第22期麻雀マスターズ 優勝は小車祥 !

優勝:小車祥  準優勝:四柳弘樹 第3位:西岡慎泰 第4位:勝又健志

・本戦レポート ・トーナメントレポート ・決勝観戦記

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連盟インフォメーション/第22期麻雀マスターズ 優勝は小車祥 !

優勝:小車祥  準優勝:四柳弘樹 第3位:西岡慎泰 第4位:勝又健志
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公式オンライン麻雀ロン2 ロン2カップ2013Springレポート

2013年4月20日(土)都内某所にて、人気プロ達と予選を見事勝ちあがったロン2ユーザーによる、対局者総勢16名の、「ロン2カップ2013spring」が開催されました。

雨が降る、優れないお天気となってしまいましたが、会場は東1局から盛り上がりを見せました。

【大会ルール】
ロン2の「リーチバトルルール」東南戦、一発・裏ドラ・赤ドラあり。

【大会システム】
ロン2サイト内の予選を見事勝ち上がったユーザー代表と、ロン2登場プロが半荘1回戦の予選(A卓~D卓)を行い、トップ者が勝ち上がり。勝ち上がった4名で半荘1回戦の決勝戦を行います。

予選A卓は、連盟A2リーグ所属プロが。

佐々木寿人プロ vs 白鳥翔プロ vs 二階堂亜樹プロ vs 黒沢咲プロ

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左から 黒沢咲プロ、佐々木寿人プロ、二階堂亜樹プロ、白鳥翔プロ

東1局、最初にテンパイをしたのは黒沢咲プロ。
ピンフでヤミテンにしますが、次巡、佐々木寿人プロがカン七筒のリーチをかけます。
黒沢咲プロは、途中まで押していましたが、当たり牌を掴みしっかりオリ。
そこで、回っていた親の二階堂亜樹プロが、ピンフドラのテンパイをいれ、1,300オールをツモアガリます。
そこから女性陣の熱い戦いが繰り広げられ、二階堂亜樹プロの51,200点、黒沢咲プロ47,200点でオーラス。
黒沢咲プロが満貫をツモアガリ、見事決勝進出を決めました。

実況を務めたのは西岡慎泰プロ。
牌譜解説を務めたのはダンプ大橋プロ。

ちなみにダンプ大橋プロは・・・

私を含め、進行中に色々と弄らせて頂きましたが・・・(笑)
怒られるかと思いきや終始ニコニコ、どことなく嬉しそうで・・・良かった良かった(笑)
裏ではお弁当やサンドイッチなど美味しそうにパクパク食べられていて、
ミート大橋・・・あ。ダンプ大橋プロ、さすがです。

予選B卓のメンバーは美女勢ぞろい。

二階堂瑠美プロ vs 蒼井ゆりかプロ vs 白河雪菜プロ vs 桜花さん

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左から 蒼井ゆりかプロ、白河雪菜プロ、桜花さん、二階堂瑠美プロ

そこに立ち向かうは、ユーザー代表選手のおうかさん。

出番前、おうかさんは少し緊張されている様子でしたが、色々とお話をさせて頂いて、麻雀に対する思いをとても感じました。

個人的にも、おうかさん頑張れー!!と応援していましたが・・・
こちらも荒れ模様となりました。

東2局、蒼井ゆりかプロの四暗刻になるテンパイ打牌が、白河雪菜プロのホンイツトイトイに捕まるも、その後、蒼井ゆりかプロの独壇場となり、東3局、東4局と連続一発ツモ。
トドめは親番でメンチンを、おうかさんから捕らえ、持ち点を70,000点近くまで伸ばしました。
二階堂瑠美プロの追い上げも交わし、見事決勝進出。

おうかさんにとっては、ほろ苦い対局となってしまいました。

予選C卓のメンバーは、

小島武夫プロ vs 藤原隆弘プロ vs滝沢和典 vs ほりくんさん

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左から 滝沢和典プロ、藤原隆弘プロ、小島武夫プロ、ほりくんさん

そうそうたるメンツに挑むは、ユーザー代表選手のほりくんさん。

久しぶりのTV対局に、少し緊張していると語っていた藤原隆弘プロ。
東1局に12,000を放銃してしまった滝沢和典プロ。
共に、トップ目に一度は立ちます。

南4局、小島武夫プロ43,000点、藤原隆弘プロ27,300点、滝沢和典プロ35,700点
残すは、ほりくんさんの親番のみ。持ち点は14,000点と苦しかったのですが、ここから3本場まで積み上げ、34,000点まで追い上げトップまで残り6,000点と差を縮めます。

が、しかしここは「ミスター麻雀」。
小島武夫プロが逃げ切り、決勝進出を決めました。

トッププロと互角に戦い、最後まで諦めず冷静に対局を進めたほりくんさんには、視聴者にも多くの感動を与えたことでしょう。

予選D卓のメンバーは、

荒正義プロ vs 瀬戸熊直樹プロ vs 藤崎智プロ vs 前原雄大プロ

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左から 荒正義プロ、瀬戸熊直樹プロ、前原雄大プロ、藤崎智プロ

先日行われた鳳凰位決勝戦と全く同じメンバーです。

鳳凰位戦の屈辱と言わんばかりに、藤崎智プロと、荒正義プロが序盤リードする展開。
白い妖精こと前原雄大プロは、少し苦しい展開。南場に入り、それまで我慢していた瀬戸熊現鳳凰位がついにトップ目に立ち、親番を迎えますが、クマクマタイムが発動する前に、藤崎智プロが満貫をツモアガリます。

オーラス、荒正義プロと、瀬戸熊直樹プロのリーチを、忍者、藤崎智プロが交わしきり決勝進出となりました。

決勝戦に進出したのは、

女性A2リーガーとして活躍する黒沢咲プロ。
予選卓で見事な戦いを見せた蒼井ゆりかプロ。
大物手を作り上げ、見るものを魅了させる小島武夫プロ。
麻雀忍者、A1リーガーの藤崎智プロ。

以上の布陣で繰り広げられました。

 

決勝戦

蒼井ゆりかプロ vs 藤崎智プロ vs 小島武夫プロ vs 黒沢咲プロ

ron2_sp_05

左から 黒沢咲プロ、小島武夫プロ、藤崎智プロ、蒼井ゆりかプロ

決勝戦はとても静かな立ち上がりでした。
東3局ミスター麻雀の親番を迎えるまでは・・・

九種九牌で流局後の1本場、

まず、蒼井ゆりかプロが六筒九筒リーチ、小島武夫プロがツモリ三暗刻の三筒五筒のシャンポンリーチ。
そして、藤崎智プロが三筒六筒のリーチとぶつかります。が、黒沢咲プロの手には六筒九筒はすでに暗刻。
ここは小島武夫プロが、三暗刻の三筒をツモリ4,000オール。
何かが起きる予感を感じさせます。

2本場、ドラの発を一発ツモで6,000は6,100オール。
12,000、4,000オールと、1回の親番で65,000点の荒稼ぎで95,000点!!!!!!
ミスター麻雀。凄い!凄すぎる!!!!
すでに勝負あり。と思っていた矢先のことでした。

黒沢咲プロが、80,000点以上あった点差をみるみる追い上げ15,000点差まで縮めます。
南場に入り、なんとか巻き返したい藤崎智プロと蒼井ゆりかプロでしたが、今日の主役はこの2人でした。

オーラス、小島武夫プロ81,200点、黒沢咲プロ71,700点。緊迫の最終局。
黒沢プロのリーチに勝負し、見事ツモリ合いを制し・・・

ロン2カップ2013springは、小島武夫プロの優勝で幕を閉じました。

ron2_sp_06

優勝した小島武夫プロ

私も、今回始めてMCという立場で参加させて頂きましたが、緊張のあまり手の震えがとまりませんでした。
カメラが回っているとは知らず、思いっきり気を抜いているところが放送されていたりと(笑)視聴者の方には、たどたどしいMCで不安な思いをさせてしまったことでしょう。すいません(笑)

ただ、やはり麻雀は面白く、感動や物語が生まれるものですね。
次回のロン2カップも、きっと熱い戦いとなることでしょう。

是非、お楽しみに!!

優勝を制するのは、そこの貴方かもしれません。
皆様の挑戦をロン2登場プロ一同お待ちしております。

ロン2カップ2013Spring ご視聴はこちら

その他イベント/公式オンライン麻雀ロン2 ロン2カップ2013Springレポート

2013年4月20日(土)都内某所にて、人気プロ達と予選を見事勝ちあがったロン2ユーザーによる、対局者総勢16名の、「ロン2カップ2013spring」が開催されました。
雨が降る、優れないお天気となってしまいましたが、会場は東1局から盛り上がりを見せました。
【大会ルール】
ロン2の「リーチバトルルール」東南戦、一発・裏ドラ・赤ドラあり。
【大会システム】
ロン2サイト内の予選を見事勝ち上がったユーザー代表と、ロン2登場プロが半荘1回戦の予選(A卓~D卓)を行い、トップ者が勝ち上がり。勝ち上がった4名で半荘1回戦の決勝戦を行います。
予選A卓は、連盟A2リーグ所属プロが。
佐々木寿人プロ vs 白鳥翔プロ vs 二階堂亜樹プロ vs 黒沢咲プロ

ron2_sp_01
左から 黒沢咲プロ、佐々木寿人プロ、二階堂亜樹プロ、白鳥翔プロ

東1局、最初にテンパイをしたのは黒沢咲プロ。
ピンフでヤミテンにしますが、次巡、佐々木寿人プロがカン七筒のリーチをかけます。
黒沢咲プロは、途中まで押していましたが、当たり牌を掴みしっかりオリ。
そこで、回っていた親の二階堂亜樹プロが、ピンフドラのテンパイをいれ、1,300オールをツモアガリます。
そこから女性陣の熱い戦いが繰り広げられ、二階堂亜樹プロの51,200点、黒沢咲プロ47,200点でオーラス。
黒沢咲プロが満貫をツモアガリ、見事決勝進出を決めました。
実況を務めたのは西岡慎泰プロ。
牌譜解説を務めたのはダンプ大橋プロ。
ちなみにダンプ大橋プロは・・・
私を含め、進行中に色々と弄らせて頂きましたが・・・(笑)
怒られるかと思いきや終始ニコニコ、どことなく嬉しそうで・・・良かった良かった(笑)
裏ではお弁当やサンドイッチなど美味しそうにパクパク食べられていて、
ミート大橋・・・あ。ダンプ大橋プロ、さすがです。
予選B卓のメンバーは美女勢ぞろい。
二階堂瑠美プロ vs 蒼井ゆりかプロ vs 白河雪菜プロ vs 桜花さん

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左から 蒼井ゆりかプロ、白河雪菜プロ、桜花さん、二階堂瑠美プロ

そこに立ち向かうは、ユーザー代表選手のおうかさん。
出番前、おうかさんは少し緊張されている様子でしたが、色々とお話をさせて頂いて、麻雀に対する思いをとても感じました。
個人的にも、おうかさん頑張れー!!と応援していましたが・・・
こちらも荒れ模様となりました。
東2局、蒼井ゆりかプロの四暗刻になるテンパイ打牌が、白河雪菜プロのホンイツトイトイに捕まるも、その後、蒼井ゆりかプロの独壇場となり、東3局、東4局と連続一発ツモ。
トドめは親番でメンチンを、おうかさんから捕らえ、持ち点を70,000点近くまで伸ばしました。
二階堂瑠美プロの追い上げも交わし、見事決勝進出。
おうかさんにとっては、ほろ苦い対局となってしまいました。
予選C卓のメンバーは、
小島武夫プロ vs 藤原隆弘プロ vs滝沢和典 vs ほりくんさん

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左から 滝沢和典プロ、藤原隆弘プロ、小島武夫プロ、ほりくんさん

そうそうたるメンツに挑むは、ユーザー代表選手のほりくんさん。
久しぶりのTV対局に、少し緊張していると語っていた藤原隆弘プロ。
東1局に12,000を放銃してしまった滝沢和典プロ。
共に、トップ目に一度は立ちます。
南4局、小島武夫プロ43,000点、藤原隆弘プロ27,300点、滝沢和典プロ35,700点
残すは、ほりくんさんの親番のみ。持ち点は14,000点と苦しかったのですが、ここから3本場まで積み上げ、34,000点まで追い上げトップまで残り6,000点と差を縮めます。
が、しかしここは「ミスター麻雀」。
小島武夫プロが逃げ切り、決勝進出を決めました。
トッププロと互角に戦い、最後まで諦めず冷静に対局を進めたほりくんさんには、視聴者にも多くの感動を与えたことでしょう。
予選D卓のメンバーは、
荒正義プロ vs 瀬戸熊直樹プロ vs 藤崎智プロ vs 前原雄大プロ

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左から 荒正義プロ、瀬戸熊直樹プロ、前原雄大プロ、藤崎智プロ

先日行われた鳳凰位決勝戦と全く同じメンバーです。
鳳凰位戦の屈辱と言わんばかりに、藤崎智プロと、荒正義プロが序盤リードする展開。
白い妖精こと前原雄大プロは、少し苦しい展開。南場に入り、それまで我慢していた瀬戸熊現鳳凰位がついにトップ目に立ち、親番を迎えますが、クマクマタイムが発動する前に、藤崎智プロが満貫をツモアガリます。
オーラス、荒正義プロと、瀬戸熊直樹プロのリーチを、忍者、藤崎智プロが交わしきり決勝進出となりました。
決勝戦に進出したのは、
女性A2リーガーとして活躍する黒沢咲プロ。
予選卓で見事な戦いを見せた蒼井ゆりかプロ。
大物手を作り上げ、見るものを魅了させる小島武夫プロ。
麻雀忍者、A1リーガーの藤崎智プロ。
以上の布陣で繰り広げられました。
 
決勝戦
蒼井ゆりかプロ vs 藤崎智プロ vs 小島武夫プロ vs 黒沢咲プロ

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左から 黒沢咲プロ、小島武夫プロ、藤崎智プロ、蒼井ゆりかプロ

決勝戦はとても静かな立ち上がりでした。
東3局ミスター麻雀の親番を迎えるまでは・・・
九種九牌で流局後の1本場、
まず、蒼井ゆりかプロが六筒九筒リーチ、小島武夫プロがツモリ三暗刻の三筒五筒のシャンポンリーチ。
そして、藤崎智プロが三筒六筒のリーチとぶつかります。が、黒沢咲プロの手には六筒九筒はすでに暗刻。
ここは小島武夫プロが、三暗刻の三筒をツモリ4,000オール。
何かが起きる予感を感じさせます。
2本場、ドラの発を一発ツモで6,000は6,100オール。
12,000、4,000オールと、1回の親番で65,000点の荒稼ぎで95,000点!!!!!!
ミスター麻雀。凄い!凄すぎる!!!!
すでに勝負あり。と思っていた矢先のことでした。
黒沢咲プロが、80,000点以上あった点差をみるみる追い上げ15,000点差まで縮めます。
南場に入り、なんとか巻き返したい藤崎智プロと蒼井ゆりかプロでしたが、今日の主役はこの2人でした。
オーラス、小島武夫プロ81,200点、黒沢咲プロ71,700点。緊迫の最終局。
黒沢プロのリーチに勝負し、見事ツモリ合いを制し・・・
ロン2カップ2013springは、小島武夫プロの優勝で幕を閉じました。

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優勝した小島武夫プロ

私も、今回始めてMCという立場で参加させて頂きましたが、緊張のあまり手の震えがとまりませんでした。
カメラが回っているとは知らず、思いっきり気を抜いているところが放送されていたりと(笑)視聴者の方には、たどたどしいMCで不安な思いをさせてしまったことでしょう。すいません(笑)
ただ、やはり麻雀は面白く、感動や物語が生まれるものですね。
次回のロン2カップも、きっと熱い戦いとなることでしょう。
是非、お楽しみに!!
優勝を制するのは、そこの貴方かもしれません。
皆様の挑戦をロン2登場プロ一同お待ちしております。
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第8期 北陸リーグ 第2節レポート

北陸の桜も遅まきながらその花を散らし始めた4月の半ば。
金沢にて、第8期北陸リーグ第2節が開催された。

今節も同卓にて役満が2回出る等、スコアを大きく上下させるものが多く、1位から最下位まで250P以上の差が出来ており、前節以上の縦長の様相を呈してきている。

先ずは前節4位から100Pを叩き出して一気にトップへ駆け上がった飯田さん。
6万超え、7万超えの1人浮きを連発し、香林、安城という女流プロ2人を捻じ伏せる形で、2節目にして145Pという爆発力を見せ付けている。

その他、前節の上位陣も大きくスコアを崩すことなく、特に安定してスコアを重ねている山井、本田は既に決勝を見据えた打ち回しを始めているようにすら感じられる。

北陸リーグ初参加の私は、本田とは今節が初対局だったのだが、堅実に他家を含めてケアする繊細さと、打点に囚われず勝負時を見誤らず攻めてくる大胆さを併せ持つ、腰の入った麻雀をする若手プロで、スコアこそ私が上回りはしたものの、直対という意味では2勝2敗。僅かながら敗北感さえ感じる良い打ち手だった。今後の北陸を担う人材の1人なのだろう。

前節に躓いてしまった後藤、松原は明暗が分かれている。先月の私の予想どおりにスコアを立て直している後藤に対し、松原は役満の親カブリを2回受けてしまうという不運も重なり一層苦しい展開に。

結果として、順位点も含めれば40P以上も振り込みもせずに失ってしまっては松原といえども1節での挽回は難しい。北陸リーグ優勝経験もある松原がスコアを大きく崩してしまった事は残念ではあるが、逆にここからのリーグ戦の闘い方、立て直し方に注目が集まる。特に次節は総合1位の飯田さんとの対局となるだけに、その戦略・戦術を注視したい。

私に関しては、オールプラスという一見すると行儀の良い麻雀でスコアを伸ばす事に成功しているように見えるが、数字自体は僥倖であり、今節もよく振り込みよくアガる、打撃型の雀風を貫けた事を及第点としたい。
1万点台の1人沈みを引きそうになった時もあれば、オーラスのトップ争いでは2度、本田に敗れてもいる。

まだまだ反省すべき点は多く、己の力不足を痛感する日々ではあるが、せめて己の型は見失わず、新参者ながらもこの雀風を以って北陸リーグへの名刺としたいと考えている。

まだ折り返し地点にさえ来ていない第2節。勿論全員に決勝の可能性はあり、明暗と言うには未だ早すぎる。ここから改めて、それぞれの思惑を乗せて21人の戦いがスタートする。

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 飯田輝雄 アマ 42.5 102.6 145.1
2 荒谷誠 プロ 46.4 79.3 125.7
3 森田繁基 アマ 110.2 ▲ 9.0 101.2
4 本田朋広 プロ 33.7 26.5 60.2
5 山井弘 プロ 30.6 25.3 55.9
6 小泉陽平 アマ 53.5 ▲ 6.4 47.1
7 光岡大幸 アマ ▲ 24.8 62.3 37.5
8 恵比須均 アマ 18.9 12.6 31.5
9 谷口真悟 アマ 8.5 13.6 22.1
10 濱平光朗 プロ 16.9 ▲ 20.3 ▲ 3.4
11 高村和人 アマ ▲ 31.3 23.1 ▲ 8.2
12 後藤正博 プロ ▲ 54.4 35.3 ▲ 19.1
13 平澤憲一 アマ 26.7 ▲ 61.5 ▲ 34.8
14 森田有一 アマ ▲ 41.6 4.0 ▲ 37.6
15 押川憲一 アマ ▲ 9.8 ▲ 28.6 ▲ 38.4
16 窪田一彦 アマ 22.4 ▲ 64.5 ▲ 42.1
17 香林明子 プロ ▲ 12.4 ▲ 47.0 ▲ 59.4
18 北川光 アマ ▲ 83.2 4.8 ▲ 78.4
19 安城るい プロ ▲ 30.1 ▲ 60.4 ▲ 90.5
20 松原健志 プロ ▲ 58.2 ▲ 50.4 ▲ 108.6
21 小坂智徳 アマ ▲ 66.5 ▲ 42.3 ▲ 108.8

