第29期鳳凰戦の軌跡~疲労~

負け試合から多くの事を学んだ。
しかし、その事を次に生かし、成長しなくては、また同じ過ちを繰り返すだけである。
鳳凰位決定戦中に、初めて集中力が切れる場面があった。
自分を叱咤した。命がけの戦いの最中、意識がぼんやりした事が本当に許せなかった。

集中力は体力から来ると思い体力づくりに励んだ。
試合の前の日は、肉を食べ、睡眠をしっかり取るようになった。
気合だけは負けないように打つ僕の麻雀は体力を使う。

試合期間中、体重が3㎏ぐらい減る。
不器用な僕は、試合の数日前から何も手に付かなくなる。
食事をしていても、テレビを見ていても、会話に至っては何度も聞き返す有様だ。
何をしていても、ふとした瞬間に「そこ」に入ってしまうのだ。

終わって帰宅し、「ご苦労様でした」と、笑顔でややぐったりしている妻を見ると、
また迷惑をかけたのだなと、我に返ると同時に、謝罪と感謝の気持ちでいっぱいになる。

11回戦、12回戦とツキにも味方され、2着を2回とり、
ポイントは、瀬戸熊+103.8P 前原▲14.2P 荒▲36.4P 藤崎▲53.2P。

ポイントだけを見ると、7割くらいは優勝がチラついてくる。
しかし、相手は百銭練磨の猛者達、ここからの直線を先行していく辛さは、経験した者しか解らない。

目に見えない疲れが僕を蝕み始める。戦いに逃げの姿勢はないし、表情も心も安定している。
でも、見る人が見れば、僕が一杯一杯なのが解る。
今にも倒れそうだ。

13回戦 南2局

hououi

僕の配牌は、

五索八索九索九索一筒六筒九筒東南西北白発  ツモ四筒

持ち点は、3万点を超えている。
国士を狙う場面でもない九種九牌(連盟ルールは流す事が出来る)。

ツモ四筒、打北

放送席の解説陣が困っている。(そりゃそうだ)
僕は、道中一度も九種九牌だったと気付いていないのだ。
もちろん数は数えた。胸の内で「八種九牌かぁ、この局は厳しいな」くらいに思っていた。

この日の対局終了後のインタビューで指摘され、初めて気付く。
「えっ、本当にありました?」
全くもって正直過ぎる。
自分ではしっかり集中していたつもりが、無意識に精神的に追い詰められていた。

14回戦開始前、持参したおにぎりを食べた。
お腹はまったく空いていないが、強制的に胃に流し込んだ。
気分転換に歯磨きもした。
「あと何回?」と考えたくてしょうがなかったが、考えないようにした。

小学校の6年間、毎年リレーのアンカーだった。
いつも優勝争いでバトンが廻る位置にチームがいた。
あと半周の所に走者が来ると、毎回逃げ出したくなった。
あの時と気持ちが良く似ている。
前の子が転んで、プレッシャーのない所で走りたいと本気で考えたりした。
30年以上たっても、弱虫で泣き虫な僕は完全に居なくならない。
何度決勝で先頭を走っていても、慣れる事が出来ず、
いつも「何でこんな苦しい事やっているのだろう」と思う。

レッドソックスの上原投手が、ワールドシリーズを決めた試合で、
「吐きそうだった」と言った時、「解る!」と思った。
でも、その場所から逃げられない。
それは、鳳凰位という頂(いただき)が、本当に素晴らしいことと、その場所にたどり着く事で、僕の弱い心が、少しずつ癒されることを知っているから。

14回戦 東2局 ドラ四筒

hououi

前原さんのリーチを受けて僕の手牌は、

六万六万七万八万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒  ツモ七筒

五万のカンと、リーチ者の捨て牌を見れば、打六万がクレバーな一打と言える。
でも最終形を描くと、

六万六万七万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒四筒
六万六万七万七万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒
六万七万八万八万八万二索三索四索六索七索八索三筒四筒五筒

が濃厚なのと、自分の捨て牌に九筒があり、河に八筒が2枚あるのを考えると同時に、
四筒七筒の危険度を考えると、打七筒しかありえない。

六万は、僕の中では逃げの打牌だ。

ノータイムで七筒を打った。いや打てた。
リレーのバトンを受けた瞬間と似ている。
何も考えず、走るだけだった。白いテープを目指して。
14回戦をトップ、15回戦をラスとし、少しだけまた差を広げて3日目を終えた。

家路につき、「明日もおにぎりいるの?」と聞かれる。
僕は少しぶっきらぼうに、「荒さんが食べるって」と本心を隠し、そう答えた。
本当はおにぎりのおかげで最後まで頑張れたとでも言えればいいのに・・・・。
250グラムの牛肉を平らげ、3日目の放送をちょっぴり観て、布団をかぶった。
運動会を前日に控えた、不安と期待を抱いた小学生のように・・・・。

第29期鳳凰戦の軌跡~奪還~へ続く

※次回掲載は12月になります。

鳳凰の部屋/第29期鳳凰戦の軌跡~疲労~

負け試合から多くの事を学んだ。
しかし、その事を次に生かし、成長しなくては、また同じ過ちを繰り返すだけである。
鳳凰位決定戦中に、初めて集中力が切れる場面があった。
自分を叱咤した。命がけの戦いの最中、意識がぼんやりした事が本当に許せなかった。
集中力は体力から来ると思い体力づくりに励んだ。
試合の前の日は、肉を食べ、睡眠をしっかり取るようになった。
気合だけは負けないように打つ僕の麻雀は体力を使う。
試合期間中、体重が3㎏ぐらい減る。
不器用な僕は、試合の数日前から何も手に付かなくなる。
食事をしていても、テレビを見ていても、会話に至っては何度も聞き返す有様だ。
何をしていても、ふとした瞬間に「そこ」に入ってしまうのだ。
終わって帰宅し、「ご苦労様でした」と、笑顔でややぐったりしている妻を見ると、
また迷惑をかけたのだなと、我に返ると同時に、謝罪と感謝の気持ちでいっぱいになる。
11回戦、12回戦とツキにも味方され、2着を2回とり、
ポイントは、瀬戸熊+103.8P 前原▲14.2P 荒▲36.4P 藤崎▲53.2P。
ポイントだけを見ると、7割くらいは優勝がチラついてくる。
しかし、相手は百銭練磨の猛者達、ここからの直線を先行していく辛さは、経験した者しか解らない。
目に見えない疲れが僕を蝕み始める。戦いに逃げの姿勢はないし、表情も心も安定している。
でも、見る人が見れば、僕が一杯一杯なのが解る。
今にも倒れそうだ。
13回戦 南2局
hououi
僕の配牌は、
五索八索九索九索一筒六筒九筒東南西北白発  ツモ四筒
持ち点は、3万点を超えている。
国士を狙う場面でもない九種九牌(連盟ルールは流す事が出来る)。
ツモ四筒、打北
放送席の解説陣が困っている。(そりゃそうだ)
僕は、道中一度も九種九牌だったと気付いていないのだ。
もちろん数は数えた。胸の内で「八種九牌かぁ、この局は厳しいな」くらいに思っていた。
この日の対局終了後のインタビューで指摘され、初めて気付く。
「えっ、本当にありました?」
全くもって正直過ぎる。
自分ではしっかり集中していたつもりが、無意識に精神的に追い詰められていた。
14回戦開始前、持参したおにぎりを食べた。
お腹はまったく空いていないが、強制的に胃に流し込んだ。
気分転換に歯磨きもした。
「あと何回?」と考えたくてしょうがなかったが、考えないようにした。
小学校の6年間、毎年リレーのアンカーだった。
いつも優勝争いでバトンが廻る位置にチームがいた。
あと半周の所に走者が来ると、毎回逃げ出したくなった。
あの時と気持ちが良く似ている。
前の子が転んで、プレッシャーのない所で走りたいと本気で考えたりした。
30年以上たっても、弱虫で泣き虫な僕は完全に居なくならない。
何度決勝で先頭を走っていても、慣れる事が出来ず、
いつも「何でこんな苦しい事やっているのだろう」と思う。
レッドソックスの上原投手が、ワールドシリーズを決めた試合で、
「吐きそうだった」と言った時、「解る!」と思った。
でも、その場所から逃げられない。
それは、鳳凰位という頂(いただき)が、本当に素晴らしいことと、その場所にたどり着く事で、僕の弱い心が、少しずつ癒されることを知っているから。
14回戦 東2局 ドラ四筒
hououi
前原さんのリーチを受けて僕の手牌は、
六万六万七万八万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒  ツモ七筒
五万のカンと、リーチ者の捨て牌を見れば、打六万がクレバーな一打と言える。
でも最終形を描くと、
六万六万七万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒四筒
六万六万七万七万八万八万二索三索四索六索七索八索四筒
六万七万八万八万八万二索三索四索六索七索八索三筒四筒五筒
が濃厚なのと、自分の捨て牌に九筒があり、河に八筒が2枚あるのを考えると同時に、
四筒七筒の危険度を考えると、打七筒しかありえない。
六万は、僕の中では逃げの打牌だ。
ノータイムで七筒を打った。いや打てた。
リレーのバトンを受けた瞬間と似ている。
何も考えず、走るだけだった。白いテープを目指して。
14回戦をトップ、15回戦をラスとし、少しだけまた差を広げて3日目を終えた。
家路につき、「明日もおにぎりいるの?」と聞かれる。
僕は少しぶっきらぼうに、「荒さんが食べるって」と本心を隠し、そう答えた。
本当はおにぎりのおかげで最後まで頑張れたとでも言えればいいのに・・・・。
250グラムの牛肉を平らげ、3日目の放送をちょっぴり観て、布団をかぶった。
運動会を前日に控えた、不安と期待を抱いた小学生のように・・・・。
第29期鳳凰戦の軌跡~奪還~へ続く
※次回掲載は12月になります。

第14期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 第7節レポート

Aリーグレポート:塚本将之

A卓(西原×新谷×福田×浜上×青木)
B卓(大和田×中尾×塚本×小川)
C卓(小車×柴田×安東×藤原)

九州リーグのAリーグは通年制。
九州の最高峰のリーグ戦で全10節(半荘40回戦)行われ、今回は第7節。
既に折り返し地点を過ぎ残りが16半荘。
各々の現在の立ち位置から違った目的を持って望む対局となる。

ここまでの今期のAリーグは、13名中トータル+100P超えが3名。プラス組が8名、残りを踏まえると、▲20.8Pの浜上までが決定戦進出のチャンスがあり、100P超えのマイナス4名で降級争い。うち▲200P超えが2名で、▲266.0Pというマイナスを背負った私は最下位に位置する。
今期の私は、非常にバランスの崩した1年で、2節から5節の間に経験したことのない挫折を味わうことになった。結果は力不足の全てを物語っており、きちんと向き合わなければならない。反省なきもの精進せず。人と人が闘う競技において、闘う姿勢なきものは舞台に立ち上がるべきでない。

「このまま終わるわけにはいかん。」

A卓(西原×新谷×福田×浜上×青木)
決定戦進出枠4名を争う中で、現在3位に西原、4位の新谷とボーダーラインにいる2名の卓がA卓の組み合わせとなった。
上位者はその差を開きたいのは当然。8位の青木、9位の浜上にとっては直接対決で差を縮めておきたいところ。
また10位の福田にとっては降級ラインと100Pあまりの差があるものの、これ以上危険な域に達しないように打つという目的になったはずである。
この日、一撃で決めてしまったのが西原。
親の四暗刻ツモアガリである。
3112で+88.2Pで終えトータルポイントも+194.0Pと大きく決定戦進出に近づく結果となった。
青木は西原の役満アガリの時は抜け番で、終始安定した闘いを繰り広げ+21.2P。
浜上は西原の一撃に1度は手負いを受けるが、マイナスを最小限にして次節に望みをつなげる格好となった。
対して、開始前は4位だった新谷、10位福田はこの日精細を欠き大きなマイナス。
西原と正反対の結果にはなったものの、これにより4位争いが激化することになった。

B卓(大和田×中尾×塚本×小川)
現在首位を快走する大和田と2番手の好位につける中尾、降級ラインまで後が無い小川そして、大きく離れ最下位の私という組み合わせとなった。
首位の大和田は2位の中尾とその差が64.8P、決定戦ボーダーから100Pのアドバンテージがあるため、スピード重視に視野を切り替え、手牌に対して素直に打ち、局を消化することと、守りに入り過ぎず攻めることが目的であろう。
彼の本来の持ち味にブレが生じなければ、余裕を持って対局に望めているはずである。
追いかける中尾は、持ち前の攻撃力をどこまで発揮できるか、小川は私との差を開きたいのはもちろん、降級ラインを意識して安全圏を確保したいところ。

東1局1本場、北家の配牌は下記の通り。

一万七万八万七索八索二筒九筒九筒南南西西中  ドラ四万

1回戦の私の配牌である。
チャンタ三色、一色手であればピンズのトイツ手の構想を練る。先手を取ることより手役構成が重要となる。仕掛けを考えるには打点が見込めないため、門前にしたい。これはこの日の一日の自分の置かれた状況からのテーマともなる。

ドラが四万で私には必要でないだけに、相手との間合いを考えながら望んだ。
特にポイントの一番近い小川が親。私が北家だということで、甘い牌を簡単に打つ気もない。打点で向き合えなければ防戦もやむを得ないとさえ思っていた。
前のめりになる事を恐れるのではなく、相手がどういう状況にいるのか?
トータル最下位の私のリーチに対して踏み込まれる場合どういう形、打点で押し返すのか?自分と相手との距離感、この日の自分の状態をしっかり分析し今日こそは!の思いで一打を放つ。

手牌は構想どおりにツモが効き、以下のテンパイになる。

七万八万七索八索七筒八筒九筒九筒南南南西西  ツモ九万

ドラ色が入ってテンパイ。六索が2枚切れで九索が前巡に大和田が切った1枚切れ。
ソーズの上が場に安く大和田の手は捨て牌からタンピン系の可能性が高いと読めたため、九索のトイツ落としではないかと考え1巡のヤミテンに構えた。場に動きは無い。
次巡、大和田は手牌から1枚切れの発を手出し。
これを見て、私はツモ切りリーチと出たのが8巡目。
山にいることは予測できるのであるが、問題は私が引き当てられるか?
この日の入りとしては結果次第では、大きく挽回できるきっかけとなる。
親の小川からのリーチが入らない限り安目はアガる気はなかった。
そして数巡後、跳満のツモアガリとなる。
押し返す雰囲気があった、中尾と小川。
前巡に九索を処理し、戦況を見守っているように見えた大和田。
そんなことを考えていたが、もちろん私の態勢が1番良いと判断した。
その後も、きっかけを得た私は立て続けに5度のアガリをものにし1回戦は1人浮きトップの+58.7P。
その後も、終始小川をマークしながら打ち続け、この日のトップは2度だったものの+76.9P。
小川と147.1Pあった差を直接対決でひっくり返し降級圏を脱出することが出来た。
首位と2位と最下位の私の組み合わせが、私にとって大きな追い風になったのは言うまでも無い。
私が、手を組んでしっかり打ち抜いた勝負に対して、真っ向勝負とは行けない状況ができたからだ。各々のポイント状況を考えると勝負の価値観が違ってくる。それぞれに背景があり、私と彼らの立ち位置が真逆なことが私にとって、良い形が出来上がった。
私は簡単に局を消化したくない。相手にアガられる事があっても、それが局を消化する目的なものと、加点を追及したものではダメージも違ってくる。
残りの対戦が少なくなればなるほど状況は緊迫してくる。それを理解できていた分だけ落ち着いて本手をぶつけ続けることが出来た。

しかしながら、私が好調の中でも首位の大和田はしっかり状況を理解し、多くの手数でこの日の序盤に負った負債をどんどん減らしていく。
徹底した目的意識と危険回避能力は目を見張るものがあり、彼の卓越した情報処理能力がなかなか隙を与えてはくれない。怯えるわけでなく冷静に状況を分析判断し、攻撃の姿勢を緩めず闘いつづけた事で、首位に走る者の安定さを発揮。+11.1Pとしたことで早くも当確ランプがついた。
また、中尾もマイナスを最小限に抑え決定戦進出に向けた彼らしい闘いを貫いた。

C卓(小車×柴田×安東×藤原)
現マスターズ小車、今期からAリーグに昇級し頭角を現しつつある柴田と現皇帝位・藤原の5、6、7位と大きく降級圏に入ってしまった安東の組み合わせとなった。

ポイント差が30P強の間にひしめく3名はボーダーラインも近いため、今回の直接対決はアドバンテージを大きく得るうえでも、是が非でも負けられない所だろう。
そして今期絶不調の安東。なんとか踏ん張りこれ以上のマイナスを避けたいところ。

タイトルホルダーの2人がいることもあり、なかなか1人が抜け出す展開を作ってはくれない。
安東が卓内トップで+17.3Pだったものの、降級圏から脱することが出来ず。
小車はマイナスしたが、順位の変動があり4位に。藤原、柴田は、次節に十分の望みを繋げる結果となった。

第7節を終え大和田、西原が後続を大きく引き離し、4位のボーダーライン付近に5名が30Pの間で争う形となった。その下から浜上が追いかける展開となり競争は超激化。
また、降級圏には4名が30Pの間で争う。
今期の決定戦争いは1節毎に順位が入れ変わる大混戦模様。
これに、降級争いが加わり、Aリーグ全卓から益々目が離せなくなった。

第8節組み合わせ予定
A卓(西原×藤原×福田×浜上×塚本)
B卓(新谷×小川×柴田×安東)
C卓(青木×中尾×大和田×小車)
(組み合わせは都合により変更になることもあります)

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 大和田 篤史 40.3 27.3 ▲ 14.1 37.6 58.4 50.4 11.1 211.0
2 西原 亨 1.8 39.7 71.4 61.2 ▲ 52.9 ▲ 15.5 88.2 193.9
3 中尾 多門 16.7 81.1 ▲ 51.8 ▲ 7.0 41.0 55.1 ▲ 21.6 113.5
4 小車 祥 ▲ 2.5 18.1 2.2 ▲ 46.7 56.6 39.1 ▲ 18.0 48.8
5 柴田 祐一朗 ▲ 18.0 ▲ 36.3 61.5 ▲ 14.3 46.5 9.7 ▲ 2.6 46.5
6 藤原 英司 ▲ 2.7 13.6 19.2 ▲ 13.6 50.1 ▲ 32.7 3.3 37.2
7 新谷 翔平 ▲ 30.9 62.8 62.0 59.6 ▲ 27.8 ▲ 34.1 ▲ 59.8 31.8
8 青木 胤道 35.8 4.6 21.9 ▲ 5.3 ▲ 35.8 ▲ 20.4 21.2 22.0
9 浜上 文吾 31.6 ▲ 8.8 3.3 ▲ 26.5 ▲ 13.4 ▲ 7.0 ▲ 3.8 ▲ 24.6
10 福田 正道 ▲ 38.1 ▲ 66.9 ▲ 37.5 13.8 10.3 4.7 ▲ 65.8 ▲ 179.5
11 塚本 将之 15.6 ▲ 81.0 ▲ 67.5 ▲ 83.6 ▲ 50.2 0.7 76.9 ▲ 189.1
12 安東 裕允 ▲ 63.9 ▲ 21.9 ▲ 85.3 ▲ 2.2 ▲ 23.5 ▲ 11.7 17.3 ▲ 191.2
13 小川 善章 ▲ 6.7 ▲ 33.3 ▲ 5.3 26.0 ▲ 59.3 ▲ 40.3 ▲ 86.4 ▲ 205.3

決勝進出者 4名   降級者 2名
決勝進出&降級ライン:順位枠内に表示

 

Bリーグレポート:氷室哀華

A卓(鶴×陣野×矢野×菊池)
B卓(安永×相本×藤岡×服部)
C卓(川崎×石原×下山×福田×古本)
D卓(宮崎×氷室×山本×弘中×藤井)

今回、レポートを担当させて頂きます27期生の氷室哀華(ひむろあいか)と申します。
宜しくお願い致します。

今回は第2節、ここでしっかり加点して後半を有利に進めていきたい。
私は前節▲29.4Pであり、少しでも返済する事が課題であった。

今回の卓組は藤井(3位)、宮崎(6位)、弘中(8位)、山本(11位)、私(12位)。

1回戦、東2局、私の親番。七対子でドラ単騎待ちのテンパイをリーチするも成就ならず。
オーラスでは私が弘中に5,800の放銃でラス目になる。1本場では1,000は1,100オールをツモられ、2本場、私と藤井との点差が600点だったのもあり、1,000は1,600のアガリでラスを回避することができた。

