天空麻雀12 男性大会決勝レポート

tenku12_m_548

皆さんこんにちは猿川真寿です。
私の下手さ加減みていただけましたか?
第7回に続き、2回目の出場でしたが予選であっさり敗退。
ヒサトに打った倍満が致命傷でした。

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ヒサトのリーチを受けた時の私の牌姿は、

三万四万五万七万七索八索九索五筒六筒七筒八筒九筒九筒

12巡目に五筒を引きテンパイ。
九筒を切ってテンパイ取らずが一般的に思えるが私の選択はリーチ。
理由は、789の三色を狙っても六筒が打ちにくいことと、九筒が山にいそうなことからでした。

対局中は気づきませんでしたが、あとで先輩方に、
六筒が切りづらいってことは、ピンズがいいと思ってないでしょう?」
「リーチしたら守備力ないんだよ」
「それは矛盾しているよ(考え方)」
などと指導されて「確かに」と思いました。

これだけでも、出させてもらった甲斐がありました。
それにしても、ヒサトはこの赤ありルールは異常に強く天性のものを感じます。
森山会長と同じ最多優勝回数も頷けます。

次回があるか分かりませんが、次のチャンスは今回学んだことを生かして頑張りたいです。
まあ、私事はさておいて、準決勝進出者は灘麻太郎、森山茂和、小島武夫、滝沢和典のメンバーとなりました。

そして、激戦を勝ち抜いた決勝進出者は、荒正義、佐々木寿人、森山茂和、小島武夫の4名。

開局は、荒が5巡目リーチ。

六万七万八万一索二索三索二筒二筒八筒九筒東東東  リーチ  ドラ九筒

決していい待ちとは言えないが、巡目と打点とルールを考えれば普通の選択だろう。
親の森山は16巡目にテンパイ。

赤五万六万六万七万七万八万八索八索三筒四筒四筒五筒六筒

決勝ということと、打点と巡目からリーチと踏み切るかと思ったが、ヤミテンを選択。
これがうまくいき、荒のアガリ牌である最後の七筒を引き入れ3メンチャンになりリーチ。
これに、荒がハイテイで八筒を掴み放銃となった。

tenku12_m_548

次局も荒から5,800は6,100をアガリ優勝に大きく近づいていく。
追いかける小島は、荒のリーチ宣言牌で8,000は8,600をアガると、次局も

三万四万五万六万六万四索五索六索四筒四筒四筒白白  ツモ白  ドラ一索  裏五索

高目をツモリ森山に詰め寄る。さらに佐々木から8,000をアガリ一躍トップ目に。
2人のマッチレースで迎えた南3局に、森山が小島から8,000を直撃する。

七万七万八万八万九万三索四索赤五索六索七索八索発発  リーチ  ロン九万  ドラ六筒  裏西

小島の牌姿は、

三万四万赤五万六万七万二索三索四索八索八索六筒七筒八筒

こうだったので致し方なしといったところだろう。
オーラスはヒサトが安目ながら裏×2で倍満をアガリ3着ながら差を縮めた。

三万三万四万五万六万五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ七索  ドラ東  裏三万

1回戦終了時

森山茂和+51.1 小島武夫+24.3 佐々木寿人▲0.6 荒正義▲74.8

2回戦、東1局は小島に8,000、次局はヒサトに3,900を森山が放銃して混戦模様。

迎えた東3局。

ヒサトは4巡目に赤五万を引き入れテンパイだが、ホンイツ1シャンテンに受ける。

一万一万三万四万七万七万七万九万七索九索東東東  ツモ赤五万  ドラ七筒

次巡、九索が重なり今度は三暗刻があるのでリーチと討ってでる。
3巡後に九索を力強くツモり、裏ドラが3枚のり16,000のアガリで一躍森山をトータルポイントでも捲くり、トップ目に立った

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荒れに荒れている最終戦、ヒサトがこのままの勢いで逃げ切るのか。
森山が捲くり返すのか。それとも小島が捲くり優勝するのか。
荒が奇跡の逆転劇を披露するのか。
決勝最終戦、皆様お見逃しなく。

放送スケジュール&詳細はこちらよりご確認ください。


「エンタメ~テレ」 HPはこちら

「天空麻雀12」 番組HPは こちら

特集企画/天空麻雀12 男性大会決勝レポート

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皆さんこんにちは猿川真寿です。
私の下手さ加減みていただけましたか?
第7回に続き、2回目の出場でしたが予選であっさり敗退。
ヒサトに打った倍満が致命傷でした。

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ヒサトのリーチを受けた時の私の牌姿は、
三万四万五万七万七索八索九索五筒六筒七筒八筒九筒九筒
12巡目に五筒を引きテンパイ。
九筒を切ってテンパイ取らずが一般的に思えるが私の選択はリーチ。
理由は、789の三色を狙っても六筒が打ちにくいことと、九筒が山にいそうなことからでした。
対局中は気づきませんでしたが、あとで先輩方に、
六筒が切りづらいってことは、ピンズがいいと思ってないでしょう?」
「リーチしたら守備力ないんだよ」
「それは矛盾しているよ(考え方)」
などと指導されて「確かに」と思いました。
これだけでも、出させてもらった甲斐がありました。
それにしても、ヒサトはこの赤ありルールは異常に強く天性のものを感じます。
森山会長と同じ最多優勝回数も頷けます。
次回があるか分かりませんが、次のチャンスは今回学んだことを生かして頑張りたいです。
まあ、私事はさておいて、準決勝進出者は灘麻太郎、森山茂和、小島武夫、滝沢和典のメンバーとなりました。
そして、激戦を勝ち抜いた決勝進出者は、荒正義、佐々木寿人、森山茂和、小島武夫の4名。
開局は、荒が5巡目リーチ。
六万七万八万一索二索三索二筒二筒八筒九筒東東東  リーチ  ドラ九筒
決していい待ちとは言えないが、巡目と打点とルールを考えれば普通の選択だろう。
親の森山は16巡目にテンパイ。
赤五万六万六万七万七万八万八索八索三筒四筒四筒五筒六筒
決勝ということと、打点と巡目からリーチと踏み切るかと思ったが、ヤミテンを選択。
これがうまくいき、荒のアガリ牌である最後の七筒を引き入れ3メンチャンになりリーチ。
これに、荒がハイテイで八筒を掴み放銃となった。

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次局も荒から5,800は6,100をアガリ優勝に大きく近づいていく。
追いかける小島は、荒のリーチ宣言牌で8,000は8,600をアガると、次局も
三万四万五万六万六万四索五索六索四筒四筒四筒白白  ツモ白  ドラ一索  裏五索
高目をツモリ森山に詰め寄る。さらに佐々木から8,000をアガリ一躍トップ目に。
2人のマッチレースで迎えた南3局に、森山が小島から8,000を直撃する。
七万七万八万八万九万三索四索赤五索六索七索八索発発  リーチ  ロン九万  ドラ六筒  裏西
小島の牌姿は、
三万四万赤五万六万七万二索三索四索八索八索六筒七筒八筒
こうだったので致し方なしといったところだろう。
オーラスはヒサトが安目ながら裏×2で倍満をアガリ3着ながら差を縮めた。
三万三万四万五万六万五索六索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ七索  ドラ東  裏三万
1回戦終了時
森山茂和+51.1 小島武夫+24.3 佐々木寿人▲0.6 荒正義▲74.8
2回戦、東1局は小島に8,000、次局はヒサトに3,900を森山が放銃して混戦模様。
迎えた東3局。
ヒサトは4巡目に赤五万を引き入れテンパイだが、ホンイツ1シャンテンに受ける。
一万一万三万四万七万七万七万九万七索九索東東東  ツモ赤五万  ドラ七筒
次巡、九索が重なり今度は三暗刻があるのでリーチと討ってでる。
3巡後に九索を力強くツモり、裏ドラが3枚のり16,000のアガリで一躍森山をトータルポイントでも捲くり、トップ目に立った

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荒れに荒れている最終戦、ヒサトがこのままの勢いで逃げ切るのか。
森山が捲くり返すのか。それとも小島が捲くり優勝するのか。
荒が奇跡の逆転劇を披露するのか。
決勝最終戦、皆様お見逃しなく。

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第9期北関東リーグ 準決勝&決勝レポート

 

今期で第9期となる北関東プロアマリーグ。

29期生の新人プロである(岡部、林、斉藤、吉井、吉原、石川、村山)7名が初参戦し、北関東に新たな風を吹き込んだ。その中から斉藤健人がこの準決勝に勝ち残った。
また、十段戦大活躍の河井保国(ベスト16敗退)と弓削雅人(九段戦S敗退)、更には初決勝を目論む紅一点の高田麻衣子というプロ勢が、強豪揃いのアマチュア勢と激突する。

 

準決勝

A卓
[ 河井、弓削、渡部正さん、内野宏太さん]

1回戦、南1局に内野さんが、メンホン七対子ツモの3,000・6,000をアガリ、大きめのトップをものにする。

2回戦、渡部さんが順調に加点し、トップを取り、プロ2人が窮地に追い込まれた。

3回戦、東4局に渡部さんが、小三元の4,000オールツモで抜け出す。
南場の弓削の親が落ち、現実的に渡部さん、内野さんの勝ち上がりが濃厚に思えた。
しかし、南3局、弓削が残りツモ2回という土壇場で、テンパイし、最後のツモで、

三筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒東東西西中中  ツモ三筒

この3,000・6,000。内野さんに親っかぶりさせ、逆転に成功する。
最後は弓削が1,000点をアガリきり決着した。

決勝進出者:渡部さん、弓削

B卓
[斉藤、高田、西尾猛さん、小林晃さん]

1回戦、軽快にアガリを重ねた斉藤がトップ。
オーラス、ラス目だった高田が2,000・3,900をツモりあげ、浮きの2着に浮上。

2回戦、南3局、親の高田がリーチ、そしてすぐにツモ。その手はなんと、

二万二万八万八万八万三索三索三索二筒二筒九筒九筒九筒  ツモ二万
この16,000オール!
1人浮きの大トップを決め、決勝進出を確実なものとした。

3回戦、残り1つの椅子をかけた争いは、西尾さんが猛烈に斉藤を追い上げる。
最後は浮き条件の斉藤だったが、浮きを確保することができず、敗退となった。

決勝進出者:高田、西尾さん

30~40分の休憩を挟み、全4回戦の決勝が行われる。
今期もまた、プロ2人対アマ2人の構図となった。
ただでさえ、毎回優勝候補に挙がる沢崎誠、吉田幸雄の両名が不在の今期のこのリーグ戦。
弓削、高田はプロの意地をみせることができるか?
渡部さん、西尾さん共に打点、攻撃力のあるタイプで、プロ勢が苦戦しても何ら不思議ではない。

 

決勝戦

誰しもが主導権を握りたいと思うのは当然の心理であるが、その反面、大きなリスク・失点を避けたいと願うのもまた、人間の心理であると思う。

立ち上がりは皆、相手の出方を窺うような展開となった。

その中で大きく展開が動いたのが、東3局4本場、南家。弓削リーチ。

二万三万四万四万五万六索六索二筒二筒二筒三筒三筒三筒  リーチ  ドラ三万

親・西尾さんリーチ。

二万三万五万六万七万七筒七筒八筒八筒九筒九筒東東  リーチ

北家・高田リーチ。

三万三万四万四万六万八万八万九万九万二索二索発発  リーチ

この3軒リーチ。西尾さんの切った六万にロンの声が重なる。
頭ハネで弓削の5,200のアガリとなった。
完全に弓削が主導権を握ったかに思われた。

東4局、親・弓削のソーズのホンイツ仕掛けに上手く対応した、北家・西尾さんが渾身の七対子ドラ2をツモ。

一万一万六万六万二索二索四索四索五索六索六索中中  ツモ五索  ドラ四索
すぐに失点を回復。
実は、打ち上げの席で、このアガリが一番手応えがあったアガリと西尾さんは語ってくれた。

南2局1本場、ここまで劣勢の親・高田が、

四万四万四万六万四索五索六索二筒二筒二筒チー三筒四筒五筒  ツモ六万  ドラ四万

この4,000オール一撃で、トップ争いに加わる。

南3局、弓削、渡部さんの2軒リーチに、親・西尾さんが追っかけリーチ!

五万六万七万七万八万九万九万九万六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ八索  ドラ五万

すぐにツモりあげ2,600オール。
南3局1本場、この局が、この決勝戦のターニングポイントだったのでは?と私は思っている。
中盤を迎え、北家・高田の手牌は以下のようになっていた。

一索三索四索四索五索九索九索東東西西北北  ツモ四索  ドラ発  打五索

一索三索四索四索四索九索九索東東西西北北

九索東北が場に1枚ずつ切られている局面。
ここで切られた2枚目の九索をスルー。
次巡、ツモ六索で打四索とし、メンホン七対子に決め打ちしたのだが、この選択はどうだったのだろうか?
一方で、親・西尾さんがこの1シャンテン

二万四万四万五万六万三索四索二筒三筒四筒北発発

ここから二索をツモり、当然の打北。すぐに三万をツモアガリ4,000オール!
麻雀にタラレバは厳禁だが、高田が九索を鳴いていれば、いずれ出てくるはずの北も鳴け満貫テンパイは確実であった。また、西尾さんのテンパイ・アガリがあったかも正直わからない。全く違う結末が待っていたと思われるのだ。

南4局にも、高田、渡部さんの2軒リーチを掻い潜り、7,700をアガリ切った西尾さんが、大トップをものにした。

1回戦成績
西尾さん+33.8P
高田+5.7P
弓削+5.7P
渡部さん▲45.2P

2回戦
東2局、親・弓削リーチ。

一索二索四索五索六索七索八索九索九索九索二筒三筒四筒  リーチ  ロン三索  ドラ八万

この7,700で先制。高田が放銃。
東2局2本場、西家・西尾さんリーチ。

三万三万四万四万五万三索四索五索七索八索九索八筒八筒  リーチ  ツモ五万  ドラ九索

しっかり高めツモの2,000・4,000。
東3局、ここまで苦しい展開の続いていた西家・渡部さんがリーチ。

四万四万六万七万八万三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ四索

高田のテンパイ打牌をとらえ7,700。
東4局、親・西尾さんが10巡目にリーチ。

二万三万四万五万六万六万六万七万四索五索四筒五筒六筒  リーチ  ロン三索  ドラ四索

同巡、西家・弓削にもテンパイが入るのだが、役なしドラなしのカンチャン待ち。
そして、出ていく牌は無情にも、西尾さんのアガリ牌である三索であった。
1回戦で大きなトップを取った西尾さんのリーチなのだから、どんなことあっても打ってはいけない局面であると感じた。弓削にとっては悔やんでも悔やみきれない11,600の放銃となってしまった。

南場の親番でも2,600オールをアガリ加点した西尾さんが、またしても大トップで2連勝、優勝へ大きく前進した。

2回戦成績()内はトータルポイント
西尾さん+30.6P(+64.4P)
渡部さん+10.7P(▲34.5P)
弓削▲16.7P(▲11.0P)
高田▲24.6P(▲18.9P)

3回戦
残り2回戦で、大きく差が開いてしまったが、3者が上手く西尾さん包囲網を敷ければ、まだまだ逆転の可能性は残っている。
東1局、南家の高田が、西尾さんから5,200を撃ち取る。
東2局、気分よく迎えた親高田がこのダブルリーチ!

七万八万九万三筒四筒五筒七筒八筒東東東白白ロン九筒  リーチ  ドラ五万

そして、この12,000に放銃してしまったのも西尾さんであった。
さらに、東4局の渡部さんの2,600オールなどで、西尾さんの点棒は削られていき、他3者にとっては理想的な展開になった。しかし、やはり西尾さんはこのまま崩れていくような男ではなかった。

東4局1本場、

六万六万七万七万八万三索四索五索南南南西西  リーチ  ツモ八万  ドラ七万

南2局1本場、

二万三万四万二索三索四索八索八索三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ二筒  ドラ六筒

この2回の満貫をアガリ、原点付近まで復活。
そして…

南3局、優勝を決定づけるアガリが生まれる。
まずは西家・弓削が南五万のシャンポン待ちでリーチ。
このリーチを受け、親の西尾さんの手牌は、

四万六万一索一索一索四索四索四索一筒一筒北北北  ドラ五万

このテンパイから、一筒をツモり長考に入る。
マンズは場に高く、弓削のリーチにもドラ周りは打ちずらい。安全にいくなら一筒なども選択肢に入る。
意を決して西尾さんの放った牌は六万!四暗刻単騎にとった。
そして、次巡、

四万一索一索一索四索四索四索一筒一筒一筒北北北  ツモ四万

高らかに発声された16,000オール!!
最終戦を待たずして西尾さんの優勝が決定した瞬間だった。

3回戦成績
西尾さん+58.3P(+122.7P)
高田▲10.7P(▲29.6P)
弓削▲20.5P(▲31.5P)
渡部▲27.1P(▲61.6P)

最終戦成績
弓削+29.7P(▲1.8P)
西尾さん▲1.3P(+121.4P)
高田▲6.6P(▲36.2P)
渡部さん▲21.8P(▲83.4P)

丁寧に対応しながら、本手を育て上げ、ツモりアガる西尾さんに強さを感じずにはいられなかった。
正に圧勝という言葉がぴったりな優勝劇であった。

『各選手コメント』

4位 渡部さん
「もうちょっと手広く受けてもいい局面がいっぱいあった。手役・打点にこだわりすぎたかな?
また、決勝に残れるように頑張ります。」

3位 高田
「もっと勉強してきます。」

2位 弓削
「変なところで押しちゃった。来期も頑張ります。」

優勝 西尾さん
「準決勝で運良く勝ち上がったのが大きかった。本当にツイていました。
まぁ、押すべき所で押せたのが勝因だと思います。
今期は宇都宮リーグも参加していて、すごく疲れた!」

北関東プロリーグ レポート/第9期北関東リーグ 準決勝&決勝レポート

 
今期で第9期となる北関東プロアマリーグ。
29期生の新人プロである(岡部、林、斉藤、吉井、吉原、石川、村山)7名が初参戦し、北関東に新たな風を吹き込んだ。その中から斉藤健人がこの準決勝に勝ち残った。
また、十段戦大活躍の河井保国(ベスト16敗退)と弓削雅人(九段戦S敗退)、更には初決勝を目論む紅一点の高田麻衣子というプロ勢が、強豪揃いのアマチュア勢と激突する。
 
準決勝
A卓
[ 河井、弓削、渡部正さん、内野宏太さん]
1回戦、南1局に内野さんが、メンホン七対子ツモの3,000・6,000をアガリ、大きめのトップをものにする。
2回戦、渡部さんが順調に加点し、トップを取り、プロ2人が窮地に追い込まれた。
3回戦、東4局に渡部さんが、小三元の4,000オールツモで抜け出す。
南場の弓削の親が落ち、現実的に渡部さん、内野さんの勝ち上がりが濃厚に思えた。
しかし、南3局、弓削が残りツモ2回という土壇場で、テンパイし、最後のツモで、
三筒七筒七筒八筒八筒九筒九筒東東西西中中  ツモ三筒
この3,000・6,000。内野さんに親っかぶりさせ、逆転に成功する。
最後は弓削が1,000点をアガリきり決着した。
決勝進出者:渡部さん、弓削
B卓
[斉藤、高田、西尾猛さん、小林晃さん]
1回戦、軽快にアガリを重ねた斉藤がトップ。
オーラス、ラス目だった高田が2,000・3,900をツモりあげ、浮きの2着に浮上。
2回戦、南3局、親の高田がリーチ、そしてすぐにツモ。その手はなんと、
二万二万八万八万八万三索三索三索二筒二筒九筒九筒九筒  ツモ二万
この16,000オール!
1人浮きの大トップを決め、決勝進出を確実なものとした。
3回戦、残り1つの椅子をかけた争いは、西尾さんが猛烈に斉藤を追い上げる。
最後は浮き条件の斉藤だったが、浮きを確保することができず、敗退となった。
決勝進出者:高田、西尾さん
30~40分の休憩を挟み、全4回戦の決勝が行われる。
今期もまた、プロ2人対アマ2人の構図となった。
ただでさえ、毎回優勝候補に挙がる沢崎誠、吉田幸雄の両名が不在の今期のこのリーグ戦。
弓削、高田はプロの意地をみせることができるか?
渡部さん、西尾さん共に打点、攻撃力のあるタイプで、プロ勢が苦戦しても何ら不思議ではない。
 
