麻雀日本シリーズ2020決勝レポート
2020年12月21日
【麻雀日本シリーズ2020決勝は役満が飛び出し大接戦に】
【システム】
■一次予選
16人で全24回戦(各自6回戦)
下位4名が敗退
■二次予選
ポイント持ち越し
12人で全6回戦(各自2回戦)
下位4名が敗退
■プレーオフ
ポイント持ち越し
8人で全4回戦(各自2回戦)
上位4名が決勝進出
■決勝
ポイントリセット
全4回戦
【ルール】
30,000点持ち30,000点返し
順位点5,000-15,000
一発・裏ドラあり
その他WRCルールに準ずる
1回戦は佐々木、白鳥の競り合い。佐々木がリーチツモ三暗刻を決めると、白鳥が親番でドラ3枚使いの跳満をツモアガリ。佐々木がメンピン一発イーペーコーを白鳥から直撃して1回戦トップスタートとなった。
2回戦は白鳥がリードして迎えたオーラス。平賀、佐々木の2軒リーチを受け、親番瀬戸熊もポン。白鳥はでテンパイしていたが、佐々木のアタり牌単騎で4人テンパイに持ち込む。続く1本場で満貫を決めて白鳥がトップ。
白鳥 +41.2P
佐々木 ▲0.8P
瀬戸熊 ▲4.5P
平賀 ▲35.9P
佐々木を4着にして、2着トップとプラスを重ねた白鳥が1人浮き状態。この3回戦で白鳥より着順が下になった者はほぼチャンスがなくなってしまう。
3回戦も首位を走る白鳥は順調。自身と平賀が浮きで、佐々木と瀬戸熊が沈み。並びも良い。ここで頑張ってトップを取れたら最終戦を待たずして優勝が決まってしまいそうだ。
交わし手で仕掛けた東4局3本場、目一杯に受ければポンテンを取れてアガリがあった。「アガるために仕掛けたのに、何で手狭に受けてしまったのか?」3軒リーチを受けてしまい流局を祈りながら撤退するが、佐々木がハイテイで親満ツモ。本人が一番悔いていた局だ。その後瀬戸熊に2回のドラ暗刻が入り、どちらも白鳥が満貫放銃。瞬く間に4着に転げ落ちた。
しかし、地獄を見たのは白鳥だけではなかった。55,600持ちでオーラス親番の佐々木。平賀が国士無双を狙っていそうだが、まだ19字牌が1枚も余っていない。
佐々木がをツモ切る。平賀の手が開く。「ロン。32,000」
もしこのまま終われば優勝だと強く意識して後ろを気にする麻雀なら、役満を最も警戒する。おそらくまだ勝利を掴み取りに行く途中で前しか見ていなかったのだろう。いかにも佐々木らしい放銃だ。
かくして、佐々木は国士無双放銃で大トップ目から3着まで転落し、トータル最下位になってしまった。
3回戦終了時
白鳥 +6.9P
平賀 +6.1P
瀬戸熊 ▲0.8P
佐々木 ▲12.2P
順位点が1着順で10ポイントなので最終戦はほぼ着順勝負となった。佐々木だけ素点に少し条件があるが、全員に優勝の可能性がある。
4回戦、東1局に仕掛けて倍満のツモアガリを決めたのは佐々木だった。休憩を挟んだとは言え、国士無双放銃の次の局である。どれだけハートが強いのだろうか?
ポン ツモ ドラ
東3局、平賀も負けじと大物手を作る。ドラの切りリーチでツモり三暗刻に受けたが、無常にも平賀のツモ山に居たのはカンの方だった。
圧倒的リードの佐々木だが、すんなり決まらないのが麻雀。東4局、親番白鳥がリーチしてツモアガリ。
暗カン リーチ ツモ ドラ 裏 ドラ
リーチドラ1の手がカンドラ1枚裏ドラ5枚で8,100オールとなり、1局で逆転。3回戦から佐々木はエンジン全開でアガリ続けていたのに、土壇場で首位を奪われた。佐々木に再逆転する力は残っているのだろうか⁉︎
東4局2本場
ホンイツ。2,200・4,200。
南1局
リーチツモ。500・1,000(+1,000)
南2局
ダブドラ。1,100・2,100。
心配は無用だった。佐々木は最後まで全部アガり倒す勢いで戦った。
オーラス白鳥の親番も自らアガって優勝を決めた。
片時も目を離せない対局だった。
佐々木の戦い続ける、アガリ続けようとする姿勢に心打たれた。たとえ役満を打とうが、そんな時もあると言わんばかりに、もう一度前を向いて戦う事の大切さを見せてくれた。
毎回最善を選ぼうと頭をフル回転する白鳥の気合いが十分伝わって来た。親番で裏ドラが5枚乗った時は画面に向かって思わず声をあげた。
どんなに打ちたい牌でもアタり牌なら打たない、瀬戸熊の読みの精度が凄かった。一番アガリたい牌姿で役牌を一鳴きせずに首位からの直撃成功は本当に格好良かった。
平賀の起死回生の国士無双は大いに観る者を魅了した。でももっと凄いのは絶対勝ちたいはずの対局で恐怖を表に出さずに無筋をスイスイ切り飛ばす胆力だと思う。
出来る事なら全員優勝してほしいと思う対局だった。それほど素晴らしい対局だった。
(文:編集部)
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