第8期麻雀グランプリMAX ベスト16 C卓レポート
2018年04月04日
トップクラスの牌理の強さを持ち、そこから敢えてのマイノリティ選択に拘りを持つ。
「麻雀I.Q220」勝又健志。
超攻撃的な姿勢で数々のタイトルを取って来た。ポイントランキング1位「暴君」瀬戸熊直樹。
十段位も連覇し、グランプリとの二冠を狙う。闇夜に潜む「忍者」藤崎智。
自身、2度目となるG1タイトルを取り、今、一番勢いのある若手の1人。厚い壁を破れるか!?奈良圭純。
2度目のグランプリ覇者を狙う藤崎・勝又に、初グランプリを狙う瀬戸熊・奈良の両名。3人A1かつ鳳凰位経験者と非常に厳しいメンバーとなったC卓。
重い打ち手が揃った印象と語るのは前田。面前での押し引きの精度にも注目です。
1回戦 勝又 瀬戸熊 奈良 藤崎
東1局 北家 藤崎
ドラ
打とせず、七対子もみた打と行く藤崎。ソウズを2枚切っているのも大きく、マンズは切ってないのでマンズのホンイツに見せる効果も。
最終系を意識し、繊細な手順から入る。忍者・藤崎。
対して、瀬戸熊
をトイツ落とししてペンでテンパイ。
アガリ逃しはありましたが、1人テンパイで流局。
C卓は、静かな立ちアガリでのスタートとなりました。
東2局
瀬戸熊の親は勝又が1,000は1,300で捌く。
東3局 ドラ
藤崎
チー
ツモが効き
チー
前田が、藤崎にしては珍しい仕掛けと言っていましたが、ラス牌のをツモって1,000-2,000
東4局 ドラ
親 藤崎
ドラがなので、打かと思いましたが、567の三色を見て打。瞬間の受け入れだけでなく、高くなるチャンスは逃さない藤崎。
結果はを引いてヤミテン。全員テンパイの中、価値あるツモの700オール
勝又
瀬戸熊
奈良
東4局 1本場 ドラ
瀬戸熊
瀬戸熊、テンパイ取らずの打。瀬戸熊にしては珍しい選択に思えますが、何処からか気配を感じていたのか?或いは、連チャンした親、藤崎がピンズ模様なのでそこに対応したのか。
たしかに、を切る時点で瀬戸熊のは残り1枚。
この局は勝又が
チー
456との天秤で仕掛けると
自らを引きの7,700テンパイ
勝又がをツモって。
2,000-3,900
南1局は
瀬戸熊が勝又からリーチで1,300
南2局 ドラ
奈良
中々戦線に参加する事が出来なかった奈良だが、勝負手が入ります。安めのとはいえ、ドラがなので、打点は十分。リーチと行きます。
そこに、瀬戸熊が追いつくも
奈良が1発で(1発役はありませんが)
ツモ。点数的にも、精神的にも大きな2,000-4,000
南3局 ドラ
南家 藤崎
ツモ
絶好のダブを引いて、藤崎がリーチ
前局上がった、親の奈良も七対子で追いつきますが、
今度は藤崎がをツモって2,000-4,000
1回戦終了時
藤崎+13.8P 奈良+5.5P 勝又▲5.8P 瀬戸熊▲13.5P
2回戦 勝又 藤崎 奈良 瀬戸熊
東1局 瀬戸熊
ドラ
瀬戸熊が、一手変わり高め純チャン三色でテンパイ。
勝又
勝又も追いつきます。
藤崎
ポン
勝又から、ドラを鳴いた藤崎も応戦しますが、瀬戸熊から勝又にで1,500のアガリ。
1回戦同様、静かな立ちアガリでのスタートとなりました。
東3局 親 奈良
ドラ
奈良が、ホンイツもみて打から行くと、と引き一気に大物手の気配が。
そこに、西家・勝又が仕掛ける。
