第15期北陸リーグ 第4節レポート
2016年12月28日
2016年12月
北陸リーグも第4節となり、各自いよいよ決勝進出に向けて佳境に入って来た。
上位陣は更に磐石な位置に着け、最終節を前にあわよくば当確ランプを灯したいし、中位に位置する者はこの節で何とか上位に食い込み最終節に繋げていきたい。そして下位の者はとにかくポイントをひたすら叩いてきたい。
そんな選手それぞれの思惑の中、闘いが繰り広げられた。
【A卓】
押川さん、藤本、濱平、平澤さん(順位順)
注目は毎節プラスで現在トータル3位に付けている押川さんに、5位まで浮上した藤本がどう迫っていくか?
2回戦、南2局、藤本の親番。
(座順:親から藤本→濱平→平澤さん→押川さん)
この半荘押川さんが爆発し、この時点で6万点近く稼いでトップ街道を走っていた。藤本としては、この親で何とか喰らいついていきたいところ。
その藤本の配牌はバラバラ、10種10牌…。流すかな?と思った瞬間、藤本の選択は第一打ドラの切り!他3人に一気に緊張が走る。
親で国士を狙うのはなかなか勇気がいるもので、私なんかは狙ったとしても第一打からはドラは切り出せない。しかしながら藤本のこの思い切りの良さが、この局じわじわと他3人に執拗にマークを強いらせるカタチとなる。
果たせるか、9巡目にテンパイが入る。
ドラ
待ちはで場に既に3枚切れであるが、残り1枚は山に生きている。
しかし藤本がテンパイを入れる前に濱平が待ちで既にテンパイしていた。ただ役が無く、親の国士を警戒し、当然のヤミ。アタマがなので、出たら鳴いていく構え。
平澤さんも字牌が余ってきた親を見てタンヤオの仕掛けを入れて、打で1シャンテンに取る。これも国士を阻止するため、間に合わせるための当然の仕掛け。
しかし、この無きで濱平のツモ牌のが流れてしまう。
押川さんも悩ましい。
上家の平澤さんの打でチーテンも取れるが、国士の気配が出ていたので、が打ち切れずと判断。ツモ山に手を伸ばすと。
もしチーテンを取ってを勝負していれば、藤本から直ぐにこので2,000点のアガリだったが、これはやはりリスクが大きすぎる。これも当然の構えである。
3人の当然な対応、しかしながら結果論として、この当然な対応が藤本のアガリを潰せなかったのも事実…。
「4分の1」のは藤本の手に手繰り寄せられた!
親の国士無双が成就される。
藤本の親が続く南2局2本場、押川さんも反撃。
ドラ
イーペーコードラ2でヤミテンだったが、ツモと来たので、打で待ちのリーチと出る。
藤本もここぞとばかり追っかけリーチと行く。
両者共にドラ2の両面待ちで、完全に2人のノーガードの打ち合い。
ここは押川さんがをツモアガリ、藤本の独走を阻む。
藤本はトータル2位まで浮上。首位との差も3.5ポイントまで肉薄し、最終節は予選トップ通過も視野に入って来た。
押川さんも今節もプラスを積み上げ、3位をキープ。こちらも首位まで15.5ポイント差なので、十分にトップを狙える位置である。
【B卓】
小泉さん、荒谷、安城、久保さん(順位順)
予選ボーダーでもある現状トータル4位の小泉さんに、中位にいる他3人がどこまで迫れるか?ここでポイントを伸ばせなかった者は、最終節を待たずして終戦の可能性もある。
ここでは荒谷に注目。
◯荒谷誠(第22期生、血液型→A型、好きな手役→一色系)
好きな手役を一色系に挙げる通り、荒谷は高打点打法を自分のスタイルとして目指している。
探求心も強く、私なんかの辛口の助言にも素直に耳を傾けてくれている。
そして、彼は支部の運営面でも日々活躍しており、未来の北陸支部を担ってくれる有望な一人である。
現在三段だが、高打点打法を完成して、更なる高みを目指して頂きたい。
1回戦、その荒谷に大物手が炸裂する。
南1局、南家
暗カン 暗カン ロン ドラ
一手変わりの四暗刻で、ドラもも隠す事なく、カンツにして積極的に攻めての跳満。しかも当面ターゲットである小泉さんからの出アガリで、荒谷にとっては嬉しいアガリとなった。
南2局、荒谷の親番、前局のアガリから自分の時間を確立させたいところ。
その荒谷、6巡目にテンパイ。
ツモ ドラ
打、そしてリーチと行く。これはいただけない。
前局のアガリ、順調に伸びてくるツモ、ドラとの振り替えの可能性、そして何と言ってもAルールでは得策とされない「ピンフのみリーチ」…。どれをとってもここは一旦ヤミテンに構えるべきだった。
そして次巡のツモは懺悔を言い渡すかのようなドラ。
結果をツモってアガるわけだが、ここから荒谷の手がピタッと止まってしまった。
流れ論者としては、この局のせいで流れを塞き止めたのではないか、と思われる。
本人も対局後この局を非常に悔やんでおり、彼が飛躍する為には、こういうところが課題と言えよう。
トータルは小泉さんが5位に後退、荒谷は7位まで浮上し、9位の久保さんと共に辛うじて最終節に望みを繋げた。
【C卓】
山元さん、窪田さん、飯田さん、後藤(順位順)
後藤以外の三人は中位の為、今節で大きくポイントを叩き上位進出を狙いたいところ。
卓内トップは「侍・山元」で、30ポイント弱稼ぎ、トータル8位で最終節に勝負を賭ける。
同じく中位の窪田さんはポイントを伸ばせず、飯田さんはマイナスとなった。