2回戦は、私は抜け番だ。ここでも弘中が加点し2連勝となる。

3回戦。東2局に私は3,000・6,000ツモアガることができ、1人浮きのトップをもぎ取った。

4回戦、東2局1本場。藤井が四暗刻単騎を山本から打ち取る。
東3局では宮崎が8,000を出アガリ、2人に一気に引き離されてしまう。
オーラス、私の親番で私も原点復帰を目指すものの、2本場で早い段階から2フーロしている宮崎に8,000は8,300の放銃をしてしまい、19,800点の3着となった。

5回戦、オーラス。
弘中の先制リーチがくる。私は40,400点持ちのトップだったので、オリを選択するものの、宮崎の2,000・4,000ツモアガリで捲られてしまい、2着となってしまった。

私の結果は3132で+7.9P。藤井、宮崎、弘中は上位へ食い込んだ。

来節は第3節という折り返し地点である。最高のコンディションで対局に臨みたい。

Bリーグ

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 古本 和宏 プロ 86.2 41.8 128.0
2 藤岡 治之 プロ 19.8 73.0 92.8
3 藤井 崇勝 アマ 60.4 23.1 83.5
4 宮崎 皓之介 プロ 49.9 33.2 83.1
5 弘中 栄司 テスト生 15.0 44.5 59.5
6 下山 哲也 プロ 54.9 1.9 56.8
7 服部 学 プロ 25.2 8.5 33.7
8 鶴 浩昭 プロ ▲ 45.7 60.6 14.9
9 菊池 豪 プロ 84.8 ▲ 75.6 9.2
10 相本 長武 アマ 9.7 ▲ 22.9 ▲ 13.2
11 氷室 哀華 プロ ▲ 29.4 7.3 ▲ 22.1
12 矢野 拓郎 プロ ▲ 60.9 30.5 ▲ 30.4
13 石原 忠道 アマ ▲ 8.6 ▲ 34.6 ▲ 43.2
14 陣野 良貴 プロ ▲ 39.0 ▲ 35.5 ▲ 74.5
15 川崎 行広 プロ ▲ 100.0 21.5 ▲ 78.5
16 福田 譲二 プロ ▲ 59.3 ▲ 30.6 ▲ 89.9
17 山本 江利香 プロ ▲ 26.3 ▲ 108.1 ▲ 134.4
18 安永 敏郎 アマ ▲ 79.9 ▲ 59.6 ▲ 139.5

昇級者 未定   降級者 未定
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
前期成績はこちら

Cリーグレポート:樋口徹

A卓(大渕×北島×公文×進)
B卓(高末×松尾×馬場×樋口)
C卓(久保×福嶋×濱田×西川)
D卓(水町×佐藤×榎田×田中×吉田)
E卓(友保×永井×高野×藤瀬×松本)

Cリーグのレポートを担当します樋口です。宜しくお願いします。

レポート担当となるのは1年半ぶりの2度目。
九州リーグのレポート担当はリレー形式で決まっているのだが、前回担当した同期の松尾がこの第2節で同卓した私を指名したのは「ただ目にとまったから」ではなく「いいレポートを期待しているよ」ということだと思いたい。
いいでしょう。私だって将来は鳳凰位決勝の観戦レポートを任されるくらいの人物になってみたいなぁ~なんて思っている人物なのだから、やってやりますとも!

日本一のレポーターを目指しますとも!

さて肝心の対局の話になるが、今節から、先月行われたプロテストを受験したばかりのテスト生が参加となっている。
その数10名。やはり皆緊張している。
私の卓にもいかにも好青年そうなテスト生の馬場が入っている。実際は知らない。

思えば28期生の私ももう3年目。
先輩としてしっかりとした麻雀を見せてあげたい!
そんな想いを込めた先輩(私)からのリーチ。

三万四万五万五万六万七万四索五索七索八索九索二筒二筒  リーチ  ドラ二筒

東3局、南家のこのリーチを受け、親の馬場はどう対応するのだろうか。
すると二索をポンしている松尾がドラの二筒を切りで戦闘体勢。
数巡後、六索をツモアガリしたのは北家の松尾だった。

一索一索一索三索三索三索四索四索六索六索  ポン二索二索二索  ツモ六索

チンイツトイトイという4,000・8,000をモノにし、見事なスタートダッシュ。

次局、親番を迎えた私の配牌は、

五万五万五万四索八索九索二筒二筒三筒五筒八筒白発中  ドラ五万

ドラが五万だけに是非ともモノにしたい。役牌の重なりを見て第1打は八筒をチョイス。
2巡目に発が重なり3巡目に発をポン。そして三索をツモり以下の形となる。

五万五万五万三索四索九索二筒二筒三筒五筒  ポン発発発

そして上家から打たれる五索。しかし、前局の松尾のアガリを受け迷わずチー。
手変わりを見ていたが、ダイレクトに四筒をツモり3,900オール。松尾に肉薄する。

そのまま2人のせめぎあいが続くが、オーラスに馬場が2,000・4,000をツモり1回戦は終了する。

2回戦にはこんな局面があった。

四万四万六万七万八万六索七索白白発発発中  ドラ六万

上記は東3局、北家24,500点持ちの牌姿である。
私は常々考える。プロのあるべき姿とは──確率に基づいた打牌選択?ロスは承知の上で魅せる麻雀?
麻雀は不確定要素の多い競技ゆえに、結果よりも内容が重要視される。
しかしながら、知名度の低いうちは勝ちきることが大事だろう。

そう考えると、上の牌姿で白をポンし中を切り、5,200テンパイを組む方が確かに確率的にはいいかもしれない。
テンパイを崩すのは馬鹿げている!そう考える人が多いかもしれない。

だが私は白をポンし、ソーズを払った。
すぐに五索を引いてしまい、1,300・2,600ツモを逃したが、その後三万二万と続けて引き中単騎に受け、12,000をアガるのだが…

このアガリはどうなのだろうか?
大三元またはホンイツ小三元を目指し、実際12,000をアガることが出来た。
されど今の自分がこの麻雀で上に上がっていけるのか。迷いはある。

だがしかし、初心に帰ってみれば答えは簡単。こういう麻雀が好きなのだ。
これから先、多少のスタイルチェンジを強いられることがあるかもしれないが、芯をしっかりと持ち、まだまだ続いていく麻雀人生と真っ直ぐ向き合って行こうと決意したのである。たった今。

そして、テスト生たちの良い手本になるように、麻雀の内容はもちろんのこと、麻雀へ向き合う姿勢などをしっかり見せつけていきたい。今回の対局でも、しっかりと見せつけることが出来ただろう。

先輩の強さを。

松尾がなんと4連勝で幕を閉じたのだ。
第1節の負債を返してあまりある勝利。本当に強かった。
一気に上位へ名をあげた。

他の卓の観戦はあまり出来なかったが、結果だけ見るに第1節の上位陣はポイントを減らし、テスト生も加わったことで上位陣の顔ぶれは変わっている。
そして松尾同様、第1節での負債を大きく取り返した者がいる。
テスト生の高野だ。私にとっては未知の存在なので、簡単に触れることは出来ないが、なんか強そうな顔をしている。
100Pオーバーのプラスは並みじゃない。要チェック人物に認定。

さらに暫定1位の吉田もテスト生だ。
吉田については以前から知っているが、本当に競技ルールに慣れてきたように思う。
いつも好結果を残している印象だ。

まだまだ波乱が起こりそうなCリーグ…

新しい風に吹き飛ばされないようしっかりと地に足をつけ、私はこの階段を1つずつ昇っていこう。

Cリーグ

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 吉田 彩乃 テスト生 43.9 38.7 82.6
2 松尾 樹宏 プロ ▲ 36.9 94.5 57.6
3 高野 翔太 テスト生 ▲ 54.5 109.6 55.1
4 樋口 徹 プロ 23.6 29.1 52.7
5 西川 舞 プロ 40.2 10.5 50.7
6 進 栄二 プロ 14.4 29.5 43.9
7 佐藤 健治 プロ 50.9 ▲ 15.0 35.9
8 松本 路也 アマ 55.7 ▲ 27.1 28.6
9 柴田 祐輔 テスト生 14.3 1.2 15.5
10 大渕 俊介 テスト生 ▲ 10.8 23.7 12.9
11 福嶋 千春 テスト生 ▲ 23.3 28.4 5.1
12 永井 勝晴 テスト生 24.6 ▲ 28.0 ▲ 3.4
13 榎田 賢二郎 プロ ▲ 28.1 20.8 ▲ 7.3
14 久保 真輝 アマ ▲ 12.4 4.1 ▲ 8.3
15 濱田 貴幸 アマ ▲ 35.0 8.7 ▲ 26.3
16 水町 慎一 プロ 0.0 ▲ 31.7 ▲ 31.7
17 北島 勇輝 プロ ▲ 22.1 ▲ 12.5 ▲ 34.6
18 藤瀬 恒介 アマ 3.6 ▲ 39.2 ▲ 35.6
19 田中 悠紀夫 テスト生 ▲ 38.0 ▲ 16.9 ▲ 54.9
20 馬場 貴洋 テスト生 ▲ 44.4 ▲ 12.9 ▲ 57.3
21 公文 寛明 アマ ▲ 54.3 ▲ 6.2 ▲ 60.5
22 河野 まや テスト生 ▲ 15.0 ▲ 54.2 ▲ 69.2
23 友保 美香里 プロ ▲ 25.5 ▲ 67.9 ▲ 93.4
24 河野 みのり プロ 4.9 ▲ 100.0 ▲ 95.1
25 高末 丈永 アマ ▲ 17.4 ▲ 79.2 ▲ 96.6
26 山本 秋桜里 プロ ▲ 10.4 ▲ 100.0 ▲ 110.4

昇級者 未定   降級者 未定
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
前期成績はこちら

九州プロリーグ レポート/第14期九州プロリーグ A・B・Cリーグ 第7節レポート

Aリーグレポート:塚本将之
A卓(西原×新谷×福田×浜上×青木)
B卓(大和田×中尾×塚本×小川)
C卓(小車×柴田×安東×藤原)
九州リーグのAリーグは通年制。
九州の最高峰のリーグ戦で全10節(半荘40回戦)行われ、今回は第7節。
既に折り返し地点を過ぎ残りが16半荘。
各々の現在の立ち位置から違った目的を持って望む対局となる。
ここまでの今期のAリーグは、13名中トータル+100P超えが3名。プラス組が8名、残りを踏まえると、▲20.8Pの浜上までが決定戦進出のチャンスがあり、100P超えのマイナス4名で降級争い。うち▲200P超えが2名で、▲266.0Pというマイナスを背負った私は最下位に位置する。
今期の私は、非常にバランスの崩した1年で、2節から5節の間に経験したことのない挫折を味わうことになった。結果は力不足の全てを物語っており、きちんと向き合わなければならない。反省なきもの精進せず。人と人が闘う競技において、闘う姿勢なきものは舞台に立ち上がるべきでない。
「このまま終わるわけにはいかん。」
A卓(西原×新谷×福田×浜上×青木)
決定戦進出枠4名を争う中で、現在3位に西原、4位の新谷とボーダーラインにいる2名の卓がA卓の組み合わせとなった。
上位者はその差を開きたいのは当然。8位の青木、9位の浜上にとっては直接対決で差を縮めておきたいところ。
また10位の福田にとっては降級ラインと100Pあまりの差があるものの、これ以上危険な域に達しないように打つという目的になったはずである。
この日、一撃で決めてしまったのが西原。
親の四暗刻ツモアガリである。
3112で+88.2Pで終えトータルポイントも+194.0Pと大きく決定戦進出に近づく結果となった。
青木は西原の役満アガリの時は抜け番で、終始安定した闘いを繰り広げ+21.2P。
浜上は西原の一撃に1度は手負いを受けるが、マイナスを最小限にして次節に望みをつなげる格好となった。
対して、開始前は4位だった新谷、10位福田はこの日精細を欠き大きなマイナス。
西原と正反対の結果にはなったものの、これにより4位争いが激化することになった。
B卓(大和田×中尾×塚本×小川)
現在首位を快走する大和田と2番手の好位につける中尾、降級ラインまで後が無い小川そして、大きく離れ最下位の私という組み合わせとなった。
首位の大和田は2位の中尾とその差が64.8P、決定戦ボーダーから100Pのアドバンテージがあるため、スピード重視に視野を切り替え、手牌に対して素直に打ち、局を消化することと、守りに入り過ぎず攻めることが目的であろう。
彼の本来の持ち味にブレが生じなければ、余裕を持って対局に望めているはずである。
追いかける中尾は、持ち前の攻撃力をどこまで発揮できるか、小川は私との差を開きたいのはもちろん、降級ラインを意識して安全圏を確保したいところ。
東1局1本場、北家の配牌は下記の通り。
一万七万八万七索八索二筒九筒九筒南南西西中  ドラ四万
1回戦の私の配牌である。
チャンタ三色、一色手であればピンズのトイツ手の構想を練る。先手を取ることより手役構成が重要となる。仕掛けを考えるには打点が見込めないため、門前にしたい。これはこの日の一日の自分の置かれた状況からのテーマともなる。
ドラが四万で私には必要でないだけに、相手との間合いを考えながら望んだ。
特にポイントの一番近い小川が親。私が北家だということで、甘い牌を簡単に打つ気もない。打点で向き合えなければ防戦もやむを得ないとさえ思っていた。
前のめりになる事を恐れるのではなく、相手がどういう状況にいるのか?
トータル最下位の私のリーチに対して踏み込まれる場合どういう形、打点で押し返すのか?自分と相手との距離感、この日の自分の状態をしっかり分析し今日こそは!の思いで一打を放つ。
手牌は構想どおりにツモが効き、以下のテンパイになる。
七万八万七索八索七筒八筒九筒九筒南南南西西  ツモ九万
ドラ色が入ってテンパイ。六索が2枚切れで九索が前巡に大和田が切った1枚切れ。
ソーズの上が場に安く大和田の手は捨て牌からタンピン系の可能性が高いと読めたため、九索のトイツ落としではないかと考え1巡のヤミテンに構えた。場に動きは無い。
次巡、大和田は手牌から1枚切れの発を手出し。
これを見て、私はツモ切りリーチと出たのが8巡目。
山にいることは予測できるのであるが、問題は私が引き当てられるか?
この日の入りとしては結果次第では、大きく挽回できるきっかけとなる。
親の小川からのリーチが入らない限り安目はアガる気はなかった。
そして数巡後、跳満のツモアガリとなる。
押し返す雰囲気があった、中尾と小川。
前巡に九索を処理し、戦況を見守っているように見えた大和田。
そんなことを考えていたが、もちろん私の態勢が1番良いと判断した。
その後も、きっかけを得た私は立て続けに5度のアガリをものにし1回戦は1人浮きトップの+58.7P。
その後も、終始小川をマークしながら打ち続け、この日のトップは2度だったものの+76.9P。
小川と147.1Pあった差を直接対決でひっくり返し降級圏を脱出することが出来た。
首位と2位と最下位の私の組み合わせが、私にとって大きな追い風になったのは言うまでも無い。
私が、手を組んでしっかり打ち抜いた勝負に対して、真っ向勝負とは行けない状況ができたからだ。各々のポイント状況を考えると勝負の価値観が違ってくる。それぞれに背景があり、私と彼らの立ち位置が真逆なことが私にとって、良い形が出来上がった。
私は簡単に局を消化したくない。相手にアガられる事があっても、それが局を消化する目的なものと、加点を追及したものではダメージも違ってくる。
残りの対戦が少なくなればなるほど状況は緊迫してくる。それを理解できていた分だけ落ち着いて本手をぶつけ続けることが出来た。
しかしながら、私が好調の中でも首位の大和田はしっかり状況を理解し、多くの手数でこの日の序盤に負った負債をどんどん減らしていく。
徹底した目的意識と危険回避能力は目を見張るものがあり、彼の卓越した情報処理能力がなかなか隙を与えてはくれない。怯えるわけでなく冷静に状況を分析判断し、攻撃の姿勢を緩めず闘いつづけた事で、首位に走る者の安定さを発揮。+11.1Pとしたことで早くも当確ランプがついた。
また、中尾もマイナスを最小限に抑え決定戦進出に向けた彼らしい闘いを貫いた。
C卓(小車×柴田×安東×藤原)
現マスターズ小車、今期からAリーグに昇級し頭角を現しつつある柴田と現皇帝位・藤原の5、6、7位と大きく降級圏に入ってしまった安東の組み合わせとなった。
ポイント差が30P強の間にひしめく3名はボーダーラインも近いため、今回の直接対決はアドバンテージを大きく得るうえでも、是が非でも負けられない所だろう。
そして今期絶不調の安東。なんとか踏ん張りこれ以上のマイナスを避けたいところ。
タイトルホルダーの2人がいることもあり、なかなか1人が抜け出す展開を作ってはくれない。
安東が卓内トップで+17.3Pだったものの、降級圏から脱することが出来ず。
小車はマイナスしたが、順位の変動があり4位に。藤原、柴田は、次節に十分の望みを繋げる結果となった。
第7節を終え大和田、西原が後続を大きく引き離し、4位のボーダーライン付近に5名が30Pの間で争う形となった。その下から浜上が追いかける展開となり競争は超激化。
また、降級圏には4名が30Pの間で争う。
今期の決定戦争いは1節毎に順位が入れ変わる大混戦模様。
これに、降級争いが加わり、Aリーグ全卓から益々目が離せなくなった。
第8節組み合わせ予定
A卓(西原×藤原×福田×浜上×塚本)
B卓(新谷×小川×柴田×安東)
C卓(青木×中尾×大和田×小車)
(組み合わせは都合により変更になることもあります)
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 大和田 篤史 40.3 27.3 ▲ 14.1 37.6 58.4 50.4 11.1 211.0
2 西原 亨 1.8 39.7 71.4 61.2 ▲ 52.9 ▲ 15.5 88.2 193.9
3 中尾 多門 16.7 81.1 ▲ 51.8 ▲ 7.0 41.0 55.1 ▲ 21.6 113.5
4 小車 祥 ▲ 2.5 18.1 2.2 ▲ 46.7 56.6 39.1 ▲ 18.0 48.8
5 柴田 祐一朗 ▲ 18.0 ▲ 36.3 61.5 ▲ 14.3 46.5 9.7 ▲ 2.6 46.5
6 藤原 英司 ▲ 2.7 13.6 19.2 ▲ 13.6 50.1 ▲ 32.7 3.3 37.2
7 新谷 翔平 ▲ 30.9 62.8 62.0 59.6 ▲ 27.8 ▲ 34.1 ▲ 59.8 31.8
8 青木 胤道 35.8 4.6 21.9 ▲ 5.3 ▲ 35.8 ▲ 20.4 21.2 22.0
9 浜上 文吾 31.6 ▲ 8.8 3.3 ▲ 26.5 ▲ 13.4 ▲ 7.0 ▲ 3.8 ▲ 24.6
10 福田 正道 ▲ 38.1 ▲ 66.9 ▲ 37.5 13.8 10.3 4.7 ▲ 65.8 ▲ 179.5
11 塚本 将之 15.6 ▲ 81.0 ▲ 67.5 ▲ 83.6 ▲ 50.2 0.7 76.9 ▲ 189.1
12 安東 裕允 ▲ 63.9 ▲ 21.9 ▲ 85.3 ▲ 2.2 ▲ 23.5 ▲ 11.7 17.3 ▲ 191.2
13 小川 善章 ▲ 6.7 ▲ 33.3 ▲ 5.3 26.0 ▲ 59.3 ▲ 40.3 ▲ 86.4 ▲ 205.3

