北関東プロリーグ レポート

第4期宇都宮リーグ準決勝・決勝レポート

年度末のビッグタイトル「グランプリMAX」も終わり、各選手が新しいシーズンに向けて着々と準備を進めていることでしょう。

しかし、北関東ではまだ終わっていません。第4期宇都宮リーグ準決勝、決勝戦です。

今期の準決勝も前回に引き続き見所の多いメンバーとなりました。

では早速予選通過順に選手を紹介していきましょう。

1位通過
後藤隆プロ
先日高崎で行われたプロアマリーグで優勝し勢いに乗る。
まだ高崎、宇都宮と両方のリーグを制した者はいない。この勢いで押しきれるか?

2位通過
古城裕紀さん(一般)
今回は会社の同好会で予選会を行い、そこで優勝しての参加。
初参戦でアマチュア1位はお見事。雀風はスピード重視。

3位通過
黒木聡太さん(一般)
前回に引き続き予選通過。前回準決勝敗退の雪辱なるか。最高成績は第1期の準優勝。

4位通過
小林正和さん(一般)
準決勝は初めて。最強戦2013ではブルードラゴン宇都宮の代表にもなっており雀力はメンバーでもトップクラス。

5位通過
久保公男プロ
「楽しくなければ麻雀じゃない」をモットーに、どんな状況でもひたすら麻雀を楽しむ。
宇都宮リーグ準決勝は初めて。

6位通過
清水香織プロ
言わずと知れた、第27期王位。女流タイトルも多数。
セメントクイーンと言われるその実力を見せつけられるか。

7位通過
吉田幸雄プロ
北関東支部長。第2期、3期準優勝。今度こそ・・

9位通過
桧山拓さん(一般)
第2期、3期王者が、アマチュア4位で今回も予選通過。3連覇なるか。

ちなみに自分は予選8位だったのですが、プロは4人までという規定なので残念ながら敗退でした。

準決勝の組み合わせは
A卓
古城さん×小林さん×久保プロ×吉田プロ

B卓
黒木さん×桧山さん×後藤プロ×清水プロ

そしてこの準決勝から各卓接戦となりました。

A卓は2回戦終わって
古城さん+43.8P
吉田プロ+10.9P
小林さん▲21.9P
久保プロ▲32.8P

そして最終的のオーラスの持ち点は
古城さん21,200
吉田プロ19,600
小林さん36,700
久保プロ42,500

追いかける小林さんと久保プロは、それぞれ2位の吉田プロとは3.7ポイント、4.8ポイント差と接戦なのだが、アガリには少し条件がある。オーラスの親は古城さんなので勝負は1局。

小林さんは3,900以上を久保プロから吉田プロからは2,000以上、古城さんからは6,400以上。
ツモならば8,00・1,600以上。

久保プロは、吉田プロからは2,600以上、小林さんからは5,200以上、古城さんからは12,000以上。
ツモならば1,000・2,000以上。

プロ試験に出てきそうな複雑な条件ですね。
自分でもその立場にいたら何度も確認してしまいそうです。

しかし、2人ともものの数分で条件を把握しオーラスが始まりました。

そして小林さんがリーチ。役はメンタンピン。古城さんから出るも見逃してツモにかけます。
そこに、アガれば通過の吉田プロが追いつきドラまで切って押します。

軍配は吉田プロ、見事にアガって逃げきりました。

B卓もオーラスは大接戦。

ラス前に跳満をツモった黒木さんは、オーラス親番でノーテンとふせればOK。

2番手は後藤プロ、追いかける清水プロは後藤プロと4.2ポイント差、しかし最終戦は100点差の2着につけているのでアガればOK。
桧山さんも跳満以上なら通過でした。

こちらの決着も、後藤プロが自力でアガリきって逃げきりとなりました。

そして15分ほどの休憩のあと、決勝戦がスタートしました。

1回戦(吉田、黒木、古城、後藤)