【D卓】
宮川さん、吉田さん、森田さん、恵比須さん(順位順)
トータルポイントがほぼフラットな宮川さんと吉田さん。宮川さんはポイントを伸ばせず中位のまま。吉田さんは大きく沈んでしまい、決勝進出はかなり厳しくなってきた。
【E卓】
光岡さん、浦田、北川さん、高出さん(順位順)
さて私の卓だが、前節同様現在首位を走る光岡さんとの直接対決。前節は光岡さんに後塵を拝するカタチとなり、私は1ヶ月天下で終わる首位陥落。プロとして同じ轍を踏むわけにはいかない。当然ながら光岡さんも私を返り討ちにするつもりだと思うので、この2人を中心に回っていくと予測されたが…。
1回戦、起家・北川さんのメンピンツモドラ1(2,600オール)でスタートする。
前節、小四喜をアガった北川さんが今節も絶好調模様で、フリテンリーチを敢行するなど、グイグイ攻め込んでくる。トータル1位2位との直接対決は願ってもないチャンスであり、やはり勝負賭けの日なのである。
結局1回戦は北川さん1着で2着・高出さん。首位争いと言いながら浦田3着、光岡さん4着と波乱含みのスタートとなった。
2回戦、東2局、東家・浦田
7巡目に下記の手牌でリーチ。
ドラ
これを高目をツモり、6,000オール。
「さぁ、ここからが自分の時間だ!」
気合いを入れての1本場、10巡目にテンパイ。
ツモ ドラ
待ち牌はいずれも場に1枚も出ていない。私はを切り、シャンポン待ちを選択。
すると対面の高出さんより手出しの…。
「しまった。カンチャンだったか!?」
と思ったのも束の間、下家の北川さんよりドラのが出て来る。
「ロン!(なんだ、やっぱりこっちで良かったんだ。)」
「ロン!」
ん!?対面の高出さんがアタマハネで手を開く。
チー
親満のアタマハネも痛いが、乗ってきた親が落ちた事が何より痛い。
次の局の東3局。
ホンイツに向かった私は、終盤テンパイする。
ツモ ドラ
あとツモはハイテイの1回だけだったが、ここでこのをツモってテンパイするという事は、アガれと言う事なのではないか!?とかなり危険なドラ表示牌を勝負する。
無事通過し、ハイテイツモに手を伸ばした瞬間、直前の上家・光岡さんの切ったに高出さんから2,000点のロンの声。
牌山が崩れ、卓内に吸い込まれていく私のハイテイツモだった…。
一度ならず二度までの高出さんに阻止される私の本手。
親の跳満以降、一度もアガれずながら何とかトップ目をキープしてきたオーラス。突然激しく仕掛ける。
南4局、南家
チー チー ポン
この3フーロ、48,000点持ちのトップ目のオーラスの仕掛けとして積極的と見るべきか?なかなか二の矢を決め切れない焦りからだと見るべきか?。もも序盤に1枚ずつ切れていて、いざとなればオリ切れる自信があったのかもしれないが、結果高出さんのリーチを誘発し、満貫をツモられ、キッチリとトップを捲られてしまう。
私にとってダメージの残る半荘となる。
3回戦、これまで43と良いところが全然なかった光岡さんがアガリを重ねる。
南1局の親でも連荘を重ね、2本場で持ち点は46,600点。
この局もタンヤオ仕掛けでテンパイ気配、またしても連荘と思われたが、ドラのを切ると、北川さんが手牌を倒す。
ロン ドラ
光岡さんのこの半荘のプラス分を全て奪う、倍満のアガリ。
この局でも分かる通り、今日の光岡さんは本当に苦しい。いつもなら、この半荘は光岡さんの半荘になる筈なのに…。それほど今日の北川さんの出来が素晴らしいという事であろう。
南2局、そんな光岡さんに私が7,700点を振り込んでしまう。
私も相当ヤバい状態と言える。
結局この半荘、私は痛恨のラスで終える。
4回戦、東1局、西家の北川さんが積極的に仕掛けて来る。
ここに、七対子をテンパイした私が簡単に刺さってしまう。
チー 明カン ロン ドラ
8,000点の放銃…。
私の待ち牌選択はとだったわけだが、北川さんの捨て牌には現物であった事、最終手出しがであった事、そして北川さんの仕掛けが異常で、明らかに手にはドラが固まっているのが分かる事からも、ここは大人しくを切って単騎に受けるべきだった。
前半荘からの流れの悪さからも、しっかりと受けるべきであった。
いよいよ追い詰められた東2局、親番を迎える。
北家・高出さんの第一打に思わず反応する。残ったカタチは両面ばかりで、普通は仕掛けないだろう。この鳴きは焦りの鳴きか?それとも決断の鳴きとなるか?
結果は吉と出て、直ぐにとを引き込み、更に片アガリながらをツモって、僥倖の3,900オール。
チー ツモ ドラ
このアガリで何とか息を吹き返し、この半荘二着とし、今節苦しみながらも僅かにプラスで終えた。
そして、トータルでは宣言通り何とか首位に返り咲く事が出来た。しかしながら奪回したというよりも、たまたまちょっとだけ皆の一番上だっただけ、というのが正しい見解であろう。
とにもかくにもこの位置を渡す事なく、予選一位通過での決勝進出、そして「優勝」の二文字を実現させて行きたい。
来月はいよいよ予選最終節、出場選手にとって勝負を賭ける、更なる熱い闘いとなるのは必至。
果たして決勝進出に進むのは誰になるのであろうか?
乞う御期待下さい。
カテゴリ:北陸プロリーグ レポート