プロリーグ(鳳凰戦)レポート

第38期鳳凰戦A2リーグ第最終節D卓レポート

一井・藤島、悲願のA1昇級!

1月11日(火)、第38期鳳凰戦A2リーグ最終節D卓が放送された。対局者は一井慎也、藤島健二郎、石渡正志、高橋良介。
このD卓が実質的にA1への昇級を争うことができる唯一の卓だ。

 

 

 

一井はほぼ昇級が安泰な状況。高橋・石渡が藤島をとらえられるかどうかに注目が集まる。
1回でもトップを取ってしまえば、追う2人に大きなプレッシャーをかけられる藤島。1回戦東2局、西をポンしてホンイツのテンパイ。

 

 

最初にリードを拡げたいところであったが、16巡目に放った四筒に高橋からロンの声。

 

 

ドラ暗刻の手が開き、最初の点棒移動は直対相手へ8,000の放銃となった。しかし、そんな痺れる状況の中で藤島らしい判断を見せたのは東4局。

 

 

タンヤオピンフドラ1・高目イーペーコーの手をヤミテンに構え、高橋から7,700。安目は打点的に少々不満だが、高目に関してはリーチとヤミテンで大きくアガリ率が変わりそうな状況だ。冷静な判断に「俯瞰の眼差し」の異名を思い起こさせた。
このアガリで辛くも4着を回避した藤島だったが、2回戦では石渡の猛追がスタート。

東3局3本場、連荘で4万点超えのトップ目となった親の石渡が一筒をポンしてチンイツのツモアガリ。

 

 

この瞬間、藤島とのポイント差を10P程度に詰める。勝負は一気に混沌としたが、藤島はこの半荘2着にとどまると3回戦では接戦を制してトップ。
ほぼ開始時点のポイント差をキープして最終戦へ。
ここさえ乗り切れば昇級の藤島だったが、この日最大の試練が東1局に訪れる。
石渡が七万をポン、六万を暗カン。手数の多い石渡の仕掛けということもあり、仕掛けを受けた側からはトイトイのみや役牌バックの仕掛けということも考えられる状況だが…

 

 

手の内にはなんとドラの一筒中が暗刻。山に2枚の24,000テンパイ。これをアガられるとかなり苦しい状況となる藤島だったが、四筒トイツ落としで回りテンパイ復活を果たすと、値千金の三万単騎ツモ。

 

 

あまりにも大きい300・500のアガリを果たすと、その後もアガリを重ねトップに。同期の一井と共に、初のA1リーグ昇級を果たした。

 

藤島「21年かけてA1に行くことができました。まだまだ道半ばなので最終的な鳳凰位という夢に向かってしっかりA1でも戦えるよう、来期からも頑張りますので応援よろしくお願いします。」

 

一井「5年後、10年後A1で鳳凰位にふさわしい人間になれるよう精進していきたいと思います。皆さんの応援があって乗り切れたので、来年も応援にふさわしい麻雀が打てるよう頑張ります。」

第38期鳳凰戦A2リーグはこれをもって全試合が終了。昇級は一井・藤島。降級は仁平・魚谷・麓・伊藤という結果となった。
来期はA1から紺野真太郎・瀬戸熊直樹が降級。B1から柴田吉和・井出康平・三浦智博・猿川真寿が昇級し、A2リーグで戦うことになる。既に知名度・実績共に十分の選手達であり、より熾烈な戦いが予想される。来期も是非お楽しみに。

(文・浜野太陽)