決勝進出者 4名   降級者 2名
決勝進出&降級ライン:順位枠内に表示
 
Bリーグレポート:氷室哀華
A卓(鶴×陣野×矢野×菊池)
B卓(安永×相本×藤岡×服部)
C卓(川崎×石原×下山×福田×古本)
D卓(宮崎×氷室×山本×弘中×藤井)
今回、レポートを担当させて頂きます27期生の氷室哀華(ひむろあいか)と申します。
宜しくお願い致します。
今回は第2節、ここでしっかり加点して後半を有利に進めていきたい。
私は前節▲29.4Pであり、少しでも返済する事が課題であった。
今回の卓組は藤井(3位)、宮崎(6位)、弘中(8位)、山本(11位)、私(12位)。
1回戦、東2局、私の親番。七対子でドラ単騎待ちのテンパイをリーチするも成就ならず。
オーラスでは私が弘中に5,800の放銃でラス目になる。1本場では1,000は1,100オールをツモられ、2本場、私と藤井との点差が600点だったのもあり、1,000は1,600のアガリでラスを回避することができた。
2回戦は、私は抜け番だ。ここでも弘中が加点し2連勝となる。
3回戦。東2局に私は3,000・6,000ツモアガることができ、1人浮きのトップをもぎ取った。
4回戦、東2局1本場。藤井が四暗刻単騎を山本から打ち取る。
東3局では宮崎が8,000を出アガリ、2人に一気に引き離されてしまう。
オーラス、私の親番で私も原点復帰を目指すものの、2本場で早い段階から2フーロしている宮崎に8,000は8,300の放銃をしてしまい、19,800点の3着となった。
5回戦、オーラス。
弘中の先制リーチがくる。私は40,400点持ちのトップだったので、オリを選択するものの、宮崎の2,000・4,000ツモアガリで捲られてしまい、2着となってしまった。
私の結果は3132で+7.9P。藤井、宮崎、弘中は上位へ食い込んだ。
来節は第3節という折り返し地点である。最高のコンディションで対局に臨みたい。
Bリーグ

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 古本 和宏 プロ 86.2 41.8 128.0
2 藤岡 治之 プロ 19.8 73.0 92.8
3 藤井 崇勝 アマ 60.4 23.1 83.5
4 宮崎 皓之介 プロ 49.9 33.2 83.1
5 弘中 栄司 テスト生 15.0 44.5 59.5
6 下山 哲也 プロ 54.9 1.9 56.8
7 服部 学 プロ 25.2 8.5 33.7
8 鶴 浩昭 プロ ▲ 45.7 60.6 14.9
9 菊池 豪 プロ 84.8 ▲ 75.6 9.2
10 相本 長武 アマ 9.7 ▲ 22.9 ▲ 13.2
11 氷室 哀華 プロ ▲ 29.4 7.3 ▲ 22.1
12 矢野 拓郎 プロ ▲ 60.9 30.5 ▲ 30.4
13 石原 忠道 アマ ▲ 8.6 ▲ 34.6 ▲ 43.2
14 陣野 良貴 プロ ▲ 39.0 ▲ 35.5 ▲ 74.5
15 川崎 行広 プロ ▲ 100.0 21.5 ▲ 78.5
16 福田 譲二 プロ ▲ 59.3 ▲ 30.6 ▲ 89.9
17 山本 江利香 プロ ▲ 26.3 ▲ 108.1 ▲ 134.4
18 安永 敏郎 アマ ▲ 79.9 ▲ 59.6 ▲ 139.5

昇級者 未定   降級者 未定
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
前期成績はこちら
Cリーグレポート:樋口徹
A卓(大渕×北島×公文×進)
B卓(高末×松尾×馬場×樋口)
C卓(久保×福嶋×濱田×西川)
D卓(水町×佐藤×榎田×田中×吉田)
E卓(友保×永井×高野×藤瀬×松本)
Cリーグのレポートを担当します樋口です。宜しくお願いします。
レポート担当となるのは1年半ぶりの2度目。
九州リーグのレポート担当はリレー形式で決まっているのだが、前回担当した同期の松尾がこの第2節で同卓した私を指名したのは「ただ目にとまったから」ではなく「いいレポートを期待しているよ」ということだと思いたい。
いいでしょう。私だって将来は鳳凰位決勝の観戦レポートを任されるくらいの人物になってみたいなぁ~なんて思っている人物なのだから、やってやりますとも!
日本一のレポーターを目指しますとも!
さて肝心の対局の話になるが、今節から、先月行われたプロテストを受験したばかりのテスト生が参加となっている。
その数10名。やはり皆緊張している。
私の卓にもいかにも好青年そうなテスト生の馬場が入っている。実際は知らない。
思えば28期生の私ももう3年目。
先輩としてしっかりとした麻雀を見せてあげたい!
そんな想いを込めた先輩(私)からのリーチ。
三万四万五万五万六万七万四索五索七索八索九索二筒二筒  リーチ  ドラ二筒
東3局、南家のこのリーチを受け、親の馬場はどう対応するのだろうか。
すると二索をポンしている松尾がドラの二筒を切りで戦闘体勢。
数巡後、六索をツモアガリしたのは北家の松尾だった。
一索一索一索三索三索三索四索四索六索六索  ポン二索二索二索  ツモ六索
チンイツトイトイという4,000・8,000をモノにし、見事なスタートダッシュ。
次局、親番を迎えた私の配牌は、
五万五万五万四索八索九索二筒二筒三筒五筒八筒白発中  ドラ五万
ドラが五万だけに是非ともモノにしたい。役牌の重なりを見て第1打は八筒をチョイス。
2巡目に発が重なり3巡目に発をポン。そして三索をツモり以下の形となる。
五万五万五万三索四索九索二筒二筒三筒五筒  ポン発発発
そして上家から打たれる五索。しかし、前局の松尾のアガリを受け迷わずチー。
手変わりを見ていたが、ダイレクトに四筒をツモり3,900オール。松尾に肉薄する。
そのまま2人のせめぎあいが続くが、オーラスに馬場が2,000・4,000をツモり1回戦は終了する。
2回戦にはこんな局面があった。
四万四万六万七万八万六索七索白白発発発中  ドラ六万
上記は東3局、北家24,500点持ちの牌姿である。
私は常々考える。プロのあるべき姿とは──確率に基づいた打牌選択?ロスは承知の上で魅せる麻雀?
麻雀は不確定要素の多い競技ゆえに、結果よりも内容が重要視される。
しかしながら、知名度の低いうちは勝ちきることが大事だろう。
そう考えると、上の牌姿で白をポンし中を切り、5,200テンパイを組む方が確かに確率的にはいいかもしれない。
テンパイを崩すのは馬鹿げている!そう考える人が多いかもしれない。
だが私は白をポンし、ソーズを払った。
すぐに五索を引いてしまい、1,300・2,600ツモを逃したが、その後三万二万と続けて引き中単騎に受け、12,000をアガるのだが…
このアガリはどうなのだろうか?
大三元またはホンイツ小三元を目指し、実際12,000をアガることが出来た。
されど今の自分がこの麻雀で上に上がっていけるのか。迷いはある。
だがしかし、初心に帰ってみれば答えは簡単。こういう麻雀が好きなのだ。
これから先、多少のスタイルチェンジを強いられることがあるかもしれないが、芯をしっかりと持ち、まだまだ続いていく麻雀人生と真っ直ぐ向き合って行こうと決意したのである。たった今。
そして、テスト生たちの良い手本になるように、麻雀の内容はもちろんのこと、麻雀へ向き合う姿勢などをしっかり見せつけていきたい。今回の対局でも、しっかりと見せつけることが出来ただろう。
先輩の強さを。
松尾がなんと4連勝で幕を閉じたのだ。
第1節の負債を返してあまりある勝利。本当に強かった。
一気に上位へ名をあげた。
他の卓の観戦はあまり出来なかったが、結果だけ見るに第1節の上位陣はポイントを減らし、テスト生も加わったことで上位陣の顔ぶれは変わっている。
そして松尾同様、第1節での負債を大きく取り返した者がいる。
テスト生の高野だ。私にとっては未知の存在なので、簡単に触れることは出来ないが、なんか強そうな顔をしている。
100Pオーバーのプラスは並みじゃない。要チェック人物に認定。
さらに暫定1位の吉田もテスト生だ。
吉田については以前から知っているが、本当に競技ルールに慣れてきたように思う。
いつも好結果を残している印象だ。
まだまだ波乱が起こりそうなCリーグ…
新しい風に吹き飛ばされないようしっかりと地に足をつけ、私はこの階段を1つずつ昇っていこう。
Cリーグ

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 吉田 彩乃 テスト生 43.9 38.7 82.6
2 松尾 樹宏 プロ ▲ 36.9 94.5 57.6
3 高野 翔太 テスト生 ▲ 54.5 109.6 55.1
4 樋口 徹 プロ 23.6 29.1 52.7
5 西川 舞 プロ 40.2 10.5 50.7
6 進 栄二 プロ 14.4 29.5 43.9
7 佐藤 健治 プロ 50.9 ▲ 15.0 35.9
8 松本 路也 アマ 55.7 ▲ 27.1 28.6
9 柴田 祐輔 テスト生 14.3 1.2 15.5
10 大渕 俊介 テスト生 ▲ 10.8 23.7 12.9
11 福嶋 千春 テスト生 ▲ 23.3 28.4 5.1
12 永井 勝晴 テスト生 24.6 ▲ 28.0 ▲ 3.4
13 榎田 賢二郎 プロ ▲ 28.1 20.8 ▲ 7.3
14 久保 真輝 アマ ▲ 12.4 4.1 ▲ 8.3
15 濱田 貴幸 アマ ▲ 35.0 8.7 ▲ 26.3
16 水町 慎一 プロ 0.0 ▲ 31.7 ▲ 31.7
17 北島 勇輝 プロ ▲ 22.1 ▲ 12.5 ▲ 34.6
18 藤瀬 恒介 アマ 3.6 ▲ 39.2 ▲ 35.6
19 田中 悠紀夫 テスト生 ▲ 38.0 ▲ 16.9 ▲ 54.9
20 馬場 貴洋 テスト生 ▲ 44.4 ▲ 12.9 ▲ 57.3
21 公文 寛明 アマ ▲ 54.3 ▲ 6.2 ▲ 60.5
22 河野 まや テスト生 ▲ 15.0 ▲ 54.2 ▲ 69.2
23 友保 美香里 プロ ▲ 25.5 ▲ 67.9 ▲ 93.4
24 河野 みのり プロ 4.9 ▲ 100.0 ▲ 95.1
25 高末 丈永 アマ ▲ 17.4 ▲ 79.2 ▲ 96.6
26 山本 秋桜里 プロ ▲ 10.4 ▲ 100.0 ▲ 110.4

昇級者 未定   降級者 未定
昇級&降級ライン:順位枠内に表示
前期成績はこちら

第9期北陸リーグ 第2節レポート

大型の台風が去った、気持ちの良い秋晴れの中、北陸リーグ第2節が開催されました。
私は前節、▲60.0Pと、大きくマイナスになってしまったので、少しでもプラスに出来るように頑張ろう!と、気持ちを切り替え、挑みました。

第2節、対局組み合わせ

1卓:松原プロ、平澤さん、森田?さん、北川さん
2卓:山井プロ、森田有さん、恵比寿さん、窪田さん
3卓:濱平プロ、後藤プロ、光岡さん、谷口さん
4卓:荒谷プロ、安城、小泉さん、梶田さん
5節:本田プロ、飯田さん、高村さん、押川さん

今節で、大きく上下のポイント差ができ、縦長の展開となりました。
現在トータル+139.3Pで、トップを走る光岡さん。
虎視眈々と手役を狙うスタイルで、4回戦全てトップを取り、+105.1Pと大きくポイントを叩きました。
現在2位は小泉さん。安定した打ち筋で慎重に局を進め、4回戦全てトップを取り、+108.1P。こちらも、大きくポイントを叩き、トータル+127.3P。
現在3位は、山井プロ、四柳プロの混合チーム。
今回は山井プロが参戦しました。1回戦では、75,000点持ちの1人浮きのトップで、+52.5Pを叩き、他家をねじ伏せました。その後も4回戦まで着実にポイントを重ね、今節+80.2P。トータル+100.7Pとしました。
松原プロは、今節+45.2Pを上乗せし、現在トータル+85.7P。順調にポイントを重ね、現在4位です。
そして、そのすぐ後を追うのは、森田?さん。トータル+53.1P。
まだまだ誰が決勝に残るかわからない状況です。

私は今節、前節のマイナスを少しでも回復しようとしたのですが、押し引きがうまく出来ず、無駄な放縦も目立ちました。
他にも、トップを取れるチャンスがあったにもかかわらず、中途半端な打牌で小泉さんに放銃。勝負手が決まらず、狂った歯車を最後まで立て直すことが出来ませんでした。
最後まで小泉さんをとらえることは出来ず、大きくポイントを叩かれてしまいました。そして、成績も▲52.3Pとさらに大きくマイナスを増やしてしまい、反省点が山積みな1節となりました。
次回、第3節は折り返し地点となり、次節の成績次第で、今後の戦略や方針も大きく変わると思います。なので、次節こそは、少しでもポイントを回復できるように頑張りたいです。それと、大きくポイントを叩かれ独走態勢にさせてしまう展開にならないよう、戦い方も意識して挑みたいと思います!

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 光岡大幸 アマ 34.2 105.1 139.3
2 小泉陽平 アマ 19.2 108.1 127.3
3 四柳弘樹 プロ 20.5 80.2 100.7
4 松原健志 プロ 40.5 45.2 85.7
5 森田繁基 アマ 3.3 49.8 53.1
6 梶田譲 アマ 7.9 26.8 34.7
7 濱平光朗 プロ ▲ 22.3 39.0 16.7
8 飯田輝雄 アマ 25.7 ▲ 11.5 14.2
9 高村和人 アマ ▲ 10.2 20.9 10.7
10 北川光 アマ 92.5 ▲ 87.5 5.0
11 恵比須均 アマ 23.0 ▲ 32.7 ▲ 9.7
12 押川憲一 アマ ▲ 6.0 ▲ 15.7 ▲ 21.7
13 本田朋広 プロ ▲ 36.6 6.3 ▲ 30.3
14 谷口真悟 アマ 65.4 ▲ 106.1 ▲ 40.7
15 荒谷誠 プロ 29.6 ▲ 82.6 ▲ 53.0
16 平澤憲一 アマ ▲ 51.8 ▲ 7.5 ▲ 59.3
17 窪田一彦 アマ ▲ 58.6 ▲ 1.0 ▲ 59.6
18 後藤智美 プロ ▲ 34.7 ▲ 39.0 ▲ 73.7
19 安城るい プロ ▲ 60.0 ▲ 52.3 ▲ 112.3
20 森田有一 アマ ▲ 82.6 ▲ 46.5 ▲ 129.1

北陸リーグ レポート/第9期北陸リーグ 第2節レポート

大型の台風が去った、気持ちの良い秋晴れの中、北陸リーグ第2節が開催されました。
私は前節、▲60.0Pと、大きくマイナスになってしまったので、少しでもプラスに出来るように頑張ろう!と、気持ちを切り替え、挑みました。
第2節、対局組み合わせ
1卓:松原プロ、平澤さん、森田?さん、北川さん
2卓:山井プロ、森田有さん、恵比寿さん、窪田さん
3卓:濱平プロ、後藤プロ、光岡さん、谷口さん
4卓:荒谷プロ、安城、小泉さん、梶田さん
5節:本田プロ、飯田さん、高村さん、押川さん
今節で、大きく上下のポイント差ができ、縦長の展開となりました。
現在トータル+139.3Pで、トップを走る光岡さん。
虎視眈々と手役を狙うスタイルで、4回戦全てトップを取り、+105.1Pと大きくポイントを叩きました。
現在2位は小泉さん。安定した打ち筋で慎重に局を進め、4回戦全てトップを取り、+108.1P。こちらも、大きくポイントを叩き、トータル+127.3P。
現在3位は、山井プロ、四柳プロの混合チーム。
今回は山井プロが参戦しました。1回戦では、75,000点持ちの1人浮きのトップで、+52.5Pを叩き、他家をねじ伏せました。その後も4回戦まで着実にポイントを重ね、今節+80.2P。トータル+100.7Pとしました。
松原プロは、今節+45.2Pを上乗せし、現在トータル+85.7P。順調にポイントを重ね、現在4位です。
そして、そのすぐ後を追うのは、森田?さん。トータル+53.1P。
まだまだ誰が決勝に残るかわからない状況です。
私は今節、前節のマイナスを少しでも回復しようとしたのですが、押し引きがうまく出来ず、無駄な放縦も目立ちました。
他にも、トップを取れるチャンスがあったにもかかわらず、中途半端な打牌で小泉さんに放銃。勝負手が決まらず、狂った歯車を最後まで立て直すことが出来ませんでした。
最後まで小泉さんをとらえることは出来ず、大きくポイントを叩かれてしまいました。そして、成績も▲52.3Pとさらに大きくマイナスを増やしてしまい、反省点が山積みな1節となりました。
次回、第3節は折り返し地点となり、次節の成績次第で、今後の戦略や方針も大きく変わると思います。なので、次節こそは、少しでもポイントを回復できるように頑張りたいです。それと、大きくポイントを叩かれ独走態勢にさせてしまう展開にならないよう、戦い方も意識して挑みたいと思います!

順位 名前 プロ/アマ 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 光岡大幸 アマ 34.2 105.1 139.3
2 小泉陽平 アマ 19.2 108.1 127.3
3 四柳弘樹 プロ 20.5 80.2 100.7
4 松原健志 プロ 40.5 45.2 85.7
5 森田繁基 アマ 3.3 49.8 53.1
6 梶田譲 アマ 7.9 26.8 34.7
7 濱平光朗 プロ ▲ 22.3 39.0 16.7
8 飯田輝雄 アマ 25.7 ▲ 11.5 14.2
9 高村和人 アマ ▲ 10.2 20.9 10.7
10 北川光 アマ 92.5 ▲ 87.5 5.0
11 恵比須均 アマ 23.0 ▲ 32.7 ▲ 9.7
12 押川憲一 アマ ▲ 6.0 ▲ 15.7 ▲ 21.7
13 本田朋広 プロ ▲ 36.6 6.3 ▲ 30.3
14 谷口真悟 アマ 65.4 ▲ 106.1 ▲ 40.7
15 荒谷誠 プロ 29.6 ▲ 82.6 ▲ 53.0
16 平澤憲一 アマ ▲ 51.8 ▲ 7.5 ▲ 59.3
17 窪田一彦 アマ ▲ 58.6 ▲ 1.0 ▲ 59.6
18 後藤智美 プロ ▲ 34.7 ▲ 39.0 ▲ 73.7
19 安城るい プロ ▲ 60.0 ▲ 52.3 ▲ 112.3
20 森田有一 アマ ▲ 82.6 ▲ 46.5 ▲ 129.1

第99回:清水 香織

99
天空麻雀13 女性大会を優勝した清水香織プロ

女流桜花が終わり、新橋の中華料理屋さんにて待ち合わせ。
店内に入ると、女流プロがずらぁり…

99
女流プロリーグ終了後 仲間と食事会

今日のインタビューは賑わいの中(笑)第13回天空麻雀優勝インタビューを、私蒼井ゆりかが務めさせていただきます。

99
99

清水香織さんの周りには、いつも仲間達と笑い声で溢れている。
私自身も、麻雀プロとして、憧れの存在であり大好きな先輩の1人であります。

香織さんは皆さんご存知のとおり姉御肌で、ユーモアがあり、何か人を惹き付ける力を持っている魅力的な存在です。
今回はこのインタビューを通して、香織さんの素顔と魅力を伝えられたらと思います。

蒼井「あらためて、天空麻雀優勝おめでとうございます。」
清水『ありがとうね。すみませーん!レモンサワーください!…すみませーん!』

「笑」

清水『蒼井ちゃんも飲む?お腹空いているでしょ?食べたいもの頼みなね。』
蒼井「はいっ。いただきます。すみませーん!ビールください!」

こんなやりとりを続けることしばしば…
よしっ、乾杯もしたことだし今日の目的でもある、インタビューを始めよう!

