九州プロリーグ レポート/第14期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 第4節レポート
2013年07月24日
Aリーグレポート:西原亨
A卓(西原×安東×小車×青木×中尾)
B卓(藤原×新谷×塚本×大和田)
C卓(小川×浜上×柴田×福田)
雨も明けて、早くも真夏を思わせる毎日の猛暑。折り返し前の4節目は、結果によりけりで後半戦に向けての戦略に大きく関わってくる大事な節と位置付けている。
まずはA卓。個人的には小車、中尾とは今期初の同卓。両名とも個性があり、特に小車は今年のマスターズ覇者。日頃より卓を囲む間柄ではあるが、リーグ戦での対局となると緊張感が増して違った感覚で打てる。そして3節全てをプラスでまとめている青木。昨年度の十段戦ファイナリスト安東。締まった対局になるという緊張感がたまらなく心地よいメンバーだ。
2連勝で大きくリードを取れた私はどこか気が緩み、その隙を小車、中尾に攻め込まれてしまう。油断は禁物という認識を再確認させられた後の2回戦だった。
安東は終始苦しそうで手が入っていない様子だったが、それでもマイナスを最小限に抑えて我慢している印象がある。青木と私は開局早々の乱打戦を展開。今回はどうにかリードを取れたが、次はどう転ぶか解らないという思いにさせられた。
B卓。開始から終始、新谷が局面をリード。2連勝と2着で先行リードを取る。新谷は打ち筋にブレがなく、勢いに乗せてしまうと手が付けられなくなるのが怖い。
それをよそに展開を見ながら大和田がアガリを積み重ね、新谷に着いていく。
藤原、塚本は手牌がまとまらずに後手に回らざるを得ない展開で常に我慢を強いられる。見ていて苦しいのが身に染みて解る状況だが、全てを受け入れて黙々と打ち続ける姿が凛々しくもあった。
C卓。小川が初戦を1人浮きでトップを飾ったのをきっかけにトップ、トップ、2着と連帯を続けるが、最終戦でラスを取ってしまったのは叩き損ねた感じを受ける。
逆に浜上は最終戦の2着でマイナスを抑えることが出来た。こういう長いスパンでのリーグ戦では1節1節の最終戦で今日1日をどう着地するかが肝心である。
最終戦で大きなプラスを叩いた福田は、展開が向いていない今節をプラスにして終えることが出来た。これは非常に大きな意味合いを持つ。覚悟していたマイナスがプラスにまで持って行けたのだから。
4節を終えて、まずは上位の2名が頭1つ抜け出した。今期より昇級してきた中尾、柴田の健闘も光っている。フレッシュなメンバーが入りますます混戦となってきている九州Aリーグ。残りは後6節。自分の精一杯の闘牌で駆け抜けて行きたい。
Aリーグ
順位 | 名前 | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 6節 | 7節 | 8節 | 9節 | 10節 | 合計 | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 西原 亨 | 1.8 | 39.7 | 71.4 | 61.2 | 174.1 | 1 | ||||||
2 | 新谷 翔平 | ▲ 30.9 | 62.8 | 62.0 | 59.6 | 153.5 | 2 | ||||||
3 | 大和田 篤史 | 40.3 | 27.3 | ▲ 14.1 | 37.6 | 91.1 | 3 | ||||||
4 | 青木 胤道 | 35.8 | 4.6 | 21.9 | ▲ 5.3 | 57.0 | 4 | ||||||
5 | 中尾 多門 | 16.7 | 81.1 | ▲ 51.8 | ▲ 7.0 | 39.0 | 5 | ||||||
6 | 藤原 英司 | ▲ 2.7 | 13.6 | 19.2 | ▲ 13.6 | 16.5 | 6 | ||||||
7 | 浜上 文吾 | 31.6 | ▲ 8.8 | 3.3 | ▲ 26.5 | ▲ 0.4 | 7 | ||||||
8 | 柴田 祐一朗 | ▲ 18.0 | ▲ 36.3 | 61.5 | ▲ 14.3 | ▲ 7.1 | 8 | ||||||
9 | 小川 善章 | ▲ 6.7 | ▲ 33.3 | ▲ 5.3 | 26.0 | ▲ 19.3 | 9 | ||||||
10 | 小車 祥 | ▲ 2.5 | 18.1 | 2.2 | ▲ 46.7 | ▲ 28.9 | 10 | ||||||