決勝進出ライン:順位枠内に表示

北陸リーグ レポート/第8期 北陸リーグ 第2節レポート

北陸の桜も遅まきながらその花を散らし始めた4月の半ば。
金沢にて、第8期北陸リーグ第2節が開催された。
今節も同卓にて役満が2回出る等、スコアを大きく上下させるものが多く、1位から最下位まで250P以上の差が出来ており、前節以上の縦長の様相を呈してきている。
先ずは前節4位から100Pを叩き出して一気にトップへ駆け上がった飯田さん。
6万超え、7万超えの1人浮きを連発し、香林、安城という女流プロ2人を捻じ伏せる形で、2節目にして145Pという爆発力を見せ付けている。
その他、前節の上位陣も大きくスコアを崩すことなく、特に安定してスコアを重ねている山井、本田は既に決勝を見据えた打ち回しを始めているようにすら感じられる。
北陸リーグ初参加の私は、本田とは今節が初対局だったのだが、堅実に他家を含めてケアする繊細さと、打点に囚われず勝負時を見誤らず攻めてくる大胆さを併せ持つ、腰の入った麻雀をする若手プロで、スコアこそ私が上回りはしたものの、直対という意味では2勝2敗。僅かながら敗北感さえ感じる良い打ち手だった。今後の北陸を担う人材の1人なのだろう。
前節に躓いてしまった後藤、松原は明暗が分かれている。先月の私の予想どおりにスコアを立て直している後藤に対し、松原は役満の親カブリを2回受けてしまうという不運も重なり一層苦しい展開に。
結果として、順位点も含めれば40P以上も振り込みもせずに失ってしまっては松原といえども1節での挽回は難しい。北陸リーグ優勝経験もある松原がスコアを大きく崩してしまった事は残念ではあるが、逆にここからのリーグ戦の闘い方、立て直し方に注目が集まる。特に次節は総合1位の飯田さんとの対局となるだけに、その戦略・戦術を注視したい。
私に関しては、オールプラスという一見すると行儀の良い麻雀でスコアを伸ばす事に成功しているように見えるが、数字自体は僥倖であり、今節もよく振り込みよくアガる、打撃型の雀風を貫けた事を及第点としたい。
1万点台の1人沈みを引きそうになった時もあれば、オーラスのトップ争いでは2度、本田に敗れてもいる。
まだまだ反省すべき点は多く、己の力不足を痛感する日々ではあるが、せめて己の型は見失わず、新参者ながらもこの雀風を以って北陸リーグへの名刺としたいと考えている。
まだ折り返し地点にさえ来ていない第2節。勿論全員に決勝の可能性はあり、明暗と言うには未だ早すぎる。ここから改めて、それぞれの思惑を乗せて21人の戦いがスタートする。

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 飯田輝雄 アマ 42.5 102.6 145.1
2 荒谷誠 プロ 46.4 79.3 125.7
3 森田繁基 アマ 110.2 ▲ 9.0 101.2
4 本田朋広 プロ 33.7 26.5 60.2
5 山井弘 プロ 30.6 25.3 55.9
6 小泉陽平 アマ 53.5 ▲ 6.4 47.1
7 光岡大幸 アマ ▲ 24.8 62.3 37.5
8 恵比須均 アマ 18.9 12.6 31.5
9 谷口真悟 アマ 8.5 13.6 22.1
10 濱平光朗 プロ 16.9 ▲ 20.3 ▲ 3.4
11 高村和人 アマ ▲ 31.3 23.1 ▲ 8.2
12 後藤正博 プロ ▲ 54.4 35.3 ▲ 19.1
13 平澤憲一 アマ 26.7 ▲ 61.5 ▲ 34.8
14 森田有一 アマ ▲ 41.6 4.0 ▲ 37.6
15 押川憲一 アマ ▲ 9.8 ▲ 28.6 ▲ 38.4
16 窪田一彦 アマ 22.4 ▲ 64.5 ▲ 42.1
17 香林明子 プロ ▲ 12.4 ▲ 47.0 ▲ 59.4
18 北川光 アマ ▲ 83.2 4.8 ▲ 78.4
19 安城るい プロ ▲ 30.1 ▲ 60.4 ▲ 90.5
20 松原健志 プロ ▲ 58.2 ▲ 50.4 ▲ 108.6
21 小坂智徳 アマ ▲ 66.5 ▲ 42.3 ▲ 108.8

決勝進出ライン:順位枠内に表示

天空麻雀12 番組紹介

待望の第12弾放送開始!

麻雀界をリードする『日本プロ麻雀連盟』と『エンタメ~テレ』が手を組み、『日本プロ麻雀連盟』の有名強豪雀士16名(男性8名・女流8名)のオールスター戦が実現! 東京ミッドタウンから新たな天空麻雀スタジアムにステージを変え、熱き闘牌が繰り広げられる。
対局ルールは、東南戦・一発裏ドラ赤あり。対局システムは、男女別のトーナメント戦。

男性プロ大会は、まず予選(2卓・半荘1回)が行われ、トップ者が決勝進出、ラス者は敗退となる。

次に、各卓2着・3着の4名が準決勝(半荘1回)を行い、上位2名が決勝へ。
そして、勝ち残った4名によって決勝戦(半荘2回)を行い、優勝者が決定する。

今回は、前原雄大プロ(九段)、猿川真寿プロ(五段)が参戦!

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女流プロ大会は、シンプルなトーナメント戦。
予選(2卓・半荘1回)が行われ、各卓上位2名による決勝戦(半荘1回)で優勝者が決定する。

女流から新規参戦となったのが、魚谷侑未プロ(三段)、蒼井ゆりかプロ(二段)。

tenku12_l_548

また各対局では、出場プロ達による解説はもちろん、
対局終了後には日本プロ麻雀連盟オフィシャルネット対戦サイト『ロン2』の「牌譜システム機能」を使い、対局者と解説者が勝負局となった場面を丁寧に分析する。

tenku_saifu

前回大会の覇者荒正義、和泉由希子はどんな闘牌を繰り広げるのか?

早くも第12回となった天空麻雀、果たして今回もどんなドラマが待ち受けているのか!?

女流大会放送スケジュール

予選A卓 5月1日(水) 放送開始
予選B卓 5月15日(水) 放送開始
決勝    6月上旬放送予定

男性大会放送スケジュール

予選A卓 6月下旬放送開始
予選B卓 7月上旬放送予定
準決勝  7月下旬放送予定
決勝1回戦 8月上旬放送予定
決勝1回戦 8月下旬放送予定

※以降の放送スケジュール&詳細はこちらよりご確認ください。


「エンタメ~テレ」 HPはこちら

「天空麻雀12」 番組HPは こちら

「天空麻雀」
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男性大会編はこちら
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「天空麻雀3」
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「天空麻雀5」
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「天空麻雀6」
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女性大会レポートはこちら
男性大会レポートはこちら

「天空麻雀7」
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「天空麻雀8」
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男性大会レポートはこちら

「天空麻雀9」
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男性大会レポートはこちら

「天空麻雀10」
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男性大会レポートはこちら

「天空麻雀11」
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女性大会レポートはこちら
男性大会レポートはこちら

※この対局は牌譜データサービスにてご覧になれます。

牌譜データサービスはこちら

特集企画/天空麻雀12 番組紹介

待望の第12弾放送開始!

麻雀界をリードする『日本プロ麻雀連盟』と『エンタメ~テレ』が手を組み、『日本プロ麻雀連盟』の有名強豪雀士16名(男性8名・女流8名)のオールスター戦が実現! 東京ミッドタウンから新たな天空麻雀スタジアムにステージを変え、熱き闘牌が繰り広げられる。
対局ルールは、東南戦・一発裏ドラ赤あり。対局システムは、男女別のトーナメント戦。

男性プロ大会は、まず予選(2卓・半荘1回)が行われ、トップ者が決勝進出、ラス者は敗退となる。

次に、各卓2着・3着の4名が準決勝(半荘1回)を行い、上位2名が決勝へ。
そして、勝ち残った4名によって決勝戦(半荘2回)を行い、優勝者が決定する。
今回は、前原雄大プロ(九段)、猿川真寿プロ(五段)が参戦!

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女流プロ大会は、シンプルなトーナメント戦。
予選(2卓・半荘1回)が行われ、各卓上位2名による決勝戦(半荘1回)で優勝者が決定する。

女流から新規参戦となったのが、魚谷侑未プロ(三段)、蒼井ゆりかプロ(二段)。

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また各対局では、出場プロ達による解説はもちろん、
対局終了後には日本プロ麻雀連盟オフィシャルネット対戦サイト『ロン2』の「牌譜システム機能」を使い、対局者と解説者が勝負局となった場面を丁寧に分析する。

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前回大会の覇者荒正義、和泉由希子はどんな闘牌を繰り広げるのか?

早くも第12回となった天空麻雀、果たして今回もどんなドラマが待ち受けているのか!?

女流大会放送スケジュール

予選A卓 5月1日(水) 放送開始
予選B卓 5月15日(水) 放送開始
決勝    6月上旬放送予定

男性大会放送スケジュール

予選A卓 6月下旬放送開始
予選B卓 7月上旬放送予定
準決勝  7月下旬放送予定
決勝1回戦 8月上旬放送予定
決勝1回戦 8月下旬放送予定
※以降の放送スケジュール&詳細はこちらよりご確認ください。

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「天空麻雀12」 番組HPは こちら
「天空麻雀」
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「天空麻雀2」
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「天空麻雀3」
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「天空麻雀4」
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「天空麻雀5」
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「天空麻雀6」
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「天空麻雀7」
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「天空麻雀8」
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「天空麻雀9」
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「天空麻雀10」
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「天空麻雀11」
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第93回:前原 雄大

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第3期グランプリMAXを優勝した前原雄大

前原雄大。
前年度に勝った公式対局は、
第8回モンド王座・2012最強戦鉄人プロ予選・第1回インターネット麻雀日本選手権・第3回グランプリMAXと、この1年だけでもこれだけの勝ちを重ねている。
過去には、鳳凰位獲得・十段位を3連覇するなどの偉業を成し遂げている。
底知れない前原の強さはどこにあるのだろうか?

魚谷「前原さんグランプリ優勝おめでとうございますー!」
前原「ありがとう。今日は宜しくお願いします。」
魚谷「はい、こちらこそ宜しくお願いします!」

この日、前原プロのインタビューの場所として連れて行って頂いたのは、豆腐のコース料理が食べられるお店だった。

0931

0932

前原「魚谷さんはダイエット中と聞いたので、あなたの好きそうな店を探してみたのだけどお気に召さなかったらごめんなさい。」

と、後輩である私にも細やかな気遣いを忘れない前原プロ。
前原プロの麻雀は、大胆で強引であると感じる人が多いかもしれないが、大胆かつ繊細であると私は思う。
それは、前原プロの人柄が麻雀に現れているのかもしれない。

 

【グランプリMAXについて】

前原「グランプリMAXはご覧になりました?率直な感想としてはどうでしたか?」
魚谷「はい、そうですね。タイトル戦の中でも早い展開や仕掛けが多かった印象ですね。ちょっと珍しい感じの決勝戦ですよね。」
前原「そうですね。決勝戦の前には、いつも展開のシミュレーションをするんだけど、今回の展開を考えると灘さんと古川さんは仕掛けが多く、勝又君は面前で大きく構えて来るよね。それを考えて自分の優勝出来る展開を考えた時に、灘さんと古川さんのペースに合わせた方が良いと思ったんだよ。だから、僕も2人のペースに合わせて役牌は全部一鳴きだったでしょ?鳳凰位戦には鳳凰位戦の作戦。グランプリMAXも決勝面子がきまった時に、たくさん頭でシミュレーションをしてた。僕はまず我在りきなんだけどね、今回はこの形で戦おうと思っていたんだ。優勝という結果はたまたまだけれどね。」
魚谷「凄いですね。私は面子に合わせての細かいスタイルチェンジは出来ないので…。
でも、今回の決勝戦は4着から始まり、2回戦もジリ貧の展開でしたが焦りはありませんでした?」
前原「焦りは全くなかったね。当然だけど自分がラスから始まる展開もシミュレーションしていたからね。もちろん1回戦にトップをとれたら2回戦以降の戦い方は決めていたよ。でも今回はラスを引いた事で、全体を冷静に見る事が出来たよ。今日は力技に頼っちゃ駄目な日なんだなって。」
魚谷「そうなんですね。その後も前原さんらしい、繊細な打ち回しをされているように見えました。」

 

【後輩達へ】

魚谷「前原さんは、これまで麻雀プロとして結果を残し続けて来ていますが、自分の強さはどこにあると思いますか?」
前原「まず第一に、僕は自分が強いと思った事はないし、過去の実績にも興味はないんだ。過去には意味はないし、人は皆過去に向かって生きているわけではないでしょ。僕らは今を生きているわけだし、明日に向かって生きているって事に近いかな。麻雀というゲームそのものに対する考え方が、自分の弱さと向き合うものだと思っている。僕はね、見ている人に”個性”を伝えていきたいんですよ。プロ連盟っていうのは、みんなそれぞれ個性を持っているでしょ?小島先生の麻雀、森山さんの麻雀、荒さんの麻雀。それぞれ素晴らしい個性があるでしょ?僕の麻雀はもしかしたら一般ファンの方に「あれで麻雀?」って言われてしまうかもしれない。それでも、自分の麻雀がガラクタである事にある種の快感と誇りは持っているよ。これが僕の麻雀だっていうのが1人でも多くの人に伝えられたらいいなぁって思ってるよ。」
前原「魚谷さんは、AKB48は詳しい?」
魚谷「詳しいってほどではないですが、人並みには知っていると思います。」
前原「去年の総選挙で篠田麻里子が言った言葉がね、凄く印象に残ってるんだよ。」

~「後輩に席を譲れ」と言う方もいるかもしれません。
でも、私は席を譲らないと上に上がれないメンバーは、AKBでは勝てないと思います。
私はこうやってみなさんと一緒に作りあげるAKB48というグループが大好きです。
だからこそ、後輩には育って欲しいと思ってます。 ~

前原「僕もこれと同じ気持ちで、勝ちを譲るつもりはない。でも、素質のある後輩に這い上がって来て欲しいと思ってるんだよ。麻雀プロのレベルを上げていく事が、プロ連盟のためにも、麻雀業界が発展していく事にも繋がっていくと思うからね。だから、今の僕の立ち位置を誰かに譲るつもりは毛頭ない。でも、それを揺るがしてくれる後輩の存在には期待をしているし、僕が教えられる事を教えていって強くなって欲しいとも心から思ってるよ。」

 

【白い妖精】

魚谷「前原さんは【地獄の門番】や【歌舞伎町のモンスター】など、いかにも強そうなキャッチフレーズがたくさんありますが何故【白い妖精】というキャッチフレーズが出来たのですか?」
前原「その話が来ましたか。あのね、正直恥ずかしい気持ちもあるのよ。白い妖精って僕のイメージと全く合わないでしょ?」
魚谷「そ、そうですね・・・なので、逆に前原さんのファンの方は由来を知りたいと思います。」
前原「1976年、モントリオールオリンピックで、金メダルを獲ったナディア・コマネチという選手が白い妖精っていうキャッチフレーズだったんだ。僕は当時19歳でね。感動したよ。その当時は10点満点が出るという事は想定されていなくて、9.99までしか表示出来なかったんだよ。だから掲示板に表示された点数は1.00だったんだ。10.0っていう数字が用意されていなかったからね。ナディア・コマネチは誰もが想像しなかった最高のパフォーマンスを魅せて10点満点を獲ったんだ。」

白い妖精・ナディア・コマネチ。
1976年、モントリオールオリンピックにて、段違い平行棒と平均台の演技で、近代オリンピック史上初めての10点満点を出し、個人総合と併せて金メダル3個、団体で銀メダル、ゆかで銅メダルを獲得した。
この時、実際に満点が出ることを想定していなかったため(当時は9.99までしか採点掲示板に表示できなかった)、掲示板には1.00点と表示された。
彼女は、限界想定の上を行くパフォーマンスを披露し、観客全てを魅了したのだ。

前原「僕もね、そうなりたいんだ。麻雀プロっていうのはパフォーマーであり、言葉を変えるならば表現者だと思う。舞台でパフォーマンスをするために、稽古を積むことは当たり前のことでしょ。見て貰う事で輝く、生きる。見てくれる方の想定の上を行くパフォーマンスを魅せられるような、そんな麻雀プロで在りたいという願いを込めて、このキャッチフレーズをつけたんだよ。でも、見た目に全く合わないから笑いが取れれば良いかなっていう意味も込めて・・・さ。」
魚谷「素敵ですね。私もそこを目指したいなと思っています。」
前原「『白い妖精』っていうキャッチフレーズは、むしろ僕より魚谷さんの方が近いんじゃないかなぁ。でもさ、これだけのパフォーマンスの裏側には、どれだけの日々の積み重ねがあるんだろうね。10.0と表記される頂点を僕たちは目指さなきゃいけない。そこに辿り着くのは果てしない事かもしれないけど、勝ち続けたら凄いと思ってくれる人も居るかもしれないでしょ。」

 

【麻雀プロの世界】

魚谷「私はまだ、麻雀を初めてからそんなに長くない年月ではありますが、その間は麻雀以外の事はやらないで生きて来ました。それは、私がまだ麻雀の基礎を学んでいるような段階なので当然の事かもしれませんが、前原さんは「麻雀だけをやっていても麻雀は強くならない」という考え方をお持ちですよね?私も今後、麻雀が強くなる為には、他の分野に目を向ける事も必要なのでしょうか?」
前原「・・・もしかして、何か前情報を仕入れて来てる?」
魚谷「???」
前原「あのね、最近みんなを叱った事があるんだよ。その情報があったからこういう質問なのかなぁと思ったんだけど、違うみたいだね。みんな勉強会や対局帰りに飲む事が多いんだけど、瀬戸くん(瀬戸熊)はみんなが飲みに行くのを横目に、すぐに帰ってロン2を打ってるんだよ。今、プロ連盟で最強の瀬戸くんが、対局が終わって飲みにも行かず麻雀を打っている。それだけの事をやっているのに、あなた達は何をやってるんだ。って。みんな、瀬戸くんを追いかける立場なわけでしょ?これじゃいつまで経っても瀬戸くんには追いつけない。」
魚谷「そうですね、本当にそう思います。」
前原「麻雀プロは孤独でなくてはならない。群れちゃ駄目なんだよ。お互いに高め合う関係を作っていく事は大切だけど、つるんで群れているだけじゃ何も成長しないよ。もちろん後輩達が群れているとは思ってないけどね。魚谷さんと女流モンドの決勝戦の解説に行くのに駅でバッタリ会った事があったでしょ?その時に、あなたがキャリーバックを引いていたからその理由を聞いたら、『今日のために最寄りの駅のホテルに泊まりました。』って言ったよね。それだけの舞台に上がる準備をしていると魚谷さんには感じた。それがプロとしての姿勢である、と。そういう意味で僕らと同じ土俵に立っていると思ってるんだ。魚谷さんは本当に一生懸命で全力で麻雀に取り組んでいるでしょ?それが本来在るべき麻雀プロの姿勢であり姿だと思ってるんだよね。」
魚谷「ありがとうございます、恐れ多くはありますが光栄です。」
前原「それでね、何が言いたいかって言うと、麻雀プロは麻雀を打たなきゃ駄目。それが大前提。でも、麻雀業界っていうのはまだまだ未成熟な業界だよ。麻雀業界だけを見てその中で頂点を目指すだけじゃ駄目なんだよ。成熟している世界から学んで来ることが大切。それはスポーツの世界だったり、美術の世界だったり、囲碁将棋の世界だったり。もちろん専門的知識は僕も門外漢なんだけど、その世界の人たちの背景を、在り方を知る事は必要な事なんじゃないかな。他の分野の良いものを取り入れるために、僕は色んな物を見ているんだ。」
魚谷「なるほど!確かにその通りですね。」

 

【麻雀プロとしての在り方】

前原「麻雀を打つっていう事は、その対局の日に備えて仕込み稽古をしなきゃいけないでしょ?これは昔、あるインタビューで言った事なんだけど・・・
『嫌いな事は?』『麻雀を打つ事です』
『一番好きな事は?』『麻雀です』と、答えた事があるんだ。」

