グランプリMAX一次予選B卓レポート
2021年02月22日
【グランプリMAX一次予選B卓、藤島・紺野の勝ち上がり】
最終5回戦、3番手の前原は東場で失点してしまい、この南1局の親で挽回できなければ敗退、という状況であった。
平場は、後筋となったでリーチ七対子の出アガリ。
前原の親番を終わらせたい藤島も仕掛けてテンパイしていたが、紺野がオリ打ちの形で放銃となった。
迎えた1本場、やや選択の残る入り目であったが、小考して切りリーチ。
4回戦が終わった時点の藤島と前原の差が、22.8ポイント。
紺野が浮いているので、前原のターゲットは藤島になるが、現在の差は順位点込みで、43.3ポイントとなっている。
まだ何局か連荘が必要だろう。
リーチを受けた藤島の手牌がこうなった。
お気づきになっただろうか?
藤島のファンは、このシーンに見覚えがあったと思われる。
そして、藤島本人にも忘れることの出来ない、あの日の記憶が蘇る。
第2期JPML WRCリーグ決勝(2017年)
https://www.ma-jan.or.jp/title-fight/champions-league/final-champions-league/51365.html
ご存知ない方は、瀬戸熊直樹の書いたこの観戦記を読んでから、戻ってきていただきたい。
ルールは違うものの、前原との差に若干の余裕があるのも、まるであの日のようだ。
あの敗戦を何度も思い出すのだろうか。
「通しやすい牌を押せなかったということは事実です」
この重い言葉を、何度も反芻しただろうか。
今年のグランプリMAXを戴冠することとなったら、インタビューで聞いてみたいものである。
藤島は、自身の読みを確認したのか、それとも放銃になったときの覚悟を決めたのか、ほんの5秒の小考で決断した。
画面を見ていた藤島ファンの期待をのせて、その一打は放たれた。
もうひとりの勝ち上がりは紺野。
戻ること4回戦東1局。(※ 画面テロップは3回戦となっていますが、4回戦の間違いです。)
親、前原がドラ2の先制リーチ。
同巡、後のないダンプが振りかぶって追っかけリーチ。
その状況下で紺野、太い腕をしならせて3軒目。
役あり、愚形にも関わらずリーチには驚いた。
ここを1つ目の勝負処とふんだのだろう。
本局を制した紺野、これ以降すいすい手が入り、7万点弱の1人浮きトップ。
この半荘で大きくリードし、勝ち上がりとなった。
(文:福光聖雄)
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