ここから藤崎のをポン。牽制しつつ、ホンイツ・トイトイになれば打点も付き、上手くいかなかったら、暗刻ので受けも効くという仕掛け。
を切りソウズを余らせたように見せる勝又に対して奈良が強く押し返すと、素早く勝又が引きます。感想戦では、奈良が親でドラ色の一色手に加え、藤崎の国士を警戒したと話す勝又。
が流れた奈良でしたが、結局流れたのは。を重ねるのは手順上難しいので、アガリがあったかは不明。
しかし、他家の手牌が見えない奈良に取ってはそれまでのツモが抜群だっただけに良い気はしないはず。精神的に影響が出なければよいですが・・。
東場は小場で動くも南1局に局面が動きます。
南1局、藤崎にドラが暗刻!しかし後の形が悪いか・
藤崎
ドラ
逆に勝又の配牌がいい。
この手を上手く纏めて、
を引きアガリ、4,000オール。
藤崎も、あの配牌からここまで漕ぎ着けましたが、陽の目を見ることは叶わず。
チー
勝又がオーラスも自らアガって2回戦トップ。
トーナメント巧者、奈良も浮きに回り安定した打ちまわしを見せてくれています。
瀬戸熊は痛い2ラス。
解説の前田も語っていますが、展開がかなり厳しい印象。次にマイナスしてしまうと、通過に黄色信号が灯ってしまうだけに、何としても反撃のチャンスを掴みたいところです。
2回戦トータル
勝又+19.6P 奈良+10.1P 藤崎+3.3P 瀬戸熊▲33.0P
3回戦 藤崎 奈良 勝又 瀬戸熊
東1局
瀬戸熊
リーチ ドラ
高め三色のリーチですが、で藤崎から2,000のアガリ。安めとはいえ、アガれた事で状況が上向いてきたのか、東4局
親 瀬戸熊
ドラ
5巡目にリーチ。親だけに勝負手と言えるでしょう。勝又が追いつくがで2,600オールのアガリ!
ようやく、瀬戸熊に風が吹き始めました。
1本場 瀬戸熊 配牌
ドラ
勝又が
リーチを打つと、奈良が七対子で追いつきます。どちらの待ちにするか?難しい選択ですが、打として、見事に勝又と待ちを合わせます。
苦しいのは藤崎。安全牌がなく辛い立場に。
打
更にそこに、加点を狙う瀬戸熊も押し返して、追いかけリーチ。
を引いてリーチ。
安全牌が無い藤崎、親・瀬戸熊の現物を切るも、はダブロン。頭ハネで、奈良の6,400のアガリとなりました。奈良の粘りと読みが生きた1局だと思います。
南1局1本場、親・藤崎がタンヤオ七対子でリーチ。
ドラ
筋にかかってる訳ではありませんが、しっかり山に2枚生き。やはり、精度が高い・。
対する、瀬戸熊
ツモ 打 ドラ
現物のではなく切りと切って粘りにいきます。
西家 勝又
チー
そして勝又、この形式テンパイで藤崎のリーチに、と押していく!
一体何が見えているのでしょうか・・。
結果は、粘った瀬戸熊が
ツモ
安易にを落とさず、ソウズでメンツを作りアガリ切った瀬戸熊。形式テンパイからギリギリの押しを見せる勝又。
2人の粘りが凄い1局でした。
南2局 瀬戸熊9巡目
ドラ
状況が上向いてきた瀬戸熊。が2枚切れで、と変われば、純チャンになる手牌ですが、畳み掛ける様にリーチを打ちます。
そこに、勝又が戦いを挑みます。
をポンしてを勝負。2人テンパイで流局。勝又は、瀬戸熊を走らせない様しっかり勝負している印象です。
南3局、この局は瀬戸熊が凄い。
配牌
ドラ
ツモときて 2巡で三色リーチ!一発ツモとはいきませんでしたが、2巡後にをあっさりツモ!