魚谷「えっ、そうなんですか?でも、対局の前に、前原さんほど仕込み稽古を出来るプロってそう多くないと思います。嫌いな事として麻雀を挙げるというのは、その時間はきっと苦しく辛い時間なんでしょうね。」
前原「ありがとう。それに対局が続くと、寝むれなくなっちゃうんだよね。何でだろうね、考え過ぎちゃうのかな。勝っても反省して、その対局の事をずっと考えちゃうんだよ。だからグランプリMAXのあった3月は、1ヶ月のうちの半分以上が対局で、寝むれない日々が続いたんだよ。本当に辛かったね。対局で勝っても、打ち上げの席で対局の反省をしちゃうんだよね。小島先生や森山さんに『お前のための席なんだから、祝う側の気持ちを考えなさい』と叱られたりする。そうしなくてはいけない事は分かっているんだけど、なかなか気持ちの整理が出来ないんだ。不器用なんだよね。それでも長い戦いを終えて、2012年度最後のタイトル戦を勝ちで締めくくれた事は、素直に喜んではいるんだけどね。ただ、結果よりも内容だったり、プロセスの方が大切だと考えてもいるんだよね。そういう点では、今回の内容もいかがなものかと思う部分は多々ある。」
魚谷「前原さんは麻雀に対して、本当に真摯ですよね。そうやって麻雀と向き合い、努力し続ける前原さんは、麻雀プロの鏡であるように思います。」
前原「僕は努力という言葉自体好きじゃないし、言うべきものでも誇示するものでもないと思っている。麻雀プロとしてやるべき事をやるかやらないかだけだと思うし、実際は辛かったりきつかったりするのかもしれないけど、プロとして大切な事はいかに大らかに見せるかということだと思っている。苦しいとか口に出してしまうのはちょっと違うかな、と。」

 

前原は、タイトル戦の前には誰よりも多くの時間を稽古に費やし、対戦相手の研究を重ねて対局に挑む。
その準備の時間や決勝戦での戦いは辛く苦しいように私には映る。
しかし、稽古という辛く苦しい時間に対しても、麻雀プロとして誇りを持って真摯に取り組み続ける。
苦しみながらの稽古に、最大の時間を割ける麻雀プロがどれだけ居るだろうか。
一切の努力を惜しまず、麻雀に精魂を注ぎ続けられる麻雀プロがどれだけ居るだろうか。

連盟のトップを走り続ける前原は強く、気高い。
私が歩みを止めないでいられるのは、前原を始めとする素晴らしい先輩方が手本となり、背中を見せ続けてくれるからだ。

前原の背中は凄く大きく、誇らしい。そして、いつでも私たちに道を見せてくれている。
私もいつか、後輩に背中を見せられるような素晴らしい麻雀プロになれるように。
今はまだ凄く大きく見える前原の背中を追いかけて、走り続けよう。
並んで歩ける日が来るかどうかは分からない。
それでも、その日をいつか迎えられるように一歩一歩進み続け、更なる精進を重ねたいと強く思った。
そして、1視聴者としてこれからも前原の力強い麻雀を見続けたいと強く願っている。

改めまして前原プロ、グランプリMAX優勝おめでとうございます。
これからの一層のご活躍をお祈り申し上げます。

プロ雀士インタビュー/第93回:前原 雄大

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第3期グランプリMAXを優勝した前原雄大

前原雄大。
前年度に勝った公式対局は、
第8回モンド王座・2012最強戦鉄人プロ予選・第1回インターネット麻雀日本選手権・第3回グランプリMAXと、この1年だけでもこれだけの勝ちを重ねている。
過去には、鳳凰位獲得・十段位を3連覇するなどの偉業を成し遂げている。
底知れない前原の強さはどこにあるのだろうか?
魚谷「前原さんグランプリ優勝おめでとうございますー!」
前原「ありがとう。今日は宜しくお願いします。」
魚谷「はい、こちらこそ宜しくお願いします!」
この日、前原プロのインタビューの場所として連れて行って頂いたのは、豆腐のコース料理が食べられるお店だった。

0931

0932

前原「魚谷さんはダイエット中と聞いたので、あなたの好きそうな店を探してみたのだけどお気に召さなかったらごめんなさい。」
と、後輩である私にも細やかな気遣いを忘れない前原プロ。
前原プロの麻雀は、大胆で強引であると感じる人が多いかもしれないが、大胆かつ繊細であると私は思う。
それは、前原プロの人柄が麻雀に現れているのかもしれない。
 
【グランプリMAXについて】
前原「グランプリMAXはご覧になりました?率直な感想としてはどうでしたか?」
魚谷「はい、そうですね。タイトル戦の中でも早い展開や仕掛けが多かった印象ですね。ちょっと珍しい感じの決勝戦ですよね。」
前原「そうですね。決勝戦の前には、いつも展開のシミュレーションをするんだけど、今回の展開を考えると灘さんと古川さんは仕掛けが多く、勝又君は面前で大きく構えて来るよね。それを考えて自分の優勝出来る展開を考えた時に、灘さんと古川さんのペースに合わせた方が良いと思ったんだよ。だから、僕も2人のペースに合わせて役牌は全部一鳴きだったでしょ?鳳凰位戦には鳳凰位戦の作戦。グランプリMAXも決勝面子がきまった時に、たくさん頭でシミュレーションをしてた。僕はまず我在りきなんだけどね、今回はこの形で戦おうと思っていたんだ。優勝という結果はたまたまだけれどね。」
魚谷「凄いですね。私は面子に合わせての細かいスタイルチェンジは出来ないので…。
でも、今回の決勝戦は4着から始まり、2回戦もジリ貧の展開でしたが焦りはありませんでした?」
前原「焦りは全くなかったね。当然だけど自分がラスから始まる展開もシミュレーションしていたからね。もちろん1回戦にトップをとれたら2回戦以降の戦い方は決めていたよ。でも今回はラスを引いた事で、全体を冷静に見る事が出来たよ。今日は力技に頼っちゃ駄目な日なんだなって。」
魚谷「そうなんですね。その後も前原さんらしい、繊細な打ち回しをされているように見えました。」
 
【後輩達へ】
魚谷「前原さんは、これまで麻雀プロとして結果を残し続けて来ていますが、自分の強さはどこにあると思いますか?」
前原「まず第一に、僕は自分が強いと思った事はないし、過去の実績にも興味はないんだ。過去には意味はないし、人は皆過去に向かって生きているわけではないでしょ。僕らは今を生きているわけだし、明日に向かって生きているって事に近いかな。麻雀というゲームそのものに対する考え方が、自分の弱さと向き合うものだと思っている。僕はね、見ている人に”個性”を伝えていきたいんですよ。プロ連盟っていうのは、みんなそれぞれ個性を持っているでしょ?小島先生の麻雀、森山さんの麻雀、荒さんの麻雀。それぞれ素晴らしい個性があるでしょ?僕の麻雀はもしかしたら一般ファンの方に「あれで麻雀?」って言われてしまうかもしれない。それでも、自分の麻雀がガラクタである事にある種の快感と誇りは持っているよ。これが僕の麻雀だっていうのが1人でも多くの人に伝えられたらいいなぁって思ってるよ。」
前原「魚谷さんは、AKB48は詳しい?」
魚谷「詳しいってほどではないですが、人並みには知っていると思います。」
前原「去年の総選挙で篠田麻里子が言った言葉がね、凄く印象に残ってるんだよ。」
~「後輩に席を譲れ」と言う方もいるかもしれません。
でも、私は席を譲らないと上に上がれないメンバーは、AKBでは勝てないと思います。
私はこうやってみなさんと一緒に作りあげるAKB48というグループが大好きです。
だからこそ、後輩には育って欲しいと思ってます。 ~

前原「僕もこれと同じ気持ちで、勝ちを譲るつもりはない。でも、素質のある後輩に這い上がって来て欲しいと思ってるんだよ。麻雀プロのレベルを上げていく事が、プロ連盟のためにも、麻雀業界が発展していく事にも繋がっていくと思うからね。だから、今の僕の立ち位置を誰かに譲るつもりは毛頭ない。でも、それを揺るがしてくれる後輩の存在には期待をしているし、僕が教えられる事を教えていって強くなって欲しいとも心から思ってるよ。」
 
【白い妖精】
魚谷「前原さんは【地獄の門番】や【歌舞伎町のモンスター】など、いかにも強そうなキャッチフレーズがたくさんありますが何故【白い妖精】というキャッチフレーズが出来たのですか?」
前原「その話が来ましたか。あのね、正直恥ずかしい気持ちもあるのよ。白い妖精って僕のイメージと全く合わないでしょ?」
魚谷「そ、そうですね・・・なので、逆に前原さんのファンの方は由来を知りたいと思います。」
前原「1976年、モントリオールオリンピックで、金メダルを獲ったナディア・コマネチという選手が白い妖精っていうキャッチフレーズだったんだ。僕は当時19歳でね。感動したよ。その当時は10点満点が出るという事は想定されていなくて、9.99までしか表示出来なかったんだよ。だから掲示板に表示された点数は1.00だったんだ。10.0っていう数字が用意されていなかったからね。ナディア・コマネチは誰もが想像しなかった最高のパフォーマンスを魅せて10点満点を獲ったんだ。」
白い妖精・ナディア・コマネチ。
1976年、モントリオールオリンピックにて、段違い平行棒と平均台の演技で、近代オリンピック史上初めての10点満点を出し、個人総合と併せて金メダル3個、団体で銀メダル、ゆかで銅メダルを獲得した。
この時、実際に満点が出ることを想定していなかったため(当時は9.99までしか採点掲示板に表示できなかった)、掲示板には1.00点と表示された。
彼女は、限界想定の上を行くパフォーマンスを披露し、観客全てを魅了したのだ。
前原「僕もね、そうなりたいんだ。麻雀プロっていうのはパフォーマーであり、言葉を変えるならば表現者だと思う。舞台でパフォーマンスをするために、稽古を積むことは当たり前のことでしょ。見て貰う事で輝く、生きる。見てくれる方の想定の上を行くパフォーマンスを魅せられるような、そんな麻雀プロで在りたいという願いを込めて、このキャッチフレーズをつけたんだよ。でも、見た目に全く合わないから笑いが取れれば良いかなっていう意味も込めて・・・さ。」
魚谷「素敵ですね。私もそこを目指したいなと思っています。」
前原「『白い妖精』っていうキャッチフレーズは、むしろ僕より魚谷さんの方が近いんじゃないかなぁ。でもさ、これだけのパフォーマンスの裏側には、どれだけの日々の積み重ねがあるんだろうね。10.0と表記される頂点を僕たちは目指さなきゃいけない。そこに辿り着くのは果てしない事かもしれないけど、勝ち続けたら凄いと思ってくれる人も居るかもしれないでしょ。」
 
【麻雀プロの世界】
魚谷「私はまだ、麻雀を初めてからそんなに長くない年月ではありますが、その間は麻雀以外の事はやらないで生きて来ました。それは、私がまだ麻雀の基礎を学んでいるような段階なので当然の事かもしれませんが、前原さんは「麻雀だけをやっていても麻雀は強くならない」という考え方をお持ちですよね?私も今後、麻雀が強くなる為には、他の分野に目を向ける事も必要なのでしょうか?」
前原「・・・もしかして、何か前情報を仕入れて来てる?」
魚谷「???」
前原「あのね、最近みんなを叱った事があるんだよ。その情報があったからこういう質問なのかなぁと思ったんだけど、違うみたいだね。みんな勉強会や対局帰りに飲む事が多いんだけど、瀬戸くん(瀬戸熊)はみんなが飲みに行くのを横目に、すぐに帰ってロン2を打ってるんだよ。今、プロ連盟で最強の瀬戸くんが、対局が終わって飲みにも行かず麻雀を打っている。それだけの事をやっているのに、あなた達は何をやってるんだ。って。みんな、瀬戸くんを追いかける立場なわけでしょ?これじゃいつまで経っても瀬戸くんには追いつけない。」
魚谷「そうですね、本当にそう思います。」
前原「麻雀プロは孤独でなくてはならない。群れちゃ駄目なんだよ。お互いに高め合う関係を作っていく事は大切だけど、つるんで群れているだけじゃ何も成長しないよ。もちろん後輩達が群れているとは思ってないけどね。魚谷さんと女流モンドの決勝戦の解説に行くのに駅でバッタリ会った事があったでしょ?その時に、あなたがキャリーバックを引いていたからその理由を聞いたら、『今日のために最寄りの駅のホテルに泊まりました。』って言ったよね。それだけの舞台に上がる準備をしていると魚谷さんには感じた。それがプロとしての姿勢である、と。そういう意味で僕らと同じ土俵に立っていると思ってるんだ。魚谷さんは本当に一生懸命で全力で麻雀に取り組んでいるでしょ?それが本来在るべき麻雀プロの姿勢であり姿だと思ってるんだよね。」
魚谷「ありがとうございます、恐れ多くはありますが光栄です。」
前原「それでね、何が言いたいかって言うと、麻雀プロは麻雀を打たなきゃ駄目。それが大前提。でも、麻雀業界っていうのはまだまだ未成熟な業界だよ。麻雀業界だけを見てその中で頂点を目指すだけじゃ駄目なんだよ。成熟している世界から学んで来ることが大切。それはスポーツの世界だったり、美術の世界だったり、囲碁将棋の世界だったり。もちろん専門的知識は僕も門外漢なんだけど、その世界の人たちの背景を、在り方を知る事は必要な事なんじゃないかな。他の分野の良いものを取り入れるために、僕は色んな物を見ているんだ。」
魚谷「なるほど!確かにその通りですね。」
 
【麻雀プロとしての在り方】
前原「麻雀を打つっていう事は、その対局の日に備えて仕込み稽古をしなきゃいけないでしょ?これは昔、あるインタビューで言った事なんだけど・・・
『嫌いな事は?』『麻雀を打つ事です』
『一番好きな事は?』『麻雀です』と、答えた事があるんだ。」

魚谷「えっ、そうなんですか?でも、対局の前に、前原さんほど仕込み稽古を出来るプロってそう多くないと思います。嫌いな事として麻雀を挙げるというのは、その時間はきっと苦しく辛い時間なんでしょうね。」
前原「ありがとう。それに対局が続くと、寝むれなくなっちゃうんだよね。何でだろうね、考え過ぎちゃうのかな。勝っても反省して、その対局の事をずっと考えちゃうんだよ。だからグランプリMAXのあった3月は、1ヶ月のうちの半分以上が対局で、寝むれない日々が続いたんだよ。本当に辛かったね。対局で勝っても、打ち上げの席で対局の反省をしちゃうんだよね。小島先生や森山さんに『お前のための席なんだから、祝う側の気持ちを考えなさい』と叱られたりする。そうしなくてはいけない事は分かっているんだけど、なかなか気持ちの整理が出来ないんだ。不器用なんだよね。それでも長い戦いを終えて、2012年度最後のタイトル戦を勝ちで締めくくれた事は、素直に喜んではいるんだけどね。ただ、結果よりも内容だったり、プロセスの方が大切だと考えてもいるんだよね。そういう点では、今回の内容もいかがなものかと思う部分は多々ある。」
魚谷「前原さんは麻雀に対して、本当に真摯ですよね。そうやって麻雀と向き合い、努力し続ける前原さんは、麻雀プロの鏡であるように思います。」
前原「僕は努力という言葉自体好きじゃないし、言うべきものでも誇示するものでもないと思っている。麻雀プロとしてやるべき事をやるかやらないかだけだと思うし、実際は辛かったりきつかったりするのかもしれないけど、プロとして大切な事はいかに大らかに見せるかということだと思っている。苦しいとか口に出してしまうのはちょっと違うかな、と。」
 
前原は、タイトル戦の前には誰よりも多くの時間を稽古に費やし、対戦相手の研究を重ねて対局に挑む。
その準備の時間や決勝戦での戦いは辛く苦しいように私には映る。
しかし、稽古という辛く苦しい時間に対しても、麻雀プロとして誇りを持って真摯に取り組み続ける。
苦しみながらの稽古に、最大の時間を割ける麻雀プロがどれだけ居るだろうか。
一切の努力を惜しまず、麻雀に精魂を注ぎ続けられる麻雀プロがどれだけ居るだろうか。
連盟のトップを走り続ける前原は強く、気高い。
私が歩みを止めないでいられるのは、前原を始めとする素晴らしい先輩方が手本となり、背中を見せ続けてくれるからだ。
前原の背中は凄く大きく、誇らしい。そして、いつでも私たちに道を見せてくれている。
私もいつか、後輩に背中を見せられるような素晴らしい麻雀プロになれるように。
今はまだ凄く大きく見える前原の背中を追いかけて、走り続けよう。
並んで歩ける日が来るかどうかは分からない。
それでも、その日をいつか迎えられるように一歩一歩進み続け、更なる精進を重ねたいと強く思った。
そして、1視聴者としてこれからも前原の力強い麻雀を見続けたいと強く願っている。
改めまして前原プロ、グランプリMAX優勝おめでとうございます。
これからの一層のご活躍をお祈り申し上げます。

第29期鳳凰戦の軌跡~決意~

久々に机に向かってこの原稿を書いている。
懐かしい気分になる。2年間書いた過去の文章を読みかえす。
素直に真剣に書いた文章だなぁと思う反面、麻雀に対するアプローチには、ちょっとだけ若さを感じる。

負けてからの1年、少しだけ成長した自分を感じる。書きたい事がたくさんある。
ファンの皆様や、後輩たちに伝えたい気持ちや言葉が山ほどある。
前回と同じように、嘘、偽りのない自分の想いを伝えていきたいと思います。
皆さま、1年間お付き合いくださいませ。

第28期鳳凰位決定戦12回戦
東2局2本場

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望月プロの6,000オールが出た次局のリーチを受け、僕は勝手に態勢の悪さを感じ、
ヤミテンで押し、五筒を勝負した次のツモ九筒で廻ってしまう。
今年の決定戦をみた人からすれば、とても瀬戸熊直樹の麻雀には見えないであろう。

今の僕なら、いや、この時でも普通の僕なら、8巡目のテンパイ。

八万八万三索五索八索八索九索一筒二筒三筒発発発  ツモ八万 

これで打九索のヤミテン。
望月プロのリーチを受けて11巡目のツモ六索で、リーチをして当然の1局である。
そうすれば、15巡目にツモ七索で、2,000・4,000の引きアガリである。

何度、この牌譜を見返しただろう。
「鳳凰位としてこの2年、いったい何をして来たのだろう」
「憧れの荒さんとの真剣勝負で、僕はいったい何て不様な麻雀を打っているのだろう」
1年間、この気持ちが消える事はなかった。

第28期鳳凰位決定戦が終わって、また次のシーズンが始まろうとしていた。
もう一度あの舞台に立つために、自分がすべき事は明確に解っていた。

「行き腰のある麻雀を打つ」

これを第29期AⅠリーグ戦のテーマとした。

今からそんなに古くない、ある日の情景がいつも目に浮かぶ。
麻雀プロ1本でやって行こうと決めた僕は、サラリーマンをやめた。
当然、プロとしての収入源などはなく、雀荘で働く事となった。
その後、身体をこわし、雀荘での仕事もやめた。
もちろん無名の僕にゲストの仕事などのオファーがくるはずもなく、すぐに生活するのにも困る事となる。

普通の人ならアルバイトでも何でもして、何とかするのだろうが、
「麻雀プロとして生きて行こう」と、くだらないプライドを捨て切れない僕は、麻雀と関連する数少ない仕事しかしなくなる。

月末に家賃が払えなくなったりした。その日の飯代にも困ったりした。
本当にどうにもならなくなった。仕方なく、年老いた年金暮らしの両親に借金しに行くことにした。
もちろん電話なんかできない。

電車にゆられて2時間をかけ、実家のある駅に降り立つ。駅から10分のところにある実家。
門の前まで行くが、インターフォンを鳴らす事が出来ない。近くの公園で日が暮れるまで座っていた。
もうすぐ終電がなくなろうという時、本当に悔しさと申し訳なさに打ちひしがれながら、インターフォンを鳴らす。親父もおふくろも、三十を超えた息子のそんな様子に全てを悟ったようだ。
おふくろは泣きながら「どうして何でもいいから普通の生活をしないの?」と言い、
親父は「お前は何がしたいんだ」と冷静に語りかけた。

