第31期A2リーグ第9節レポート 黒沢 咲
2014年12月22日
昔、連盟の先輩に『長年麻雀プロをやっていると、常に高いモチベーションを維持し続けるということがとても難しい。』という話をされて、私はその意味が全くわからなかった。
その頃の私は、一言でいうと常にやる気満々だった。
負けず嫌いをむき出しに戦っていたし、仕事終わりや休みの日には、必ずと言っていいほど麻雀を打ちに行っていた。
この情熱が消えることなんてありえない。
勝ちたい意欲が減ることなんて絶対にない。
麻雀を打ちたいという気持ちがなくなることなんて考えられない。
日本プロ麻雀連盟に入って10年、今はその言葉の意味が少しわかるようになった。
やはり調子にもモチベーションにも波がある。
そして、不調の波とモチベーションの波がともに下がったとき、とてもきつい状況に陥る。
今期の私は、まさにその状態だった。
その結果、7節までオールマイナス。今節を迎え、私のマイナスは250を超えていた。
プロ入りして10年、一度もリーグ戦で降級したことはなかったが、今回ばかりは自分の弱さとふがいなさを認めざるをえない。反省点しかない。
そんな中迎えた第9節、私のテーマは・・・プラス150!!と言いつつ、本当は自分らしい麻雀を取り戻すことだった。
対戦相手は石渡、紺野、二階堂の3名。
各々テーマが違い、状況を考えると私が望むような荒れ場になる可能性は低かった。
それでも4連勝目指してやるしかない。
1回戦、終始静かな展開だった。大きな手は入らず、淡白な放銃もあったが、南3局に、1,000・2,
000をツモり、オーラスの点棒状況は以下の通り。
紺野32.100
二階堂30.200
黒沢29.500
石渡28.200
ほぼアガリトップの、平たい状況。
西家の私の配牌は、
ドラ
第一ツモがドラの。
私はいつも、配牌を見てある程度手役を想定するようにしている。
字牌が多く、ホンイツ系が一番に浮かんだが、第一ツモがドラの。少し迷いが生じた。
無難に1枚切れのを打ったが、私にとってはすごく選択の難しい一打だった。
2巡目に、3巡目に
を引く。
ツモ
ピンズが伸びている。1,000点アガれば浮く。しかし状況的には大きな加点をしたい。
何を切ればよかったのだろうか。
私はこの局、手順によっては跳満をツモっていた。
その少し難しい手順を追えた可能性があるか、とても気になりタイムシフトで振り返った。
ここで可能性の薄い小四喜を見切って、打とする選択もあった。
ただ、や
をかぶった時にものすごく痛い。
私はここからソウズをはずした。
を切る人もいるだろうし、私と同じ選択の人もいるだろう。
このあとが暗刻になり、すぐに裏目の
ツモ。
を切っていると、このテンパイだった。
調子のいい時の私ならを切ってテンパイを外す可能性が十分にあった。
すると、
とツモる。
それも、断固拒否する強い精神力があれば、そのあと、
とツモって跳満だ。
こんな鉄の意志で、手品のように大物手をアガリきれるプロに私はなりたい。
夢を見すぎかもしれないが、ただ目の前のアガリを拾いに行くのは自分の麻雀スタイルではないし、感動はないと思う。
この局は、私が待ちでリーチをかけ、1人テンパイで終了した。
しかしそれより、
このほうが、私には何十倍も美しく見える。例えアガれなかったとしても。
2回戦も全く爆発する気配がなく、オーラスを迎えて25,000点持ちのラス目。
配牌でドラのがトイツの二階堂が、珍しく焦った仕掛けをする。
第一ツモで絶好のカンを引き入れ、この形。
2巡目に紺野が打ったを両面でチーした。
二階堂がこんな仕掛けをするのは見たことがなく、自力でも高い手に持っていけそうな好形。
絶対にアガリがほしい局面でもない。
しかし、こういう鳴きをしてしまう気持ちもよくわかる。
高い手を作りに行く必要はない。早くこの半荘を終わらせたい。に少し反応してしまった。
確かにそうなのだが、不調ではないのだから、無理に鳴いて手牌を少なくするより、どっしり構えて他家の動きに対応していく普段の二階堂らしい麻雀を打つべき場面だった。
この鳴きで、打ち出されたを私がポン。
字牌を重ねて、できれば満貫に持っていきたい。
もし、二階堂が動いていなければ、私はこの1枚目のを鳴かなかった可能性が高い。
その後、チー、そこから立て続けに
を引き入れ、6巡目にはこの形に。
チー
ポン
ほどなく、カン待ちでテンパイしていた二階堂が
をつかみ、私が8,000をアガって浮きに回った。たった1つのこの鳴きで、こんな結果になってしまう。麻雀って恐ろしいなと思った。
3回戦は、東2局の親番にチャンス到来。
3巡目にこの形。
ドラ
満貫1回アガったあとだったら、1枚目のはスルーしてもっと高い手に持って行った可能性があった。1枚目は鳴かないほうが私らしいかもしれない。
しかし、今期の私はためらいもなくポン。
すぐに12,000点をアガったのだが・・・どうだったのかなぁ。
100人中95人以上が鳴くかもしれないが、これを鳴かない打ち手がいても面白いと思う。
結局、この半荘も石渡に逆転されて2着で終わり、4回戦もオーラスのアガリで浮きにまわり、今節はトータル30ちょっとのプラス。
ある程度戦えた感覚はあるが、爆発モードには持っていけなかった。
来節の目標は・・・プラス200くらい?!
・・・( ̄ー ̄;)
それでも、最後まで精いっぱい自分らしさを思い出すために戦い切ろうと思う。
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)レポート