決勝戦
誰しもが主導権を握りたいと思うのは当然の心理であるが、その反面、大きなリスク・失点を避けたいと願うのもまた、人間の心理であると思う。
立ち上がりは皆、相手の出方を窺うような展開となった。
その中で大きく展開が動いたのが、東3局4本場、南家。弓削リーチ。
二万三万四万四万五万六索六索二筒二筒二筒三筒三筒三筒  リーチ  ドラ三万
親・西尾さんリーチ。
二万三万五万六万七万七筒七筒八筒八筒九筒九筒東東  リーチ
北家・高田リーチ。
三万三万四万四万六万八万八万九万九万二索二索発発  リーチ
この3軒リーチ。西尾さんの切った六万にロンの声が重なる。
頭ハネで弓削の5,200のアガリとなった。
完全に弓削が主導権を握ったかに思われた。
東4局、親・弓削のソーズのホンイツ仕掛けに上手く対応した、北家・西尾さんが渾身の七対子ドラ2をツモ。
一万一万六万六万二索二索四索四索五索六索六索中中  ツモ五索  ドラ四索
すぐに失点を回復。
実は、打ち上げの席で、このアガリが一番手応えがあったアガリと西尾さんは語ってくれた。
南2局1本場、ここまで劣勢の親・高田が、
四万四万四万六万四索五索六索二筒二筒二筒チー三筒四筒五筒  ツモ六万  ドラ四万
この4,000オール一撃で、トップ争いに加わる。
南3局、弓削、渡部さんの2軒リーチに、親・西尾さんが追っかけリーチ!
五万六万七万七万八万九万九万九万六索七索二筒三筒四筒  リーチ  ツモ八索  ドラ五万
すぐにツモりあげ2,600オール。
南3局1本場、この局が、この決勝戦のターニングポイントだったのでは?と私は思っている。
中盤を迎え、北家・高田の手牌は以下のようになっていた。
一索三索四索四索五索九索九索東東西西北北  ツモ四索  ドラ発  打五索
一索三索四索四索四索九索九索東東西西北北
九索東北が場に1枚ずつ切られている局面。
ここで切られた2枚目の九索をスルー。
次巡、ツモ六索で打四索とし、メンホン七対子に決め打ちしたのだが、この選択はどうだったのだろうか?
一方で、親・西尾さんがこの1シャンテン
二万四万四万五万六万三索四索二筒三筒四筒北発発
ここから二索をツモり、当然の打北。すぐに三万をツモアガリ4,000オール!
麻雀にタラレバは厳禁だが、高田が九索を鳴いていれば、いずれ出てくるはずの北も鳴け満貫テンパイは確実であった。また、西尾さんのテンパイ・アガリがあったかも正直わからない。全く違う結末が待っていたと思われるのだ。
南4局にも、高田、渡部さんの2軒リーチを掻い潜り、7,700をアガリ切った西尾さんが、大トップをものにした。
1回戦成績
西尾さん+33.8P
高田+5.7P
弓削+5.7P
渡部さん▲45.2P
2回戦
東2局、親・弓削リーチ。
一索二索四索五索六索七索八索九索九索九索二筒三筒四筒  リーチ  ロン三索  ドラ八万
この7,700で先制。高田が放銃。
東2局2本場、西家・西尾さんリーチ。
三万三万四万四万五万三索四索五索七索八索九索八筒八筒  リーチ  ツモ五万  ドラ九索
しっかり高めツモの2,000・4,000。
東3局、ここまで苦しい展開の続いていた西家・渡部さんがリーチ。
四万四万六万七万八万三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ  ロン二索  ドラ四索
高田のテンパイ打牌をとらえ7,700。
東4局、親・西尾さんが10巡目にリーチ。
二万三万四万五万六万六万六万七万四索五索四筒五筒六筒  リーチ  ロン三索  ドラ四索
同巡、西家・弓削にもテンパイが入るのだが、役なしドラなしのカンチャン待ち。
そして、出ていく牌は無情にも、西尾さんのアガリ牌である三索であった。
1回戦で大きなトップを取った西尾さんのリーチなのだから、どんなことあっても打ってはいけない局面であると感じた。弓削にとっては悔やんでも悔やみきれない11,600の放銃となってしまった。
南場の親番でも2,600オールをアガリ加点した西尾さんが、またしても大トップで2連勝、優勝へ大きく前進した。
2回戦成績()内はトータルポイント
西尾さん+30.6P(+64.4P)
渡部さん+10.7P(▲34.5P)
弓削▲16.7P(▲11.0P)
高田▲24.6P(▲18.9P)
3回戦
残り2回戦で、大きく差が開いてしまったが、3者が上手く西尾さん包囲網を敷ければ、まだまだ逆転の可能性は残っている。
東1局、南家の高田が、西尾さんから5,200を撃ち取る。
東2局、気分よく迎えた親高田がこのダブルリーチ!
七万八万九万三筒四筒五筒七筒八筒東東東白白ロン九筒  リーチ  ドラ五万
そして、この12,000に放銃してしまったのも西尾さんであった。
さらに、東4局の渡部さんの2,600オールなどで、西尾さんの点棒は削られていき、他3者にとっては理想的な展開になった。しかし、やはり西尾さんはこのまま崩れていくような男ではなかった。
東4局1本場、
六万六万七万七万八万三索四索五索南南南西西  リーチ  ツモ八万  ドラ七万
南2局1本場、
二万三万四万二索三索四索八索八索三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ二筒  ドラ六筒
この2回の満貫をアガリ、原点付近まで復活。
そして…
南3局、優勝を決定づけるアガリが生まれる。
まずは西家・弓削が南五万のシャンポン待ちでリーチ。
このリーチを受け、親の西尾さんの手牌は、
四万六万一索一索一索四索四索四索一筒一筒北北北  ドラ五万
このテンパイから、一筒をツモり長考に入る。
マンズは場に高く、弓削のリーチにもドラ周りは打ちずらい。安全にいくなら一筒なども選択肢に入る。
意を決して西尾さんの放った牌は六万!四暗刻単騎にとった。
そして、次巡、
四万一索一索一索四索四索四索一筒一筒一筒北北北  ツモ四万
高らかに発声された16,000オール!!
最終戦を待たずして西尾さんの優勝が決定した瞬間だった。
3回戦成績
西尾さん+58.3P(+122.7P)
高田▲10.7P(▲29.6P)
弓削▲20.5P(▲31.5P)
渡部▲27.1P(▲61.6P)
最終戦成績
弓削+29.7P(▲1.8P)
西尾さん▲1.3P(+121.4P)
高田▲6.6P(▲36.2P)
渡部さん▲21.8P(▲83.4P)
丁寧に対応しながら、本手を育て上げ、ツモりアガる西尾さんに強さを感じずにはいられなかった。
正に圧勝という言葉がぴったりな優勝劇であった。
『各選手コメント』
4位 渡部さん
「もうちょっと手広く受けてもいい局面がいっぱいあった。手役・打点にこだわりすぎたかな?
また、決勝に残れるように頑張ります。」
3位 高田
「もっと勉強してきます。」
2位 弓削
「変なところで押しちゃった。来期も頑張ります。」
優勝 西尾さん
「準決勝で運良く勝ち上がったのが大きかった。本当にツイていました。
まぁ、押すべき所で押せたのが勝因だと思います。
今期は宇都宮リーグも参加していて、すごく疲れた!」

第27期新人王戦 優勝は岡本和也!!

優勝:岡本和也
準優勝:三浦智博 第3位:大久保朋美 第4位:清水哲也

・予選レポート  ・決勝観戦記

開催概要はこちら

連盟インフォメーション/第27期新人王戦 優勝は岡本和也!!

優勝:岡本和也
準優勝:三浦智博 第3位:大久保朋美 第4位:清水哲也
・予選レポート  ・決勝観戦記
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第24期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート

チャンピオンズリーグとは…

半年に1回開催されるタイトル戦であり、日本プロ麻雀連盟員なら誰でも参加できる。
今回もAリーグからEリーグまでいろんなプロ75名が参加した。

まず予選は4半荘を5節行う。
ポイント上位29名が、トーナメント戦へと進むことが出来る。
予選1位と、前回優勝者がベスト16からのシードとなる。
そしてベスト16、ベスト8とトーナメント戦を行い、決勝メンバー4人を決める。
そして翌日、決勝戦が行われ、優勝した者がチャンピオンとなる。

champ24

図で示すとこのような感じになっている。
このレポートでは、ベスト28の様子について書いていきます。

 

【ベスト28】

2013年8月17日。平均気温は27℃、比較的過ごしやすくなってきた今日この頃、チャンピオンズリーグのトーナメント戦が四ツ谷で行われた。
今回のベスト28は会場が二箇所で行われ、すべての卓を見ることは出来なかったため、一部の卓しか紹介できませんが、御了承下さい。

2卓:内川幸太郎 vs 増田隆一 vs 福光聖雄 vs 斎藤桂史

自分は、今期A2リーグに昇級した内川に注目した。
福光の連荘で始まった東1局3本場。
内川の手牌

二万二万五万六万八万八万九万九万六筒六筒六筒中中  ドラ八万

ここから九万をポンして、打五万
その後、中もすぐ鳴けて、

二万二万八万八万六筒六筒六筒  ポン中中中  ポン五万五万五万

このテンパイ。
数巡後、増田から二万が出て8,000は8,900のアガり。
南入しても内川は満貫をツモアガるなどして加点し、初戦をトップで終える。
調子は良さそうである。

2回戦終了時
内川+22.6P 斎藤+0.5P 福光▲9.4P 増田▲13.7P

最終戦、特に大きな点数の動きが無いまま迎えた南1局、息を潜めていた増田がトータル2着目の斎藤から

二万二万六万七万八万三筒四筒四筒五筒五筒四索五索六索  ドラ七万  ロン三筒

これを打ち取りトータルで2着となる。
その後は、増田ペースで安定した打ちまわしでそのまま終局となり、内川と増田の通過となった。

1位通過:内川幸太郎 2位通過:増田隆一

 

3卓:客野直 vs 石橋薫 vs 松崎良文 vs 戸島祥太

1回戦は石橋の1人浮きで終えて、2回戦。
松崎の満貫ツモアガリから始まり、次局アガった松崎の親番。

四万五万六万八万八万八万二筒二筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ七万  ドラ八万

ドラ暗刻のテンパイの形から、1シャンテンに戻す九筒切り。
そして三万をチーして、

六万七万八万八万八万二筒二筒六筒七筒八筒  チー三万四万五万

この形になり、初戦トップの石橋から二筒を出アガリ、11,600点を加点してこの半荘は石橋が1人沈みとなる。

2回戦終了時
松崎+23.6P 戸島▲1.5P 石橋▲6.7P 客野▲15.4P

松崎以外の3者の競りとなったが、客野が2,600オールをツモり頭一つ抜け出し、そのまま勝ち上がりとなった。

1位通過:松崎良文 2位通過:客野直

 

7卓:桶本篤史 vs 藤井すみれ vs 須浦正裕 vs 蒼井ゆりか

2回戦終了時
藤井+11.0P 蒼井▲1.0P 須浦▲3.6P 桶本▲6.4P

藤井が若干リードしているものの、4者の競りとなった最終半荘。
開局、親番の蒼井からリーチが入る。

八万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒四索五索六索七索八索  リーチ  ドラ三筒

絶好のカン三筒を引き入れてのテンパイで、あっさり高めの三索をツモり4,000オール。
その後も加点を続け、1つ目の枠は蒼井でほぼ決まった。

そして蒼井がトップのまま迎えた南2局。
もう後がない親番の桶本から、蒼井がヤミテンで7,700点をアガリ、桶本はかなり厳しい状態になる。
さらに南3局、藤井が南をポンして桶本から5,800点をアガる。
残りの枠を争って、藤井、須浦の一騎打ちになるかと思われたが、次局桶本からリーチが入る。
流局かと思われた桶本の最終ツモで、力強くツモりアガる。

一万一万二万二万二万五万五万五万七万八万九万南南  ドラ四万  ツモ南

高めの南をツモアガリ、4,000・8,000の倍満である。
倍満の親被りをした藤井がこの半荘でラスになり、トータルでほぼ3者並びになった。
そして迎えたオーラス。
このまま勢いがついた桶本がアガるかと思われたが、藤井が落ち着いてサクっと1,000点をアガり、勝ちあがりを決めた。

1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:藤井すみれ

 

1卓:白鳥翔 vs 石川正明 vs 藤本哲也 vs 杉浦勘介

2回戦終了時
白鳥+29.7P 石川+20.1P 藤本▲23.5P 杉浦▲25.8P

最終半荘、藤本がトップで、石川をラスにするも、石川がギリギリのところで逃げ切り、白鳥と石川の勝ち残りとなった。

1位通過:白鳥翔 2位通過:石川正明

 

4卓:北野由実 vs 藤崎智 vs 加藤博己 vs 三好直幸

2回戦終了時
藤崎+13.1P 三好+1.5P 北野▲1.5P 加藤▲12.1P
最終半荘も上2人がトップと2着をとり、そのまま勝ち上がりとなった。

1位通過:藤崎智 2位通過:三好直幸

 

5卓:太田優介 vs 阿部謙一 vs 犬見武史 vs 鷲見隼人

2回戦終了時
太田+14.3P 鷲見+13.9P 阿部+1.1P 犬見▲30.3P

逃げる2人を阿部と犬見が追う形になったが、そのまま2人が逃げ切り、勝ち上がりとなった。

1位通過:鷲見隼人 2位通過:太田優介

 

6卓:西岡慎泰 vs 田中史孝 vs 塚越祐次郎 vs 西川淳

2回戦終了時
西川+23.9P 西岡+14.8P 塚越▲4.9P 田中▲33.8P

去年のチャンピオンの西川と、今年のマスターズ3位の西岡が、そのまま突っ走って勝ち上がりとなった。

1位通過:西岡慎泰 2位通過:西川淳

次のベスト16トーナメントからは、去年のチャンピオン・中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘が参戦する。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト28トーナメントでした。
次はベスト16トーナメントです。

 

【ベスト16】

ベスト28トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト16トーナメントの戦いが始まる。
去年のチャンピオン中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘がここからの参戦となる。

1卓 中村慎吾 vs 西岡慎泰 vs 蒼井ゆりか vs 石川正明

中村の立ち上がりが気になったが、1回戦から満貫をツモアガったりと、悪くはなさそうだ。
しかし、先程のベスト28を通過した勢いで、アガリ続けた蒼井が5万点を超えるトップを取り、中村は2着となった。
しかし2回戦目は、蒼井がラスを引いてしまい、全員順位がひっくり返り、平らな状態で最終半荘を迎えることとなった。

2回戦終了時
中村+10.1P 蒼井+6.9P 石川▲6.0P 西岡▲11.0P

大きな点棒移動もないまま迎えた東4局、蒼井からリーチが入る。
そして力強くツモ。

二万三万四万六筒七筒七筒八筒八筒六索六索八索八索八索  ドラ六索  ツモ六筒

高めをツモり、跳満をアガった蒼井は、勝ち抜けに大きく近づいた。
ベスト28の時と同じように、混戦の中で大きい手をアガる事が出来るのが蒼井の持ち味なのかもしれない。
そして南1局、蒼井に続こうと、前へと出る石川と西岡の手がぶつかる。
先制リーチは石川。

三万三万四万五万五万五万六万七万六筒六筒四索五索六索  リーチ  ドラ北

そして手変わりを待っていた西岡も、ツモ切り追っかけリーチと出る。

四万四万二筒三筒四筒二索三索四索五索六索七索北北  リーチ

自然と放銃しない形になっている西岡に分があるように見える。
結果、北をツモアガリ、待望の2,000・4,000。西岡と蒼井の2人が38,000点台になって、完全に並びができた。
オーラスの中村の親も蒼井が1,000点でサクっと捌いて、蒼井、西岡の勝ちあがりで終局となった。

1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:西岡慎泰

 

2卓 藤原隆弘 vs 鷲見隼人 vs 藤井すみれ vs 増田隆一

ここから藤原が参戦である。
予選1位の勢いは衰えていないようで、1回戦断トツトップ、2回戦も加点を続け、放銃も殆ど無くいつもどおり安定した戦いを見せる。
逆に調子が悪そうなのが鷲見であった。
2回戦南4局、親:藤井。南家・鷲見手牌

一万二万三万四万五万五万六万七万八万八万九万西西  ドラ六索

五万八万のくっつきテンパイの形である。ここで親の藤井からリーチが入る。
そして同巡ツモ四万
初戦ラスであり、跳満以上確定のテンパイのため、仕方ないといった様子で出る八万
そして藤井がロン。五万八万待ちの、メンタンピンドラ1の11,600点に刺さる。
このアガリが大きく、この半荘は藤井がトップで終わり、完全な並びが出来て、最終半荘を迎える。

2回戦終了時
藤原+38.1P 藤井+34.5P 増田▲16.4P 鷲見▲58.2P

大体トップの藤原と、2着の藤井で決まりだな、と思って目を離した開局、親の増田のツモの声。

五万五万五万七万七万発発中中中  ポン南南南  ドラ四筒  ツモ発

増田がいきなりこの8,000オールをツモアガリ、一気に目を離せない勝負となった。

次局もリーチをして、藤井から2,000は2,300を出アガる。

これで藤井をトータルで捲ることに成功。
どこまで連荘を重ねるのだろう、と期待した増田の親番だったが、次局ツモが伸びずなんとノーテンで流局。
そして東2局、増田が再びリーチを打つ。
みな受けに入るかと思われたが、藤井から無筋が切られる。
藤原と鷲見は受けているため実質、増田と藤井の一騎打ちになった。
そして増田がゆっくりと切った牌で藤井がロン。
自風のドラを暗刻にした満貫を、一番アガリたい相手の増田から打ち取ることに成功。
このアガリで空気が変わり、藤井はその後も加点し原点をまで点棒を戻し、藤原は場を上手く回して、そのまま2人で勝ち上がりを決めた。

1位通過:藤井すみれ 2位通過:藤原隆弘

 

3卓 白鳥翔 vs 藤崎智 vs 西川淳 vs 客野直

今回のチャンピオンズリーグで唯一A1リーグからの参加の藤崎だったが、展開に恵まれずマイナスした状態で最終半荘を迎えた。

2回戦終了時
西川+42.1P 白鳥+12.3P 藤崎▲26.3P 客野▲28.1P

藤崎、客野は必然的に白鳥がターゲットとなる。
東2局、藤崎が親で役牌の中を仕掛ける。

四万四万五万四筒五筒六筒六索七索八索東東  ポン中中中  ドラ四筒

打点が必要な藤崎はここから五万を切り、シャンポンに構える。
東を引けるかどうかの戦いだな、と思ってみていたら、数巡後、白鳥が長考した後、出てきた牌はなんと東
藤崎に11,600点の放銃となった。

この藤崎の親を流せればかなり楽になり勝ち残りが一気に近づくのは確かだが、少し勝負を焦ってしまったか。
次局も白鳥は客野に2,600は2,900の放銃となり、雲行きが怪しくなってきた。

そして迎えた白鳥の親番だったが、客野が積極的に染め手を仕掛けていき、三索六索九索待ちのチンイツをツモアガリ、2,000・4,000。白鳥は痛い親被りとなり、東場が終了した。

南1局、客野が親で連荘をし、少しずつ加点し本場を積んでいく。
南2局の藤崎の親も、客野が1,000点でサクっとかわす。
藤崎はドラが暗刻の勝負手が入っていただけに、少し痛い親流れとなった。
そしてラス前、点棒状況は東家から、

西川30,400 白鳥10,300 客野42,600 藤崎36,700

白鳥が1人沈みになり、トータル2着は客野になっていた。
西川を除く3者、どのような状況でオーラスになるかと思ったら、このラス前で白鳥が西川に11,600を放銃し、ついに箱を割ってしまう。

オーラスの親は白鳥なので、まだ可能性はあるが、かなり重い11,600だったに違いない。
次局は藤崎がアガリ迎えたオーラス。点棒状況は東家から、

白鳥▲2,500 客野42,600 藤崎38,000 西川41,900

藤崎は客野を素点で逆転すればいいので、出アガリ5,200、ツモアガり1,000・2,000が必要である。
ホンイツに寄せていった藤崎は、11巡目、

一万一万二万二万三万四万六万六万八万八万八万中中

この形で、一万をツモり二万を切って面前でテンパイする。
そして、あっさり中をツモアガリ、3,000・6,000で見事逆転の勝ち上がりを決めた。

1位通過:西川淳 2位通過:藤崎智

 

4卓 太田優介 vs 三好直幸 vs 内川幸太郎 vs 松崎良文

ベスト28断トツトップだった内川を見ていたが、試合前にかぜ薬らしきものを飲んでいる姿を見た。
どうやら体調が優れないらしい。
それが関係しているかはわからないが、初戦ラスを引いてしまう。

2回戦目、東3局7本場、太田が50,000点を超えて、この半荘ぶっちぎるか?と思った。
しかし南1局、今度は三好の大連荘が始まる。
3,900から始まり、2,600オールや3,900オールなど高打点も決めて、気づいたら三好が50,000点を超えてトップに立っていた。
見ていただけで、三好の4回のリーチの中、内川は3回一発でロン牌を掴まされる様子を見て、内川の体勢の悪さが良く分かった。
終わってみれば、三好は65,000点の大トップで2連勝し、早くも勝ち上がりがほぼ決まった。

最終半荘、太田と松崎の一騎打ちとなったが、トーナメント慣れした松崎が安定した打ちまわしでリードしたままオーラスを迎える。

ラス親が断トツトップの三好のため、1局勝負となった太田は、残り2巡のところでツモれば跳満で逆転するリーチを打つも、ツモれず流局。
松崎の逃げ切りとなった。

1位通過:三好直幸 2位通過:松崎良文

 

以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト16トーナメントでした。
いよいよ決勝メンバーが確定する、ベスト8トーナメントです。

 

【ベスト8】

ベスト16トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト8トーナメントの戦いが始まる。

ここまで藤原以外は6半荘を打っており、体力的にも辛くなってくる本日最後の3半荘である。

1卓 西岡慎泰 vs 藤崎智 vs 藤井すみれ vs 三好直幸

点棒が大きく動いたのは東2局。
西家の西岡が自風を仕掛ける。そして北ポン、中ポンとし、三好の切った八筒でロン。

六筒七筒白白  ポン西西西  ポン北北北  ポン中中中

西岡、初戦から大きいアガリを拾う。
逆に三好はこの放銃が響き、1人沈みのままオーラスを迎える。
18,100点持ちの南家の三好は、ツモれば跳満のドラ含みの七対子のリーチを打つも、親の西岡と2人テンパイで流局。次局は藤崎がピンフをツモって、三好の1人沈みのまま1回戦を終える。

2回戦に入り、先手を取ったのは三好。
1,300・2,600をアガリ、次局も三色のリーチをツモって加点を続ける。
東4局には44,300点の1人浮きでリードする。
南2局、再び三好の連荘が始まる。が、この連荘を止めたのは藤井。
三好が数牌を1つ仕掛けて、字牌が切りづらくなっている局面の中、藤井から生牌のドラの東が打たれる。
結果、どこからも仕掛けは入らず、次巡、藤井のツモも声。

