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第10期プロクイーン決定戦 最終日観戦記

プロクイーン決定戦、最終日。
この日も、澄みきった青い空がどこまでも続いていた。
秋晴れの綺麗な空に心地よく吹く秋の風。
今日の舞台で吹く秋風は、心地よく吹く順風か。はたまた、奇跡の逆風が吹き荒れるのか。

queen_10_fin_32

6回戦(起家から、室伏・清水・安田・豊後)抜け番:和久津

5回戦終了時点での成績は、

清水 +115.3P
安田 +85.9P
室伏 ▲23.7P
豊後 ▲86.7P
和久津 ▲91.7P

上から下までが縦長な成績となった。
上位である2人は、大崩れするタイプではなく、よほどの事がない限り上位2人のどちらかが逃げ切るだろうと思った。
東4局、親番の豊後は先制リーチを打つ。

四万五万六万4索4索5索5索7索8索9索一筒二筒三筒 リーチ ドラ4索

待ちはあまり優秀とは言えないが、万が一アガる事が出来れば大きな加点となる。
今日の豊後からは、昨日の終盤に見せた弱気な表情は見られなかった。
ただ前を見据え、上位2人を捉えようと懸命に戦っている。
そこにテンパイを果たした清水。

二万二万3索4索5索四筒六筒六筒八筒八筒東東東 ツモ六筒

親リーチに対して、果敢にも無筋を叩き切って行く。
戦う清水の姿は、トップ目に立ったからといって変わらない。
これをしっかりと3,200で清水がアガリ切る。

南1局、攻める姿勢を崩さない豊後が続けてリーチを打つ。

五万五万5索5索一筒一筒五筒五筒七筒七筒白白中 リーチ ドラ中

この中は、1人1枚ずつ抱えていて、既に純カラだ。
室伏も終盤に、チンイツのテンパイを果たす。

4索5索5索6索6索7索7索8索8索9索中 ポン2索2索2索

ここで少考の末、現物の打8索として中単騎に構える。
ドラの中を打ったところで、自分のアガリ目は厳しいと判断したのだろう。冷静な判断である。
この局は2人テンパイで流局。

点棒に大きな動きもないまま迎えた南4局。親番の豊後に勝負手が入る。

五万七万八万九筒東北北白白白発発中 ドラ8索

伸び方によっては満貫から跳満まで見える。
しかし、字牌が山に深く、テンパイを果たしたのは10巡目。

七万八万東東北北北白白白 ポン発発発

この形でテンパイをするが、清水からリーチが入る。

3索4索7索8索9索9索9索一筒一筒一筒四筒五筒六筒 リーチ

清水のリーチは、豊後にとっても直撃チャンスになるので好都合であった。
しかし、ここに七対子のみでテンパイしていた室伏が、一発で飛び込み清水の5,200のアガリとなった。

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2日目も、清水のトップでのスタートを見て、会場内の誰もが清水の優勝を確信しただろう。
総合で2位につける安田とのポイント差ですら、80ポイント以上ある。
清水がここから大崩れする様子など想像も出来なかった。

しかし、清水にとって鬼門とも言える波乱の7回戦が待ち受けていたのだ…。

6回戦成績
清水+29.8P  豊後+6.2P  室伏▲11.3P  安田▲24.7P

6回戦終了時
清水+145.1P  安田+61.2P  室伏▲35.0P  豊後▲80.5P  和久津▲91.8P

7回戦(起家から 、和久津・清水・安田・室伏)抜け番:豊後

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場が大きく動き出すのは南場に入ってからの事だった。
南1局、和久津の親番で、和久津は驚異の粘りを見せる。
南1局、清水の先制リーチに、和久津が追っかけリーチで一発ツモの2,000オール。
南1局1本場、親番中の和久津は、5巡目には東西を仕掛けてこの形。

二万二万六万7索五筒五筒六筒 ポン西西西 ポン東東東 ドラ発

褒められた仕掛けではないが、和久津の親番に対する執着が伝わってくる仕掛けだ。
そして、

二万二万一筒三筒五筒五筒六筒 ポン西西西 ポン東東東

ここから二万をポンして打六筒。3枚切れかつフリテンのカン二筒に受けた。
和久津の狙いは、もちろんこの形のままアガる事ではない。
周りを牽制させて、親番を維持する事がメインで、トイトイに変化するような事があればラッキーといったところか。

そして、ツモ五筒三筒四筒の待ちに振り替える。
これを、安めではあるが安田から四筒で出アガリ、2,000は2,300で親番を維持をする事に成功した。
ここから始まる和久津の怒涛の追い上げは、ここが分岐点だったように思う。

「明日は生きるか死ぬかでやります」

と、腹を括った和久津は、ただただ強かった。

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南1局2本場。

三万四万五万六万七万八万八万八万4索4索6索7索8索 ドラ七万

まずはこの形で和久津がリーチを打つと、4,000は4,200オールのツモアガリ。
南1局3本場、またしても和久津が先制リーチ。

三万三万四万四万七万七万九万九万七筒七筒南南中 リーチ ドラ八万

すると、ここに1シャンテンだった清水が一発で飛び込む。
裏ドラが四万で18,000は18,900のアガリ!清水からの直撃に、和久津は更に波に乗っていく。
更に加点を続けて1人テンパイ。2,600は3,100オール。1人テンパイ。と、連荘を続けていき、迎えた南1局7本場。

三筒三筒三筒三筒五筒五筒六筒七筒九筒九筒 ポン一筒一筒一筒 ドラ南

和久津は一筒をポンすると、9巡目には4枚目の三筒を引き入れ、カン四筒の満貫テンパイ。
河には1枚もピンズは余っていない。そこに、七対子1シャンテンとなった清水が暗刻の四筒を打ち出した。
清水も、まさか和久津が既にテンパイをしているなんて夢にも思わなかっただろう。
あまりにも痛い12,000は14,100の放銃となった。

このアガリで、和久津はまさかの100,000点超え。
反対に清水は、箱下15,300点となってしまったのだ…。

南1局8本場には、室伏の早いテンパイに、またしても清水が放銃。3,900は6,300。
南2局、清水の親番では、13巡目に打たれた1索をポンして形式テンパイを取る。

三万四万五万5索6索7索8索9索八筒八筒 ポン1索1索1索 ドラ八万

そこに、北家の和久津も押し返してテンパイを入れる。

八万八万4索5索四筒四筒五筒北北北 ポン2索2索2索

ここから3索をチーして四筒切り。
マンズやソーズは、和久津の河にほとんど切られ、場に高いピンズのテンパイ(四筒の跨ぎ筋だろう)である事はほぼ間違いない。
更に和久津は、持ってきた2索を加カンして新ドラは7索。そのドラのいずれも清水の目からはほとんど見えていない。
そして清水は、終局間際に持ってきた六筒で和久津に5,200の放銃となった。
清水らしくない放銃は、箱下20,000点超えで流石にメンタルが揺さぶられたか。
清水の表情が辛そうで苦しそうに見えた。

南4局、そこまで大人しかった室伏が4,000オールをツモる。
南4局1本場、和久津から8巡目にリーチが入る。

一万一万一万3索5索7索8索9索四筒四筒六筒七筒八筒 ドラ4索

そこへ、ヤミテンに構えていた安田が、

四万四万五万六万七万3索3索6索7索8索六筒七筒八筒 ツモ五筒

ここから打四万
678の三色やタンピンも見える広い1シャンテンにはなるが、リーチを受けて一発で危険牌、かつ1シャンテン戻しはなかなか出来るものではない。
和久津の河に七筒が早いので、通りそうな八筒を打ってしまいそうだ。
受ける局面の多かった安田だが、戦うべき局面の判断は間違えない。

しかし、ここも和久津が4索をツモアガリ2,000・4,000!
何とか堪えていた安田までも箱下となってしまった。
和久津は118,300点の大トップで終了。
この1半荘でトップを走る清水との差を150P以上縮める事となった。

「大変な事になった…」

会場内の誰もがそう思ったに違いない。こんな奇跡の逆風を、誰が予想しただろうか?
しかし、これで5人全員に優勝の可能性が生まれた。
1つしかないプロクイーンの椅子に座るのは、果たして誰になるのだろうか。

7回戦成績
和久津+103.3P  室伏+9.3P  安田▲35.2P  清水▲77.4P

7回戦終了時
清水+67.7P  安田+26.0P  和久津+11.5P  室伏▲25.7P  豊後▲80.5P

8回戦(起家から、和久津・清水・豊後・室伏)抜け番:安田

こういった戦いにおいて、追い上げる側は自分に追い風が吹いているように感じて強気になれるが、追い上げられる方はただただ不安に感じるものだ。
まだポイント差はあるものの、清水が何度も不安そうにポイントが書いてある紙を見上げる様子が印象的だった。

南2局、清水が3着目で迎えた親番。
室伏の仕掛け、和久津のリーチを受けるが、清水は押し返す。
そして、追い付いた親の清水が力強くツモりアガった。

四万五万七万八万九万西西白白白 チー四万二万三万 ツモ六万 ドラ三万

この強烈な4,000オール。これで清水が完全に息を吹き返した。

queen_10_fin_24
南2局2本場、続く清水の親番、清水からリーチが入る。

三万三万1索2索3索7索8索9索一筒二筒三筒五筒六筒 リーチ ドラ1索 裏ドラ七万

これを一発ツモで4,000は4,200オール。
清水は再び後続を突き放し、総合ポイントで大きく抜け出した。

8回戦成績
清水+38.2P  和久津+8.9P   室伏▲8.9P  豊後▲39.2P

8回戦終了時
清水+105.9P   安田+26.0P  和久津+20.4P   室伏▲34.6P  豊後▲119.7P

9回戦(起家から、和久津・豊後・安田・室伏)抜け番:清水

東1局、4巡目に安田が東を1鳴きした。

2索2索5索6索8索9索三筒五筒北発中 ポン東東東 ドラ6索

遠くにホンイツを見ているのだろうが、安田にしては少し遠い仕掛けか。
すると、親の和久津のツモが伸び、リーチが入る。

五万六万七万3索4索6索6索6索一筒一筒六筒七筒八筒 リーチ

安田は、カン二筒テンパイから親のリーチを受けて、ホンイツテンパイに組み直す。

2索2索3索4索5索6索7索8索9索9索 ポン東東東 ツモ3索

しかし、終盤にこのテンパイとなり打2索。和久津に12,000の放銃となった。
南4局、安田が1人大きめのラスで迎えたオーラス。室伏の親番。

一万三万五万五万五万六万六万七万七万東東中中 ドラ2索

室伏は12巡目に、上家から打たれた七万に長考してポン、打東とした。(東が2枚切れ)
しかし、この室伏の鳴きが誘発したかのように、安田にテンパイが入りリーチ。

二万四万九万九万2索3索4索7索8索9索二筒三筒四筒 リーチ

これを一発ツモで3,000・6,000!
一気にダンラスから2着目に浮上する大きなアガリとなったのだ。

9回戦成績
和久津+25.4P  安田+3.0P  豊後▲7.0P   室伏▲20.9P

9回戦終了時
清水+105.9P   和久津+45.8P  安田+29.0P  室伏▲55.5P  豊後▲127.2P

10回戦(起家から、和久津・豊後・安田・清水)抜け番:室伏

この10回戦で5位敗退者が決定する。
豊後が残るためには、80,000点のトップが必要と、かなり厳しい条件となっている。
でも、豊後には落胆したような表情は見られなかった。

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東2局1本場、豊後の親番。

一筒一筒一筒三筒四筒七筒八筒九筒白白 ポン東東東 ドラ白

豊後はこのポンテンの、6,000は6,100オールをツモアガる。
まだまだ4位までは遠いが、勝負はここからだ。
最後まで諦めずに前を向いて戦う姿を、豊後のために集まってくれた応援してくれている方々に見せて欲しいと思った。

南4局、清水の親番。
オーラスの点数は、
豊後 48,700
安田 29,400
清水 20,900
和久津 20,000
こうなっていて、最後の親番が落ちてしまった豊後の4位残りはかなり厳しくなった。
何とか清水をラスで終わらせたい安田と和久津に、せめて3着のまま終わりたい清水といった感じか。

