||||
19 | 高木翔太 | ▲ 3.2 | ▲ 0.4 | ▲ 3.6 | ||||||||
21 | 川崎義之 | ▲ 7.5 | ▲ 7.5 | |||||||||
22 | 岡田智和 | ▲ 24.2 | ▲ 24.2 | |||||||||
23 | 太田昌樹 | ▲ 24.7 | ▲ 24.7 | |||||||||
24 | 中野妙子 | ▲ 58.9 | 32.3 | ▲ 26.6 | ||||||||
25 | 斉藤隆 | ▲ 27.9 | ▲ 27.9 | |||||||||
26 | 杉村泰治 | ▲ 36.1 | 5.5 | ▲ 30.6 | ||||||||
27 | 鈴木秀幸 | ▲ 31.2 | ▲ 31.2 | |||||||||
28 | 平野敬悟 | ▲ 41.1 | 6.4 | ▲ 34.7 | ||||||||
29 | 京平遥 | ▲ 20.2 | ▲ 24.8 | ▲ 45.0 | ||||||||
30 | 藤島健二郎 | ▲ 51.1 | 2.6 | ▲ 48.5 | ||||||||
31 | 後藤咲 | ▲ 54.4 | ▲ 54.4 | |||||||||
16 | 都築友和 | ▲ 55.1 | ▲ 55.1 | |||||||||
32 | 青嶋宏樹 | ▲ 55.3 | ▲ 55.3 |
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