第37期鳳凰戦A1リーグ最終節B卓レポート
2020年12月28日
【鳳凰位決定戦進出者が決まる最終節。最大の山場は1回戦1局目】
首位沢崎は対局者4人中3人にかわされなければ決定戦進出。1回戦の結果を見てからの4連戦なので、その点でも有利だ。
2位佐々木は2人にかわされなければOKだが、多少振っても安泰の沢崎とは立場が違う。1回のトップラスでも転落があり得るため慎重な立ち回りが求められる。
3位西川と4位勝又は、普通の展開なら残れるのはどちらか1人だけ。直近のライバル関係だ。
5位吉田は大きなプラスが必要なため手役を作って攻めるだろう。リーチと行けば誰も吉田には振りたくない。ツモアガリを何度も決めれば可能性が見えて来る。
勝負局は東1局だった。
七対子の先制リーチは西川。河を見ると待ちのは間4軒の危険スジ。通常は選ばなそうな待ちだが、西川は出やすそうなスジや1枚切れの字牌より、ツモれそうな外壁の待ちを好む。実際は山に2枚残っていた。
同巡、勝又も七対子テンパイ。1巡前にメンツ手との両天秤を捨てて残した中が重なった。待ちはドラの単騎。もし西川から親満直撃出来たらいきなり逆転だ。勝又もリーチ。ドラも2枚残り。
勝負はもつれ、ハイテイは西川。をツモれば満貫、を掴めば18,000放銃。
勝又のアガリ牌が西川の河に放たれて勝敗は決した。親の跳満。この七対子をここ一番、大事な一局でアガるために、もう何年も並々ならぬ努力を積み上げて来ているのだ。
勝又は対局で負けた日には電車を使わず、反省しながら歩いて数時間かけて帰宅すると言っていた。麻雀IQ220の脳内で何時間も反省したら、常人の何倍悔やまなければならないのだろうか?楽しい嬉しい対局ばかりではない麻雀という競技に魅せられ、何年も勉強と反省と実践を繰り返して鳳凰位を獲り、勝又は今期またその輝かしい舞台に立つ権利に王手をかけた。
一方、西川にとって結果は最悪だった。たった1局、リーチのめくり合いで負けた。それだけで、12節かけて積み上げた勝又との+24Pリードは消え失せ、逆に▲14.9Pのビハインドを背負った。西川はこれまでの放送対局で何度も先に挙げたような独特な七対子リーチをツモアガった。保険を一切かけない手順の「ジュンチャン」で解説席やコメント欄を大いに湧かせてくれた。西川だからこのポイントを叩いたし、この18,000も彼にしか出来ない放銃だったかも知れない。
観ていて泣きそうになるほど重い一牌だった。
その後も勝又は一切手を緩めなかった。次局は佐々木の先制リーチと西川の渾身の234三色追っかけリーチに挟まれてもピンフドラドラをヤミテンで打ち取り。
さらにドラドラシャンポンをリーチしてツモアガリ。
南1局の親番では11,600の加点で一時は80,000点超え。後半は失点もあったが西川と大きな差をつけた。
2回戦は吉田がトップを取るが、勝又も浮きの2着で思うように差は縮まらない。
3回戦のトップは佐々木。これにより、勝又から佐々木にターゲットに変更する事も難しくなった。
4回戦は沢崎が特大トップ。吉田は最終戦抜け番なので、今期は▲65.0Pで全対局終了となった。西川は3着。佐々木や勝又との差がまた開いてしまった。
5回戦は沢崎のメンホン、8,000でスタート。を掴んだのは勝又だ。とは言え、まだ西川とのポイントには余裕がある。東3局には親番佐々木が待ちでメンホンの18,000のヤミテン。これも勝又が掴むが、今度はしっかり止めた。(佐々木の上家の沢崎も単騎の七対子1,600のテンパイを入れていたので、西川や勝又がを打っても1,600で済んだ。結果は沢崎がに待ち変えして佐々木に放銃)
西川は一生懸命に手を作るが、逆転手を作る事は出来ずに対局は終了した。
この日の卓内トップは佐々木。沢崎もプラスを伸ばした。マイナスは最小限、感触が良い時はしっかり加点。決定戦への準備は万端といったところだろう。勝又が残る一席を勝ち取った。
今期A1リーグ全対局が終了。最終成績はこのようになった。
第37期鳳凰位決定戦は来年2021年1月16日(土)から4週連続
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最高峰の闘牌を是非ご覧ください。
(文:編集部)
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)レポート