四万五万六万二筒三筒四筒四索五索五索五索七索七索七索  ツモ六索  ドラ東

500・1,000で三好の親を落とす。
ドラの単騎にも出来る形だったのだが、それよりも三好の親を流すためにアガリ優先の待ちにしたということである。鳴かれたとしても、おそらくほぼオリる気は無かったに違いない。それほど三好の親の連荘を恐れたのだろう。この決死の判断もあり、オーラスの点棒状況は、親から

西岡10,900 藤崎21,200 三好56,700 藤井30,000

ここから藤崎と藤井の2人テンパイで流局。藤井は三好の1人浮きを阻止することに成功。
藤井と西岡と三好はほぼ並びの状態で、藤崎は少し離されて最終戦を迎えることとなった。

最終戦、点棒が大きく動いたのは、東2局、藤井の4,000オールのツモだった。
続く2本場でも、三好と手がぶつかるも、藤井が嶺上開花でツモリ4,000は4,200オールのアガリ
これで一気に決勝進出に近づいた。
ついには60,000万点を超え、勝ち残り濃厚となる。
残りの決勝の椅子を3人で取り合う形となった。

藤井の親は落ち東3局、三好の親で、主導権を握るべく藤崎がリーチを打つ。
しかし一歩も引かない三好もついに追いつき、リーチと出る。
この勝負を制したのは三好。藤崎から12,000点の出アガリとなる。
藤崎にとっては手痛い放銃となった。
そして、三好はこのアガリを引き金に、大連荘が始まるのであった。
東3局1本場、3,900は4,200。
東3局2本場、2,000は2,600。
東3局3本場、流局。
東3局4本場、4,000オールは4,400オール。
東3局5本場、2,000は3,500。
東3局6本場、2,000オールは2,600オール。
東3局7本場、2,600オールは3,300オール。
ベスト28トーナメントでも垣間見た、三好の凄まじいラッシュである。
藤崎と西岡はほぼ点棒は無くなり、そのまま藤井と一緒に勝ち残りとなった。

1位通過 三好直幸 2位通過 藤井すみれ

 

2卓 藤原隆弘 vs 松崎良文 vs 西川淳 vs 蒼井ゆりか

静かな立ち上がりとなった2卓。
東3局2本場、藤原にドラ暗刻の勝負手が入るも、蒼井にピンフでかわされたりと勝負手が出ない。
迎えた東4局1本場。

親の藤原が、

一万二万三万四万四万五万五万六万六万七筒八筒発発  ドラ八索

このテンパイをするもヤミテンにする。
2,000オールを目指してリーチをする人も少なくないはずである。
何かあるのか?と思ったら、その巡目に西川からドラがトイツのリーチ。
そして藤原、次巡ツモ発で打八筒。さらに次巡ツモ七万で打七筒
一瞬にしてこんな手に早変わり。

一万二万三万四万四万五万五万六万六万七万発発発

ヤミでも満貫の勝負手に進化してしまった。
結局リーチしている西川の現物の白待ちにするも、流局。
誰も抜け出すことなく南入。
南2局4本場、藤原が松崎から6,400は7,600をアガる。
小場の中では、かなり大きいアガリである。
そして藤原がトップのまま初戦を終える。

2回戦も1,300の移動で静かな立ち上がりで、1回戦と同じく小場で回るのかと思いきや、北家の藤原に手が入る。

三万三万七万七万八万八万九万九万西西北発発  リーチ  ドラ七筒

この手、早3巡目のリーチである。
北は親が1枚切っていて、絶好の待ちである。
これを西川から出アガリ、初戦トップの藤原、12,000の加点。

その後、大きな点棒の動きはなく、藤原の1人浮きで2回戦を終える。
2連勝した藤原は、決勝進出ほぼ確定となったため、松崎と蒼井と西川の戦いとなった。
現状、蒼井が2位のため、西川と松崎は蒼井がターゲットとなる。

最終戦、西川、松崎ともにアガリを重ねるが、決定打が出ないまま、南1局。蒼井の親を迎える。
西川と松崎はこの親をかわせるかどうかが鍵となる。
先手を取ったのは西川、リーチを打つ。
すると蒼井はここを勝負所と踏み、無筋を押す。
本日、二度ベスト28とベスト16で似たような状況で、蒼井が満貫以上をツモアガるのを見ていた自分は、ここでもアガってしまうのではないか、と感じた。そしてテンパイし、リーチを打つ。

一万一万一万五万五万五万五筒六筒七筒一索一索五索五索  ドラ東

このツモり三暗刻のリーチである。
そして当然のように五索をツモアガリ、待望の4,000オールをアガる。
このアガリで蒼井は4万点近いトップになり、かなり有利な状況になる。
南3局、親の松崎も1,300オールをツモり食い下がる。
そして蒼井がトップのままオーラスを迎える。
親の西川は連荘を、松崎は条件を満たす手を作りに、蒼井はこの局を流せば終了、という各自のテーマがあったが、絶好調の藤原が一瞬でアガリ、そのまま藤原と蒼井の勝ち上がりとなった。

1位通過 藤原隆弘 2位通過 蒼井ゆりか

 

こうして決勝メンバーが出揃った。

藤原隆弘 vs 三好直幸 vs 藤井すみれ vs 蒼井ゆりか

決勝に向けて、決勝メンバー4人に一言づつ頂きました。

~決勝に向けて一言~

三好直幸:
関西にタイトル持って帰ります。

藤井すみれ:
4年前に、同じ舞台で藤原さんに負けて悔しい思いをしたのを今も忘れていません。
4年前より進歩している自分を見せて、優勝したいと思います。

藤原隆弘:
今回はあまりにも楽に残りすぎちゃいました。予選1位通過の勢いが残っていたのかな。
4回目の決勝で3回目の優勝を狙います。

蒼井ゆりか:
決勝の舞台は緊張すると思いますが、自分らしくしっかりとした麻雀を打ちたいです。
精一杯頑張ります!

 

次回はついに決勝です。
女性2人が残った決勝、格が上の藤原はどのような麻雀をするのであろうか。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト8トーナメントでした。
決勝観戦記は、ベスト16トーナメントで惜しくも敗れた増田隆一プロです。
ありがとうございました。

(文中敬称略)

JPML WRCリーグ レポート/第24期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート

チャンピオンズリーグとは…
半年に1回開催されるタイトル戦であり、日本プロ麻雀連盟員なら誰でも参加できる。
今回もAリーグからEリーグまでいろんなプロ75名が参加した。
まず予選は4半荘を5節行う。
ポイント上位29名が、トーナメント戦へと進むことが出来る。
予選1位と、前回優勝者がベスト16からのシードとなる。
そしてベスト16、ベスト8とトーナメント戦を行い、決勝メンバー4人を決める。
そして翌日、決勝戦が行われ、優勝した者がチャンピオンとなる。
champ24
図で示すとこのような感じになっている。
このレポートでは、ベスト28の様子について書いていきます。
 
【ベスト28】
2013年8月17日。平均気温は27℃、比較的過ごしやすくなってきた今日この頃、チャンピオンズリーグのトーナメント戦が四ツ谷で行われた。
今回のベスト28は会場が二箇所で行われ、すべての卓を見ることは出来なかったため、一部の卓しか紹介できませんが、御了承下さい。
2卓:内川幸太郎 vs 増田隆一 vs 福光聖雄 vs 斎藤桂史
自分は、今期A2リーグに昇級した内川に注目した。
福光の連荘で始まった東1局3本場。
内川の手牌
二万二万五万六万八万八万九万九万六筒六筒六筒中中  ドラ八万
ここから九万をポンして、打五万
その後、中もすぐ鳴けて、
二万二万八万八万六筒六筒六筒  ポン中中中  ポン五万五万五万
このテンパイ。
数巡後、増田から二万が出て8,000は8,900のアガり。
南入しても内川は満貫をツモアガるなどして加点し、初戦をトップで終える。
調子は良さそうである。
2回戦終了時
内川+22.6P 斎藤+0.5P 福光▲9.4P 増田▲13.7P
最終戦、特に大きな点数の動きが無いまま迎えた南1局、息を潜めていた増田がトータル2着目の斎藤から
二万二万六万七万八万三筒四筒四筒五筒五筒四索五索六索  ドラ七万  ロン三筒
これを打ち取りトータルで2着となる。
その後は、増田ペースで安定した打ちまわしでそのまま終局となり、内川と増田の通過となった。
1位通過:内川幸太郎 2位通過:増田隆一
 
3卓:客野直 vs 石橋薫 vs 松崎良文 vs 戸島祥太
1回戦は石橋の1人浮きで終えて、2回戦。
松崎の満貫ツモアガリから始まり、次局アガった松崎の親番。
四万五万六万八万八万八万二筒二筒四筒六筒七筒八筒九筒  ツモ七万  ドラ八万
ドラ暗刻のテンパイの形から、1シャンテンに戻す九筒切り。
そして三万をチーして、
六万七万八万八万八万二筒二筒六筒七筒八筒  チー三万四万五万
この形になり、初戦トップの石橋から二筒を出アガリ、11,600点を加点してこの半荘は石橋が1人沈みとなる。
2回戦終了時
松崎+23.6P 戸島▲1.5P 石橋▲6.7P 客野▲15.4P
松崎以外の3者の競りとなったが、客野が2,600オールをツモり頭一つ抜け出し、そのまま勝ち上がりとなった。
1位通過:松崎良文 2位通過:客野直
 
7卓:桶本篤史 vs 藤井すみれ vs 須浦正裕 vs 蒼井ゆりか
2回戦終了時
藤井+11.0P 蒼井▲1.0P 須浦▲3.6P 桶本▲6.4P
藤井が若干リードしているものの、4者の競りとなった最終半荘。
開局、親番の蒼井からリーチが入る。
八万八万二筒三筒四筒五筒六筒七筒四索五索六索七索八索  リーチ  ドラ三筒
絶好のカン三筒を引き入れてのテンパイで、あっさり高めの三索をツモり4,000オール。
その後も加点を続け、1つ目の枠は蒼井でほぼ決まった。
そして蒼井がトップのまま迎えた南2局。
もう後がない親番の桶本から、蒼井がヤミテンで7,700点をアガリ、桶本はかなり厳しい状態になる。
さらに南3局、藤井が南をポンして桶本から5,800点をアガる。
残りの枠を争って、藤井、須浦の一騎打ちになるかと思われたが、次局桶本からリーチが入る。
流局かと思われた桶本の最終ツモで、力強くツモりアガる。
一万一万二万二万二万五万五万五万七万八万九万南南  ドラ四万  ツモ南
高めの南をツモアガリ、4,000・8,000の倍満である。
倍満の親被りをした藤井がこの半荘でラスになり、トータルでほぼ3者並びになった。
そして迎えたオーラス。
このまま勢いがついた桶本がアガるかと思われたが、藤井が落ち着いてサクっと1,000点をアガり、勝ちあがりを決めた。
1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:藤井すみれ
 
1卓:白鳥翔 vs 石川正明 vs 藤本哲也 vs 杉浦勘介
2回戦終了時
白鳥+29.7P 石川+20.1P 藤本▲23.5P 杉浦▲25.8P
最終半荘、藤本がトップで、石川をラスにするも、石川がギリギリのところで逃げ切り、白鳥と石川の勝ち残りとなった。
1位通過:白鳥翔 2位通過:石川正明
 
4卓:北野由実 vs 藤崎智 vs 加藤博己 vs 三好直幸
2回戦終了時
藤崎+13.1P 三好+1.5P 北野▲1.5P 加藤▲12.1P
最終半荘も上2人がトップと2着をとり、そのまま勝ち上がりとなった。
1位通過:藤崎智 2位通過:三好直幸
 
5卓:太田優介 vs 阿部謙一 vs 犬見武史 vs 鷲見隼人
2回戦終了時
太田+14.3P 鷲見+13.9P 阿部+1.1P 犬見▲30.3P
逃げる2人を阿部と犬見が追う形になったが、そのまま2人が逃げ切り、勝ち上がりとなった。
1位通過:鷲見隼人 2位通過:太田優介
 
6卓:西岡慎泰 vs 田中史孝 vs 塚越祐次郎 vs 西川淳
2回戦終了時
西川+23.9P 西岡+14.8P 塚越▲4.9P 田中▲33.8P
去年のチャンピオンの西川と、今年のマスターズ3位の西岡が、そのまま突っ走って勝ち上がりとなった。
1位通過:西岡慎泰 2位通過:西川淳
次のベスト16トーナメントからは、去年のチャンピオン・中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘が参戦する。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト28トーナメントでした。
次はベスト16トーナメントです。
 
【ベスト16】
ベスト28トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト16トーナメントの戦いが始まる。
去年のチャンピオン中村慎吾と、予選1位通過の藤原隆弘がここからの参戦となる。
1卓 中村慎吾 vs 西岡慎泰 vs 蒼井ゆりか vs 石川正明
中村の立ち上がりが気になったが、1回戦から満貫をツモアガったりと、悪くはなさそうだ。
しかし、先程のベスト28を通過した勢いで、アガリ続けた蒼井が5万点を超えるトップを取り、中村は2着となった。
しかし2回戦目は、蒼井がラスを引いてしまい、全員順位がひっくり返り、平らな状態で最終半荘を迎えることとなった。
2回戦終了時
中村+10.1P 蒼井+6.9P 石川▲6.0P 西岡▲11.0P
大きな点棒移動もないまま迎えた東4局、蒼井からリーチが入る。
そして力強くツモ。
二万三万四万六筒七筒七筒八筒八筒六索六索八索八索八索  ドラ六索  ツモ六筒
高めをツモり、跳満をアガった蒼井は、勝ち抜けに大きく近づいた。
ベスト28の時と同じように、混戦の中で大きい手をアガる事が出来るのが蒼井の持ち味なのかもしれない。
そして南1局、蒼井に続こうと、前へと出る石川と西岡の手がぶつかる。
先制リーチは石川。
三万三万四万五万五万五万六万七万六筒六筒四索五索六索  リーチ  ドラ北
そして手変わりを待っていた西岡も、ツモ切り追っかけリーチと出る。
四万四万二筒三筒四筒二索三索四索五索六索七索北北  リーチ
自然と放銃しない形になっている西岡に分があるように見える。
結果、北をツモアガリ、待望の2,000・4,000。西岡と蒼井の2人が38,000点台になって、完全に並びができた。
オーラスの中村の親も蒼井が1,000点でサクっと捌いて、蒼井、西岡の勝ちあがりで終局となった。
1位通過:蒼井ゆりか 2位通過:西岡慎泰
 
2卓 藤原隆弘 vs 鷲見隼人 vs 藤井すみれ vs 増田隆一
ここから藤原が参戦である。
予選1位の勢いは衰えていないようで、1回戦断トツトップ、2回戦も加点を続け、放銃も殆ど無くいつもどおり安定した戦いを見せる。
逆に調子が悪そうなのが鷲見であった。
2回戦南4局、親:藤井。南家・鷲見手牌
一万二万三万四万五万五万六万七万八万八万九万西西  ドラ六索
五万八万のくっつきテンパイの形である。ここで親の藤井からリーチが入る。
そして同巡ツモ四万
初戦ラスであり、跳満以上確定のテンパイのため、仕方ないといった様子で出る八万
そして藤井がロン。五万八万待ちの、メンタンピンドラ1の11,600点に刺さる。
このアガリが大きく、この半荘は藤井がトップで終わり、完全な並びが出来て、最終半荘を迎える。
2回戦終了時
藤原+38.1P 藤井+34.5P 増田▲16.4P 鷲見▲58.2P
大体トップの藤原と、2着の藤井で決まりだな、と思って目を離した開局、親の増田のツモの声。
五万五万五万七万七万発発中中中  ポン南南南  ドラ四筒  ツモ発
増田がいきなりこの8,000オールをツモアガリ、一気に目を離せない勝負となった。
次局もリーチをして、藤井から2,000は2,300を出アガる。
これで藤井をトータルで捲ることに成功。
どこまで連荘を重ねるのだろう、と期待した増田の親番だったが、次局ツモが伸びずなんとノーテンで流局。
そして東2局、増田が再びリーチを打つ。
みな受けに入るかと思われたが、藤井から無筋が切られる。
藤原と鷲見は受けているため実質、増田と藤井の一騎打ちになった。
そして増田がゆっくりと切った牌で藤井がロン。
自風のドラを暗刻にした満貫を、一番アガリたい相手の増田から打ち取ることに成功。
このアガリで空気が変わり、藤井はその後も加点し原点をまで点棒を戻し、藤原は場を上手く回して、そのまま2人で勝ち上がりを決めた。
1位通過:藤井すみれ 2位通過:藤原隆弘
 
3卓 白鳥翔 vs 藤崎智 vs 西川淳 vs 客野直
今回のチャンピオンズリーグで唯一A1リーグからの参加の藤崎だったが、展開に恵まれずマイナスした状態で最終半荘を迎えた。
2回戦終了時
西川+42.1P 白鳥+12.3P 藤崎▲26.3P 客野▲28.1P
藤崎、客野は必然的に白鳥がターゲットとなる。
東2局、藤崎が親で役牌の中を仕掛ける。
四万四万五万四筒五筒六筒六索七索八索東東  ポン中中中  ドラ四筒
打点が必要な藤崎はここから五万を切り、シャンポンに構える。
東を引けるかどうかの戦いだな、と思ってみていたら、数巡後、白鳥が長考した後、出てきた牌はなんと東
藤崎に11,600点の放銃となった。
この藤崎の親を流せればかなり楽になり勝ち残りが一気に近づくのは確かだが、少し勝負を焦ってしまったか。
次局も白鳥は客野に2,600は2,900の放銃となり、雲行きが怪しくなってきた。
そして迎えた白鳥の親番だったが、客野が積極的に染め手を仕掛けていき、三索六索九索待ちのチンイツをツモアガリ、2,000・4,000。白鳥は痛い親被りとなり、東場が終了した。
南1局、客野が親で連荘をし、少しずつ加点し本場を積んでいく。
南2局の藤崎の親も、客野が1,000点でサクっとかわす。
藤崎はドラが暗刻の勝負手が入っていただけに、少し痛い親流れとなった。
そしてラス前、点棒状況は東家から、
西川30,400 白鳥10,300 客野42,600 藤崎36,700
白鳥が1人沈みになり、トータル2着は客野になっていた。
西川を除く3者、どのような状況でオーラスになるかと思ったら、このラス前で白鳥が西川に11,600を放銃し、ついに箱を割ってしまう。
オーラスの親は白鳥なので、まだ可能性はあるが、かなり重い11,600だったに違いない。
次局は藤崎がアガリ迎えたオーラス。点棒状況は東家から、
白鳥▲2,500 客野42,600 藤崎38,000 西川41,900
藤崎は客野を素点で逆転すればいいので、出アガリ5,200、ツモアガり1,000・2,000が必要である。
ホンイツに寄せていった藤崎は、11巡目、
一万一万二万二万三万四万六万六万八万八万八万中中
この形で、一万をツモり二万を切って面前でテンパイする。
そして、あっさり中をツモアガリ、3,000・6,000で見事逆転の勝ち上がりを決めた。
1位通過:西川淳 2位通過:藤崎智
 
4卓 太田優介 vs 三好直幸 vs 内川幸太郎 vs 松崎良文
ベスト28断トツトップだった内川を見ていたが、試合前にかぜ薬らしきものを飲んでいる姿を見た。
どうやら体調が優れないらしい。
それが関係しているかはわからないが、初戦ラスを引いてしまう。
2回戦目、東3局7本場、太田が50,000点を超えて、この半荘ぶっちぎるか?と思った。
しかし南1局、今度は三好の大連荘が始まる。
3,900から始まり、2,600オールや3,900オールなど高打点も決めて、気づいたら三好が50,000点を超えてトップに立っていた。
見ていただけで、三好の4回のリーチの中、内川は3回一発でロン牌を掴まされる様子を見て、内川の体勢の悪さが良く分かった。
終わってみれば、三好は65,000点の大トップで2連勝し、早くも勝ち上がりがほぼ決まった。
最終半荘、太田と松崎の一騎打ちとなったが、トーナメント慣れした松崎が安定した打ちまわしでリードしたままオーラスを迎える。
ラス親が断トツトップの三好のため、1局勝負となった太田は、残り2巡のところでツモれば跳満で逆転するリーチを打つも、ツモれず流局。
松崎の逃げ切りとなった。
1位通過:三好直幸 2位通過:松崎良文
 
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト16トーナメントでした。
いよいよ決勝メンバーが確定する、ベスト8トーナメントです。
 