そんなオーラス、先制リーチを打つのは安田。

八万八万1索2索3索4索5索7索8索9索五筒六筒七筒 リーチ ドラ7索

そこへ、何とか1,000点をアガって清水を捲りたい和久津が鳴いて押し返す。

五万六万七万4索5索5索二筒二筒三筒四筒 チー八筒六筒七筒

すると、安田のツモ牌が、6索3索と清水に食い下がる。
流局するか?と思われたが、安田は力強く6索を手元に手繰り寄せた!
3,000・6,000をツモり、優勝争いに安田が再び一歩近づいた。

10回戦成績
豊後+30.7P   安田+17.4P   和久津▲18.0P  清水▲30.1P

10回戦終了時
清水+75.8P  安田+46.4P  和久津+27.8P  室伏▲55.5P  豊後▲96.5P(途中敗退)

11回戦(起家から、室伏・和久津・安田・清水)

最後まで粘ったが、残念ながらここで豊後が5位で敗退となった。
残り2回戦は、豊後以外の4名で行われる。

東4局、北家・安田の配牌が凄い。

二万二万三万四万9索三筒三筒白白発発中中 ドラ三筒

これを4巡目には2つ鳴いて、あっという間に高め大三元テンパイ。

二万三万四万三筒三筒中中 ポン発発発 ポン白白白

会場内に緊張が走る。しかし、安田の待ちはすぐに純カラになってしまう。
流石に「まだ巡目が早いから」と、中三筒を勝負する者もいない。流局で安田の1人テンパイ。
白発を鳴いた後、安田はずっとツモ切りだったので、鳴いてすぐテンパイだったと分かるが、
テンパイ形を見ても3人は冷静な表情だったのが印象的だ。

南4局、3着目の清水の親番。
清水としては、何とか1つでも順位を上げておきたいところだ。
このままの着順で最終戦を迎えると、最終戦は着順勝負になってしまう。
見ている私ですら、胃が痛くなりそうなポイント差だ。
そんな、何としてもアガリたい清水が5巡目にリーチを打つ。

二万三万四万四万五万3索4索5索二筒三筒四筒八筒八筒 リーチ ドラ4索

ツモが5索ではなく、2索ならヤミテンでも12,000。
それならばヤミテンにする選択肢もあっただろうが、三色にならない安めを引き入れて清水はリーチを打つ。
安めが入ったとはいえ、5巡目のこのリーチなら清水にも手応えがあっただろう。
これをアガる事が出来れば、また清水が大きく突き抜ける。清水の手にも気合いが入るが、結果は流局。
続く1本場には、和久津が400・700をツモりアガリトップで11回戦を終了した。

11回戦成績
和久津+27.4P  安田+11.7P   清水▲8.2   室伏▲30.9P

11回戦終了時
清水+67.6P  安田+58.1P  和久津+55.2P  室伏▲86.4P

最終12回戦(起家から、安田・和久津・室伏・清水)

日本プロ麻雀連盟では、タイトル戦の最終戦の回り順が、トータルの順位によって決められる事になっている。
東家・2位、南家・3位、西家・4位、北家・1位(今回の場合は、起家から安田・和久津・室伏・清水の並び順)。
こうする事によって、親番が落ちて優勝の可能性がなくなった者が、麻雀に参加しなくなるという歪みを少しでも緩和する事が出来る上に、
トータルトップ者をラス親にする事で、不自然なオーラスの連チャンを引き起こさないようにする事が出来るのだ。

最終戦でのトータルポイントはこうなっている。
清水+67.6P
安田+58.1P
和久津+55.2P
室伏▲86.4P

プロ連盟のBルールでは、順位点が5,000点・15,000点となっているため、清水・安田・和久津の3人は着順が上位の者がほぼ優勝する事になる。
そして、運命のプロクイーン決定戦の最終戦が始まった。

東1局から事件は起きた。
まだ勝負を諦めていない西家・室伏が先制リーチを打つ。

五万六万七万2索4索5索6索四筒四筒五筒五筒六筒六筒 リーチ ドラ四筒

queen_10_fin_23

室伏の捨て牌は下の画像を見てもらいたい。

queen_10_fin_31

特に変則捨て牌というわけでもなく、第一打に3索が捨てられている。
…正直、見ているのが辛くなった。
これが麻雀の辛いところとは言え、この誰でも飛び込んでしまいそうな待ちに飛び込んだ人は優勝が遠ざかってしまう。
麻雀中のメンタルには割と自信のある私でも、優勝をかけた最終半荘に、これを放銃して気持ちが折れない自信は…ない。
せめて、ツモってくれ…!と願う私の気持ちとは裏腹に飛び込んだのは安田。

二万四万四万五万六万2索4索4索5索7索二筒三筒四筒 ドラ四筒

親番で、この形から6索のチーテンを取ると2索で8,000の放銃。
安田からプロクイーン優勝という栄光が遠ざかったように感じた。

東2局は、和久津が3,900、1,500は1,800と連続でアガる。
東2局2本場、東1局にダメージの大きい8,000を放銃した安田だが、勝負はまだ諦めてはいない。
この局に安田の精神力の強さを感じた。

1索1索2索2索 ポン発発発 チー5索4索6索 ポン7索7索7索 ドラ4索

終盤に苦しい形ではあるが満貫のテンパイ。そこに飛び込んだのは室伏。
8,000は8,600の放銃で、東1局に安田からの満貫をそのまま返す形となった。
これで安田は再びスタートラインに立った。
「まだまだこれから」と、安田の背中越しに強い気迫を感じた。

東4局、和久津の第一打はドラの東。これに安田が仕掛けを入れる。1巡目にして、一気に場が緊張する。
和久津の第一打の東には賛否両論あるだろうが、トップ目に立った和久津がやるべき事と判断したのは、場を回す事なのだろう。
決勝戦の椅子に座ってなければ分からない想いが、そこにはある。
そして、和久津が先制テンパイを入れる。

5索5索6索7索8索五筒六筒八筒八筒八筒 チー四万五万六万 ドラ東

安田もすぐに追い付き、単騎待ちテンパイ。

七万八万九万9索五筒六筒七筒 チー九万七万八万 ポン東東東

安田は、途中良さそうな単騎待ちに受け替えるが、先に持ってくるのは和久津の当たり牌である七筒
和久津のタンヤオ仕掛けに、ほとんどの筋が通ってしまったため、自分も四筒七筒待ちに受け替える。
この時、2人の当たり牌はほとんど清水が抱え込んでいて、このまま流局か?と、そんな空気が会場内に流れた瞬間。

「ツモ・・・2,000・4,000!」

と、安田の声。
安田がツモった8枚目の四筒七筒に、今まで誰1人として声をあげなかった会場内がどよめいた。
これは、東1局の放銃に心を折らずに我慢した、安田への神様からのご褒美であるように感じた。

queen_10_fin_25

そして、運命の南4局。
安田はアガれば優勝。
和久津は満貫ツモ条件。
ラス親の清水は連チャンが必須となる。

8巡目、和久津から気合いと迷いの両方が入り混じったような「リーチ」の声。
場が緊張する。ここに居る誰もが知っている。和久津は条件を満たすリーチしか打って来ないと。

六万七万八万九万九万九万7索8索9索二筒九筒九筒九筒 ドラ二筒

決して楽にアガれるような待ちではないが、ツモれば和久津の優勝だ。
そして、その優勝への架け橋である二筒は、あと1枚山に眠っている!

いい形の1シャンテンに構えていた安田も直撃だけはまずい、と撤退。
親番を維持しなくてはいけない清水は、強気に押し返していく。
清水も和久津の条件が、満貫ツモ条件であることを分かっている。
満貫出アガリでも条件を満たさない和久津は、清水から当たり牌が七筒打たれてもアガれない可能性が高いのだ。
結果、和久津の当たり牌の二筒は室伏に流れてしまい、ハイテイで和久津は清水の当たり牌を掴み2,900の放銃。

オーラスは続く。
南4局1本場、9巡目にアガれば優勝の安田にテンパイが入る。

四万五万六万6索6索6索一筒二筒三筒三筒六筒六筒七筒七筒

しかし、ここで安田はテンパイ取らずの打二筒とした。
アガればいいという重圧で、焦ってテンパイに取ったり、リーチを打つ人もいると思う。
優勝が目の前にある。この局が終われば、プロクイーンだ。そんな状況下でも、安田は冷静だった。

ここで、取らずにしておけば三筒六筒七筒のポンはもちろん、五筒八筒をチーしても役ありテンパイに復活出来る。
不自由な出アガリが出来ないテンパイ形ではなく、一手先を見据えた一打だった。

例えばここで、安田が「リーチ」と言ったところで誰もオリてはくれない。
この不自由なテンパイでリーチを打って押し返された挙句、放銃なんてしてしまった日には、安田の元からプロクイーンが遠ざかってしまう。

しばらくこのままツモ切りが続くが、和久津から七筒が出てそれをポン。
すぐに六筒をツモり、自らの手で安田はプロクイーンの栄光を掴み取った。

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12回戦成績
安田+29.4P  和久津+5.0P   清水▲6.7P  室伏▲27.7P

12回戦終了時
安田+87.5P  清水+60.9P   和久津+60.2P   室伏▲114.1P

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2日間の長くて短い激闘に幕が閉じた。
この場で、この2日間の戦いを観戦できた事を素直に嬉しく思った。
そう思えるのは、選手全員がいい戦いを観せてくれたからである。

最後まで戦いを諦めずに粘った室伏と豊後。
結果はついて来なかったが、諦めない心を見せてくれた。

怒涛の追い上げを見せた和久津。
あと一歩で冠に手が届く位置まで上位2人を追い詰めた戦いは、皆の心に響いただろう。

後続を突き放したものの、追い上げられてしまった清水。
一番悔しい想いをしたのは間違いなく清水だろう。
それでも清水は強い。それは、自他共に認める事実であろう。
この悔しさを胸に、来年も表舞台でいい戦いを見せてくれる事だろう。

プロクイーンの栄光を勝ちとったのは、今年の女流桜花決勝戦で涙を飲んだ安田麻里菜。
彼女以外が攻撃型という状況で、それでも彼女はスタイルを崩す事なく2日間我慢を重ね戦い続けた。

「初日から苦しかったです。2日目も苦しかったのですが、最終半荘でトップ条件になったので、最後まで諦めずに戦い続ける事が出来ました。
まだまだ未熟な所がいっぱいあるので、これからも頑張りたいと思います。」

安田プロ、本当におめでとうございます!
そして、決勝戦を戦った選手の皆さん、いい試合を見せて下さってありがとうございました。

プロクイーン決定戦 決勝観戦記/第10期プロクイーン決定戦 最終日観戦記

プロクイーン決定戦、最終日。
この日も、澄みきった青い空がどこまでも続いていた。
秋晴れの綺麗な空に心地よく吹く秋の風。
今日の舞台で吹く秋風は、心地よく吹く順風か。はたまた、奇跡の逆風が吹き荒れるのか。
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6回戦(起家から、室伏・清水・安田・豊後)抜け番:和久津