「プロ雀士として日本一になって、きっと食えるようになりますから、どうかお金を貸して下さい」
土下座して両親に詫びた。

普通の人なら「明日からアルバイトでも何でも始めますから、今回だけは助けて下さい」と言うのだろう。
今でこそ、麻雀界に携わる方々の努力のおかげで、一流プレイヤーになれば普通の生活ぐらいはできる世界となったが、当時は日本一の打ち手になったとしても何の保証もない頃である。

「鳳凰位になりたい」この想いだけで生きてきた。

両親から生活費を借り、人ひとりいないホームで電車を待つ間むせび泣いた。
そして誓った。
必ず次に実家に帰って来る時は、「お父さん、お母さんあの時はごめんね」と、笑い話にできるようになると。

そんな気持ちで日々を生き抜き、勝ち獲った鳳凰位だったにもかかわらず、2年間の鳳凰位の間に、僕はすっかり戦う気持ちを失ってしまっていたのだ。

荒さんに負けて気付いた。
「僕はまだまだ一流プレイヤーじゃない。そんな僕がこれぐらいで満足してしまったら、またあの日に戻ってしまう。全てを失う前にもう一度自分を鍛えなくてはダメだ」

第29期プロリーグ第1節前夜。
AⅠリーグ12名で全10節を戦い、上位3名にだけ与えられる挑戦者の権利。
ここに入らなければ、再び鳳凰位になる事は絶対に出来ない。

『1年間、いかに戦うか?』長年のAリーグ対局で、ひとつの事は明確に解っていた。
『リーグ戦は一節一節積み重ねが大事』だと。

とにかく、各節の4半荘、集中してしっかり前に出て戦い、瀬戸熊直樹らしく打ち抜く事。
そして、全ての節をプラスでまとめる事。これらの事を言い聞かせていた。

ここを決めてしまえば、後はやる事は1つ。
僕が僕の麻雀を打つ為の配牌をもらってから、1局を終え、それらを線でつないでいく作業をしっかりやるだけである。その為の、体力と精神を日々の生活でつちかう。
そうするとなると、日々の生活のリズムも決まってくる。
対局からの逆算、試合からの逆算。これらはどのプロでも同じである。

数年前までは、こんな簡単な事にも気付いてなかった。荒さんに挑戦する日から逆算した調整。
リーグ戦をきっちり戦い抜き、そこを糧として今度こそ恥ずかしくない麻雀を打つ事を決意したのである。

プロリーグ最終節を終えて、僕は2位で再び最高峰のステージに立つ権利を獲得した。
これほど1年頑張った年はないと思えるほど調整と実戦をやり通した。
もっと早く日々の生活が大切だと気付けば良かったなとつくづく思った。

決定戦出場が決まった日、自分に問いかける。
「お前は、そんなにまたあの景色がみたかったのか?」

僕の答えは、
「再び鳳凰位になりたいのは隠しようのない事実だけど、それよりももっと大切な事があります。僕は前回、本当に情けない麻雀を打って負けました。僕の事を本当に応援してくれた人達に、『瀬戸熊らしい』麻雀を見せられず失望させました。だから、勝ち負けよりも僕の麻雀をしっかり打って、応援してくれる人に胸をはって『精一杯やりました』と言いたいが為に、ここを目指したのです。」

第28期鳳凰位決定戦19回戦東2局
 
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望月プロに切れなかった九筒と、最終日についに先頭の荒プロに肉迫したにも関わらず、ホンイツに向かえなかった上図のシーン。1年戦いを終えて、僕は今、何万回このシーンを迎えても、ひよらない麻雀を打てる訓練を終えた。

あとは、3人の先輩方にしっかりこの麻雀をぶつけるだけだ。

第29期鳳凰戦の軌跡 ~克己~ へ続く。

鳳凰の部屋/第29期鳳凰戦の軌跡~決意~

久々に机に向かってこの原稿を書いている。
懐かしい気分になる。2年間書いた過去の文章を読みかえす。
素直に真剣に書いた文章だなぁと思う反面、麻雀に対するアプローチには、ちょっとだけ若さを感じる。
負けてからの1年、少しだけ成長した自分を感じる。書きたい事がたくさんある。
ファンの皆様や、後輩たちに伝えたい気持ちや言葉が山ほどある。
前回と同じように、嘘、偽りのない自分の想いを伝えていきたいと思います。
皆さま、1年間お付き合いくださいませ。
第28期鳳凰位決定戦12回戦
東2局2本場
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望月プロの6,000オールが出た次局のリーチを受け、僕は勝手に態勢の悪さを感じ、
ヤミテンで押し、五筒を勝負した次のツモ九筒で廻ってしまう。
今年の決定戦をみた人からすれば、とても瀬戸熊直樹の麻雀には見えないであろう。
今の僕なら、いや、この時でも普通の僕なら、8巡目のテンパイ。
八万八万三索五索八索八索九索一筒二筒三筒発発発  ツモ八万 
これで打九索のヤミテン。
望月プロのリーチを受けて11巡目のツモ六索で、リーチをして当然の1局である。
そうすれば、15巡目にツモ七索で、2,000・4,000の引きアガリである。
何度、この牌譜を見返しただろう。
「鳳凰位としてこの2年、いったい何をして来たのだろう」
「憧れの荒さんとの真剣勝負で、僕はいったい何て不様な麻雀を打っているのだろう」
1年間、この気持ちが消える事はなかった。
第28期鳳凰位決定戦が終わって、また次のシーズンが始まろうとしていた。
もう一度あの舞台に立つために、自分がすべき事は明確に解っていた。
「行き腰のある麻雀を打つ」
これを第29期AⅠリーグ戦のテーマとした。
今からそんなに古くない、ある日の情景がいつも目に浮かぶ。
麻雀プロ1本でやって行こうと決めた僕は、サラリーマンをやめた。
当然、プロとしての収入源などはなく、雀荘で働く事となった。
その後、身体をこわし、雀荘での仕事もやめた。
もちろん無名の僕にゲストの仕事などのオファーがくるはずもなく、すぐに生活するのにも困る事となる。
普通の人ならアルバイトでも何でもして、何とかするのだろうが、
「麻雀プロとして生きて行こう」と、くだらないプライドを捨て切れない僕は、麻雀と関連する数少ない仕事しかしなくなる。
月末に家賃が払えなくなったりした。その日の飯代にも困ったりした。
本当にどうにもならなくなった。仕方なく、年老いた年金暮らしの両親に借金しに行くことにした。
もちろん電話なんかできない。
電車にゆられて2時間をかけ、実家のある駅に降り立つ。駅から10分のところにある実家。
門の前まで行くが、インターフォンを鳴らす事が出来ない。近くの公園で日が暮れるまで座っていた。
もうすぐ終電がなくなろうという時、本当に悔しさと申し訳なさに打ちひしがれながら、インターフォンを鳴らす。親父もおふくろも、三十を超えた息子のそんな様子に全てを悟ったようだ。
おふくろは泣きながら「どうして何でもいいから普通の生活をしないの?」と言い、
親父は「お前は何がしたいんだ」と冷静に語りかけた。
「プロ雀士として日本一になって、きっと食えるようになりますから、どうかお金を貸して下さい」
土下座して両親に詫びた。
普通の人なら「明日からアルバイトでも何でも始めますから、今回だけは助けて下さい」と言うのだろう。
今でこそ、麻雀界に携わる方々の努力のおかげで、一流プレイヤーになれば普通の生活ぐらいはできる世界となったが、当時は日本一の打ち手になったとしても何の保証もない頃である。
「鳳凰位になりたい」この想いだけで生きてきた。
両親から生活費を借り、人ひとりいないホームで電車を待つ間むせび泣いた。
そして誓った。
必ず次に実家に帰って来る時は、「お父さん、お母さんあの時はごめんね」と、笑い話にできるようになると。
そんな気持ちで日々を生き抜き、勝ち獲った鳳凰位だったにもかかわらず、2年間の鳳凰位の間に、僕はすっかり戦う気持ちを失ってしまっていたのだ。
荒さんに負けて気付いた。
「僕はまだまだ一流プレイヤーじゃない。そんな僕がこれぐらいで満足してしまったら、またあの日に戻ってしまう。全てを失う前にもう一度自分を鍛えなくてはダメだ」
第29期プロリーグ第1節前夜。
AⅠリーグ12名で全10節を戦い、上位3名にだけ与えられる挑戦者の権利。
ここに入らなければ、再び鳳凰位になる事は絶対に出来ない。
『1年間、いかに戦うか?』長年のAリーグ対局で、ひとつの事は明確に解っていた。
『リーグ戦は一節一節積み重ねが大事』だと。
とにかく、各節の4半荘、集中してしっかり前に出て戦い、瀬戸熊直樹らしく打ち抜く事。
そして、全ての節をプラスでまとめる事。これらの事を言い聞かせていた。
ここを決めてしまえば、後はやる事は1つ。
僕が僕の麻雀を打つ為の配牌をもらってから、1局を終え、それらを線でつないでいく作業をしっかりやるだけである。その為の、体力と精神を日々の生活でつちかう。
そうするとなると、日々の生活のリズムも決まってくる。
対局からの逆算、試合からの逆算。これらはどのプロでも同じである。
数年前までは、こんな簡単な事にも気付いてなかった。荒さんに挑戦する日から逆算した調整。
リーグ戦をきっちり戦い抜き、そこを糧として今度こそ恥ずかしくない麻雀を打つ事を決意したのである。
プロリーグ最終節を終えて、僕は2位で再び最高峰のステージに立つ権利を獲得した。
これほど1年頑張った年はないと思えるほど調整と実戦をやり通した。
もっと早く日々の生活が大切だと気付けば良かったなとつくづく思った。
決定戦出場が決まった日、自分に問いかける。
「お前は、そんなにまたあの景色がみたかったのか?」
僕の答えは、
「再び鳳凰位になりたいのは隠しようのない事実だけど、それよりももっと大切な事があります。僕は前回、本当に情けない麻雀を打って負けました。僕の事を本当に応援してくれた人達に、『瀬戸熊らしい』麻雀を見せられず失望させました。だから、勝ち負けよりも僕の麻雀をしっかり打って、応援してくれる人に胸をはって『精一杯やりました』と言いたいが為に、ここを目指したのです。」
第28期鳳凰位決定戦19回戦東2局
 
hououi_04_01_02_smpwidth280_ktaiwidth240
望月プロに切れなかった九筒と、最終日についに先頭の荒プロに肉迫したにも関わらず、ホンイツに向かえなかった上図のシーン。1年戦いを終えて、僕は今、何万回このシーンを迎えても、ひよらない麻雀を打てる訓練を終えた。
あとは、3人の先輩方にしっかりこの麻雀をぶつけるだけだ。
第29期鳳凰戦の軌跡 ~克己~ へ続く。

第8期北関東リーグ 準決勝&決勝レポート

 

準決勝 半荘3回戦(各卓上位2名勝ち上がり)

1卓(沢崎・小川・福田・渡部)
1回戦、東場から小刻みにアガリを重ねる沢崎に福田、渡部がなんとか食らいつき、小川の1人沈みに。

1回戦成績
沢崎+18.0P 小川▲29.9P 福田+4.6P 渡部+7.3P

2回戦、積極的に仕掛ける福田に対応して上手く打ち回していた小川、渡部だったが、アガリが遠い苦しい展開になる。

2回戦成績
福田+19.4P 沢崎+8.2P 渡部▲9.5P 小川▲18.1P

2回戦終了時
沢崎+26.2P 福田+24.0P 渡部▲2.2P 小川▲48.0P

3回戦、東2局に渡部とのリーチ合戦を制し、福田が3,900は4,000オールをアガる。
これで福田はほぼ決勝当確となる。

2回戦まで苦しい状況が続いていた小川だったが、最後に意地を見せる。
2,000・4,000は2,200・4,200から始まり、渡部から8,000、そしてヤミテンで16,000と大物手を連発させる。
オーラスの親番では、かわしに掛かる沢崎に、

一索二索五索五索五索五索六索七索八索八索中中中  ドラ発

これをリーチでカブせるが流局。
次局1本場では苦しそうな配牌からメンホンチートイの1シャンテンまでこぎつけたが、テンパイできずに終局となった。

3回戦成績
沢崎▲11.3P 福田+11.8P 渡部▲34.8P 小川+35.1P

トータル
福田+35.8P 沢崎+14.9P 小川▲12.9P 渡部▲37.0P

決勝進出者:福田・沢崎

2卓(吉田・元木・小林・内野)
1回戦、吉田は開局に1,000オールをアガリ、重要な局面でのリーチ合戦を制するなど上々のスタートをきった。

1回戦成績
吉田+29.7P 元木+7.6P 小林▲13.6P 内野▲23.7P

2回戦、終始子場の展開を元木が1人浮きでまとめる。

2回戦成績
内野▲1.9P 吉田▲10.1P 元木+16.3P 小林▲4.3P

2回戦終了時
元木+23.9P 吉田+19.6P 小林▲17.9P 内野▲25.6P

プロ2人が優位な立場で始まった3回戦、東1局に吉田が6,000オールをツモアガリほぼ決勝当確となる。
ここから残り1つの椅子を争う戦いになるのだが、内野が親番で2,000オール、2,100オールとアガリを重ね次局にはドラポンから2,000・3,900を引き元木に迫る。
小林もラス前に8,000をアガリオーラスの親番を持ってくるが、最後は吉田がアガリきった。
元木はまさかのハコラスで敗退となってしまった。

3回戦成績
吉田+12.4P 内野+22.3P 元木▲39.8P 小林+5.1P

トータル
吉田+32.0P 内野▲3.3P 小林▲12.8P 元木▲23.5P

決勝進出者:吉田・内野

 

 

 

決勝戦 半荘4回戦

1回戦(起家から 吉田・沢崎・福田・内野)

東1局、誰もが先取点を取りたいところに7巡目、沢崎から先制リーチが入る。
吉田も仕掛けて追いつくがここは沢崎に軍配があがる。内野から3,200。

東2局、吉田の牌姿は、

九万九万四筒五筒六筒六筒八筒三索三索四索西北北  ドラ西

ここから自風の北を2枚ともふかすと次巡、西を重ね七対子に向かう。
その後も上手く牌を重ね、リーチまでこぎつけるが流局となる。
東3局、12巡目に内野は、

一万二万二万三万四万五万六万一筒一筒五筒六筒四索六索 ツモ七筒 ドラ二万

ここから打六索とする。
次巡、ツモ八万四索
次巡、ツモ七万ときて二万切りリーチとするが、沢崎にヤミテンでの2,000に捕まってしまう。
東4局、序盤から場が一気に動き出す。
3巡目に福田がオタ風の西から仕掛けると5巡目には沢崎が六筒をポン。
この時私は沢崎の手に力が入っているように感じた。
そして15巡目沢崎の手が開かれる。

五万五万五万二索二索三索五索  チー六索七索八索  ポン六筒六筒六筒  ツモ四索  ドラ五万

この2,000・3,900を力強く引きアガる。
次局は福田が、得意の仕掛けから8,000をアガリ、南3局には内野が13巡目に、

一万二万三万三万四万五万六万七万発発中中中  ツモ八万  ドラ東

この2,000・4,000をアガリ、吉田の1人沈みでオーラスを迎える。
しかし吉田もここで意地を見せる。
内野の仕掛けに負けじと仕掛け返し、福田から7,700を討ち取り1人沈みを免れる。

1回戦成績
吉田▲18.4P 沢崎+21.9P 福田▲8.2P 内野+4.7P

2回戦(起家から 吉田・内野・沢崎・福田)
東1局、福田が5巡目に先制リーチを打つ。内野も1シャンテンから押すが福田の1人テンパイで流局。
次局は福田が積極的に仕掛けを入れ内野から1,000は1,300。
東3局、8巡目に沢崎は、

四万六万四筒四筒六筒六筒八筒一索二索三索三索五索五索  ツモ五索  ドラ八索

ここから打一索とする。
この後も吉田の仕掛けに対応しながら、13巡目に、

四万五万六万三筒四筒六筒六筒二索三索四索五索五索五索

これをしっかりとヤミテンに受けて内野から2,000をアガリ、続く1本場、2本場と流局。
3本場は内野がなんとかアガリ沢崎の親を落とす事に成功する。
次局は教科書通りの手順で沢崎が1,300・2,600。
やはり沢崎に付け入る隙はないのかと思われたが南2局、吉田にチャンス手が入る。
その吉田の配牌は、

六万七万二筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒九筒九筒三索  ドラ九筒

5巡目に二筒をポンすると、次巡に四筒をチーして、

二筒三筒四筒五筒六筒九筒九筒  チー四筒五筒六筒  ポン二筒二筒二筒

これを沢崎から四筒で討ち取り12,000。
しかしこの後も沢崎は冷静に打ち回し浮きをキープした。
内野はオーラスの7巡目に、

四万五万五筒六筒七筒二索三索四索四索五索六索八索八索  ドラ四万

このリーチを打ち、アガれば浮きに回れたのだが、流局してしまった。

2回戦成績
吉田+13.4P 内野▲14.3P 沢崎+5.2P 福田▲5.3P 供託1.0P

2回戦終了時
沢崎+27.1P 吉田▲5.0P 内野▲9.6P 福田▲13.5  供託1.0P

3回戦 (起家から 吉田・福田・沢崎・内野)
東1局、沢崎にチャンス手が入る。
4巡目に自風の西を仕掛けて、

一筒二筒二筒五筒七筒八筒八筒東東東 ポン西西西

この形。次巡に八筒をポンして満貫テンパイを入れる。8巡目には二筒を引き込み打五筒とし跳満のテンパイにとるが、ここで福田からリーチが入る。そして13巡目、沢崎のツモは三筒。だが一筒がフリテンになってしまうためツモ切りとする。が、次巡のツモは無情にも三筒。そしてこの局は福田がアガリきった。

このアガリで気分良く親番を迎えた福田は、1,500、2,900は3,200、5,800は6,400とアガリを重ねる。
東3局4本場はここまでずっと我慢していた内野が14巡目に、

三万四万五万五万六万七万五筒七筒五索六索七索東東

これをリーチして、ポンテンをとっていた吉田からアガリ、供託付きで7,400点の加点をした。
そして、福田の1人浮きで迎えた南3局1本場。親番の沢崎が早々に仕掛け2,000は2,100オール。
これで沢崎も浮きに回る。2本場ではトップ目の福田から2,900は3,500をアガリ、たった2局で沢崎がトップ目に立つ。
南4局4本場、この親でなんとか浮きに回りたい内野は14巡目、

二万二万二筒三筒四筒五筒六筒七筒一索三索五索六索七索  ドラ中

これをリーチ。ピンフのテンパイをしていた吉田から討ち取り連荘に成功する。
続く5本場は福田が、

三万三万二筒三筒四筒五筒五筒七筒七索八索八索八索九索  ドラ八筒

この牌姿から6巡目の六索をチーしてタンヤオに向かい、内野からアガリ、浮きをキープして最終戦に望みを繋いだ。

3回戦成績
吉田▲16.8P 福田+7.7P 沢崎+16.2P 内野▲7.1P

3回戦終了時
沢崎+43.3P 福田▲5.8P 内野▲16.7P 吉田▲21.8P 供託1.0P

最終戦は沢崎がこのまま逃げ切るのか、、、それとも他3人が意地を見せるのか、、、
小休憩の後、最終戦が開始される賽が振られた。

最終戦(起家から 福田・内野・吉田・沢崎)
東1局は内野が吉田から2,600をアガる。
次局は先程の放銃をものともしない冷静な打ち回しで、吉田が白単騎の七対子をリーチしてツモアガる。
東4局は福田が、

三万四万五万一筒一筒一筒八筒八筒二索三索五索六索七索  ドラ一筒

これをリーチして引きアガリ2,000・4,000。
このアガリで親番を持ってきた福田だったが、吉田に大物手が入る。

三索三索東北北白中  ポン四索四索四索  ポン南南南  ドラ三索

7巡目に白を重ね、9巡目に北をポンして、

三索三索白白  ポン北北北  ポン四索四索四索  ポン南南南

この倍満テンパイを入れる。
これに真っ向から勝負を挑む福田は、

三万四万五万三筒四筒五筒五筒六筒七筒一索二索中中

これをリーチとしたが、数巡後、福田の持ってきた牌は白、、、
吉田に16,000の放銃となってしまった。
次局、吉田は1シャンテンでターツ選択を迫られるが、これを間違えずに

