第87回:森岡貞臣
2014年04月17日
吾妻さおりプロから、幸福の手紙のバトンを頂きました。
ありがとうございます。
実は、このリレーエッセィは以前からよく読んでおり、
先輩方の書かれたものは非常に面白くて、麻雀の為にもなるいい企画で大好きでした。
ですので、87番目にバトンを頂けたことは、早すぎて恐縮かつ大変光栄に思っております。
まずは自己紹介からさせて頂きます。どうぞよろしくお願いします。
◆自己紹介
28期生(後期)の森岡貞臣です。貞臣は「さだみ」と読みます。
私の代から、前後期に分かれて半年毎にプロテストが実施されるようになったので後期と付けました。
現在49歳です。A型、乙女座、土星人+です。
兵庫県神戸市出身。二十歳まで神戸で育ちました。今は千葉に住んでいます。
24歳までO型だと思い込んでおりました。父はO型、母はA型で、どう考えても私の性格は自他共に認めるO型でした。それで、24歳の時に初めて献血した際に、A型だと看護師に言われた時に「もう一回やって!」とダダをこねましたが、「何度やっても同じです」と軽くいなされたエピソードがあります。それ以来、A型っぽくなっていきました。(笑)
趣味は、将棋と競馬。将棋はアマ四段の実力がありますが、最近では将棋の腕前はめっきり落ちてきました。好きなアニメは「ラ・セーヌの星」。主人公のシモーヌみたいな女性を探し求めて、未婚なのです。そんな人は居ないってば~?!(汗)
今のマイブームは、YouTubeで新日本プロレスの猪木の全盛期(=第1回IWGP決勝でホーガンにKOされる以前)の試合を見ることです。過激なストロング・プロレスor風車の理論が、私の勝負哲学の礎となっています。
それから、二十代の頃は占い師に転職しようかと思ったほど、易学のスキルがあります。その特技のせいか、人間観察も自然と身についています。この占いのノウハウは、少なからず麻雀にも役立っています。
◆麻雀の経歴
麻雀は17歳で叔父さんに教えてもらい、いきなり大三元をアガリました。役満なんて簡単やん!(←関西弁)と当時若僧の私は思ったものですが、今から思えばきっとアガらせてくれたのでしょうね。
社会人となり二十歳で神戸から東京に上京して、会社の先輩方とほぼ毎日仕事帰りに麻雀する日々が続きました。そういう職場に恵まれたというべきか、不幸だったというべきか・・。(笑)
25歳の頃は、渋谷の雀港(小島武夫先生のお店)のフリー雀荘にほぼ毎日通っておりました。会社内でも、フリーでも、圧倒的に勝ち組でした。当時、麻雀のセンスはあったのだと自覚はありました。
しかし、29歳~41歳まで仕事が忙しくなって、麻雀を打つことが全く出来ませんでした。
今から思えば不幸な時期です。大好きな麻雀を打てなかったなんて~。(涙)
そして、42歳になって麻雀する機会が再び訪れました。二十歳代に打っていた職場のメンツと再会したからです。久々に牌に触れた時は、涙が出そうに感激しました。本来の感覚を取り戻すには、半年以上は掛かりましたが~。
それ以来、CS放送のモンドTVも見始めて、二階堂姉妹はじめ女流プロ等の活躍そしてプロの打ち筋を見て、四十代オッサンの私に麻雀熱が再点火したのです。その後も、瀬戸熊プロ、滝沢プロ、佐々木寿人プロの書籍を購入して読んでおりました。
現在では、月平均100半荘近くはリアル麻雀を打てており、今はこれだけ打てるのが幸せだと感じている日々です。
◆プロ入りの動機
一昨年の2月、連盟HPを自宅で見ていて「プロテスト」というキーワードが眼に飛び込んできました。その時、瞬間的に受験してみよう!と思いました。一番の動機は、プロとなることで、勤めている社内サークルの活性化かつ周囲に対して麻雀の普及活動を私自身が率先して実行しやすくなると思ったからです。
5~6年前程に競技麻雀の経験があり、また競技麻雀を打ってみたい、己の実力を試したい!という気持ちにもなりました。履歴書、住民票をすぐに入手してポストに投函した記憶があります。しかし、何しろ47歳になってのプロテスト受験ですから、無謀というか、遅すぎる挑戦ですよね~。まさに、私にとっては年齢を忘れての無我夢中、懸命の挑戦でした。
その甲斐あってか、合格した時は、喜びとともに信じ難い気持ちでした。なにしろ、高齢で受け入れてくれる、連盟の器の大きさにとても驚いたのです。日本プロ麻雀連盟には感謝の気持ちで一杯です。