5回戦終了時点での成績は、
清水 +115.3P
安田 +85.9P
室伏 ▲23.7P
豊後 ▲86.7P
和久津 ▲91.7P
上から下までが縦長な成績となった。
上位である2人は、大崩れするタイプではなく、よほどの事がない限り上位2人のどちらかが逃げ切るだろうと思った。
東4局、親番の豊後は先制リーチを打つ。
四万五万六万4索4索5索5索7索8索9索一筒二筒三筒 リーチ ドラ4索
待ちはあまり優秀とは言えないが、万が一アガる事が出来れば大きな加点となる。
今日の豊後からは、昨日の終盤に見せた弱気な表情は見られなかった。
ただ前を見据え、上位2人を捉えようと懸命に戦っている。
そこにテンパイを果たした清水。
二万二万3索4索5索四筒六筒六筒八筒八筒東東東 ツモ六筒
親リーチに対して、果敢にも無筋を叩き切って行く。
戦う清水の姿は、トップ目に立ったからといって変わらない。
これをしっかりと3,200で清水がアガリ切る。
南1局、攻める姿勢を崩さない豊後が続けてリーチを打つ。
五万五万5索5索一筒一筒五筒五筒七筒七筒白白中 リーチ ドラ中
この中は、1人1枚ずつ抱えていて、既に純カラだ。
室伏も終盤に、チンイツのテンパイを果たす。
4索5索5索6索6索7索7索8索8索9索中 ポン2索2索2索
ここで少考の末、現物の打8索として中単騎に構える。
ドラの中を打ったところで、自分のアガリ目は厳しいと判断したのだろう。冷静な判断である。
この局は2人テンパイで流局。
点棒に大きな動きもないまま迎えた南4局。親番の豊後に勝負手が入る。
五万七万八万九筒東北北白白白発発中 ドラ8索
伸び方によっては満貫から跳満まで見える。
しかし、字牌が山に深く、テンパイを果たしたのは10巡目。
七万八万東東北北北白白白 ポン発発発
この形でテンパイをするが、清水からリーチが入る。
3索4索7索8索9索9索9索一筒一筒一筒四筒五筒六筒 リーチ
清水のリーチは、豊後にとっても直撃チャンスになるので好都合であった。
しかし、ここに七対子のみでテンパイしていた室伏が、一発で飛び込み清水の5,200のアガリとなった。
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2日目も、清水のトップでのスタートを見て、会場内の誰もが清水の優勝を確信しただろう。
総合で2位につける安田とのポイント差ですら、80ポイント以上ある。
清水がここから大崩れする様子など想像も出来なかった。
しかし、清水にとって鬼門とも言える波乱の7回戦が待ち受けていたのだ…。
6回戦成績
清水+29.8P  豊後+6.2P  室伏▲11.3P  安田▲24.7P
6回戦終了時
清水+145.1P  安田+61.2P  室伏▲35.0P  豊後▲80.5P  和久津▲91.8P

7回戦(起家から 、和久津・清水・安田・室伏)抜け番:豊後

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場が大きく動き出すのは南場に入ってからの事だった。
南1局、和久津の親番で、和久津は驚異の粘りを見せる。
南1局、清水の先制リーチに、和久津が追っかけリーチで一発ツモの2,000オール。
南1局1本場、親番中の和久津は、5巡目には東西を仕掛けてこの形。
二万二万六万7索五筒五筒六筒 ポン西西西 ポン東東東 ドラ発
褒められた仕掛けではないが、和久津の親番に対する執着が伝わってくる仕掛けだ。
そして、
二万二万一筒三筒五筒五筒六筒 ポン西西西 ポン東東東
ここから二万をポンして打六筒。3枚切れかつフリテンのカン二筒に受けた。
和久津の狙いは、もちろんこの形のままアガる事ではない。
周りを牽制させて、親番を維持する事がメインで、トイトイに変化するような事があればラッキーといったところか。
そして、ツモ五筒三筒四筒の待ちに振り替える。
これを、安めではあるが安田から四筒で出アガリ、2,000は2,300で親番を維持をする事に成功した。
ここから始まる和久津の怒涛の追い上げは、ここが分岐点だったように思う。
「明日は生きるか死ぬかでやります」
と、腹を括った和久津は、ただただ強かった。
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南1局2本場。
三万四万五万六万七万八万八万八万4索4索6索7索8索 ドラ七万
まずはこの形で和久津がリーチを打つと、4,000は4,200オールのツモアガリ。
南1局3本場、またしても和久津が先制リーチ。
三万三万四万四万七万七万九万九万七筒七筒南南中 リーチ ドラ八万
すると、ここに1シャンテンだった清水が一発で飛び込む。
裏ドラが四万で18,000は18,900のアガリ!清水からの直撃に、和久津は更に波に乗っていく。
更に加点を続けて1人テンパイ。2,600は3,100オール。1人テンパイ。と、連荘を続けていき、迎えた南1局7本場。
三筒三筒三筒三筒五筒五筒六筒七筒九筒九筒 ポン一筒一筒一筒 ドラ南
和久津は一筒をポンすると、9巡目には4枚目の三筒を引き入れ、カン四筒の満貫テンパイ。
河には1枚もピンズは余っていない。そこに、七対子1シャンテンとなった清水が暗刻の四筒を打ち出した。
清水も、まさか和久津が既にテンパイをしているなんて夢にも思わなかっただろう。
あまりにも痛い12,000は14,100の放銃となった。
このアガリで、和久津はまさかの100,000点超え。
反対に清水は、箱下15,300点となってしまったのだ…。
南1局8本場には、室伏の早いテンパイに、またしても清水が放銃。3,900は6,300。
南2局、清水の親番では、13巡目に打たれた1索をポンして形式テンパイを取る。
三万四万五万5索6索7索8索9索八筒八筒 ポン1索1索1索 ドラ八万
そこに、北家の和久津も押し返してテンパイを入れる。
八万八万4索5索四筒四筒五筒北北北 ポン2索2索2索
ここから3索をチーして四筒切り。
マンズやソーズは、和久津の河にほとんど切られ、場に高いピンズのテンパイ(四筒の跨ぎ筋だろう)である事はほぼ間違いない。
更に和久津は、持ってきた2索を加カンして新ドラは7索。そのドラのいずれも清水の目からはほとんど見えていない。
そして清水は、終局間際に持ってきた六筒で和久津に5,200の放銃となった。
清水らしくない放銃は、箱下20,000点超えで流石にメンタルが揺さぶられたか。
清水の表情が辛そうで苦しそうに見えた。
南4局、そこまで大人しかった室伏が4,000オールをツモる。
南4局1本場、和久津から8巡目にリーチが入る。
一万一万一万3索5索7索8索9索四筒四筒六筒七筒八筒 ドラ4索
そこへ、ヤミテンに構えていた安田が、
四万四万五万六万七万3索3索6索7索8索六筒七筒八筒 ツモ五筒
ここから打四万
678の三色やタンピンも見える広い1シャンテンにはなるが、リーチを受けて一発で危険牌、かつ1シャンテン戻しはなかなか出来るものではない。
和久津の河に七筒が早いので、通りそうな八筒を打ってしまいそうだ。
受ける局面の多かった安田だが、戦うべき局面の判断は間違えない。
しかし、ここも和久津が4索をツモアガリ2,000・4,000!
何とか堪えていた安田までも箱下となってしまった。
和久津は118,300点の大トップで終了。
この1半荘でトップを走る清水との差を150P以上縮める事となった。
「大変な事になった…」
会場内の誰もがそう思ったに違いない。こんな奇跡の逆風を、誰が予想しただろうか?
しかし、これで5人全員に優勝の可能性が生まれた。
1つしかないプロクイーンの椅子に座るのは、果たして誰になるのだろうか。
7回戦成績
和久津+103.3P  室伏+9.3P  安田▲35.2P  清水▲77.4P
7回戦終了時
清水+67.7P  安田+26.0P  和久津+11.5P  室伏▲25.7P  豊後▲80.5P

8回戦(起家から、和久津・清水・豊後・室伏)抜け番:安田

こういった戦いにおいて、追い上げる側は自分に追い風が吹いているように感じて強気になれるが、追い上げられる方はただただ不安に感じるものだ。
まだポイント差はあるものの、清水が何度も不安そうにポイントが書いてある紙を見上げる様子が印象的だった。
南2局、清水が3着目で迎えた親番。
室伏の仕掛け、和久津のリーチを受けるが、清水は押し返す。
そして、追い付いた親の清水が力強くツモりアガった。
四万五万七万八万九万西西白白白 チー四万二万三万 ツモ六万 ドラ三万
この強烈な4,000オール。これで清水が完全に息を吹き返した。
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南2局2本場、続く清水の親番、清水からリーチが入る。
三万三万1索2索3索7索8索9索一筒二筒三筒五筒六筒 リーチ ドラ1索 裏ドラ七万
これを一発ツモで4,000は4,200オール。
清水は再び後続を突き放し、総合ポイントで大きく抜け出した。
8回戦成績
清水+38.2P  和久津+8.9P   室伏▲8.9P  豊後▲39.2P
8回戦終了時
清水+105.9P   安田+26.0P  和久津+20.4P   室伏▲34.6P  豊後▲119.7P

9回戦(起家から、和久津・豊後・安田・室伏)抜け番:清水

東1局、4巡目に安田が東を1鳴きした。
2索2索5索6索8索9索三筒五筒北発中 ポン東東東 ドラ6索
遠くにホンイツを見ているのだろうが、安田にしては少し遠い仕掛けか。
すると、親の和久津のツモが伸び、リーチが入る。
五万六万七万3索4索6索6索6索一筒一筒六筒七筒八筒 リーチ
安田は、カン二筒テンパイから親のリーチを受けて、ホンイツテンパイに組み直す。
2索2索3索4索5索6索7索8索9索9索 ポン東東東 ツモ3索
しかし、終盤にこのテンパイとなり打2索。和久津に12,000の放銃となった。
南4局、安田が1人大きめのラスで迎えたオーラス。室伏の親番。
一万三万五万五万五万六万六万七万七万東東中中 ドラ2索
室伏は12巡目に、上家から打たれた七万に長考してポン、打東とした。(東が2枚切れ)
しかし、この室伏の鳴きが誘発したかのように、安田にテンパイが入りリーチ。
二万四万九万九万2索3索4索7索8索9索二筒三筒四筒 リーチ
これを一発ツモで3,000・6,000!
一気にダンラスから2着目に浮上する大きなアガリとなったのだ。
9回戦成績
和久津+25.4P  安田+3.0P  豊後▲7.0P   室伏▲20.9P
9回戦終了時
清水+105.9P   和久津+45.8P  安田+29.0P  室伏▲55.5P  豊後▲127.2P

10回戦(起家から、和久津・豊後・安田・清水)抜け番:室伏

この10回戦で5位敗退者が決定する。
豊後が残るためには、80,000点のトップが必要と、かなり厳しい条件となっている。
でも、豊後には落胆したような表情は見られなかった。
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東2局1本場、豊後の親番。
一筒一筒一筒三筒四筒七筒八筒九筒白白 ポン東東東 ドラ白
豊後はこのポンテンの、6,000は6,100オールをツモアガる。
まだまだ4位までは遠いが、勝負はここからだ。
最後まで諦めずに前を向いて戦う姿を、豊後のために集まってくれた応援してくれている方々に見せて欲しいと思った。
南4局、清水の親番。
オーラスの点数は、
豊後 48,700
安田 29,400
清水 20,900
和久津 20,000
こうなっていて、最後の親番が落ちてしまった豊後の4位残りはかなり厳しくなった。
何とか清水をラスで終わらせたい安田と和久津に、せめて3着のまま終わりたい清水といった感じか。
そんなオーラス、先制リーチを打つのは安田。
八万八万1索2索3索4索5索7索8索9索五筒六筒七筒 リーチ ドラ7索
そこへ、何とか1,000点をアガって清水を捲りたい和久津が鳴いて押し返す。
五万六万七万4索5索5索二筒二筒三筒四筒 チー八筒六筒七筒
すると、安田のツモ牌が、6索3索と清水に食い下がる。
流局するか?と思われたが、安田は力強く6索を手元に手繰り寄せた!
3,000・6,000をツモり、優勝争いに安田が再び一歩近づいた。
10回戦成績
豊後+30.7P   安田+17.4P   和久津▲18.0P  清水▲30.1P
10回戦終了時
清水+75.8P  安田+46.4P  和久津+27.8P  室伏▲55.5P  豊後▲96.5P(途中敗退)

11回戦(起家から、室伏・和久津・安田・清水)

最後まで粘ったが、残念ながらここで豊後が5位で敗退となった。
残り2回戦は、豊後以外の4名で行われる。
東4局、北家・安田の配牌が凄い。
二万二万三万四万9索三筒三筒白白発発中中 ドラ三筒
これを4巡目には2つ鳴いて、あっという間に高め大三元テンパイ。
二万三万四万三筒三筒中中 ポン発発発 ポン白白白
会場内に緊張が走る。しかし、安田の待ちはすぐに純カラになってしまう。
流石に「まだ巡目が早いから」と、中三筒を勝負する者もいない。流局で安田の1人テンパイ。
白発を鳴いた後、安田はずっとツモ切りだったので、鳴いてすぐテンパイだったと分かるが、
テンパイ形を見ても3人は冷静な表情だったのが印象的だ。
南4局、3着目の清水の親番。
清水としては、何とか1つでも順位を上げておきたいところだ。
このままの着順で最終戦を迎えると、最終戦は着順勝負になってしまう。
見ている私ですら、胃が痛くなりそうなポイント差だ。
そんな、何としてもアガリたい清水が5巡目にリーチを打つ。
二万三万四万四万五万3索4索5索二筒三筒四筒八筒八筒 リーチ ドラ4索
ツモが5索ではなく、2索ならヤミテンでも12,000。
それならばヤミテンにする選択肢もあっただろうが、三色にならない安めを引き入れて清水はリーチを打つ。
安めが入ったとはいえ、5巡目のこのリーチなら清水にも手応えがあっただろう。
これをアガる事が出来れば、また清水が大きく突き抜ける。清水の手にも気合いが入るが、結果は流局。
続く1本場には、和久津が400・700をツモりアガリトップで11回戦を終了した。
11回戦成績
和久津+27.4P  安田+11.7P   清水▲8.2   室伏▲30.9P
11回戦終了時
清水+67.6P  安田+58.1P  和久津+55.2P  室伏▲86.4P