二万三万六万七万八万五筒五筒五筒二索三索四索七索七索  ドラ二万

このリーチを9巡目に打つ。
だが中々ツモれない。流局か、と思われたがハイテイにいたのは四万
この2,000・4,000で吉田は5万点台の1人浮きトップ目に立つ。
親番を迎えた吉田は、もうひとアガリで沢崎を捲りトータルトップ目になるというところまできた。
しかし、沢崎はこの状況でも冷静に打ち回し、自力で吉田の親落としに成功する。

オーラスの点棒状況は、
福田16,100点 内野23,100点 吉田56,300点 沢崎24,500点

吉田の条件は沢崎から満貫を直撃するか、跳満ツモ。
だが最後は吉田も力尽きたかテンパイできずに流局となり、沢崎の優勝となった。

最終戦成績
福田▲18.9P 内野▲10.9P 吉田+37.3P 沢崎▲7.5P

トータル
沢崎+35.8P 吉田+15.5P 福田▲24.7P 内野▲27.6P 供託1.0P

4位:内野宏太(アマ)
「悔しいです。」と語ってくれた内野は終始丁寧な麻雀を見せてくれた。

3位:福田栄司(アマ)
話を聞くと2ヶ月前に入院をし、退院をしたばかりで久々の麻雀だったという。
しばらく麻雀を打っていなかったとは思えない積極的な攻撃を見せてくれた。

準優勝:吉田幸雄
「最後まで面白い麻雀だった。」とコメントしてくれた吉田は最後まで諦めない、粘り強い素晴らしい麻雀だった。

優勝:沢崎誠
「今日はとにかくツイていた。」とのこと。
だが沢崎は終始安定していてベテランらしい、優勝者らしい麻雀だったように思う。

 

まだプロになったばかりの私が今回、レポートを担当させて頂きました。
全てを伝えきれたかわかりませんが、最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。

北関東プロリーグ レポート/第8期北関東リーグ 準決勝&決勝レポート

 
準決勝 半荘3回戦(各卓上位2名勝ち上がり)
1卓(沢崎・小川・福田・渡部)
1回戦、東場から小刻みにアガリを重ねる沢崎に福田、渡部がなんとか食らいつき、小川の1人沈みに。
1回戦成績
沢崎+18.0P 小川▲29.9P 福田+4.6P 渡部+7.3P
2回戦、積極的に仕掛ける福田に対応して上手く打ち回していた小川、渡部だったが、アガリが遠い苦しい展開になる。
2回戦成績
福田+19.4P 沢崎+8.2P 渡部▲9.5P 小川▲18.1P
2回戦終了時
沢崎+26.2P 福田+24.0P 渡部▲2.2P 小川▲48.0P
3回戦、東2局に渡部とのリーチ合戦を制し、福田が3,900は4,000オールをアガる。
これで福田はほぼ決勝当確となる。
2回戦まで苦しい状況が続いていた小川だったが、最後に意地を見せる。
2,000・4,000は2,200・4,200から始まり、渡部から8,000、そしてヤミテンで16,000と大物手を連発させる。
オーラスの親番では、かわしに掛かる沢崎に、
一索二索五索五索五索五索六索七索八索八索中中中  ドラ発
これをリーチでカブせるが流局。
次局1本場では苦しそうな配牌からメンホンチートイの1シャンテンまでこぎつけたが、テンパイできずに終局となった。
3回戦成績
沢崎▲11.3P 福田+11.8P 渡部▲34.8P 小川+35.1P
トータル
福田+35.8P 沢崎+14.9P 小川▲12.9P 渡部▲37.0P
決勝進出者:福田・沢崎
2卓(吉田・元木・小林・内野)
1回戦、吉田は開局に1,000オールをアガリ、重要な局面でのリーチ合戦を制するなど上々のスタートをきった。
1回戦成績
吉田+29.7P 元木+7.6P 小林▲13.6P 内野▲23.7P
2回戦、終始子場の展開を元木が1人浮きでまとめる。
2回戦成績
内野▲1.9P 吉田▲10.1P 元木+16.3P 小林▲4.3P
2回戦終了時
元木+23.9P 吉田+19.6P 小林▲17.9P 内野▲25.6P
プロ2人が優位な立場で始まった3回戦、東1局に吉田が6,000オールをツモアガリほぼ決勝当確となる。
ここから残り1つの椅子を争う戦いになるのだが、内野が親番で2,000オール、2,100オールとアガリを重ね次局にはドラポンから2,000・3,900を引き元木に迫る。
小林もラス前に8,000をアガリオーラスの親番を持ってくるが、最後は吉田がアガリきった。
元木はまさかのハコラスで敗退となってしまった。
3回戦成績
吉田+12.4P 内野+22.3P 元木▲39.8P 小林+5.1P
トータル
吉田+32.0P 内野▲3.3P 小林▲12.8P 元木▲23.5P
決勝進出者:吉田・内野
 
 
 
決勝戦 半荘4回戦
1回戦(起家から 吉田・沢崎・福田・内野)
東1局、誰もが先取点を取りたいところに7巡目、沢崎から先制リーチが入る。
吉田も仕掛けて追いつくがここは沢崎に軍配があがる。内野から3,200。
東2局、吉田の牌姿は、
九万九万四筒五筒六筒六筒八筒三索三索四索西北北  ドラ西
ここから自風の北を2枚ともふかすと次巡、西を重ね七対子に向かう。
その後も上手く牌を重ね、リーチまでこぎつけるが流局となる。
東3局、12巡目に内野は、
一万二万二万三万四万五万六万一筒一筒五筒六筒四索六索 ツモ七筒 ドラ二万
ここから打六索とする。
次巡、ツモ八万四索
次巡、ツモ七万ときて二万切りリーチとするが、沢崎にヤミテンでの2,000に捕まってしまう。
東4局、序盤から場が一気に動き出す。
3巡目に福田がオタ風の西から仕掛けると5巡目には沢崎が六筒をポン。
この時私は沢崎の手に力が入っているように感じた。
そして15巡目沢崎の手が開かれる。
五万五万五万二索二索三索五索  チー六索七索八索  ポン六筒六筒六筒  ツモ四索  ドラ五万
この2,000・3,900を力強く引きアガる。
次局は福田が、得意の仕掛けから8,000をアガリ、南3局には内野が13巡目に、
一万二万三万三万四万五万六万七万発発中中中  ツモ八万  ドラ東
この2,000・4,000をアガリ、吉田の1人沈みでオーラスを迎える。
しかし吉田もここで意地を見せる。
内野の仕掛けに負けじと仕掛け返し、福田から7,700を討ち取り1人沈みを免れる。
1回戦成績
吉田▲18.4P 沢崎+21.9P 福田▲8.2P 内野+4.7P
2回戦(起家から 吉田・内野・沢崎・福田)
東1局、福田が5巡目に先制リーチを打つ。内野も1シャンテンから押すが福田の1人テンパイで流局。
次局は福田が積極的に仕掛けを入れ内野から1,000は1,300。
東3局、8巡目に沢崎は、
四万六万四筒四筒六筒六筒八筒一索二索三索三索五索五索  ツモ五索  ドラ八索
ここから打一索とする。
この後も吉田の仕掛けに対応しながら、13巡目に、
四万五万六万三筒四筒六筒六筒二索三索四索五索五索五索
これをしっかりとヤミテンに受けて内野から2,000をアガリ、続く1本場、2本場と流局。
3本場は内野がなんとかアガリ沢崎の親を落とす事に成功する。
次局は教科書通りの手順で沢崎が1,300・2,600。
やはり沢崎に付け入る隙はないのかと思われたが南2局、吉田にチャンス手が入る。
その吉田の配牌は、
六万七万二筒二筒二筒三筒四筒五筒六筒六筒九筒九筒三索  ドラ九筒
5巡目に二筒をポンすると、次巡に四筒をチーして、
二筒三筒四筒五筒六筒九筒九筒  チー四筒五筒六筒  ポン二筒二筒二筒
これを沢崎から四筒で討ち取り12,000。
しかしこの後も沢崎は冷静に打ち回し浮きをキープした。
内野はオーラスの7巡目に、
四万五万五筒六筒七筒二索三索四索四索五索六索八索八索  ドラ四万
このリーチを打ち、アガれば浮きに回れたのだが、流局してしまった。
2回戦成績
吉田+13.4P 内野▲14.3P 沢崎+5.2P 福田▲5.3P 供託1.0P
2回戦終了時
沢崎+27.1P 吉田▲5.0P 内野▲9.6P 福田▲13.5  供託1.0P
3回戦 (起家から 吉田・福田・沢崎・内野)
東1局、沢崎にチャンス手が入る。
4巡目に自風の西を仕掛けて、
一筒二筒二筒五筒七筒八筒八筒東東東 ポン西西西
この形。次巡に八筒をポンして満貫テンパイを入れる。8巡目には二筒を引き込み打五筒とし跳満のテンパイにとるが、ここで福田からリーチが入る。そして13巡目、沢崎のツモは三筒。だが一筒がフリテンになってしまうためツモ切りとする。が、次巡のツモは無情にも三筒。そしてこの局は福田がアガリきった。
このアガリで気分良く親番を迎えた福田は、1,500、2,900は3,200、5,800は6,400とアガリを重ねる。
東3局4本場はここまでずっと我慢していた内野が14巡目に、
三万四万五万五万六万七万五筒七筒五索六索七索東東
これをリーチして、ポンテンをとっていた吉田からアガリ、供託付きで7,400点の加点をした。
そして、福田の1人浮きで迎えた南3局1本場。親番の沢崎が早々に仕掛け2,000は2,100オール。
これで沢崎も浮きに回る。2本場ではトップ目の福田から2,900は3,500をアガリ、たった2局で沢崎がトップ目に立つ。
南4局4本場、この親でなんとか浮きに回りたい内野は14巡目、
二万二万二筒三筒四筒五筒六筒七筒一索三索五索六索七索  ドラ中
これをリーチ。ピンフのテンパイをしていた吉田から討ち取り連荘に成功する。
続く5本場は福田が、
三万三万二筒三筒四筒五筒五筒七筒七索八索八索八索九索  ドラ八筒
この牌姿から6巡目の六索をチーしてタンヤオに向かい、内野からアガリ、浮きをキープして最終戦に望みを繋いだ。
3回戦成績
吉田▲16.8P 福田+7.7P 沢崎+16.2P 内野▲7.1P
3回戦終了時
沢崎+43.3P 福田▲5.8P 内野▲16.7P 吉田▲21.8P 供託1.0P
最終戦は沢崎がこのまま逃げ切るのか、、、それとも他3人が意地を見せるのか、、、
小休憩の後、最終戦が開始される賽が振られた。
最終戦(起家から 福田・内野・吉田・沢崎)
東1局は内野が吉田から2,600をアガる。
次局は先程の放銃をものともしない冷静な打ち回しで、吉田が白単騎の七対子をリーチしてツモアガる。
東4局は福田が、
三万四万五万一筒一筒一筒八筒八筒二索三索五索六索七索  ドラ一筒
これをリーチして引きアガリ2,000・4,000。
このアガリで親番を持ってきた福田だったが、吉田に大物手が入る。
三索三索東北北白中  ポン四索四索四索  ポン南南南  ドラ三索
7巡目に白を重ね、9巡目に北をポンして、
三索三索白白  ポン北北北  ポン四索四索四索  ポン南南南
この倍満テンパイを入れる。
これに真っ向から勝負を挑む福田は、
三万四万五万三筒四筒五筒五筒六筒七筒一索二索中中
これをリーチとしたが、数巡後、福田の持ってきた牌は白、、、
吉田に16,000の放銃となってしまった。
次局、吉田は1シャンテンでターツ選択を迫られるが、これを間違えずに
二万三万六万七万八万五筒五筒五筒二索三索四索七索七索  ドラ二万
このリーチを9巡目に打つ。
だが中々ツモれない。流局か、と思われたがハイテイにいたのは四万
この2,000・4,000で吉田は5万点台の1人浮きトップ目に立つ。
親番を迎えた吉田は、もうひとアガリで沢崎を捲りトータルトップ目になるというところまできた。
しかし、沢崎はこの状況でも冷静に打ち回し、自力で吉田の親落としに成功する。
オーラスの点棒状況は、
福田16,100点 内野23,100点 吉田56,300点 沢崎24,500点
吉田の条件は沢崎から満貫を直撃するか、跳満ツモ。
だが最後は吉田も力尽きたかテンパイできずに流局となり、沢崎の優勝となった。
最終戦成績
福田▲18.9P 内野▲10.9P 吉田+37.3P 沢崎▲7.5P
トータル
沢崎+35.8P 吉田+15.5P 福田▲24.7P 内野▲27.6P 供託1.0P
4位:内野宏太(アマ)
「悔しいです。」と語ってくれた内野は終始丁寧な麻雀を見せてくれた。
3位:福田栄司(アマ)
話を聞くと2ヶ月前に入院をし、退院をしたばかりで久々の麻雀だったという。
しばらく麻雀を打っていなかったとは思えない積極的な攻撃を見せてくれた。
準優勝:吉田幸雄
「最後まで面白い麻雀だった。」とコメントしてくれた吉田は最後まで諦めない、粘り強い素晴らしい麻雀だった。
優勝:沢崎誠
「今日はとにかくツイていた。」とのこと。
だが沢崎は終始安定していてベテランらしい、優勝者らしい麻雀だったように思う。
 
まだプロになったばかりの私が今回、レポートを担当させて頂きました。
全てを伝えきれたかわかりませんが、最後まで読んで下さった方、ありがとうございます。

第2期 宇都宮リーグ 準決勝&決勝レポート

第2期北関東宇都宮リーグ準決勝・決勝レポート:鈴木翔梧

2013年3月。第2期宇都宮リーグの決勝・準決勝が行われた。
参加者は見事予選を勝ち抜いた以下の8人。

予選1位通過アマチュア 庄子峻太さん
「よそ行きの麻雀を打たないように心掛けます。」

予選2位通過 清水香織プロ
「ブレずに全力で最後まで行ききります。」(カッコいい)

予選3位通過 弓削雅人プロ
「頑張ります。」

予選4位通過アマチュア 西尾猛さん
「楽しみながら調整セットに付き合っていただいた方のためにも頑張ります。」

予選5位通過アマチュア 桧山拓さん
「結果は気にせず楽しく打ちます。」

予選6位通過 吉田幸男プロ
「プロとしての意地を見せたい。」

予選7位通過 須長正和プロ
「今日のためにがんばってきたので、2半荘では帰れないです。」

予選8位通過アマチュア 桝井 律男さん
「いま一度の強運を願うのは罪でしょうか!」

以上の8名で準決勝2半荘が行われた各卓上位2名が決勝に進みます。

準決勝1回戦目

A卓
吉田 幸男プロ
庄子 峻太さん
弓削 雅人さん
桝井 律男さん

この4名で行われた1半荘目は、吉田幸男プロが早くも大爆発1人浮きできっちり終了。

A卓成績
吉田プロ +35.3
庄子さん ▲18.3
弓削プロ ▲10.7
桝井さん ▲6.3

B卓
清水香織プロ
西尾猛さん
須長正和プロ
桧山拓さん

以上の4名で行われ、なんとプロ2人が共にマイナスと言う予想外の展開に。

B卓成績
清水プロ ▲29.8P
西尾さん +25.6P
須長プロ ▲18.1P
桧山さん +21.3P
供託 +1.0P

準決勝2回戦目

A卓
ほぼ当確の吉田プロをのぞき2位~4位までの3人の熾烈な2位争いのA卓
現状4位の庄子さんも2位の桝井さんとは1万2千点差という接戦でしたが、見事吉田プロと桝井さんが逃げ切りA卓の準決勝は終了しました。

A卓トータル成績

1位吉田プロ +42.6P
2位桝井さん +16.7P
3位庄子さん ▲27.4P
4位弓削プロ ▲31.9P

準決勝後のコメント

決勝進出の桝井さん
「雀歴40年の強運をお願いします。」

3位 庄子さん
「七対子がアガれなかったのが残念でしたが、悔いなく打てました。来期は決勝に!」

4位 弓削プロ
「ノー和了でした。」

B卓
プロ2人が巻き返せるか注目のB卓。
プロの意地を見せつけ1半荘目プラスだった桧山さん西尾さんを沈めるもあと1歩届かずアマチュア2名が決勝進出となりました。

B卓トータル成績

1位西尾さん +20.5P
2位桧山さん +4.4P
3位須長プロ ▲2.9P
4位清水プロ ▲23.0P
供託 +1.0P

準決勝後のコメント

決勝進出西尾さん
「楽しんでいつもの自分の麻雀を打ちたいです。」

決勝進出桧山さん
「調子が最悪なので邪魔しないように頑張ります。」

決勝戦進出者

吉田幸男プロ
桝井律男さん
西尾猛さん
桧山拓さん

この4名で決勝戦は行われます。
決勝戦は4半荘のトータルポイントのトップが優勝です。

 

 

決勝戦1回戦目。

東1局、親・桧山さん。

三万三万四万六索六索一筒一筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ一筒  ドラ北

三万切りリーチ。
親の桧山さんはツモり三暗刻に取らずの先制リーチ。
このリーチを西家の吉田プロがきっちり捌いた400・700で決勝戦は幕を開けました。

西家・吉田プロ。

六万六万七索八索九索九筒九筒九筒白白  ポン東東東  ツモ六万

しかしこれ以降、吉田プロ全く手が入らず。
東3局、西家・桧山さん。

六万七万八万九万九万三索四索四索五索五索六索発発  リーチ  ドラ九万

親番・吉田プロ。

一万一万一万三万三万七万七万一索二索三索三筒三筒三筒

親番でリーチを受け、なんとかテンパイ連荘するも、次局、桧山さんのヤミテンに放銃し5,200は5,500。
東3局1本場、親・吉田プロ、西家・桧山さん。

七万七万三索四索五索六索八索六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ドラ八索

南場の親番でもすぐ2軒リーチを受けることになり、北家の桝井さんに1,300・2,600をツモられまさかの1人沈みで1戦目は終了しました。

成績
吉田プロ ▲22.1P
桧山さん +13.0P
桝井さん +3.1P
西尾さん +6.0P

2回戦目
東1局、親・桧山さん。
2回戦目も調子が悪い吉田プロ。

四万五万六万四筒五筒六筒二索三索四索八索八索白白  ドラ六索

この手で先制リーチを打つも、親の桧山さんにあっさり追い付かれ5,800放銃でスタート。
東2局でも、

五万六万三索三索三索四索四索六索七索八索発発発  ドラ四万

この形でリーチを打つも流局。

南場は軽い手での流し合いになりオーラス、親・西尾さん。
桝井さんからリーチの声が掛かり、親の西尾さん宣言牌のドラをポン攻めるしかない西尾さんの攻撃を掻い潜り、見事桝井さんがツモアガリ。

六万六万六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒  八筒ツモ  ドラ八万

1,300・2,600できっちりトップを捲り終了。

2回戦目結果

桧山さん +14.0P
桝井さん +18.1P
吉田プロ ▲21.9P
西尾さん ▲10.2P

成績トータル

桧山さん +27.0P
桝井さん +21.2P
吉田プロ ▲44.0P
西尾さん ▲4.2P

3回戦目。
東1局は、親の桧山さんが2,000オールをツモアガリ。

五万五万七万九万四索五索六索二筒二筒三筒三筒四筒四筒  ドラ九万

ヤミテンでツモ八万
続く東1局1本場で事件が起きました、北家の吉田プロはこの形式テンパイ。

八万八万一筒一筒一筒三筒四筒四筒五筒六筒  ポン南南南  ドラ八万

そして、ハイテイで親の桧山さん二筒で放銃!!というのも、桧山さん前巡二筒を切り、その巡は全員ツモ切り。
普通だったら通る二筒も吉田プロは通さない。ハイテイドラ2の5,200は5,500のアガリ。

