第5期北陸プロリーグ 第1節レポート
2022年06月14日
初めまして。ご存じの方はご無沙汰しております。
日本プロ麻雀連盟北陸支部22期生の荒谷誠と申します。
中部本部にてプロの門をくぐり、同Aリーグにて諸先輩に指導を受けてきましたが、約10年前、地元の北陸支部に移籍して、北陸の地にて研鑽を積んでおります。
今期もまた、ではありますがプロリーグの観戦記執筆を拝命いたしました。
拙い文章ではありますが、リーグ最終節まで宜しくお願い致します。
令和4年5月29日、第5期となる北陸プロリーグが開催された。
今期は新人4名を新たに迎えて、総勢19名にて決勝の椅子を争う戦いとなる。
昨年のグランプリMAXでの里木の健闘も記憶に新しい、競技麻雀打ちの目指す舞台へと、今年も戦いの火蓋が切って落とされた。
開幕に大きくスコアを伸ばし、首位発進となったのが前期チャンピオンの里木。
同卓の宮成、如月の新人達に洗礼を浴びせる形となる3トップにて初戦を飾った。
里木が振り返って分水嶺であったであろう1局がこちらである。
4回戦南3局 南家 ドラ
リーチ ツモ
里木の感性が冴え渡る3,000・,6000で1人沈みを脱し、続く親番で2,000オール、6,000オールで一気に1人浮きに駆け上がり初日の大スコアを叩き出した。
「前期は繰上りからの決勝だったので、今期はしっかりと4位以内で進出し、そして連覇を達成したいです。」
「連覇」という言葉を力強く口にした里木。
帝陸戦でも首位争いを演じており、まさに気力充実という感があり、名実ともに決勝の一番手に名乗りを上げたと言って良いだろう。
次に注目したいのは3番手につけた南。
北陸プロリーグではなかなか結果を残せず苦戦していた彼だが、今期こそは、と後に語った意気込みの強さが結果として現れた。
今期に懸ける思いの強さを体現した1局が下記。
1回戦南1局 北家 ドラ
リーチ ツモ
普段の丁寧なスタイルの彼ならば無論のヤミだが、「決勝に残る」という覚悟を感じさせるリーチ。
結果のツモこそ僥倖もあるのかもしれないが、その意志の強さに牌は応えてくれた。
「自分らしい麻雀でガンガン目立って結果を残します!」
若手らしいがむしゃらさと嚙み合った勢いで、一気に駆け抜ける事が出来るか。
また、冒頭にて触れたが、今期北陸支部には4人の新人が新たに加わっている。
如月、松井、宮成とプロの壁にあたって苦戦を強いられた中で、1人スコアを伸ばして4位につけたのがルーキーの堂垂。
堂垂 正裕(どだれ まさひろ)富山県出身。
愛知県にて麻雀を学び、東京でプロテストを受験し、この度北陸でプロデビューを果たした26歳である。
「初のリーグ戦なので、実力を試すつもりで自分らしく楽しんで勝負していきたいです。1つでも上の順位、1ポイントでもプラスを目指します」
奥ゆかしい好青年然とした若者だが、麻雀ではバランス重視の試合巧者のような立ち回りを見せる。
3回戦東1局西家 ドラ
ツモ
親リーチを受けてのマンズ無筋2枚。
ここから無理せず現物ので回り、手を組みなおす。
が安全牌となり、を縦に引いたことで打点も見込めるのでを勝負して横に曲げる。
リーチ ツモ
一発でツモりあげて2,000・4,000。
トータル43.8Pは暫定ながら4位という好位置であり、他のプロからも今後マークの対象となるであろうポジションである。
「いつも通り、自分にとってプラスになる選択肢を取り続ける努力をします。今節は小さなミスを運に助けられるケースもあったので、ミスを減らすよう打っていきたいです。」
若者風の言葉選びの中にも、謙虚さと自信を備えた、将来を感じさせる堂垂。
もしかすると、今期北陸プロリーグの台風の目となるのかもしれない。
緒戦となった今節は、決勝の常連である藤本や支部屈指の実力者である木戸は苦しい立ち上がりとなった。1年を通しての戦い故、逆風を受ける時もあるだろう。そういった状態からの逆襲・立て直しがどのように行われるのか、百戦錬磨の彼らの次節以降にも耳目が集まるだろう。
かつて現在のMリーガー、本田朋広を輩出した北陸プロリーグ。
今年は誰が制するのか、どのようなドラマが待ち構えているのか。
私を含めて全員がひたむきに頂点を見据えて争う模様を、どうかご覧いただきたい。
(文:荒谷誠)
カテゴリ:北陸プロリーグ レポート