最終12回戦(起家から、安田・和久津・室伏・清水)

日本プロ麻雀連盟では、タイトル戦の最終戦の回り順が、トータルの順位によって決められる事になっている。
東家・2位、南家・3位、西家・4位、北家・1位(今回の場合は、起家から安田・和久津・室伏・清水の並び順)。
こうする事によって、親番が落ちて優勝の可能性がなくなった者が、麻雀に参加しなくなるという歪みを少しでも緩和する事が出来る上に、
トータルトップ者をラス親にする事で、不自然なオーラスの連チャンを引き起こさないようにする事が出来るのだ。
最終戦でのトータルポイントはこうなっている。
清水+67.6P
安田+58.1P
和久津+55.2P
室伏▲86.4P
プロ連盟のBルールでは、順位点が5,000点・15,000点となっているため、清水・安田・和久津の3人は着順が上位の者がほぼ優勝する事になる。
そして、運命のプロクイーン決定戦の最終戦が始まった。
東1局から事件は起きた。
まだ勝負を諦めていない西家・室伏が先制リーチを打つ。
五万六万七万2索4索5索6索四筒四筒五筒五筒六筒六筒 リーチ ドラ四筒
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室伏の捨て牌は下の画像を見てもらいたい。
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特に変則捨て牌というわけでもなく、第一打に3索が捨てられている。
…正直、見ているのが辛くなった。
これが麻雀の辛いところとは言え、この誰でも飛び込んでしまいそうな待ちに飛び込んだ人は優勝が遠ざかってしまう。
麻雀中のメンタルには割と自信のある私でも、優勝をかけた最終半荘に、これを放銃して気持ちが折れない自信は…ない。
せめて、ツモってくれ…!と願う私の気持ちとは裏腹に飛び込んだのは安田。
二万四万四万五万六万2索4索4索5索7索二筒三筒四筒 ドラ四筒
親番で、この形から6索のチーテンを取ると2索で8,000の放銃。
安田からプロクイーン優勝という栄光が遠ざかったように感じた。
東2局は、和久津が3,900、1,500は1,800と連続でアガる。
東2局2本場、東1局にダメージの大きい8,000を放銃した安田だが、勝負はまだ諦めてはいない。
この局に安田の精神力の強さを感じた。
1索1索2索2索 ポン発発発 チー5索4索6索 ポン7索7索7索 ドラ4索
終盤に苦しい形ではあるが満貫のテンパイ。そこに飛び込んだのは室伏。
8,000は8,600の放銃で、東1局に安田からの満貫をそのまま返す形となった。
これで安田は再びスタートラインに立った。
「まだまだこれから」と、安田の背中越しに強い気迫を感じた。
東4局、和久津の第一打はドラの東。これに安田が仕掛けを入れる。1巡目にして、一気に場が緊張する。
和久津の第一打の東には賛否両論あるだろうが、トップ目に立った和久津がやるべき事と判断したのは、場を回す事なのだろう。
決勝戦の椅子に座ってなければ分からない想いが、そこにはある。
そして、和久津が先制テンパイを入れる。
5索5索6索7索8索五筒六筒八筒八筒八筒 チー四万五万六万 ドラ東
安田もすぐに追い付き、単騎待ちテンパイ。
七万八万九万9索五筒六筒七筒 チー九万七万八万 ポン東東東
安田は、途中良さそうな単騎待ちに受け替えるが、先に持ってくるのは和久津の当たり牌である七筒
和久津のタンヤオ仕掛けに、ほとんどの筋が通ってしまったため、自分も四筒七筒待ちに受け替える。
この時、2人の当たり牌はほとんど清水が抱え込んでいて、このまま流局か?と、そんな空気が会場内に流れた瞬間。
「ツモ・・・2,000・4,000!」
と、安田の声。
安田がツモった8枚目の四筒七筒に、今まで誰1人として声をあげなかった会場内がどよめいた。
これは、東1局の放銃に心を折らずに我慢した、安田への神様からのご褒美であるように感じた。
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そして、運命の南4局。
安田はアガれば優勝。
和久津は満貫ツモ条件。
ラス親の清水は連チャンが必須となる。
8巡目、和久津から気合いと迷いの両方が入り混じったような「リーチ」の声。
場が緊張する。ここに居る誰もが知っている。和久津は条件を満たすリーチしか打って来ないと。
六万七万八万九万九万九万7索8索9索二筒九筒九筒九筒 ドラ二筒
決して楽にアガれるような待ちではないが、ツモれば和久津の優勝だ。
そして、その優勝への架け橋である二筒は、あと1枚山に眠っている!
いい形の1シャンテンに構えていた安田も直撃だけはまずい、と撤退。
親番を維持しなくてはいけない清水は、強気に押し返していく。
清水も和久津の条件が、満貫ツモ条件であることを分かっている。
満貫出アガリでも条件を満たさない和久津は、清水から当たり牌が七筒打たれてもアガれない可能性が高いのだ。
結果、和久津の当たり牌の二筒は室伏に流れてしまい、ハイテイで和久津は清水の当たり牌を掴み2,900の放銃。
オーラスは続く。
南4局1本場、9巡目にアガれば優勝の安田にテンパイが入る。
四万五万六万6索6索6索一筒二筒三筒三筒六筒六筒七筒七筒
しかし、ここで安田はテンパイ取らずの打二筒とした。
アガればいいという重圧で、焦ってテンパイに取ったり、リーチを打つ人もいると思う。
優勝が目の前にある。この局が終われば、プロクイーンだ。そんな状況下でも、安田は冷静だった。
ここで、取らずにしておけば三筒六筒七筒のポンはもちろん、五筒八筒をチーしても役ありテンパイに復活出来る。
不自由な出アガリが出来ないテンパイ形ではなく、一手先を見据えた一打だった。
例えばここで、安田が「リーチ」と言ったところで誰もオリてはくれない。
この不自由なテンパイでリーチを打って押し返された挙句、放銃なんてしてしまった日には、安田の元からプロクイーンが遠ざかってしまう。
しばらくこのままツモ切りが続くが、和久津から七筒が出てそれをポン。
すぐに六筒をツモり、自らの手で安田はプロクイーンの栄光を掴み取った。
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12回戦成績
安田+29.4P  和久津+5.0P   清水▲6.7P  室伏▲27.7P
12回戦終了時
安田+87.5P  清水+60.9P   和久津+60.2P   室伏▲114.1P
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2日間の長くて短い激闘に幕が閉じた。
この場で、この2日間の戦いを観戦できた事を素直に嬉しく思った。
そう思えるのは、選手全員がいい戦いを観せてくれたからである。
最後まで戦いを諦めずに粘った室伏と豊後。
結果はついて来なかったが、諦めない心を見せてくれた。
怒涛の追い上げを見せた和久津。
あと一歩で冠に手が届く位置まで上位2人を追い詰めた戦いは、皆の心に響いただろう。
後続を突き放したものの、追い上げられてしまった清水。
一番悔しい想いをしたのは間違いなく清水だろう。
それでも清水は強い。それは、自他共に認める事実であろう。
この悔しさを胸に、来年も表舞台でいい戦いを見せてくれる事だろう。
プロクイーンの栄光を勝ちとったのは、今年の女流桜花決勝戦で涙を飲んだ安田麻里菜。
彼女以外が攻撃型という状況で、それでも彼女はスタイルを崩す事なく2日間我慢を重ね戦い続けた。
「初日から苦しかったです。2日目も苦しかったのですが、最終半荘でトップ条件になったので、最後まで諦めずに戦い続ける事が出来ました。
まだまだ未熟な所がいっぱいあるので、これからも頑張りたいと思います。」
安田プロ、本当におめでとうございます!
そして、決勝戦を戦った選手の皆さん、いい試合を見せて下さってありがとうございました。

第29期十段戦 観戦記

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初日観戦記

二日目観戦記

最終日観戦記

十段戦 決勝観戦記/第29期十段戦 観戦記

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初日観戦記
二日目観戦記
最終日観戦記

第29期プロリーグ A2 第8節レポート

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29_a2_08_03_per100_ktaiwidth110 29_a2_08_04_per100_ktaiwidth110

残り3節となり、いよいよ大詰めを迎えたA2リーグである。

前節まで、古川孝次、猿川真寿、黒沢咲の三つ巴の様相を呈していたが、
そこに、第2グループに位置する、勝又健志、板川和俊がどこまで攻め込めるかが見所だった。

私が選んだ採譜卓は、起家より、古川孝次、遠藤啓太、板川和俊、白鳥翔。
古川、板川は、今節プラスにポイントを纏め上げることができれば、昇級も見えてくるだろうし、
遠藤、白鳥は、ここでマイナスするようであれば、一気に降級グループに飲み込まれてしまう。

負けて良い戦いなぞ存在しないが、どうしても勝たねばならない戦いは存在する。
観戦する側としては興味の尽きない卓に思えてしかたなかった。

東1局は、板川から白鳥への放銃から始まる。
興味深かったのが5巡目の白鳥。

一万二万三万二索七索九索一筒三筒五筒七筒北中中  ツモ八索  ドラ四筒

皆さんだったら何を切っただろうか?
白鳥は、ここでドラの引き込みを拒否する打五筒と構える。
次巡、ツモ八筒そしてツモ二筒でリーチを打つ。

一万二万三万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒中中 リーチ

場には九筒が2枚飛んでいたが、板川より高目の九筒で出アガる。
こういう日は負けないものである。

続く東2局、
 
四万五万六万七万八万七索八索九索一筒二筒三筒五筒五筒 ドラ九万

古川が9巡目にテンパイするも堅くヤミテンに構える。
リーチを打って高目の九万をツモったならば・・・などということは、全く古川の頭の中にはないのだろう。
負けないことの積み重ねが勝ちに通ずる__そういう考えが、古川の麻雀の骨格を成していることは間違いないだろう。
それと、現時点でのトータルポイントが打たせたヤミテンだろう。
ここに三で放銃したのも板川である。

そして迎えた板川の親番。10巡目にリーチを打つ。

二万四万六万六万七万七万八万八万五索六索七索八筒八筒 リーチ  ドラ二索

そして3巡後、事も無げにあっさり三万を引きアガる。
続く1本場も板川の10巡目リーチ。

捨牌 
西五筒 下向き三索 上向き七索 上向き四索 上向き七索 上向き二万 上向き三索 上向き七万 上向き九万 左向き リーチ ドラ三万

いかにも変則的な気配を漂わせるリーチである。
ちなみに、七索は両方とも手出し牌であるから、七対子の可能性はほぼ無いと言っていいだろう。
ただ言えることは、こういう時の板川のリーチは間違いなく高いということである。
他3者もそのことは充分解っているだけに、1牌たりとも現物牌以外は打ち出さない。
古川にとっては負けられない今節だし、白鳥、遠藤にとっては負けてはいけない今節であるからだ。

七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒七筒九筒

板川の開けられた手牌である。
観戦する側だから言えることかも知れないが、結果からみれば勿体無かったように思える。
古川、白鳥のどちらかの放銃で収束していたようである。
板川の立場から考えれば、前局のツモ三が打たせたリーチであり、上位とのトータルポイントの差が打たせたリーチなのだろう。
是非は問えない。

遠藤 啓太
「今節の目標として、是が非でもプラスポイントで終わらせる事を考え打ちました。
1回戦、板川さんの早いリーチに、ついていける配牌を貰っていたのに、真っ直ぐ前に出て勝負する事をためらい、
あっさり連荘をされてしまった事は反省しております。格の違いを痛感した対局でした。
トータルはプラスポイントで終わることが出来ましたが、運に頼った点が多く内容は酷いものと自負しております。
後2節、今の自分に出来る事を出し切り、良い結果が出る事を思い努力します。
          
遠藤が記す通り、板川のリーチは対局者に相当のプレッシャーをかけたことは間違いない事実であるのだから。

板川 和俊
「今節は、首位の古川さんとの差を、50ポイント以上縮めることをテーマに対局に挑みましたが、はじめてのボロ敗けでした。
1回戦、勝負手が入り続けますが、アガリに結び付かずオーラスあがり浮きの2着。
2回戦はトップとし、早くも50ポイント以上差を縮めましたが、だけどなにかしっくりこない。不安は的中しました。
以降ラス、ラスと続き、貯金をすべて吐き出す大敗。自分の不甲斐なさが情けない。また一から出直します。自分に『活』だ!

