第88回『先を読む力』
2014年04月15日
うーむ。
この書いている中級講座なんですが、半年6回で1クールだと思っており、前回の更新でお疲れ様でした!
と、なると思っていたらまさかの続行。
現在3/31の23時。締切は3/31でございます。どうしてこうなった。
そんな前置きはさておいて、今回は先を読む力について書いていこうと思います。
将棋や囲碁でプロの棋士の方が、「○○手先まで読む」みたいな事をよく聞きます。
それじゃ麻雀において先を読むって何でしょうか。
下家は次にこれを切る。対面が次巡にツモアガって局が終わる。
そんなん読むのはちょっと無理です。
まぁ何を切るってのは特殊な状況下において限りなく正解を求める事は可能ですが。
終盤のトイツ落としなんかが当てはまりますね。
麻雀において先を読むというのは、今後の展開を予想するって事なんじゃないかと思っています。
序盤の捨て牌から、この人はこの局攻めてくるな、とか。
リーチに対して無筋を切る人がいたら、この局は出アガリで決着するかな、とか。
もっと細かく考えれば、この人放銃が続いて熱くなっている、とか。
なんかこの人あまり機嫌良くなさそう、とか。
こういった情報から、自分なりにそれじゃこの後進んでいったら、どうなるんだろうと考えてみると、
いざそういった状況になったとき、例え理不尽な出来事が目の前で起きたとしても、精神のブレを小さく保つ事ができるんじゃないでしょうか。
ちょっと変な例えですが、道を歩いていて、前を向いて歩いていたら自転車が横を通るのと、携帯を弄りながら歩いていて、自転車が横を通るのでは、自転車に対する心構えが大きく違いますよね。
今後起きるであろう出来事に対して、意識をしているのとしていないのでは、対応が変わります。
麻雀にも言えることで、国士っぽい捨て牌をしている相手に対して、何も考えずに危険牌を切るのと、国士の可能性を考えた上で切るのでは、結果放銃してしまったとしても、その後の精神的なダメージは前者後者では大きく異なるでしょう。
対人で争う競技やゲームにおいて、メンタルは非常に大きな役割を持ちます。
どんな上級者だったとしても、一度バランスを崩してしまえば、元に戻すのは非常に難しく、打たなくていい牌を打ってしまったり、打つべき牌が打てなくなってしまったり、自分の実力を全く発揮することができずに終わってしまう事となってしまうでしょう。
そうならない為にも、常に先の事を考えながら麻雀を打つというのは、非常に大事なのです。
それじゃ具体的にどうすれば。何をすればいいか。
当然の事ですが、まずは意識をすることです。
何も麻雀に限った事ではありません、日常生活の些細な出来事でもいいんです。
通勤時間帯の混んでいる駅で、向こうから人がきたからぶつからない様に前もって避けるとか。
空いている電車で、席に座る時も後に乗ってくる人を考えて1つ飛びになるよう座るとか。
※決して横に太いからじゃございません。先を読むトレーニングの一環です。
とはいっても、自分みたいな体格の人間は、そういう事に気を使うべきだと思いますよ。
ただでさえ、見た目でマイナスイメージ持たれやすいわけですから。
まぁまぁ脱線してしまいましたが、先を読むという事が、どういうことかおぼろげながら見えてきたでしょうか。
それでは次に、場面ごとの説明をしていきたいと思います。
まず、相手ですね。当然人が相手である以上、4人が4通りの考えを持っています。
何度も一緒に麻雀を打った事のある相手なら、この時点で何かしらの情報を手に入れる事ができるはずです。
攻めっ気のある相手ばかりなら、ツモアガリでの決着よりも放銃で決着することが多くなる。
放銃で決着することが多くなるのなら、自分からの放銃を避ければ点数を減らさずに済むかもしれない。
逆に、守備型が多ければ、1人のリーチに対して受けたりオリを選択する事が多くなり、結果、リーチ者の1人旅→ツモアガリで終局のケースが増え、自分のアガリがなければ徐々に点数が削られていくかもしれません。
対戦が始まる前に、こういった展開になるかもしれないということを考えておかないと、実際そういった展開となった時に、
「なんでこっちは良い手なのに脇で放銃しあうんだ」
「なんで毎局毎局ツモられて、悪い事していないのに点数が減るんだ」
と、ネガティブな感情を持ってしまうかもしれません。
実際はそういう展開が予想できていたのに、それに対する対処を怠ったが為の自業自得であるのにも関わらずです。
そういった事にならないよう、せめて相手がどういう打ち手か、ある程度理解できているのならば、対局中に起こる出来事を予め想像し、実際にそれが起きた時に、ネガティブな感情を持たない様に構えておくべきではないでしょうか。
自分は元々短気な性格なので、こういった心構えができていないと、すぐに崩れてしまうんですね。
それでも麻雀プロとなって十数年。
自分なりに努力をした結果、中々そういった短所的な部分を表に出すということはなくなったと思います。
麻雀は非常に理不尽なゲームです。
3面張、5面張がペンチャン、カンチャンに負ける事だってあるし、自分のアガリ牌が全て王牌の中にある事だってあります。
しかし、自分だけに理不尽な事が起こるわけではありません。
4者が4者とも同じ状況下の中で常に戦っているのです。
それでもツイていないとか、何で自分だけと思うのであれば、それはただのミスであるものを自分の都合によって捻じ曲げてしまっているに他ありません。
その瞬間は冷静な判断ができなくて、負けたことに対する原因を自分以外の何かに求めようとしていても、後になって考えれば、自分に原因があるという事がほとんどで、それを受け入れる事ができるか否かで、プレイヤーとしての成長が見込めるものだと思います。
自分が今、伸び悩んでいると考えている方は、ただ漠然と麻雀を打つのではなく、普段とは別の切り口で麻雀というものについて考えてみてはいかがでしょうか。
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