ここから吉田プロの大爆発が始まる。
東2局、親・桝井さん。

一万二万三万五万六万七万九索九索九索七筒八筒八筒中中  ドラ五万

西家の吉田プロリーチ。これに西尾さんが飛び込み吉田プロ2,600アガリ。
さらに東3局、親・西尾さん。親の西尾さんが先制リーチ。
その時、南家の吉田プロの手牌。

一万一万一万四万五万六万一索一索一索一筒二筒北北  ドラ二筒

ドラの二筒と心中だったこの手をツモ切り追っかけリーチ。
普通の人だとこの手で親のリーチに勝負は怖くて出来ない。
しかしそこは吉田プロ、私クラスとはくぐり抜けてきた修羅場の数が違う。
そして一発で三筒ツモ。さすがと言わざるを得ない。吉田プロ1,300・2,600アガリ。

続く東4局は、親の吉田プロ桝井さんから1,500アガリ。まだ終わらない。
東4局1本場、親・吉田プロ。

三万四万五万六万七万八万一筒二筒三筒五筒六筒北北  ドラ白

吉田プロは、白切りリーチで七筒をツモ1,300は1,400オールのアガリ。
東4局2本場で、やっと吉田プロ以外からの発声、桧山さんの先制リーチが入る、しかし吉田プロそのリーチに対して押しまくる。

東4局2本場、

四万五万五万六万七万五索六索四筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ九万  ドラ九索

そして吉田プロは、上記の手で少し間をおくも九万ツモ切り、だがこの九万が桧山さんのアガリ牌。

七万八万三索三索七索八索九索一筒一筒一筒七筒八筒九筒

桧山さんが吉田プロから8,000は8,600アガリとなった。
この桧山さんのアガリが出るまで、6局連続吉田プロのアガリという大爆発、しかしまだ終わらない

続く南1局、親・桧山さん。北家の吉田プロ。

六万六万七万八万九万二索三索四索五索五索五索六筒七筒  リーチ  ドラ六万

南家の桝井さんから追っかけリーチが入るも、吉田プロ八筒をツモり2000・3900アガリ。
南2局も吉田プロが1,000で流し、南3局は桝井さんが1,000・2,000をツモアガリ。

オーラスを迎えた。

点棒状況
吉田プロ  48,300
桧山さん  31,500
桝井さん  25,300
西尾さん  14,900

開局早々桝井さん五万六万七万をチー。
それから数巡後、北家の西尾さんにテンパイが入る。

オーラス親・吉田プロ。

一万二万三万一索二索三索四索五索六索三筒三筒四筒六筒  ドラ二筒

しかし、西尾さん上記の手にツモ八索で打六筒のテンパイ外し、三色か一気通貫のどちらかを見据えた打牌を打つ。その時親の吉田プロ、

四万四万六万六万二索三索二筒五筒六筒八筒中中中

四万をポンし打八筒、そして北家の西尾さん見事七索を引き入れ四筒切りリーチ。

一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索三筒三筒  リーチ

吉田プロ、宣言牌の四筒をチーするも安牌の六万トイツ落としでテンパイ取らず

六万六万二索三索二筒中中中  チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万  打六万

さらに一筒ツモで打六万

二索三索一筒二筒中中中 チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万

桝井さん白をポンし2フーロ目。
そして、吉田プロは西尾さんが切った三筒をチー。

二索三索中中中  チー一筒二筒三筒  チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万

西尾さんのアガリ牌三索単騎の2,900テンパイ
数巡後、西尾さんが見事九索をツモり2,000・4,000アガリ。

一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索三筒三筒 ツモ九索

対局終了後全員にこの時の手牌を聞くと

西尾さん
一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索三筒三筒

吉田プロ
三索中中中  チー一筒二筒三筒  チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万

桝井さん
一万一万七万八万九万西西  チー五万六万七万  ポン白白白

桧山さん
八万八万三索七索七索八索八索二筒二筒南南西西

なんと3人が三索待ちのテンパイだった。誰かが三索を切ったらどうなっていただろうか。

3回戦目結果
桧山さん ▲1.5P
桝井さん ▲9.7P
吉田プロ +26.3P
西尾さん ▲15.1P

トータル成績
桧山さん +25.5P
桝井さん +11.5P
吉田プロ ▲17.7P
西尾さん ▲19.3P

4回戦最終戦

4回戦目は、東1局からトータルトップの桧山さんに手が入りました。

二索三索四索六索六索二筒三筒四筒東東  チー二万三万四万  ドラ東

安目3,900高目8,000のテンパイ
そして親の桝井さんにもテンパイが入る。

五万五万六万六万七万八万九万五索五索六索七索八索東
ツモ七万

桝井さんテンパイを取り、打東で桧山さんに8,000放銃。
東2局、吉田プロの親番は桧山さんと西尾さんの2人テンパイで流局。
東3局1本場、親西尾さん

親の西尾さん先制リーチ。

三万三万五万六万七万七索七索七索一筒二筒三筒五筒七筒  ドラ六筒

そこに桝井さんの追っかけリーチ

三万四万五万六万七万八万二索三索三索四索五索六筒六筒

数巡後、桝井さんが六筒をつかみ西尾さん3,900は4,200アガリ。
続く東3局2本場は桝井さんの1人テンパイで流局。

二万三万四万四万五万六万八万八万二索四索二筒三筒四筒  リーチ ドラ南

南1局で桧山さん3,000・6,000をツモアガリ優勝は目前に。
南1局親桝井さん。

五万六万六万七万七万八万五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ七索  ドラ六筒

しかし吉田プロが食らい付く南2局で4,000オールをアガリ続く南2局1本場、

四万五万六万七索八索九索七筒八筒九筒九筒白白白  リーチ  ツモ六筒  ドラ六筒

この3,900は4,000オール。
しかし南2局2本場は、西尾さんが300・500は500・700アガリ。
続く南3局、親の西尾さん押さえつけリーチを打つも、吉田プロに追い付かれリーチを打たれる。

南3局、親・西尾さん。
西尾さんの手牌。

四万五万六万二筒三筒四筒七筒八筒九筒二索四索六索六索  ドラ一万

吉田プロの手牌。

一万二万三万六万七万八万五索五索三筒四筒五筒六筒七筒

数巡後、吉田プロが二筒をツモり1,300・2,600アガリ。

そしてオーラス

点棒状況
親 桧山さん   40,700
南家 桝井さん  5,600
西家 吉田プロ  50,900
北家 西尾さん  22,800

2着目の吉田プロが優勝するには、倍満直撃、3倍満ツモ条件というほぼ優勝は決まった状態になり、南家の桝井さんが桧山さんより2,000点をアガリ第2期宇都宮リーグ決勝戦は幕を降ろしました。

4回戦目成績

桧山さん +12.7P
桝井さん ▲30.4P
吉田プロ +28.9P
西尾さん ▲11.2P

トータル成績
優勝 桧山さん +38.2P
準優勝 吉田プロ +11.2P
3位 桝井さん ▲18.9P
4位 西尾さん ▲30.5P
優勝された桧山さんのコメント
「皆様にご迷惑をおかけしながらの優勝でした。第3回は、この経験を活かし、より良い麻雀を打てるようガンバります。」

終始冷静に場況を判断し押し引きされた桧山さんの優勝で第2期宇都宮リーグは終了しました。

北関東プロリーグ レポート/第2期 宇都宮リーグ 準決勝&決勝レポート

第2期北関東宇都宮リーグ準決勝・決勝レポート:鈴木翔梧
2013年3月。第2期宇都宮リーグの決勝・準決勝が行われた。
参加者は見事予選を勝ち抜いた以下の8人。
予選1位通過アマチュア 庄子峻太さん
「よそ行きの麻雀を打たないように心掛けます。」
予選2位通過 清水香織プロ
「ブレずに全力で最後まで行ききります。」(カッコいい)
予選3位通過 弓削雅人プロ
「頑張ります。」
予選4位通過アマチュア 西尾猛さん
「楽しみながら調整セットに付き合っていただいた方のためにも頑張ります。」
予選5位通過アマチュア 桧山拓さん
「結果は気にせず楽しく打ちます。」
予選6位通過 吉田幸男プロ
「プロとしての意地を見せたい。」
予選7位通過 須長正和プロ
「今日のためにがんばってきたので、2半荘では帰れないです。」
予選8位通過アマチュア 桝井 律男さん
「いま一度の強運を願うのは罪でしょうか!」
以上の8名で準決勝2半荘が行われた各卓上位2名が決勝に進みます。
準決勝1回戦目
A卓
吉田 幸男プロ
庄子 峻太さん
弓削 雅人さん
桝井 律男さん
この4名で行われた1半荘目は、吉田幸男プロが早くも大爆発1人浮きできっちり終了。
A卓成績
吉田プロ +35.3
庄子さん ▲18.3
弓削プロ ▲10.7
桝井さん ▲6.3
B卓
清水香織プロ
西尾猛さん
須長正和プロ
桧山拓さん
以上の4名で行われ、なんとプロ2人が共にマイナスと言う予想外の展開に。
B卓成績
清水プロ ▲29.8P
西尾さん +25.6P
須長プロ ▲18.1P
桧山さん +21.3P
供託 +1.0P
準決勝2回戦目
A卓
ほぼ当確の吉田プロをのぞき2位~4位までの3人の熾烈な2位争いのA卓
現状4位の庄子さんも2位の桝井さんとは1万2千点差という接戦でしたが、見事吉田プロと桝井さんが逃げ切りA卓の準決勝は終了しました。
A卓トータル成績
1位吉田プロ +42.6P
2位桝井さん +16.7P
3位庄子さん ▲27.4P
4位弓削プロ ▲31.9P
準決勝後のコメント
決勝進出の桝井さん
「雀歴40年の強運をお願いします。」
3位 庄子さん
「七対子がアガれなかったのが残念でしたが、悔いなく打てました。来期は決勝に!」
4位 弓削プロ
「ノー和了でした。」
B卓
プロ2人が巻き返せるか注目のB卓。
プロの意地を見せつけ1半荘目プラスだった桧山さん西尾さんを沈めるもあと1歩届かずアマチュア2名が決勝進出となりました。
B卓トータル成績
1位西尾さん +20.5P
2位桧山さん +4.4P
3位須長プロ ▲2.9P
4位清水プロ ▲23.0P
供託 +1.0P
準決勝後のコメント
決勝進出西尾さん
「楽しんでいつもの自分の麻雀を打ちたいです。」
決勝進出桧山さん
「調子が最悪なので邪魔しないように頑張ります。」
決勝戦進出者
吉田幸男プロ
桝井律男さん
西尾猛さん
桧山拓さん
この4名で決勝戦は行われます。
決勝戦は4半荘のトータルポイントのトップが優勝です。
 
 
決勝戦1回戦目。
東1局、親・桧山さん。
三万三万四万六索六索一筒一筒三筒三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ一筒  ドラ北
三万切りリーチ。
親の桧山さんはツモり三暗刻に取らずの先制リーチ。
このリーチを西家の吉田プロがきっちり捌いた400・700で決勝戦は幕を開けました。
西家・吉田プロ。
六万六万七索八索九索九筒九筒九筒白白  ポン東東東  ツモ六万
しかしこれ以降、吉田プロ全く手が入らず。
東3局、西家・桧山さん。
六万七万八万九万九万三索四索四索五索五索六索発発  リーチ  ドラ九万
親番・吉田プロ。
一万一万一万三万三万七万七万一索二索三索三筒三筒三筒
親番でリーチを受け、なんとかテンパイ連荘するも、次局、桧山さんのヤミテンに放銃し5,200は5,500。
東3局1本場、親・吉田プロ、西家・桧山さん。
七万七万三索四索五索六索八索六筒六筒七筒七筒八筒八筒  ドラ八索
南場の親番でもすぐ2軒リーチを受けることになり、北家の桝井さんに1,300・2,600をツモられまさかの1人沈みで1戦目は終了しました。
成績
吉田プロ ▲22.1P
桧山さん +13.0P
桝井さん +3.1P
西尾さん +6.0P
2回戦目
東1局、親・桧山さん。
2回戦目も調子が悪い吉田プロ。
四万五万六万四筒五筒六筒二索三索四索八索八索白白  ドラ六索
この手で先制リーチを打つも、親の桧山さんにあっさり追い付かれ5,800放銃でスタート。
東2局でも、
五万六万三索三索三索四索四索六索七索八索発発発  ドラ四万
この形でリーチを打つも流局。
南場は軽い手での流し合いになりオーラス、親・西尾さん。
桝井さんからリーチの声が掛かり、親の西尾さん宣言牌のドラをポン攻めるしかない西尾さんの攻撃を掻い潜り、見事桝井さんがツモアガリ。
六万六万六索七索八索二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒  八筒ツモ  ドラ八万
1,300・2,600できっちりトップを捲り終了。
2回戦目結果
桧山さん +14.0P
桝井さん +18.1P
吉田プロ ▲21.9P
西尾さん ▲10.2P
成績トータル
桧山さん +27.0P
桝井さん +21.2P
吉田プロ ▲44.0P
西尾さん ▲4.2P
3回戦目。
東1局は、親の桧山さんが2,000オールをツモアガリ。
五万五万七万九万四索五索六索二筒二筒三筒三筒四筒四筒  ドラ九万
ヤミテンでツモ八万
続く東1局1本場で事件が起きました、北家の吉田プロはこの形式テンパイ。
八万八万一筒一筒一筒三筒四筒四筒五筒六筒  ポン南南南  ドラ八万
そして、ハイテイで親の桧山さん二筒で放銃!!というのも、桧山さん前巡二筒を切り、その巡は全員ツモ切り。
普通だったら通る二筒も吉田プロは通さない。ハイテイドラ2の5,200は5,500のアガリ。
ここから吉田プロの大爆発が始まる。
東2局、親・桝井さん。
一万二万三万五万六万七万九索九索九索七筒八筒八筒中中  ドラ五万
西家の吉田プロリーチ。これに西尾さんが飛び込み吉田プロ2,600アガリ。
さらに東3局、親・西尾さん。親の西尾さんが先制リーチ。
その時、南家の吉田プロの手牌。
一万一万一万四万五万六万一索一索一索一筒二筒北北  ドラ二筒
ドラの二筒と心中だったこの手をツモ切り追っかけリーチ。
普通の人だとこの手で親のリーチに勝負は怖くて出来ない。
しかしそこは吉田プロ、私クラスとはくぐり抜けてきた修羅場の数が違う。
そして一発で三筒ツモ。さすがと言わざるを得ない。吉田プロ1,300・2,600アガリ。
続く東4局は、親の吉田プロ桝井さんから1,500アガリ。まだ終わらない。
東4局1本場、親・吉田プロ。
三万四万五万六万七万八万一筒二筒三筒五筒六筒北北  ドラ白
吉田プロは、白切りリーチで七筒をツモ1,300は1,400オールのアガリ。
東4局2本場で、やっと吉田プロ以外からの発声、桧山さんの先制リーチが入る、しかし吉田プロそのリーチに対して押しまくる。
東4局2本場、
四万五万五万六万七万五索六索四筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ九万  ドラ九索
そして吉田プロは、上記の手で少し間をおくも九万ツモ切り、だがこの九万が桧山さんのアガリ牌。
七万八万三索三索七索八索九索一筒一筒一筒七筒八筒九筒
桧山さんが吉田プロから8,000は8,600アガリとなった。
この桧山さんのアガリが出るまで、6局連続吉田プロのアガリという大爆発、しかしまだ終わらない
続く南1局、親・桧山さん。北家の吉田プロ。
六万六万七万八万九万二索三索四索五索五索五索六筒七筒  リーチ  ドラ六万
南家の桝井さんから追っかけリーチが入るも、吉田プロ八筒をツモり2000・3900アガリ。
南2局も吉田プロが1,000で流し、南3局は桝井さんが1,000・2,000をツモアガリ。
オーラスを迎えた。
点棒状況
吉田プロ  48,300
桧山さん  31,500
桝井さん  25,300
西尾さん  14,900
開局早々桝井さん五万六万七万をチー。
それから数巡後、北家の西尾さんにテンパイが入る。
オーラス親・吉田プロ。
一万二万三万一索二索三索四索五索六索三筒三筒四筒六筒  ドラ二筒
しかし、西尾さん上記の手にツモ八索で打六筒のテンパイ外し、三色か一気通貫のどちらかを見据えた打牌を打つ。その時親の吉田プロ、
四万四万六万六万二索三索二筒五筒六筒八筒中中中
四万をポンし打八筒、そして北家の西尾さん見事七索を引き入れ四筒切りリーチ。
一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索三筒三筒  リーチ
吉田プロ、宣言牌の四筒をチーするも安牌の六万トイツ落としでテンパイ取らず
六万六万二索三索二筒中中中  チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万  打六万
さらに一筒ツモで打六万
二索三索一筒二筒中中中 チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万
桝井さん白をポンし2フーロ目。
そして、吉田プロは西尾さんが切った三筒をチー。
二索三索中中中  チー一筒二筒三筒  チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万
西尾さんのアガリ牌三索単騎の2,900テンパイ
数巡後、西尾さんが見事九索をツモり2,000・4,000アガリ。
一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索三筒三筒 ツモ九索
対局終了後全員にこの時の手牌を聞くと
西尾さん
一万二万三万一索二索三索四索五索六索七索八索三筒三筒
吉田プロ
三索中中中  チー一筒二筒三筒  チー四筒五筒六筒  ポン四万四万四万
桝井さん
一万一万七万八万九万西西  チー五万六万七万  ポン白白白
桧山さん
八万八万三索七索七索八索八索二筒二筒南南西西
なんと3人が三索待ちのテンパイだった。誰かが三索を切ったらどうなっていただろうか。
3回戦目結果
桧山さん ▲1.5P
桝井さん ▲9.7P
吉田プロ +26.3P
西尾さん ▲15.1P
トータル成績
桧山さん +25.5P
桝井さん +11.5P
吉田プロ ▲17.7P
西尾さん ▲19.3P
4回戦最終戦
4回戦目は、東1局からトータルトップの桧山さんに手が入りました。
二索三索四索六索六索二筒三筒四筒東東  チー二万三万四万  ドラ東
安目3,900高目8,000のテンパイ
そして親の桝井さんにもテンパイが入る。
五万五万六万六万七万八万九万五索五索六索七索八索東
ツモ七万
桝井さんテンパイを取り、打東で桧山さんに8,000放銃。
東2局、吉田プロの親番は桧山さんと西尾さんの2人テンパイで流局。
東3局1本場、親西尾さん
親の西尾さん先制リーチ。
三万三万五万六万七万七索七索七索一筒二筒三筒五筒七筒  ドラ六筒
そこに桝井さんの追っかけリーチ
三万四万五万六万七万八万二索三索三索四索五索六筒六筒
数巡後、桝井さんが六筒をつかみ西尾さん3,900は4,200アガリ。
続く東3局2本場は桝井さんの1人テンパイで流局。
二万三万四万四万五万六万八万八万二索四索二筒三筒四筒  リーチ ドラ南
南1局で桧山さん3,000・6,000をツモアガリ優勝は目前に。
南1局親桝井さん。
五万六万六万七万七万八万五索六索三筒三筒五筒六筒七筒  ツモ七索  ドラ六筒
しかし吉田プロが食らい付く南2局で4,000オールをアガリ続く南2局1本場、
四万五万六万七索八索九索七筒八筒九筒九筒白白白  リーチ  ツモ六筒  ドラ六筒
この3,900は4,000オール。
しかし南2局2本場は、西尾さんが300・500は500・700アガリ。
続く南3局、親の西尾さん押さえつけリーチを打つも、吉田プロに追い付かれリーチを打たれる。
南3局、親・西尾さん。
西尾さんの手牌。
四万五万六万二筒三筒四筒七筒八筒九筒二索四索六索六索  ドラ一万
吉田プロの手牌。
一万二万三万六万七万八万五索五索三筒四筒五筒六筒七筒
数巡後、吉田プロが二筒をツモり1,300・2,600アガリ。
そしてオーラス
点棒状況
親 桧山さん   40,700
南家 桝井さん  5,600
西家 吉田プロ  50,900
北家 西尾さん  22,800
2着目の吉田プロが優勝するには、倍満直撃、3倍満ツモ条件というほぼ優勝は決まった状態になり、南家の桝井さんが桧山さんより2,000点をアガリ第2期宇都宮リーグ決勝戦は幕を降ろしました。
4回戦目成績
桧山さん +12.7P
桝井さん ▲30.4P
吉田プロ +28.9P
西尾さん ▲11.2P
トータル成績
優勝 桧山さん +38.2P
準優勝 吉田プロ +11.2P
3位 桝井さん ▲18.9P
4位 西尾さん ▲30.5P
優勝された桧山さんのコメント
「皆様にご迷惑をおかけしながらの優勝でした。第3回は、この経験を活かし、より良い麻雀を打てるようガンバります。」
終始冷静に場況を判断し押し引きされた桧山さんの優勝で第2期宇都宮リーグは終了しました。