11 | 福田 正道 | ▲ 38.1 | ▲ 66.9 | ▲ 37.5 | 13.8 | ▲ 128.7 | 11 | ||||||
12 | 安東 裕允 | ▲ 63.9 | ▲ 21.9 | ▲ 85.3 | ▲ 2.2 | ▲ 173.3 | 12 | ||||||
13 | 塚本 将之 | 15.6 | ▲ 81.0 | ▲ 67.5 | ▲ 83.6 | ▲ 216.5 | 13 |
決勝進出者 4名 降級者 2名
決勝進出&降級ライン:順位枠内に表示
Bリーグレポート:菊池豪
A卓(名倉×藤井×佐藤×石原×伊東)
B卓(安永×福田×古本×菊池×中島)
C卓(宮崎×服部×榎田×川崎×氷室)
D卓(藤原×藤岡×鶴×矢野)
今回レポートを担当させていただく28期生の菊池です、どうぞよろしくお願いいたします。
あまりにも早く訪れた西日本の猛暑の続く中、会場へと向かう道すがらいつもより人の往来が多いことに気付く。「あぁ、そういえば今日は追い山(博多山笠祇園祭のクライマックス)だったな。」と長年生まれ育った土地の一大イベントが今夜であったことを思い出させる。本来ならば今年は誰を誘って行こうかと思案しているところだが、今年ばかりはそう悠長なことを考えてはいられない。今期は昇級がかかっているのだ、お前は昇級したいんだろと自らに発破をかけ、歩を進めた。
A卓では今期好調の名倉がテンポの良い打牌を持ち味にオール連帯で50P弱の上積みに成功。1年間Aリーグで辛酸を舐めつづけてきた男がAリーグで得たものがBリーグで活かされている。
B卓では前節に卓内1人沈みの屈辱を味わった中島さんが4連勝、120P超えの大爆発。特筆すべきは、
1回戦、南4局1本場。
ポン ハイテイツモ ドラ
3回戦、南4局。
ポン ツモ ドラ
いずれも4着目からのトップ。にもかかわらず、競技麻雀をこよなく好々爺は少しばかり饒舌にはなれどその顔は穏やかであった。
一方、トータルポイントを持っている、古本・菊池はそれぞれ停滞・後退を余儀なくされ来節の決勝卓に向けて不安を残す形となった。
C卓では実力者川崎が安定した打ち筋で卓内トップ。29期生宮崎もスピードと手数で場を先行し、ポイントもプラスをマークしたものの川崎には届かなかった。
D卓では首位をひた走る藤原が1人浮きトップ3回の快勝。トータルポイントも200超えを果たした。対局を見るかぎりポイントを持っているせいかだいぶ余裕が感じられ、その余裕がこの好成績に直結しているのではと思われる。
私自身、第3節終了時点では+122.1Pの3位の位置につけており、2位の名倉との差は40Pほど。今節は何としてでも名倉との差を縮めておきたいところだった。が、しかし蓋を開けてみれば40Pを超えるマイナスを抱える結果になってしまった。来節は待ちに待ち焦がれた直接対決ではあるものの2位の名倉との差はおよそ120P。非常に厳しい数字ではあるが、対局日までの残された時間を悔いなく過ごし、最終節に臨んでいきたい。
Bリーグ
順位 | 名前 | プロ/アマ | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 藤原 琢 | プロ | 4.0 | 105.2 | 64.2 | 67.7 | 241.1 | |
2 | 名倉 徹 | プロ | 0.7 | 73.7 | 69.9 | 46.8 | 191.1 | |
3 | 菊池 豪 | プロ | 116.4 | ▲ 27.8 | 33.5 | ▲ 43.6 | 78.5 | |
4 | 古本 和宏 | プロ | 2.1 | 32.5 | 43.5 | ▲ 6.8 | 71.3 | |
5 | 川崎 行広 | プロ | ▲ 18.2 | 41.7 | 4.1 | 37.3 | 64.9 | |
6 | 宮崎 皓之介 | プロ | 18.9 | ▲ 13.6 | 16.9 | 15.9 | 38.1 | |
7 | 藤井 崇勝 | アマ | 59.8 | ▲ 20.6 | 16.1 | ▲ 17.9 | 37.4 | |
8 | 服部 学 | プロ | 33.3 | ▲ 29.3 | 15.1 | 13.2 | 32.3 | |
9 | 鶴 浩昭 | プロ | 22.4 | ▲ 22.1 | 17.3 | ▲ 4.8 | 12.8 | |