蒼井「ではっ、香織さん今日はいっぱい質問しちゃいますが、よろしくお願いします!今回のテレビ対局では、いつもとイメージを変えて、シックな服装で挑んだようですが、何か心境の変化があったのでしょうか?」
清水『あーあれは、仕事人風なイメージでね、仕事人っていっても、必殺仕事人じゃないよ笑。
最近、ずっと成績が悪かったから、鎧を変えて自分に渇を入れてみました(笑)』

と語る普段の香織さんは、
エドハーディとかディーゼルとかクールな服が好きなようです。

清水『普段ね地元では、カッコいい感じのジャージを着たりするんだよね。対局ではね、キチッと完全武装するの(笑)。ぶったぎる!敵からね攻撃を受けてもやられないように、HPの高い服を着るのよね。(笑)』

と、香織さんは強そうな服で気合いをいれるのです。

蒼井「麻雀以外で趣味や好きなことはありますか?」
清水『ずーっと麻雀してきたけど、ゲームや漫画が大好きで、それなしではいられないくらい好きなの。実はね、乙女ゲーも好きだったりするのよ。』
蒼井「えー。意外です!私もゲームと漫画好きです!」
清水『基本的にオタクなのです。ハマッたら一直線(笑)ゲームも漫画もジャンル問わず幅広くやるね~。麻雀もね、入口はゲームと漫画で知って、後はひたすら実践からの十何年だからね』
清水『とりからくう?』

…気配りさんな香織さん(*^^*)

蒼井「では、そろそろ対局について聞かせてもらいます!よろしくお願いします♪」
清水『相手が誰であれ、与えられた状況の中で、ベストを尽くす事を心掛けています。』

この言葉通り、自分の麻雀を貫く香織さん。
決勝は、清水香織プロ、二階堂瑠美プロ、和泉由希子プロ、魚谷侑未プロ というカードとなった。

決勝で、今回の優勝にぐっと近づいたこの1局。

清水『まず現在3着目で、自分の親が落ちたらトップは厳しいよね。カン五筒にとるってことはまずないんだけど、メンタンピンになれば勝負手だから、リスクと見返りを念頭に、放銃したらしょうがないと思える形をつくりたい。精度の高い仕掛けや手作りをする、るみちゃんに警戒しつつも、勝負どころはおさえたかった。』

このアガリをものにして一躍トップに踊りでた。
そして、一騎討ちのこの局。

清水『この時点でるみちゃんとの一騎討ちの気配になっているから、アガられると親番がない私は相当厳しい状況になってしまうよね。六万切りリーチに対して、ドラがらみの周辺を切ることが嫌だったから、中に手をかけたのよ。一歩引く形になった後、テンパイが入ったらリーチをかけることは決めてた。例え愚形でもね。一牌の後先がすごく影響する局面だと感じたから。』

他の女流にはない、押し引きのバランス、攻撃的な姿勢、そして、この勝負勘の鋭さが、香織さんの強さなのだと思う。

こうして、彼女は優勝の栄光を手中におさめた。

蒼井「最後に、私も聞きたいと思っていたことがあって…女流プロの第一人者であり、常に第一線で活躍されていて若手の女流プロから憧れの存在である香織さんですが、年々増えていく女流プロ達に何かアドバイスをいただけたらなぁと(^^)」
清水『いやぁ。そんなたいしたもんはない。んーでも、やりたい事をやりたいようにやればいいんじゃないかなぁ。麻雀のスタイルも自分に悔いのないように自分らしくねっ♪よりたくさんの人と麻雀を打って、日々精進したいよ~♪これから先ね、どこまで頑張れるかわからないけど、応援してくれる人が1人でもいたら頑張っちゃうね♪ちょっと北野さーん。』

北野《えっ。なんですかっー?》
清水『私こんな真面目なコメントしっちゃってるけどいいのかしらー。今までのインタビューとかすごいよー(笑)。どうしよー北野さーん。』

と、北野さんに助け舟を出すお茶目な香織さん(笑)。

香織さんのこれからの目標は、年間で二冠をとった女流はまだいないからとりたいことだと言う。

あと3年でプロ歴20年となる香織さん。
会う回数を増すごとに、話せば話すほど惹かれていき、ますます魅力的な存在である。
そんな香織さんと私もいつか、同じ舞台で戦える日がくるまで精進し続けたいと強く思った。

拙い文章になりますが最後までインタビューを読んでくださり、ありがとうございます。

プロ雀士インタビュー/第99回:清水 香織

99
天空麻雀13 女性大会を優勝した清水香織プロ

女流桜花が終わり、新橋の中華料理屋さんにて待ち合わせ。
店内に入ると、女流プロがずらぁり…

99
女流プロリーグ終了後 仲間と食事会

今日のインタビューは賑わいの中(笑)第13回天空麻雀優勝インタビューを、私蒼井ゆりかが務めさせていただきます。

99
99

清水香織さんの周りには、いつも仲間達と笑い声で溢れている。
私自身も、麻雀プロとして、憧れの存在であり大好きな先輩の1人であります。
香織さんは皆さんご存知のとおり姉御肌で、ユーモアがあり、何か人を惹き付ける力を持っている魅力的な存在です。
今回はこのインタビューを通して、香織さんの素顔と魅力を伝えられたらと思います。
蒼井「あらためて、天空麻雀優勝おめでとうございます。」
清水『ありがとうね。すみませーん!レモンサワーください!…すみませーん!』
「笑」
清水『蒼井ちゃんも飲む?お腹空いているでしょ?食べたいもの頼みなね。』
蒼井「はいっ。いただきます。すみませーん!ビールください!」
こんなやりとりを続けることしばしば…
よしっ、乾杯もしたことだし今日の目的でもある、インタビューを始めよう!
蒼井「ではっ、香織さん今日はいっぱい質問しちゃいますが、よろしくお願いします!今回のテレビ対局では、いつもとイメージを変えて、シックな服装で挑んだようですが、何か心境の変化があったのでしょうか?」
清水『あーあれは、仕事人風なイメージでね、仕事人っていっても、必殺仕事人じゃないよ笑。
最近、ずっと成績が悪かったから、鎧を変えて自分に渇を入れてみました(笑)』
と語る普段の香織さんは、
エドハーディとかディーゼルとかクールな服が好きなようです。
清水『普段ね地元では、カッコいい感じのジャージを着たりするんだよね。対局ではね、キチッと完全武装するの(笑)。ぶったぎる!敵からね攻撃を受けてもやられないように、HPの高い服を着るのよね。(笑)』
と、香織さんは強そうな服で気合いをいれるのです。
蒼井「麻雀以外で趣味や好きなことはありますか?」
清水『ずーっと麻雀してきたけど、ゲームや漫画が大好きで、それなしではいられないくらい好きなの。実はね、乙女ゲーも好きだったりするのよ。』
蒼井「えー。意外です!私もゲームと漫画好きです!」
清水『基本的にオタクなのです。ハマッたら一直線(笑)ゲームも漫画もジャンル問わず幅広くやるね~。麻雀もね、入口はゲームと漫画で知って、後はひたすら実践からの十何年だからね』
清水『とりからくう?』
…気配りさんな香織さん(*^^*)
蒼井「では、そろそろ対局について聞かせてもらいます!よろしくお願いします♪」
清水『相手が誰であれ、与えられた状況の中で、ベストを尽くす事を心掛けています。』
この言葉通り、自分の麻雀を貫く香織さん。
決勝は、清水香織プロ、二階堂瑠美プロ、和泉由希子プロ、魚谷侑未プロ というカードとなった。
決勝で、今回の優勝にぐっと近づいたこの1局。

清水『まず現在3着目で、自分の親が落ちたらトップは厳しいよね。カン五筒にとるってことはまずないんだけど、メンタンピンになれば勝負手だから、リスクと見返りを念頭に、放銃したらしょうがないと思える形をつくりたい。精度の高い仕掛けや手作りをする、るみちゃんに警戒しつつも、勝負どころはおさえたかった。』
このアガリをものにして一躍トップに踊りでた。
そして、一騎討ちのこの局。

清水『この時点でるみちゃんとの一騎討ちの気配になっているから、アガられると親番がない私は相当厳しい状況になってしまうよね。六万切りリーチに対して、ドラがらみの周辺を切ることが嫌だったから、中に手をかけたのよ。一歩引く形になった後、テンパイが入ったらリーチをかけることは決めてた。例え愚形でもね。一牌の後先がすごく影響する局面だと感じたから。』
他の女流にはない、押し引きのバランス、攻撃的な姿勢、そして、この勝負勘の鋭さが、香織さんの強さなのだと思う。
こうして、彼女は優勝の栄光を手中におさめた。
蒼井「最後に、私も聞きたいと思っていたことがあって…女流プロの第一人者であり、常に第一線で活躍されていて若手の女流プロから憧れの存在である香織さんですが、年々増えていく女流プロ達に何かアドバイスをいただけたらなぁと(^^)」
清水『いやぁ。そんなたいしたもんはない。んーでも、やりたい事をやりたいようにやればいいんじゃないかなぁ。麻雀のスタイルも自分に悔いのないように自分らしくねっ♪よりたくさんの人と麻雀を打って、日々精進したいよ~♪これから先ね、どこまで頑張れるかわからないけど、応援してくれる人が1人でもいたら頑張っちゃうね♪ちょっと北野さーん。』
北野《えっ。なんですかっー?》
清水『私こんな真面目なコメントしっちゃってるけどいいのかしらー。今までのインタビューとかすごいよー(笑)。どうしよー北野さーん。』
と、北野さんに助け舟を出すお茶目な香織さん(笑)。
香織さんのこれからの目標は、年間で二冠をとった女流はまだいないからとりたいことだと言う。
あと3年でプロ歴20年となる香織さん。
会う回数を増すごとに、話せば話すほど惹かれていき、ますます魅力的な存在である。
そんな香織さんと私もいつか、同じ舞台で戦える日がくるまで精進し続けたいと強く思った。
拙い文章になりますが最後までインタビューを読んでくださり、ありがとうございます。

第81回:岡本和也

201310リレーエッセィ:岡本和也

古橋崇志プロからバトンを頂いた静岡支部の岡本和也と申します。
第27期新人王戦で優勝できたおかげで、このような機会を頂けたことに感謝しております。

まずは、簡単に自己紹介をさせて頂きます。

1981年8月10日生まれの獅子座のA型。
生まれは静岡県浜松市で、社会人になってから3年半の間、東京で働いていました。
現在は静岡県在住で、静岡プロリーグを中心に麻雀活動を行っております。

麻雀に初めて出会ったのは高校時代の部活の合宿中で、同級生の部活仲間が麻雀牌を持ってきたことがきっかけでした。
それまでは「ドンジャラ」すらやったことが無かったため、やり方も全く分からない状態で、トイトイと七対子、三元牌があればアガれるということしか知らずにやっていました。

その後、大学時代にどっぷりと麻雀生活にのめり込んだものの、社会人になってからは初めての一人暮らしに戸惑ったり、仕事に慣れる・覚えることに必死になっており、麻雀から遠ざかっていました。

社会人になってから、ある程度落ち着いてきた頃に、ふと「久しぶりに麻雀を打ちたい」と思った時に訪れたお店に麻雀プロの方が居たことがきっかけでした。
・・・ですが、当時は「四筒四筒六筒六筒八筒八筒という牌姿から何を切る」と問われた場合、「その時の気分で四筒八筒!」と答える位、我流で打っていました(笑)ので、麻雀プロを目指すにあたり、プロの方の戦術書を読んだり、ロン2でプロの対局を見たり、過去のプロ試験の筆記を解いたり等、基礎から勉強をやり直しました。

■プロになってから

静岡プロリーグに参加するようになってから、Aルール(一発・裏ドラなし、30,000点持ちの30,000点返しの変動順位点)の麻雀に苦しみました。
望月支部長を筆頭に、圧倒的に格上の方との対局もそうでしたが、それまでは、巷の「一発・裏ドラ・赤有り」のルールを主体で麻雀をしており、単なる牌効率では打点が上がらなかったり、「30,000点になれば浮くことができる」ということで無理なリーチをかけて大怪我をしたり・・・等。

「プロという肩書が付いたまま麻雀を打っていいものだろうか?」と悩んだ時期もありましたが、プロになって3年目となり、何とか今に至っています(苦笑)

■第27期新人王戦について

3年目のプロまでが出場資格を持つ新人王戦。
今回の第27期は新人王戦の中でも過去最多の128名の参加で、想定以上の人数で急遽対局会場が変更になる程でした。

地方からの参加ということで、初めの4半荘はサブ会場での対局となりました。
1回戦目は何とかトップで無難に終えたものの、2回戦目はノーホーラ(1回もアガリが無い状態)の4着…。

麻雀は大きなミスをしても勝てる時もあれば、何をどう頑張っても負けてしまう時もあります。
負けが確定した状態でも、いかに傷口を浅くするかを考えながら戦うことはできます。

「アガれないものは仕方がない」、そう気持ちを切り替え、3回戦は2着、4回戦は1着の約43Pで予選通過となりました。

5回戦はぎりぎり浮きの3着、そして6回戦では決勝で戦うこととなる清水哲也プロとの対局でした。
清水プロは面前・仕掛けのバランスが良く、東場の親で6,000オールのアガリをしたり、東場を終えた時点で50,000点を越えるトップ。かたや自分は、18,000点程のノーホーラ(また!)状態。
そのような状態でしたが、南場の親番で6,000オールのアガリ等で清水プロをかわし何とか1着となりました。

決勝進出が決まる7回戦目では、同じ静岡支部の坪井哲也プロと対局でした。
7回戦開始時点では+74.4Pの総合6位に付けており、決勝進出には大トップが条件でしたが、「決勝卓で戦ってみたい!」その気持ちに手牌が同調してくれたのか、順位点込みで+25.6Pのトップを取り、滑り込みで決勝進出となりました。

■新人王戦決勝戦

決勝はポイント持ち越しなしリセットしての2半荘勝負ということもあり、先行有利の戦いでした。
初めての決勝ということもあり、自分の打牌が記録に残ることも去ることながら、大勢の方に観られながら打つことに緊張しました。

「何でこんな人が決勝に残っているんだろう?」
「そこは○○切りの方が良いんじゃない?」

初めのうちは、そんなことを考えながら恐る恐る戦っていましたが、「今の自分の力で打つだけだ!」と心に決めてからは、普段以上に卓に集中していました。
対局者の所作・動作、河からの情報、仕掛けの打点、危険な牌等…、スポーツで言われる「ゾーン」に入り込んでいたんだと思います。

東2局2本場 親:三浦智博プロ
13巡目に清水プロの五万をチーしてのカン三筒のテンパイ。

二万二万二筒四筒六筒七筒八筒  チー五万六万七万  ポン七索七索七索  ドラ七万

ピンズの高い場況で、私も以下の牌姿の1シャンテン。

三万三万七万五索六索六索三筒五筒五筒八筒八筒九筒九筒

「ドラ七が引ければ打五索のヤミテンかな」と思っていた所、三浦プロのチーによりドラ七万が流れたものの、最終的に三筒待ちの七対子テンパイをするも三浦プロに三筒をツモられてしまう。

三筒はこっちもアガリ!」と思う反面、前局からの当たり牌の残り方、引き具合で自分の状態は悪いと確信しました。

その後、東4局0本場、東4局1本場、親番である南1局0本場の計3連続放銃となりましたが、静岡支部で諸先輩方に痛め付けられている(苦笑)おかげか、持点もそこまで減っておらず精神的にもまだまだ戦える状態でした。ただ「流れを変えるきっかけを見つけないと!」とは思っていました。
結局、1回戦が終わった時点で私の1人沈みとなりましたが、2回戦目に大きなツモアガリをすればまだまだ戦えるという気持ちと、「あとはぎりぎりまで前に出るだけだ」と気持ちを切り替えて2回戦に突入しました。

2回戦:東3局1本場 親:岡本 
前局にタンヤオドラ2の5,800点をアガることができ、次は十分4,000オールを狙える以下の牌姿。

二万三万四万四万六万七索一筒二筒三筒四筒六筒白白  ツモ五万

3巡目という早い段階だったため、手広く受けたつもりの打一筒を選択するも次巡ツモ白
この牌姿については色々な場面で取り上げて頂いたため、これ以上は割愛させて頂きますが、この1局からでも自分の未熟さを痛感しました。

新人王戦優勝特別インタビュー2回戦のオーラス、不恰好ながらも役牌のシングルバックの仕掛けになりましたが、大久保プロからアガリ牌である中が打たれ、1回戦1人沈みからの逆転優勝をすることができました。

■その後・・・

新人王戦で優勝してからだいぶ日が経ちましたが、優勝した実感はまだぼんやりとしたものでしかありません。
麻雀プロになった時もそうでしたが、タイトルを取ったからいいのではなく、新人王戦を勝ち取った結果、今後どうしていくのかが大切です。

今後は1人でも多くの方に応援して頂けるよう、また1人でも多くの方が「ステキな麻雀生活」を送れるよう精進していく所存ですので、これからもどうぞよろしくお願い致します。

次のバトンは、最強戦の全日本プロ代表決定戦で決勝まで進んだ河井保国プロにバトンを渡したいと思います。
河井プロよろしくお願い致します!

リレーエッセィ/第81回:岡本和也

201310リレーエッセィ:岡本和也
古橋崇志プロからバトンを頂いた静岡支部の岡本和也と申します。
第27期新人王戦で優勝できたおかげで、このような機会を頂けたことに感謝しております。
まずは、簡単に自己紹介をさせて頂きます。
1981年8月10日生まれの獅子座のA型。
生まれは静岡県浜松市で、社会人になってから3年半の間、東京で働いていました。
現在は静岡県在住で、静岡プロリーグを中心に麻雀活動を行っております。
麻雀に初めて出会ったのは高校時代の部活の合宿中で、同級生の部活仲間が麻雀牌を持ってきたことがきっかけでした。
それまでは「ドンジャラ」すらやったことが無かったため、やり方も全く分からない状態で、トイトイと七対子、三元牌があればアガれるということしか知らずにやっていました。
その後、大学時代にどっぷりと麻雀生活にのめり込んだものの、社会人になってからは初めての一人暮らしに戸惑ったり、仕事に慣れる・覚えることに必死になっており、麻雀から遠ざかっていました。
社会人になってから、ある程度落ち着いてきた頃に、ふと「久しぶりに麻雀を打ちたい」と思った時に訪れたお店に麻雀プロの方が居たことがきっかけでした。
・・・ですが、当時は「四筒四筒六筒六筒八筒八筒という牌姿から何を切る」と問われた場合、「その時の気分で四筒八筒!」と答える位、我流で打っていました(笑)ので、麻雀プロを目指すにあたり、プロの方の戦術書を読んだり、ロン2でプロの対局を見たり、過去のプロ試験の筆記を解いたり等、基礎から勉強をやり直しました。
■プロになってから
静岡プロリーグに参加するようになってから、Aルール(一発・裏ドラなし、30,000点持ちの30,000点返しの変動順位点)の麻雀に苦しみました。
望月支部長を筆頭に、圧倒的に格上の方との対局もそうでしたが、それまでは、巷の「一発・裏ドラ・赤有り」のルールを主体で麻雀をしており、単なる牌効率では打点が上がらなかったり、「30,000点になれば浮くことができる」ということで無理なリーチをかけて大怪我をしたり・・・等。
「プロという肩書が付いたまま麻雀を打っていいものだろうか?」と悩んだ時期もありましたが、プロになって3年目となり、何とか今に至っています(苦笑)
■第27期新人王戦について
3年目のプロまでが出場資格を持つ新人王戦。
今回の第27期は新人王戦の中でも過去最多の128名の参加で、想定以上の人数で急遽対局会場が変更になる程でした。
地方からの参加ということで、初めの4半荘はサブ会場での対局となりました。
1回戦目は何とかトップで無難に終えたものの、2回戦目はノーホーラ(1回もアガリが無い状態)の4着…。
麻雀は大きなミスをしても勝てる時もあれば、何をどう頑張っても負けてしまう時もあります。
負けが確定した状態でも、いかに傷口を浅くするかを考えながら戦うことはできます。
「アガれないものは仕方がない」、そう気持ちを切り替え、3回戦は2着、4回戦は1着の約43Pで予選通過となりました。
5回戦はぎりぎり浮きの3着、そして6回戦では決勝で戦うこととなる清水哲也プロとの対局でした。
清水プロは面前・仕掛けのバランスが良く、東場の親で6,000オールのアガリをしたり、東場を終えた時点で50,000点を越えるトップ。かたや自分は、18,000点程のノーホーラ(また!)状態。
そのような状態でしたが、南場の親番で6,000オールのアガリ等で清水プロをかわし何とか1着となりました。
決勝進出が決まる7回戦目では、同じ静岡支部の坪井哲也プロと対局でした。
7回戦開始時点では+74.4Pの総合6位に付けており、決勝進出には大トップが条件でしたが、「決勝卓で戦ってみたい!」その気持ちに手牌が同調してくれたのか、順位点込みで+25.6Pのトップを取り、滑り込みで決勝進出となりました。
■新人王戦決勝戦
決勝はポイント持ち越しなしリセットしての2半荘勝負ということもあり、先行有利の戦いでした。
初めての決勝ということもあり、自分の打牌が記録に残ることも去ることながら、大勢の方に観られながら打つことに緊張しました。
「何でこんな人が決勝に残っているんだろう?」
「そこは○○切りの方が良いんじゃない?」
初めのうちは、そんなことを考えながら恐る恐る戦っていましたが、「今の自分の力で打つだけだ!」と心に決めてからは、普段以上に卓に集中していました。
対局者の所作・動作、河からの情報、仕掛けの打点、危険な牌等…、スポーツで言われる「ゾーン」に入り込んでいたんだと思います。
東2局2本場 親:三浦智博プロ
13巡目に清水プロの五万をチーしてのカン三筒のテンパイ。
二万二万二筒四筒六筒七筒八筒  チー五万六万七万  ポン七索七索七索  ドラ七万
ピンズの高い場況で、私も以下の牌姿の1シャンテン。
三万三万七万五索六索六索三筒五筒五筒八筒八筒九筒九筒
「ドラ七が引ければ打五索のヤミテンかな」と思っていた所、三浦プロのチーによりドラ七万が流れたものの、最終的に三筒待ちの七対子テンパイをするも三浦プロに三筒をツモられてしまう。
三筒はこっちもアガリ!」と思う反面、前局からの当たり牌の残り方、引き具合で自分の状態は悪いと確信しました。
その後、東4局0本場、東4局1本場、親番である南1局0本場の計3連続放銃となりましたが、静岡支部で諸先輩方に痛め付けられている(苦笑)おかげか、持点もそこまで減っておらず精神的にもまだまだ戦える状態でした。ただ「流れを変えるきっかけを見つけないと!」とは思っていました。
結局、1回戦が終わった時点で私の1人沈みとなりましたが、2回戦目に大きなツモアガリをすればまだまだ戦えるという気持ちと、「あとはぎりぎりまで前に出るだけだ」と気持ちを切り替えて2回戦に突入しました。
2回戦:東3局1本場 親:岡本 
前局にタンヤオドラ2の5,800点をアガることができ、次は十分4,000オールを狙える以下の牌姿。
二万三万四万四万六万七索一筒二筒三筒四筒六筒白白  ツモ五万
3巡目という早い段階だったため、手広く受けたつもりの打一筒を選択するも次巡ツモ白
この牌姿については色々な場面で取り上げて頂いたため、これ以上は割愛させて頂きますが、この1局からでも自分の未熟さを痛感しました。
新人王戦優勝特別インタビュー2回戦のオーラス、不恰好ながらも役牌のシングルバックの仕掛けになりましたが、大久保プロからアガリ牌である中が打たれ、1回戦1人沈みからの逆転優勝をすることができました。
■その後・・・
新人王戦で優勝してからだいぶ日が経ちましたが、優勝した実感はまだぼんやりとしたものでしかありません。
麻雀プロになった時もそうでしたが、タイトルを取ったからいいのではなく、新人王戦を勝ち取った結果、今後どうしていくのかが大切です。
今後は1人でも多くの方に応援して頂けるよう、また1人でも多くの方が「ステキな麻雀生活」を送れるよう精進していく所存ですので、これからもどうぞよろしくお願い致します。
次のバトンは、最強戦の全日本プロ代表決定戦で決勝まで進んだ河井保国プロにバトンを渡したいと思います。
河井プロよろしくお願い致します!