第11回天空麻雀男性大会 優勝特別インタビュー:荒正義

spe26

 

荒(正義)さんは最近「魅せる麻雀」を意識しているという。
最初は冗談かと思った。

なぜなら、私の中での荒さんのイメージは「魅せる麻雀」の真逆で「全然魅せないけど実利的で辛い麻雀」だったから。

以前、ビートたけしさんがCSの番組の収録中、荒さんのことを「薄情な麻雀打ちやがんだよなぁこの人は」と評された。コレ、本当にピッタリな言葉。さすが天才たけしさんだと思った。この人、卓上では本当に冷徹なマシーンのようにコワイのである。

荒さんはもし、自分を慕ってくれている中堅どころ。たとえば黒木真生プロが「ここでアガれないとプロ引退」という場面でも、急所はちゃんと鳴いて、シレっと千点をアガるだろう。それが勝負の世界のオキテだからである。

でも、勝負が終わったら「あン時はゴメンね。でも、キミは麻雀プロやめたって別の方法で生活できるよきっと」と、私を送り出す会を開き、声をかけてくれるだろう。卓から離れたらそういう優しさを持った人である。

そんな勝負の鬼のような人が、いったいどうして魅せる麻雀などやるというのか。
私はこの件について「近代麻雀リアル麻雀プロ4大タイトル戦DVD BOOK」(確かこれだったと思うが)でも書いたのだが、その時はあえて本人に直接取材しなかったので、まだモヤモヤ感が残っていた。

今回「天空麻雀11」で優勝したインタビューをやれといわれたついでに、その真意を確かめるため、荒さんのご自宅にお邪魔した。

黒木「やっと優勝ですね」
荒 「10回連続で出してもらってるのに初めて優勝。でも、10回連続で出て、1回もラスを引いてないからそこは評価してもらわなきゃ」
黒木「天空麻雀は予選でトップをとればいきなり決勝。ラスなら敗退でその他は準決勝ですが、確かに荒さんは必ず準決勝か決勝にいってます」
荒 「ただ、実際は、プロ雀士はそういうの評価されない。優勝以外は意味がないから」
黒木「もちろん、内容で見せることに意味があるとは思いますが、結果としては優勝かその他か、ですよね」
荒 「プロだから内容が良いのは当たり前で、その上で勝たなければいけない。ベストなのは、キチンとした内容で勝負して勝つ。しかも、そこにファンが驚くような大技とか、感動するような戦いぶりとか、プロにしかできないプラスアルファがあるということ。これがプロ雀士としての理想だね」
黒木「最近そういう考えになったんですか?」
荒 「前から思ってたけど、表現する場がなかったじゃない。でも今は映像媒体で打つことが多いでしょ?」
黒木「確かに。今、一番多く見られているのはMONDOTVの麻雀番組。毎日4~5時間麻雀番組をやってて、それをずーっと10万人近い人が視聴しているっていうんですからね。のべの視聴者数ではなく、同時に見ている人の数ですよ」
荒 「そんなに見てるの!?」
黒木「視聴率から単純計算するとそうなるんです。今はだいたい、東京ローカルの高視聴率番組ぐらい見られている計算になります」
荒 「特に有料で見てくれるファンの方に対局を見せるわけだから、クオリティの高いものじゃないとね。それに、地味で単調なのはすぐ飽きられるし」
黒木「だからといって魅せる麻雀というのは荒さんのキャラじゃないのでは?」
荒 「魅せる麻雀といったって、小島武夫さんのように華麗な手作りを見せるだけじゃない。ボクにはボクなりの魅せ方があるかなって思ってたんだよね前から。映像なら何とかなるかもって」
黒木「なるほど。雑誌の牌譜は、途中の細かい芸は見つけてもらえませんからね。小島先生のように華麗なアガリ形を披露すれば、それがアイキャッチになって牌譜も見てくれるけど…そう考えるとやっぱり小島先生って凄いすね。ただのプロ雀士じゃなく編集長のような発想を持っていたということですよ」
荒 「あの人は天才よ。ただ、皆が小島さんのようにやったってマネっこの二番煎じじゃ認められない。ボクはボクなりに自分の麻雀を追及するしかなかった。でも映像の麻雀は途中経過をすべて映し出してくれるから、ボクの緻密な芸も披露できる」
黒木「でも、それじゃ今までの麻雀をただ見せているだけじゃないですか?」
荒 「いや、やっぱりちょっと変わったね。読みを体現するというのかな? たとえば今までは読みを入れてある程度確信を持っていても、状況的にやっぱり踏み込まずガードを固めようとか、そういう判断をしていた。けど、読みと心中するという選択だってあるわけ」
黒木「この牌を切ればテンパイで、ほぼアガれそう。でもこの牌はかなり危険に見えるとか?」
荒 「でも、その牌は実はこういう理由で通るのではないかと、読みを入れていた。そのまま大人しくオリちゃったら、ただ危険牌をやめただけで、行動としては中級クラスの打ち手と変わらないよね。でも読みを信じて勝負すれば、視聴者はなぜ? と食いついてくれる」
黒木「ちょうどそれにふさわしい例があったので、ちょっと見てみましょうか。ここまでずーっと麻雀牌が出てこなかったので」

spe26

黒木「決勝1回戦の南2局。親の勝又健志プロからリーチが入っていますが、荒さんはこの手からなぜか四索切り」
荒 「二索四索を切ってアガリにいこうと思ったんだけど、四索の方が安全だからね」
黒木「これ実は、近代麻雀オリジナルで私が連載している企画・強者の選択ですでに取材したので驚くのは白々しいのですが、最初に聞いた時はナルホド! と思いました」
荒 「勝又君だから、なんだけどね。4万点以上持っているトップ目で一索が4枚切られている一索四索でリーチはしないだろうと読んだわけです。七索が切られているから四索七索もないし。だから二索より四索の方が安全度が高い」
黒木「そういう風に人の心も読まないと、深く踏み込むことはできないんですね」
荒 「麻雀は総合力だから、卓上にある情報を総動員しないとダメだから」
黒木「私も若い頃、そういう風に考えて努力したつもりでしたが、全然できませんでした。たとえば相手の目線を追っていても、そればかり意識してしまって手元がおろそかになったり。かなり難しいですよね」
荒 「それは本当の意味で努力してないからよ。必死さが足りない。そうしなければ、この世界で生きていけないと、そういう風に追い込まれればできるようになるとボクは思う。プロって本来そういうもんじゃないかなぁ」
黒木「…おっしゃる通りです」

 

運の芸

黒木「少しだけ時間を戻して、決勝1回戦の東1局について教えてください」

spe26

 

黒木「荒さんなら九索を切るかなと思ったのですが、実際は二万切り。一万が3枚出ていたからですか?」
荒 「それもあるけど、それよりもトイツ場の気配があったからトイツは崩したくなかったんだよね」
黒木「相手の捨て牌から分かるんですか?」
荒 「対面は普通だけど、上家の捨て牌が変則じゃない?あぶらっこいところがズタズタ切られているけど、ピンズのホンイチともちょっと違うような」
黒木「まぁそうですけど」
荒 「分からないけど、トイツの多い手格好じゃないかなと思ったんだよね。で、下家はトイツとは限らないけど、早そうな捨て牌はしている。まだ早い巡目なのに一万二万四万とカンチャンを外しているからね」
黒木「なるほど」
荒 「で、自分の手に4トイツだから、トイツ手の方が早いかなと。というより普通に打っても間に合わないだろうと思った。七対子なら、まともにぶつけずにかわせるかもしれないから。それと、場の捨て牌相がトイツ場を表していると思う。序盤にカブリの牌が多く、自分の手にもトイツが多い時は、その後のツモもカブる傾向にある」
黒木「そういう、トイツ場という特殊な場は、本当に存在するのでしょうか?」
荒 「してるじゃない。現に」
黒木「いや、荒さんてあまりオカルト的な発想されないと、前は思っていたので」
荒 「オカルトというのは論外。デジタルもちょっと…。ボクはアナログが麻雀の王道だと思う。目の前で起こっている現象を素直に受け入れ、対処する方が強くなるとボクは思うんだよね。科学的に検証するのが難しい現象があったとしても、実際に勝負の最中に起こることだから。それを解明し追求するのがボクらの仕事です」
黒木「運の芸の追求はオカルトではないと?」
荒 「運と麻雀は、切っても切り離せない関係。相手と自分の運の把握が大事で、正しい応手とはそこから選ばれるべきものとボクは信じる」
黒木「その運は人間がコントロールできないし予想できないから、とにかく普通に構えようというのがデジタル的発想です」
荒 「でも、それは楽な道の選び方で上達はありえない。思考放棄でしょう」
黒木「そこまで言いますか」
荒 「考えてもムダと思っているんだから放棄じゃない。麻雀の基本的な技を磨くのは当然の修行。プロを名乗るのであれば、その上に運の芸も磨かなければならない。そう考えて色紙に書いたりしてたんだよね。運をコントロールできないまでも、潮目を読んで対処できなければ一流の麻雀打ちとは言えない思う」
黒木「運の潮目を読む…船乗りみたいですね」
荒 「ツキの流れは目に見えないから、暗闇で舟をこぐイメージかな?真っ暗闇でわずかしか見えないけど、ボクは死にたくないから情報を総動員する。風の向きを気にしてみたり、潮の香りを嗅いでみたり。それがムダな努力と笑うなら笑え、と言うカンジだね」
黒木「デジタル麻雀はダメですか?」
荒 「まぁ、麻雀の基本ではあるからダメというつもりはないよ。それに、考えが違う人を攻撃するのは無意味。ファンや若手に求められればアドバイスはするけど、それをどう受け止めるかは個人の自由だからね」
黒木「荒さんらしい、優しい突き放し方ですね」
荒 「馬を水飲み場に連れては行けても、水を飲ませることはできないから」
黒木「ちなみに、先ほどの局面、答え合わせをしてみるとこうです」

spe26

 

荒 「ああ、上家はトイツが多くはあるけどメンツ手でもだったんだね」
黒木「下家も読み通りで1シャンテンです。やっぱり、読みの精度は高いですね」
荒 「プロなら当然とボクは思うけどね」
黒木「この次の局面。決勝2回戦の東1局1本場も、やはり読みが入っていたと思うのですが」

spe26

 

荒 「ああ、ここから七索を打ったんだね確か」
黒木「これ、普段なら切らないんじゃないですか? どういう読みがあったのでしょう」
荒 「切っちゃダメだよこんなの」
黒木「じゃあなぜ切ったんですか?」
荒 「この戦いがアタマ取りだったというのがひとつ。優勝以外は同じというシステムだった。それと、前局に勝又君がボクにカン二筒を放銃してくれたんだよね。しかもオリ打ちだというのが明白だった」
黒木「つまり、前局に失敗した者とその恩恵を受けた者との勢いの差があると?」
荒 「そういうこと。普通なら、こういう四索七索のつかみ方した時はオリなんだよ。でも、ここは勢いを信じて真っ直ぐ攻めるべきだと読んだ」
黒木「実は決勝1回戦で前原雄大プロに四暗刻をツモられてしまい、勝負あった的なムードだったのですが、2回戦でよく盛り返しましたね!」
荒 「まぁ途中で前ちゃん(=前原プロのこと)がハイテイで放銃したりとか、色々ラッキーがあったからね」
黒木「内容については、テレビの再放送牌譜データサービスでご覧いただくことにしましょう」
荒 「うまいこと宣伝するね。でも、この対局は全体を通じて色々と魅せられたと思うよ」
黒木「いつもは、荒さんはアタリ牌だけをピタっと止めて魅せてくれますが、今回は攻める方で魅せてくれましたね」
荒 「テンパイしているのにアタリと読んで止めるのも勇気がいるのよ。アタってなかったら、コイツ何してんの? ってバカにされちゃうじゃない。でもファンの皆さんにプロの芸を見てもらいたいから、読みと心中してるんです」
黒木「確かにそうですよね。ファインプレーは一歩間違えたらサムい打牌にもつながる。だからテレビ対局では特に無難な打牌や選択をしがちですが、そこを突き破ってこそのプロであり、魅せる麻雀だということですね」
荒 「これからの麻雀プロは、目の前の敵と、ツキという魔物と、そしてファンの厳しい目と戦っていかなきゃならない。因果な商売だけど、その分やりがいもあるって考えなきゃね。これからの若いプロは、そういうステージがあるだけ幸せだと思うよ」
黒木「確かにそうですね。荒さんが若い頃は、あまり華やかな舞台がありませんでした」
荒 「不毛の土地を必死に開墾してきたから。耕して種まいて水かけて。実ってきたなぁと思ったら還暦だから。実ったもの食べるのは黒木君たち、若い世代だから」
黒木「最後に出ましたね荒節が!」

 

最後は冗談で締めてくれた荒正義プロだったが、今回、インタビューしてみて色々と勉強になった。
普段は私が質問しても、冗談ばかり言うしケムにまくし、あまり本音を言われないことが多いのだが、今回ばかりは仕事なので私も結構食い下がった。
すると、荒さんもマトモに答えてくださって、今まで聞けなかった話が聞けたのである。

冗談ばかり言って飄々と生きている荒さんも、色々と考えながら、プロの麻雀を追及されているのだなぁと。考えてみればそんなこと当たり前だし、荒さんほどの人に対して私がつべこべ言うのは失礼なのだが、日常があまりにも冗談だらけの人なので、ついつい忘れてしまいがちなのである。

結局この人はシャイなのだ。「マジメか!?」と言われるのが恥ずかしいのだと思う。
だから若い頃、うまくいかなくてヘコんだ話や、悩んだそぶりはあまり見せない。荒さんみたいな天才雀士が難しい一手を打っても、それが理解されないこともあったはずだ。ヘタをすれば、取材もされぬまま「ただの悪手」として処理されてしまうことだってあっただろう。

それに比べれば、現在は恵まれている。
荒さんが言うように、映像の世界になり、一打一打を見てもらえるから、技術さえあればプロとして魅せることができる。もし打牌だけで表現できなくても、荒さんがそうやったようにブログなどを通じて発信することだってできる。目立たない一手も、ファンにアピールすることができるようになったのだ。

活字時代のように書き手の筆力に頼むことはない。
TVカメラの前でパフォーマンスできれば、それがそのままファンの目に届く。

荒さんの「魅せる麻雀」宣言は、同業者やファンへの呼びかけなのかもしれない。
麻雀プロとして表現の舞台は大きく広がった。才能のある者が努力さえすれば、華やかな舞台で戦い、ファンに認めてもらうことができる。

しかし逆に言えば、力のない者は廃業を余儀なくされるということだ。そんな時代になったということを、シャイな荒さんは遠まわしに、丸ノ内線で後楽園から四ツ谷に行くぐらい遠まわしにおっしゃっているのだと、私は勝手に解釈している。

プロ雀士インタビュー/第11回天空麻雀男性大会 優勝特別インタビュー:荒正義

spe26

 
荒(正義)さんは最近「魅せる麻雀」を意識しているという。
最初は冗談かと思った。
なぜなら、私の中での荒さんのイメージは「魅せる麻雀」の真逆で「全然魅せないけど実利的で辛い麻雀」だったから。
以前、ビートたけしさんがCSの番組の収録中、荒さんのことを「薄情な麻雀打ちやがんだよなぁこの人は」と評された。コレ、本当にピッタリな言葉。さすが天才たけしさんだと思った。この人、卓上では本当に冷徹なマシーンのようにコワイのである。
荒さんはもし、自分を慕ってくれている中堅どころ。たとえば黒木真生プロが「ここでアガれないとプロ引退」という場面でも、急所はちゃんと鳴いて、シレっと千点をアガるだろう。それが勝負の世界のオキテだからである。
でも、勝負が終わったら「あン時はゴメンね。でも、キミは麻雀プロやめたって別の方法で生活できるよきっと」と、私を送り出す会を開き、声をかけてくれるだろう。卓から離れたらそういう優しさを持った人である。
そんな勝負の鬼のような人が、いったいどうして魅せる麻雀などやるというのか。
私はこの件について「近代麻雀リアル麻雀プロ4大タイトル戦DVD BOOK」(確かこれだったと思うが)でも書いたのだが、その時はあえて本人に直接取材しなかったので、まだモヤモヤ感が残っていた。
今回「天空麻雀11」で優勝したインタビューをやれといわれたついでに、その真意を確かめるため、荒さんのご自宅にお邪魔した。
黒木「やっと優勝ですね」
荒 「10回連続で出してもらってるのに初めて優勝。でも、10回連続で出て、1回もラスを引いてないからそこは評価してもらわなきゃ」
黒木「天空麻雀は予選でトップをとればいきなり決勝。ラスなら敗退でその他は準決勝ですが、確かに荒さんは必ず準決勝か決勝にいってます」
荒 「ただ、実際は、プロ雀士はそういうの評価されない。優勝以外は意味がないから」
黒木「もちろん、内容で見せることに意味があるとは思いますが、結果としては優勝かその他か、ですよね」
荒 「プロだから内容が良いのは当たり前で、その上で勝たなければいけない。ベストなのは、キチンとした内容で勝負して勝つ。しかも、そこにファンが驚くような大技とか、感動するような戦いぶりとか、プロにしかできないプラスアルファがあるということ。これがプロ雀士としての理想だね」
黒木「最近そういう考えになったんですか?」
荒 「前から思ってたけど、表現する場がなかったじゃない。でも今は映像媒体で打つことが多いでしょ?」
黒木「確かに。今、一番多く見られているのはMONDOTVの麻雀番組。毎日4~5時間麻雀番組をやってて、それをずーっと10万人近い人が視聴しているっていうんですからね。のべの視聴者数ではなく、同時に見ている人の数ですよ」
荒 「そんなに見てるの!?」
黒木「視聴率から単純計算するとそうなるんです。今はだいたい、東京ローカルの高視聴率番組ぐらい見られている計算になります」
荒 「特に有料で見てくれるファンの方に対局を見せるわけだから、クオリティの高いものじゃないとね。それに、地味で単調なのはすぐ飽きられるし」
黒木「だからといって魅せる麻雀というのは荒さんのキャラじゃないのでは?」
荒 「魅せる麻雀といったって、小島武夫さんのように華麗な手作りを見せるだけじゃない。ボクにはボクなりの魅せ方があるかなって思ってたんだよね前から。映像なら何とかなるかもって」
黒木「なるほど。雑誌の牌譜は、途中の細かい芸は見つけてもらえませんからね。小島先生のように華麗なアガリ形を披露すれば、それがアイキャッチになって牌譜も見てくれるけど…そう考えるとやっぱり小島先生って凄いすね。ただのプロ雀士じゃなく編集長のような発想を持っていたということですよ」
荒 「あの人は天才よ。ただ、皆が小島さんのようにやったってマネっこの二番煎じじゃ認められない。ボクはボクなりに自分の麻雀を追及するしかなかった。でも映像の麻雀は途中経過をすべて映し出してくれるから、ボクの緻密な芸も披露できる」
黒木「でも、それじゃ今までの麻雀をただ見せているだけじゃないですか?」
荒 「いや、やっぱりちょっと変わったね。読みを体現するというのかな? たとえば今までは読みを入れてある程度確信を持っていても、状況的にやっぱり踏み込まずガードを固めようとか、そういう判断をしていた。けど、読みと心中するという選択だってあるわけ」
黒木「この牌を切ればテンパイで、ほぼアガれそう。でもこの牌はかなり危険に見えるとか?」
荒 「でも、その牌は実はこういう理由で通るのではないかと、読みを入れていた。そのまま大人しくオリちゃったら、ただ危険牌をやめただけで、行動としては中級クラスの打ち手と変わらないよね。でも読みを信じて勝負すれば、視聴者はなぜ? と食いついてくれる」
黒木「ちょうどそれにふさわしい例があったので、ちょっと見てみましょうか。ここまでずーっと麻雀牌が出てこなかったので」

spe26

黒木「決勝1回戦の南2局。親の勝又健志プロからリーチが入っていますが、荒さんはこの手からなぜか四索切り」
荒 「二索四索を切ってアガリにいこうと思ったんだけど、四索の方が安全だからね」
黒木「これ実は、近代麻雀オリジナルで私が連載している企画・強者の選択ですでに取材したので驚くのは白々しいのですが、最初に聞いた時はナルホド! と思いました」
荒 「勝又君だから、なんだけどね。4万点以上持っているトップ目で一索が4枚切られている一索四索でリーチはしないだろうと読んだわけです。七索が切られているから四索七索もないし。だから二索より四索の方が安全度が高い」
黒木「そういう風に人の心も読まないと、深く踏み込むことはできないんですね」
荒 「麻雀は総合力だから、卓上にある情報を総動員しないとダメだから」
黒木「私も若い頃、そういう風に考えて努力したつもりでしたが、全然できませんでした。たとえば相手の目線を追っていても、そればかり意識してしまって手元がおろそかになったり。かなり難しいですよね」
荒 「それは本当の意味で努力してないからよ。必死さが足りない。そうしなければ、この世界で生きていけないと、そういう風に追い込まれればできるようになるとボクは思う。プロって本来そういうもんじゃないかなぁ」
黒木「…おっしゃる通りです」
 