10 | 石原 忠道 | アマ | ▲ 3.0 | ▲ 11.3 | 37.4 | ▲ 20.7 | 2.4 | |
11 | 氷室 哀華 | プロ | ▲ 2.0 | 50.5 | ▲ 36.1 | ▲ 34.6 | ▲ 22.2 | |
12 | 安永 敏郎 | アマ | ▲ 55.0 | 2.8 | 4.6 | 22.0 | ▲ 25.6 | |
13 | 矢野 拓郎 | プロ | ▲ 63.0 | 42.2 | 8.8 | ▲ 26.9 | ▲ 38.9 | |
14 | 佐藤 健治 | プロ | ▲ 1.2 | 2.2 | ▲ 86.9 | 17.0 | ▲ 68.9 | |
15 | 伊東 宏倫 | プロ | ▲ 39.4 | 22.1 | ▲ 27.9 | ▲ 45.2 | ▲ 90.4 | |
16 | 中島 行泰 | アマ | ▲ 40.9 | ▲ 70.9 | ▲ 81.6 | 102.4 | ▲ 91.0 | |
17 | 福田 譲二 | プロ | 31.9 | ▲ 15.5 | ▲ 74.2 | ▲ 74.0 | ▲ 131.8 | |
18 | 藤岡 治之 | プロ | 5.2 | ▲ 58.7 | ▲ 100.0 | ▲ 38.0 | ▲ 191.5 | |
19 | 榎田 賢二郎 | プロ | ▲ 92.3 | ▲ 36.5 | ▲ 44.7 | ▲ 31.8 | ▲ 205.3 |
昇級者 2名 降級者 3名
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
Cリーグレポート:河野みのり
A卓(相本×濱田×樋口×流水)
B卓(河野×友保×西川×山本江利香)
C卓(松尾×吉田×山本光男×水町)
D卓(下山×山本秋桜里×藤瀬×公文)
E卓(陣野×原×高野×高末)
F卓(松本×弘中×北島×進)
今回で通算2回目のレポート担当になります28期生の河野みのりです。よろしくお願いします。
早いもので連盟に所属してもう2年目。そろそろBリーグに昇級したいところなのだが、第3節までの私のトータルポイントは▲77.7Pのアンラッキーセブンという痛い数字である。
今節を含めてあと2節、やれる事と言えばポイントを叩くことのみ!という意気込みでやって来た私の今回の卓組はこちらである。
『河野、友保、西川、山本江利香』
珍しいことに、完全に女流卓であった。
翌週から始まるプロクイーンに向けて、好い結果でみな終えたいところ。
そんな中迎えた1回戦目。
東1局での親番から1,300オール、700は800オール、400・700と、手代わり待ちのヤミテンをよくあっさりツモった。
少しずつだが点棒を稼げてはいたものの、東3局。じっと我慢していた山本がポン、ポンをし、一気に卓内に緊張が走った。そして私が打ったで放銃となる。
ポン ポン
この12,000を放銃し、一気に24,000点のラス目に落ちる。いつもならメンタル崩壊するところだが、今日は食らいつきアガリ返す。
南場の後半は山本のターンになり、山本の親番では5本場まで続く猛連荘。
私の結果は▲0.1Pの2着。山本の1人浮きとなった。
続いて2回戦目。南1局、ここで今日一番の本手が入る。
ツモ ドラ
気合いを入れてリーチをかけるも、終盤に西川が友保から3,900をヤミテンでアガる。
南3局。28,700点で迎えた親番。余談だが、個人的に南場の親番が大好きな私。
なんとしてでも連荘したかったが、43,000点のトップ目の西川が早かった。早い巡目からの3フーロで、あっさり1,000点で流されてしまう。
3回戦目。南場、先ほども言った大好きな親番の12巡目。ここで今日一番の後悔をしてしまう。
ドラ
この形で下家の国士気配の西川からドラ表示牌含めて3枚目のが出る。これを私はチーしなかったのである。日和ってしまったのだ。
持ち点は32,000点で、親番だし仕掛けてテンパイを絶対に取らなければいけない局面だったのに。
結果的にトップで終了したが、悔いの残る局であった。
4回戦目。2,000・4,000は2,200・4,200をアガったりテンパイ料に恵まれての迎えた南3局、41,900点のトップ目。
親の西川がをポンしとのシャンポンで高い手をテンパイ。
山本も押している印象があったが、終盤で私がフリテンのをツモ。この400・700は600・900は、西川の手を成就させなかったという意味でもかなり大きいアガリとなった。