【ベスト8】
ベスト16トーナメントを勝ち抜いたものは、少しの休憩を挟んだ後、ベスト8トーナメントの戦いが始まる。
ここまで藤原以外は6半荘を打っており、体力的にも辛くなってくる本日最後の3半荘である。
1卓 西岡慎泰 vs 藤崎智 vs 藤井すみれ vs 三好直幸
点棒が大きく動いたのは東2局。
西家の西岡が自風を仕掛ける。そして北ポン、中ポンとし、三好の切った八筒でロン。
六筒七筒白白  ポン西西西  ポン北北北  ポン中中中
西岡、初戦から大きいアガリを拾う。
逆に三好はこの放銃が響き、1人沈みのままオーラスを迎える。
18,100点持ちの南家の三好は、ツモれば跳満のドラ含みの七対子のリーチを打つも、親の西岡と2人テンパイで流局。次局は藤崎がピンフをツモって、三好の1人沈みのまま1回戦を終える。
2回戦に入り、先手を取ったのは三好。
1,300・2,600をアガリ、次局も三色のリーチをツモって加点を続ける。
東4局には44,300点の1人浮きでリードする。
南2局、再び三好の連荘が始まる。が、この連荘を止めたのは藤井。
三好が数牌を1つ仕掛けて、字牌が切りづらくなっている局面の中、藤井から生牌のドラの東が打たれる。
結果、どこからも仕掛けは入らず、次巡、藤井のツモも声。
四万五万六万二筒三筒四筒四索五索五索五索七索七索七索  ツモ六索  ドラ東
500・1,000で三好の親を落とす。
ドラの単騎にも出来る形だったのだが、それよりも三好の親を流すためにアガリ優先の待ちにしたということである。鳴かれたとしても、おそらくほぼオリる気は無かったに違いない。それほど三好の親の連荘を恐れたのだろう。この決死の判断もあり、オーラスの点棒状況は、親から
西岡10,900 藤崎21,200 三好56,700 藤井30,000
ここから藤崎と藤井の2人テンパイで流局。藤井は三好の1人浮きを阻止することに成功。
藤井と西岡と三好はほぼ並びの状態で、藤崎は少し離されて最終戦を迎えることとなった。
最終戦、点棒が大きく動いたのは、東2局、藤井の4,000オールのツモだった。
続く2本場でも、三好と手がぶつかるも、藤井が嶺上開花でツモリ4,000は4,200オールのアガリ
これで一気に決勝進出に近づいた。
ついには60,000万点を超え、勝ち残り濃厚となる。
残りの決勝の椅子を3人で取り合う形となった。
藤井の親は落ち東3局、三好の親で、主導権を握るべく藤崎がリーチを打つ。
しかし一歩も引かない三好もついに追いつき、リーチと出る。
この勝負を制したのは三好。藤崎から12,000点の出アガリとなる。
藤崎にとっては手痛い放銃となった。
そして、三好はこのアガリを引き金に、大連荘が始まるのであった。
東3局1本場、3,900は4,200。
東3局2本場、2,000は2,600。
東3局3本場、流局。
東3局4本場、4,000オールは4,400オール。
東3局5本場、2,000は3,500。
東3局6本場、2,000オールは2,600オール。
東3局7本場、2,600オールは3,300オール。
ベスト28トーナメントでも垣間見た、三好の凄まじいラッシュである。
藤崎と西岡はほぼ点棒は無くなり、そのまま藤井と一緒に勝ち残りとなった。
1位通過 三好直幸 2位通過 藤井すみれ
 
2卓 藤原隆弘 vs 松崎良文 vs 西川淳 vs 蒼井ゆりか
静かな立ち上がりとなった2卓。
東3局2本場、藤原にドラ暗刻の勝負手が入るも、蒼井にピンフでかわされたりと勝負手が出ない。
迎えた東4局1本場。
親の藤原が、
一万二万三万四万四万五万五万六万六万七筒八筒発発  ドラ八索
このテンパイをするもヤミテンにする。
2,000オールを目指してリーチをする人も少なくないはずである。
何かあるのか?と思ったら、その巡目に西川からドラがトイツのリーチ。
そして藤原、次巡ツモ発で打八筒。さらに次巡ツモ七万で打七筒
一瞬にしてこんな手に早変わり。
一万二万三万四万四万五万五万六万六万七万発発発
ヤミでも満貫の勝負手に進化してしまった。
結局リーチしている西川の現物の白待ちにするも、流局。
誰も抜け出すことなく南入。
南2局4本場、藤原が松崎から6,400は7,600をアガる。
小場の中では、かなり大きいアガリである。
そして藤原がトップのまま初戦を終える。
2回戦も1,300の移動で静かな立ち上がりで、1回戦と同じく小場で回るのかと思いきや、北家の藤原に手が入る。
三万三万七万七万八万八万九万九万西西北発発  リーチ  ドラ七筒
この手、早3巡目のリーチである。
北は親が1枚切っていて、絶好の待ちである。
これを西川から出アガリ、初戦トップの藤原、12,000の加点。
その後、大きな点棒の動きはなく、藤原の1人浮きで2回戦を終える。
2連勝した藤原は、決勝進出ほぼ確定となったため、松崎と蒼井と西川の戦いとなった。
現状、蒼井が2位のため、西川と松崎は蒼井がターゲットとなる。
最終戦、西川、松崎ともにアガリを重ねるが、決定打が出ないまま、南1局。蒼井の親を迎える。
西川と松崎はこの親をかわせるかどうかが鍵となる。
先手を取ったのは西川、リーチを打つ。
すると蒼井はここを勝負所と踏み、無筋を押す。
本日、二度ベスト28とベスト16で似たような状況で、蒼井が満貫以上をツモアガるのを見ていた自分は、ここでもアガってしまうのではないか、と感じた。そしてテンパイし、リーチを打つ。
一万一万一万五万五万五万五筒六筒七筒一索一索五索五索  ドラ東
このツモり三暗刻のリーチである。
そして当然のように五索をツモアガリ、待望の4,000オールをアガる。
このアガリで蒼井は4万点近いトップになり、かなり有利な状況になる。
南3局、親の松崎も1,300オールをツモり食い下がる。
そして蒼井がトップのままオーラスを迎える。
親の西川は連荘を、松崎は条件を満たす手を作りに、蒼井はこの局を流せば終了、という各自のテーマがあったが、絶好調の藤原が一瞬でアガリ、そのまま藤原と蒼井の勝ち上がりとなった。
1位通過 藤原隆弘 2位通過 蒼井ゆりか
 
こうして決勝メンバーが出揃った。
藤原隆弘 vs 三好直幸 vs 藤井すみれ vs 蒼井ゆりか
決勝に向けて、決勝メンバー4人に一言づつ頂きました。
~決勝に向けて一言~
三好直幸:
関西にタイトル持って帰ります。
藤井すみれ:
4年前に、同じ舞台で藤原さんに負けて悔しい思いをしたのを今も忘れていません。
4年前より進歩している自分を見せて、優勝したいと思います。
藤原隆弘:
今回はあまりにも楽に残りすぎちゃいました。予選1位通過の勢いが残っていたのかな。
4回目の決勝で3回目の優勝を狙います。
蒼井ゆりか:
決勝の舞台は緊張すると思いますが、自分らしくしっかりとした麻雀を打ちたいです。
精一杯頑張ります!
 
次回はついに決勝です。
女性2人が残った決勝、格が上の藤原はどのような麻雀をするのであろうか。
以上、第24期チャンピオンズリーグ、ベスト8トーナメントでした。
決勝観戦記は、ベスト16トーナメントで惜しくも敗れた増田隆一プロです。
ありがとうございました。
(文中敬称略)

新時代突入!プロテスト要項

当連盟は今年で32年目を迎え、4月1日長年に渡り会長を務めていた灘麻太郎が勇退し、
新会長森山茂和が誕生しました。
その新体制を皆で盛り上げて行こうと、若手を中心にやる気で満ち溢れています。

ある者は麻雀勉強会に参加し雀力の向上に切磋琢磨し、ある者は麻雀講師の講習に熱を注ぎ、
ある者は裏方を務める技術の取得に勤しんでいます。
まさに今、日本プロ麻雀連盟は劇的に進化している真っ只中なのです。

CSなどの麻雀番組やニコ生、ユーストリームなどタイトル戦決勝のみならず一般的に映像媒体が増え、打ち手であるプロ達は今までより一層ファンの方々にその技量が問われる時代になっています。
そのような時代の変化に伴い、プロテストの在り方もここ数年で大きく変わってきました。
このコラムでは、近年新たにプロを目指す者たちに求められているものを僕なりの考えで伝えられたらと思います。

私自身、8年前に年に1回のプロテストを受け、半年間の研修期間の後プロ入りを果たしました。
当時は120名程が受験し40名程が合格したのではなかったのかと記憶しています。
内容は競技の世界に入るにおいてのイロハを叩き込まれました。
趣としては競技麻雀を打つにあたっての基礎がメインであったと思います。
それからプロテスト実行委員会に参加させていただき早5年、根幹である基礎能力を問う事は変わりませんがプラスアルファの部分で受験生に問われる内容も大きく変化してきたのを目の当たりしています。

まずシステムの大きな変化としては、プロテストが年に2回行われるようになりました。
これにより、優秀な人材を逃すことも無くなりましたし講師陣は年間通してプロテストを見つづけられます。
反省点、改良点はすぐに反映され、よりよいプロテストの内容が行われます。
合格基準も高くなり、前回のプロテストでは総受験者の2割程しか合格者はでませんでした。

過去行われていた研修制度は無くなり、半年間に渡る途中脱落のある三次テストという形式になりました。
会場は毎回がサバイバルなテストという事で緊張感に溢れています。
内容に関しての最たる変化は、「見られる事」に対しての意識付けでしょうか。
プロ連盟の看板を背負うに相応しいかという観点が重視されるようになったと思います。
もちろん最初から備わっている人はなかなかいないので、現状の実力だけでなくその人の将来性も考慮します。
そのため個別対話を重視し、二次、三次を通じ面接の時間が増えたと思います。

二次試験の面接は集団面接の形に変わり、コミュ二ケーション能力などが問われます。
プロは麻雀が打てるだけでは務まりません、その打牌の意味や意図を大勢のファンの方に伝えられる能力が必要です。
テレビ対局の解説などもこれに該当しますね、喋れなきゃ自身の意見を言えなきゃ通用しないのです。

三次試験の最初に行う事は、自身のフォームチェックです。
講師がデジカメを構え撮影し、パソコンで自身の摸打を即座に確認します。
私は300名程撮影してきましたが、9割5分の方が初めて自分の打っている姿を見たと言う感想をもらいました。
滝沢さんや二階堂亜樹さんは、姿鏡で自身の摸打をチェックしたと聞いた事があります。
牌の扱いや作法は基礎の部分です、一目でこれぞプロと思わせる摸打を繰り出してもらいたいものです。

知識の部分では、点数計算が出来るのは当たり前、より高度な条件計算が求められます。
チンイツなどの多面待ちも、わからなかったら理解するまで勉強してから受験していただきたいものです。
ホームページに過去の問題が記載されているので、是非完璧に出来るまで繰り返し解いてみてください。

あとはAルールの特異性もしっかり理解して欲しいです。
これは、なかなか練習する場がありませんが、麻雀格闘倶楽部の競技ルール卓や四谷連盟道場に行けばノーレートのAルール麻雀が打てるので活用していただきたいですね。

なんだか険しい道のりのように聞こえますが、全てはプロを目指すものとしては当たり前の事ばかりです。
最初にも書きましたが、近年は映像媒体が増えましたし、「麻雀格闘倶楽部」や「ロン2」などもあり、活躍の場が沢山増えています。
若手であろうと麻雀の実力と実績を認知されれば、すぐにでも第一線での活躍の場が待っています。
また、映像が増えたことにより裏方も麻雀に精通した者の方が、よりファンに魅了的に伝えられるため、仕事が増えています。
そういった技術を持つ者が重宝されているのも事実であり、これからは一芸として合格に有利に働くのではないでしょうか。

多くの受験される方々は、私自身がそうであったように麻雀プロというものの認識があいまいで漠然とした思いで来るのがほとんどだと思います。
その原因は、まだまだ麻雀プロ像を確立、体現出来ているプロが少ないからかもしれません。
何を為すべきか、自分で探すのは大変な事です。
しかし、「やってやろう」と強い気持で受験していただく方には最高の環境があると思います。
伊藤優考、前原雄大、瀬戸熊直樹、藤原隆弘、望月雅継、滝沢和典、紺野真太郎、トッププロが勢ぞろいの講師陣。
私も微力ながら全力で頑張っています、あ、大庭三四郎アシスタントも頑張っています。

受験生の皆さん。
プロ連盟は戦う集団です。
プロは自己プロデュースしてなんぼです。
その環境、道筋は先輩方が切り開き今確立されつつあります。
共に戦う気持を持つあなたを待っています。

プロ雀士コラム/新時代突入!プロテスト要項

当連盟は今年で32年目を迎え、4月1日長年に渡り会長を務めていた灘麻太郎が勇退し、
新会長森山茂和が誕生しました。
その新体制を皆で盛り上げて行こうと、若手を中心にやる気で満ち溢れています。
ある者は麻雀勉強会に参加し雀力の向上に切磋琢磨し、ある者は麻雀講師の講習に熱を注ぎ、
ある者は裏方を務める技術の取得に勤しんでいます。
まさに今、日本プロ麻雀連盟は劇的に進化している真っ只中なのです。
CSなどの麻雀番組やニコ生、ユーストリームなどタイトル戦決勝のみならず一般的に映像媒体が増え、打ち手であるプロ達は今までより一層ファンの方々にその技量が問われる時代になっています。
そのような時代の変化に伴い、プロテストの在り方もここ数年で大きく変わってきました。
このコラムでは、近年新たにプロを目指す者たちに求められているものを僕なりの考えで伝えられたらと思います。
私自身、8年前に年に1回のプロテストを受け、半年間の研修期間の後プロ入りを果たしました。
当時は120名程が受験し40名程が合格したのではなかったのかと記憶しています。
内容は競技の世界に入るにおいてのイロハを叩き込まれました。
趣としては競技麻雀を打つにあたっての基礎がメインであったと思います。
それからプロテスト実行委員会に参加させていただき早5年、根幹である基礎能力を問う事は変わりませんがプラスアルファの部分で受験生に問われる内容も大きく変化してきたのを目の当たりしています。
まずシステムの大きな変化としては、プロテストが年に2回行われるようになりました。
これにより、優秀な人材を逃すことも無くなりましたし講師陣は年間通してプロテストを見つづけられます。
反省点、改良点はすぐに反映され、よりよいプロテストの内容が行われます。
合格基準も高くなり、前回のプロテストでは総受験者の2割程しか合格者はでませんでした。
過去行われていた研修制度は無くなり、半年間に渡る途中脱落のある三次テストという形式になりました。
会場は毎回がサバイバルなテストという事で緊張感に溢れています。
内容に関しての最たる変化は、「見られる事」に対しての意識付けでしょうか。
プロ連盟の看板を背負うに相応しいかという観点が重視されるようになったと思います。
もちろん最初から備わっている人はなかなかいないので、現状の実力だけでなくその人の将来性も考慮します。
そのため個別対話を重視し、二次、三次を通じ面接の時間が増えたと思います。
二次試験の面接は集団面接の形に変わり、コミュ二ケーション能力などが問われます。
プロは麻雀が打てるだけでは務まりません、その打牌の意味や意図を大勢のファンの方に伝えられる能力が必要です。
テレビ対局の解説などもこれに該当しますね、喋れなきゃ自身の意見を言えなきゃ通用しないのです。
三次試験の最初に行う事は、自身のフォームチェックです。
講師がデジカメを構え撮影し、パソコンで自身の摸打を即座に確認します。
私は300名程撮影してきましたが、9割5分の方が初めて自分の打っている姿を見たと言う感想をもらいました。
滝沢さんや二階堂亜樹さんは、姿鏡で自身の摸打をチェックしたと聞いた事があります。
牌の扱いや作法は基礎の部分です、一目でこれぞプロと思わせる摸打を繰り出してもらいたいものです。
知識の部分では、点数計算が出来るのは当たり前、より高度な条件計算が求められます。
チンイツなどの多面待ちも、わからなかったら理解するまで勉強してから受験していただきたいものです。
ホームページに過去の問題が記載されているので、是非完璧に出来るまで繰り返し解いてみてください。
あとはAルールの特異性もしっかり理解して欲しいです。
これは、なかなか練習する場がありませんが、麻雀格闘倶楽部の競技ルール卓や四谷連盟道場に行けばノーレートのAルール麻雀が打てるので活用していただきたいですね。
なんだか険しい道のりのように聞こえますが、全てはプロを目指すものとしては当たり前の事ばかりです。
最初にも書きましたが、近年は映像媒体が増えましたし、「麻雀格闘倶楽部」や「ロン2」などもあり、活躍の場が沢山増えています。
若手であろうと麻雀の実力と実績を認知されれば、すぐにでも第一線での活躍の場が待っています。
また、映像が増えたことにより裏方も麻雀に精通した者の方が、よりファンに魅了的に伝えられるため、仕事が増えています。
そういった技術を持つ者が重宝されているのも事実であり、これからは一芸として合格に有利に働くのではないでしょうか。
多くの受験される方々は、私自身がそうであったように麻雀プロというものの認識があいまいで漠然とした思いで来るのがほとんどだと思います。
その原因は、まだまだ麻雀プロ像を確立、体現出来ているプロが少ないからかもしれません。
何を為すべきか、自分で探すのは大変な事です。
しかし、「やってやろう」と強い気持で受験していただく方には最高の環境があると思います。
伊藤優考、前原雄大、瀬戸熊直樹、藤原隆弘、望月雅継、滝沢和典、紺野真太郎、トッププロが勢ぞろいの講師陣。
私も微力ながら全力で頑張っています、あ、大庭三四郎アシスタントも頑張っています。
受験生の皆さん。
プロ連盟は戦う集団です。
プロは自己プロデュースしてなんぼです。
その環境、道筋は先輩方が切り開き今確立されつつあります。
共に戦う気持を持つあなたを待っています。

第79回:石田亜沙己

はじめまして。こんにちは。
最強戦ガールズの相方でもある、松岡先輩からバトンを受け取りました、29期生の石田亜沙己です。
今年の4月から日本プロ麻雀連盟に所属になったばかりの新人です。
皆さまよろしくお願い致します。

まだまだ知らない方ばかりだと思いますので、まず自己紹介をしたいと思います。

愛知県出身の23歳A型です。こう見えてかなりサバサバした性格でしゃべることが大好きです。
普段は麻雀プロとしてだけではなく、
あさちびという愛称で読者モデルやブロガーなどとしても活動しています。
TVに出演した時はまだ麻雀プロを目指している時で、引きの強さをオードリーの春日さんと対決したりしました!!
見事にジャンケンでは負けてしまいましたが…

そんな私が、なぜ麻雀プロになったかをお話ししたいと思います。

5年前、私は大学に入学しその頃は麻雀というものを知りませんでした。
小さい頃から母子家庭で育ったので、マクドナルドでアルバイトをしながら高校、大学と通いました。

高校に入学するまではずっとバスケットボールにしか興味がなくて、おしゃれとか女の子らしさとは無縁でした。
それが徐々におしゃれや美容に興味を持つようになりました。
そんな大学一年の春、街中でスナップされたのがきっかけで読者モデルの道へと進みました。

最初は本当に小さくですが雑誌に載っている自分を見て、自信がなく、悩む毎日で、もっと頑張りたいと思うようになりました。そして心の中でずっと思っていたことがありました。
有名になってどこかにいるお父さんを驚かしてやる…。
ここまで苦労して育ててくれたお母さんのためにも有名になる!!という思いがありました。
それと同時に、私と同じように自信がなく頑張っている女の子に少しでも勇気を持ってもらうために必死でした。

その頃、5年間務めたアルバイト先の店長がとても親身に話を聞いてくれる方で、私が大学を辞めるという話をすると、こう言いました。

「やるからには、やると決めた場所で一番になれ。」

今でもそれが私の目標です。
大学2年の終わりごろから色んなことに悩み始めました。
本当に今の生活でやりたいことを本気でできるわけがないと…
アルバイトしてもそれは学費に消えてただただ忙しい毎日。
なにが本当にやりたいのかわからなくなってしまいそうでした。

すごく悩んで出した決断は大学を退学し、ファッションの知識も身に着けようとアパレルで働きながら読者モデルを続けることでした。ですが、それもなんだか違う…。もっと伝えたいことがあるし、マクドナルドで経験したように色んな世代の方と関わりたい。
そんな理想的な環境で読者モデルと両立できる仕事はなかなかありませんでした。

そんな時に始めたアルバイト先で麻雀を知りました。
麻雀を知らない私は最初なにが何だかわからなくて大変でした。
ですが徐々に、麻雀って普段しゃべれない人たちと会話できたり、年代とか性別とか関係なしに楽しめるんだなぁっと興味を持ち始めました。

誰かに教えてもらうというよりも、いつも誰かの後ろで見て覚える毎日でした。
麻雀を始めて3年、この楽しさなどを伝えるにはこのままでは限界があると思い、麻雀プロになる決意をしました。これまでの経験を活かして女の子に麻雀を知ってもらう、私にしかできない事を見つける。
今ではそれが私の目標の1つです。

色んな世代の方たちが触れ合う機会がもっと増えるように、
麻雀がもっともっとメジャーになるように、頑張りたいと思います。

そして、今はとても恐縮なことに麻雀最強戦2013の女流プロ東西対抗旅打ちバトルの西日本代表として、
最強戦ガールをつとめさせていただいています。
麻雀プロになって初めてのお仕事です。

最初にこの話を頂いたとき、私でいいの…?と、不安になりました。
ですがそんな不安はすぐ消えて、せっかく頂いたお仕事なんだから私らしく盛り上げよう!!
参加される方に楽しんでもらおう、観ている方にも楽しんでもらおう!!
今はそんな気持ちでこの仕事を頑張らせて頂いています。

“やるからには何かで一番になる。”

私らしく、私にしかできないものを見つけながら一番を目指したいと思います。
まだまだですがこれから急成長していけるよう努力します!!
そしてこの明るく元気な性格で、何事もチャレンジしていきたいと思います!!

これから石田亜沙己をよろしくお願いいたします。

次のバトンは、最近連盟チャンネルなどでMCとして活躍している「麻雀界の高田純次」こと、
古橋崇志プロにバトンを渡したいと思います。古橋プロよろしくお願いします!