確かに本人が記す通り、好調の板川が大崩れするのは本当に珍しいことである。
もし板川に敗因があるとしたら、古川との点差を意識しすぎてしまったことかもしれない。
逆に言えば、古川の精神力の強さを私は評価したい。

1回戦の古川のアガリは、ピンフの1,000点だけで当然のごとくラスを受け止めた。
仕掛けの多さもアグレッシブだが、危なげな牌はキチンと止めてテンパイを崩し、放銃が一度もなかった。
そして、トータルポイントをプラスで纏め上げたのは流石というべきだろう。
残念ながら古川のコメントはもらえなかった。

白鳥 翔
「ここ数ヶ月、麻雀の内容について麻雀プロとはどうあるべきか、そればかり考えて過ごしていました。
雀力の低さ故か、いわゆる『綺麗に』打とうと思えば勝ちきれず、がむしゃらに打てば内容に満足できない。
そうして今期ここまで調子を崩し、降級もあり得る位置まで来てしまい、今節を迎えました。
『余計なことは考えずに自分らしく打とう』 そう決めて対局に望み、1回戦目はトップ、今節は+30弱という結果に終わりました。
3回戦目、長い対局で集中力が切れてしまい、それがなければもっと得点を上積みできたと思います。
日々思うのは、僕達若い世代がもっと強くならなければ、ということです。
先輩方より努力しないで、追い付き追い越せる筈がない。精進あるのみです。」

勝ち頭の白鳥のコメントである。
若者らしい将来を見据えた好感の持てる文である。

板川、勝又が沈んでしまった今節、残り2節ということを考えれば、猿川、古川、黒沢の3者の争いと見るのが妥当なところだろう。
最後にトータルトップに立った、猿川の言葉で締めくくりたいと思う。

猿川真寿
「今回の勝因は、開始前に荒さんにかけられた一言のおかげだと思っている。
自分は組み合わせを見てからずっと、昇級争いをしている勝又との戦い方ばかりを考えていた。
荒さんは「2人で勝ち上がる気で打てばいいんだよ」と、自分が何かを尋ねたわけではないのに声をかけてくれた。
傍目から見ても、かかっているように見えていたという事だろう。そのおかげで冷静に打てたのが勝因だと思っている。
今節の内容の出来に関しては、うまく打てたと思えたのは2回戦ぐらいで正直あとはあまり覚えていない。
ただ近年、稀に見るぐらい手が入っていたので苦労したという印象があまりなく余計そう思う。
これでとりあえず、首位に返り咲くことができたが、黒沢、古川さんとも50P差ぐらいで、まだ全然安心はできない状況である。
自分の考えでは、勝負事は「無欲」の方が強いと思っているが、これほど勝ちたいと思ったことはないぐらい「勝ちたい」と思っている。
残り2節、平常心を保って戦いに挑める努力に徹しようと思っている。」

       
       

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第29期プロリーグ A2 第8節レポート

29_a2_08_01_per100_ktaiwidth110 29_a2_08_02_per100_ktaiwidth110
29_a2_08_03_per100_ktaiwidth110 29_a2_08_04_per100_ktaiwidth110

残り3節となり、いよいよ大詰めを迎えたA2リーグである。
前節まで、古川孝次、猿川真寿、黒沢咲の三つ巴の様相を呈していたが、
そこに、第2グループに位置する、勝又健志、板川和俊がどこまで攻め込めるかが見所だった。
私が選んだ採譜卓は、起家より、古川孝次、遠藤啓太、板川和俊、白鳥翔。
古川、板川は、今節プラスにポイントを纏め上げることができれば、昇級も見えてくるだろうし、
遠藤、白鳥は、ここでマイナスするようであれば、一気に降級グループに飲み込まれてしまう。
負けて良い戦いなぞ存在しないが、どうしても勝たねばならない戦いは存在する。
観戦する側としては興味の尽きない卓に思えてしかたなかった。
東1局は、板川から白鳥への放銃から始まる。
興味深かったのが5巡目の白鳥。
一万二万三万二索七索九索一筒三筒五筒七筒北中中  ツモ八索  ドラ四筒
皆さんだったら何を切っただろうか?
白鳥は、ここでドラの引き込みを拒否する打五筒と構える。
次巡、ツモ八筒そしてツモ二筒でリーチを打つ。
一万二万三万七索八索九索一筒二筒三筒七筒八筒中中 リーチ
場には九筒が2枚飛んでいたが、板川より高目の九筒で出アガる。
こういう日は負けないものである。
続く東2局、
 
四万五万六万七万八万七索八索九索一筒二筒三筒五筒五筒 ドラ九万
古川が9巡目にテンパイするも堅くヤミテンに構える。
リーチを打って高目の九万をツモったならば・・・などということは、全く古川の頭の中にはないのだろう。
負けないことの積み重ねが勝ちに通ずる__そういう考えが、古川の麻雀の骨格を成していることは間違いないだろう。
それと、現時点でのトータルポイントが打たせたヤミテンだろう。
ここに三で放銃したのも板川である。
そして迎えた板川の親番。10巡目にリーチを打つ。
二万四万六万六万七万七万八万八万五索六索七索八筒八筒 リーチ  ドラ二索
そして3巡後、事も無げにあっさり三万を引きアガる。
続く1本場も板川の10巡目リーチ。
捨牌 
西五筒 下向き三索 上向き七索 上向き四索 上向き七索 上向き二万 上向き三索 上向き七万 上向き九万 左向き リーチ ドラ三万
いかにも変則的な気配を漂わせるリーチである。
ちなみに、七索は両方とも手出し牌であるから、七対子の可能性はほぼ無いと言っていいだろう。
ただ言えることは、こういう時の板川のリーチは間違いなく高いということである。
他3者もそのことは充分解っているだけに、1牌たりとも現物牌以外は打ち出さない。
古川にとっては負けられない今節だし、白鳥、遠藤にとっては負けてはいけない今節であるからだ。
七万八万九万一索一索七索八索九索一筒二筒三筒七筒九筒
板川の開けられた手牌である。
観戦する側だから言えることかも知れないが、結果からみれば勿体無かったように思える。
古川、白鳥のどちらかの放銃で収束していたようである。
板川の立場から考えれば、前局のツモ三が打たせたリーチであり、上位とのトータルポイントの差が打たせたリーチなのだろう。
是非は問えない。
遠藤 啓太
「今節の目標として、是が非でもプラスポイントで終わらせる事を考え打ちました。
1回戦、板川さんの早いリーチに、ついていける配牌を貰っていたのに、真っ直ぐ前に出て勝負する事をためらい、
あっさり連荘をされてしまった事は反省しております。格の違いを痛感した対局でした。
トータルはプラスポイントで終わることが出来ましたが、運に頼った点が多く内容は酷いものと自負しております。
後2節、今の自分に出来る事を出し切り、良い結果が出る事を思い努力します。
          
遠藤が記す通り、板川のリーチは対局者に相当のプレッシャーをかけたことは間違いない事実であるのだから。
板川 和俊
「今節は、首位の古川さんとの差を、50ポイント以上縮めることをテーマに対局に挑みましたが、はじめてのボロ敗けでした。
1回戦、勝負手が入り続けますが、アガリに結び付かずオーラスあがり浮きの2着。
2回戦はトップとし、早くも50ポイント以上差を縮めましたが、だけどなにかしっくりこない。不安は的中しました。
以降ラス、ラスと続き、貯金をすべて吐き出す大敗。自分の不甲斐なさが情けない。また一から出直します。自分に『活』だ!
確かに本人が記す通り、好調の板川が大崩れするのは本当に珍しいことである。
もし板川に敗因があるとしたら、古川との点差を意識しすぎてしまったことかもしれない。
逆に言えば、古川の精神力の強さを私は評価したい。
1回戦の古川のアガリは、ピンフの1,000点だけで当然のごとくラスを受け止めた。
仕掛けの多さもアグレッシブだが、危なげな牌はキチンと止めてテンパイを崩し、放銃が一度もなかった。
そして、トータルポイントをプラスで纏め上げたのは流石というべきだろう。
残念ながら古川のコメントはもらえなかった。
白鳥 翔
「ここ数ヶ月、麻雀の内容について麻雀プロとはどうあるべきか、そればかり考えて過ごしていました。
雀力の低さ故か、いわゆる『綺麗に』打とうと思えば勝ちきれず、がむしゃらに打てば内容に満足できない。
そうして今期ここまで調子を崩し、降級もあり得る位置まで来てしまい、今節を迎えました。
『余計なことは考えずに自分らしく打とう』 そう決めて対局に望み、1回戦目はトップ、今節は+30弱という結果に終わりました。
3回戦目、長い対局で集中力が切れてしまい、それがなければもっと得点を上積みできたと思います。
日々思うのは、僕達若い世代がもっと強くならなければ、ということです。
先輩方より努力しないで、追い付き追い越せる筈がない。精進あるのみです。」
勝ち頭の白鳥のコメントである。
若者らしい将来を見据えた好感の持てる文である。
板川、勝又が沈んでしまった今節、残り2節ということを考えれば、猿川、古川、黒沢の3者の争いと見るのが妥当なところだろう。
最後にトータルトップに立った、猿川の言葉で締めくくりたいと思う。
猿川真寿
「今回の勝因は、開始前に荒さんにかけられた一言のおかげだと思っている。
自分は組み合わせを見てからずっと、昇級争いをしている勝又との戦い方ばかりを考えていた。
荒さんは「2人で勝ち上がる気で打てばいいんだよ」と、自分が何かを尋ねたわけではないのに声をかけてくれた。
傍目から見ても、かかっているように見えていたという事だろう。そのおかげで冷静に打てたのが勝因だと思っている。
今節の内容の出来に関しては、うまく打てたと思えたのは2回戦ぐらいで正直あとはあまり覚えていない。
ただ近年、稀に見るぐらい手が入っていたので苦労したという印象があまりなく余計そう思う。
これでとりあえず、首位に返り咲くことができたが、黒沢、古川さんとも50P差ぐらいで、まだ全然安心はできない状況である。
自分の考えでは、勝負事は「無欲」の方が強いと思っているが、これほど勝ちたいと思ったことはないぐらい「勝ちたい」と思っている。
残り2節、平常心を保って戦いに挑める努力に徹しようと思っている。」
       
       

第70回:浜上 文吾

はじめまして、こんにちは。
手塚紗掬プロよりバトンを頂きました、九州本部の浜上文吾です。

今回、このような機会を頂き大変光栄に思います。
九州本部のこと。第29期十段戦のことを中心に書きたいと思います。

まずは簡単な自己紹介から。
1976年12月21日生まれ 35歳
九州本部副本部長 18期生 四段 B2リーグ
鹿児島県出身

< 九州本部 >
私は現在、福岡市在住で、九州を中心に競技麻雀の普及活動をしています。
私の所属している九州本部は、2004年4月に設立され、同時に、九州第1期生としてプロデビューをしました。(その時は九州支部として設立)

当時は、九州の競技麻雀人口は少なく、リーグ戦を開催するにも参加者が集まらない、活動場所も限定され苦悩の日々が続きました。
少しでも多くの方に競技麻雀を普及させたいと思った私がとった行動は、
まずプロリーグ(鳳凰戦)に参戦し、そこで見て感じたものを九州で伝えていくということでした。

