グランプリ レポート

グランプリMAX一次予選A卓レポート

グランプリMAXとは1年間のポイントランキング上位者とタイトルホルダーが集まって行われる今年度最後のタイトル戦です。

 

 

グランプリMAX開幕となる一次予選A卓に出場する選手は荒正義(九段シード)加藤晋平(地方チャンピオンシップ優勝・雪華王優勝)西川淳(ランキング10位)魚谷侑未(ランキング15位)の4名。
この最初の一番から驚きの展開になりました。

一次予選は全5回戦で上位2名が勝ち上がりのシステム。

<4回戦終了時の結果>
魚谷+40.3P 加藤+3.6P 荒▲11.6P 西川▲32.3P

卓内上位2名が勝ち上がるトーナメントルールが得意な魚谷。
巧みな打ち回しで1人抜けだし最終戦に入ったのですが、その東1局に事件が発生します。

 

 

安泰かと思われていた魚谷が親の西川の2フーロに飛び込みチャンタドラ3の放銃。
この時は何が起きたのか理解出来ずにいましたが、あらためて見返してみると苦境を打破しようと西川が罠を張っていました。

 

 

この局七索を手出ししていた西川が不要な八索を引っ張り続けて安全牌もツモ切り、相手に誤情報を与えています。
こういった1牌の情報の差で結果が変わってくるのが上級者同士の闘い。

 

 

その後、西川が八索を手出し。
魚谷からは七索が全部見えていて七索を切っている西川の手から安全牌を挟んで3枚目の八索が出てきたことで、これはトイツ落としと思ったはずです。
今ならロンされることはないと魚谷はテンパイを取っての南切り。

 

 

西川が前巡に引いたのが二索ではなく三索なら魚谷の南はロンになっていましたが、惜しくもロンにはならず。
しかしポンをして二索切りでテンパイは取れました。
ここで魚谷は不思議に感じていたと思います。
西川の手から出てくるはずのトイツ落としの八索が出てこないからです。
トーナメントも5回戦目で蓄積された疲労、疑問が晴れぬままに引いた三索を魚谷は止めることが出来ませんでした。

ポイント的にはまだ魚谷有利な状況でしたが、ここまで苦しんでいた西川が生き返ったことで勝負の風向きが変化していきます。

 

 

魚谷は荒のリーチドラ3などにも放銃し、オーラスに全員集合。

<最終戦オーラス開始時のポイント>
加藤+8.7P 魚谷+0.0P 荒▲3.0P 西川▲5.7P

2番手に転落した魚谷は荒・西川に終われる立場になり、オリていられません。

 

 

最後は3フーロして祈るような気持ちで待つ魚谷が、放銃しても通過の加藤からしっかりとアガリ、一次予選A卓は加藤・魚谷の勝ち上がりになりました。

<最終結果>
加藤+7.7P 魚谷+1.0P 荒▲3.0P 西川▲5.7P

(文:越野智紀)