第3回リーチ麻雀ジャパンハウスカップレポート「大会~帰国編」 山井 弘
2016年04月19日
さあいよいよモスクワの強豪たちとの対決の時がやってまいりました。
世界では、まだ全自動卓の普及がそれほど広まっていないため、手積みの卓を使います。
参加者は私を含め100名。25卓です。今回は過去最高の参加人数だとか。
システムは、2日間かけて1人7半荘を打ち、その平均順位が一番低い選手の優勝となります。同点の場合は素点が多いほうが上です。
初日は4戦、最終日に3戦行い優勝者を決定します。
ルールは一発、裏ドラありの一般的なアリアリルールですが、平均順位率を競うため順位点はありません。
大会開始前には私のワークショップがあり、ロシアの選手4人が実戦を打ち、1局毎に手牌を開け私がそれを解説するというもの。
みな勉強熱心で、私の話を真剣に聞き、質問もいっぱいしてくれました。
ワークショップ終了後は大会開始です。
まず、大会開催にあたり、ロシア麻雀連盟会長のドミトリー・コニシェフさんから挨拶がありました。
会場を提供してくれたジャパンハウスのみなさん、参加者の方々、そして、今回日本からやってきた私に対して感謝の言葉を述べられ遂にスタートです。
1戦目は3着。2戦目も3着、そして3戦目にしてようやくトップです。
しかし、初日の最終戦で4着を引いてしまい、現状は50位以下。順位率の勝負として逆転するには、かなり厳しい位置になってしまいました。
会場から見えるモスクワの高層ビル街。
目の前の煙突は、このあたりの地域に温水を提供するための工場のもので、そこで温水を作り、各住宅に配っているそうです。
なので、モスクワの外は非常に寒いのですが、中はかなり暖かく、どこの部屋も暖房もついていないのにポカポカしています。
夜はこんな感じ。
さて、明日は残り3戦しかありませんが全力で頑張りたいと思います。
大会最終日、もう後がない私は初戦で人生初の大爆発を起こします。
東1局に親の倍満24,000をアガリ、次局、今度は国士無双をアガリます。
さらに6,000オールなどもあり、この半荘139200点のトップで終了。さすがにこれは初めての経験。
同卓したロシアの選手2人は、運営からヒサト棒(箱を割った時に支払う黒い1万点棒)を何本も借りていました(笑)
さて、順位率は厳しい位置ですが、トータルポイントではこれで1位になりました。
次も連勝を決め、順位率も上位に上がってきました。
大会中には、ロシア国営放送の徳山あすかさんという日本人記者のかたからインタビューを受け、先日、ニュースとなって掲載されました。
クセーニヤさんの私に対してのコメントが面白いので是非見て下さい(笑)
そして最後は2着で終わり、平均順位率は2.14で18位という結果でした。
合計スコアは315200点と総合ではぶっちぎりの1位!!
でしたが、今回の大会は順位率を争うシステム。
なので優勝は・・・・
ユーリ・テレギンさん!!!(エカテリンブルグ出身)
順位率は1.71という好成績。
ちなみに1.71は3名いて、その中で243800点と総合ポイントが一番高かったユーリさんが優勝となりました。
おめでとうございました。
こちらは上位入賞者への賞品です。
入賞者のかたたちと記念撮影。
ロン2から麻雀牌ストラップをプレゼント。偶然にも私がアガった国士の牌で揃えて持ってきました。
他にもロン2からは、1ヶ月間無料でプレイできるIDを10名のかたにプレゼントさせていただきました。
今回、大変お世話になったジャパンハウスの遠藤伊緒里さんと二人で。
とても親切にしていただき、最初の不安な気持ちがどこかに吹き飛びました。
本当にありがとうございました。
このあとも多くのかたとの記念撮影などがあり、惜しまれつつ大会の幕は下りました。
こうして2日間の大会は無事に終わったわけですが、その間に感じたことは、ロシアの方たちの麻雀にかける情熱は半端ではないということ。
まだまだ、技術的には日本のプロに及ばないところもありますが、センスのいい選手がいたり、何と言っても、参加者のかたは皆若いかたばかりで、これからネットなどを使いどんどん日本の技術を吸収して行けば、日本のプロを超えるプレイヤーも現れる日も近いのではと思いました。
間もなくモスクワの日が暮れようとしています。
いよいよ明日は帰国、あっという間の1週間でした。
最終日は、麻雀は知らないけど日本語はペラペラの、グレブ・アレキサンドロフさんに案内してもらい、モスクワの地下鉄に乗ってきました。
どこから乗って、どこまで行っても料金は同じ。エスカレータが日本より早いので、ボーっとしていると危ないです。
キエフスカヤ駅(地下鉄)から二人で乗って小旅行を楽しみました。
モスクワの地下鉄は世界で唯一、美術館のように彫刻があったり絵が描かれたりして、とても情緒があり雰囲気を楽しめます。
驚いたのは、電車の中で携帯を見ている人が少ないことです。
日本では今や乗車している半分以上の人が携帯を見ていますが、治安が悪い時期があったモスクワでは、用心のためあまり電車の中では携帯を出さないようです。
今はもう治安もよく、恐ろしくないロシアですが、昔の名残がまだあるのでしょうね。
「ロシア(モスクワ)はどうですか?」
この質問が多かったわけが少し分かったような気がしました。
ロシア以外の国の人々から見るロシアはどう映っているのか。怖い国だとまだ思われているのではないだろうか。
でも今はもうそんなことはなく、自由で楽しい国ですよと伝えたかったのかもしれません。
こうして今、麻雀という競技が世界中で楽しまれています。
今回モスクワにきて、私たち日本のプロができることは何だろうと考えさせられました。
麻雀の技術や戦術を伝えることも大切ですが、やはり麻雀の楽しさを伝えることが我々プロの役目ではないかと思います。
来年はいよいよ第2回リーチ麻雀世界選手権がラスベガスであります。
その時にモスクワであった選手たちにまた会えることを楽しみに、この日私は帰国の途に就きました。
モスクワで出会ったすべての人々へ
本当に楽しい時間を過ごすことができました。
「Спасибо」
さあ、次はどこの国の大会に行こうかな。
観光用の雑誌がいっぱいある、ハワイやグアムもいいよね(笑)
カテゴリ:プロ雀士コラム