第32期A1リーグ第7節レポート 瀬戸熊 直樹
2015年10月29日
リーグ戦が放送対局になってから、もう2年になろうとしている。
放送対局は、さまざまな効果をもたらしているように思う。
これは完全に僕の個人的な見解だが、まず一番の収穫は、連盟のA1リーグの麻雀を世に伝える事が出来たこと。
放送対局自体は行われていたが、連盟の最も核となるリーグ戦を放送する事で、競技麻雀の面白さ、リーグ戦の喜怒哀楽、選手の人物像など今まで伝えてなんぼのプロの世界の入り口に立てた事は、一番の大きな事のように思う。
でもそれと同時に、一番の核の場面をひけらかすという事は、利点と同じ、いやそれ以上に責任が生じる。
まず最高峰リーグとしての打牌。連盟の麻雀を汚さない為のプレッシャーと覚悟。
お金を頂いて試合を見てもらっているのだから、当たり前だが、本当の意味でプロ意識が問われる。
今日の試合は、お金を獲れる内容だったか?A1リーグの責任を最低限果たせたか?瀬戸熊として麻雀打てたか?いつも自問自答する。
連盟に入って良かったと思えるのは、僕より強い人が沢山いて、いつも追いかける事が出来ること。
今もまだ道の途中だけど、昔の僕の麻雀は、とても人様に見て頂くような代物でなかった事を考えると、本当に連盟のリーグ戦で培った経験は、お金では買えないほどの価値があると思える。
この日も僕が一番年下で、僕さえしっかり打てば面白い対局になるのは、わかっていた。
如何にしっかり戦えるか。恐ろしいけど、相手の懐に如何に飛び込めるか?
この日は、天運は最初、僕にあった。
1回戦東2局、親。
早い巡目でテンパイ。
ドラ
仮テン気味の所で、優孝さんから出アガリ。
7,700をアガリ迎えた次局。深い巡目でテンパイ。
ドラ
打として、リーチ宣言。巡目も深く、流局してもいい場面。
しかし南家・沢崎さんに、まず現物のを切られ、次に危険なを切られる。
そして流局かと思われた次巡、七対子の単騎をツモられる。
簡単に時間に入らせてもらえない。
そして沢崎さんが、いい感じで迎えた親番。
南家・前原さんからリーチが入る。
捨て牌 ドラ
ガラクタリーチに見える。
沢崎さんが、カンをチーして、カンの一気通貫のみの500オールで連荘。
沢崎さんのナイスプレーと知るのは試合後だが、度々見られるこの「さ・ば・き」
常に卓全体を見回し、いち早く危険を察知し、迷わず動き、さばききる。
素晴らしいとしか言いようがない。
感じていても、リスクを考えるとなかなか動けないのが僕の現状だ。
前原さんの手牌は、
であった。は場に2枚切れ。何とも恐ろしい。当然は山生き。
その後、僕に不運な放銃をして、この半荘は厳しいと思われた優孝さんが、前原さんから12,000をアガる。
これで前原さんはラスだなあと考えていると、また復活し、オーラスを迎えると、なんとラス目は一番ツイていただろう僕だった。
なんとかここでアガリ3着で終えるも不安なスタートとなった。
しかし、気持ちは勝負師として騒いでいた。こんな苦しく楽しい場に自分が座っていられる幸運に。
コメントでは人間じゃない者の戦いだ(死神・マムシ・閻魔・・)と書かれていたが、まさにその通りだと思う。
1局ごとに感じる、恐怖や尊敬や安心そして喜びは、瞬間ごとに目まぐるしく襲ってきて、その後は、何度も訪れる逃げ出したい気持ちを押し殺し、A1リーグの麻雀に恥じぬ事だけを考えて頑張った。
なんとかプラスで終えることができた。
自分の出来はわからなかったが、感想戦やブログコメントなどで、対局内容は高評価を頂き、ほっとできた。
連盟チャンネルで行われるリーグ戦は、選手はもちろん、実況、解説、スタッフ全て連盟員の手作りの放送です。
だけど、有料ということは、全ての持ち場にプロの仕事が要求されます。
試合内容、実況、解説、カメラワーク、テロップ、コマーシャル等。
僕は常にどの持ち場でもプロとして、しっかりやる事だけは忘れずに頑張ろうと思います。
そして一番大切なファンの皆様のご意見、ご感想なども是非聞かせて下さい。
競技麻雀の素晴らしさを、もっともっと多くの人に知っていただく為に、これからも頑張ります。
そして今後ともよろしくお願い申し上げます。
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)レポート