第31期中部プロリーグ 第1節レポート
2018年03月07日
●Aリーグ:小野雅峻
先日、1月24日に第30期中部プロリーグ決勝戦が行われた。第30期より決勝戦が放送対局となり、どなたでも気軽に観戦が可能となった。出場者は全員に優勝経験があるベテラン揃いとなり、非常に見ごたえのある激戦となった。是非一度ご覧になって頂きたい対局であったと思う。その混戦となった決勝戦を制したのは、日本プロ麻雀連盟の最高峰、鳳凰戦A1リーグで活躍している古川孝次。第33・34期鳳凰位決定戦を連覇した前原雄大などと並び、尊敬し、目標とする大先輩である。いずれ同じ舞台に立つ事を目指し、努力をしていかなければならないと感じた。
2月、中部プロリーグの開幕月である。今回、レポートを書かせて頂くことになりました、中部本部29期生小野雅峻です。お付き合いよろしくお願いします。
今期で第31期となる中部プロリーグであるが、今期よりAリーグが全10節の通年制となった。とはいえ第1節に臨む姿勢としては今までとあまり変わる事はないだろう。第1節目から降級や残留を意識して対局に挑むような選手はAリーグにはいない。目指すは1年後の決勝卓、そして優勝である。当然、わたしの目標もそこである。第26期に決勝に残り、優勝という結果を残すことが出来たが、内容に関しては満足といえるものではなく、それ以降は決勝卓に残れていない。
第1節目の組み合わせは前節の結果より以下の通りとなった。
1卓 古川・山本(拓)・小野・伊藤
2卓 寺戸・日下・林・掛水
3卓 三戸・清水・土岐・都築
4卓 杉村・森下・朝岡・加藤
やはり気になるのは昇級組である加藤、都築であろうか。特に都築はCリーグからの連続昇級である。ベテランであればあるほど打ち慣れた相手の場合、打ち手の得意な戦術に対し手順を変化させていくものである。ところが初対局となるとそうはいかない。相手の打ち筋を見ようと慎重になることで後手を引いてしまい、相手のペースに呑まれてしまうという事は麻雀においてはよくあることである。
本日の結果としては、1卓以外は比較的大きく動くことなく終了した。残りの3卓では3回戦終了時で卓内トップだった者が4回戦で大きく沈むという結果になった。これは対局者がマークすべき相手を見極め、意識した上で対局した結果だろう。
今期より10節の長丁場となるAリーグ。これからどのような展開になっていくのか楽しみである。
Aリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 小野 雅峻 | 73.1 | 73.1 | ||||
2 | 寺戸 孝志 | 35.7 | 35.7 | ||||
3 | 朝岡 祐 | 22.1 | 22.1 | ||||
4 | 土岐 雄太 | 17.8 | 17.8 | ||||
5 | 加藤 泰史 | 16.2 | 16.2 | ||||
6 | 伊藤 鉄也 | 15.6 | 15.6 | ||||
7 | 林 俊宏 | 13.3 | 13.3 | ||||
8 | 三戸 亮祐 | 5.4 | 5.4 | ||||
9 | 古川 孝次 | ▲ 2.0 | ▲ 2.0 | ||||
10 | 森下 剛任 | ▲ 7.4 | ▲ 7.4 | ||||
11 | 掛水 洋徳 | ▲ 8.9 | ▲ 8.9 | ||||
12 | 清水 哲也 | ▲ 9.0 | ▲ 9.0 | ||||
13 | 都築 友和 | ▲ 14.2 | ▲ 14.2 | ||||
14 | 杉村 泰治 | ▲ 30.9 | ▲ 30.9 | ||||
15 | 日下 健司 | ▲ 40.1 | ▲ 40.1 | ||||
16 | 山本 拓哉 | ▲ 86.7 | ▲ 86.7 |
●Bリーグ:安藤大貴
第31期中部プロリーグ、Bリーグのレポートを担当します28期生安藤大貴です。
半年間お付き合い頂ければ幸いです。
麻雀経験者なら経験した事があるであろう、調子の悪い日。
何故マイナスをしまうのか、勝ち続ける事はできないのであろうか。
麻雀は目に見えない所があるため、運要素がどうしても絡んできてしまう。
マイナスをしてしまう日があるのは、仕方ない事なのだろう。
では、調子の悪い日の立て直し方はどのようにしたらいいのか。