運の芸
黒木「少しだけ時間を戻して、決勝1回戦の東1局について教えてください」

spe26

 
黒木「荒さんなら九索を切るかなと思ったのですが、実際は二万切り。一万が3枚出ていたからですか?」
荒 「それもあるけど、それよりもトイツ場の気配があったからトイツは崩したくなかったんだよね」
黒木「相手の捨て牌から分かるんですか?」
荒 「対面は普通だけど、上家の捨て牌が変則じゃない?あぶらっこいところがズタズタ切られているけど、ピンズのホンイチともちょっと違うような」
黒木「まぁそうですけど」
荒 「分からないけど、トイツの多い手格好じゃないかなと思ったんだよね。で、下家はトイツとは限らないけど、早そうな捨て牌はしている。まだ早い巡目なのに一万二万四万とカンチャンを外しているからね」
黒木「なるほど」
荒 「で、自分の手に4トイツだから、トイツ手の方が早いかなと。というより普通に打っても間に合わないだろうと思った。七対子なら、まともにぶつけずにかわせるかもしれないから。それと、場の捨て牌相がトイツ場を表していると思う。序盤にカブリの牌が多く、自分の手にもトイツが多い時は、その後のツモもカブる傾向にある」
黒木「そういう、トイツ場という特殊な場は、本当に存在するのでしょうか?」
荒 「してるじゃない。現に」
黒木「いや、荒さんてあまりオカルト的な発想されないと、前は思っていたので」
荒 「オカルトというのは論外。デジタルもちょっと…。ボクはアナログが麻雀の王道だと思う。目の前で起こっている現象を素直に受け入れ、対処する方が強くなるとボクは思うんだよね。科学的に検証するのが難しい現象があったとしても、実際に勝負の最中に起こることだから。それを解明し追求するのがボクらの仕事です」
黒木「運の芸の追求はオカルトではないと?」
荒 「運と麻雀は、切っても切り離せない関係。相手と自分の運の把握が大事で、正しい応手とはそこから選ばれるべきものとボクは信じる」
黒木「その運は人間がコントロールできないし予想できないから、とにかく普通に構えようというのがデジタル的発想です」
荒 「でも、それは楽な道の選び方で上達はありえない。思考放棄でしょう」
黒木「そこまで言いますか」
荒 「考えてもムダと思っているんだから放棄じゃない。麻雀の基本的な技を磨くのは当然の修行。プロを名乗るのであれば、その上に運の芸も磨かなければならない。そう考えて色紙に書いたりしてたんだよね。運をコントロールできないまでも、潮目を読んで対処できなければ一流の麻雀打ちとは言えない思う」
黒木「運の潮目を読む…船乗りみたいですね」
荒 「ツキの流れは目に見えないから、暗闇で舟をこぐイメージかな?真っ暗闇でわずかしか見えないけど、ボクは死にたくないから情報を総動員する。風の向きを気にしてみたり、潮の香りを嗅いでみたり。それがムダな努力と笑うなら笑え、と言うカンジだね」
黒木「デジタル麻雀はダメですか?」
荒 「まぁ、麻雀の基本ではあるからダメというつもりはないよ。それに、考えが違う人を攻撃するのは無意味。ファンや若手に求められればアドバイスはするけど、それをどう受け止めるかは個人の自由だからね」
黒木「荒さんらしい、優しい突き放し方ですね」
荒 「馬を水飲み場に連れては行けても、水を飲ませることはできないから」
黒木「ちなみに、先ほどの局面、答え合わせをしてみるとこうです」

spe26

 
荒 「ああ、上家はトイツが多くはあるけどメンツ手でもだったんだね」
黒木「下家も読み通りで1シャンテンです。やっぱり、読みの精度は高いですね」
荒 「プロなら当然とボクは思うけどね」
黒木「この次の局面。決勝2回戦の東1局1本場も、やはり読みが入っていたと思うのですが」

spe26

 
荒 「ああ、ここから七索を打ったんだね確か」
黒木「これ、普段なら切らないんじゃないですか? どういう読みがあったのでしょう」
荒 「切っちゃダメだよこんなの」
黒木「じゃあなぜ切ったんですか?」
荒 「この戦いがアタマ取りだったというのがひとつ。優勝以外は同じというシステムだった。それと、前局に勝又君がボクにカン二筒を放銃してくれたんだよね。しかもオリ打ちだというのが明白だった」
黒木「つまり、前局に失敗した者とその恩恵を受けた者との勢いの差があると?」
荒 「そういうこと。普通なら、こういう四索七索のつかみ方した時はオリなんだよ。でも、ここは勢いを信じて真っ直ぐ攻めるべきだと読んだ」
黒木「実は決勝1回戦で前原雄大プロに四暗刻をツモられてしまい、勝負あった的なムードだったのですが、2回戦でよく盛り返しましたね!」
荒 「まぁ途中で前ちゃん(=前原プロのこと)がハイテイで放銃したりとか、色々ラッキーがあったからね」
黒木「内容については、テレビの再放送牌譜データサービスでご覧いただくことにしましょう」
荒 「うまいこと宣伝するね。でも、この対局は全体を通じて色々と魅せられたと思うよ」
黒木「いつもは、荒さんはアタリ牌だけをピタっと止めて魅せてくれますが、今回は攻める方で魅せてくれましたね」
荒 「テンパイしているのにアタリと読んで止めるのも勇気がいるのよ。アタってなかったら、コイツ何してんの? ってバカにされちゃうじゃない。でもファンの皆さんにプロの芸を見てもらいたいから、読みと心中してるんです」
黒木「確かにそうですよね。ファインプレーは一歩間違えたらサムい打牌にもつながる。だからテレビ対局では特に無難な打牌や選択をしがちですが、そこを突き破ってこそのプロであり、魅せる麻雀だということですね」
荒 「これからの麻雀プロは、目の前の敵と、ツキという魔物と、そしてファンの厳しい目と戦っていかなきゃならない。因果な商売だけど、その分やりがいもあるって考えなきゃね。これからの若いプロは、そういうステージがあるだけ幸せだと思うよ」
黒木「確かにそうですね。荒さんが若い頃は、あまり華やかな舞台がありませんでした」
荒 「不毛の土地を必死に開墾してきたから。耕して種まいて水かけて。実ってきたなぁと思ったら還暦だから。実ったもの食べるのは黒木君たち、若い世代だから」
黒木「最後に出ましたね荒節が!」
 
最後は冗談で締めてくれた荒正義プロだったが、今回、インタビューしてみて色々と勉強になった。
普段は私が質問しても、冗談ばかり言うしケムにまくし、あまり本音を言われないことが多いのだが、今回ばかりは仕事なので私も結構食い下がった。
すると、荒さんもマトモに答えてくださって、今まで聞けなかった話が聞けたのである。
冗談ばかり言って飄々と生きている荒さんも、色々と考えながら、プロの麻雀を追及されているのだなぁと。考えてみればそんなこと当たり前だし、荒さんほどの人に対して私がつべこべ言うのは失礼なのだが、日常があまりにも冗談だらけの人なので、ついつい忘れてしまいがちなのである。
結局この人はシャイなのだ。「マジメか!?」と言われるのが恥ずかしいのだと思う。
だから若い頃、うまくいかなくてヘコんだ話や、悩んだそぶりはあまり見せない。荒さんみたいな天才雀士が難しい一手を打っても、それが理解されないこともあったはずだ。ヘタをすれば、取材もされぬまま「ただの悪手」として処理されてしまうことだってあっただろう。
それに比べれば、現在は恵まれている。
荒さんが言うように、映像の世界になり、一打一打を見てもらえるから、技術さえあればプロとして魅せることができる。もし打牌だけで表現できなくても、荒さんがそうやったようにブログなどを通じて発信することだってできる。目立たない一手も、ファンにアピールすることができるようになったのだ。
活字時代のように書き手の筆力に頼むことはない。
TVカメラの前でパフォーマンスできれば、それがそのままファンの目に届く。
荒さんの「魅せる麻雀」宣言は、同業者やファンへの呼びかけなのかもしれない。
麻雀プロとして表現の舞台は大きく広がった。才能のある者が努力さえすれば、華やかな舞台で戦い、ファンに認めてもらうことができる。
しかし逆に言えば、力のない者は廃業を余儀なくされるということだ。そんな時代になったということを、シャイな荒さんは遠まわしに、丸ノ内線で後楽園から四ツ谷に行くぐらい遠まわしにおっしゃっているのだと、私は勝手に解釈している。

第75回:小笠原奈央

初めまして。こんばんは。
中村慎吾プロからバトンを受け取りました・・・
日本プロ麻雀連盟28期生の小笠原奈央です。あぁ、大変恐縮です。

中村慎吾プロとの繋がりは・・・タイトル戦でボールペンを貸した事かな。
多分、あれは中村慎吾プロでした(笑)
ボールペンは必ず3本程常備しているので、いつでも言って下さい(笑)

では・・・軽く自己紹介たるものをさせていただきます。

名前は・・・おがさはら!!!おがさはらなおです。

千葉県の夢の国の近くで生まれ、4人兄弟の次女として、すくすくと育ちました。
身長153cm!!!!千葉県をこよなく愛し、B型であることを誇りに思う26歳です。
よく周りの人には、意外に歳いってるんだね。って言われます。ははは

麻雀に出会ったのは遅かったのですが、友達がやっているのを見て、仲間に入りたくて携帯で麻雀のルールを見ながら覚えたのがきっかけでした。

手積みをしながら卓を囲んでワイワイしたり、皆の意外な性格が垣間見れたり、ロン!ツモ!って言って手を皆に見せて、それで褒められる事が、すっごく嬉しくて・・・
それからというもの、毎日麻雀のことばかり考えていて、日々「麻雀したい!!」が口癖でした。

そののち和泉プロに出会い、憧れを抱き、プロというものを目指すようになりました。
まずは雀荘で働く事を両親に許してもらう為、日々目が合えば「雀荘で働いてプロになりたい!!いい?」「ねぇ、いい?」が口癖でした。
あまりにもしつこいので両親が根負けをし、呆れながらも許してくれました(笑)

ちなみに和泉プロとは、フジTVの恋愛番組「あいのり」繋がりです。
旅は被っていませんが、番組終了後の今もメンバー皆仲が良くて、よく飲み会が開催されるんです。
そこで私は和泉プロに初めて会い、色々話を聞いて・・・
あの日が私のターニングポイントだったなと思います。

ちなみに番組における私の旅はというと・・・

21歳の頃、大学在学中にガーリックというニックネームで旅に出て、(鼻がにんにくに似ていることから)デンマークで42.195kmを走ったり、パン1つを皆で分け合ってテントで凍えながら寝たり、ホームシックになって泣いちゃったり、そんなこんなで好きな人ができ告白。

防波堤で好きーー!!!って叫びましたよ。

日本に帰るチケットを渡して、そして・・・

がっつりフラれて帰ってきました!!!!

どうだ!!!男らしいだろ!!!ハハハ

振り返れば色々と貴重な体験が出来ている人生だと思います。
また、多くの方に支えられていると、つくづく感じます。
点数計算も間々ならない私に、連盟のプロでもあるお店のスタッフの人達が、忙しい中時間を割いて問題集を作ってくれたり、Aルールセットを沢山してくれたり、お客さんも一緒になって教えてくれて・・・

その甲斐あって、念願のプロテストに合格し、今年4月でプロとして1年を迎えました。
和泉プロを始め、この1年で出会った連盟の先輩方も本当に良い方ばかりで、麻雀はもちろん、多くの事を教えてもらっています。また、大変嬉しい事に、麻雀格闘倶楽部やロン2、2013連盟カレンダーにも出させていただき、今度はロン2カップのMCにチャレンジさせていただく事になりました。

ron22013spring ロン2カップ2013Spring 視聴URLはこちら

ちなみに、自身のブログなどでは沢山話したりして自分ワールド全開ですけど、基本、人見知りなので、喋るのも、人前に出るのも、あがちゃって大の苦手。
TVに出ていたから、そういうの慣れてるんでしょ??って毎回言われるんですが、むしろ苦手です。(笑)
いつも緊張でアワワのドキドキです。

それでも、まだまだ青二才の私に、こうやって機会を頂ける事がまず嬉しくて、感謝すると共に、日々色んな事を吸収していけたらと思います。

たまに麻雀の奥深さに挫折しちゃいそうになったりもするけど・・・(笑)
自分の覚えの悪さに嫌気がさしそうになるけど・・・(笑)
ちょっと見られただけで手の震えが止まらなくなるけど・・・(笑)
やっぱり好きで楽しくて・・・
連盟のプロとしても恥じないように、今後、急急急成長を遂げるつもりですので、皆様今後とも、今後から??どうぞ宜しくお願いします。

どうか見捨てないでね?(笑)

では、そろそろお別れの時間がやってまいりましたね。
あ!ここだけの話でも1つしてお別れとしましょうか。

私、生まれも育ちも左利きです。何があっても左利き一筋を貫いてきました。
昔、習っていた習字も右手に直しなさいと言われ、習字をやめることを選んだ頑固者です。
お陰さまで、字がとてつもなく汚いです。

そんな私が、麻雀に出会いプロになって、右手と言うものに初挑戦しました。
今では右手で麻雀を打っています。まだ変だってよく突っ込まれるけど(笑)、右手で打つ麻雀は私の愛の証しってことです。

何が言いたいかって??

やっぱりさ・・・

麻雀最高!!!!

ゴホン。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
ではまたいつか。

お次は・・・

麻雀格闘倶楽部にも出演をし、ライターの顔も持つ多才な方。
私も大変お世話になっている・・・

黒木真生プロです。

是非お楽しみに!!!!
小笠原奈央でした。

リレーエッセィ/第75回:小笠原奈央

初めまして。こんばんは。
中村慎吾プロからバトンを受け取りました・・・
日本プロ麻雀連盟28期生の小笠原奈央です。あぁ、大変恐縮です。
中村慎吾プロとの繋がりは・・・タイトル戦でボールペンを貸した事かな。
多分、あれは中村慎吾プロでした(笑)
ボールペンは必ず3本程常備しているので、いつでも言って下さい(笑)
では・・・軽く自己紹介たるものをさせていただきます。
名前は・・・おがさはら!!!おがさはらなおです。
千葉県の夢の国の近くで生まれ、4人兄弟の次女として、すくすくと育ちました。
身長153cm!!!!千葉県をこよなく愛し、B型であることを誇りに思う26歳です。
よく周りの人には、意外に歳いってるんだね。って言われます。ははは
麻雀に出会ったのは遅かったのですが、友達がやっているのを見て、仲間に入りたくて携帯で麻雀のルールを見ながら覚えたのがきっかけでした。
手積みをしながら卓を囲んでワイワイしたり、皆の意外な性格が垣間見れたり、ロン!ツモ!って言って手を皆に見せて、それで褒められる事が、すっごく嬉しくて・・・
それからというもの、毎日麻雀のことばかり考えていて、日々「麻雀したい!!」が口癖でした。
そののち和泉プロに出会い、憧れを抱き、プロというものを目指すようになりました。
まずは雀荘で働く事を両親に許してもらう為、日々目が合えば「雀荘で働いてプロになりたい!!いい?」「ねぇ、いい?」が口癖でした。
あまりにもしつこいので両親が根負けをし、呆れながらも許してくれました(笑)
ちなみに和泉プロとは、フジTVの恋愛番組「あいのり」繋がりです。
旅は被っていませんが、番組終了後の今もメンバー皆仲が良くて、よく飲み会が開催されるんです。
そこで私は和泉プロに初めて会い、色々話を聞いて・・・
あの日が私のターニングポイントだったなと思います。
ちなみに番組における私の旅はというと・・・
21歳の頃、大学在学中にガーリックというニックネームで旅に出て、(鼻がにんにくに似ていることから)デンマークで42.195kmを走ったり、パン1つを皆で分け合ってテントで凍えながら寝たり、ホームシックになって泣いちゃったり、そんなこんなで好きな人ができ告白。
防波堤で好きーー!!!って叫びましたよ。
日本に帰るチケットを渡して、そして・・・
がっつりフラれて帰ってきました!!!!
どうだ!!!男らしいだろ!!!ハハハ
振り返れば色々と貴重な体験が出来ている人生だと思います。
また、多くの方に支えられていると、つくづく感じます。
点数計算も間々ならない私に、連盟のプロでもあるお店のスタッフの人達が、忙しい中時間を割いて問題集を作ってくれたり、Aルールセットを沢山してくれたり、お客さんも一緒になって教えてくれて・・・
その甲斐あって、念願のプロテストに合格し、今年4月でプロとして1年を迎えました。
和泉プロを始め、この1年で出会った連盟の先輩方も本当に良い方ばかりで、麻雀はもちろん、多くの事を教えてもらっています。また、大変嬉しい事に、麻雀格闘倶楽部やロン2、2013連盟カレンダーにも出させていただき、今度はロン2カップのMCにチャレンジさせていただく事になりました。

ron22013spring ロン2カップ2013Spring 視聴URLはこちら

ちなみに、自身のブログなどでは沢山話したりして自分ワールド全開ですけど、基本、人見知りなので、喋るのも、人前に出るのも、あがちゃって大の苦手。
TVに出ていたから、そういうの慣れてるんでしょ??って毎回言われるんですが、むしろ苦手です。(笑)
いつも緊張でアワワのドキドキです。
それでも、まだまだ青二才の私に、こうやって機会を頂ける事がまず嬉しくて、感謝すると共に、日々色んな事を吸収していけたらと思います。
たまに麻雀の奥深さに挫折しちゃいそうになったりもするけど・・・(笑)
自分の覚えの悪さに嫌気がさしそうになるけど・・・(笑)
ちょっと見られただけで手の震えが止まらなくなるけど・・・(笑)
やっぱり好きで楽しくて・・・
連盟のプロとしても恥じないように、今後、急急急成長を遂げるつもりですので、皆様今後とも、今後から??どうぞ宜しくお願いします。
どうか見捨てないでね?(笑)
では、そろそろお別れの時間がやってまいりましたね。
あ!ここだけの話でも1つしてお別れとしましょうか。
私、生まれも育ちも左利きです。何があっても左利き一筋を貫いてきました。
昔、習っていた習字も右手に直しなさいと言われ、習字をやめることを選んだ頑固者です。
お陰さまで、字がとてつもなく汚いです。
そんな私が、麻雀に出会いプロになって、右手と言うものに初挑戦しました。
今では右手で麻雀を打っています。まだ変だってよく突っ込まれるけど(笑)、右手で打つ麻雀は私の愛の証しってことです。
何が言いたいかって??
やっぱりさ・・・
麻雀最高!!!!
ゴホン。
最後までお付き合い頂きありがとうございました。
ではまたいつか。
お次は・・・
麻雀格闘倶楽部にも出演をし、ライターの顔も持つ多才な方。
私も大変お世話になっている・・・
黒木真生プロです。
是非お楽しみに!!!!
小笠原奈央でした。