リレーエッセィ/第79回:石田亜沙己

はじめまして。こんにちは。
最強戦ガールズの相方でもある、松岡先輩からバトンを受け取りました、29期生の石田亜沙己です。
今年の4月から日本プロ麻雀連盟に所属になったばかりの新人です。
皆さまよろしくお願い致します。
まだまだ知らない方ばかりだと思いますので、まず自己紹介をしたいと思います。
愛知県出身の23歳A型です。こう見えてかなりサバサバした性格でしゃべることが大好きです。
普段は麻雀プロとしてだけではなく、
あさちびという愛称で読者モデルやブロガーなどとしても活動しています。
TVに出演した時はまだ麻雀プロを目指している時で、引きの強さをオードリーの春日さんと対決したりしました!!
見事にジャンケンでは負けてしまいましたが…
そんな私が、なぜ麻雀プロになったかをお話ししたいと思います。
5年前、私は大学に入学しその頃は麻雀というものを知りませんでした。
小さい頃から母子家庭で育ったので、マクドナルドでアルバイトをしながら高校、大学と通いました。
高校に入学するまではずっとバスケットボールにしか興味がなくて、おしゃれとか女の子らしさとは無縁でした。
それが徐々におしゃれや美容に興味を持つようになりました。
そんな大学一年の春、街中でスナップされたのがきっかけで読者モデルの道へと進みました。
最初は本当に小さくですが雑誌に載っている自分を見て、自信がなく、悩む毎日で、もっと頑張りたいと思うようになりました。そして心の中でずっと思っていたことがありました。
有名になってどこかにいるお父さんを驚かしてやる…。
ここまで苦労して育ててくれたお母さんのためにも有名になる!!という思いがありました。
それと同時に、私と同じように自信がなく頑張っている女の子に少しでも勇気を持ってもらうために必死でした。
その頃、5年間務めたアルバイト先の店長がとても親身に話を聞いてくれる方で、私が大学を辞めるという話をすると、こう言いました。
「やるからには、やると決めた場所で一番になれ。」
今でもそれが私の目標です。
大学2年の終わりごろから色んなことに悩み始めました。
本当に今の生活でやりたいことを本気でできるわけがないと…
アルバイトしてもそれは学費に消えてただただ忙しい毎日。
なにが本当にやりたいのかわからなくなってしまいそうでした。
すごく悩んで出した決断は大学を退学し、ファッションの知識も身に着けようとアパレルで働きながら読者モデルを続けることでした。ですが、それもなんだか違う…。もっと伝えたいことがあるし、マクドナルドで経験したように色んな世代の方と関わりたい。
そんな理想的な環境で読者モデルと両立できる仕事はなかなかありませんでした。
そんな時に始めたアルバイト先で麻雀を知りました。
麻雀を知らない私は最初なにが何だかわからなくて大変でした。
ですが徐々に、麻雀って普段しゃべれない人たちと会話できたり、年代とか性別とか関係なしに楽しめるんだなぁっと興味を持ち始めました。
誰かに教えてもらうというよりも、いつも誰かの後ろで見て覚える毎日でした。
麻雀を始めて3年、この楽しさなどを伝えるにはこのままでは限界があると思い、麻雀プロになる決意をしました。これまでの経験を活かして女の子に麻雀を知ってもらう、私にしかできない事を見つける。
今ではそれが私の目標の1つです。
色んな世代の方たちが触れ合う機会がもっと増えるように、
麻雀がもっともっとメジャーになるように、頑張りたいと思います。
そして、今はとても恐縮なことに麻雀最強戦2013の女流プロ東西対抗旅打ちバトルの西日本代表として、
最強戦ガールをつとめさせていただいています。
麻雀プロになって初めてのお仕事です。
最初にこの話を頂いたとき、私でいいの…?と、不安になりました。
ですがそんな不安はすぐ消えて、せっかく頂いたお仕事なんだから私らしく盛り上げよう!!
参加される方に楽しんでもらおう、観ている方にも楽しんでもらおう!!
今はそんな気持ちでこの仕事を頑張らせて頂いています。
“やるからには何かで一番になる。”
私らしく、私にしかできないものを見つけながら一番を目指したいと思います。
まだまだですがこれから急成長していけるよう努力します!!
そしてこの明るく元気な性格で、何事もチャレンジしていきたいと思います!!
これから石田亜沙己をよろしくお願いいたします。
次のバトンは、最近連盟チャンネルなどでMCとして活躍している「麻雀界の高田純次」こと、
古橋崇志プロにバトンを渡したいと思います。古橋プロよろしくお願いします!

第80回『自分を識る』

『自分を識る』

私には幾人かの恩師と呼ぶべき方たちがいる。
その方達は、例外なく強烈な個性を持った方達で怖いのだが、優しい。
叱るべき時は相手が参ったという表情をしていても、さらに追い込むような人ばかりである。

ところが、私は自他共に認める、かなりどうしょうもない生き方をしていたにも関わらず、
叱られたこともなく、褒められた記憶しかない。ある恩師にその理由を尋ねたことがある。

「それは、人という生き物は皆自分の欠点は知っているものなのだよ・・・逆に自分の長所、もしくは良い処は知らないことの方が多いものなのだよ。」

しばらくの沈黙の時が流れた。
黙っていたわけではなく、どう反応していいのか解らないだけなのだが。

「そういう生き物なのだから、その人の良い部分を拾ってあげた方が、その人のためになるように思えて仕方ないんだ・・・」
「私自身、もうどうにもならないナと思い続けた日々があった。その時にある人のやわらかい言葉がなかったら、今の私の人生はなかったように思う。」

何のことかぼんやりとは想像したが、それ以上のことは触れなかった、いや、触れてはいけない部分のように思った。

もう20年ほど遠い昔の言葉だが、訊いておけば良かったと思う気持ちと訊かなくて良かった思う気持ちが今でも交錯する。確かに自分の思う私と、他人が思う私は別の人間であるようにも思える。

元来、評価というものに興味を持たず30歳過ぎまで生きてきたことだけは間違いない事実である。
最近になって、自分が麻雀を打っている時の映像を見た折り、常に歯を喰いしばって頬の筋肉が動き続けているのに気が付いた。それほど難しい局面ではなく、不思議に思い、ヒサトにそのことを訊いた。
「ぼくが、前原さんと出会った頃、14、5年前には既にそうでしたよ」
「本当かよ?」
「本当です!」
振り返ってみれば、私が20代の頃通っていた雀荘は、何処に行っても私が最年少で若い人でも40代だった。
私は20歳になってから煙草を覚えたのだが、麻雀を打っている間は煙草を吸わなかったらしい。
らしいというのは、
「坊やの卓においている煙草は飾り物か?」
そう言われたことがあったからである。

煙草を吸う余裕がなかったのか、それだけ、集中していたのかは今となっては思い出せないが、おそらくは、煙草を吸うために、目が卓から離れ大切な何かを見落とすのを恐れたからだろうと思う。
いずれにしても、話す相手もいなく、煙草に眼を落す余裕もなかったくらいであるから、その頃から歯を食い縛りながら麻雀を打っていたのだろう。

~バイオリズムを識る~

20代半ば過ぎの頃、8月に入ると調子が悪くなることに気付いた。
妻の薦めもあり、思い切って麻雀を離れた。
1ヶ月ほど家族旅行に当てた。麻雀専門誌と牌譜を旅行先に持っていき読み耽っていた。

元来自堕落な私は、夏休みと称し30歳になるころまで、8月から年内は公式戦以外は牌に触らなくなっていた。
11月頃から走り込みを始め、身体を作り年明けから牌に触り始め、3月から7月一杯まで麻雀を打つ。
そういうサイクルが数年続いた。
理由のひとつには、私を連盟に誘ってくれたSさんが、PTA(ポン、チー、アソシエーション)なる麻雀普及活動を始め、私と石崎洋ともう1人の4人で、毎週月曜日に新宿のSさんのマンションに集まり、企画を練り、全マスコミ、出版社にニューズレターなるものを送り、翌週までにSさんがお題を出し4000字の宿題、論文の提出を我々に義務付けられたからだ。

大抵は書き直しを命じられ、原稿用紙と睨めっこの日々が続いた。
当時、麻雀専門誌が13誌あったころだったから、ヘタな文章でもそれなりに収入にはなっていたのかもしれない。

女性週刊誌に連載の以来が来たことには、Sさん自身も驚いたと共に活動の自信にもなったようだった。
活動はSさんが連盟を辞められると共に終わった。
Sさんの構想では、本を出版したかったようだったが、ついに1冊の本も出さずに終わった。

それは、我々が渋々書いていたのだから当然にも思われたが、Sさんには申し訳なかったと今になってそう思う。
「無駄なことなんてないんだよ、大事なのは懸命にやることなのだから」
この言葉が口癖だった。話が少し逸れた。

とにかく、20代の私は8月になるとバイオリズムが低下した。
今思えば、雀荘は高齢者が多く冷房を嫌い、若い私は暑がりだったのもあったからだと思う。
20代の私に言ってやりたいことがあるとすれば、年間を通し、きちんと麻雀に向き合い、負け方の勉強をすれば良かったということである。

今年の鳳凰戦から有料放送となった。
つまりはお金を支払い、我々の戦いを観ていただくわけである。
結果は、瀬戸熊直樹の圧勝で幕を閉じた。
それはある意味良いことなのだが、対局の合間や、家路に着いてから見てくださった方々に申し訳ない気持ちが心の中を渦巻いていた日々でもあった。

先日のニコ生放送、「ゆきなのお部屋」で、藤崎智が同様の言葉を言っていたが、藤崎も同じ気持ちでいたことに少し驚かされた。
やはり、視聴者の望むのはシーソーゲームだろうということである。

class_3

私の手牌は瀬戸熊のリーチをを受け

六万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒七筒  ツモ中  ドラ三筒

私のミスがあるとすれば、ここで安全牌の打中とするのではなく、打五索とすべきところだったように思う。
受け手順に入っている以上、きちんと五索を抜き打ちしておかねばこういう牌の寄り方をする時は手牌が膨らみ手が育ってしまい、攻めざる状況に追い込まれることがままある。

所謂、「手牌に負ける」結果を導き出しやすい。
尚且つ、真っ直ぐに攻め込んでいれば、11巡目、

三万三万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒

この形から瀬戸熊の二筒を捕えられていたようにも思う。
この時点の瀬戸熊と私の状態は、私の方にかなり分があるように感じていた。

局面を何難解なものにしたのは荒さんの仕掛けである。
リーチが入った以上、ここで四万を仕掛けるということはポンテン以外の何物でもないと思い込んでしまっていたからである。ところが荒さんはさらに三索をポンした。
この三索の仕掛けが受ける側にとっては局面を難解にさせた。

難解ならば、それなりに、今、通った六万を打ち出せば良いのだろうと、冷静な判断を今ならできる。

class_3

結果は私の放銃で収束を見た。放銃そのものはそれほど気に留めてない。
ただ、放銃に至るまでの内容が悪すぎる。手牌に負けてしまったことが後悔の念を強めた。

このカタチを目指して真っ直ぐに行っての放銃と、このカタチになってしまったからの放銃は、私の中での意味合いは全く違う。
荒正義さんが、局後何気なく呟いた。

三筒切りのリーチしかないから」

私は基本的に放銃を引きずらないタイプである。
ただ、お金を払って観てもらった方々に申し訳なく思った。

やはり、あの20代の夏にもっと負け方の勉強をしておくべきだった。
それなりに自分自身の麻雀のカタチを識っているつもりだったが、錯覚だったのか、もしくは私の麻雀の質そのものが変容してしまったのかもしれない。

近年、鳳凰戦の決勝で敗れ去った者の多くが1、2年以内にA1リーグからA2リーグへと降級することが多い。
それは、敗者がそれだけ多くの手傷を負うことに近いように思う。
逆に記すならば、鳳凰戦そのもののステージの高さを物語っているようにも思える。

本来、戦うということは無傷では済まないものである。
今、役300名を超す若い打ち手達が頂点である、鳳凰を目指している。
その方達に伝えたい言葉があるとすれば、相手を識り、自分を識り、牌と日々、自分自身を見失うほどの緊張感を持って、戦ってほしいということである。

次回へつづく

上級/第80回『自分を識る』

『自分を識る』
私には幾人かの恩師と呼ぶべき方たちがいる。
その方達は、例外なく強烈な個性を持った方達で怖いのだが、優しい。
叱るべき時は相手が参ったという表情をしていても、さらに追い込むような人ばかりである。
ところが、私は自他共に認める、かなりどうしょうもない生き方をしていたにも関わらず、
叱られたこともなく、褒められた記憶しかない。ある恩師にその理由を尋ねたことがある。
「それは、人という生き物は皆自分の欠点は知っているものなのだよ・・・逆に自分の長所、もしくは良い処は知らないことの方が多いものなのだよ。」
しばらくの沈黙の時が流れた。
黙っていたわけではなく、どう反応していいのか解らないだけなのだが。
「そういう生き物なのだから、その人の良い部分を拾ってあげた方が、その人のためになるように思えて仕方ないんだ・・・」
「私自身、もうどうにもならないナと思い続けた日々があった。その時にある人のやわらかい言葉がなかったら、今の私の人生はなかったように思う。」
何のことかぼんやりとは想像したが、それ以上のことは触れなかった、いや、触れてはいけない部分のように思った。
もう20年ほど遠い昔の言葉だが、訊いておけば良かったと思う気持ちと訊かなくて良かった思う気持ちが今でも交錯する。確かに自分の思う私と、他人が思う私は別の人間であるようにも思える。
元来、評価というものに興味を持たず30歳過ぎまで生きてきたことだけは間違いない事実である。
最近になって、自分が麻雀を打っている時の映像を見た折り、常に歯を喰いしばって頬の筋肉が動き続けているのに気が付いた。それほど難しい局面ではなく、不思議に思い、ヒサトにそのことを訊いた。
「ぼくが、前原さんと出会った頃、14、5年前には既にそうでしたよ」
「本当かよ?」
「本当です!」
振り返ってみれば、私が20代の頃通っていた雀荘は、何処に行っても私が最年少で若い人でも40代だった。
私は20歳になってから煙草を覚えたのだが、麻雀を打っている間は煙草を吸わなかったらしい。
らしいというのは、
「坊やの卓においている煙草は飾り物か?」
そう言われたことがあったからである。
煙草を吸う余裕がなかったのか、それだけ、集中していたのかは今となっては思い出せないが、おそらくは、煙草を吸うために、目が卓から離れ大切な何かを見落とすのを恐れたからだろうと思う。
いずれにしても、話す相手もいなく、煙草に眼を落す余裕もなかったくらいであるから、その頃から歯を食い縛りながら麻雀を打っていたのだろう。
~バイオリズムを識る~
20代半ば過ぎの頃、8月に入ると調子が悪くなることに気付いた。
妻の薦めもあり、思い切って麻雀を離れた。
1ヶ月ほど家族旅行に当てた。麻雀専門誌と牌譜を旅行先に持っていき読み耽っていた。
元来自堕落な私は、夏休みと称し30歳になるころまで、8月から年内は公式戦以外は牌に触らなくなっていた。
11月頃から走り込みを始め、身体を作り年明けから牌に触り始め、3月から7月一杯まで麻雀を打つ。
そういうサイクルが数年続いた。
理由のひとつには、私を連盟に誘ってくれたSさんが、PTA(ポン、チー、アソシエーション)なる麻雀普及活動を始め、私と石崎洋ともう1人の4人で、毎週月曜日に新宿のSさんのマンションに集まり、企画を練り、全マスコミ、出版社にニューズレターなるものを送り、翌週までにSさんがお題を出し4000字の宿題、論文の提出を我々に義務付けられたからだ。
大抵は書き直しを命じられ、原稿用紙と睨めっこの日々が続いた。
当時、麻雀専門誌が13誌あったころだったから、ヘタな文章でもそれなりに収入にはなっていたのかもしれない。
女性週刊誌に連載の以来が来たことには、Sさん自身も驚いたと共に活動の自信にもなったようだった。
活動はSさんが連盟を辞められると共に終わった。
Sさんの構想では、本を出版したかったようだったが、ついに1冊の本も出さずに終わった。
それは、我々が渋々書いていたのだから当然にも思われたが、Sさんには申し訳なかったと今になってそう思う。
「無駄なことなんてないんだよ、大事なのは懸命にやることなのだから」
この言葉が口癖だった。話が少し逸れた。
とにかく、20代の私は8月になるとバイオリズムが低下した。
今思えば、雀荘は高齢者が多く冷房を嫌い、若い私は暑がりだったのもあったからだと思う。
20代の私に言ってやりたいことがあるとすれば、年間を通し、きちんと麻雀に向き合い、負け方の勉強をすれば良かったということである。
今年の鳳凰戦から有料放送となった。
つまりはお金を支払い、我々の戦いを観ていただくわけである。
結果は、瀬戸熊直樹の圧勝で幕を閉じた。
それはある意味良いことなのだが、対局の合間や、家路に着いてから見てくださった方々に申し訳ない気持ちが心の中を渦巻いていた日々でもあった。
先日のニコ生放送、「ゆきなのお部屋」で、藤崎智が同様の言葉を言っていたが、藤崎も同じ気持ちでいたことに少し驚かされた。
やはり、視聴者の望むのはシーソーゲームだろうということである。

class_3

私の手牌は瀬戸熊のリーチをを受け
六万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒七筒  ツモ中  ドラ三筒
私のミスがあるとすれば、ここで安全牌の打中とするのではなく、打五索とすべきところだったように思う。
受け手順に入っている以上、きちんと五索を抜き打ちしておかねばこういう牌の寄り方をする時は手牌が膨らみ手が育ってしまい、攻めざる状況に追い込まれることがままある。
所謂、「手牌に負ける」結果を導き出しやすい。
尚且つ、真っ直ぐに攻め込んでいれば、11巡目、
三万三万五索六索六索七索七索八索一筒三筒五筒六筒七筒
この形から瀬戸熊の二筒を捕えられていたようにも思う。
この時点の瀬戸熊と私の状態は、私の方にかなり分があるように感じていた。
局面を何難解なものにしたのは荒さんの仕掛けである。
リーチが入った以上、ここで四万を仕掛けるということはポンテン以外の何物でもないと思い込んでしまっていたからである。ところが荒さんはさらに三索をポンした。
この三索の仕掛けが受ける側にとっては局面を難解にさせた。
難解ならば、それなりに、今、通った六万を打ち出せば良いのだろうと、冷静な判断を今ならできる。

class_3

結果は私の放銃で収束を見た。放銃そのものはそれほど気に留めてない。
ただ、放銃に至るまでの内容が悪すぎる。手牌に負けてしまったことが後悔の念を強めた。
このカタチを目指して真っ直ぐに行っての放銃と、このカタチになってしまったからの放銃は、私の中での意味合いは全く違う。
荒正義さんが、局後何気なく呟いた。
三筒切りのリーチしかないから」
私は基本的に放銃を引きずらないタイプである。
ただ、お金を払って観てもらった方々に申し訳なく思った。
やはり、あの20代の夏にもっと負け方の勉強をしておくべきだった。
それなりに自分自身の麻雀のカタチを識っているつもりだったが、錯覚だったのか、もしくは私の麻雀の質そのものが変容してしまったのかもしれない。
近年、鳳凰戦の決勝で敗れ去った者の多くが1、2年以内にA1リーグからA2リーグへと降級することが多い。
それは、敗者がそれだけ多くの手傷を負うことに近いように思う。
逆に記すならば、鳳凰戦そのもののステージの高さを物語っているようにも思える。
本来、戦うということは無傷では済まないものである。
今、役300名を超す若い打ち手達が頂点である、鳳凰を目指している。
その方達に伝えたい言葉があるとすれば、相手を識り、自分を識り、牌と日々、自分自身を見失うほどの緊張感を持って、戦ってほしいということである。
次回へつづく

第24期チャンピオンズリーグ 優勝は藤原隆弘!

優勝:藤原隆弘 準優勝:蒼井ゆりか 第3位:藤井すみれ 第4位:三好直幸

・トーナメントレポート  ・決勝観戦記

⇒開催概要 ⇒成績はこちら

連盟インフォメーション/第24期チャンピオンズリーグ 優勝は藤原隆弘!