第3期 宇都宮リーグ 準決勝&決勝レポート

昨年の春より始まったこの宇都宮リーグ。早くも今日、第3期目の決勝を迎えた。
今期は第1期、第2期のチャンピオンが揃って準決勝へとコマを進めた。この2名はアマチュア選手である。
今期は準決勝にアマチュア選手が5名、プロが3名。普段からAルールには打ちなれているはずのプロがリーグ戦で負けてしまったのだ。それだけ今期の参加者のレベルが高かったということだろうか。
負けてこのレポートを書いている自分がいうと言い訳のようになってしまうが、実際にリーグ戦はレベルの高い内容だったと思う。それだけに、今回も準決勝からハイレベルな闘牌が期待できる。
自分もレポーターとして楽しみである。

前置きが長くなってしまったが、まずは各選手を戦前のコメントと共に紹介していこう。(敬称略)

1位通過 町野高司
「運の爆発に期待します」
本人は運と言っているが、予選のリーグ戦は運だけでは勝てない。実力が伴っての堂々1位通過である。

2位通過 黒木聡太
「最後まで頑張ります」
今回最年少の大学生。第1期のファイナリストでもある。大学では麻雀サークルに所属する宇都宮期待の星である。

3位通過 弓削雅人プロ 28期生
「前回準決勝はノーホーラでしたが、今回はがんばりたいです」
プロ連盟に入会した第2期目から参加し2回とも準決勝進出。また先日の高崎でのプロアマリーグでも決勝に残っており、今回も決勝を狙う。まだ21歳という若さの北関東支部の若手ホープ。

4位通過 桧山拓
「まずは決勝に残れるように頑張ります」
第2期のチャンピオン。予選最終節はマイナスできないポジションだったが、持ち味の粘り強い麻雀でポイントを伸ばし準決勝進出。本人も連覇を強く意識していることだろう。

5位通過 須長正和プロ 18期生
「決勝にいかないことには始まらないので、まずはそこからです」
前回は準決勝で敗退。事務局長として北関東を支える縁の下の力持ち。前回の雪辱に燃える。

6位通過 佐々木浩行
「優勝を目指します」
今回最年長の打ち手。初参加での準決勝進出はお見事。熟練の麻雀力で決勝進出なるか。

7位通過 中津真吾
「来週のためにも優勝します」
第1期のチャンピオン。一週間後にプロ連盟の受験を控えやる気は十分。2度目の優勝なるか。

8位通過 吉田幸雄 5期生 北関東支部長
「勝つつもりできたけど」
これまで北関東支部のタイトル戦で何度も決勝に残ってきた。しかし優勝はまだない。おそらく一番勝ちたいと思っているのではないか。実績、実力共に大本命であろう。

正直この中で誰が勝ってもおかしくはない。多数のプロが参加する中、リーグ戦を勝ち抜いたアマチュア5名。そして今年の十段戦では揃って九段戦Sまで勝ち残ったプロ3名。
この強者たちの戦いを一番間近で見られることが打ち手としても楽しみである。

それでは準決勝の模様からお伝えしていこう。

準決勝、1、3、5、7位と2、4、6、8位の2卓に別れて3回戦を行い、上位2名が決勝進出となる。

 

A卓 町野×弓削×須長×中津

1回戦。弓削が3,900オールをアガリ一歩抜け出すも町野さんが南場で捲って逃げ切り。

2回戦。初戦ラスだった中津さんが奮起してトップ。2着に町野さんで、町野さんが一歩抜け出す。
2番手争いは、3人が10.4Pポイント差の接戦となる。

3回戦。南場の親番で粘った中津さんが町野さんも捲って首位に立つ。弓削、須長共に食らいついていくが及ばず。プロが2人揃って負けてしまった。

決勝進出 中津さん、町野さん

 

B卓 黒木×桧山×佐々木×吉田

1回戦。オーラスで吉田が大爆発。接戦からあっという間に80,000点オーバー。
時間打ち切りがなかったら何点までいったことやら。早くも当確ランプが点灯。

2回戦。吉田が連勝するのだが、桧山さん、佐々木さんも浮きにまわる。
やや離された黒木さんは最終戦での爆発にかける。

3回戦。2番手争いは佐々木さんが9.9Pリード。東場で佐々木さんが桧山さんから2回の5,200直撃で優位に立つ。しかし、南場で桧山さんが佐々木さんから9,600直撃。さらに2,600オールツモで佐々木さんを逆転する。
そしてオーラス、黒木さんは連荘を目指し、佐々木さんは満貫ツモまたは3,200の直撃条件となるが、最後は吉田がアガリきり桧山さんが2番手で勝ち上がり。

決勝進出 吉田プロ、桧山さん

こうして決勝進出者が決まったのだが、前回に続きプロ1人アマチュア3人の戦いとなった。第1期チャンピオンの中津さん、第2期チャンピオンの桧山さん、そして予選リーグ1位の町野さん、そして北関東支部長・吉田幸雄プロ。支部長、そしてプロの意地を見せられるのか。それとも2人のチャンピオンが2度目の王座に就くのか、はたまた新チャンピオンの誕生か。
20分ほどの休憩をはさみ大激戦の決勝が始まった。

 

決勝戦

1回戦 (中津、桧山、吉田、町野)

東1局、親の中津さんの配牌がいい。

一万一万三万四万四万五万八万八万九万九万七索八索九索三筒  ドラ東

まずは三筒を切り出す。すぐに九筒をポンしてソーズの面子を崩していく。かなり積極的な仕掛けだ。今日の気合いが麻雀にも出ているようだ。しかしこの仕掛けには3人が対応してテンパイ止まり。

1本場、この決勝戦の初アガリは桧山さん。
親の中津さんとのリーチ合戦を制し3,000・6,000。

中津
四万五万六万一索一索三索三索三索五筒五筒六筒六筒六筒 リーチ
桧山
三万四万五万四索四索五索六索七索三筒四筒五筒七筒八筒 リーチツモ六筒 ドラ四索

暗刻の高目をツモられて、親かぶりの中津さんの心中やいかに。

東2局、気分よく親番を迎えた桧山さん。それに待ったをかけるは町野さん。
ドラがトイツの好配牌から暗刻にして気分よくリーチ

二万三万四万五万六万七万四索四索五筒五筒五筒白白 リーチ

親の桧山さんも

三万三万四万五万六万八万一索三索六索七索九索四筒五筒南

この配牌を

三万三万四万五万六万五索六索七索三筒四筒五筒六筒七筒

この形に仕上げてリーチ。
この勝負は桧山さんが最後のツモで白を掴んで町野さんに軍配。

この後、横移動が続き1人置き去りにされる吉田プロ。辛抱、忍耐の麻雀で失点は最小限に抑えてはいるものの、オーラスを迎えてこの点棒状況。

中津 31,600
桧山 31,800
吉田 21,300
町野 35,300

1人沈みは免れたい吉田。逆転トップで勢いをつけたい中津さん、桧山さん。親番の町野さんはさらにポイントを伸ばしたいところ。

この大事なオーラスで先手を取ったのは現状1人沈みの吉田。ドラドラのカンチャンで即リーチである。中津さんから出アガリ以外は後からリーチ棒が出ない限りツモっても浮かないし4着のままのリーチなのだが、4回戦あるこの決勝戦で大きく離されなければいつでもチャンスがあるとふんでのリーチであろう。
結果は桧山さんから5,200。

最高の結果には至らなかったが、ここはこれで良しといったところか。終了後の吉田の顔からもそれが伺える。

一回戦終了時
町野+13.3P 中津+5.6P 桧山▲7.4P 吉田▲11.5P

2回戦 (中津、吉田、町野、桧山)

流局を挟んで親の中津さんが1,500は1,800、3,900は4,100オールと点棒を積み上げる。
3本場では町野さんがドラドラのリーチ。これを受けて親の中津さんは一度トイツ落としで回るのだが役なしのフリテンテンパイでワンチャンスの無スジを押す。しかしこれが町野さんの5,200に御用。
本人も対局後にこの放銃を悔やんでいた。一度引いた局面で中途半端に押しての放銃である。麻雀の神様は中途半端は許してくれないのだ。

東2局では親の吉田の手順が光る。
こんな配牌だったのだが

四万四万五万八万九万一索二索三索五索五索六索六筒八筒西 ドラ九索

六万七索八万と引き入れカン七筒でテンパイ一番乗り。
もちろんこの時点で役なしである。ここに四索を引いてタンヤオになる。ここで桧山さんのリーチを受けるのだが、さらに四索を引き七索と入れ換え、五筒を引いて八筒切りリーチ。そして当然のように一発ツモ。吉田の手元には七筒。あれ?四筒引くところでしょ。

四万五万六万八万八万二索三索四索四索五索六索五筒六筒 リーチツモ七筒

この時応援に駆けつけてくれた北関東プロアマリーグを制した西尾さんや、桝井さん、久保プロを含めギャラリーも多くいたのだが、吉田の席の後ろは観戦するには狭くなっており後ろにはだれもいなかった。この手順を知っているのはレポーターである自分と吉田本人だけである。開かれた手牌を見ただけでも「七筒?」という感じだが、この手順を知っている吉田と自分はなおさら感じてしまう。実際に吉田も「なんであれが七筒なんだべ」と首をかしげていた。

この後吉田は、2,900は3,200をアガリ、トップ目に立つのだかいまいち波に乗りきれない。南場に入りノーミスでテンパイした桧山さんの七対子ドラドラに自然な形で放銃となってしまう。南2局の親もあっさり700,1300で蹴られてしまい、南3局では桧山さんに3,900。
オーラスを迎えた時には32,500点と浮いてはいるものの3着目。そのオーラスは中津さんが1,300,2,600。吉田にとってはなんとも煮え切らない半荘となってしまった。

2回戦
中津+19.8P 桧山+5.1P 吉田+1.2P 町野▲26.1P

2回戦終了時
中津+25.4P 桧山▲2.3P 吉田▲10.3P 町野▲12.8P

3回戦 (中津、町野、吉田、桧山)

開局を制したのは町野さん。先ほどの1人沈みを取り返すべく、2,000・3,900。

親番では吉田の三暗刻ドラ3のテンパイを掻い潜っての2,000。本人は知るよしもないが観戦しているものから見れば点棒以上の価値があるアガリである。
こうなると自然と風も吹いてくる。

オーラスまで大きな失点もなく現状トップ目に立つ中津さんを沈めたまま終わらすことができれば優勝もグッと近づいてくる。

そのオーラスの点棒状況は

中津 27,100
町野 37,800
吉田 30,400
桧山 24,700

吉田はなんとか中津さんを沈めたまま加点しておきたい。町野さんは吉田も沈めて1人浮きが理想。中津さんは浮きに回れば最終戦は大きなアドバンテージを得ることができる。桧山さんは何とか親で連荘して最終戦につなげたい。

その思い思いのオーラスは中津さんが制する。
まずは桧山さんが先制リーチ。

一万二万三万七万八万九万六索七索八索四筒四筒東東 リーチ ドラ四索

これを受けた中津さんに選択肢。
ダブ南か不確定のタンヤオか?

二万三万四万五万六万二索三索四索七索七索五筒六筒六筒南南

リーチ棒が出たので2,000点でも浮きになる。
中津さんの選択は打南。これが吉。すぐに六筒をポンして四万ツモの500・1,000。

違う選択をしたらどうなっていたのだろうか?まだ山に眠る南を堀当てもっと高い打点になり、トップになっていたかもしれない。逆に桧山さんにアガられて4着に落ちていたかもしれない。ただ中津さんの選択は最速のアガリをものにし吉田を3着に沈めて自分は浮きの2着になるという結果を得たのだ。そして大きな大きなアドバンテージを持って最終戦を迎えることとなる。

しかしこのあとまさかの大波乱が待っていようとは誰が想像できたであろうか?

3回戦
町野+15.3P 中津+4.1P 吉田▲4.1P 桧山▲15.3P

3回戦終了時
中津+29.5P 町野+2.5P 吉田▲14.4P 桧山▲17.6P

最終戦 (町野、吉田、桧山、中津)

泣いても笑ってもこれが最終戦。追う3者にとってはわずか1半荘。逃げる者にとっては長い長い1半荘。
戦っている選手たちはどう感じているだろうか?

まずは逃げる者が先手をとる。中津さんが町野さんから2,000。
追う者は少しずつ追い詰められていく。しかし逃げる中津さんに試練が訪れる。

東2局1本場では町野さんが2,100・4,100。
東3局では親の桧山さんが4,000オール、2,100オール。
この時点ではまだリードは保っている。

そして2本場。
失った点棒を取り返すべく中津さんのリーチ。

七万八万一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒北北 リーチ ドラ西

ここに吉田、このテンパイで追い付く

二万三万三万六万六万八万八万三筒四筒四筒六筒六筒西西

この状況で吉田がオリることはないだろう。あとはどちらで待つか?リーチを打つのか?
どの選択も中津さんのリーチに通る保証はない。
吉田はノータイムで牌を横にして三筒を河に置く。すると中津さんが二万を掴む。

この時点で吉田も浮きに回り、1人沈みとなった中津さんは町野さん、桧山さんに捲られてしまう。しかしまだ接戦。先頭に立った桧山さんと最後方の吉田のポイント差は約15P。
東4局では、中津さんが

二万四万二索三索四索八索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒 リーチ ドラ五筒

これも不発に終わり、続く1本場は桧山さんが粘って500・1,000をアガリきる。
こんな状況でも冷静に粘れるのが桧山さんの持ち味だ。

そして誰にでもチャンスのある状態で南場に突入する。
南1局では桧山さんが8,000点のアガリ。連覇に近づく。
南2局では親の吉田が仕掛けて役牌ホンイツの7,700を町野さんから。
これで吉田も桧山さんに迫るが1本場は町野さんが1,000・2,000。

そしてオーラスを迎えての条件は、町野さんは2,000・3,900以上のツモアガリ、出アガリなら12,000、直撃なら5,200以上。吉田は12,000以上の直撃、3倍満以上のアガリ。中津さんは桧山さんを逆転するまで親を連荘すればいい。

しかし、桧山さんの粘りの麻雀の前にこの条件が満たされることはなく桧山さんの連覇が決まった。

 

優勝 桧山拓
「今回は吉田プロのおかげです。」
本人は謙遜しているが、粘ってチャンスをモノにした堂々の連覇である。来期ぜひ3連覇を狙ってほしい。

2位 吉田幸雄
「2着ばっかりなので次は優勝します」
前回に続き2位ではあったが、見せ場は十分最後まで期待させるプロらしい麻雀を見せてくれた。

3位 町野高司
「全力でいきましたがダメでした」
初の決勝の舞台で、最後まで諦めず戦う姿勢を見せてくれた。またこの決勝に帰って来てほしい。

4位 中津真吾
「今回は勉強になりました」
最後は4位であったが一番頂に近い所を走っていたのも彼である。
最終戦で崩れてしまったが、この経験を次週の試験でも活かしてほしい。

桧山さんおめでとうございます。次は自分もこの決勝に残りたいと強く思わせていただきました。
また素晴らしい対局を見せてくれた選手の皆さんありがとうございました。

北関東プロリーグ レポート/第3期 宇都宮リーグ 準決勝&決勝レポート

昨年の春より始まったこの宇都宮リーグ。早くも今日、第3期目の決勝を迎えた。
今期は第1期、第2期のチャンピオンが揃って準決勝へとコマを進めた。この2名はアマチュア選手である。
今期は準決勝にアマチュア選手が5名、プロが3名。普段からAルールには打ちなれているはずのプロがリーグ戦で負けてしまったのだ。それだけ今期の参加者のレベルが高かったということだろうか。
負けてこのレポートを書いている自分がいうと言い訳のようになってしまうが、実際にリーグ戦はレベルの高い内容だったと思う。それだけに、今回も準決勝からハイレベルな闘牌が期待できる。
自分もレポーターとして楽しみである。
前置きが長くなってしまったが、まずは各選手を戦前のコメントと共に紹介していこう。(敬称略)
1位通過 町野高司
「運の爆発に期待します」
本人は運と言っているが、予選のリーグ戦は運だけでは勝てない。実力が伴っての堂々1位通過である。
2位通過 黒木聡太
「最後まで頑張ります」
今回最年少の大学生。第1期のファイナリストでもある。大学では麻雀サークルに所属する宇都宮期待の星である。
3位通過 弓削雅人プロ 28期生
「前回準決勝はノーホーラでしたが、今回はがんばりたいです」
プロ連盟に入会した第2期目から参加し2回とも準決勝進出。また先日の高崎でのプロアマリーグでも決勝に残っており、今回も決勝を狙う。まだ21歳という若さの北関東支部の若手ホープ。
4位通過 桧山拓
「まずは決勝に残れるように頑張ります」
第2期のチャンピオン。予選最終節はマイナスできないポジションだったが、持ち味の粘り強い麻雀でポイントを伸ばし準決勝進出。本人も連覇を強く意識していることだろう。
5位通過 須長正和プロ 18期生
「決勝にいかないことには始まらないので、まずはそこからです」
前回は準決勝で敗退。事務局長として北関東を支える縁の下の力持ち。前回の雪辱に燃える。
6位通過 佐々木浩行
「優勝を目指します」
今回最年長の打ち手。初参加での準決勝進出はお見事。熟練の麻雀力で決勝進出なるか。
7位通過 中津真吾
「来週のためにも優勝します」
第1期のチャンピオン。一週間後にプロ連盟の受験を控えやる気は十分。2度目の優勝なるか。
8位通過 吉田幸雄 5期生 北関東支部長
「勝つつもりできたけど」
これまで北関東支部のタイトル戦で何度も決勝に残ってきた。しかし優勝はまだない。おそらく一番勝ちたいと思っているのではないか。実績、実力共に大本命であろう。
正直この中で誰が勝ってもおかしくはない。多数のプロが参加する中、リーグ戦を勝ち抜いたアマチュア5名。そして今年の十段戦では揃って九段戦Sまで勝ち残ったプロ3名。
この強者たちの戦いを一番間近で見られることが打ち手としても楽しみである。
それでは準決勝の模様からお伝えしていこう。
準決勝、1、3、5、7位と2、4、6、8位の2卓に別れて3回戦を行い、上位2名が決勝進出となる。
 