◆私の雀風
一言でいえば、メンゼン重視の攻撃型。
態勢を重視して打つタイプで、上流(調子の良い状態)と下流(調子の悪い状態)の打ち方は異なります。オカルトと思われがちですが、自分の中ではデジタル化されており、前局あるいはその半荘の流れを見て、1局毎に変化するテーマに即して打つことを心掛けています。
特に、鳴き仕掛けには繊細なタイプ。単的に言えば、上流ではメンゼンを貫き、下流では鳴き仕掛けもやむを得ず。そして、鳴いてアガっても決して態勢は上向かない!というのが持論です。
また、鳴いた後に振り込むと態勢は大きく落ちるので、鳴くこと自体が勇気のいる決断だと考えています。上流においては、手に溺れそうになっても自らが真っ先に鳴き仕掛けを入れることはありません(動かざること山の如しです)。
放銃は恐れず、行くべきときは行く!仕方のない放銃であれば態勢は下がらない(親であれば尚更です)、むしろUPすると思っています。私の理想のスタイルは、前に出ながら態勢を上げていくこと。そして何より態勢が良くなるためには、勝つ事への強い意志だと思っています。麻雀はメンタルがとても重要なゲームだと、経験則から確信しています。
プロ同士の対局を観戦していて(CS放送orニコニコ動画)、東場の早い段階でこの半荘は誰が勝つ!次の親番は手が入る!等と勝手に予想して結構当てています。そのようなことを踏まえても、私は流れ重視の雀風だと自己分析しています。
◆第25期チャンピオンズリーグ
今回のリレーエッセィを担当することになったのも、第25期チャンピオンズリーグのタイトルを獲得できたからなので、その話題を書きます。
私にとって、タイトル戦の決勝卓はずっと憧れでした。プロになったからには、その決勝卓に出たい!と思っていました。ですから、チャンピオンズリーグのトーナメントの日(2014/2/2)は、相当な集中力で臨みました。結果は運良く勝ち進みましたが、1日で休む間もなく9半荘を打ったのですから、その反動で体力は相当に消耗しました。
決勝戦まで1週間の間隔があったのですが、その間に風邪をひいてしまい体調回復に専念しました。
そして、勝つためにはどうすれば良いのか。決勝戦では、優勝しか意味がない!その為にはどんな気持ちで当日を向かえるべきなのか。決勝の5回戦で、勝つための色々なパターンを想定しておりました。
そして、いよいよ向えた決勝戦(2014/2/9)。開局から拙い放銃もあって、ずっと苦しい展開でした。態勢も良いと感じる場面がなく、それだけに態勢を上げるように必死に打ち続けていました。
リーチは、全部で17回も放ったのですが、局面を歪ませるリーチが多かったように思います。
優勝したい!その気持ちが強すぎるが故に余裕がなくて、また苦しい展開だっただけに、今回の牌譜をあとから見ると、これ私が打っているの?懐がせまい打ち方だよな?これでリーチなのかよ?!<アホだよね~と思います。(苦笑)
しかし、よくよく思い返してみると、1局毎に目まぐるしく変化するテーマを私なりに明確に感じており、その局毎のテーマ通りに打ち切った感はありました。
特に、最後に優勝を決めたオーラスの喰いタン300・500ツモは、真っ先にリャンメン受けの六をよくチー出来たものだと思います。ラス前で満貫を振り込んだ直後で態勢悪しと感じて反応できた訳ですが、最後まで集中出来ていたのだと思います。
全体を通して、あとで牌譜を検証すると、優勝だけを目指して最善を必死で見つけ出そうとして、もがき苦しんでいる自分を思い出させてくれます。そういう意味では、牌譜をあとで検証できるっていうのはありがたいこと、かつ勉強(教訓)にもなりました。
◆優勝して良かったと思う事
これは一杯あります。
①このリレーエッセィを依頼されたこと♪
②連盟内のプロ仲間から祝福されたこと♪
③職場内の麻雀仲間から挑戦されるケースが増えたこと♪
④神戸の実家、大阪の親戚がかなり盛り上がってくれたこと♪
⑤第4期グランプリMAXに出場できたこと♪
⑥来年度の本戦出場シード権を獲得できたこと♪
⑦連盟のタイトルホルダーとして名を残せたこと♪
これほど良かった~☆と思えたことが数々あって、タイトルの価値は大きいものだと、つくづく感じております。優勝ってこんなにも素晴らしいのですね~これは実感です!
