第17期プロクイーン二次予選レポート 浜野 太陽
2019年08月26日
2019年7月28日、前日の熱気覚めやらぬ中、第17期プロクイーンベスト16(全卓を日本プロ麻雀連盟チャンネルにて放送予定)を賭けた戦いの火蓋が落とされた。
タイトルを獲ることはもちろん、(特に若手選手にとっては)放送対局に出られるということ自体が、大きな財産となる。
また翌年以降のシードのことを考えても、是が非でも勝ちたい試合である。
二次予選からのシード選手は以下の通り。
日本プロ麻雀連盟
山脇千文美
北野由美
武石絵里
内山えみ
中野妙子
石田亜沙己
日高志穂
和久津晶
黒沢咲
清水香織
二階堂瑠美
安田麻里奈
童瞳
優木美智
吾妻さおり
宮内こずえ
高宮まり
「以下、敬称略」
最高位戦日本プロ麻雀協会
西嶋千春
大平亜季
根本佳織
石井あや
日本プロ麻雀協会
逢川恵夢
崎見百合
麻将連合
草場とも子
梅村日奈子
RMU
里中花奈
集まった63人が5回戦を経て24人に絞られ、最終戦を行い11の椅子を争う。
最終戦のそれぞれの卓の様子を紹介したい。
1卓
渋谷菜瑠美(130.8P)、青山めぐみ(57.1P)、岡田桂(56.2P)、黒沢咲(20.0P)
大きなラスを引かなければ通過の渋谷。現状の通過ボーダー付近で点数を伸ばしておきたい青山・岡田。ギリギリの最終戦進出で、大きなトップが必要な黒沢。
結果から振り返れば、黒沢のスター性を感じざるを得ない半荘となった。
ツモ ドラ
この高打点の雰囲気を感じさせる牌姿からの、穏やかなアガリでスタート。
大きく手を振り続け、ついに南場の親で大きなアガリをものにする。
ツモ ドラ
さらに
ロン ドラ
このアガリで70,000点を超え、渋谷と共に余裕の通過を決めた。
2卓
佐月麻理子(115.0P)、後藤咲(57.2P)、りんのなお(53.3P)、河野まや(20.7P)
こちらも極力点数を伸ばしておきたい後藤・りんのとトップが必要な河野が戦いの鍵を握る。
しかしそんな3者の思いをよそに、東場では佐月が4,000オールのアガリをものにし、通過を盤石に。
一方河野は攻めるしかない状況で放銃が重なる。
南場では2フーロを入れた親の河野に、後藤がタンヤオ仕掛けで役牌をかぶせる。
結果的に前に出やすくなった佐月が、
ツモ ドラ
この跳満をツモアガる。
オーラスも佐月がダブの仕掛けをアガリきり、46,200点のトップ目であったりんのを逆転しトップに。
りんのは不安な顔で結果発表を待つことに。
3卓
童瞳(108.7P)、石井あや(57.3)、山脇(41.5P)、東城りお(26.2)
好調の童瞳に、さらに手が入る。
リーチ ドラ
これをツモって通過を決定づけた。
これで苦しくなった3者は、効果的なアガリをものにすることができなかった。
4卓
日高志穂(98.8P)、西城凛(60.3P)、一瀬由梨(41.4P)、中野妙子(27.1P)
是が非でもトップが欲しい一瀬・中野と、1、2着が必須の西城。
凹んでいた一瀬が、後のない中野から値千金のアガリ。
ロン ドラ 裏
中野はそのまま最後の親番が落ち、辛い数局を過ごすことに。
5卓
二階堂瑠美(98.3P)、和久津晶(61.3P)、麻生ゆり(32.9P)、豊後葵(40.1P)
東1局、二階堂が麻生に8,000点を献上するも、その後は軽快に局を流す。
終盤に意地を見せたのは和久津。
南3局
ポン ポン ツモ
条件が厳しい親番の麻生から役牌を鳴くことができ、待望のアガリ。
また、オーラスには親の豊後が信じられない手をテンパイ。
ドラ
出アガリでも十分なリーチをかけるも…アガれず。余裕の二階堂と、ボーダー次第の和久津という結果に。
6卓
草場とも子(81.4P)、吾妻さおり(75.9P)崎見百合(36.9P)、里中花奈(33.9P)
リーチ ツモ ドラ
吾妻が東場で満貫のアガリをものにし、勝ち上がりを決定づける。
一方点数が足りない崎見は、オーラスの親で仕掛けを入れる。
チー ドラ
高打点が透けてしまう仕掛けも、役満条件で国士模様の里中が上家にいる状況では有効だ。
この仕掛けから加点を重ね、最後は吾妻が役牌の仕掛けをツモアガる。
以上の経過により、ベスト16の椅子を賭けた戦いの結果と組み合わせは以下の通りとなった。
8/30 水口美香 仲田加南 吾妻さおり 渋谷菜瑠美
9/6 童瞳 日髙志穂 草場とも子 崎見百合
9/13 天音まこと 魚谷侑未 二階堂瑠美 りんのなお
9/20 西嶋ゆかり 佐月麻理子 黒沢咲 西城凛
前年度決勝メンバーの4名が加わり、ディフェンディングチャンピオンの日向藍子の待つ決勝戦への切符を争う。
新たなスターが生まれるのか、それとも実績ある選手がさらなる地位を築くのか。
今年も目が離せない対局となりそうだ。
カテゴリ:プロクイーン決定戦 レポート