A卓 町野×弓削×須長×中津
1回戦。弓削が3,900オールをアガリ一歩抜け出すも町野さんが南場で捲って逃げ切り。
2回戦。初戦ラスだった中津さんが奮起してトップ。2着に町野さんで、町野さんが一歩抜け出す。
2番手争いは、3人が10.4Pポイント差の接戦となる。
3回戦。南場の親番で粘った中津さんが町野さんも捲って首位に立つ。弓削、須長共に食らいついていくが及ばず。プロが2人揃って負けてしまった。
決勝進出 中津さん、町野さん
 
B卓 黒木×桧山×佐々木×吉田
1回戦。オーラスで吉田が大爆発。接戦からあっという間に80,000点オーバー。
時間打ち切りがなかったら何点までいったことやら。早くも当確ランプが点灯。
2回戦。吉田が連勝するのだが、桧山さん、佐々木さんも浮きにまわる。
やや離された黒木さんは最終戦での爆発にかける。
3回戦。2番手争いは佐々木さんが9.9Pリード。東場で佐々木さんが桧山さんから2回の5,200直撃で優位に立つ。しかし、南場で桧山さんが佐々木さんから9,600直撃。さらに2,600オールツモで佐々木さんを逆転する。
そしてオーラス、黒木さんは連荘を目指し、佐々木さんは満貫ツモまたは3,200の直撃条件となるが、最後は吉田がアガリきり桧山さんが2番手で勝ち上がり。
決勝進出 吉田プロ、桧山さん
こうして決勝進出者が決まったのだが、前回に続きプロ1人アマチュア3人の戦いとなった。第1期チャンピオンの中津さん、第2期チャンピオンの桧山さん、そして予選リーグ1位の町野さん、そして北関東支部長・吉田幸雄プロ。支部長、そしてプロの意地を見せられるのか。それとも2人のチャンピオンが2度目の王座に就くのか、はたまた新チャンピオンの誕生か。
20分ほどの休憩をはさみ大激戦の決勝が始まった。
 
決勝戦
1回戦 (中津、桧山、吉田、町野)
東1局、親の中津さんの配牌がいい。
一万一万三万四万四万五万八万八万九万九万七索八索九索三筒  ドラ東
まずは三筒を切り出す。すぐに九筒をポンしてソーズの面子を崩していく。かなり積極的な仕掛けだ。今日の気合いが麻雀にも出ているようだ。しかしこの仕掛けには3人が対応してテンパイ止まり。
1本場、この決勝戦の初アガリは桧山さん。
親の中津さんとのリーチ合戦を制し3,000・6,000。
中津
四万五万六万一索一索三索三索三索五筒五筒六筒六筒六筒 リーチ
桧山
三万四万五万四索四索五索六索七索三筒四筒五筒七筒八筒 リーチツモ六筒 ドラ四索
暗刻の高目をツモられて、親かぶりの中津さんの心中やいかに。
東2局、気分よく親番を迎えた桧山さん。それに待ったをかけるは町野さん。
ドラがトイツの好配牌から暗刻にして気分よくリーチ
二万三万四万五万六万七万四索四索五筒五筒五筒白白 リーチ
親の桧山さんも
三万三万四万五万六万八万一索三索六索七索九索四筒五筒南
この配牌を
三万三万四万五万六万五索六索七索三筒四筒五筒六筒七筒
この形に仕上げてリーチ。
この勝負は桧山さんが最後のツモで白を掴んで町野さんに軍配。
この後、横移動が続き1人置き去りにされる吉田プロ。辛抱、忍耐の麻雀で失点は最小限に抑えてはいるものの、オーラスを迎えてこの点棒状況。
中津 31,600
桧山 31,800
吉田 21,300
町野 35,300
1人沈みは免れたい吉田。逆転トップで勢いをつけたい中津さん、桧山さん。親番の町野さんはさらにポイントを伸ばしたいところ。
この大事なオーラスで先手を取ったのは現状1人沈みの吉田。ドラドラのカンチャンで即リーチである。中津さんから出アガリ以外は後からリーチ棒が出ない限りツモっても浮かないし4着のままのリーチなのだが、4回戦あるこの決勝戦で大きく離されなければいつでもチャンスがあるとふんでのリーチであろう。
結果は桧山さんから5,200。
最高の結果には至らなかったが、ここはこれで良しといったところか。終了後の吉田の顔からもそれが伺える。
一回戦終了時
町野+13.3P 中津+5.6P 桧山▲7.4P 吉田▲11.5P
2回戦 (中津、吉田、町野、桧山)
流局を挟んで親の中津さんが1,500は1,800、3,900は4,100オールと点棒を積み上げる。
3本場では町野さんがドラドラのリーチ。これを受けて親の中津さんは一度トイツ落としで回るのだが役なしのフリテンテンパイでワンチャンスの無スジを押す。しかしこれが町野さんの5,200に御用。
本人も対局後にこの放銃を悔やんでいた。一度引いた局面で中途半端に押しての放銃である。麻雀の神様は中途半端は許してくれないのだ。
東2局では親の吉田の手順が光る。
こんな配牌だったのだが
四万四万五万八万九万一索二索三索五索五索六索六筒八筒西 ドラ九索
六万七索八万と引き入れカン七筒でテンパイ一番乗り。
もちろんこの時点で役なしである。ここに四索を引いてタンヤオになる。ここで桧山さんのリーチを受けるのだが、さらに四索を引き七索と入れ換え、五筒を引いて八筒切りリーチ。そして当然のように一発ツモ。吉田の手元には七筒。あれ?四筒引くところでしょ。
四万五万六万八万八万二索三索四索四索五索六索五筒六筒 リーチツモ七筒
この時応援に駆けつけてくれた北関東プロアマリーグを制した西尾さんや、桝井さん、久保プロを含めギャラリーも多くいたのだが、吉田の席の後ろは観戦するには狭くなっており後ろにはだれもいなかった。この手順を知っているのはレポーターである自分と吉田本人だけである。開かれた手牌を見ただけでも「七筒?」という感じだが、この手順を知っている吉田と自分はなおさら感じてしまう。実際に吉田も「なんであれが七筒なんだべ」と首をかしげていた。
この後吉田は、2,900は3,200をアガリ、トップ目に立つのだかいまいち波に乗りきれない。南場に入りノーミスでテンパイした桧山さんの七対子ドラドラに自然な形で放銃となってしまう。南2局の親もあっさり700,1300で蹴られてしまい、南3局では桧山さんに3,900。
オーラスを迎えた時には32,500点と浮いてはいるものの3着目。そのオーラスは中津さんが1,300,2,600。吉田にとってはなんとも煮え切らない半荘となってしまった。
2回戦
中津+19.8P 桧山+5.1P 吉田+1.2P 町野▲26.1P
2回戦終了時
中津+25.4P 桧山▲2.3P 吉田▲10.3P 町野▲12.8P
3回戦 (中津、町野、吉田、桧山)
開局を制したのは町野さん。先ほどの1人沈みを取り返すべく、2,000・3,900。
親番では吉田の三暗刻ドラ3のテンパイを掻い潜っての2,000。本人は知るよしもないが観戦しているものから見れば点棒以上の価値があるアガリである。
こうなると自然と風も吹いてくる。
オーラスまで大きな失点もなく現状トップ目に立つ中津さんを沈めたまま終わらすことができれば優勝もグッと近づいてくる。
そのオーラスの点棒状況は
中津 27,100
町野 37,800
吉田 30,400
桧山 24,700
吉田はなんとか中津さんを沈めたまま加点しておきたい。町野さんは吉田も沈めて1人浮きが理想。中津さんは浮きに回れば最終戦は大きなアドバンテージを得ることができる。桧山さんは何とか親で連荘して最終戦につなげたい。
その思い思いのオーラスは中津さんが制する。
まずは桧山さんが先制リーチ。
一万二万三万七万八万九万六索七索八索四筒四筒東東 リーチ ドラ四索
これを受けた中津さんに選択肢。
ダブ南か不確定のタンヤオか?
二万三万四万五万六万二索三索四索七索七索五筒六筒六筒南南
リーチ棒が出たので2,000点でも浮きになる。
中津さんの選択は打南。これが吉。すぐに六筒をポンして四万ツモの500・1,000。
違う選択をしたらどうなっていたのだろうか?まだ山に眠る南を堀当てもっと高い打点になり、トップになっていたかもしれない。逆に桧山さんにアガられて4着に落ちていたかもしれない。ただ中津さんの選択は最速のアガリをものにし吉田を3着に沈めて自分は浮きの2着になるという結果を得たのだ。そして大きな大きなアドバンテージを持って最終戦を迎えることとなる。
しかしこのあとまさかの大波乱が待っていようとは誰が想像できたであろうか?
3回戦
町野+15.3P 中津+4.1P 吉田▲4.1P 桧山▲15.3P
3回戦終了時
中津+29.5P 町野+2.5P 吉田▲14.4P 桧山▲17.6P
最終戦 (町野、吉田、桧山、中津)
泣いても笑ってもこれが最終戦。追う3者にとってはわずか1半荘。逃げる者にとっては長い長い1半荘。
戦っている選手たちはどう感じているだろうか?
まずは逃げる者が先手をとる。中津さんが町野さんから2,000。
追う者は少しずつ追い詰められていく。しかし逃げる中津さんに試練が訪れる。
東2局1本場では町野さんが2,100・4,100。
東3局では親の桧山さんが4,000オール、2,100オール。
この時点ではまだリードは保っている。
そして2本場。
失った点棒を取り返すべく中津さんのリーチ。
七万八万一索二索三索六索七索八索六筒七筒八筒北北 リーチ ドラ西
ここに吉田、このテンパイで追い付く
二万三万三万六万六万八万八万三筒四筒四筒六筒六筒西西
この状況で吉田がオリることはないだろう。あとはどちらで待つか?リーチを打つのか?
どの選択も中津さんのリーチに通る保証はない。
吉田はノータイムで牌を横にして三筒を河に置く。すると中津さんが二万を掴む。
この時点で吉田も浮きに回り、1人沈みとなった中津さんは町野さん、桧山さんに捲られてしまう。しかしまだ接戦。先頭に立った桧山さんと最後方の吉田のポイント差は約15P。
東4局では、中津さんが
二万四万二索三索四索八索八索二筒三筒四筒五筒六筒七筒 リーチ ドラ五筒
これも不発に終わり、続く1本場は桧山さんが粘って500・1,000をアガリきる。
こんな状況でも冷静に粘れるのが桧山さんの持ち味だ。
そして誰にでもチャンスのある状態で南場に突入する。
南1局では桧山さんが8,000点のアガリ。連覇に近づく。
南2局では親の吉田が仕掛けて役牌ホンイツの7,700を町野さんから。
これで吉田も桧山さんに迫るが1本場は町野さんが1,000・2,000。
そしてオーラスを迎えての条件は、町野さんは2,000・3,900以上のツモアガリ、出アガリなら12,000、直撃なら5,200以上。吉田は12,000以上の直撃、3倍満以上のアガリ。中津さんは桧山さんを逆転するまで親を連荘すればいい。
しかし、桧山さんの粘りの麻雀の前にこの条件が満たされることはなく桧山さんの連覇が決まった。
 
優勝 桧山拓
「今回は吉田プロのおかげです。」
本人は謙遜しているが、粘ってチャンスをモノにした堂々の連覇である。来期ぜひ3連覇を狙ってほしい。
2位 吉田幸雄
「2着ばっかりなので次は優勝します」
前回に続き2位ではあったが、見せ場は十分最後まで期待させるプロらしい麻雀を見せてくれた。
3位 町野高司
「全力でいきましたがダメでした」
初の決勝の舞台で、最後まで諦めず戦う姿勢を見せてくれた。またこの決勝に帰って来てほしい。
4位 中津真吾
「今回は勉強になりました」
最後は4位であったが一番頂に近い所を走っていたのも彼である。
最終戦で崩れてしまったが、この経験を次週の試験でも活かしてほしい。
桧山さんおめでとうございます。次は自分もこの決勝に残りたいと強く思わせていただきました。
また素晴らしい対局を見せてくれた選手の皆さんありがとうございました。

第8期女流桜花 第5節レポート

tri tri

第8期女流桜花も、いよいよ最終節(第5節)を迎えることになりました。
プレーオフへのチケットはいったい誰が手にするのか?
また、B・Cリーグの昇級(降級)争いはどんな結末が待ち受けているのか?

天国と地獄とも言うべき「明暗」を分かつラストバトルが始まろうとしています。
他人事ではありません。昨年の雪辱を果たすべく、今期の女流桜花に臨んだ私も正念場。

現在、私の順位は3位。
プレーオフを見据えて、上位陣の吾妻プロと和久津プロとの差を縮めにいきたいところですが、踏み込み過ぎると大きな傷を負うかもしれません。

焦らず冷静に自分の麻雀を打ち切ろう、そう言い聞かせながら気合いを入れ、最終節の卓に向かいました。

対戦メンバーは清水プロ、和泉プロ、仲田プロ、吾妻プロ。

Aリーグゆえ、対局者が常に厳しいことは覚悟していましたが、それにしても最終節でこんなに攻撃力の高いメンバーと闘うことになるとは……

「皆の猛攻を凌ぎきったうえで、ポイントをプラスにすることができるか」

ちょっと不安な気持ちに襲われる私。

結果は、その嫌な不安が的中してしまいました。防戦一方で、ポイントの上積みができなかったのです。
それでも何とか失点を抑え、僅かなマイナスで終了。3位通過でプレーオフに進むことになりました。
要所要所での判断ミスや手順ミスが目立った最終節の対局。
しかし、同卓のプロから学ぶ事が多かった対局でもありました。

プレーオフまでに今回の教訓や反省点を生かせるように調整し、次こそ内容のいい麻雀を打ち切ろうと決意を新たにした次第です。

さて、気になるB・Cリーグの結果ですが、今回は見事Aリーグ入りを果たした立花プロと、昇級には届かなったもの最後まで死闘を演じた天音プロ、お2人にインタビューさせていただきました。

まずは初のAリーグ昇級を達成した立花プロです。

立花「今日はプラス30Pを目標にしていました! マイナスを恐れずにガンガン行こうと決めていたのです!」

外見の可愛らしさとは裏腹に、立花プロの芯の強さみたいなものを感じました。

立花「同卓者も全員が昇級を目指していたので、かなり激しい対局となりました。結果はトータルプラス70Pで昇級。凄く嬉しかったです! そして、昇級を目指して皆と熱い闘いが出来たこと、これが本当にいい勉強になりました!」

来期、Aリーグでの活躍が楽しみな新星の誕生です。
私も先輩プロとして恥ずかしくない麻雀を打たなければいけませんね。

次に、惜しくも昇級を果たせなかった天音プロ。

天音「正直、昇級はちょっと厳しいかなと思っていました。だけど降級を気にするのではなく、昇級を目指した麻雀を打とうと心に決めていたのです。残念ながら、ここぞというときに勝負手をアガリきれなかった……手は入っていたんですけどね」

具体的に聞いてみると、

一万一万八索八索八索一筒一筒三筒三筒三筒七筒七筒七筒  ドラ中

このツモり四暗刻をテンパイするもリーチが入ってかわされる。
あるいは、

六万六万八万八万八万二索三索八索八索八索五筒五筒五筒  ドラ六万

三暗刻テンパイのところにドラ六万が暗刻になり、

六万六万六万八万八万八万三索八索八索八索五筒五筒五筒  ドラ六万

四暗刻タンキのテンパイを果たすも成就せず。

天音「逆に同卓者に四暗刻をつもられてしまいました。軽い手は難なくアガれるのに、勝負手は決めきれないという苦しい展開でした」

天音プロの表情からは、苦闘の疲労感と敗戦の悔しさがみて取れました。

ですが、厳しい条件下の中でも、必要な打点の手を当たり前のように作れるというのはプロとして素晴らしいこと!私は天音プロに改めて尊敬の念を抱きました。

長いようで短かった予選5節が終了しました。これからプレーオフの闘いが始まります。
現状3位とはいえ、ポイント的には大混戦の状況。

まだまだ未熟ではありますが、後悔の残らないよう、プレーオフではしっかりと自分の麻雀を打ちきりたいと思います。

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第8期女流桜花 第5節レポート

tri tri

第8期女流桜花も、いよいよ最終節(第5節)を迎えることになりました。
プレーオフへのチケットはいったい誰が手にするのか?
また、B・Cリーグの昇級(降級)争いはどんな結末が待ち受けているのか?
天国と地獄とも言うべき「明暗」を分かつラストバトルが始まろうとしています。
他人事ではありません。昨年の雪辱を果たすべく、今期の女流桜花に臨んだ私も正念場。
現在、私の順位は3位。
プレーオフを見据えて、上位陣の吾妻プロと和久津プロとの差を縮めにいきたいところですが、踏み込み過ぎると大きな傷を負うかもしれません。
焦らず冷静に自分の麻雀を打ち切ろう、そう言い聞かせながら気合いを入れ、最終節の卓に向かいました。
対戦メンバーは清水プロ、和泉プロ、仲田プロ、吾妻プロ。
Aリーグゆえ、対局者が常に厳しいことは覚悟していましたが、それにしても最終節でこんなに攻撃力の高いメンバーと闘うことになるとは……
「皆の猛攻を凌ぎきったうえで、ポイントをプラスにすることができるか」
ちょっと不安な気持ちに襲われる私。
結果は、その嫌な不安が的中してしまいました。防戦一方で、ポイントの上積みができなかったのです。
それでも何とか失点を抑え、僅かなマイナスで終了。3位通過でプレーオフに進むことになりました。
要所要所での判断ミスや手順ミスが目立った最終節の対局。
しかし、同卓のプロから学ぶ事が多かった対局でもありました。
プレーオフまでに今回の教訓や反省点を生かせるように調整し、次こそ内容のいい麻雀を打ち切ろうと決意を新たにした次第です。
さて、気になるB・Cリーグの結果ですが、今回は見事Aリーグ入りを果たした立花プロと、昇級には届かなったもの最後まで死闘を演じた天音プロ、お2人にインタビューさせていただきました。
まずは初のAリーグ昇級を達成した立花プロです。
立花「今日はプラス30Pを目標にしていました! マイナスを恐れずにガンガン行こうと決めていたのです!」
外見の可愛らしさとは裏腹に、立花プロの芯の強さみたいなものを感じました。
立花「同卓者も全員が昇級を目指していたので、かなり激しい対局となりました。結果はトータルプラス70Pで昇級。凄く嬉しかったです! そして、昇級を目指して皆と熱い闘いが出来たこと、これが本当にいい勉強になりました!」
来期、Aリーグでの活躍が楽しみな新星の誕生です。
私も先輩プロとして恥ずかしくない麻雀を打たなければいけませんね。
次に、惜しくも昇級を果たせなかった天音プロ。
天音「正直、昇級はちょっと厳しいかなと思っていました。だけど降級を気にするのではなく、昇級を目指した麻雀を打とうと心に決めていたのです。残念ながら、ここぞというときに勝負手をアガリきれなかった……手は入っていたんですけどね」
具体的に聞いてみると、
一万一万八索八索八索一筒一筒三筒三筒三筒七筒七筒七筒  ドラ中
このツモり四暗刻をテンパイするもリーチが入ってかわされる。
あるいは、
六万六万八万八万八万二索三索八索八索八索五筒五筒五筒  ドラ六万
三暗刻テンパイのところにドラ六万が暗刻になり、
六万六万六万八万八万八万三索八索八索八索五筒五筒五筒  ドラ六万
四暗刻タンキのテンパイを果たすも成就せず。
天音「逆に同卓者に四暗刻をつもられてしまいました。軽い手は難なくアガれるのに、勝負手は決めきれないという苦しい展開でした」
天音プロの表情からは、苦闘の疲労感と敗戦の悔しさがみて取れました。
ですが、厳しい条件下の中でも、必要な打点の手を当たり前のように作れるというのはプロとして素晴らしいこと!私は天音プロに改めて尊敬の念を抱きました。
長いようで短かった予選5節が終了しました。これからプレーオフの闘いが始まります。
現状3位とはいえ、ポイント的には大混戦の状況。
まだまだ未熟ではありますが、後悔の残らないよう、プレーオフではしっかりと自分の麻雀を打ちきりたいと思います。