調子によって打ち方を変えるという事は、自分のフォームを崩す事になると、否定派の人も多いであろう。しかし麻雀という競技の永遠のテーマではないだろうか。
レポートと共に、今回このテーマについても各選手、どの様な手法を取っているのか聴いていきたい。
まず結果から見ていこう。
越川+61.4Pと良いスタートを切った、来節以降もまだまだポイントを伸ばす意気込みで対局に臨んでくるであろう、目が離せない選手である。
長谷川+29.9Pと卓内トップ。内容は4着、1着、2着、1着。1回戦4着後の盛り返しが見事であった。2回戦のチャンタ系の仕掛けが起点になった様に感じた。
金平+25.0P、2回戦時点で+60P越えであったがそこは大西、独走を許さなかった。
その大西も+15.3Pとまとめ上げた。
村瀬・斎藤は苦しいスタートとなった。2節目以降の盛り返しに期待したい。
私自身は▲33.7Pと痛恨のスタートとなってしまった。
1回戦から鳴く、鳴かない、の選択に結果間違ってしまって空回りしてしまっていた。
そこを踏まえて、2回戦以降に挑まなければいけなかった様に思える。
ならばどうしたら良かったのか。
この様な時は動かざること山の如し、のスタイルを意識していた。
安全に反撃のチャンスを伺うスタイルである、果たしてこの手法で良いのであろうか。
選手の数だけ考え方がある、来節以降他の選手の考え方を聴いていきたい。
Bリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 越川 清一 | 61.4 | 61.4 | ||||
2 | 長谷川 弘 | 29.9 | 29.9 | ||||
3 | 金平 裕樹 | 25.0 | 25.0 | ||||
4 | 佐藤あいり | 24.1 | 24.1 | ||||
5 | 木村 東平 | 20.9 | 20.9 | ||||
6 | 大西 義則 | 15.3 | 15.3 | ||||
7 | 中谷 彰吾 | 7.6 | 7.6 | ||||
8 | 青山 大 | 0.0 | 0.0 | ||||
9 | 富村 つぐみ | 0.0 | 0.0 | ||||
10 | 牛尾 信之 | 0.0 | 0.0 | ||||
11 | 大橋 幸正 | 0.0 | 0.0 | ||||
12 | 田村 良介 | ▲ 16.7 | ▲ 16.7 | ||||
13 | 高橋 侑希 | ▲ 17.1 | ▲ 17.1 | ||||
14 | 安藤 大貴 | ▲ 33.7 | ▲ 33.7 | ||||
15 | 斎藤 寛生 | ▲ 47.9 | ▲ 47.9 | ||||
16 | 村瀬 寛光 | ▲ 68.8 | ▲ 68.8 |
●Cリーグ:原田知彦
Cリーグのレポートを担当します28期生の原田知彦です。拙い文章になるとは思いますが、半年間お付き合いいただければ幸いです。
中部プロリーグでは、リーグ参加者の増員のため今期からDリーグが新設された。これまではCリーグが最も下位のリーグであったため、降級を恐れることなく攻めに重点に置き、ポイントを叩けるときに叩くという意識を持って対局に臨んでいた者が多かったと思われる。しかし今期からは、降級が存在するためにそうはいかない。不調時にいかにマイナスを抑えられるかということも問われる。
昇級ボーダーは今まではおおよそプラス100ポイント前後なので、5節終了時にその数字に変化があるのか興味深いところである。
私の第1節の対局者は岡本・太田(峻)・蓮池であった。1回戦から蓮池は状態の良さを感じさせた。アガる手には、手役がある時よりもドラがある時が多かったし、役牌を一鳴きし1,000点でアガる時は他者からリーチが来ても危険牌を掴まずにツモれるというような状態であった。逆に良くなさそうだったのが太田で、攻めたつもりではないのに放銃になってしまうと感じられる局がしばしば見られた。その中間が岡本と私であったと思う。1回戦は太田の1人沈みで終了。
その状況が一変したのが2回戦。東場の太田の親番で、私は北家であった。0本場の流局間際での出来事。全員テンパイが濃厚で、私にハイテイが回ってきた。ツモってきた牌は、太田以外の2人には通りそう。太田に対しては両面待ちなら残りスジが数本のうちの1本という危険牌。ここでこう考えた。1人ノーテンなら▲3,000点だが、ドラは太田が1枚しか持って無いだろうから仮に太田に放銃になっても2,900点だろう。運良く通れば無失点で済むと。
