北陸プロリーグ レポート

第3期北陸プロリーグ 第5節レポート

10月13日(日)、富山市にて「第3期北陸プロリーグ第5節」が開催された。

「北陸プロリーグ」……。
私はこの言葉を述べる度に、どうしても大きな重責を感じてしまう。
「プロ」=「プロフェッショナル」という意味であり、プロと名乗る以上、このリーグ戦は北陸で最高峰の麻雀の戦いでなければならない、と思うからである。そのためにも私を含めて参加選手は勝つために日々必死に研鑽し、準備をしっかりして闘いに挑み、最高のパフォーマンスを魅せる。そして、それは決して自分達で認めるものでなく、その闘いを見た周りのファンの方々に認めてもらわなければ本物とは言えない。
「やっぱり北陸プロリーグは北陸で最高峰の戦いですね。」
重い話ではあるが、私はこのような褒め言葉をファンの方々から頂けるリーグ戦にしていきたいと、日々願う次第である。

 

 

●A卓
里木(1位)×前田(6位)×木戸(7位)×安城(12位)×後藤(13位)

前回レポートで決勝当選確実と早々に書かせて頂いた、首位を快走中の里木。
今節も1・2回戦連続トップで、前半終了時点で早くもポイントを50P以上伸ばす。
後半は少しポイントを減らしたものの、本人にとっては予定調和の結果であろう。
今の里木は本当にのっていて、手をつけられない状況。私だけでなく、参加選手全員が里木の決勝当選確実を確信せざるを得ない雰囲気となっている。

その絶好調男・里木に巻き込まれている場合ではない同卓の4者。前田と木戸は決勝進出圏内にくい込むための大事な1節であり、トータルポイントが大きくマイナスしている安城と後藤にとっては、ここで挽回しなければ、残り2節を待たずして終戦の可能性も出てくるであろう。

その中で結果を出したのが前期第2期チャンピオンの木戸。
1回戦は里木旋風を止められずラススタート。そこから抜け番・2着としてむかえた4回戦。
起家となった木戸、この親を出来る限り離したくない。
東1局にリーチ合戦を制してリーチ・ツモの1,300オール、1本場でもリーチ合戦となるが、こちらもアガリ、メンタンピン三色の親満のアガリ。
むかえた2本場、後藤が国士模様、安城がリーチとトータル順位下位陣の捨て身の攻撃が飛んで来る中、

一万二万四万五万六万七万八万九万白白白発発  ロン三万  ドラ発

木戸は安城より親の倍満をアガり、この半荘は78,900の大トップを獲得。里木を押さえての卓内トップで、トータル順位も決勝進出圏内の4位まで浮上した。さすが本命登場といったところであろうか。

 

 

●B卓
本田(3位)×成田(4位)×荒谷(9位)×阿戸(10位)×獅坂(15位)

上位陣の本田と成田であるが、ともにここ2節はマイナスと足踏み状態。なかなか混戦から抜け出す事が出来ない。今節こそはの思いで挑む。
その中で本田が③②①といずれも浮いての尻上がりの調子で、3回戦終了時点で+30P。
そして、むかえた4回戦・東1局、卓内に衝撃が走る。
11巡目、西家の成田がリーチ。

一万二万三万四万五万六万三筒三筒九筒九筒九筒中中  ドラ三筒

中は1枚切れ、ドラの三筒は生牌。
このリーチに対して、阿戸が無筋を次々と押していく。おそらくテンパイが入ったのだろう。追いかけリーチを打たないのは、リーチの現物待ちか?待ちに自信がないのか?はたまた手変わりがまだあるのだろうか?
そして対照的に好調の本田がひっそりと安牌を切りながら上手くテンパイ。

六万七万八万二索三索四索七索八索五筒五筒七筒八筒九筒

ピンフのみだが、リーチ者の捨て牌に九索が切られており、拾えそうな状況。

「ツモ!」
手元にはアガリ牌の九索。しかし手を開いたのは本田ではなく、阿戸。

七万七万七万九万九万九索九索西西西  暗カン牌の背六索 上向き六索 上向き牌の背  ツモ九索

見事、役満・四暗刻を成就する。
この価千金のアガリで阿戸は今節プラスで終了し、なんとか次節以降に望みを残した。
対して親被りをした本田、そしてリーチを蹴られた成田は、今節もマイナスで終了。2人にとってはフラストレーションが溜まる展開が続くが、それでも本田はトータル3位キープ。成田も5位となんとか上位に踏みとどまった。こちらも次節が勝負処となるであろう。

 

 