優勝:藤原隆弘 準優勝:蒼井ゆりか 第3位:藤井すみれ 第4位:三好直幸
・トーナメントレポート  ・決勝観戦記

⇒開催概要 ⇒成績はこちら

第30期十段戦 ベスト8レポート

誰もが十段位を目指して戦ってきた戦いもいよいよベスト8の戦いとなる。
7月28日(日)。前日にベスト16の戦いを勝ち抜いた8人が、決勝の椅子をかけた戦いに挑んだ。
タイトル戦における決勝は特別な場所であり、ここまでくれば誰もが優勝を意識するだろう。
その想いを叶えた4人は誰であったのだろうか?
その激戦の模様を振り返ってみたいと思う。

A卓 
前原雄大 vs 沢崎誠 vs 古川孝次 vs 中村毅


前原雄大

沢崎誠

古川孝次

中村毅

多くのタイトルを獲得してきたベテラン3人の経験か?
それとも初タイトルに懸ける中村の思いか?
非常に楽しみな戦いである。

1回戦。
沢崎が東場からこの2度のアガリで大きくリードを奪う。

東1局 西家・沢崎

三万三万四万五万六万五索六索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七索  ドラ五万

1,300・2,600

東3局 東家・沢崎

四万五万六万四索五索六索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ七索

3,900オール。これに待ったをかけたのは中村であった。
まず前原が4巡目にリーチと来る。

二万二万四万四万二索二索三索四筒四筒五筒五筒東東  リーチ  ドラ七索

そこへ無筋を連打し中村がついに追いつく。

二索三索四索五索六索六索六索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ

中村が最後のツモでしっかり高めの一索をツモリ、6,000オールをものにする。
前原のリーチに対してもしっかり押し返してアガリ切り、得点的にも精神的にも非常に大きなアガリとなったのではないだろうか。
しかし、南2局の親番を迎え前原も黙っていない。

七万八万九万一索二索三索八索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン二筒  ドラ五筒  3,900

1本場
二索二索二索四索五索七筒八筒九筒北北北発発  リーチ  ロン六索  ドラ三筒  2,400+300

2本場
五万六万七万九索九索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒  ロン八筒   2,900+600

3本場
五万五万七万八万九万二索三索三索四索四索二筒三筒四筒  ロン二索  11,600+900

前原がこの4連続のアガリで一気にトップ目に立つ。
この連荘も最後は中村が捌き、中村が1回戦をトップとする。

2回戦。
東1局から前原と沢崎がぶつかる。
前原の先制リーチ。

一万二万三万六万七万五索六索七索一筒二筒三筒中中  リーチ  ドラ中

それを受け沢崎も親番で追いつきリーチ。

四万五万六万四索五索五索六索七索七索七索四筒五筒六筒  リーチ

ここは前原が五万をツモアガリまずはリードを奪う。

東2局。
またもや前原の先制リーチに、今度は中村がフリテンながらも強気に追いかける。

六万七万八万三索四索五索七索八索六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索  ドラ四索

この強気な姿勢に牌も応えてくれて、1回戦に引き続き6,000オールをものする。
このアガリで中村が2連勝と絶好のスタートを切る。
また、1回戦から苦しい展開だった古川も、南1局に前原からアガった8,000をきっかけに、プラスの2着で2回戦を終えた。

南1局 北家・古川

一万二万三万一索二索三索七索八索九索一筒二筒四筒四筒  リーチ  ロン三筒  ドラ七索  8,000

それに対して、この放銃を機に前原は非常に苦しい戦いに追い込まれてしまう。

3回戦。
中村が攻めの姿勢を崩さずリードを奪い東場は進む。
そんな中、迎えた東4局に沢崎が魅せる。

東4局 西家・沢崎

一筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白白  チー三筒四筒五筒  ドラ二万

古川の先制リーチに対して打白としてチンイツに向かう。
これが功を奏して古川から12,000をアガる。

一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒  チー三筒四筒五筒  ロン五筒

このアガリが決定打となり、沢崎が待望のトップをものにする。

4回戦。
中村の勢いが止まらない。

東1局 東家・中村

五万五万五万四索五索六索七索七索七索八索東東東  リーチ  ツモ九索  ドラ四万

南1局 東家・中村

七万八万二索二索四索五索五索六索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六万  ドラ六筒

東場、南場の親でそれぞれ4,000オールをツモリ3度目のトップを取る。
古川は何とか粘りを見せて浮きの2着を死守する。

4回戦を終えて中村はほぼ勝ち上がりを決めた。
そして、あと1つの椅子をベテラン3人が争う形となった。

5回戦。
ベテラン3人がそれぞれに自分らしさを魅せる。
まずは古川。
東1局に2,000オールをツモリ迎えた1本場。

六筒  ポン発発発  ポン南南南  ポン一筒一筒一筒  ポン三万三万三万  ツモ六筒

この裸単騎をツモリ4本場まで積み上げる。
これに待ったをかけたのは前原。

東1局 4本場 南家・前原

六筒六筒六筒北北白白白中中  チー一筒二筒三筒  ツモ中  ドラ七万

この3,000・6,000でまた勝負は分からなくなる。

ここから前原の流れになるかと思われたが、沢崎への2度の放銃が効いて痛恨のラスを引いてしまう。

東2局 西家・沢崎

二万三万四万四万五万六万五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  ロン七索  ドラ六索  7,700

南4局 東家・沢崎

一索二索二索三索三索三索四索五索七筒八筒九筒九筒九筒  ロン一索  ドラ九索  5,800

結局、東場のリードが効いて古川がトップ、沢崎が浮きの2着となる。
この結果、最終戦は沢崎と古川の最後の椅子を争う戦いとなる。

最終戦を迎え、ポイント状況は以下。

中村(+73.1P)沢崎(+1.2P)古川(▲11.9P)前原(▲63.2P)

序盤は古川が小刻みにアガリを重ねてリードを奪うも、東4局に沢崎に決定打が出る。

東4局 西家・沢崎

一索三索五索五索五索六索六索七索七索八索九索九索九索  ロン二索  ドラ七万

このメンチンをリーチしていた古川から出アガリ、沢崎が勝ち上がりを決めた。

勝ち上がり 中村毅  沢崎誠

 

B卓 小島武夫 vs 伊藤優孝 vs 山田浩之 vs 堀内正人


小島武夫

伊藤優孝

山田浩之

堀内正人

面前手役派の小島、伊藤、山田に対し、仕掛けを多用する堀内がどう戦うのであろうか?
こちらも非常に楽しみな戦いである。

1回戦。
いきなり小島が大物手を炸裂させる。
東1局 北家・小島

一万一万一万九万九万一索一索二索二索三索三索二筒三筒  ロン一筒  ドラ一万

この12,000を伊藤からアガリ幸先の良いスタートを切る。

東2局。
山田もしっかり手を作りツモアガる。
北家・山田

一万二万三万三万四万七索八索九索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ五万  ドラ三万

この2人のアガリに対し、堀内は積極的に仕掛けていくがなかなかアガリに結びつかず苦しい展開となる。
迎えた南3局。ついに堀内の仕掛けが実る。小島のリーチを受けるも、一歩も引かずに押し切る。

一万二万四万五万六万六万六万六万発発  ポン東東東  ロン三万  ドラ八万

山田から嬉しい7,700の初アガリをものにする。
オーラスも堀内がアガリ、小島、堀内、山田の3人浮きで1回戦を終える。
伊藤にとっては厳しい緒戦となった。

2回戦。
1回戦で我慢を続けていた伊藤に手が入る。
東2局に2,000・4,000をツモアガると、迎えた東4局の親番でも4,000オールをものにして今まで溜まっていた鬱憤を晴らすかのようにリードを広げていく。

東4局 東家・伊藤

五索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒八筒八筒  チー三万四万五万  ツモ八筒  ドラ八筒

迎えたオーラス。
山田が伊藤から8,000をアガリ浮きに回り、伊藤、小島、山田の3人浮きで2回戦を終えた。
伊藤にとってトップは取ったものの、少し不満が残る戦いだったのではないだろうか。

3回戦。
小島がここでも魅せる。
東2局 南家・小島

五万六万五索六索七索一筒二筒三筒六筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四万  ドラ六筒

この2,000・4,000。

東3局 東家・小島

一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒中中中  ツモ七筒  ドラ七筒

そして8,000オール。
この2度のアガリで、小島がこの半荘のトップを決定づける。

南2局。
堀内が伊藤のテンパイ打牌を捕えて12,000をものにする。

南2局 東家・堀内

二万二万三万四万四万六万六万八万八万八万五筒六筒七筒  ロン三万  ドラ二万

このアガリで堀内が浮きの2着となり、トータルでも小島の1人浮きで他3人の争いが更に面白くなってきた。

4回戦。
手役派の山田の本領が発揮される。
東1局 南家・山田

七万八万八万二索二索三索三索四索四索五索五索七筒七筒  リーチ  ハイテイツモ七万  ドラ四筒

堀内との2軒リーチになるも、ハイテイでツモアガリ3,000・6,000。
このアガリをきっかけに山田が止まらなくなる。

東4局 西家・山田

一万一万八万九万一索二索三索七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン七万  ドラ八筒

南2局 東家・山田

一万一万七万八万九万三索三索七索八索九索七筒八筒九筒  ロン一万  ドラ三索

この2度の12,000を小島と伊藤からアガリ7万点オーバーのトップを取る。
これでトータルがプラスの小島と山田が伊藤と堀内に対して60Pほど差をつけ、残り2戦を残して非常に有利な状況になる。それに対し、伊藤と堀内はもう後がなくなり2連勝が最低条件となってしまう。

5回戦。
後がない堀内が意地を見せる。
東1局 北家・堀内

一万二万四万五万六万七万八万九万五索六索七索四筒四筒  リーチ  ロン三万  ドラ四索

東3局 南家・堀内

七万七万二索二索二索五索六索七索三筒三筒中中中  リーチ  ロン三筒  ドラ六筒

東4局 東家・堀内

一万二万三万一索二索三索二筒三筒六筒七筒八筒中中  リーチ  ロン一筒  ドラ二万

東場の3度のアガリで1人浮きのトップとし最終戦に望みを繋ぐ。

最終戦を迎えポイント状況は以下。
山田(+29.7P)小島(+24.3P)堀内(▲1.4P)伊藤(▲52.6P)

5回戦をトップで終えた堀内にとって、この最終戦もほぼトップ条件な上に、山田か小島を沈めなければならずかなり厳しい状況である。

序盤から静かに場は進み迎えた東4局。
小島が2,000・4,000をツモアガリ勝ち上がりに大きく近づく。
東4局 西家・小島

三万四万五索五索六索六索六索三筒四筒五筒白白白  リーチ  ツモ五万  ドラ三筒

このまま場は進み迎えた堀内の最後の親番。
堀内の十段位に懸ける思いがそうさせるのか、この4,000オールで山田に並びにかかる。
南3局2本場 東家・堀内

六万六万五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四索  ドラ一万

続く3本場

一万二万三万四万四万七万八万九万七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒

山田から、この3,900は4,800をアガリついに山田を捕え逆転する。
オーラスも堀内自らアガリ切り、小島と共に勝ち上がりを決めた。

5回戦、6回戦と堀内の最後まで諦めずに戦う姿勢は非常に素晴らしく、
それがこの結果をもたらしたのであろう。

勝ち上がり 小島武夫 堀内正人

これで決勝戦を戦う4人が出揃った。
この4人の中から、現十段である瀬戸熊直樹を倒すものが生まれるのであろうか?

十段戦 レポート/第30期十段戦 ベスト8レポート

誰もが十段位を目指して戦ってきた戦いもいよいよベスト8の戦いとなる。
7月28日(日)。前日にベスト16の戦いを勝ち抜いた8人が、決勝の椅子をかけた戦いに挑んだ。
タイトル戦における決勝は特別な場所であり、ここまでくれば誰もが優勝を意識するだろう。
その想いを叶えた4人は誰であったのだろうか?
その激戦の模様を振り返ってみたいと思う。
A卓 
前原雄大 vs 沢崎誠 vs 古川孝次 vs 中村毅


前原雄大

沢崎誠

古川孝次

中村毅

多くのタイトルを獲得してきたベテラン3人の経験か?
それとも初タイトルに懸ける中村の思いか?
非常に楽しみな戦いである。
1回戦。
沢崎が東場からこの2度のアガリで大きくリードを奪う。
東1局 西家・沢崎
三万三万四万五万六万五索六索二筒三筒四筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ七索  ドラ五万
1,300・2,600
東3局 東家・沢崎
四万五万六万四索五索六索七索一筒二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ七索  ドラ七索
3,900オール。これに待ったをかけたのは中村であった。
まず前原が4巡目にリーチと来る。
二万二万四万四万二索二索三索四筒四筒五筒五筒東東  リーチ  ドラ七索
そこへ無筋を連打し中村がついに追いつく。
二索三索四索五索六索六索六索七索八索九索三筒四筒五筒  リーチ
中村が最後のツモでしっかり高めの一索をツモリ、6,000オールをものにする。
前原のリーチに対してもしっかり押し返してアガリ切り、得点的にも精神的にも非常に大きなアガリとなったのではないだろうか。
しかし、南2局の親番を迎え前原も黙っていない。
七万八万九万一索二索三索八索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン二筒  ドラ五筒  3,900
1本場
二索二索二索四索五索七筒八筒九筒北北北発発  リーチ  ロン六索  ドラ三筒  2,400+300
2本場
五万六万七万九索九索二筒三筒四筒六筒六筒七筒七筒八筒  ロン八筒   2,900+600
3本場
五万五万七万八万九万二索三索三索四索四索二筒三筒四筒  ロン二索  11,600+900
前原がこの4連続のアガリで一気にトップ目に立つ。
この連荘も最後は中村が捌き、中村が1回戦をトップとする。
2回戦。
東1局から前原と沢崎がぶつかる。
前原の先制リーチ。
一万二万三万六万七万五索六索七索一筒二筒三筒中中  リーチ  ドラ中
それを受け沢崎も親番で追いつきリーチ。
四万五万六万四索五索五索六索七索七索七索四筒五筒六筒  リーチ
ここは前原が五万をツモアガリまずはリードを奪う。
東2局。
またもや前原の先制リーチに、今度は中村がフリテンながらも強気に追いかける。
六万七万八万三索四索五索七索八索六筒七筒七筒七筒八筒  リーチ  ツモ六索  ドラ四索
この強気な姿勢に牌も応えてくれて、1回戦に引き続き6,000オールをものする。
このアガリで中村が2連勝と絶好のスタートを切る。
また、1回戦から苦しい展開だった古川も、南1局に前原からアガった8,000をきっかけに、プラスの2着で2回戦を終えた。
南1局 北家・古川
一万二万三万一索二索三索七索八索九索一筒二筒四筒四筒  リーチ  ロン三筒  ドラ七索  8,000
それに対して、この放銃を機に前原は非常に苦しい戦いに追い込まれてしまう。
3回戦。
中村が攻めの姿勢を崩さずリードを奪い東場は進む。
そんな中、迎えた東4局に沢崎が魅せる。
東4局 西家・沢崎
一筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒白白  チー三筒四筒五筒  ドラ二万
古川の先制リーチに対して打白としてチンイツに向かう。
これが功を奏して古川から12,000をアガる。
一筒二筒三筒四筒六筒七筒八筒九筒九筒九筒  チー三筒四筒五筒  ロン五筒
このアガリが決定打となり、沢崎が待望のトップをものにする。
4回戦。
中村の勢いが止まらない。
東1局 東家・中村
五万五万五万四索五索六索七索七索七索八索東東東  リーチ  ツモ九索  ドラ四万
南1局 東家・中村
七万八万二索二索四索五索五索六索六索七索五筒六筒七筒  リーチ  ツモ六万  ドラ六筒
東場、南場の親でそれぞれ4,000オールをツモリ3度目のトップを取る。
古川は何とか粘りを見せて浮きの2着を死守する。
4回戦を終えて中村はほぼ勝ち上がりを決めた。
そして、あと1つの椅子をベテラン3人が争う形となった。
5回戦。
ベテラン3人がそれぞれに自分らしさを魅せる。
まずは古川。
東1局に2,000オールをツモリ迎えた1本場。
六筒  ポン発発発  ポン南南南  ポン一筒一筒一筒  ポン三万三万三万  ツモ六筒
この裸単騎をツモリ4本場まで積み上げる。
これに待ったをかけたのは前原。
東1局 4本場 南家・前原
六筒六筒六筒北北白白白中中  チー一筒二筒三筒  ツモ中  ドラ七万
この3,000・6,000でまた勝負は分からなくなる。
ここから前原の流れになるかと思われたが、沢崎への2度の放銃が効いて痛恨のラスを引いてしまう。
東2局 西家・沢崎
二万三万四万四万五万六万五索六索三筒三筒六筒七筒八筒  ロン七索  ドラ六索  7,700
南4局 東家・沢崎
一索二索二索三索三索三索四索五索七筒八筒九筒九筒九筒  ロン一索  ドラ九索  5,800
結局、東場のリードが効いて古川がトップ、沢崎が浮きの2着となる。
この結果、最終戦は沢崎と古川の最後の椅子を争う戦いとなる。
最終戦を迎え、ポイント状況は以下。
中村(+73.1P)沢崎(+1.2P)古川(▲11.9P)前原(▲63.2P)
序盤は古川が小刻みにアガリを重ねてリードを奪うも、東4局に沢崎に決定打が出る。
東4局 西家・沢崎
一索三索五索五索五索六索六索七索七索八索九索九索九索  ロン二索  ドラ七万
このメンチンをリーチしていた古川から出アガリ、沢崎が勝ち上がりを決めた。
勝ち上がり 中村毅  沢崎誠
 
B卓 小島武夫 vs 伊藤優孝 vs 山田浩之 vs 堀内正人


小島武夫

伊藤優孝

山田浩之

堀内正人

面前手役派の小島、伊藤、山田に対し、仕掛けを多用する堀内がどう戦うのであろうか?
こちらも非常に楽しみな戦いである。
1回戦。
いきなり小島が大物手を炸裂させる。
東1局 北家・小島
一万一万一万九万九万一索一索二索二索三索三索二筒三筒  ロン一筒  ドラ一万
この12,000を伊藤からアガリ幸先の良いスタートを切る。
東2局。
山田もしっかり手を作りツモアガる。
北家・山田
一万二万三万三万四万七索八索九索一筒二筒三筒七筒七筒  リーチ  ツモ五万  ドラ三万
この2人のアガリに対し、堀内は積極的に仕掛けていくがなかなかアガリに結びつかず苦しい展開となる。
迎えた南3局。ついに堀内の仕掛けが実る。小島のリーチを受けるも、一歩も引かずに押し切る。
一万二万四万五万六万六万六万六万発発  ポン東東東  ロン三万  ドラ八万
山田から嬉しい7,700の初アガリをものにする。
オーラスも堀内がアガリ、小島、堀内、山田の3人浮きで1回戦を終える。
伊藤にとっては厳しい緒戦となった。
2回戦。
1回戦で我慢を続けていた伊藤に手が入る。
東2局に2,000・4,000をツモアガると、迎えた東4局の親番でも4,000オールをものにして今まで溜まっていた鬱憤を晴らすかのようにリードを広げていく。
東4局 東家・伊藤
五索五索二筒三筒四筒六筒七筒八筒八筒八筒  チー三万四万五万  ツモ八筒  ドラ八筒
迎えたオーラス。
山田が伊藤から8,000をアガリ浮きに回り、伊藤、小島、山田の3人浮きで2回戦を終えた。
伊藤にとってトップは取ったものの、少し不満が残る戦いだったのではないだろうか。
3回戦。
小島がここでも魅せる。
東2局 南家・小島
五万六万五索六索七索一筒二筒三筒六筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四万  ドラ六筒
この2,000・4,000。
東3局 東家・小島
一筒二筒三筒五筒五筒六筒六筒七筒八筒八筒中中中  ツモ七筒  ドラ七筒
そして8,000オール。
この2度のアガリで、小島がこの半荘のトップを決定づける。
南2局。
堀内が伊藤のテンパイ打牌を捕えて12,000をものにする。
南2局 東家・堀内
二万二万三万四万四万六万六万八万八万八万五筒六筒七筒  ロン三万  ドラ二万
このアガリで堀内が浮きの2着となり、トータルでも小島の1人浮きで他3人の争いが更に面白くなってきた。
4回戦。
手役派の山田の本領が発揮される。
東1局 南家・山田
七万八万八万二索二索三索三索四索四索五索五索七筒七筒  リーチ  ハイテイツモ七万  ドラ四筒
堀内との2軒リーチになるも、ハイテイでツモアガリ3,000・6,000。
このアガリをきっかけに山田が止まらなくなる。
東4局 西家・山田
一万一万八万九万一索二索三索七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン七万  ドラ八筒
南2局 東家・山田
一万一万七万八万九万三索三索七索八索九索七筒八筒九筒  ロン一万  ドラ三索
この2度の12,000を小島と伊藤からアガリ7万点オーバーのトップを取る。
これでトータルがプラスの小島と山田が伊藤と堀内に対して60Pほど差をつけ、残り2戦を残して非常に有利な状況になる。それに対し、伊藤と堀内はもう後がなくなり2連勝が最低条件となってしまう。
5回戦。
後がない堀内が意地を見せる。
東1局 北家・堀内
一万二万四万五万六万七万八万九万五索六索七索四筒四筒  リーチ  ロン三万  ドラ四索
東3局 南家・堀内
七万七万二索二索二索五索六索七索三筒三筒中中中  リーチ  ロン三筒  ドラ六筒
東4局 東家・堀内
一万二万三万一索二索三索二筒三筒六筒七筒八筒中中  リーチ  ロン一筒  ドラ二万
東場の3度のアガリで1人浮きのトップとし最終戦に望みを繋ぐ。
最終戦を迎えポイント状況は以下。
山田(+29.7P)小島(+24.3P)堀内(▲1.4P)伊藤(▲52.6P)
5回戦をトップで終えた堀内にとって、この最終戦もほぼトップ条件な上に、山田か小島を沈めなければならずかなり厳しい状況である。
序盤から静かに場は進み迎えた東4局。
小島が2,000・4,000をツモアガリ勝ち上がりに大きく近づく。
東4局 西家・小島
三万四万五索五索六索六索六索三筒四筒五筒白白白  リーチ  ツモ五万  ドラ三筒
このまま場は進み迎えた堀内の最後の親番。
堀内の十段位に懸ける思いがそうさせるのか、この4,000オールで山田に並びにかかる。
南3局2本場 東家・堀内
六万六万五索六索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ四索  ドラ一万
続く3本場
一万二万三万四万四万七万八万九万七索七索四筒五筒六筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒
山田から、この3,900は4,800をアガリついに山田を捕え逆転する。
オーラスも堀内自らアガリ切り、小島と共に勝ち上がりを決めた。
5回戦、6回戦と堀内の最後まで諦めずに戦う姿勢は非常に素晴らしく、
それがこの結果をもたらしたのであろう。
勝ち上がり 小島武夫 堀内正人
これで決勝戦を戦う4人が出揃った。
この4人の中から、現十段である瀬戸熊直樹を倒すものが生まれるのであろうか?

第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 決勝レポート

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“麻雀トライアスロン”とは!?

一般的にトライアスロンとは鉄人レースと言われ、水泳・自転車・マラソンの3種目で競う耐久競技のことを言います。ではこの“麻雀”トライアスロンとは?