吉田プロが七対子1シャンテンからダブ東をポンしてメンツ手に移行。
これが功を奏しまずは1,000オール。

そして1本場、黒木さんが6巡目に待ちごろの九万単騎リーチ。
すると親の吉田プロが、ツモ切りで追いかけリーチ。
その手牌がこれ。

一筒二筒三筒六筒七筒八筒九筒九筒発発中中中  ドラ発

2人の待ちは山に九万が3枚、九筒発は1枚ずつ。
この勝負は、黒木さんが九筒を掴んで吉田プロに軍配。安目だが18,000の大きなアガリ。

この後、黒木さんは吉田プロから8,000点をアガリ返し失点を取り返すも、吉田プロが逃げ切ってトップをもぎとりました。

1回戦終了時
吉田+15.8P 古城+10.2P  後藤▲6.5P  黒木▲19.5P

2回戦
吉田、後藤の両プロがアガリを重ねワンツーフィニッシュ。
ここでもトップの吉田プロ、悲願の優勝に大きく前進。

2回戦成績
吉田+21.4P  後藤+15.2P  古城▲15.6P  黒木▲21.0P

2回戦終了時
吉田+37.2P 後藤+8.7P 古城▲5.4P 黒木▲40.5P

3回戦
この半荘は後藤プロが主導権を握り常にリードを保ちます。
3人も食らいついていきますが、後藤プロ脅かすには至らず。
しかし、吉田プロも辛うじて浮きをキープし最終戦での勝負となります。

3回戦成績
後藤+19.3P  吉田+4.8P  古城▲4.9P  黒木▲19.2P

3回戦終了時
吉田+42.0P 後藤+28.0P  古城▲10.3P  黒木59.7P

最終戦
この最終戦は、一般選手の2人が意地をみせます。
東場は大きな点棒の移動もなく小場で進んでいきます。

そして南場で大きく点棒が動きました。
南1局、まずは古城さん。中張牌を2つポンしてテンパイ。

今までスピードを重視してきた古城さん。
仕掛けを入れた時の平均打点も低く、遠い仕掛けも見せてきました。
同卓者もさほど高い手だと思っていなかったでしょう。しかし、この局は本手が炸裂。
ドラ暗刻を隠してのタンヤオトイトイドラ3。これに飛び込んでしまったのは後藤プロ。
2番手追走の親番であったため仕方ないが、ガックリきたでしょう。

会社の同好会メンバーで一緒にリーグ戦に参加し、応援にかけつけた桝井さん、堰合さんも期待したでしょう。
その期待に応えるべく、古城さんは50,000点オーバーのトップ目にたちます。
この時点で先頭を走る吉田プロとの差は、約10ポイントまで詰め寄ります。

しかし南2局の親が流れ、南3局は黒木さんの時間。

南3局7巡目

五索五索三筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒南南発発  ドラ八筒

ここから打五索でテンパイとらず。
とりあえず三筒五筒を打って9,600のテンパイを取る人も多いと思います。
これは僕個人の意見になってしまいますが、この一打がすごく気に入ってます。
後日、黒木さんにこの時の心境を聞いてみました。

すると、自分の置かれた状況、相手の心理まで考えての選択だったこと、ツモり易さや打点のことまで計算に入れていたことが伝わってきました。

この局の結果からいうと、この数巡後に後藤プロからこんなリーチ。

六万七万八万一索二索三索四索五索六索七索八索九索八筒  リーチ

そしてリーチ後に発をポンして後藤プロからカン四筒での12,000。
最高のツモアガリとまではいかなかったものの、充分なアガリをモノにしました。
そして、その勢いのままこの半荘トップ目の古城さんをも抜き去ります。

これで崩れてしまった後藤プロはほぼ圏外へ。
黒木さんも4本場まで積み最後方から怒濤の追い上げを見せてくれました。

しかし最後は、吉田プロが逃げ切ってゴールイン。悲願の初優勝となりました。

最終戦成績
黒木+51.9P  古城+20.7P  吉田▲23.4P  後藤▲49.2P

最終結果
吉田+18.6P  古城+10.4P  黒木▲7.8P  後藤▲21.2P

優勝:吉田幸雄プロ

「3連続2着ってわけにはいかないからね。気合いで勝ちにいきました。」

実際に一番ホッとしたのは吉田プロだったでしょう。
最終戦の2人の追い上げには焦りも少しあったようです。

準優勝:古城裕紀さん

対局後にいろいろ話をさせてもらったが、やはり本人もスピードを意識し、相手に対応させることもしっかり計算に入れて打っているようでした。

3位:黒木聡太さん

3連続ラスからの追い上げは見事でした。
そしてあの打五索。結果はどうあれ、僕は内容に100点満点をつけたいです。

4位:後藤隆プロ

どんな状況に置いても顔にも出さずブレない摸打。
僕も出来るようになりたいし、いろんな人のお手本だと思っています。

今回は観戦記者として会場にいましたが、次の機会は自分が書かれる立場になりたいものですね。
今度こそ・・

来期リーグ戦より会場が変更となり、新たにリーグ戦を開幕します。

第1期 両毛カップ太田リーグ
会場:MAhjongCAfeNoAh
住所:群馬県邑楽郡大泉町朝日2-32-13  0276-55-2558  mAhjongcAfenoAh@gmAil.com

お問い合わせは上記店舗までお願いします。

それでは皆様、これから来る暑い夏に向け熱い闘牌をしましょう!