プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第37期鳳凰戦A2リーグ第9節C卓レポート

【山田浩之が久々の大勝!残留争いがさらに熾烈に 】

12月1日に行われた第37期鳳凰戦A2リーグ第9節C卓はポイントが大きく変動し、3人はホッと一息をつき、2人はため息をつく結果となった。

 

 

対局開始前のトータルポイントは以下の通り。

 

 

対局者は以下の5名。

杉浦勘介(1位・+172.1P)
一井慎也(6位+42.2P)
安村浩司(13位・▲106.8P)
山田浩之(14位・▲179.2P)
二階堂亜樹(15位・▲217.9P)

首位の杉浦は昇級確定と思われた位置から前節に▲60.5とマイナスしている。今節か次節に取り戻すことができればかなり安泰なポジションに着ける。一井は大きくプラスすることができれば昇級争いに食い込めるポジション。安村は魚谷を逆転できれば一息つけるか。山田・二階堂は1回での残留ボーダー超えは難しいが、残り節数が3回しかないため叩きにいきたいところだ。

解説の吉田直は「5人とも+50Pしたいと思っています」。そのコメント通り、激しいぶつかり合いが1回戦東2局にいきなり訪れた。

 

 

中がトイツ、ドラ入りメンツが完成している親の安村がダブ東をトイツに。この1枚で急激に大勝負手に進化した。そしてその後ダブ東から鳴くことができ、不退転の構えに。一発・裏のない公式ルールでのダブ東ポンは子にとって大きな脅威であり、普段の戦いであればなかなか立ち向かっていけないもの。しかし全員が大きく叩きたいこの日だけは別だった。

 

 

亜樹がメンホン七対子テンパイを入れると、選んだのは打“中”。親の現物の南待ちでリーチに踏み切った。親に危なく、周りが止めていそうな“中”待ちではアガリが見込めないが、それを切るということは亜樹も勝負手であることが明らかになってしまう。ならば親と一騎打ちで跳満の出アガリまで狙おうという作戦だ。安村は当然これをポンして11,600のテンパイ。

 

 

しかしこの局参加していたのはこの2人だけではなかった。

 

 

タンヤオドラ1のテンパイを入れていた山田が三色に手替わり、親に危ない三筒を勝負!公式ルールでは非常に珍しい3者のめくり合いに。これを制したのは…

 

 

最も悪い待ちに思われた山田!この日の勢いを感じさせる満貫をツモアガると、この回67,600点の大トップ。その後も得点を伸ばし、一気に安村・前原のポイントに追いつくことに成功した。

全員の闘志を感じる激しい対局を終えてのトータルポイントは画像の通り。

 

 

 

首位の杉浦が積極的にリスクを取る選択を見せ、大きなプラスで2位と約110P差の首位に。再び安泰と思える位置につくことができた。
一井は中々参加することができず大きなマイナスに。残念ながら、目標を昇級から残留に切り替える必要があるだろう。
安村は山田・杉浦の大波に耐え、1回のトップで残留ボーダー付近をキープし、ひと安心。
山田は前述の通り、2回戦以降も好調を感じさせる戦いっぷりで加点に成功。久々の大勝で胸を撫で下ろした。
二階堂は、4回戦には箱下から浮きの2着まで回復する粘りを見せたが、全体としては大きなマイナス。この後の戦いで全ての半荘でトップが欲しいほどの状況となった。

次回の放送は12月8日。対局者は古橋崇志(7位・+19.9P)、麓征生(8位・▲1.0)、魚谷侑未(11位・▲64.8)、前原雄大(12位・▲100.2)、山田浩之(14位・▲111.1)。
見どころになるのはやはり魚谷・前原・山田の残留争いか。その勝負の隙を縫って古橋・麓が大きくプラスし、昇級争いに名乗りを上げられるか。是非ご注目ください。

(文・浜野太陽)