◆第4期グランプリMAXに出場して
2014/2/22(土)に参戦しました。1週間前に対局相手が近藤久春プロ、佐々木寿人プロ、魚谷侑未プロと発表されて燃えました。今、打ち盛りの佐々木寿人プロ、そして女流プロでは一目置いていた魚谷プロが相手ということもあります。プロになる以前から、ヒサトノートは購入して勉強しておりました。寿人さんの精神面の強さもよく分かっています。魚谷さんは、モンドTVなどでも拝見しておりましたが、局面毎に正確に打てる女流で気合いの良さもあります。近藤さんは、A1リーガーですから当然ながらの実力者。
私は、こんなに恵まれた対戦相手で本当に幸せを感じました!そして勝たないと存在感は示せませんから、相当な覚悟と気合いで臨みました。そのせいか、初めて対局前の前夜に寝付けませんでした。チャンピオン決勝戦前日でも、こんな事はなかったのに・・。
結果は負けました。魚谷プロ、寿人プロは強かった!
ですが、得るものも大きかった☆これは対戦したからこそ得られる感覚なのですが、麻雀に対する姿勢が一番勉強になりました。この日負けた後すぐに感じたことは、連盟のプロになって幸せ!だということ。こんなに若くて強いプロと打てる機会に恵まれるのだから~という気持ちになりました。
◆これから
今年の2月だけで濃密な経験をさせて頂きました。
チャンピオンズリーグで優勝し、グランプリMAX1次予選では素晴らしいメンバーに恵まれるもコロ負け。そして、新たに色々な思いが生まれました。
プロって勝たないとイカン~結果がすべて!(実は、勝つためのプロセスを重要視しているのですが~。)なぜならば、勝つと負けるでは、周囲の反応が大きく違うのです。応援してくれる人が存在するなら、尚更ですよね。それは、もう天地の差!だということを肌で感じました。
私は、勝つ事の喜び、達成感も知りました。幸か不幸か初めてのタイトル戦・決勝進出でこの味を知ってしまいました。もう一度、あの決勝戦の雰囲気やドキドキ感を味わいたい。そしてまた優勝したい!
そのためにも日々精進するしかない。技術も向上しないといけない。私の麻雀は荒削りなので精度を上げていきたい。そして、プロとして麻雀に対する姿勢・厳しさも磨いていかねばと思っています。
今年でもう50歳です。年齢からの体力低下。頭の柔軟性も失われつつあります。(涙)もっと早くプロになるべきだった!と弱音を言いたくなる事もありますが、これからがプロとしての私の正念場なのだと強く感じております。
最後になりますが、目標です☆
私の職場内など身近な方々に対して、麻雀の普及活動を頑張っていきたいと思います。一昨年プロに成れた事そして今回タイトルを獲得できた事も、そんな使命があるのだと思えてならないのです。
まだ、プロ歴1年半の未熟者ですが、麻雀の楽しさ・奥深さを伝えていけるプロに成長していきたいと思います。
◆バトンの行方
次のバトンは、第4期グランプリMAX優勝の前田直哉プロにお願いしたいと思います。
よろしくお願いします。
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