前局、瀬戸熊を走らすまいと、戦った親、勝又。「そりゃ無いよー・・」の心境でしょうか?渋い表情をしていたのが、印象に残ります。
そして、点数を50,000点台に乗せた、瀬戸熊の親。効果音さえ聞こえて来そうなオーラスが始まります・・。
南4局
瀬戸熊 配牌
ドラ
5巡目に
ここから、瀬戸熊、打!
あの・・・
もしかして、” アレ” 入っちゃってたりなんかしてます??と、瀬戸熊に3者がお伺いを立てたくなる様な、5巡目のドラ切り。
この手なら、ドラのを引っ張る手もあるとは思いますが、こうなったら目一杯広げるのが瀬戸熊流か。
・と引き入れ、・待ち高めイーペーコーでのピンフリーチ!
視聴者の方も待ち焦がれていたのか、画面には、「知ってた〜」の文字が並びます!
(流行語の “そだね〜” はありませんでしたが)
結果は瀬戸熊が安めですがを引きアガリ、マイナスポイントを完済。
次局に繋ぎます。
くるか!? クマクマタイム。
南4局1本場
瀬戸熊
ドラ
配牌は決して良いとは言えません。しかし、ツモが効いて、この配牌が6巡目にこのリーチ!
リーチ
瀬戸熊の、一人旅になるかと思われましたが、またもや、ここでの勝又の打ちまわしが素晴らしかったと思います。
一旦は、現物ので迂回するも、と勝負し、絶好のカンを引いてを切っての勝負リーチ!
そして、すぐに瀬戸熊からで3,900。
このままだと、瀬戸熊が何処まで連荘したか分からないだけに、非常に大きな3,900となりました。
瀬戸熊にとっては消化不良となってしまいましたが、大きなトップで、上下の差がぐっと詰まりました!
大混戦になったC卓。勝負の行方は??
後、2回戦!!
3回戦トータル
奈良+14.2P 勝又+9.2P 瀬戸熊▲5.0P 藤崎▲18.4P
4回戦 奈良 勝又 藤崎 瀬戸熊
東1局、見事だったのが、忍者藤崎
ドラ
相当に悪い配牌。しかし、マンズに寄せると驚異的な伸びを見せます。
上手く寄せきり、以下の手牌に。
ここで、全体場況から単騎にせず、単騎にしたのが上手く、そのを親、奈良がポンして打
奈良
ポン
打。奈良にとっては不運な放銃となってしまいました。奈良はこの局を後悔していましたが、流石に親でこの手牌なら、仕方ないといっても良いのでは無いでしょうか?
構想力と、最終判断が光った、藤崎の12,000 トータルトップからの直取りで、4者がほぼ並びに。
東2局、瀬戸熊に大物手が!
瀬戸熊 配牌
ドラ
をポンして、を引き込みをポンして
ポン ポン
何と、高め大三元!昨日に引き続き役満が出るのでしょうか?
は後1枚。
ツモ
対して藤崎。このを切っているフリテンテンパイから を打ち出していきます。ドキドキです。
結果は藤崎から勝又に1,500。
の大明カンも、ちょっとだけ考えた。と言う瀬戸熊。流石に取りにくい選択でしょうが、もし、カンしていたらどうなったのでしょうか・・。
南3局2本場
奈良
ドラ
ツモ打ヤミテン
は3枚見え、リーチは打ちにくい手牌。前田は、打や取らずのもあるかと語ります。
そこに、親・藤崎が追いついてリーチ!
