プロ雀士コラム

第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  プロ雀士予選D卓レポート ケネス徳田

5月5日に行われた「予選プロD卓」でプロ準々決勝に進出する最後の2人が決定する。

ここまでのA~C卓に比べると、このD卓がもっとも異質かもしれない。
鳳凰位・十段位、計6期獲得の瀬戸熊直樹、現鳳凰位・前田直哉、プロ連盟最強のファイター・佐々木寿人、そして麻雀界の生きる伝説・灘麻太郎名誉会長…正直まったく勝ち上がりの予想がつかない、展開すら予想困難な卓組と言える。

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★東風戦(順位点5-15)
様子見と位置付けられているはずの東風戦、だが最初から己の持ち味がぶつかり合う。

東1局、3巡目で南家・灘

五万七万七万八万一索三索三索六筒六筒七筒七筒中中 出る中  ドラ白

七対子1シャンテンからこの中をポン。トイトイ仕掛けと思いきや五筒八筒と引いて

七万七万三索三索五筒六筒六筒七筒七筒八筒  ポン中中中  ロン七万

切れ味バツグンのアガリを見せる。

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そして迎えた東2局の親番で3本場まで連荘。
東2局1本場で9,600のアガリが大きく43,800まで点棒を増やす。

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だが同3本場で南家・瀬戸熊が快心の3,000・6,000。

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灘・瀬戸熊とほぼ並びでむかえたオーラス、ラス目の親番・前田が連荘。同1本場では発をポン、中を重ねて以下の手牌

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ここで九索ではなく八筒から。ピンズのホンイツの匂いを消す一打である。
結果は七筒引きテンパイ、そして自力で東をツモって4,000オール。

同2本場は瀬戸熊から5,800。

二万二万三万四万五万七万八万一索二索三索四索五索六索  リーチ  ロン九万  ドラ七万  裏西

そして3本場は出来三色リーチ、そしてツモアガって4,000オール。

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ラス目から一気に逆転、しかも大きなトップとなった。

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東風戦成績
前田+33.5P 灘+9.3P 瀬戸熊▲7.6P 佐々木▲35.2P

 

★半荘戦(順位点10-30)

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東風戦に比べて静かな立ち上がりの半荘戦。東風戦で唯一見せ場のなかった佐々木寿人にとっては1撃で抜け出せるチャンスか?

東3局、5巡目に先制リーチ。

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1枚目の白をスルーし、自力で暗刻にしてのリーチ。このリーチに対し、南家・瀬戸熊が12巡目に

二万三万四万六万六万九万九万四索五索六索五筒六筒七筒

佐々木の4巡目の五万切りから六万九万が切れないとみての六万九万シャンポン待ちである。
そして東家・灘も佐々木のリーチを六万九万と読んだか、同巡上家から出た三索

三万四万五万六万七万七万四索五索六索七索八索六筒七筒 出る三索

鳴いて打三万、で佐々木に放銃。裏ドラが乗って5,200となる。
この佐々木のリーチに立ち向かった瀬戸熊も徐々に体勢を上げてくる。
南1局に佐々木から3,900の直取り。

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このアガリで瀬戸熊がトップに立つものの、南3局で佐々木が再逆転。

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この満貫が決定打で半荘戦は佐々木がトップ。東風戦のラスを帳消しにした。

半荘戦成績
佐々木+40.3P 瀬戸熊+16.3P 前田▲16.1P 灘▲40.5P

半荘戦終了時
前田+17.4P 瀬戸熊+8.7P 佐々木+5.1P  灘▲31.2P

 

★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)

大接戦でむかえた三麻戦。
前田・瀬戸熊・佐々木は完全着順勝負。トータルラスの灘でも、6万点台の通常トップでも2位勝ち上がりは堅い。

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この三麻戦、ようやく瀬戸熊が先制することに成功。トータル2位での起家スタート。9巡目に7,700を灘から。

一索二索三索一筒三筒四筒赤五筒六筒七筒八筒九筒発発  ロン二筒  ドラ七索

そして同1本場でも先制リーチ。

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カン二索を入れての五索八索待ち。北家・前田が同巡、

一索二索三索四索五索七索八索八索中中  ポン発発発  ツモ赤五索  ドラ二筒

1枚切れの中を落として放銃回避。そして

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六索を引き入れてテンパイ、そしてツモアガリ。見事瀬戸熊の五索八索を止めきってのアガリである。
こういった前田の受けつつ反撃のアガリは終盤でも見られる。
西3局で、瀬戸熊の中ポン、灘の九筒ポンを受けて

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ここから生牌の白を止めて四索切り。そして終盤

一索三索三索七索七索九索九索南南白白発発  ロン一索  ドラ二筒

瀬戸熊からメンホン・七対子のアガリ。

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前田「対局前は必ず麻雀格闘倶楽部の三人麻雀で調整します」

この、アガリに向かうための受けこそが前田の最大の武器かもしれない。

残る焦点は灘・佐々木の2位争い。
残り2局で灘は前田を超えてトップに立つか、このままの着順なら佐々木と16,400点差以上つけること。
現状14,500点差なのであと1,900点で逆転である。

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さて、このカン四索テンパイだが、ここにツモ四索…で灘がアガる。
満貫、ハネ満が必要ならば白トイツ落としになるが、なまじ接戦なだけに、ここはアガリを宣言する。
そして300点差という大接戦でのオーラス。もちろんアガった方が準々決勝進出だが…。

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前田が先にテンパイ。となると、前田に放銃した方が予選敗退。そしてこの四索七索を掴んだのは…灘だった!

三麻戦成績
前田+56.7P 灘+15.5P 佐々木▲12.5P 瀬戸熊▲59.7P

最終成績
前田+74.1P 佐々木▲7.4P  灘▲15.7P 瀬戸熊▲51.0P

プロ予選D卓勝ち上がり 前田直哉 佐々木寿人

 

次回トライアスロンは
6月14日(日)14:00~!

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お楽しみにーーー♪