2009年、日本プロ麻雀連盟で創設された、まったく新しい形の“麻雀”のタイトル戦、
それが、『麻雀トライアスロン』です。

東風戦・半荘戦・三人麻雀の順に戦い、3種目をワンクールとして、1次予選・2次予選・決勝と勝ち進んで行きます。

最後が3人麻雀となっており、得点力が高く爆発力のあるゲームだけに大逆転も可能。
さらに、今回から二次予選は東風戦で各2名が敗退、半荘戦でも各2名が敗退といった、サバイバル形式のシステムとなり、さらにスリリングな展開が予想されます。

今年で4回目を迎えるこのタイトル戦ですが、毎年各界を代表する雀豪の方々にお集まりいただき、豪華な顔ぶれで開催されます。今回も腕に覚えのあるこの16名が集結しました。
※【順不同・敬称略】

出場選手紹介ページはこちら
一次予選レポートこちら
二次予選レポートこちら

二次予選を終え、惜しくも決勝進出を逃したのは雀豪3位の武藤敬司さん、同じく4位の武宮正樹さん。
実績もある方々なので、次回大会でも必ず上位争いに食い込んでくるでしょう。

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さて、ついに決勝進出者が決定いたしましたが、改めてその4名をご紹介いたしましょう。

ゲスト雀豪1位通過、先崎学さん。

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1次予選成績
東風戦1位・半荘戦1位・三麻3位

二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位

トータル96.5Pの好成績で決勝選出。
予選のトップ回数4回は、参加者の中でも先崎さんただ1人。
第一回トライアスロンでは、滝沢和典プロにまさかの逆転負け喫しているだけに、
今回は、“優勝”の二文字だけを見て戦います。

 

2位通過は川合俊一さん。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位

二次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位

トライアスロン初出場にもかかわらず、トータル76.0Pと成績をまとめ決勝進出となりました。
成績だけみると、川合さんは東風・半荘・三麻と徐々に調子を上げていくタイプのようです。
決勝戦でもホップ・ステップ・ジャンプが決まるでしょうか。

 

ではプロ雀士のほうもご紹介させていただきましょう。

プロ雀士1位通過は瀬戸熊直樹プロ。

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一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻2位

二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位

トータル80.4Pとプロ1位の成績で決勝の椅子を決めました。
瀬戸熊プロは、現鳳凰位と十段位でもある日本プロ麻雀連盟のエースと言ってもいいでしょう。
このトライアスロンも、第二回以来、2回目の決勝進出となります。

 

そして2位通過は灘麻太郎プロ。

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一次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位

二次予選成績
東風戦1位・半荘戦3位・三麻2位

トータル77.8Pは、プロ雀士第3位となった前原プロ(+75.4P)を微差でかわしての決勝進出。

灘プロは、32年という長い歴史の中、日本プロ麻雀連盟の会長という重い責務を果たし、
この日、森山茂和新会長にそのバトンを渡され、ようやくその重責から開放されました。

それでどこか気持ちが楽になって、手牌も軽くなったのでしょうか。決勝の舞台まで駒を進められました。

以上、強者4名の戦いです。
決勝も予選と同じく、東風戦・半荘戦、そして最後は三人麻雀の闘いとなり、
その合計得点によって、第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦の勝者が決定いたします。

さあ、決勝1回戦東風戦、闘牌の開始です!!

 

1回戦・東風戦(起家から、先崎、川合、灘、瀬戸熊)

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一万三万四万六万四索五筒東西西北発発中  ツモ一万  ドラ東

南家の川合さんの配牌。
ここから打北として、その後、すぐに灘プロから出た第一打の一万をいきなり仕掛けて行きます。

三万四万六万五筒東西西発発中  ポン一万 左向き一万 上向き一万 上向き

すぐに中が重なり打六万とします。
完全にマンズのホンイツですが、少しでも染め手の匂いを消すためでしょう。
この迷彩をほどこすあたりは、打ち慣れていると感心させられます。
そして、仕掛け慣れているのではとも思いました。

二万が入り西も鳴け、

二万三万四万発発中中  ポン西西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き

6巡目には早くもこのテンパイを果たします。
しかし、これに追いついたのは、親である先崎さんでした。

三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ

川合さんがほしい中発は、瀬戸熊プロの手の中に1枚で後は山の中。
先崎さんは、六筒2枚と九筒3枚が生きています。決着は12巡目でした。

三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  裏ドラ八万

開局を制したのは先崎さんのこの2,600オール。
次局は川合さん。今度は面前で攻めます。

二索三索四索七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ中  ドラ四筒  裏ドラ西

高めのほうをツモり、裏ドラは乗らず1,000・2,000のアガリ。

東3局は、ゲスト雀豪優勢の中、今度はプロ雀士の反撃とばかりに、灘プロが親でリーチと出ます。

七万七万七万七索七索一筒二筒四筒五筒六筒西西西  ドラ五筒

半分、足止めの意味も含めたリーチですが、もしツモアガリできれば流れに乗れそうです。
しかし、すぐに川合さんが絶好のペン七索を引き込み、

一索二索三索五索六索八索九索二筒三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ七索

こうなれば勝負に違いありません。打二筒でリーチと行きます。
灘プロも、他家がオリてくれればこちらのものですが、リーチと言われれば腹をくくるしかありません。
両者、ツモる手にも力が入りますが、ここは流局となりました。

次局、川合さんのすごいところは見切りのタイミングです。

二万三万五万一索四索五索五索二筒四筒八筒八筒東東  ドラ一索

4巡目に東が出て、ここから仕掛けて行きます。
たしかにメンツ候補は足りているのですが、ドラも浮いていて仕掛けるのは勇気が必要です。
しかし川合さんは、前局アガれなかったことなど考え、この手はそれほど高く伸びないと判断したのかもしれません。

四索五索八筒八筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン東東東  ツモ六索

このアガリで、灘プロの親を完全に封じました。
東風戦ならではの打ち回しです。

オーラスは、親の瀬戸熊プロが果敢に攻めますが、

一万一万四万五万六万六索七索八索五筒七筒  ポン白白白  ドラ五万

終盤に、灘プロからリーチが入ります。

三万三万五万六万二索三索三索三索三索四索九筒九筒九筒  リーチ

川合さんも、

四万五万六万四索五索五索五索六索四筒四筒五筒六筒六筒

この綺麗な三色のテンパイ。
結果は、瀬戸熊プロが七万を掴み、ラス目の親番なのでこれを抑えることができず灘プロに放銃となりました。
裏ドラがなく、2,600のアガリだったので、着順の入れ替わりはありませんでした。

東風戦成績
川合俊一+20.9P  先崎学+8.4  P灘麻太郎▲4.7P  瀬戸熊直樹▲24.6P

 

2回戦・半荘戦(起家から、川合、灘、先崎、瀬戸熊)

tri

このトライアスロンにおいて、東風戦はまだ肩慣らし。
いよいよこの半荘戦から勝負は白熱してまいります。
ただ、初戦ラススタートの瀬戸熊プロは、ここでラスを引かされるとかなり厳しくなるので、
ここは最悪でも2着に入りたいところです。
そして初戦トップの川合さんは、ここで連勝することができれば、優勝に王手をかけることができます。
その川合さんの親番でこの半荘戦はスタートしました。

東1局は川合さんと灘プロの仕掛け合い。この局は灘プロが捌きます。

六万七万三索四索五索五索五索  チー六筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五万  ドラ九万

次局、川合さんが今度は面前でテンパイを入れリーチ。

五万五万六万八万二索三索四索六筒七筒八筒北北北  リーチ  ドラ七索

しかし、灘プロがすぐに、

三万五万三索三索四索五索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒

このテンパイで二索を勝負します。
すると、南家の先崎さんは、

二万三万四万六万七万五索五索六索三筒三筒三筒白白  ツモ四万

ここで無筋の四万をツモり、まずは川合さんの河に八索もあることから、筋となった打五索とします。
灘プロにテンパイが入らず、二索が場に出ていなければこの五索は打てなかった可能性が高く、
このたった1つ、二索が場に出たことが、その後の局面を変化させていくことになります。
五索を打てた先崎さんは、次巡、一万ツモで打白として丁寧に回ります。
白も現物ではないのですが、ぎりぎりまで勝負を諦めない粘り強い麻雀です。

一万二万三万四万四万六万七万五索六索三筒三筒三筒白  ツモ七索

そしてこうなればリーチで勝負。すぐに灘プロから八万でアガリ、裏ドラも乗り5,200。
このアガリはやはり大きかったようです。

三万三万四万四万五万六万六万六万八万八万四索五索六索  リーチ  ツモ五万  ドラ七万  裏ドラ五索

この勢いで、次局の親番はこれを決めて一歩抜け出します。
さらに、東3局1本場、

六万六万七万七万八万八万八万六索七索八索  ポン東東東  ツモ五万  ドラ東

この手を決めて、ダントツのトップ目となります。
東2局に、川合さんと灘プロの攻防を掻い潜り、しっかりとアガリきった局がポイントでした。

ラスを引けない瀬戸熊プロは親番で一矢報います。

四万四万六万六万六万七万七万七万一索二索三索四筒五筒  リーチ一発  ツモ三筒  ドラ五万  裏ドラ発

親番でこのアガリを決め2着目へと浮上します。
さらなる加点を目論む瀬戸熊プロでしたが、今日はこの後が続きません。

三万四万五万八万八万二索三索四索六索七索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万

三万三万三万五万五万五万四索四索三筒四筒五筒北北  リーチ  ドラ四索

この2つの勝負手が空振りに終わります。

迎えたオーラス。
先崎さん54,000
瀬戸熊プロ26,900
川合さん21,800
灘プロ16,300

得点状況はこうなっております。

さすがにこうなると、親番の瀬戸熊プロ以外の2人は2着を目指します。
ラス目の灘プロ配牌。

二万二万六万六万七万六索八索一筒西西白白中  ドラ六筒

2つの役牌がトイツなので、これを生かして仕掛けて行きます。

二万二万五万六万七万西西  ポン中中中  ポン白白白  ツモ西

そしてこの満貫をアガリ2着へと浮上しました。

tri

半荘戦成績
先崎学+51.9P  灘麻太郎+5.6P  瀬戸熊直樹▲17.2P  川合俊一▲40.3P

半荘戦終了時
先崎学+60.3P  灘麻太郎+0.9P  川合俊一▲19.4P  瀬戸熊直樹▲41.8P

3着になった瀬戸熊プロは苦しくなりましたが、最後の三人麻雀は得点が大きく動くため、
まだまだ優勝争いに食い込んでいけるでしょう。
灘プロと川合さんはトップを取って、いかに先崎さんとの差を縮めるかがカギとなります。
残すは最終戦三人麻雀のみとなりました。

 

最終戦・三人麻雀(起家から、灘、川合、瀬戸熊、先崎)

tri

日本プロ麻雀連盟の公式対局のシステムとして、最終戦の起家や並び順は、これまでの成績によって決定いたします。

起家=2着目
南家=3着目
西家=4着目
北家=トップ目

これは、優勝の可能性がなくなった他家が、親番もなくなり他に迷惑をかけないようにとなにもしなくなり、そこで親が無駄な連荘などして麻雀の内容に歪みが生まれないようにと考えられたシステムです。
またこの三人麻雀に限っては、最後のオーラスの抜け番が勝負の行方を左右する可能性も高く、オーラスに抜け番で一番不利になる西家は、トータルラス目になっているのです。
西家はオーラスを迎えた時点で、トータルでトップ目に立っていないと、かなり不利になってしまし、そのあたりも戦い方が多少変わってくることでしょう。

まず先手を取ったのは川合さんでした。

二索二索三索五索八索五筒八筒南南西北北中  ドラ四筒

ここから3巡目に出た北を仕掛けて行きます。
これまでも川合さんは仕掛けを多用し、また、仕掛けないときはリーチに行き、とにかく前に前に出て、攻める姿勢を崩しません。

この仕掛けでテンパイが入ったのは、西家スタートとなった、どうしても得点を叩いておきたい瀬戸熊プロ。

四索四索七索七索七索四筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ三筒

ドラが出てしまう形になってしまいましたが致し方なしのドラ四筒切りリーチ。
しかし、次のツモは四索・・・今回の決勝はどうもかみ合っていないようです。
次巡六筒ツモも、裏は乗らず1,000・2,000のアガリとなりました。

そして次局、川合さんは親番を迎え、ここから連荘モードに突入します。

二索二索五索一筒一筒二筒五筒六筒東東白中中  ドラ六索

まずはここから二索をポンして行きます。東一筒も鳴けて、

五筒六筒中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 左向き  ポン東東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 左向き

これを受け、瀬戸熊プロは粘って、

四索四索六索七索八索四筒五筒五筒七筒九筒九筒九筒西  ツモ四筒

この形までこぎつけ、ここで生牌の西を切るか、七筒もしくは五筒などを切れば1シャンテンにはなりますが、
七筒は当たりですし、西はトイトイがあるので非常に切りにくい牌です。
ましてやテンパイしているならいざ知らず、まだ1シャンテンということでここは一旦打九筒と構えます。
すると次のツモは三筒。これはテンパイ逃しですが、七筒は当たり牌なので逃したことにはなりません。
次は生牌のドラ六索。これでさすがにギブアップ。打九筒
かなりのところまで踏み込む瀬戸熊プロでさえも、川合さんのこの仕掛けには対応せざるを得ませんでした。そしてこの仕掛けがこの後の大連荘を呼び込みます。

東2局1本場、

二索二索五索六索四筒六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ七索  ドラ八索

四筒切りで六筒九筒二索待ちの3メンチャン。
九筒切りでカン五筒待ちなのですが、場に二索が1枚と九筒が1枚、五筒は1枚も見えていません
となると、残っている枚数は実は同じ。川合さんの選択は打四筒
これは、例え枚数は同じでも種類が多いほうが有利ということでしょう。
たしかに、他家が五筒だけ抑えてアガリに行くのと、二索九筒六筒と3種もある牌を抑えてアガリ切るのは、後者のほうが難易度は高いように思われます。また、カンチャンとシャンポンの時は、手牌にもよりますが、シャンポンのほうが若干有利な気がします。結果は、赤五筒を一発でツモった川合さん。ここは苦笑いするしかありませんが、その後きっちりとラス六筒をツモって連荘には成功。

次局は、灘プロが先制リーチ。

一索二索三索四索五索六索七索九索一筒一筒五筒六筒七筒  ドラ西

これに追いついた川合さんは、

二索三索三索四索四索六索六索六索七索八索九索発発

ここでリーチと宣言します。
凄いのは、灘プロの捨て牌に川合さんのアガリ牌である二索が切られていることです。
普通は現物待ちなのでヤミテンの選択になると思うのですが、ここは勝負どころと判断されたのでしょう。
また、先崎さんとのトータルポイントを考えても大きなアガリが必要と思われたのだと思います。
一発で五索を灘プロから討ち取り、大きな12,000のアガリとなりました。
これで先崎さんとのポイント差は、19.4P差となり、現実的に捲くれる数字になってきました。

流局を挟み次局4本場も、

一万一万四索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ白  裏ドラ四索

5,800は8,200点のアガリになりました。(1本場600点)
そして5本場。この局は正直驚きました。まず、後がない灘プロが、

五索五索六索六索九索九索西西北北発発中  リーチ  ドラ二索

このメンホン七対子の中タンキリーチ!
そして、これ以上、川合さんに連荘されたくない先崎さんは、

二索二索二索八索八索五筒六筒七筒七筒八筒九筒中中  リーチ

ここまでぐっと我慢してきましたが、ここは灘プロに放銃になっても構わないとばかりに、
自身も勝負手だけに果敢に攻めてリーチと行きました。
これを受けた川合さんですが、こちらも勝負手が入っていました。

五索五索六索七索七索七索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  ツモ二筒

このテンパイとなり、川合さんはそっと、六索を切ってヤミテンに構えます。
私はこの時、え!五索切ってリーチに行かないの!?と思いました。
ここでアガることができればかなり楽になるのにと。

しかし川合さんは冷静でした。
たしかに、五索は超危険牌で、六索は筋。だったら無理な勝負はかけないで、筋を切って様子を見る。
五索を切るなら待ちが悪いだけにヤミテンは当然の選択。
また、打点が必要な灘プロのリーチだけに高いのは想像でき、先崎さんが灘プロに放銃するという展開も考えられます。

しかし次巡、川合さんのツモは中。ここまでか・・・と正直思ったその直後、川合さんの選択は、打七筒
ここでも私は、え!?と驚きの声をあげそうになりました。
ちなみにこの三人麻雀はダブロンありのルールなので、もしこの中を捨てて放銃となってしまった場合、両方、跳満からのスタートになるので、ここまでリードしている先崎さんの優勝で、ほぼゲームは終了となっていたでしょう。
結果、両者アガれず、川合さんも結局、テンパイまでは行きませんでしたが、見ているこちら側は手に汗握る、もの凄い攻防を見ることができました。

その川合さんの抜け番。
先崎さんが先制リーチ。

三索三索三索六索七索八索五筒六筒七筒九筒九筒中中  リーチ  ドラ九筒

これに追いついたのは瀬戸熊プロ。

一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒東東発発  リーチ

この追いかけリーチ。
ここで一番瀬戸熊プロを応援していたのは、なにを隠そう抜け番の川合さんに違いありません。
川合さんはあと20,000点くらい先崎さんと差を縮めなければいけないので、先崎さんにはアガられたくないはずです。その願いが通じたのか、瀬戸熊プロのアガリとまでは行きませんでしたが、流局となりました。

これで東3局7本場、供託:4,000
さあ、ここが川合さんにとって正念場となります。

九万九万一索二索二索二索三索四索四索六索八索西西  ツモ八索  ドラ九筒

6巡目、ここで川合さんは打九万とし、ソーズのホンイツを目指します。
すぐに役牌である西が鳴けて、1シャンテンになりますが、この仕掛けで、

二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒九筒九筒東東南南  ツモ一筒

先崎さんにこのツモ一筒が流れます。
正直難しい手になりました。東南も生牌。九筒はドラです。
みなさんなら何を切りますか?

tri

先崎さんの選択は七対子も残る打六筒でした。
川合さんも五索を引き入れ、二索五索八索の3メンチャンのテンパイ。
先崎さんは次に東をツモって、七筒切りで九筒南シャンポンのテンパイ。

ヤミテンで12,000点あります。
川合さん打東・・これは先崎さんの入ったほう・・一打一打緊張が走ります。
先崎さん九索ツモ切りでここは勝負どころと川合さんはソーズのホンイツですが押していきます。川合さんも六索ツモ切りで、これはいったい誰がアガるのでしょうか!?

先崎さんも川合さんも、ここはお互いに一歩も引けません。

さあ、これをアガリ切ったほうが、優勝をぐっと引き寄せ王手です。
先崎さんは四筒一筒を振り替え、さらにヤミテン続行。
川合さんのツモはまた六索です。シャンポンにしていればこれでアガリがあったのですが、

さすがに3メンチャンをシャンポンにはできないでしょう。
するとここで、親の瀬戸熊プロが私を忘れてもらっては困るとばかりに満を持してのリーチ。

一万一万二索三索四索五索六索七索五筒五筒五筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒

そうなると、先崎さんもここはもうオリられないので、追いかけリーチで真っ向勝負です。
瀬戸熊プロ五筒を暗カン。新ドラは八索です。川合さん乗りました。
そして決着の時が訪れました。

tri

二筒二筒三筒三筒四筒四筒九筒九筒東東東南南  リーチ  ツモ九筒  ドラ九筒 カンドラ八索  裏ドラ八筒 カン裏四索

先崎さんが大きな大きな倍満のアガリで天王山を制すことができました。
これで一気に川合さんを捲くってトップ目に立ちます。

南1局に川合さんが再度、

三索四索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ二索  ドラ六索  裏ドラ西

このアガリでトップを捲くりますが、先崎さんは70,000点近くある2着で安泰の位置。
さすがに川合さんの反撃もここまで。

第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦は先崎学さんの優勝で幕を閉じました。

tri

tri優勝した先崎学さん、第2位川合俊一さん tri第3位灘麻太郎プロ、第4位瀬戸熊直樹プロ

今回は、予選から雀豪の方々の成績がよく、決勝でも先崎さんと川合さんのマッチレースといった感じとなりました。灘プロ、瀬戸熊プロもどうにか突破口を開こうとしましたが、今回のお2人の前では成す術なしといった感じだったでしょうか。

川合さんはホップステップジャンプとは行きませんでしたが、その見事な押し引きで先崎さんをギリギリのところまで追い詰めることができました。あの中を止めた局はお見事だったのではないでしょうか。

優勝した先崎さんですが、最後は、さすが将棋棋士の先を見据えた一打ともいえる見事な手順でメンホンを決められ、終始安定した内容の麻雀を打たれていたように思います。
第一回大会でも優勝目前まで迫ったところで、滝沢和典プロに国士無双で逆転され、本当に悔しそうだったのを今でも思い出します。その時の悔しさが大きかった分、今回は本当に嬉しい優勝となったのではないでしょうか。

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先崎さん優勝おめでとうございました!!

放送は終了してしまいましたが、今後も連盟チャンネルやDVDなどで見られることができると思いますので、その時は是非ご覧下さい。

これで、優勝したのがプロ雀士2回、ゲスト雀豪が2回と、イーブンという形になりましたが、第五回が開催されるとしたら、ゲスト雀豪が勝利するのか、それともプロ雀士が意地を見せるのか、また次回のゲスト雀豪はいったいどんな強者が集まるのか!?ご期待下さい!!

