第136回:中級講座『攻めの一貫性』 浜上 文吾
2018年05月15日
麻雀ファンの皆様、こんにちは!
九州本部の浜上です。
~タイガー中島杯~第19期皇帝位戦九州リーグAリーグに今期より和久津プロが参戦していることをご存知だとは思いますが、第2節に早くも対戦が実現しました。
非常に楽しみにしていた対局で万全の準備で臨んだつもりだったのですが・・・
結果は3着3着1着4着で第2節は▲10.7Pとなりました。
今回は資料作成のために和久津プロの後ろにカメラを設置させてもらい撮影をしていました。
和久津プロの手牌と捨て牌が見えるくらいのサイズでの撮影でしたが、私の手牌も少し残っていました。
すべてを見返してみると、1回戦に気になる局がいくつかありましたのでそれを題材にしようと思います。
今回の対戦相手は安東裕允プロ、水町慎一プロ、和久津晶プロです。
1回戦(起家から、和久津・水町・安東・浜上)
東1局、水町が3,000・6,000をツモアガリからスタート。
苦しい展開ではあったものの、東3局に1,300・2,600をツモアガリ、2着目で迎えた最初の親です。
得点状況は
東家 浜上 33,500点
南家 和久津 20,700点
西家 水町 49,100点
北家 安東 16,700点
とだいぶ上下差が開いた状況で、私は原点から3,500点浮いており、この親では加点したいものです。
配牌は
東4局 東家 浜上 33,500点
ドラ
1メンツ完成しているもののまだターツも足りなくて少し重たい感じです。
ファン牌のをうまく利用してマンズのホンイツにでもなるのが理想でしょうか?
手なりで手を進め、7巡目までのツモと捨て牌は
こうなりメンツ手の1シャンテンとなります。
ツモ 打
打点はさほど期待はできなさそうですが、良形のテンパイは組めそうです。
ダブがトイツになった場合の打点上昇も考えてを捨てます。
9巡目にはツモでと入れ替えて、高め456の三色が明確に見えてきて、攻める局だと判断します(テンパイしたらリーチ)。
10巡目にはドラをツモで悪いクセが出てしまいます。
ツモ
さてどう選択しましょうか?
かの2択ですが、私は「ドラが重なれば良いな」とのんきな考えでを捨てました。
これがなかなかテンパイせずにツモ切りが続き、ドラを捨てるタイミングを失いました。
14巡目には和久津プロからリーチを受け
南家 和久津 20,700点
リーチ
ドラを先に捌くことができなかった私は撤退を余儀なくされノーテンで親を落としてしまいます。
今局の反省ポイントを挙げるならば
①原点から浮いていることを考えれば、打点を求めるより、アガリやすい形を選択すべき⇒親はキープできるように頑張る
②中盤の10巡目ながらも仕掛けがはいってなくて、他家の情報がわかりにくいために積極的に局面をリードすべき(456三色も見えていて打点は望めそう)と親であるにも関わらず消極的な選択をしたのがこの後の展開を悪くしたと思います。
南2局には先制リーチをするも、安東プロに追いかけリーチを受け7,700放銃して、私の得点は21,700まで減ってしまいます。
このままではズルズル後退するだけですので少しギアチェンジです。
南3局 南家 浜上 21,700点 配牌
ドラ
7巡目までにとツモが効き以下の牌姿です。
ラス親はあるものできれば打点が欲しいですね。
そう考えていると、親の安東プロからが捨てられます。
こういう牌姿で仕掛けたことはほとんどありませんが、これまでの展開を自分で悪くしたので打点よりスピードに重きを置き捌くことにします。
同巡、和久津プロもテンパイし、宣言牌のをロンアガリ2,000点。
チー ロン
西家 和久津 22,000点 9巡目
ツモ 打
最後まで押し通すつもりでしたが・・・
結果はうまくいきました。オーラスの親に向けて頑張れそうです。
1回戦オーラスの得点状況は
東家 浜上 24,000点
南家 和久津 21,900点
西家 水町 47,600点
北家 安東 27,500点
こうなり、原点復帰のために親をキープすることが最優先課題です。
南4局 東家 浜上 24,000点 配牌
ドラ
1メンツもなく愚形残りの苦しい配牌です。それでもソウズのホンイツを狙いながら手を進めます。
5巡目までのツモと捨て牌は
ポン
こうなり以下の牌姿。
ポン
マンズで1メンツ完成して理想通りとはいきませんでしたが1シャンテンとなります。
6巡目にはをツモで少し受けが広くなり打。
6巡目以降はツモ切りが続き、ようやく13巡目に和久津プロからのリーチ宣言牌をポン。
東家 浜上 24,000点
ポン ポン
と安いながらもようやくテンパイします。
浜上捨て牌
ポン ポン
一方、リーチの和久津プロの捨て牌は
勝負と考えていましたが、15巡目のツモで長考します。
ポン ポン ツモ
ここでも先ほど反省したはずなのに悪いクセがでます。
捨て牌読みがさほど得意でない私がが暗刻になり、和久津プロの待ちを勝手にだろうと思いこんでしまったのです。
で放銃すればドラまたぎで打点もありそう、現物のを中抜きしてしまいます。
この思いこみがそもそも間違いで、最優先課題は親キープだったのにもかかわらず放銃してしまうかも・・・
と思った瞬間に思考停止して悪い選択をしてしまいました。
いざ開かれた和久津プロの手牌は
この形ではアガリ牌ではありませんでした。
結果的にで放銃になっていたとしても、親キープのための勝負での放銃は一貫性はあり、それ以降のブレが生じにくいと考えます。
最近では結果ばかり追い求めていて(放銃したくない、ポイントをまとめたい)、何か自分の麻雀の軸がブレているなと感じていました。
たまたま撮影したリーグ戦の映像を見て、私は勝負から逃げる悪いクセがあると気付かされました。
まとめてみますと攻めの一貫性は
・自分の状況を局単位で把握して最優先課題を見つける
・最優先課題をクリアできるリスク覚悟で勝負をする
ことが大事だと考えます。
この日以降、普段のトレーニングでは仕掛ける時には押し通す、押し通せないのであれば仕掛けない、と至って簡単な練習をしています。
簡単な練習が完全にできるようになったら少しずつ難しいことに取り組むと良いと思います。
それでは今回はこのあたりで失礼します。
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