第21期東北プロリーグ 第6節レポート

第21期東北リーグ第6節レポート

Aリーグレポート:青木武

後半戦に入り、そろそろマイナスの人はプラスにしないと決勝戦に行けるか厳しくなる。
大きなマイナスの者は降格ラインも気にしないといけないところ。

1卓(粕谷、泉、高橋、吉田、菅原)
今日の高橋は絶好調だった。今までマイナス170Pでイマイチだったが、親で5巡目に立直、七対子、ドラ2をすぐに吉田から。

子で5巡目にこの手牌。

一筒一筒二筒二筒七筒七筒南南白白発発中  ドラ七筒

すぐに菅原から出て跳満。
吉田からドラの6を暗カンしてのリーチに対しても、上手く打ち回し

三万四万五万一筒一筒二筒二筒三筒三筒五筒五筒中中  ツモ中  1000・2000

北家の高橋がこの仕掛け。

二筒三筒七筒七筒七筒  ポン北北北  ポン西西西  ポン九筒九筒九筒

親の仕掛けに、安牌の七筒を切るかと思いきや二筒切り。
これも打点を重視した打牌。
私だったら七筒を切って5,200で充分と思ってしまうが…。結果は三筒をツモり2000・4000。

対局後、高橋は「思った通りに打てました。」87Pを稼いだが、まだマイナス76Pくらい。
次節の高橋に注目したい。

2卓(青木、皆川、佐藤、遠藤、今)
1位の遠藤 2位の佐藤が同卓の組。他の3人は遠藤・佐藤をなんとか沈めて、上位を目指すチャンス。
1回戦、遠藤が抜け番で対局。全体的に重い展開だった。皆川・青木・佐藤の3人リーチに發待ちの七対子で勝った佐藤。振り込んだ青木は痛恨の1人沈み。
2回戦はいきなり遠藤の3,000・6,000スタート。このまま、遠藤のダントツかと思われたが、リーグ戦2位の佐藤がジャブの応酬で遠藤を捲る。打点の遠藤と手数の佐藤の打ち筋が出た対局だった。
結果、上位の遠藤・佐藤の2人がプラスに終わった。

3卓(平田、杜、東、工藤、渡部)
1回戦のトップが32,200 4回戦のトップが32,400と胃が痛くなるような展開。
ちょっとしたミスが勝敗を分ける緊張感ある対局だった。
トータルトップが工藤の+7.2Pと抜き出す者を潰している。さすがベテラン・中堅の揃った対局である。

あと、残り4戦。さらに緊張感ある対局になっていくだろう。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 遠藤昭太 94.6 73.8 ▲ 24.3 ▲ 23.6 67.6 18.8 206.9 1
2 佐藤大介 ▲ 5.8 17.1 57.6 47.3 14.8 24.5 155.5 2
3 粕谷勇吉 ▲ 11.2 18.4 ▲ 27.7 44.5 39.3 ▲ 6.4 56.9 3
4 泉亮多 ▲ 4.6 9.9 40.5 4.1 25.4 ▲ 28.6 46.7 4
5 皆川直毅 42.8 ▲ 34.2 69.4 ▲ 1.2 ▲ 37.3 ▲ 14.8 24.7 5
6 工藤宏紀 1.8 1.7 8.4 25.3 ▲ 33.8 7.2 10.6 6
7 渡部稔 55.1 25.6 ▲ 37.9 ▲ 56.1 ▲ 1.4 ▲ 13.9 ▲ 28.6 7
8 青木武 ▲ 31.5 ▲ 6.5 ▲ 30.3 ▲ 16.7 63.6 ▲ 7.3 ▲ 28.7 8
9 東幸一郎 12.7 19.6 ▲ 100.0 19.4 5.8 5.0 ▲ 37.5 9
10 今貴聡 ▲ 20.4 12.6 ▲ 43.9 34.9 ▲ 29.6 ▲ 24.2 ▲ 70.6 10
11 高橋清隆 ▲ 58.6 ▲ 20.9 ▲ 0.4 ▲ 50.8 ▲ 32.6 87.0 ▲ 76.3 11
12 平田孝章 9.1 ▲ 35.7 21.7 ▲ 23.6 ▲ 50.0 ▲ 3.8 ▲ 82.3 12
13 杜麻沙也 ▲ 57.5 ▲ 14.6 1.6 ▲ 13.5 ▲ 2.9 4.5 ▲ 82.4 13
14 吉田勝弥 0.6 ▲ 63.7 ▲ 36.7 5.0 ▲ 78.9 ▲ 11.9 ▲ 185.6 14

Bリーグレポート:遠藤昭太

折り返し始めの第6節。現在マイナスの者は、そろそろ点数を叩いておかないと昇格枠争いに手が届かなくなる。新人の多いBリーグだが、リーグ戦形式の戦いにも慣れてきたころだろう。各自実力を発揮して戦って欲しい。

1卓(三井、安ヶ平、佐藤、佐々木)

僅差の1位、2位の三井と安ヶ平が同卓。1回戦目は前節の勢いを持ち越したのか、安ヶ平が大きくトップ。
対する三井も2回戦に4人の点差が5.7Pの接戦を制してのトップと両者譲らず。

その後は2人とも1回ずつラスを引いて、内容的には互角といったところ。
だが、点数としてはトップのときに素点を叩いていた安ヶ平に軍配が上がった。

2卓(新田、早坂、斎藤、大里)
総合で現在3位の新田が初回をトップでスタート。
だが、続く2、3回戦では2連続のラスによりプラスを吐き出してしまう。
この卓での主役は女流の大里。1回戦目こそ3着目だったが、あとは1着・2着・1着で卓内1人浮きの+44.2Pとした。プロクイーンベスト8入りで自信がついたのか、総合でもプラスとなって4位。昇格枠争いに名乗りを上げた。

現在1位の安ヶ平の点数は+102.6Pと一応3桁になっているものの、まだ4節残っているので、マイナスの者にも逆転の目はある。
最終節にむけて、それぞれテーマを持って戦っていくことが今後求められる。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 安ヶ平浩希 ▲ 14.5 24.3 10.0 10.6 54.3 17.9 102.6 1
2 三井光一 ▲ 13.8 36.9 ▲ 4.5 89.3 ▲ 21.1 ▲ 3.5 83.3 2
3 新田大輔 37.2 0.2 65.8 ▲ 19.5 ▲ 39.8 ▲ 12.3 31.6 3
4 大里奈美 18.1 ▲ 60.9 61.5 ▲ 51.3 ▲ 3.4 44.2 8.2 4
5 佐藤晃大 3.3 18.0 2.5 18.9 ▲ 63.7 ▲ 18.0 ▲ 39.0 5
6 早坂和人 ▲ 17.6 ▲ 22.7 ▲ 6.2 ▲ 7.0 32.5 ▲ 20.1 ▲ 41.1 6
7 斎藤智大 ▲ 7.9 ▲ 1.8 ▲ 74.0 15.9 ▲ 33.9 ▲ 11.8 ▲ 113.5 7
8 佐々木啓文 ▲ 15.0 ▲ 49.0 ▲ 57.1 ▲ 56.9 45.1 2.6 ▲ 130.3 8

東北プロリーグ レポート/第21期東北プロリーグ 第6節レポート

第21期東北リーグ第6節レポート
Aリーグレポート:青木武
後半戦に入り、そろそろマイナスの人はプラスにしないと決勝戦に行けるか厳しくなる。
大きなマイナスの者は降格ラインも気にしないといけないところ。
1卓(粕谷、泉、高橋、吉田、菅原)
今日の高橋は絶好調だった。今までマイナス170Pでイマイチだったが、親で5巡目に立直、七対子、ドラ2をすぐに吉田から。
子で5巡目にこの手牌。
一筒一筒二筒二筒七筒七筒南南白白発発中  ドラ七筒
すぐに菅原から出て跳満。
吉田からドラの6を暗カンしてのリーチに対しても、上手く打ち回し
三万四万五万一筒一筒二筒二筒三筒三筒五筒五筒中中  ツモ中  1000・2000
北家の高橋がこの仕掛け。
二筒三筒七筒七筒七筒  ポン北北北  ポン西西西  ポン九筒九筒九筒
親の仕掛けに、安牌の七筒を切るかと思いきや二筒切り。
これも打点を重視した打牌。
私だったら七筒を切って5,200で充分と思ってしまうが…。結果は三筒をツモり2000・4000。
対局後、高橋は「思った通りに打てました。」87Pを稼いだが、まだマイナス76Pくらい。
次節の高橋に注目したい。
2卓(青木、皆川、佐藤、遠藤、今)
1位の遠藤 2位の佐藤が同卓の組。他の3人は遠藤・佐藤をなんとか沈めて、上位を目指すチャンス。
1回戦、遠藤が抜け番で対局。全体的に重い展開だった。皆川・青木・佐藤の3人リーチに發待ちの七対子で勝った佐藤。振り込んだ青木は痛恨の1人沈み。
2回戦はいきなり遠藤の3,000・6,000スタート。このまま、遠藤のダントツかと思われたが、リーグ戦2位の佐藤がジャブの応酬で遠藤を捲る。打点の遠藤と手数の佐藤の打ち筋が出た対局だった。
結果、上位の遠藤・佐藤の2人がプラスに終わった。
3卓(平田、杜、東、工藤、渡部)
1回戦のトップが32,200 4回戦のトップが32,400と胃が痛くなるような展開。
ちょっとしたミスが勝敗を分ける緊張感ある対局だった。
トータルトップが工藤の+7.2Pと抜き出す者を潰している。さすがベテラン・中堅の揃った対局である。
あと、残り4戦。さらに緊張感ある対局になっていくだろう。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 遠藤昭太 94.6 73.8 ▲ 24.3 ▲ 23.6 67.6 18.8 206.9 1
2 佐藤大介 ▲ 5.8 17.1 57.6 47.3 14.8 24.5 155.5 2
3 粕谷勇吉 ▲ 11.2 18.4 ▲ 27.7 44.5 39.3 ▲ 6.4 56.9 3
4 泉亮多 ▲ 4.6 9.9 40.5 4.1 25.4 ▲ 28.6 46.7 4
5 皆川直毅 42.8 ▲ 34.2 69.4 ▲ 1.2 ▲ 37.3 ▲ 14.8 24.7 5
6 工藤宏紀 1.8 1.7 8.4 25.3 ▲ 33.8 7.2 10.6 6
7 渡部稔 55.1 25.6 ▲ 37.9 ▲ 56.1 ▲ 1.4 ▲ 13.9 ▲ 28.6 7
8 青木武 ▲ 31.5 ▲ 6.5 ▲ 30.3 ▲ 16.7 63.6 ▲ 7.3 ▲ 28.7 8
9 東幸一郎 12.7 19.6 ▲ 100.0 19.4 5.8 5.0 ▲ 37.5 9
10 今貴聡 ▲ 20.4 12.6 ▲ 43.9 34.9 ▲ 29.6 ▲ 24.2 ▲ 70.6 10
11 高橋清隆 ▲ 58.6 ▲ 20.9 ▲ 0.4 ▲ 50.8 ▲ 32.6 87.0 ▲ 76.3 11
12 平田孝章 9.1 ▲ 35.7 21.7 ▲ 23.6 ▲ 50.0 ▲ 3.8 ▲ 82.3 12
13 杜麻沙也 ▲ 57.5 ▲ 14.6 1.6 ▲ 13.5 ▲ 2.9 4.5 ▲ 82.4 13
14 吉田勝弥 0.6 ▲ 63.7 ▲ 36.7 5.0 ▲ 78.9 ▲ 11.9 ▲ 185.6 14

Bリーグレポート:遠藤昭太
折り返し始めの第6節。現在マイナスの者は、そろそろ点数を叩いておかないと昇格枠争いに手が届かなくなる。新人の多いBリーグだが、リーグ戦形式の戦いにも慣れてきたころだろう。各自実力を発揮して戦って欲しい。
1卓(三井、安ヶ平、佐藤、佐々木)
僅差の1位、2位の三井と安ヶ平が同卓。1回戦目は前節の勢いを持ち越したのか、安ヶ平が大きくトップ。
対する三井も2回戦に4人の点差が5.7Pの接戦を制してのトップと両者譲らず。
その後は2人とも1回ずつラスを引いて、内容的には互角といったところ。
だが、点数としてはトップのときに素点を叩いていた安ヶ平に軍配が上がった。
2卓(新田、早坂、斎藤、大里)
総合で現在3位の新田が初回をトップでスタート。
だが、続く2、3回戦では2連続のラスによりプラスを吐き出してしまう。
この卓での主役は女流の大里。1回戦目こそ3着目だったが、あとは1着・2着・1着で卓内1人浮きの+44.2Pとした。プロクイーンベスト8入りで自信がついたのか、総合でもプラスとなって4位。昇格枠争いに名乗りを上げた。
現在1位の安ヶ平の点数は+102.6Pと一応3桁になっているものの、まだ4節残っているので、マイナスの者にも逆転の目はある。
最終節にむけて、それぞれテーマを持って戦っていくことが今後求められる。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計 順位
1 安ヶ平浩希 ▲ 14.5 24.3 10.0 10.6 54.3 17.9 102.6 1
2 三井光一 ▲ 13.8 36.9 ▲ 4.5 89.3 ▲ 21.1 ▲ 3.5 83.3 2
3 新田大輔 37.2 0.2 65.8 ▲ 19.5 ▲ 39.8 ▲ 12.3 31.6 3
4 大里奈美 18.1 ▲ 60.9 61.5 ▲ 51.3 ▲ 3.4 44.2 8.2 4
5 佐藤晃大 3.3 18.0 2.5 18.9 ▲ 63.7 ▲ 18.0 ▲ 39.0 5
6 早坂和人 ▲ 17.6 ▲ 22.7 ▲ 6.2 ▲ 7.0 32.5 ▲ 20.1 ▲ 41.1 6
7 斎藤智大 ▲ 7.9 ▲ 1.8 ▲ 74.0 15.9 ▲ 33.9 ▲ 11.8 ▲ 113.5 7
8 佐々木啓文 ▲ 15.0 ▲ 49.0 ▲ 57.1 ▲ 56.9 45.1 2.6 ▲ 130.3 8

第82回『勝ち負けの向こう側』

__麻雀は一見、目の前の相手3人と戦っているように思えるが、そうではなくて自分自身との闘いである。
かなり若い頃、おそらくは麻雀プロになる前からそんな思いが私にはあった。
全ての結果は自己責任であるとも考えていた。
それに加え、いつの頃からかは判然としないが、プロであるならば視聴者との戦いを意識すべきだと考えるようになった。それは結果も大切だが、内容であり、プロセスである。

今更ながらと自分でも思うのだが、つい最近、あるテレビ番組のプロデューサーの方に取材を受けた折り、
「視聴率を求められながらも、自分の創りたいモノとのせめぎ合いに常に悩まされる日々の繰り返しなんです」
と聞き、視聴率とは結果であり、勝ち負けであり、創りたいモノとはその方の信ずるべき内容であり、プロセスであり、価値観だと解釈した。

私はその世界に疎いので、黙って聞かれたことに答えただけだったが、1時間の番組を作るのに2年の時間を費やしたことを聞いたとき、大変な世界なのだと思ったが、それがその方の仕事に対する向かい方なのだろう。
ほんの1時間程度の取材かと考えていた私が甘かったのか、3時間に及ぶ取材の帰り際、また、2、3度取材させてほしいとの言葉を聞いた時は、その情熱とエネルギーに少し驚かされたとともに、仕事に対してそうあるべきなのかとも考え込まされた。
要は、私が仕事に対して、いかにいい加減な男であるかというだけの事かも知れない。

牌譜をご覧いただきたい。

class_3

結果は、魚谷侑未の残り2回{他家の仕掛けが無ければ、一発とハイテイ}に賭けたリーチで、見事なまでの一発ツモアガリの優勝で幕を閉じた。

二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒九筒九筒九筒中  リーチ  一発ツモ中  ドラ九索

簡単に条件を記すと、滝沢和典以外、全員が跳満ツモアガリ条件である。
私は11巡目にテンパイ。

六万六万七万八万九万三索四索五索七索八索九索七筒九筒

正しい判断かは解らないが、私はヤミテンに構えツモ八筒の場合アガらずの打九索のフリテンリーチを考えていた。
もし、カン八筒のリーチを打ち、ツモアガリして裏ドラが乗らなかったらシャレにもならないだろうし、見ている方々にどう映るかということである。

ただ、この私の考え方も私の価値観に過ぎない。
実況放送では、ここでリーチを打ち、裏ドラに期待するのも止む無しとの見解。
もしくは、私へのフォローの言葉も流れていた。

大体において、前局、かなり有利な立場にありながら、最低3つのアガリ逃しをして唯一アガれない手順を踏んだ私が、最後だけ辻褄をあわせようとしても上手く行くはずもないだろうし、それほどいい加減に麻雀は出来てはいない。

全対局終了後、私のリーチ宣言牌である二筒を見ながら滝沢が、自分の手牌から一筒三筒の部分だけ私に見せた。
私は軽く微笑んだ。
会話は何も無かったように記憶している。
二筒は仕掛けられたのですけどね・・・・}
{あなたらしいね}
私と滝沢の心の会話は、こう成立していたように思えた。

ところが放映後、出会う人達から何故滝沢はあの局面で二筒を動かなかったのか尋ねられることが頻繁にあった。
私は私なりの答えを語った。
「仕掛けて魚谷に中をツモられた方がヒドく映るだろうと思う。」
「何より大切なのは滝沢の信念の決断だから」
簡単に記せばそんなことを告げた。

訊いた相手は皆、得心がいかないような顔をしていた。
反応の鈍さに本人を含め、身近に訊いたほうが間違いないだろうと思い尋ねた。
まずは当事者である滝沢に尋ねたら、御叮嚀にメールで返事をくれた。

「似たような場面で、今までは、鳴いたり鳴かなかったりしていたのですが、今後は仕掛けない方向でいきます。
ただ、理由に科学的な根拠はないので、強く主張したくはないです。絶対仕掛けるという方が普通の考え方だと思うし、また、説得力もあるとは思います。これは、知人に指摘されたことですが、
【仮に直線的に手を組んでいたら、違った形で局面が動いた可能性もある。配牌オリを見せたことが敗因かも】
ということです。自ら局面をねじ曲げることは、それまで打ってきた型を否定することと同じだ、と。
1局単位でとらえれば、配牌オリがセオリーですが、元々すべてをセオリー?通りに打っているわけではないので、自分的には納得の指摘です。
後悔のない選択を繰り返せば、結果に関わらず納得感はあります。また、精神的にブレることもありません。
ただ、自分が満足する麻雀を確立させた時点で、進化がストップするのではないかという感もあります。

【やるべきことをやって結果待ち】というのは、自身の麻雀が完成された人なら良いでしょうが、私はまだ自分の麻雀が完成しているとは思っていないし、麻雀界のタイトル戦は決して長くはない評価方式で行われる事が多いです。だから
「長い目で見たら」という手段は取りたくありません。

例えば命がかかっているとき…とか極端な例でシミュレーションすると意味がわからなくなります。実際仕掛けるかもしれないし、同じように覚悟を決めて、結果を天に任せるかもしれません。実際その場に立たせてみないと、わかるわけないものでしょう。斬られたら終わり、という場面は麻雀にもあると思います。仮に麻雀に正解があるとしたら、すべての局面で同じような思考方で正解を出すべき、ということになります。
明確な答えを持っていないのはプロとしては間違っているかもしれませんが、万人受けする答えが平面的なものならば、それはなくても良いのではないかなとも思っています。」

これが滝沢の答えである。

私は滝沢から送られた文面を読んだ後に、自分の軽率さと滝沢に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
尋ねる相手を間違えた__。
今局に限らず、微妙な局面で結果が悪く出た場合、滝沢が自分の判断、決断に対して肯定的、もしくは正当化する発言を耳にした記憶がないのである。

