第34期新人王戦予選二日目 レポート
2021年09月14日
【第34期新人王戦 決勝進出は小高、原田、石川、荒井】
2021/9/6に行われた、新人王戦予選2日目、既報の通り
小高 佑貴(37期前期)
原田 潤次(37期前期)
石川 遼(34期前期)
荒井 伶太(36期後期)
この4名が勝ち上がり、決勝進出となった。
その様子を振り返っていきたい。
なお、決勝戦は、10/16(土)14時より行われ、OPENREC、ニコニコ生放送で中継される。
まずは、初日を勝ち上がった48名を5回戦で8名にする戦い。
(ただし、4回戦終了時に25位以下は敗退)
本日は1会場だったので、開始前に伊藤優孝副会長より激励の挨拶があった。
選手全員、我こそは新人王を、とよりいっそう闘志が燃えたのではないかと思われる。
(一部抜粋)
伊藤「新人王を獲って、その後トッププロに登りつめた人も多い。第2期の沢崎誠をはじめに、ダンプ大橋、柴田吉和(現十段位)。他団体にいってしまったけど、RMUの多井隆晴。女性では20年目ではじめて天音(まこと)が、佐々木寿人を破って獲得して。以降、過去に4人。実力も男子プロと遜色なくなってきている。
(中略)
今、麻雀界は右肩上がりになっていて、活躍の場も増えてきている。若手の登竜門として、まず今日は決勝の4人を目指して頑張ってほしい」
4回戦終了時、25位以下が敗退。
第2期JPML WRCリーグ優勝の中川基輝、第3期と第9期JPML WRCリーグ優勝の小林正和、MリーグKADOKAWAサクラナイツ岡田紗佳がここで敗退となった。
5回戦終了時、このステージの勝ち上がりの8名が決定。
最近、各試合で良い成績を残している立田祥平は、最終戦トップを取るも素点が足りず、次点での敗退。
通過ボーダーにいた澤田唯は、南3局まで浮いていたが、親の早いリーチに捕まり沈んでしまった。
勝ち上がった8名は2卓に分けられ、ポイントをリセット。
同一メンバーで2回戦を行い、各卓2名が勝ち上がりとなるトーナメントを行った。
■1卓
(1枚目左)原田潤次(37期前期)
(1枚目右)黒田良(35期後期)
(2枚目左)小高佑貴(37期前期)
(2枚目右)阿久津翔太(34期前期)
第1期若獅子戦優勝の阿久津を中心に進むかと思いきや、阿久津以外が大きなアガリを連発する。
1回戦終了時
小高+26.6P、黒田+8.2P、原田+5.1P、阿久津▲39.9P
2回戦南3局、親番の小高
「スコアに余裕があるかと消極的になってしまった」と後から語ったように19,300点持ちのラス目。
逆にこの親を終わらせれば、オーラス、小高に厳しい条件を突きつけることのできる黒田。(32,300点持ち)
リーチ ドラ
やはり、オリの選択はない小高に対し、この待ちでは不十分だったか。小高に対して2,000点の放銃となる。
同1本場、今度は原田がカンのリーチ。(35,400点持ち)
原田もこの局が終われば圧倒的優位でオーラスを迎えられるのだが、
ドラ ロン
親の小高が粘って競り勝ち。原田は痛恨の7,700放銃。(三色同順、ドラ)
小高にとっては、とても嬉しいアガリ。これで3万点を超え、卓内トップ目。通過は堅い。
南4局、親原田
「7,700の放銃で敗退を覚悟しました。最後の親で手が入ってくれてよかったです。」
ツモ チー ポン ドラ
南4局1本場
リーチ ロン ドラ
南4局2本場
を見逃し、高目でのアガリが決まり手となった。
ロン
■2卓
(1枚目左)松本峻(37期前期)
(1枚目右)石川遼(34期前期)
(2枚目左)荒井伶太(36期後期)
(2枚目右)川村直寛(36期後期)
1回戦東1局、親の石川は、ドラ待ちのカンチャンリーチ。
ただでさえ、トーナメントの序盤で親リーチに対しては押しづらい。
四代目天鳳位すずめクレイジーという実力者ならなおさらだ。悠々ツモって2,000オール。
同1本場も先制リーチ。同2本場も先制リーチ。
こういったトーナメントならではの攻めに、経験値の高さが見てとれる。
荒井にもオーラスの親番で先手が取れる手が入り、この2人のリードで1回戦を終える。
1回戦終了時
荒井+24.0P、石川+17.8P、松本▲17.6P、川村▲24.2P
2回戦、追いかける松本、東2局の親番(6巡目)
ツモ ドラ
Max6,000オールも見えるこの手、しっかりとツモ切り。
リーチ ドラ
理想とまではいかなかったが、打点十分のリーチだっただろう。
しかし、川村に捌かれる。
東4局、またも松本に高打点のリーチ。
親が荒井なだけに、ツモって親被りさせたいところ。
リーチ ドラ
川村には国士無双のテンパイ。
しかし、テンパイと同時に打ち出されるのは、であった。
その後は石川、荒井の卓まわしに為す術もなく。
南4局に松本は逆転のテンパイを入れるも、巡目が遅くテンパイまで。
石川、荒井の勝ち上がりとなった。
チー ドラ
最後に、勝ち上がりの4名には対局直後にいただいたコメントを、負けた4名はTwitterでのコメントを掲載する。
新人王戦とはいえ、自分のときに比べてハイレベルな戦いだった。
でも、まだまだ伸び盛り。勝ち残った4名には決勝での熱い戦いを、敗者には今後の活躍に期待したい。
小高「(ベスト8の)トーナメントの初戦、東2局に12,000点を放銃してしまって…でも、(オーラスの)親番で4,000オールを2回ツモれてよかったです。
トーナメントの2戦目は弱気になって減らしてしまったのですが、そこからいつもの攻撃よりの姿勢に戻して、南3局の親番で連荘できて、そこがポイントになったと思います。
今年35歳で、新人という年齢じゃないんですけど、白鳥(翔)さんが同い年になるのですが、麻雀ではだいぶ離されてしまっているので、少しでも追いつけるように、まずは新人王を獲って、ステップアップしていきたいと思います。」
荒井「とにかくポイントを叩くのを意識して、親番でアガリを重ねられてよかったです。(4回戦目+62.6P)
トーナメントは、これもやっぱり(1回戦の)オーラスの親番で4本場まで積めてよかったです。
まだ2年目で慣れてないことも多いのですが、(不慣れなことは)あまり意識しすぎず、麻雀は麻雀だと自分に言い聞かせて頑張りたいと思います。」
石川「(予選は)1回大きなトップが取れて、あとは展開がよくて、比較的安全に勝ち残れたと思えます。ベスト8も(リードがあったので)あまりヒヤヒヤしませんでした。
決勝は、優勝を決めたことが今までないので、そろそろ勝ちたいです。頑張ります。」
原田「正直、上手にできたとは思ってないですが、がむしゃらにアガリを取りにいったのと、冷静でないのか、普段より河の情報が見れてなかったので、早めにオリる癖をつけたのが良い結果になりました。決勝までに、自分の麻雀を落ち着いて打てるように精進したいと思います。岡山から上京してきたばかりで、関西の方から応援をいただくのですが、恥ずかしい麻雀を打つかもしれないんですけど、今の自分の必死な麻雀、不器用な麻雀を見ていただいて、少しでも楽しんでいただけたら、と思っています。」
決勝戦:10/16(土)14時~
(文:福光聖雄)
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