リーチ
ツモで、リーチ宣言牌が。役なしの奈良はこの牌で当たれず。奈良は、
チー
と、粘るが、この仕掛けで藤崎が2,600は2,800オール。
このアガリが決め手となり、藤崎のトップで最終戦へ。
4回戦トータル
勝又+20.4P 藤崎+7.0P 瀬戸熊▲13.7P 奈良▲13.7P
最終戦 奈良 勝又 瀬戸熊 藤崎
東1局
ドラ
勝又がをポンしてテンパイ。
藤崎が
ツモで、をカンするも、リンシャンにいたのが無情にも。
藤崎から勝又に5,200でのスタートとなりました。
東2局、今度は藤崎がこのリーチ
リーチ ドラ
ツモるか、高めでアガれば失点を挽回できますが、1人テンパイで流局。
東3局1本場、藤崎がリーチ。
ドラ
ツモで1,300・2,600。藤崎にとって大きなアガリ。
東4局
勝又
ドラ
勝又、小考のうち、打
奈良
意外だったのは奈良。テンパイが入っているこの手牌から、を鳴き 打タンヤオ・三色・ドラドラにするも、ちょっと重厚な奈良らしく無い感じはします。
そのを勝又がチーカンに。そして、で勝又のツモあがり。
ドラは山に3枚。奈良はを引けていただけに、奈良にとって痛い結果になってしまいました。
南1局
奈良
チー ドラ
3枚目のをチー。
チー
藤崎リーチ。
リーチ
奈良、ドラのもぶつけ親権死守。2人テンパイ。
1本場は、勝又・藤崎が2人で交わしに行くと、後に引けない奈良から、藤崎に1,000は1,300。
南2局、勝又から藤崎にで6,400。
藤崎
ドラ
勝又
チー
2,900のテンパイだが、持ってきたのは。
南3局
奈良
ポン ドラ
ドラを鳴けた奈良。をチー、が無いので打とすると、奈良から藤崎に2,000。
奈良は是非にでもアガリたい手なだけに大きな放銃となってしまいました。
藤崎
チー
オーラス
奈良25,300
勝又26,900
瀬戸熊24,300
藤崎43,500
奈良・瀬戸熊は三倍満ツモ条件。
奈良は勝又から12,000の直撃。瀬戸熊は勝又から16,000の直撃。
厳しい条件の中、2人に条件をみたす手は入らず、勝又がアガリきり終局となりました。
最終戦トータル
勝又+26.5P 藤崎+25.9P 奈良▲23.7P 瀬戸熊▲28.7P
1位通過 勝又健志
2位通過 藤崎智
勝又は、トーナメント巧者らしい安定した打ちまわしが光りましたが、勝負所とみた局面では信じられない程の深い踏み込みを見せてくれました。
特に、瀬戸熊に対しては、相当戦いに行った印象があり、瀬戸熊も、「ちょっと、来にくいと思える局面でも、踏み込んでこられた。」
と、勝又の押しに感服していました。
ベスト8では、どんな戦いを見せてくれるのでしょう?
藤崎は、とにかく、手筋が素晴らしく感じました。高打点の手でも、河に対して繊細に意識が張り巡らされており、勝負手とはこうやってアガるものだ。と、いう局をいくつも作ってくれました。ファンの方だけでなく、我々若手にとっても大変参考になったのでは無いでしょうか?
惜しくも、敗れた瀬戸熊・奈良でしたが、瀬戸熊は3回戦・オーラスの親を、持ってくるまでの戦い振りが強く印象に残ります。
勝又に止められなければ、何処まで積んだのだろう。と、思ったファンの方も大勢いたでしょう。
直ぐに始まるA1リーグも本当に楽しみです!
奈良は、冷静な押し引きが印象に残りました。また七対子でロン牌を合わせた読みの深さや、安定感のある重厚な打ちまわしは非常に勉強になりました。
奈良も4月から始まるB1セレクトに、選手として出る機会も多いと思われる1人。
4月からの戦い振りも是非注目を!
これで グランプリベスト16・C卓のレポートを終わります。
残るは、最終D卓。果たしてどんなドラマがまっているのでしょうか?
こう、ご期待!!
カテゴリ:グランプリ レポート