第38期鳳凰戦A1リーグ最終節A卓レポート
2021年12月16日
【吉田直が+119.5Pをマークし奇跡の残留】
今期鳳凰戦A1リーグも遂に最終節。対局者と開始前のポイント差は以下の通り。
10位 西川淳
11位 紺野真太郎
12位 瀬戸熊直樹
13位 吉田直
A1残留を目指して11位以上を目指す戦い。現状の残留ラインは紺野の▲93.4P。瀬戸熊はおよそ126p、吉田はおよそ137Pを詰められるか、そして西川、紺野は下位に2人以上置いたまま今期を終える戦いである。
長い1日が始まった。
最初にアガリを決めたのは親番瀬戸熊。ツモドラ3の4,000オール。
今度は吉田がホンイツ、5,200は5,500を西川から。
西川が積極的に仕掛け局を消化してオーラスを迎えるが、親番吉田がとのシャンポンを選んでリーチ。高めのをツモって4,000オール。吉田がトップスタートとなった。
1回戦は下克上成功という結果に。しかし西川と紺野が「一緒に残留しよう」という麻雀は成立するが、瀬戸熊と吉田が「一緒に逆転しよう」はポイント的に難しい。奇跡を呼び込めたとしてもそれはきっと1人だけ。どちらがその権利を手にするのか?
2回戦東1局。紺野のリーチ宣言牌はドラの。これを瀬戸熊がポンして吉田から7,700。
痛い放銃となった吉田だが、東3局親番で三色ドラの待ち。3,900オールは4,200オール(+1,000)のツモアガリで復活。
4本場には紺野がのヤミテン。
ドラ暗刻の瀬戸熊、テンパイ打牌がとなり、紺野7,700は8,900のアガリ。
トップ目となった吉田。南2局にドラ雀頭の待ち。瀬戸熊からのを見逃し、西川か紺野からの直撃を狙う。
結果はすぐ2,000・3,900は2,100・4,000のツモ。「現物ですら安全ではない。」西川と紺野に絶大なプレッシャーを与えた。
だが、こういった戦いになるのは守る2名も承知の事。一度山越しを狙われたくらいで引き下がりはしない。南3局、紺野がタンヤオドラ3。8,000は8,900(+1,000)のアガリ。
オーラスは西川がメンピンドラドラ、11,600は12,200(+2,000)を決める。
西川が加点して4本場までもつれたオーラス。吉田がリーチで終わらせに来る。
紺野アガれば浮きの七対子テンパイ。を勝負して吉田のアガリ。2連勝を決めた。
2回戦は何度もリーチ負け。3回戦も細かい放銃が続き、かなり厳しいポジションの瀬戸熊。
三暗刻確定の手牌、浮き牌の縦重なりを期待して切りとするが
西川のリーチを受けて引き戻しのフリテンツモ。1,300・2,600(+1,000)のアガリとなる。
これをきっかけに瀬戸熊のクマクマタイムが発動。
東3局はリーチツモドラドラの単騎、2,000・3,900。
東4局1本場はフリテンリーチ。高めツモでリーチタンヤオツモ三色の4,000オールは4,100オール。
南3局にはメンホンのカンが紺野から出て8,000。
オーラス親番の瀬戸熊はここぞとばかりにリーチを畳み掛けるが、4本場で吉田がアガってようやく連荘ストップ。
瀬戸熊が大トップ、吉田浮き2着で3回戦が終了。
最終節A卓の最終戦開始前の成績。現状は西川と紺野が残留だが、誰が降級してもおかしくない差となった。
大まかな条件を記しておくと
西川は2着以上なら残留、3着以下だとポイント勝負
紺野と吉田はほぼ着順勝負だが、西川次第では2人とも残留の可能性あり
瀬戸熊は3人中2人を捲るのが残留条件。およそ70ポイント差を詰める戦い。
東1局。親番瀬戸熊の先制リーチを受けた吉田は切りで追っかけリーチ。しかしそれが瀬戸熊のリーチ三色7,700は8,000に放銃となる。
東2局には西川がドラ暗刻のイーペーコー、ペン待ち。これに飛び込んだのも吉田。
絶体絶命の吉田は東3局で14,000点。のみのカンからトイトイに変化させて1,300・2,600をツモアガると
ここから吉田、8局連続のアガリ。
最終節オーラス。
現状は吉田、西川が残留。
親番紺野はどちらかをかわすまで連荘。
瀬戸熊は吉田か西川からダブル役満、ダブル役満ツモ条件。
オーラスは吉田がチャンタの2,000をアガって決着。
この結果により
吉田直
西川淳
のA1残留が確定した。
瀬戸熊「落ちるには理由があるので、ダメな所を修正して戻れるように頑張りたい。凄い熱い応援をいただいて、何とか期待に応えたいと思っていましたが、気合いが空回りしてしまい、申し訳ない。今は感謝の気持ちでいっぱいです。ご声援ありがとうございました。」
紺野「まずは細い条件をクリアして来た吉田を褒めたい。70沈んでしまったので、この結果は仕方ない。4年間A1に居ましたが、力が劣っていたと感じている所です。戻ってこられる事があれば、互角に戦える力を付けて来たいです。」
西川「今期は開幕から6節連続マイナスして苦しかったのですが、応援してくれている方が「淳さんは絶対逆転するから大丈夫。」と言ってくれた事を支えに頑張れました。残留は出来ましたが数値はマイナスなので、春までに立て直して頑張りたいと思います。」
吉田「(率直な気持ちを訊かれて)嬉しいです。それ以外にないです。」
「最終節はツキましたが、それまでの麻雀に反省点も多く、降級は覚悟していました。来年は始めからしっかり打ってやっぱりA1だなと思ってもらえるように頑張りたいです。」
次回A1リーグ最終節B卓は
2021/12/15(水) 17:00
藤崎智
沢崎誠
杉浦勘介
近藤久春
解説 森山茂和を予定しています。
こちらも是非ご覧ください。
カテゴリ:プロリーグ(鳳凰戦)レポート