第37期鳳凰戦A2リーグ第9節B卓レポート
2020年11月25日
【藤島健二郎、ライバル内川を徹底マークで昇級争い一歩リード】
11月24日に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第9節B卓はA1への昇級を争う藤島・内川の同卓となり、結果としては藤島が一歩リードして残り2節を残す形となった。
この日の対局者とトータルポイントは画像の通り。
内川幸太郎(2位・+106.0P)
藤島健二郎(3位・+101.5P)
和久津晶(7位・+19.7P)
古橋崇志(9位・▲3.6)
前原雄大(12位・▲70.5)
内川・藤島は昇級を争うライバル。和久津・古橋は昇級・降級共に遠いため、チャンスがあれば大きなプラスを狙いたいところ。前原は30Pほど下に降級ボーダーがあるため、マイナスはしたくない戦いとなっている。
対局が始まると目立ったのは、内川を意識した藤島のプレー。特にそれが目立ったのは3回戦南場だった。
南1局の内川の親番、古橋は役牌を2つ鳴いてホンイツ模様。初牌の中を余らせているので、テンパイしていてもおかしくない場面。ここで藤島の手牌はリーチのみ高目ドラ1のテンパイ。高打点であろう古橋とのめくり合いを避け、穏やかにヤミテンに構える選択肢もあったが…
ここは強気にリーチ!ライバルの内川が親番ということも大きいだろう。自分がオリてしまっては、内川はソーズだけを止めれば高い放銃を避けられることになり、テンパイを取って連荘に成功する可能性が上がってしまう。ここは自分もリスクを負うことで確実に内川の親番を落とし、あわよくば加点も狙おうという選択だ。ここは古橋からが放たれ1,300のアガリ。
この後、直接競りかけに行ったのは南3局。
内川は字牌からの切り出しだが、のトイツ落としの後にドラのを打ち出し、解説の魚谷も「(マンズの染め手の)テンパイに見えますね」とコメントした局面。卓内の藤島はそれ以上に雰囲気を感じ取っていたはずで、前巡にを止めている。しかし絶好のカンを引き入れると…
当然勝負!これをアガリ切って、この半荘だけで内川とは12Pほどの差をつけることに成功した。
実況の小笠原プロのインタビューによると「めんどくさい相手と思われるよう、シーズン通して存在感を出していきます」とコメントしていたという藤島。この日の藤島はそのコメント通り、対局相手にとって非常にやりづらいプレーを見せ加点に成功したのだった。
1日を終えてのトータルポイントは画像の通り。
卓内トップは古橋。Twitterでは「なんかごちゃごちゃして卓内トップでした。手めっちゃ入ってたのでもっと勝てたかもですが、あと2節なので最後まで上見て頑張ります!」と控えめなコメントだったが、いつも通りの高打点打法でプラス域に。和久津は解説陣も「80%は鳴いてるんじゃないか」と言うような積極的なプレーで5.5Pながらプラス。内川は藤島の徹底マークが成功し親を落とされる場面もあったが、11.6Pのマイナスで堪えたといった印象。前原はなかなか手牌が追いつかず29.7Pのマイナス。降級圏が目の前で尻に火がつくポイント状況となった。
次回の放送は12月1日。対局者は杉浦勘介(1位・+172.1P)、一井慎也(+42.2P)、安村浩司(13位・▲106.8P)、山田浩之(14位・▲179.2P)、二階堂亜樹(15位・▲217.9P)と残留争いがメインの見どころとなりそうだ。負けられない戦いをぜひご視聴ください。
文中敬称略
(文・浜野太陽)
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