そして、プロリーグデビュー戦(C3リーグ)を迎えます。
会場に着くと、そこはもう活気のあるこれまでとは違う別空間でした。緊張で手も震えます。
対局内容は全く覚えていませんが、第1節は+115.1Pで首位。そのまま5節、真っ直ぐ攻めて優勝することができました。
それからは、九州に戻るたびに自分の対局のこと、他のリーグのこと、円滑な運営方法等を仲間に伝える日々が続きました。

最初はあまり理解されずに孤独な時期もありましたが、同期で、今回第29期十段戦を共に戦った安東裕允、
そしてジャガー真鍋や北関東副支部長の大川哲哉(当時は九州所属)と、少人数ながらも数多くのこと議論し、
お互いを支え合うことができたことが、少しずつ理解されるようになり、今の九州本部に繋がったのだと思います。

C3リーグを優勝したものの、その後は大事なところで勝ち切れなく残留が続き停滞していました。
ただ1つ、デビュー時から続いていることは、プロリーグやタイトル戦で上京した時には、必ず観戦をしてメモを取り、質問して自分なりに考えることです。
(今でも時間のある限り、A1からD3リーグまで観戦しています)

考えた結果、自分の麻雀を見つめ直し、門前手役重視にスタイルチェンジしていきました。
リーグ戦でも結果が良くなり、長年在籍したC1リーグからB2リーグに昇級を果たしました。
九州に戻り仲間に私の考え方を伝えます。

理解されない部分も多々ありますが、私にとって伝えることができる環境がある九州本部は大きな財産です。
年々在籍人数も増え、現在九州本部には50名弱が在籍しており、競技麻雀を普及させる土台はようやくできたと思っています。
次なる課題は強い選手の育成です。

正直、中央のレベルにはまだまだ程遠いものです。
どうすれば強くなれるのか、未だ私も試行錯誤の毎日ですが、中央での限られた時間の中で、
多くのことを学び、九州本部に持ち帰り全体のレベルアップに繋げて行きたいと思います。

< 第29期十段戦>
私は第12期九州リーグを優勝して、第29期十段戦は五段戦からのシードでした。
五段戦の受付で運営をしていた、第28期十段位の瀬戸熊直樹プロから、

「浜上~、九州本部の代表枠で五段戦シードだから情けない対局はするなよ!」と・・・

この一言で、気合が入ったのかは定かではありませんが、破竹の快進撃で決勝までコマを進めます。
決勝戦はニコニコ生放送で配信ということで、インタビューからの放送でした。
緊張のあまりインタビューでは何を喋ったのか覚えていません。すぐそこには決勝戦が始まるというのに頭の中は真っ白です。
もちろん目標は優勝ですが、私はこの決勝で今まで自分のやってきた麻雀をすべて出そうという気持ちで対局に臨みました。
第28期十段位の瀬戸熊直樹プロに、自分の力がどれだけ通用するのか戦前からワクワクしていました。

★1回戦(起家から、瀬戸熊・堀内・浜上・仁平)抜け番:安東

開局、瀬戸熊プロの、

一万一万七万八万九万一索二索三索七索八索九索東東

このリーチ12,000のアガリを見て、迫力に圧倒されてしまいます。
しかし、自分らしく打とうと言い聞かせチャンスを待つと、東2局1本場に、

四万四万四万二筒三筒四筒五筒六筒西西中中中 ドラ四万

このテンパイで即リーチ。
終局間際の16巡目に一筒ツモで3,000・6,000。

必ず最初のテンパイはリーチを打つと決めていましたので、かなり感触の良いアガリでしたが、
要所要所で力の差を見せつけられ、その後は原点を割り1回戦は終了しました。
ただ、先ほどまで緊張していた私はどこにいったのか?落ち着いて対局できているとは感じました。
しかしながら、3日間という長いスパンの決勝戦を戦ってみて、ミスも一番多かったのではないかと思います。

★4回戦(起家から、堀内・浜上・安東・瀬戸熊)抜け番:仁平

3回戦終了時
瀬戸熊直樹+27.9P  浜上文吾+15.2P  堀内正人▲8.6P  仁平宣明▲10.3P  安東裕允▲24.2P

この時、得点はこうなっており、瀬戸熊プロ追走一番手に付けていました。
その4回戦南2局4巡目に、

一万二万三万一索一索二索三索三索四索四索七索白白 ドラ九索

ここにツモ六索でホンイツに移行し打三万

一索一索二索三索三索四索四索六索七索白白白中

そしてツモ西で打中の直後に、瀬戸熊プロからドラの九索を打たれ、これで我慢が効かなくなり、堀内プロの打八索に仕掛けてテンパイを入れてしまいます。
この、局面を合わせに行った点が最大のミスでした。
でも、今後はこのようにメンタル面で追い込まれても楽をしてはいけない、腰を重くしどっしりと構える、ということをこの十段戦で学ぶことができました。

★11回戦(起家から、浜上・瀬戸熊・仁平・堀内)

東4局の堀内プロの連荘で、置き去りにされた11回戦南1局。
配牌は、

一万四万九万三索三索四索一筒八筒九筒九筒南南中中 ドラ東

こうで、序盤からツモが効き、結果的には、

一筒一筒八筒八筒九筒九筒南南北発発中中

残り1枚の待ちの北七対子テンパイとなりましたが、堀内プロに早々とドラの東を打たれた以上、
ファーストテンパイの発待ちのリーチじゃないか?序盤から積極的に仕掛けるべきでは?中は仕掛けるべきではないか?等、多くの質問を受ける局となりました。

この時の私の考えは、この十段戦決勝は、門前で仕上がりそうな高打点が見込める手は、ポンテン、チーテン以外は取らないと考えていました。
すべての対局が終了し、瀬戸熊プロの優勝を目の前で見て悔しい思いはしましたが、
予選も含め、私にとって第29期十段戦は、今後の為に良い経験になったのではないかと思います。
来年また、瀬戸熊プロに挑戦できるように、日々訓練して頑張りたいと思います。

拙い文章でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。

つぎは、プロクイーン優勝の、安田麻里菜プロにバトンを渡したいと思います。
よろしくお願いします!

リレーエッセィ/第70回:浜上 文吾

はじめまして、こんにちは。
手塚紗掬プロよりバトンを頂きました、九州本部の浜上文吾です。
今回、このような機会を頂き大変光栄に思います。
九州本部のこと。第29期十段戦のことを中心に書きたいと思います。
まずは簡単な自己紹介から。
1976年12月21日生まれ 35歳
九州本部副本部長 18期生 四段 B2リーグ
鹿児島県出身
< 九州本部 >
私は現在、福岡市在住で、九州を中心に競技麻雀の普及活動をしています。
私の所属している九州本部は、2004年4月に設立され、同時に、九州第1期生としてプロデビューをしました。(その時は九州支部として設立)
当時は、九州の競技麻雀人口は少なく、リーグ戦を開催するにも参加者が集まらない、活動場所も限定され苦悩の日々が続きました。
少しでも多くの方に競技麻雀を普及させたいと思った私がとった行動は、
まずプロリーグ(鳳凰戦)に参戦し、そこで見て感じたものを九州で伝えていくということでした。
そして、プロリーグデビュー戦(C3リーグ)を迎えます。
会場に着くと、そこはもう活気のあるこれまでとは違う別空間でした。緊張で手も震えます。
対局内容は全く覚えていませんが、第1節は+115.1Pで首位。そのまま5節、真っ直ぐ攻めて優勝することができました。
それからは、九州に戻るたびに自分の対局のこと、他のリーグのこと、円滑な運営方法等を仲間に伝える日々が続きました。
最初はあまり理解されずに孤独な時期もありましたが、同期で、今回第29期十段戦を共に戦った安東裕允、
そしてジャガー真鍋や北関東副支部長の大川哲哉(当時は九州所属)と、少人数ながらも数多くのこと議論し、
お互いを支え合うことができたことが、少しずつ理解されるようになり、今の九州本部に繋がったのだと思います。
C3リーグを優勝したものの、その後は大事なところで勝ち切れなく残留が続き停滞していました。
ただ1つ、デビュー時から続いていることは、プロリーグやタイトル戦で上京した時には、必ず観戦をしてメモを取り、質問して自分なりに考えることです。
(今でも時間のある限り、A1からD3リーグまで観戦しています)
考えた結果、自分の麻雀を見つめ直し、門前手役重視にスタイルチェンジしていきました。
リーグ戦でも結果が良くなり、長年在籍したC1リーグからB2リーグに昇級を果たしました。
九州に戻り仲間に私の考え方を伝えます。
理解されない部分も多々ありますが、私にとって伝えることができる環境がある九州本部は大きな財産です。
年々在籍人数も増え、現在九州本部には50名弱が在籍しており、競技麻雀を普及させる土台はようやくできたと思っています。
次なる課題は強い選手の育成です。
正直、中央のレベルにはまだまだ程遠いものです。
どうすれば強くなれるのか、未だ私も試行錯誤の毎日ですが、中央での限られた時間の中で、
多くのことを学び、九州本部に持ち帰り全体のレベルアップに繋げて行きたいと思います。
< 第29期十段戦>
私は第12期九州リーグを優勝して、第29期十段戦は五段戦からのシードでした。
五段戦の受付で運営をしていた、第28期十段位の瀬戸熊直樹プロから、
「浜上~、九州本部の代表枠で五段戦シードだから情けない対局はするなよ!」と・・・
この一言で、気合が入ったのかは定かではありませんが、破竹の快進撃で決勝までコマを進めます。
決勝戦はニコニコ生放送で配信ということで、インタビューからの放送でした。
緊張のあまりインタビューでは何を喋ったのか覚えていません。すぐそこには決勝戦が始まるというのに頭の中は真っ白です。
もちろん目標は優勝ですが、私はこの決勝で今まで自分のやってきた麻雀をすべて出そうという気持ちで対局に臨みました。
第28期十段位の瀬戸熊直樹プロに、自分の力がどれだけ通用するのか戦前からワクワクしていました。
★1回戦(起家から、瀬戸熊・堀内・浜上・仁平)抜け番:安東
開局、瀬戸熊プロの、
一万一万七万八万九万一索二索三索七索八索九索東東
このリーチ12,000のアガリを見て、迫力に圧倒されてしまいます。
しかし、自分らしく打とうと言い聞かせチャンスを待つと、東2局1本場に、
四万四万四万二筒三筒四筒五筒六筒西西中中中 ドラ四万
このテンパイで即リーチ。
終局間際の16巡目に一筒ツモで3,000・6,000。
必ず最初のテンパイはリーチを打つと決めていましたので、かなり感触の良いアガリでしたが、
要所要所で力の差を見せつけられ、その後は原点を割り1回戦は終了しました。
ただ、先ほどまで緊張していた私はどこにいったのか?落ち着いて対局できているとは感じました。
しかしながら、3日間という長いスパンの決勝戦を戦ってみて、ミスも一番多かったのではないかと思います。
★4回戦(起家から、堀内・浜上・安東・瀬戸熊)抜け番:仁平
3回戦終了時
瀬戸熊直樹+27.9P  浜上文吾+15.2P  堀内正人▲8.6P  仁平宣明▲10.3P  安東裕允▲24.2P
この時、得点はこうなっており、瀬戸熊プロ追走一番手に付けていました。
その4回戦南2局4巡目に、
一万二万三万一索一索二索三索三索四索四索七索白白 ドラ九索
ここにツモ六索でホンイツに移行し打三万
一索一索二索三索三索四索四索六索七索白白白中
そしてツモ西で打中の直後に、瀬戸熊プロからドラの九索を打たれ、これで我慢が効かなくなり、堀内プロの打八索に仕掛けてテンパイを入れてしまいます。
この、局面を合わせに行った点が最大のミスでした。
でも、今後はこのようにメンタル面で追い込まれても楽をしてはいけない、腰を重くしどっしりと構える、ということをこの十段戦で学ぶことができました。
★11回戦(起家から、浜上・瀬戸熊・仁平・堀内)
東4局の堀内プロの連荘で、置き去りにされた11回戦南1局。
配牌は、
一万四万九万三索三索四索一筒八筒九筒九筒南南中中 ドラ東
こうで、序盤からツモが効き、結果的には、
一筒一筒八筒八筒九筒九筒南南北発発中中
残り1枚の待ちの北七対子テンパイとなりましたが、堀内プロに早々とドラの東を打たれた以上、
ファーストテンパイの発待ちのリーチじゃないか?序盤から積極的に仕掛けるべきでは?中は仕掛けるべきではないか?等、多くの質問を受ける局となりました。
この時の私の考えは、この十段戦決勝は、門前で仕上がりそうな高打点が見込める手は、ポンテン、チーテン以外は取らないと考えていました。
すべての対局が終了し、瀬戸熊プロの優勝を目の前で見て悔しい思いはしましたが、
予選も含め、私にとって第29期十段戦は、今後の為に良い経験になったのではないかと思います。
来年また、瀬戸熊プロに挑戦できるように、日々訓練して頑張りたいと思います。
拙い文章でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。
つぎは、プロクイーン優勝の、安田麻里菜プロにバトンを渡したいと思います。
よろしくお願いします!