迎えたオーラス親番、トップ目ではあったが七対子ドラ待ちの押さえつけリーチをかけるも、山本がツモアガって終了した。
4回戦目は他の半荘よりもかなりがっついたのが良かったのか、トップを取ることができ今節は+30.1Pで終わった。
今回戦って印象に残ったのは、山本の冷静さである。他家が暴れ回っても決して自分のスタイルを崩さずにじっと我慢。そして、ここぞというときにそっと大爆発するのである。そんな彼女は今回+43.4Pの卓内トップ。
トータルポイントも+116.7Pまで伸びて13期リーグ戦ではBリーグに昇級するのではないか。
昇級メンバー6名の全てが決定する次回の第5節が楽しみである。
Cリーグ
順位 | 名前 | プロ/アマ | 1節 | 2節 | 3節 | 4節 | 5節 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 相本 長武 | アマ | 54.0 | 99.5 | 39.3 | ▲ 19.8 | 173.0 | |
2 | 下山 哲也 | プロ | 73.3 | ▲ 22.7 | 36.6 | 70.5 | 157.7 | |
3 | 原 宙史 | アマ | 115.2 | 49.1 | ▲ 22.8 | ▲ 1.1 | 140.4 | |
4 | 山本 江利香 | プロ | 30.1 | 22.2 | 21.0 | 43.4 | 116.7 | |
5 | 弘中 栄司 | アマ | 122.3 | ▲ 10.1 | ▲ 6.5 | 4.6 | 110.3 | |
6 | 陣野 良貴 | プロ | 5.3 | 21.5 | 8.8 | 35.3 | 70.9 | |
7 | 濱田 貴幸 | アマ | ▲ 50.0 | 10.0 | 28.9 | 77.8 | 66.7 | |
8 | 松尾 樹宏 | プロ | 7.8 | ▲ 9.9 | 2.9 | 28.2 | 29.0 | |
9 | 北島 勇輝 | プロ | 9.6 | 24.6 | ▲ 9.7 | ▲ 5.2 | 19.3 | |
10 | 水町 慎一 | プロ | ▲ 17.4 | 42.4 | 49.0 | ▲ 69.4 | 4.6 | |
11 | 樋口 徹 | プロ | 65.8 | 29.6 | ▲ 43.4 | ▲ 47.5 | 4.5 | |
12 | 吉田 彩乃 | アマ | ▲ 27.5 | ▲ 16.2 | ▲ 26.4 | 74.3 | 4.2 | |
13 | 西川 舞 | プロ | 15.4 | ▲ 22.4 | ▲ 3.2 | 7.6 | ▲ 2.6 | |
14 | 河野 みのり | プロ | 9.0 | ▲ 51.3 | ▲ 35.4 | 30.1 | ▲ 47.6 | |
15 | 藤瀬 恒介 | アマ | 7.6 | 0.6 | ▲ 67.1 | 1.6 | ▲ 57.3 | |
16 | 高野 翔太 | アマ | 10.8 | ▲ 4.9 | ▲ 32.3 | ▲ 31.4 | ▲ 57.8 | |
17 | 進 栄二 | プロ | ▲ 4.9 | 27.3 | ▲ 69.0 | ▲ 21.3 | ▲ 67.9 | |
18 | 公文 寛明 | アマ | ▲ 31.5 | 9.2 | 28.1 | ▲ 91.5 | ▲ 85.7 | |
19 | 高末 丈永 | アマ | ▲ 65.3 | ▲ 20.7 | 0.9 | ▲ 4.8 | ▲ 89.9 | |
20 | 流水 聖人 | プロ | 3.7 | 11.9 | ▲ 100.0 | ▲ 10.5 | ▲ 94.9 | |
21 | 松本 路也 | アマ | ▲ 121.2 | ▲ 32.0 | 33.9 | 21.9 | ▲ 97.4 | |
22 | 山本 秋桜里 | プロ | ▲ 58.7 | ▲ 29.2 | ▲ 33.7 | 19.4 | ▲ 102.2 | |
23 | 哀河 斗南 | プロ | ▲ 54.8 | ▲ 78.1 | 19.1 | ▲ 100.0 | ▲ 213.8 | |
24 | 友保 美香里 | プロ | ▲ 93.7 | ▲ 73.4 | ▲ 100.0 | ▲ 81.1 | ▲ 348.2 |
昇級者 2名 降級者 3名
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
カテゴリ:九州プロリーグ レポート