●C卓
藤本(2位)×梅本(5位)×志多木(8位)×浦田(11位)×南(14位)

さて、最後に私の卓。
第2節終了時点で▲108.1Pと屈辱の最下位に沈み、驕っていた自分の麻雀を見つめ直し、改めてこの位置から決勝進出を目指そうと決意した私。
前節終了までで▲48.7Pとなんとか半分程マイナスを返すも、残り3節となれば今節マイナスを全て無くすぐらいでないと、決勝進出圏内は難しいものと感じられる。
果たして目論み通りに行くか?
しかし、そう易々と許してくれないのが強者・藤本。
2期連続決勝進出者の藤本は、ここまで毎節オールプラスでトータル2位をキープ、安定感は今期も健在である。
この藤本に勝たない限り、私の今節マイナス完済は無いものと思わなければならない。

前半2回戦終了時点で
藤本 +17.5P
浦田 +16.8P
予想通り、私の上にピッタリとつけている藤本。なかなかペースを掴ませてもらえない。

最終戦。
南1局、南家の藤本が西家の私が切ったオタ風の北を鳴いていく。
藤本がよく行う、「周りにプレッシャーをかけるための仕掛け」であり、まだ手の中はまとまっていなかったが、ここからなんと本来私のツモ牌であったドラ八万を3枚も引き抜き、

六万六万八万八万八万六索六索南南南  ポン北北北  ツモ六索  ドラ八万

ダブ南トイトイ三暗刻ドラ三万と、なんと倍満のアガリ。

「負けてたまるか!」
この藤本のアガリで私の闘争心にもう一度火がつき、南2局の親番で、4巡目リーチ。

捨て牌
発一索 上向き一索 上向き六万 左向き

私の手牌
二万三万四万四万四万二索三索六索七索八索二筒三筒四筒  ドラ四索

4巡目にしてフリテンリーチ、安めの一索は既に2枚切ってあるが、無論構わない。
結果、運良く四索を引き当て、誰でもそうなる手順であるが、とにもかくにも嬉しい6,000オール!
結果としてなんとか卓内トップを果たし、トータルマイナスもほぼ完済する事が出来た。
順位も15位→13位→11位→8位と、着々と上がって来ている。
しかし、まだ何一つ成し遂げていない。これでやっとスタートラインに戻っただけの話なのだ。あと2節、ちょっとでもマイナスで終われば即終戦という崖っぷち状況は変わっていない。
負けられない勝負はこれからなのである。

北陸プロリーグもいよいよあと2節。
次回は11月24日(日)開催です。
「北陸プロリーグ」が最高峰の戦いの舞台になるように、周りのファンの方々にしっかりと認めてもらえるように、一生懸命頑張ります。

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 合計
1 里木 祐介 8.8 119.3 40.3 28.9 34.4 231.7
2 藤本 鉄也 46.7 61.9 16.0 10.2 43.4 178.2
3 本田 朋広 0.3 18.1 57.1 ▲ 8.7 ▲ 11.8 55.0
4 木戸 僚之 ▲ 42.6 ▲ 15.2 42.9 11.4 51.2 47.7
5 成田 理良 36.5 67.5 ▲ 57.7 ▲ 23.1 ▲ 3.1 20.1
6 梅本 翔 36.2 ▲ 30.5 4.0 4.7 ▲ 6.9 7.5
7 前田 倫也 ▲ 2.4 30.7 ▲ 31.5 15.7 ▲ 9.1 3.4
8 浦田 豊人 ▲ 16.7 ▲ 91.4 49.7 9.7 47.0 ▲ 1.7
9 荒谷 誠 51.6 ▲ 90.8 38.5 ▲ 10.8 3.0 ▲ 8.5
10 阿戸 翔太郎 5.6 7.2 ▲ 10.1 ▲ 27.8 11.8 ▲ 13.3
11 志多木 健 13.2 ▲ 24.1 ▲ 19.4 26.2 ▲ 59.1 ▲ 63.2
12 安城 るい ▲ 20.2 ▲ 30.5 21.4 ▲ 37.9 ▲ 31.8 ▲ 99.0
13 後藤 正博 ▲ 47.6 23.7 ▲ 30.0 ▲ 30.0 ▲ 44.7 ▲ 128.6
14 南 和之 ▲ 45.8 ▲ 25.4 ▲ 95.1 58.3 ▲ 24.4 ▲ 132.4
15 獅坂 祐一 ▲ 23.6 ▲ 40.5 ▲ 77.1 ▲ 56.8 0.1 ▲ 197.9