第71回『強者の傾向』

前回の中級講座では、得たデータや知識を応用して使うことが必要ではないか、と述べた。
今回はその事について、少しお話させて頂こうと思う。

現在、ネット麻雀のデータから見られる強者の傾向として、アガリ率が高く平均アガリ点が若干低い、仕掛ける率が高いなどがある。

例えば、同じ8,000点を加点するのでも、1度8,000点をアガるよりも、2,000点を4回アガる方が有効であると考えられている。
何故なら、多くの局数をアガった方が、相手のアガリを潰すことにもなり、自身の失点の回避にも繋がるからである。

しかし、4人で行っているゲームである以上、アガリ率を極端に上昇させることは難しく上の例で考えてみても、
同じ半荘内で、8,000点1度よりも、2,000点を4回アガることの方が遥かに困難だろう。

更に、考え方を少し間違えてしまうと、例えば下記の様な手牌から、

六万七万二索三索四索四索五索六索八索八索六筒七筒北 ドラ七万

※半荘戦の東1局、5巡目のものとする

チーして2,000点のテンパイにとりかねない。
この行為は、強者の傾向同様に、アガリ率を上げていて、アガリ点が下がっているが、これはどうだろうか?
確かに、この局自体のアガリ率は上昇しているが、半荘という単位で考えれば、到底得な選択とは思えない。

一般的なルールでは、順位に対するウマやトップに対してのオカがつく場合がほとんどなので、
決定打になるようなアガリの可能性が高い時は、その様に打つべきなのである。

上記の手牌はまだ序盤で、門前でテンパイしてリーチをすれば満貫、ツモや一発、裏ドラ次第では跳満にもなるので、やはり鳴かないのが得策だろう。
これは極端な例だったかもしれないが、では以下の手牌ではどうだろう。

東1局の親で7巡目、

三万三万三万五索五索六索六索五筒六筒七筒八筒八筒 ドラ三万

五索六索も場には出ていない。
場況をつけてしまうと判断が変わってしまう為、特に偏りは無しという設定にしておこう。
現状、このままの形でツモれば三暗刻がついて6,000オールの手牌で、出アガリは12,000点。
ただ、待ちが五索六索のシャンポンで非常に悪い。ここに上家から四索が打たれたとしよう。

打点重視の方の中には抵抗がある方もいるかと思うが、自分はこの手牌ならばチーを推奨する。
鳴いても12,000点あり、門前での出アガリの打点と変わらないことや、アガリやすさにかなりの違いがあると思うからである。
では、同じ状況、同じ手牌で、今度はドラが北であったらどうだろうか。

三万三万三万五索五索六索六索五筒六筒七筒八筒八筒 ドラ北

リーチを打っているという方もいるかもしれないが、四索七索引きでタンヤオ、高目イーペーコーのリーチが打てるので、自分はヤミテンを選択する。
そしてこの手牌の場合は、ここで上家から四索を打たれてもチーはしない。
確かにアガリ率は下がるだろうが、そのままの形でツモれば4,000オールという大きなアドバンテージを逃したくないからである。

また、前述した様に、高目7,700の両面リーチが打てる可能性もあるが、先程のケースと違い、
鳴いてしまえばカンでドラが増えたりしない限り、ほぼ1,500点なのである。
このケースでは、何か特別な状況がない限り鳴かない方が得策と見る。

他の手牌ではこの様なケース。
東1局、子方で8巡目 (一発・裏ドラありの半荘戦)

二万三万三万二索三索六索七索八索二筒三筒四筒中中 ドラ七索

ここから1枚目の中をポンテンにとるか。
8巡目という中盤にさしかかった巡目で、門前でいけば不確定だが三色もあり、高打点が見込める。

また、ドラが北だったら?1枚目の中をスルーしたら2枚目はどうするのか?
これは打ち手、場況によって大分変わってくるところだろう。
ただ、深く考えずに「強者の傾向に合わせる」為に、アガリ率をあげようと1枚目から鳴く、というのは違うと思う。

麻雀というのはとても複雑で不確定な部分もたくさんある。
故に、こちらの方が恐らくいいだろうという打牌はできても、全て完璧にというのは出来ないものなのではないかと思っている。
完璧な選択をしたとしても、それが裏目に出ることももちろんある。だからこそ、様々なフォームの強者が存在するのだろう。

麻雀プロの中でも強い人はたくさんいるが、人によって、攻撃と守備のバランスも全く違う。
大切なのは、基礎をしっかりと理解した上で、自分の中のフォーム、バランス感覚を鍛えていくことである。

以前、何かの記事で最も良いとされる強者の放銃率は~%、というものがあった。
それ以下ではオリすぎ、それ以上では攻めすぎ、ということなのだと思う。
極論を言ってしまえば、放銃率は低ければ低い程良いのである。アガリ率は高ければ高い程良く、平均打点は高い方が良い。
前回の記事で、読みの大切さについて話したが、読むことによって放銃率を下げ、また深く攻めることができるので、
それで、またアガリ率を上げることができるのである。

データ上の強者のバランスに合わせるのではなく、自分にあったフォームを見つけ、
その上でバランスを取ることが、雀力上達への近道と言えるのではないだろうか。

中級/第71回『強者の傾向』

前回の中級講座では、得たデータや知識を応用して使うことが必要ではないか、と述べた。
今回はその事について、少しお話させて頂こうと思う。
現在、ネット麻雀のデータから見られる強者の傾向として、アガリ率が高く平均アガリ点が若干低い、仕掛ける率が高いなどがある。
例えば、同じ8,000点を加点するのでも、1度8,000点をアガるよりも、2,000点を4回アガる方が有効であると考えられている。
何故なら、多くの局数をアガった方が、相手のアガリを潰すことにもなり、自身の失点の回避にも繋がるからである。
しかし、4人で行っているゲームである以上、アガリ率を極端に上昇させることは難しく上の例で考えてみても、
同じ半荘内で、8,000点1度よりも、2,000点を4回アガることの方が遥かに困難だろう。
更に、考え方を少し間違えてしまうと、例えば下記の様な手牌から、
六万七万二索三索四索四索五索六索八索八索六筒七筒北 ドラ七万
※半荘戦の東1局、5巡目のものとする
チーして2,000点のテンパイにとりかねない。
この行為は、強者の傾向同様に、アガリ率を上げていて、アガリ点が下がっているが、これはどうだろうか?
確かに、この局自体のアガリ率は上昇しているが、半荘という単位で考えれば、到底得な選択とは思えない。
一般的なルールでは、順位に対するウマやトップに対してのオカがつく場合がほとんどなので、
決定打になるようなアガリの可能性が高い時は、その様に打つべきなのである。
上記の手牌はまだ序盤で、門前でテンパイしてリーチをすれば満貫、ツモや一発、裏ドラ次第では跳満にもなるので、やはり鳴かないのが得策だろう。
これは極端な例だったかもしれないが、では以下の手牌ではどうだろう。
東1局の親で7巡目、
三万三万三万五索五索六索六索五筒六筒七筒八筒八筒 ドラ三万
五索六索も場には出ていない。
場況をつけてしまうと判断が変わってしまう為、特に偏りは無しという設定にしておこう。
現状、このままの形でツモれば三暗刻がついて6,000オールの手牌で、出アガリは12,000点。
ただ、待ちが五索六索のシャンポンで非常に悪い。ここに上家から四索が打たれたとしよう。
打点重視の方の中には抵抗がある方もいるかと思うが、自分はこの手牌ならばチーを推奨する。
鳴いても12,000点あり、門前での出アガリの打点と変わらないことや、アガリやすさにかなりの違いがあると思うからである。
では、同じ状況、同じ手牌で、今度はドラが北であったらどうだろうか。
三万三万三万五索五索六索六索五筒六筒七筒八筒八筒 ドラ北
リーチを打っているという方もいるかもしれないが、四索七索引きでタンヤオ、高目イーペーコーのリーチが打てるので、自分はヤミテンを選択する。
そしてこの手牌の場合は、ここで上家から四索を打たれてもチーはしない。
確かにアガリ率は下がるだろうが、そのままの形でツモれば4,000オールという大きなアドバンテージを逃したくないからである。
また、前述した様に、高目7,700の両面リーチが打てる可能性もあるが、先程のケースと違い、
鳴いてしまえばカンでドラが増えたりしない限り、ほぼ1,500点なのである。
このケースでは、何か特別な状況がない限り鳴かない方が得策と見る。
他の手牌ではこの様なケース。
東1局、子方で8巡目 (一発・裏ドラありの半荘戦)
二万三万三万二索三索六索七索八索二筒三筒四筒中中 ドラ七索
ここから1枚目の中をポンテンにとるか。
8巡目という中盤にさしかかった巡目で、門前でいけば不確定だが三色もあり、高打点が見込める。
また、ドラが北だったら?1枚目の中をスルーしたら2枚目はどうするのか?
これは打ち手、場況によって大分変わってくるところだろう。
ただ、深く考えずに「強者の傾向に合わせる」為に、アガリ率をあげようと1枚目から鳴く、というのは違うと思う。
麻雀というのはとても複雑で不確定な部分もたくさんある。
故に、こちらの方が恐らくいいだろうという打牌はできても、全て完璧にというのは出来ないものなのではないかと思っている。
完璧な選択をしたとしても、それが裏目に出ることももちろんある。だからこそ、様々なフォームの強者が存在するのだろう。
麻雀プロの中でも強い人はたくさんいるが、人によって、攻撃と守備のバランスも全く違う。
大切なのは、基礎をしっかりと理解した上で、自分の中のフォーム、バランス感覚を鍛えていくことである。
以前、何かの記事で最も良いとされる強者の放銃率は~%、というものがあった。
それ以下ではオリすぎ、それ以上では攻めすぎ、ということなのだと思う。
極論を言ってしまえば、放銃率は低ければ低い程良いのである。アガリ率は高ければ高い程良く、平均打点は高い方が良い。
前回の記事で、読みの大切さについて話したが、読むことによって放銃率を下げ、また深く攻めることができるので、
それで、またアガリ率を上げることができるのである。
データ上の強者のバランスに合わせるのではなく、自分にあったフォームを見つけ、
その上でバランスを取ることが、雀力上達への近道と言えるのではないだろうか。

第11期 関西プロリーグ Aリーグ 第8節成績表

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 6 節 7 節 8 節 9 節 10 節 合計 順位
1 貫上 洋志 53.7 ▲ 11.5 1.5 10.5 ▲ 11.6 40.4 62.6 52.7 198.3 1
2 岡崎 有 3.8 80.9 38 33.7 ▲ 2.0 15 15.9 ▲ 21.7 163.6 2
3 中田 一幸 ▲ 52.4 34 ▲ 21.7 22.8 41.4 17.3 4.8 58.9 105.1 3
4 花岡 章生 31.1 30.4 14.7 ▲ 17.7 ▲ 29.7 6.6 37.9 29.3 102.6 4
5 藤川 議次 ▲ 29.2 ▲ 13.4 89.3 50.5 9.8 ▲ 13.6 ▲ 47.1 ▲ 2.1 44.2 5
6 玉木 章司 ▲ 31.5 ▲ 90.0 14.7 0.2 4.9 77 29 ▲ 5.2 ▲ 0.9 6
7 中川 保 48.6 ▲ 9.1 ▲ 38.4 1.8 54.2 ▲ 101.4 25 8 ▲ 11.3 7
8 仁科 健一郎 30.2 ▲ 20.0 ▲ 8.0 ▲ 30.5 3.8 31.4 ▲ 55.6 ▲ 24.3 ▲ 73.0 8
9 佐々木 亮 1.9 21.2 9 28.6 ▲ 21.4 ▲ 79.3 ▲ 49.5 ▲ 37.9 ▲ 127.4 9
10 横山 毅 ▲ 54.3 ▲ 21.3 ▲ 59.1 ▲ 49.6 15.4 25.6 ▲ 2.6 ▲ 21.0 ▲ 166.9 10
11 上村 宜久 ▲ 45.6 ▲ 7.1 ▲ 8.3 ▲ 38.8 ▲ 37.7 ▲ 19.0 ▲ 21.4 ▲ 36.7 ▲ 214.6 11