ヒサトにも訊いてみた。
「滝沢にすれば、既に人事を尽くして天命を待つ、の心境だったのではないでしょうか。故に、これ以上じたばたして、幕の下ろし方を汚したくなかったように思います。あの後、異論、反論色々と耳にしましたが、私も滝沢の決断には肯定的です。」
「んで、ヒサトならどうしたかな?」
「しかし、実際に自分が座っていたらどういう決断を下したかはわかりません。あの場面で負けたら、どうせ後悔するのは目に見えています。仕掛けた可能性も否定はできません。」

やはりヒサトにも色々な意見を求める声が多かったようである。
ちなみにヒサトもメールでもらった。
やはり、あの方の声も訊いておこう、ということで瀬戸熊鳳凰にもお願いした。

「あの前原さんのリーチ宣言牌二筒を動くかどうかについてなのだが、局面を整理させて頂くと、滝沢以外、全員が跳満ツモ条件。まずは、南家・魚谷からリーチ。条件も含めて手牌を推測すると、捨て牌からピンズの一色が濃厚である場面(一発か裏1が必要かもしれないが、満貫ベースは当然ある)。ただし、北家・前原さんからもリーチが入った時点で、リーチ棒が出た為、魚谷の条件は満貫ツモに変化をしている。しかもチーをすると、近藤さんにハイテイが回ることで、リーチがかかった場合、一発とハイテイという二度のチャンスを与えてしまう。
魚谷の1人リーチなら、鳴くか鳴かないかは、その場にいないと僕自身どうしたかわからないが(多分8割はステイして鳴かない)、前原さんのリーチで、魚谷の条件が満貫ツモに変化した以上、一発や裏条件が消えたことは明らかなので、滝沢が鳴かないのはスタイル的にも、状況的にも必然と思える。当然僕も鳴かない。
鳴いてツモをずらしたとしても、もう1枚中は生きており、魚谷がツモるかもしれないし、または近藤さんにアガリが生まれていたかもしれない(実際七対子のテンパイで裏裏だった)。
このオーラスは、アガった魚谷を誉める局面であり、滝沢は全く後悔してないように思う。」

瀬戸熊鳳凰は御叮嚀に一度ならず二度に渡り書き直して送ってくれた。
それだけデリケートな局面であり、難解な決断を求められる局面だった証しであり、瀬戸熊鳳凰にしても言葉を選ぶべき局だったのだろう。

結果がすでに出ているので記し辛い部分はあるが、あの局面、滝沢が仕掛けず、次の滝沢のツモが中であれば、スーパープレイと評するのが世間の評価だと私は思う。仕掛けて結果が悪く出た場合、評価はどう出るのだろうか。少なくとも、私は魚谷がツモアガった中という評価はしない。滝沢がツモらせた中と評価する。

正しい答えはないけれど、間違った答えはあるというのが麻雀における私の考え方である。
そこから考えて行くと、滝沢の導き出した答えは、少なくとも間違った答えではないと思える。
そして、滝沢の背景にある麻雀に立ち向かう情熱、エネルギー、そして、品性を誇りに思う。

上級/第82回『勝ち負けの向こう側』

__麻雀は一見、目の前の相手3人と戦っているように思えるが、そうではなくて自分自身との闘いである。
かなり若い頃、おそらくは麻雀プロになる前からそんな思いが私にはあった。
全ての結果は自己責任であるとも考えていた。
それに加え、いつの頃からかは判然としないが、プロであるならば視聴者との戦いを意識すべきだと考えるようになった。それは結果も大切だが、内容であり、プロセスである。
今更ながらと自分でも思うのだが、つい最近、あるテレビ番組のプロデューサーの方に取材を受けた折り、
「視聴率を求められながらも、自分の創りたいモノとのせめぎ合いに常に悩まされる日々の繰り返しなんです」
と聞き、視聴率とは結果であり、勝ち負けであり、創りたいモノとはその方の信ずるべき内容であり、プロセスであり、価値観だと解釈した。
私はその世界に疎いので、黙って聞かれたことに答えただけだったが、1時間の番組を作るのに2年の時間を費やしたことを聞いたとき、大変な世界なのだと思ったが、それがその方の仕事に対する向かい方なのだろう。
ほんの1時間程度の取材かと考えていた私が甘かったのか、3時間に及ぶ取材の帰り際、また、2、3度取材させてほしいとの言葉を聞いた時は、その情熱とエネルギーに少し驚かされたとともに、仕事に対してそうあるべきなのかとも考え込まされた。
要は、私が仕事に対して、いかにいい加減な男であるかというだけの事かも知れない。
牌譜をご覧いただきたい。

class_3

結果は、魚谷侑未の残り2回{他家の仕掛けが無ければ、一発とハイテイ}に賭けたリーチで、見事なまでの一発ツモアガリの優勝で幕を閉じた。
二筒三筒四筒五筒六筒六筒七筒七筒八筒九筒九筒九筒中  リーチ  一発ツモ中  ドラ九索
簡単に条件を記すと、滝沢和典以外、全員が跳満ツモアガリ条件である。
私は11巡目にテンパイ。
六万六万七万八万九万三索四索五索七索八索九索七筒九筒
正しい判断かは解らないが、私はヤミテンに構えツモ八筒の場合アガらずの打九索のフリテンリーチを考えていた。
もし、カン八筒のリーチを打ち、ツモアガリして裏ドラが乗らなかったらシャレにもならないだろうし、見ている方々にどう映るかということである。
ただ、この私の考え方も私の価値観に過ぎない。
実況放送では、ここでリーチを打ち、裏ドラに期待するのも止む無しとの見解。
もしくは、私へのフォローの言葉も流れていた。
大体において、前局、かなり有利な立場にありながら、最低3つのアガリ逃しをして唯一アガれない手順を踏んだ私が、最後だけ辻褄をあわせようとしても上手く行くはずもないだろうし、それほどいい加減に麻雀は出来てはいない。
全対局終了後、私のリーチ宣言牌である二筒を見ながら滝沢が、自分の手牌から一筒三筒の部分だけ私に見せた。
私は軽く微笑んだ。
会話は何も無かったように記憶している。
二筒は仕掛けられたのですけどね・・・・}
{あなたらしいね}
私と滝沢の心の会話は、こう成立していたように思えた。
ところが放映後、出会う人達から何故滝沢はあの局面で二筒を動かなかったのか尋ねられることが頻繁にあった。
私は私なりの答えを語った。
「仕掛けて魚谷に中をツモられた方がヒドく映るだろうと思う。」
「何より大切なのは滝沢の信念の決断だから」
簡単に記せばそんなことを告げた。
訊いた相手は皆、得心がいかないような顔をしていた。
反応の鈍さに本人を含め、身近に訊いたほうが間違いないだろうと思い尋ねた。
まずは当事者である滝沢に尋ねたら、御叮嚀にメールで返事をくれた。
「似たような場面で、今までは、鳴いたり鳴かなかったりしていたのですが、今後は仕掛けない方向でいきます。
ただ、理由に科学的な根拠はないので、強く主張したくはないです。絶対仕掛けるという方が普通の考え方だと思うし、また、説得力もあるとは思います。これは、知人に指摘されたことですが、
【仮に直線的に手を組んでいたら、違った形で局面が動いた可能性もある。配牌オリを見せたことが敗因かも】
ということです。自ら局面をねじ曲げることは、それまで打ってきた型を否定することと同じだ、と。
1局単位でとらえれば、配牌オリがセオリーですが、元々すべてをセオリー?通りに打っているわけではないので、自分的には納得の指摘です。
後悔のない選択を繰り返せば、結果に関わらず納得感はあります。また、精神的にブレることもありません。
ただ、自分が満足する麻雀を確立させた時点で、進化がストップするのではないかという感もあります。
【やるべきことをやって結果待ち】というのは、自身の麻雀が完成された人なら良いでしょうが、私はまだ自分の麻雀が完成しているとは思っていないし、麻雀界のタイトル戦は決して長くはない評価方式で行われる事が多いです。だから
「長い目で見たら」という手段は取りたくありません。
例えば命がかかっているとき…とか極端な例でシミュレーションすると意味がわからなくなります。実際仕掛けるかもしれないし、同じように覚悟を決めて、結果を天に任せるかもしれません。実際その場に立たせてみないと、わかるわけないものでしょう。斬られたら終わり、という場面は麻雀にもあると思います。仮に麻雀に正解があるとしたら、すべての局面で同じような思考方で正解を出すべき、ということになります。
明確な答えを持っていないのはプロとしては間違っているかもしれませんが、万人受けする答えが平面的なものならば、それはなくても良いのではないかなとも思っています。」
これが滝沢の答えである。
私は滝沢から送られた文面を読んだ後に、自分の軽率さと滝沢に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
尋ねる相手を間違えた__。
今局に限らず、微妙な局面で結果が悪く出た場合、滝沢が自分の判断、決断に対して肯定的、もしくは正当化する発言を耳にした記憶がないのである。
ヒサトにも訊いてみた。
「滝沢にすれば、既に人事を尽くして天命を待つ、の心境だったのではないでしょうか。故に、これ以上じたばたして、幕の下ろし方を汚したくなかったように思います。あの後、異論、反論色々と耳にしましたが、私も滝沢の決断には肯定的です。」
「んで、ヒサトならどうしたかな?」
「しかし、実際に自分が座っていたらどういう決断を下したかはわかりません。あの場面で負けたら、どうせ後悔するのは目に見えています。仕掛けた可能性も否定はできません。」
やはりヒサトにも色々な意見を求める声が多かったようである。
ちなみにヒサトもメールでもらった。
やはり、あの方の声も訊いておこう、ということで瀬戸熊鳳凰にもお願いした。
「あの前原さんのリーチ宣言牌二筒を動くかどうかについてなのだが、局面を整理させて頂くと、滝沢以外、全員が跳満ツモ条件。まずは、南家・魚谷からリーチ。条件も含めて手牌を推測すると、捨て牌からピンズの一色が濃厚である場面(一発か裏1が必要かもしれないが、満貫ベースは当然ある)。ただし、北家・前原さんからもリーチが入った時点で、リーチ棒が出た為、魚谷の条件は満貫ツモに変化をしている。しかもチーをすると、近藤さんにハイテイが回ることで、リーチがかかった場合、一発とハイテイという二度のチャンスを与えてしまう。
魚谷の1人リーチなら、鳴くか鳴かないかは、その場にいないと僕自身どうしたかわからないが(多分8割はステイして鳴かない)、前原さんのリーチで、魚谷の条件が満貫ツモに変化した以上、一発や裏条件が消えたことは明らかなので、滝沢が鳴かないのはスタイル的にも、状況的にも必然と思える。当然僕も鳴かない。
鳴いてツモをずらしたとしても、もう1枚中は生きており、魚谷がツモるかもしれないし、または近藤さんにアガリが生まれていたかもしれない(実際七対子のテンパイで裏裏だった)。
このオーラスは、アガった魚谷を誉める局面であり、滝沢は全く後悔してないように思う。」
瀬戸熊鳳凰は御叮嚀に一度ならず二度に渡り書き直して送ってくれた。
それだけデリケートな局面であり、難解な決断を求められる局面だった証しであり、瀬戸熊鳳凰にしても言葉を選ぶべき局だったのだろう。
結果がすでに出ているので記し辛い部分はあるが、あの局面、滝沢が仕掛けず、次の滝沢のツモが中であれば、スーパープレイと評するのが世間の評価だと私は思う。仕掛けて結果が悪く出た場合、評価はどう出るのだろうか。少なくとも、私は魚谷がツモアガった中という評価はしない。滝沢がツモらせた中と評価する。
正しい答えはないけれど、間違った答えはあるというのが麻雀における私の考え方である。
そこから考えて行くと、滝沢の導き出した答えは、少なくとも間違った答えではないと思える。
そして、滝沢の背景にある麻雀に立ち向かう情熱、エネルギー、そして、品性を誇りに思う。

第30期プロリーグ A1 第7節レポート

決定戦争いは残すところ後3節となった。

最終節の組み合わせは、第8節終了時のポイントで1~4位がA卓、5~8位がB卓、9~12位がC卓となることを考えると何としても上位4位までにつけておきたいところである。
となれば今節は、第8節を視野に入れ、いかに好位置に付けられるかが大切となる。
各選手がどのような戦い方を見せるのだろうか。

まずは、首位を走る沢崎。
同卓の望月が終始好調で苦しい展開が続いたが、ワンチャンスをしっかりとものにし、+4.6と首位の座をキープした。
望月の時間帯ではしっかりと我慢を重ね、きっかけとなる4000オールをあがるとそこからは怒濤の攻めを見せた。
ポイント的にはまだまだわからないが、決定戦の席の1つは沢崎が手中に納めたと言えるほど、その内容は充実していた。
また、望月は好調を活かして攻めきり+55.7でトータル4位に浮上。決定戦争いに加わってきた。

一方前原は、あがりはでるもののそれが得意の連続攻撃につながらずポイントが減っていく。
そんな中でも失点を最小限に抑えていたのだが、最終半荘のオーラスにらしくない放銃をしてしまう。
27000点程持った2着目から、この半荘を終わらせに南をポン。
すぐカン三筒で1000点のテンパイが入る。すると、トップ目の親で好調の望月からリーチが入った。
ここでの前原は、アガりを目指しての攻めであった。結果は前原から望月への4800の放銃となる。
仕掛けた以上はアガりを目指すという判断であろうが、これは本来の前原の麻雀ではない。
前原の持ち味は、好調者の攻めはしっかりと受け潰し、自らが好調になったときに徹底的に攻めるというものだ。
本日は▲52.2となり、トータルでも11位となった。次節、前原の圧倒的な攻撃力による巻き返しに期待したい。

続いて2位の柴田。
1回戦東1局にチンイツトイトイの3000・6000をそのリードを守ったままオーラスを迎えた。
40100点持ちの柴田は、

二索三索四索五索五索六索八索九索九索南南  チー 三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ドラ四索

この形となるが、2着目の猿川から

七万八万九万七索八索九索二筒三筒七筒八筒九筒東東

このリーチが入る。柴田の選択は撤退。
勝負手なだけに押すのが自然と思えるが、猿川の手牌の打点を読み切った見事な選択であった。
1回戦は猿川が上記の手牌をアガり切り、トップとなった。

続く2回戦。
1回戦トップの猿川が攻め込んでいく。東1局に親の柴田がダブ東をポンを含む2副露で以下のテンパイ。

八万八万四筒五筒六筒中中  チー七索八索九索  ポン東東東  ドラ中

そこに南家の猿川が

五万六万七万四索四索五索六索七索九筒九筒北北北

でリーチに行く。
結果は、柴田が猿川に1600の放銃となった。

猿川のこのリーチはあまりにリスクが高く、攻めに見合った手牌ではない。
しかし、1回戦でのトップの取り方を含めた猿川の対局観が打たせたリーチであろう。
見事としか言い様のないアガりであった。

ここから一気に猿川の時間帯になる。
東2局の親番で2000点をアガると1本場では、

一筒二筒三筒四筒四筒六筒七筒七筒八筒九筒  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五筒

これをアガり2連勝を決めた。
今局の放銃は柴田。

七万七万七万二索二索三索五索六索七索三筒四筒五筒白白

この形から二索を切ってリーチを打ったのち、猿川への放銃となった。
一索四索待ちは絶好とは言え、猿川がリャンメンでチーをした後ということを考えれば、二索もしくは三索を切ってダマテンといった選択もあったであろう。
1回戦のオーラスに降りを選択したのならば、今局も受けに回るべきであった。
読みを入れた対応が光る柴田だが、わずか1局だけ隙ができてしまった。また、その隙を見逃さないのがA1リーグなのである。
この後も猿川が独走かと思われたが、歴代鳳凰位である古川、荒が本領を発揮する。
3回戦は古川が得意の仕掛けを駆使してトップを、4回戦は切れ味鋭いあがりで荒がトップとなった。

トッププロの集うA1リーグでは、やはり簡単には抜け出させてもらえない。
残り2節。
決定戦に向けての争いはさらに激しいものになることは間違いない。

第8節は11/4(月)から始まる。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第30期プロリーグ A1 第7節レポート

決定戦争いは残すところ後3節となった。
最終節の組み合わせは、第8節終了時のポイントで1~4位がA卓、5~8位がB卓、9~12位がC卓となることを考えると何としても上位4位までにつけておきたいところである。
となれば今節は、第8節を視野に入れ、いかに好位置に付けられるかが大切となる。
各選手がどのような戦い方を見せるのだろうか。
まずは、首位を走る沢崎。
同卓の望月が終始好調で苦しい展開が続いたが、ワンチャンスをしっかりとものにし、+4.6と首位の座をキープした。
望月の時間帯ではしっかりと我慢を重ね、きっかけとなる4000オールをあがるとそこからは怒濤の攻めを見せた。
ポイント的にはまだまだわからないが、決定戦の席の1つは沢崎が手中に納めたと言えるほど、その内容は充実していた。
また、望月は好調を活かして攻めきり+55.7でトータル4位に浮上。決定戦争いに加わってきた。
一方前原は、あがりはでるもののそれが得意の連続攻撃につながらずポイントが減っていく。
そんな中でも失点を最小限に抑えていたのだが、最終半荘のオーラスにらしくない放銃をしてしまう。
27000点程持った2着目から、この半荘を終わらせに南をポン。
すぐカン三筒で1000点のテンパイが入る。すると、トップ目の親で好調の望月からリーチが入った。
ここでの前原は、アガりを目指しての攻めであった。結果は前原から望月への4800の放銃となる。
仕掛けた以上はアガりを目指すという判断であろうが、これは本来の前原の麻雀ではない。
前原の持ち味は、好調者の攻めはしっかりと受け潰し、自らが好調になったときに徹底的に攻めるというものだ。
本日は▲52.2となり、トータルでも11位となった。次節、前原の圧倒的な攻撃力による巻き返しに期待したい。
続いて2位の柴田。
1回戦東1局にチンイツトイトイの3000・6000をそのリードを守ったままオーラスを迎えた。
40100点持ちの柴田は、
二索三索四索五索五索六索八索九索九索南南  チー 三索 左向き一索 上向き二索 上向き  ドラ四索
この形となるが、2着目の猿川から
七万八万九万七索八索九索二筒三筒七筒八筒九筒東東
このリーチが入る。柴田の選択は撤退。
勝負手なだけに押すのが自然と思えるが、猿川の手牌の打点を読み切った見事な選択であった。
1回戦は猿川が上記の手牌をアガり切り、トップとなった。
続く2回戦。
1回戦トップの猿川が攻め込んでいく。東1局に親の柴田がダブ東をポンを含む2副露で以下のテンパイ。
八万八万四筒五筒六筒中中  チー七索八索九索  ポン東東東  ドラ中
そこに南家の猿川が
五万六万七万四索四索五索六索七索九筒九筒北北北
でリーチに行く。
結果は、柴田が猿川に1600の放銃となった。
猿川のこのリーチはあまりにリスクが高く、攻めに見合った手牌ではない。
しかし、1回戦でのトップの取り方を含めた猿川の対局観が打たせたリーチであろう。
見事としか言い様のないアガりであった。
ここから一気に猿川の時間帯になる。
東2局の親番で2000点をアガると1本場では、
一筒二筒三筒四筒四筒六筒七筒七筒八筒九筒  チー九筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ロン五筒
これをアガり2連勝を決めた。
今局の放銃は柴田。
七万七万七万二索二索三索五索六索七索三筒四筒五筒白白
この形から二索を切ってリーチを打ったのち、猿川への放銃となった。
一索四索待ちは絶好とは言え、猿川がリャンメンでチーをした後ということを考えれば、二索もしくは三索を切ってダマテンといった選択もあったであろう。
1回戦のオーラスに降りを選択したのならば、今局も受けに回るべきであった。
読みを入れた対応が光る柴田だが、わずか1局だけ隙ができてしまった。また、その隙を見逃さないのがA1リーグなのである。
この後も猿川が独走かと思われたが、歴代鳳凰位である古川、荒が本領を発揮する。
3回戦は古川が得意の仕掛けを駆使してトップを、4回戦は切れ味鋭いあがりで荒がトップとなった。
トッププロの集うA1リーグでは、やはり簡単には抜け出させてもらえない。
残り2節。
決定戦に向けての争いはさらに激しいものになることは間違いない。
第8節は11/4(月)から始まる。