エンタメーテレ 番組紹介ページはこちら

特集企画/第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 決勝レポート

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“麻雀トライアスロン”とは!?
一般的にトライアスロンとは鉄人レースと言われ、水泳・自転車・マラソンの3種目で競う耐久競技のことを言います。ではこの“麻雀”トライアスロンとは?
2009年、日本プロ麻雀連盟で創設された、まったく新しい形の“麻雀”のタイトル戦、
それが、『麻雀トライアスロン』です。
東風戦・半荘戦・三人麻雀の順に戦い、3種目をワンクールとして、1次予選・2次予選・決勝と勝ち進んで行きます。
最後が3人麻雀となっており、得点力が高く爆発力のあるゲームだけに大逆転も可能。
さらに、今回から二次予選は東風戦で各2名が敗退、半荘戦でも各2名が敗退といった、サバイバル形式のシステムとなり、さらにスリリングな展開が予想されます。
今年で4回目を迎えるこのタイトル戦ですが、毎年各界を代表する雀豪の方々にお集まりいただき、豪華な顔ぶれで開催されます。今回も腕に覚えのあるこの16名が集結しました。
※【順不同・敬称略】
出場選手紹介ページはこちら
一次予選レポートこちら
二次予選レポートこちら
二次予選を終え、惜しくも決勝進出を逃したのは雀豪3位の武藤敬司さん、同じく4位の武宮正樹さん。
実績もある方々なので、次回大会でも必ず上位争いに食い込んでくるでしょう。

tri tri
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さて、ついに決勝進出者が決定いたしましたが、改めてその4名をご紹介いたしましょう。
ゲスト雀豪1位通過、先崎学さん。

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1次予選成績
東風戦1位・半荘戦1位・三麻3位
二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
トータル96.5Pの好成績で決勝選出。
予選のトップ回数4回は、参加者の中でも先崎さんただ1人。
第一回トライアスロンでは、滝沢和典プロにまさかの逆転負け喫しているだけに、
今回は、“優勝”の二文字だけを見て戦います。
 
2位通過は川合俊一さん。

tri tri

一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位
二次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻1位
トライアスロン初出場にもかかわらず、トータル76.0Pと成績をまとめ決勝進出となりました。
成績だけみると、川合さんは東風・半荘・三麻と徐々に調子を上げていくタイプのようです。
決勝戦でもホップ・ステップ・ジャンプが決まるでしょうか。
 
ではプロ雀士のほうもご紹介させていただきましょう。
プロ雀士1位通過は瀬戸熊直樹プロ。

tri tri

一次予選成績
東風戦3位・半荘戦2位・三麻2位
二次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
トータル80.4Pとプロ1位の成績で決勝の椅子を決めました。
瀬戸熊プロは、現鳳凰位と十段位でもある日本プロ麻雀連盟のエースと言ってもいいでしょう。
このトライアスロンも、第二回以来、2回目の決勝進出となります。
 
そして2位通過は灘麻太郎プロ。

tri tri

一次予選成績
東風戦4位・半荘戦1位・三麻1位
二次予選成績
東風戦1位・半荘戦3位・三麻2位
トータル77.8Pは、プロ雀士第3位となった前原プロ(+75.4P)を微差でかわしての決勝進出。
灘プロは、32年という長い歴史の中、日本プロ麻雀連盟の会長という重い責務を果たし、
この日、森山茂和新会長にそのバトンを渡され、ようやくその重責から開放されました。
それでどこか気持ちが楽になって、手牌も軽くなったのでしょうか。決勝の舞台まで駒を進められました。
以上、強者4名の戦いです。
決勝も予選と同じく、東風戦・半荘戦、そして最後は三人麻雀の闘いとなり、
その合計得点によって、第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦の勝者が決定いたします。
さあ、決勝1回戦東風戦、闘牌の開始です!!
 
1回戦・東風戦(起家から、先崎、川合、灘、瀬戸熊)
tri
一万三万四万六万四索五筒東西西北発発中  ツモ一万  ドラ東
南家の川合さんの配牌。
ここから打北として、その後、すぐに灘プロから出た第一打の一万をいきなり仕掛けて行きます。
三万四万六万五筒東西西発発中  ポン一万 左向き一万 上向き一万 上向き
すぐに中が重なり打六万とします。
完全にマンズのホンイツですが、少しでも染め手の匂いを消すためでしょう。
この迷彩をほどこすあたりは、打ち慣れていると感心させられます。
そして、仕掛け慣れているのではとも思いました。
二万が入り西も鳴け、
二万三万四万発発中中  ポン西西西  ポン一万 上向き一万 上向き一万 左向き
6巡目には早くもこのテンパイを果たします。
しかし、これに追いついたのは、親である先崎さんでした。
三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ
川合さんがほしい中発は、瀬戸熊プロの手の中に1枚で後は山の中。
先崎さんは、六筒2枚と九筒3枚が生きています。決着は12巡目でした。
三万四万五万七万七万六索七索八索三筒四筒五筒七筒八筒  リーチ  ツモ六筒  裏ドラ八万
開局を制したのは先崎さんのこの2,600オール。
次局は川合さん。今度は面前で攻めます。
二索三索四索七索八索九索二筒二筒五筒六筒七筒中中  リーチ  ツモ中  ドラ四筒  裏ドラ西
高めのほうをツモり、裏ドラは乗らず1,000・2,000のアガリ。
東3局は、ゲスト雀豪優勢の中、今度はプロ雀士の反撃とばかりに、灘プロが親でリーチと出ます。
七万七万七万七索七索一筒二筒四筒五筒六筒西西西  ドラ五筒
半分、足止めの意味も含めたリーチですが、もしツモアガリできれば流れに乗れそうです。
しかし、すぐに川合さんが絶好のペン七索を引き込み、
一索二索三索五索六索八索九索二筒三筒四筒五筒七筒七筒  ツモ七索
こうなれば勝負に違いありません。打二筒でリーチと行きます。
灘プロも、他家がオリてくれればこちらのものですが、リーチと言われれば腹をくくるしかありません。
両者、ツモる手にも力が入りますが、ここは流局となりました。
次局、川合さんのすごいところは見切りのタイミングです。
二万三万五万一索四索五索五索二筒四筒八筒八筒東東  ドラ一索
4巡目に東が出て、ここから仕掛けて行きます。
たしかにメンツ候補は足りているのですが、ドラも浮いていて仕掛けるのは勇気が必要です。
しかし川合さんは、前局アガれなかったことなど考え、この手はそれほど高く伸びないと判断したのかもしれません。
四索五索八筒八筒  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  チー一万 左向き二万 上向き三万 上向き  ポン東東東  ツモ六索
このアガリで、灘プロの親を完全に封じました。
東風戦ならではの打ち回しです。
オーラスは、親の瀬戸熊プロが果敢に攻めますが、
一万一万四万五万六万六索七索八索五筒七筒  ポン白白白  ドラ五万
終盤に、灘プロからリーチが入ります。
三万三万五万六万二索三索三索三索三索四索九筒九筒九筒  リーチ
川合さんも、
四万五万六万四索五索五索五索六索四筒四筒五筒六筒六筒
この綺麗な三色のテンパイ。
結果は、瀬戸熊プロが七万を掴み、ラス目の親番なのでこれを抑えることができず灘プロに放銃となりました。
裏ドラがなく、2,600のアガリだったので、着順の入れ替わりはありませんでした。
東風戦成績
川合俊一+20.9P  先崎学+8.4  P灘麻太郎▲4.7P  瀬戸熊直樹▲24.6P
 
2回戦・半荘戦(起家から、川合、灘、先崎、瀬戸熊)
tri
このトライアスロンにおいて、東風戦はまだ肩慣らし。
いよいよこの半荘戦から勝負は白熱してまいります。
ただ、初戦ラススタートの瀬戸熊プロは、ここでラスを引かされるとかなり厳しくなるので、
ここは最悪でも2着に入りたいところです。
そして初戦トップの川合さんは、ここで連勝することができれば、優勝に王手をかけることができます。
その川合さんの親番でこの半荘戦はスタートしました。
東1局は川合さんと灘プロの仕掛け合い。この局は灘プロが捌きます。
六万七万三索四索五索五索五索  チー六筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五万  ドラ九万
次局、川合さんが今度は面前でテンパイを入れリーチ。
五万五万六万八万二索三索四索六筒七筒八筒北北北  リーチ  ドラ七索
しかし、灘プロがすぐに、
三万五万三索三索四索五索六索四筒四筒五筒五筒六筒六筒
このテンパイで二索を勝負します。
すると、南家の先崎さんは、
二万三万四万六万七万五索五索六索三筒三筒三筒白白  ツモ四万
ここで無筋の四万をツモり、まずは川合さんの河に八索もあることから、筋となった打五索とします。
灘プロにテンパイが入らず、二索が場に出ていなければこの五索は打てなかった可能性が高く、
このたった1つ、二索が場に出たことが、その後の局面を変化させていくことになります。
五索を打てた先崎さんは、次巡、一万ツモで打白として丁寧に回ります。
白も現物ではないのですが、ぎりぎりまで勝負を諦めない粘り強い麻雀です。
一万二万三万四万四万六万七万五索六索三筒三筒三筒白  ツモ七索
そしてこうなればリーチで勝負。すぐに灘プロから八万でアガリ、裏ドラも乗り5,200。
このアガリはやはり大きかったようです。
三万三万四万四万五万六万六万六万八万八万四索五索六索  リーチ  ツモ五万  ドラ七万  裏ドラ五索
この勢いで、次局の親番はこれを決めて一歩抜け出します。
さらに、東3局1本場、
六万六万七万七万八万八万八万六索七索八索  ポン東東東  ツモ五万  ドラ東
この手を決めて、ダントツのトップ目となります。
東2局に、川合さんと灘プロの攻防を掻い潜り、しっかりとアガリきった局がポイントでした。
ラスを引けない瀬戸熊プロは親番で一矢報います。
四万四万六万六万六万七万七万七万一索二索三索四筒五筒  リーチ一発  ツモ三筒  ドラ五万  裏ドラ発
親番でこのアガリを決め2着目へと浮上します。
さらなる加点を目論む瀬戸熊プロでしたが、今日はこの後が続きません。
三万四万五万八万八万二索三索四索六索七索七筒七筒七筒  リーチ  ドラ三万
三万三万三万五万五万五万四索四索三筒四筒五筒北北  リーチ  ドラ四索
この2つの勝負手が空振りに終わります。
迎えたオーラス。
先崎さん54,000
瀬戸熊プロ26,900
川合さん21,800
灘プロ16,300
得点状況はこうなっております。
さすがにこうなると、親番の瀬戸熊プロ以外の2人は2着を目指します。
ラス目の灘プロ配牌。
二万二万六万六万七万六索八索一筒西西白白中  ドラ六筒
2つの役牌がトイツなので、これを生かして仕掛けて行きます。
二万二万五万六万七万西西  ポン中中中  ポン白白白  ツモ西
そしてこの満貫をアガリ2着へと浮上しました。
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半荘戦成績
先崎学+51.9P  灘麻太郎+5.6P  瀬戸熊直樹▲17.2P  川合俊一▲40.3P
半荘戦終了時
先崎学+60.3P  灘麻太郎+0.9P  川合俊一▲19.4P  瀬戸熊直樹▲41.8P
3着になった瀬戸熊プロは苦しくなりましたが、最後の三人麻雀は得点が大きく動くため、
まだまだ優勝争いに食い込んでいけるでしょう。
灘プロと川合さんはトップを取って、いかに先崎さんとの差を縮めるかがカギとなります。
残すは最終戦三人麻雀のみとなりました。
 
最終戦・三人麻雀(起家から、灘、川合、瀬戸熊、先崎)
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日本プロ麻雀連盟の公式対局のシステムとして、最終戦の起家や並び順は、これまでの成績によって決定いたします。
起家=2着目
南家=3着目
西家=4着目
北家=トップ目
これは、優勝の可能性がなくなった他家が、親番もなくなり他に迷惑をかけないようにとなにもしなくなり、そこで親が無駄な連荘などして麻雀の内容に歪みが生まれないようにと考えられたシステムです。
またこの三人麻雀に限っては、最後のオーラスの抜け番が勝負の行方を左右する可能性も高く、オーラスに抜け番で一番不利になる西家は、トータルラス目になっているのです。
西家はオーラスを迎えた時点で、トータルでトップ目に立っていないと、かなり不利になってしまし、そのあたりも戦い方が多少変わってくることでしょう。
まず先手を取ったのは川合さんでした。
二索二索三索五索八索五筒八筒南南西北北中  ドラ四筒
ここから3巡目に出た北を仕掛けて行きます。
これまでも川合さんは仕掛けを多用し、また、仕掛けないときはリーチに行き、とにかく前に前に出て、攻める姿勢を崩しません。
この仕掛けでテンパイが入ったのは、西家スタートとなった、どうしても得点を叩いておきたい瀬戸熊プロ。
四索四索七索七索七索四筒四筒五筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ三筒
ドラが出てしまう形になってしまいましたが致し方なしのドラ四筒切りリーチ。
しかし、次のツモは四索・・・今回の決勝はどうもかみ合っていないようです。
次巡六筒ツモも、裏は乗らず1,000・2,000のアガリとなりました。
そして次局、川合さんは親番を迎え、ここから連荘モードに突入します。
二索二索五索一筒一筒二筒五筒六筒東東白中中  ドラ六索
まずはここから二索をポンして行きます。東一筒も鳴けて、
五筒六筒中中  ポン一筒 上向き一筒 上向き一筒 左向き  ポン東東東  ポン二索 上向き二索 上向き二索 左向き
これを受け、瀬戸熊プロは粘って、
四索四索六索七索八索四筒五筒五筒七筒九筒九筒九筒西  ツモ四筒
この形までこぎつけ、ここで生牌の西を切るか、七筒もしくは五筒などを切れば1シャンテンにはなりますが、
七筒は当たりですし、西はトイトイがあるので非常に切りにくい牌です。
ましてやテンパイしているならいざ知らず、まだ1シャンテンということでここは一旦打九筒と構えます。
すると次のツモは三筒。これはテンパイ逃しですが、七筒は当たり牌なので逃したことにはなりません。
次は生牌のドラ六索。これでさすがにギブアップ。打九筒
かなりのところまで踏み込む瀬戸熊プロでさえも、川合さんのこの仕掛けには対応せざるを得ませんでした。そしてこの仕掛けがこの後の大連荘を呼び込みます。
東2局1本場、
二索二索五索六索四筒六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ツモ七索  ドラ八索
四筒切りで六筒九筒二索待ちの3メンチャン。
九筒切りでカン五筒待ちなのですが、場に二索が1枚と九筒が1枚、五筒は1枚も見えていません
となると、残っている枚数は実は同じ。川合さんの選択は打四筒
これは、例え枚数は同じでも種類が多いほうが有利ということでしょう。
たしかに、他家が五筒だけ抑えてアガリに行くのと、二索九筒六筒と3種もある牌を抑えてアガリ切るのは、後者のほうが難易度は高いように思われます。また、カンチャンとシャンポンの時は、手牌にもよりますが、シャンポンのほうが若干有利な気がします。結果は、赤五筒を一発でツモった川合さん。ここは苦笑いするしかありませんが、その後きっちりとラス六筒をツモって連荘には成功。
次局は、灘プロが先制リーチ。
一索二索三索四索五索六索七索九索一筒一筒五筒六筒七筒  ドラ西
これに追いついた川合さんは、
二索三索三索四索四索六索六索六索七索八索九索発発
ここでリーチと宣言します。
凄いのは、灘プロの捨て牌に川合さんのアガリ牌である二索が切られていることです。
普通は現物待ちなのでヤミテンの選択になると思うのですが、ここは勝負どころと判断されたのでしょう。
また、先崎さんとのトータルポイントを考えても大きなアガリが必要と思われたのだと思います。
一発で五索を灘プロから討ち取り、大きな12,000のアガリとなりました。
これで先崎さんとのポイント差は、19.4P差となり、現実的に捲くれる数字になってきました。
流局を挟み次局4本場も、
一万一万四索五索六索二筒三筒四筒七筒七筒八筒八筒九筒  ロン六筒  ドラ白  裏ドラ四索
5,800は8,200点のアガリになりました。(1本場600点)
そして5本場。この局は正直驚きました。まず、後がない灘プロが、
五索五索六索六索九索九索西西北北発発中  リーチ  ドラ二索
このメンホン七対子の中タンキリーチ!
そして、これ以上、川合さんに連荘されたくない先崎さんは、
二索二索二索八索八索五筒六筒七筒七筒八筒九筒中中  リーチ
ここまでぐっと我慢してきましたが、ここは灘プロに放銃になっても構わないとばかりに、
自身も勝負手だけに果敢に攻めてリーチと行きました。
これを受けた川合さんですが、こちらも勝負手が入っていました。
五索五索六索七索七索七索三筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒  ツモ二筒
このテンパイとなり、川合さんはそっと、六索を切ってヤミテンに構えます。
私はこの時、え!五索切ってリーチに行かないの!?と思いました。
ここでアガることができればかなり楽になるのにと。
しかし川合さんは冷静でした。
たしかに、五索は超危険牌で、六索は筋。だったら無理な勝負はかけないで、筋を切って様子を見る。
五索を切るなら待ちが悪いだけにヤミテンは当然の選択。
また、打点が必要な灘プロのリーチだけに高いのは想像でき、先崎さんが灘プロに放銃するという展開も考えられます。
しかし次巡、川合さんのツモは中。ここまでか・・・と正直思ったその直後、川合さんの選択は、打七筒
ここでも私は、え!?と驚きの声をあげそうになりました。
ちなみにこの三人麻雀はダブロンありのルールなので、もしこの中を捨てて放銃となってしまった場合、両方、跳満からのスタートになるので、ここまでリードしている先崎さんの優勝で、ほぼゲームは終了となっていたでしょう。
結果、両者アガれず、川合さんも結局、テンパイまでは行きませんでしたが、見ているこちら側は手に汗握る、もの凄い攻防を見ることができました。
その川合さんの抜け番。
先崎さんが先制リーチ。
三索三索三索六索七索八索五筒六筒七筒九筒九筒中中  リーチ  ドラ九筒
これに追いついたのは瀬戸熊プロ。
一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒東東発発  リーチ
この追いかけリーチ。
ここで一番瀬戸熊プロを応援していたのは、なにを隠そう抜け番の川合さんに違いありません。
川合さんはあと20,000点くらい先崎さんと差を縮めなければいけないので、先崎さんにはアガられたくないはずです。その願いが通じたのか、瀬戸熊プロのアガリとまでは行きませんでしたが、流局となりました。
これで東3局7本場、供託:4,000
さあ、ここが川合さんにとって正念場となります。
九万九万一索二索二索二索三索四索四索六索八索西西  ツモ八索  ドラ九筒
6巡目、ここで川合さんは打九万とし、ソーズのホンイツを目指します。
すぐに役牌である西が鳴けて、1シャンテンになりますが、この仕掛けで、
二筒二筒三筒三筒四筒六筒七筒九筒九筒東東南南  ツモ一筒
先崎さんにこのツモ一筒が流れます。
正直難しい手になりました。東南も生牌。九筒はドラです。
みなさんなら何を切りますか?
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先崎さんの選択は七対子も残る打六筒でした。
川合さんも五索を引き入れ、二索五索八索の3メンチャンのテンパイ。
先崎さんは次に東をツモって、七筒切りで九筒南シャンポンのテンパイ。
ヤミテンで12,000点あります。
川合さん打東・・これは先崎さんの入ったほう・・一打一打緊張が走ります。
先崎さん九索ツモ切りでここは勝負どころと川合さんはソーズのホンイツですが押していきます。川合さんも六索ツモ切りで、これはいったい誰がアガるのでしょうか!?
先崎さんも川合さんも、ここはお互いに一歩も引けません。
さあ、これをアガリ切ったほうが、優勝をぐっと引き寄せ王手です。
先崎さんは四筒一筒を振り替え、さらにヤミテン続行。
川合さんのツモはまた六索です。シャンポンにしていればこれでアガリがあったのですが、
さすがに3メンチャンをシャンポンにはできないでしょう。
するとここで、親の瀬戸熊プロが私を忘れてもらっては困るとばかりに満を持してのリーチ。
一万一万二索三索四索五索六索七索五筒五筒五筒八筒九筒  リーチ  ドラ九筒
そうなると、先崎さんもここはもうオリられないので、追いかけリーチで真っ向勝負です。
瀬戸熊プロ五筒を暗カン。新ドラは八索です。川合さん乗りました。
そして決着の時が訪れました。
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二筒二筒三筒三筒四筒四筒九筒九筒東東東南南  リーチ  ツモ九筒  ドラ九筒 カンドラ八索  裏ドラ八筒 カン裏四索
先崎さんが大きな大きな倍満のアガリで天王山を制すことができました。
これで一気に川合さんを捲くってトップ目に立ちます。
南1局に川合さんが再度、
三索四索四索五索六索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ二索  ドラ六索  裏ドラ西
このアガリでトップを捲くりますが、先崎さんは70,000点近くある2着で安泰の位置。
さすがに川合さんの反撃もここまで。
第四回麻雀トライアスロン雀豪決定戦は先崎学さんの優勝で幕を閉じました。
tri

tri優勝した先崎学さん、第2位川合俊一さん tri第3位灘麻太郎プロ、第4位瀬戸熊直樹プロ

今回は、予選から雀豪の方々の成績がよく、決勝でも先崎さんと川合さんのマッチレースといった感じとなりました。灘プロ、瀬戸熊プロもどうにか突破口を開こうとしましたが、今回のお2人の前では成す術なしといった感じだったでしょうか。
川合さんはホップステップジャンプとは行きませんでしたが、その見事な押し引きで先崎さんをギリギリのところまで追い詰めることができました。あの中を止めた局はお見事だったのではないでしょうか。
優勝した先崎さんですが、最後は、さすが将棋棋士の先を見据えた一打ともいえる見事な手順でメンホンを決められ、終始安定した内容の麻雀を打たれていたように思います。
第一回大会でも優勝目前まで迫ったところで、滝沢和典プロに国士無双で逆転され、本当に悔しそうだったのを今でも思い出します。その時の悔しさが大きかった分、今回は本当に嬉しい優勝となったのではないでしょうか。

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先崎さん優勝おめでとうございました!!
放送は終了してしまいましたが、今後も連盟チャンネルやDVDなどで見られることができると思いますので、その時は是非ご覧下さい。
これで、優勝したのがプロ雀士2回、ゲスト雀豪が2回と、イーブンという形になりましたが、第五回が開催されるとしたら、ゲスト雀豪が勝利するのか、それともプロ雀士が意地を見せるのか、また次回のゲスト雀豪はいったいどんな強者が集まるのか!?ご期待下さい!!
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