関西プロリーグ 成績表/第11期 関西プロリーグ Aリーグ 第8節成績表

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 6 節 7 節 8 節 9 節 10 節 合計 順位
1 貫上 洋志 53.7 ▲ 11.5 1.5 10.5 ▲ 11.6 40.4 62.6 52.7 198.3 1
2 岡崎 有 3.8 80.9 38 33.7 ▲ 2.0 15 15.9 ▲ 21.7 163.6 2
3 中田 一幸 ▲ 52.4 34 ▲ 21.7 22.8 41.4 17.3 4.8 58.9 105.1 3
4 花岡 章生 31.1 30.4 14.7 ▲ 17.7 ▲ 29.7 6.6 37.9 29.3 102.6 4
5 藤川 議次 ▲ 29.2 ▲ 13.4 89.3 50.5 9.8 ▲ 13.6 ▲ 47.1 ▲ 2.1 44.2 5
6 玉木 章司 ▲ 31.5 ▲ 90.0 14.7 0.2 4.9 77 29 ▲ 5.2 ▲ 0.9 6
7 中川 保 48.6 ▲ 9.1 ▲ 38.4 1.8 54.2 ▲ 101.4 25 8 ▲ 11.3 7
8 仁科 健一郎 30.2 ▲ 20.0 ▲ 8.0 ▲ 30.5 3.8 31.4 ▲ 55.6 ▲ 24.3 ▲ 73.0 8
9 佐々木 亮 1.9 21.2 9 28.6 ▲ 21.4 ▲ 79.3 ▲ 49.5 ▲ 37.9 ▲ 127.4 9
10 横山 毅 ▲ 54.3 ▲ 21.3 ▲ 59.1 ▲ 49.6 15.4 25.6 ▲ 2.6 ▲ 21.0 ▲ 166.9 10
11 上村 宜久 ▲ 45.6 ▲ 7.1 ▲ 8.3 ▲ 38.8 ▲ 37.7 ▲ 19.0 ▲ 21.4 ▲ 36.7 ▲ 214.6 11

第11期 関西プロリーグ Bリーグ 第8節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 米川 基紀 ▲ 12.6 8.6 91.3 ▲ 16.3 32.2 71.2 17.8 36.1 228.3 1
2 勝間 伸生 10.7 64.8 27.1 38.2 92.2 ▲ 23.3 ▲ 29.1 ▲ 26.3 154.3 2
3 掛樋 忠雄 ▲ 23.3 43.1 ▲ 45.5 31.8 6.2 48.7 48.8 30.6 140.4 3
4 辻本 翔哉 10.3 23.4 11.4 ▲ 14.2 24.5 48.5 44.5 ▲ 16.4 132.0 4
5 筒井 宏晶 43.4 ▲ 34.0 ▲ 16.2 37.8 15.3 44.8 43.3 ▲ 47.8 86.6 5
6 堀  昭義 ▲ 50.1 65.9 40.7 23.1 ▲ 16.5 27.2 22.9 ▲ 59.9 53.3 6
7 富田 淳一 31.3 37.2 32.0 ▲ 51.8 ▲ 16.3 ▲ 47.7 ▲ 3.7 26.9 7.9 7
8 原田 保正 ▲ 12.1 ▲ 12.8 ▲ 40.8 29.6 32.9 51.1 ▲ 58.6 10.0 ▲ 0.7 8
9 坂本 誠裕 ▲ 7.1 56.3 ▲ 27.0 ▲ 4.0 6.7 6.9 ▲ 50.8 11.6 ▲ 7.4 9
10 西原 佳隆 ▲ 4.8 ▲ 24.3 ▲ 21.6 8.5 ▲ 19.2 ▲ 18.9 30.7 ▲ 12.7 ▲ 62.3 10
11 近野理智男 19.5 ▲ 57.3 ▲ 24.2 ▲ 56.3 4.0 ▲ 8.2 ▲ 37.1 49.2 ▲ 110.4 11
12 大森孝太郎 ▲ 25.4 ▲ 109.2 34.2 ▲ 2.4 ▲ 59.8 ▲ 81.5 24.6 12.2 ▲ 207.3 12
13 延原 明美 ▲ 6.4 ▲ 36.3 8.2 3.2 ▲ 32.4 ▲ 120.5 ▲ 53.3 ▲ 16.5 ▲ 254.0 13

関西プロリーグ 成績表/第11期 関西プロリーグ Bリーグ 第8節成績表

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 米川 基紀 ▲ 12.6 8.6 91.3 ▲ 16.3 32.2 71.2 17.8 36.1 228.3 1
2 勝間 伸生 10.7 64.8 27.1 38.2 92.2 ▲ 23.3 ▲ 29.1 ▲ 26.3 154.3 2
3 掛樋 忠雄 ▲ 23.3 43.1 ▲ 45.5 31.8 6.2 48.7 48.8 30.6 140.4 3
4 辻本 翔哉 10.3 23.4 11.4 ▲ 14.2 24.5 48.5 44.5 ▲ 16.4 132.0 4
5 筒井 宏晶 43.4 ▲ 34.0 ▲ 16.2 37.8 15.3 44.8 43.3 ▲ 47.8 86.6 5
6 堀  昭義 ▲ 50.1 65.9 40.7 23.1 ▲ 16.5 27.2 22.9 ▲ 59.9 53.3 6
7 富田 淳一 31.3 37.2 32.0 ▲ 51.8 ▲ 16.3 ▲ 47.7 ▲ 3.7 26.9 7.9 7
8 原田 保正 ▲ 12.1 ▲ 12.8 ▲ 40.8 29.6 32.9 51.1 ▲ 58.6 10.0 ▲ 0.7 8
9 坂本 誠裕 ▲ 7.1 56.3 ▲ 27.0 ▲ 4.0 6.7 6.9 ▲ 50.8 11.6 ▲ 7.4 9
10 西原 佳隆 ▲ 4.8 ▲ 24.3 ▲ 21.6 8.5 ▲ 19.2 ▲ 18.9 30.7 ▲ 12.7 ▲ 62.3 10
11 近野理智男 19.5 ▲ 57.3 ▲ 24.2 ▲ 56.3 4.0 ▲ 8.2 ▲ 37.1 49.2 ▲ 110.4 11
12 大森孝太郎 ▲ 25.4 ▲ 109.2 34.2 ▲ 2.4 ▲ 59.8 ▲ 81.5 24.6 12.2 ▲ 207.3 12
13 延原 明美 ▲ 6.4 ▲ 36.3 8.2 3.2 ▲ 32.4 ▲ 120.5 ▲ 53.3 ▲ 16.5 ▲ 254.0 13

第11期 関西プロリーグ C1リーグ 後期第3節成績表

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 上村 政雄 33.1 ▲ 14.1 98.7 117.7
2 中野 孝治 25.3 ▲ 12.7 65.7 78.3
3 中安 武尊 11.1 14.6 28.2 53.9
4 大橋 慶一郎 49.3 ▲ 1.0 2.2 50.5
5 後藤 俊孝 6.7 53.4 ▲ 30.5 29.6
6 宮田 豊夢 31.6 14.8 ▲ 17.8 28.6
7 三好 直幸 ▲ 9.2 50.1 ▲ 14.0 26.9
8 丸山 直 42 13 ▲ 44.8 10.2
9 谷上 脩平 ▲ 49.4 36.4 10.8 ▲ 2.2
10 原田 潤次 19.6 ▲ 24.8 ▲ 5.1 ▲ 10.3
11 高柳 将史 ▲ 32.1 ▲ 40.9 30.5 ▲ 42.5
12 近野 弥生 ▲ 75.4 ▲ 13.5 20.7 ▲ 68.2
13 田村 豊 32.4 ▲ 89.4 ▲ 33.7 ▲ 90.7
14 山室 太二 ▲ 83.0 ▲ 24.6 1.3 ▲ 106.3
15 山中 翼 ▲ 39.9 7.9 ▲ 82.1 ▲ 114.1
16 藤原 仙三 ▲ 82.1 ▲ 9.2 ▲ 30.1 ▲ 121.4

関西プロリーグ 成績表/第11期 関西プロリーグ C1リーグ 後期第3節成績表

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 上村 政雄 33.1 ▲ 14.1 98.7 117.7
2 中野 孝治 25.3 ▲ 12.7 65.7 78.3
3 中安 武尊 11.1 14.6 28.2 53.9
4 大橋 慶一郎 49.3 ▲ 1.0 2.2 50.5
5 後藤 俊孝 6.7 53.4 ▲ 30.5 29.6
6 宮田 豊夢 31.6 14.8 ▲ 17.8 28.6
7 三好 直幸 ▲ 9.2 50.1 ▲ 14.0 26.9
8 丸山 直 42 13 ▲ 44.8 10.2
9 谷上 脩平 ▲ 49.4 36.4 10.8 ▲ 2.2
10 原田 潤次 19.6 ▲ 24.8 ▲ 5.1 ▲ 10.3
11 高柳 将史 ▲ 32.1 ▲ 40.9 30.5 ▲ 42.5
12 近野 弥生 ▲ 75.4 ▲ 13.5 20.7 ▲ 68.2
13 田村 豊 32.4 ▲ 89.4 ▲ 33.7 ▲ 90.7
14 山室 太二 ▲ 83.0 ▲ 24.6 1.3 ▲ 106.3
15 山中 翼 ▲ 39.9 7.9 ▲ 82.1 ▲ 114.1
16 藤原 仙三 ▲ 82.1 ▲ 9.2 ▲ 30.1 ▲ 121.4

第11期 関西プロリーグ C2リーグ 後期第3節成績表

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 赤木 由実 ▲ 50.3 63.8 78.8 92.3
2 森元 直哉 35.5 54.3 ▲ 2.8 87
3 木下 恭子 24.3 ▲ 23.4 67.5 68.4
4 山本 善嗣 40.4 14.9 7.6 62.9
5 中山 千鶴 ▲ 19.1 37 ▲ 3.1 14.8
6 高瀬 真濃 69.4 ▲ 4.1 ▲ 65.5 ▲ 0.2
7 森下 恭好 34.6 ▲ 19.2 ▲ 48.7 ▲ 33.3
8 西村 友和 31.6 ▲ 43.3 ▲ 35.8 ▲ 47.5
9 永田 知也 ▲ 41.1 38.3 ▲ 46.5 ▲ 49.3
10 長野 恵美 ▲ 83.6 ▲ 36.5 22.9 ▲ 97.2
11 吉本 卓矢 ▲ 42.7 ▲ 102.8 25.6 ▲ 119.9

関西プロリーグ 成績表/第11期 関西プロリーグ C2リーグ 後期第3節成績表

順位 名前 1 節 2 節 3 節 4 節 5 節 合計
1 赤木 由実 ▲ 50.3 63.8 78.8 92.3
2 森元 直哉 35.5 54.3 ▲ 2.8 87
3 木下 恭子 24.3 ▲ 23.4 67.5 68.4
4 山本 善嗣 40.4 14.9 7.6 62.9
5 中山 千鶴 ▲ 19.1 37 ▲ 3.1 14.8
6 高瀬 真濃 69.4 ▲ 4.1 ▲ 65.5 ▲ 0.2
7 森下 恭好 34.6 ▲ 19.2 ▲ 48.7 ▲ 33.3
8 西村 友和 31.6 ▲ 43.3 ▲ 35.8 ▲ 47.5
9 永田 知也 ▲ 41.1 38.3 ▲ 46.5 ▲ 49.3
10 長野 恵美 ▲ 83.6 ▲ 36.5 22.9 ▲ 97.2
11 吉本 卓矢 ▲ 42.7 ▲ 102.8 25.6 ▲ 119.9