結果、放銃になり予想どおりの2,900点の失点であった。が、1局という点で見れば2,900点だが、それがかなり太い線になってしまった。その後、太田は親番を6本まで積み、点棒は5万点近くまで伸ばした。当然トップで終了。私はというとその局以降、放銃牌が押し寄せ勝負手はアガれず、1人沈みのラスになってしまった。完全に勢いを太田に献上してしまった1局だと感じている。
その後3回戦、4回戦丁寧に打ったつもりではあったが体勢は立て直せず、大きなマイナスとなってしまった。
逆に状態の良さを維持できたのは蓮池で、仕掛けやリーチ判断が局面と合致していため、崩れる感じが無かった。まだ1節ではあるが暫定の1位もうなずける。
私は今日の1打を心に刻み、反省し、2節以降に活かしていきたい。
Cリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 蓮池 浩太 | 61.8 | 61.8 | ||||
2 | 鈴木 基芳 | 55.1 | 55.1 | ||||
3 | 若松 正和 | 32.3 | 32.3 | ||||
4 | 杉浦 貴紀 | 22.4 | 22.4 | ||||
5 | 大高坂 松城 | 4.4 | 4.4 | ||||
6 | 河合 慎悟 | 1.7 | 1.7 | ||||
7 | 岡本 丈司 | 0.2 | 0.2 | ||||
8 | 大滝 聡 | ▲ 2.0 | ▲ 2.0 | ||||
9 | 鈴木 淳 | ▲ 2.4 | ▲ 2.4 | ||||
10 | 太田 峻也 | ▲ 6.3 | ▲ 6.3 | ||||
11 | 堤 文吾 | ▲ 11.3 | ▲ 11.3 | ||||
12 | 岡田 智和 | ▲ 13.8 | ▲ 13.8 | ||||
13 | 大町 篤志 | ▲ 18.2 | ▲ 18.2 | ||||
14 | 太田 充 | ▲ 18.5 | ▲ 18.5 | ||||
15 | 花井 香央理 | ▲ 50.7 | ▲ 50.7 | ||||
16 | 原田 知彦 | ▲ 55.7 | ▲ 55.7 |
●Dリーグ:浅野文雅
まだまだ寒波の続く中、第31期中部プロリーグが開幕した。
今期は新たに9人の新人が加わり、60人以上の大所帯になりDリーグが新設された。
ただ、中部プロリーグのDリーグでも第13回野口恭一郎賞受賞した池沢麻奈美や中部プロリーグ唯一の連覇を果たした鈴木雄介がいる。
同卓した新人たちはさぞ緊張したであろう。
中部プロリーグでは不調だが対局者は警戒するであろう。
ただ、降級がないため昇級のみを目指して戦える。
その強みを活かし新人には強くあたってもらいたい。
最後に、私自身のことですが、本手がなかなか決まらない苦しい展開でしたが、要所で運良く加点でき初節としては悪くなかったと感じます。
ただ、切ってから気づくミスはあり、反省すべき点である。
今回得た反省を活かし、第2節良い結果を残せる様に頑張りたいと思います。
Dリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 鈴木 雄介 | 45.3 | 45.3 | ||||
2 | 近藤 美香 | 14.2 | 14.2 | ||||
3 | 後藤 咲 | 11.6 | 11.6 | ||||
4 | 吉川 裕太 | 11.4 | 11.4 | ||||
5 | 池沢 麻奈美 | 0.0 | 0.0 | ||||
6 | 奥 潤次 | 0.0 | 0.0 | ||||
7 | 鈴木 涼太 | 0.0 | 0.0 | ||||
8 | 日高 志穂 | 0.0 | 0.0 | ||||
9 | 羽川 えりか | 0.0 | 0.0 | ||||
10 | 加来 千香子 | ▲ 3.3 | ▲ 3.3 | ||||
11 | 浅野 文雅 | ▲ 10.9 | ▲ 10.9 | ||||
12 | 山本 美文 | ▲ 12.1 | ▲ 12.1 | ||||
13 | 鷲津 槙一 | ▲ 24.3 | ▲ 24.3 | ||||
14 | 家田 みゆき | ▲ 31.9 | ▲ 31.9 |
カテゴリ:中部プロリーグ レポート