日本プロ麻雀連盟感謝祭2024レポート

昨年4年ぶりに開催され、今年は再開から二度目の日本プロ麻雀連盟感謝祭。
再開前から数えると累計7回となります。
春になりたての暖かい日で、まさに麻雀日和な日でした。

日本プロ麻雀連盟感謝祭とは…日頃我々日本プロ麻雀連盟がお世話になっている方や、麻雀業界の発展に携わってくれている企業の方、著名人の方々にお集まりいただき、日頃の感謝の意も込めまして一緒に麻雀をしながら楽しい時間を過ごす麻雀大会です。

今回レポートをさせていただきます、赤木クロです。
スタッフとして去年も参加させていただき、有難いことに今年も参加させていただきました。

自身で撮った写真も交えて、当日の楽しかった様子をお伝えできたらと思います。

感謝祭のシステムはゲスト2名、プロ2名で構成された1チーム4名からなるチーム戦で、一人4半荘ずつ打ってのトータルポイント勝負。
後半戦ほど順位点が大きくなり、逆転しやすいルールとなっています。
さらにチーム内でゲストとプロでペアを組んでもらい、4人勝負のチーム戦と2人勝負のペア戦と個人戦の三部門で競う形式になっています。

それでは今回参加いただいたゲストとプロ選手をチームごとに紹介させていただきます。

 

 

①Abema TVチーム

 

100
塚本泰隆様

 

100
張巧実様

 

100
白鳥翔プロ

 

100
鈴木大介プロ

 

 

②マンガ家チーム

 

100
弓月光様

 

100
森川ジョージ様

 

100
伊藤優孝プロ

 

100
三浦智博プロ

 

 

③アース製薬チーム

 

100
大塚達也様

 

100
川村芳範様

 

100
佐々木寿人プロ

 

100
黒沢咲プロ

 

 

④Aチーム

 

100
立川談春様

 

100
瀬戸熊直樹プロ

 

100
本田朋広プロ

 

※もう1名のゲストの方は今回お名前を伏せさせていただきます

 

 

⑤電通チーム

 

100
高柳寛哉様

 

100
平野貴宣様

 

100
森山茂和プロ

 

100
和久津晶プロ

 

 

⑥Bチーム

 

100
品川泰一様

 

100
勝又健志プロ

 

100
魚谷侑未プロ

 

※もう1名のゲストの方は今回お名前を伏せさせていただきます

 

 

⑦プロ野球チーム

 

100
山本浩二様

 

100
愛甲猛様

 

100
二階堂亜樹プロ

 

100
加藤哲郎プロ

 

 

⑧灘麻太郎・加賀まりこチーム

 

100
加賀まりこ様

 

100
清弘誠様

 

100
灘麻太郎プロ

 

100
二階堂瑠美プロ

 

 

⑨コナミアミューズメント・GENDAチーム

 

100
片岡尚様

 

100
西村宣隆様

 

100
前原雄大プロ

 

100
伊達朱里紗プロ

 

 

⑩競輪チーム

 

100
中野浩一様

 

100
脇本雄太様

 

100
滝沢和典プロ

 

100
高宮まりプロ

 

 

⑪.テレ朝・カドカワチーム

 

100
藤沢晴信様

 

100
森井巧様

 

100
内川幸太郎プロ

 

100
林美沙希プロ

 

 

⑫.田中裕二・貴闘力チーム

 

100
田中裕二様

 

100
貴闘力様

 

100
山井弘プロ

 

100
中田花奈プロ

 

 

⑬.ラス・カーズ・キャピタル・ヤマノビューティーチーム

 

100
中井川俊一様

 

100
山野幹夫様

 

100
荒正義プロ

 

100
宮内こずえプロ

 

 

⑭.セガ・AKレーシングチーム

 

100
佐々木優文様

 

100
木村昇様

 

100
前田直哉プロ

 

100
東城りおプロ

 

 

⑮.チームBEAST

 

100
白壁剛志様

 

100
猿川真寿プロ

 

100
菅原千瑛プロ

 

※もう1名のゲストの方は今回お名前を伏せさせていただきます

 

 

⑯.モンド・ロイヤルチーム

 

100
森田勉様

 

100
上島大右様

 

100
沢崎誠プロ

 

100
藤崎智プロ

 

 

以上、16チーム64名。

大会の特別賞として跳満賞や役満賞、ビンゴ賞など様々な種類の賞を用意していましたが達成者が続出!!

どの卓も皆様笑顔で、麻雀を通して交流を深めあっていました。

ここからは私のスマホで撮影させていただいた、プロの方々の写真を掲載します!

・森山会長

 

100

 

開場前に快く撮影に応じてくださいました。お忙しい中ありがとうございます!

本日の司会、MC

・日吉プロ

 

100

 

名実況を活かして楽しい場を更に盛り上げてくださいます!

・藤崎プロ

 

100

 

・滝沢プロ、白鳥プロ

 

100

 

・魚谷プロ

 

100

 

・佐々木プロ

 

100

 

・亜樹プロ

 

100

 

・和久津プロ
ツーショットを撮っていただきました!嬉しいです!

 

100

 

本日の運営スタッフの女子達でも記念写真をパシャリ

 

100

 

・齋藤プロ ・花宮プロ ・御子柴プロ ・川上プロ ・赤木
のメンバーでした!
女子が揃うととても華やかです。

・庄田プロ

 

100

 

お昼ご飯を持つ姿がとても似合いますね!

すべての対局を終えポイントが集計されました。

日本プロ麻雀連盟感謝祭2024個人戦優勝は・・・

本田朋広プロ!

 

100

 

ペア戦優勝は・・・

白壁剛志様、猿川真寿プロ!

 

100

 

そしてチーム戦、優勝に輝いたのは・・・

Aチームとなりました!

 

100

 

最後に日本プロ麻雀連盟会長、森山茂和の挨拶で閉会となった日本プロ麻雀連盟感謝祭2024

また来年にたくさんの方々に楽しんでいただける大会になるよう、より一層精進して参ります。

大会にご参加頂いた皆様、大変ありがとうございました。

(文:赤木クロ)

第23期マスターズ 決勝観戦記前編~前原 雄大~

~それぞれの光景~

何処までも突き抜けるような青空を仰ぎながら、第23期麻雀マスターズ決勝の会場であるスタジオに向かっていた。

会場入りしたのは、集合時間の30分ほど前。
各選手の対局前の様子を見るためと、簡単なアンケートを記してもらうためだった。

和久津晶プロを除く3選手はすでに会場入りしており、紺野真太郎プロは自前の弁当を食していた。

自身の麻雀を「超攻撃型」と記し、
マスターズを「4年前の忘れ物」
決勝への抱負を「ただ、やるだけ」そう記していた。
そう記す分だけ固い決意を感じさせた。

 

100
紺野 真太郎

 

 

西島一彦プロは、和久津晶プロの会場入りの遅さに、事故でもあったのでは、と心配されていた。
少し表情が硬めなのはやはり緊張されていたのだろう。

マスターズを「夢」と記し、
抱負を「夢の舞台なので全力で頑張ります!」
気合も充分なのだろう。

 

100
西島 一彦

 

 

中西正行さんはアンケートを見て困った様子。
麻雀以外の趣味を記す項目が書けないとのこと、

「私、麻雀以外に趣味がないのです」
恥ずかしそうにそうおっしゃってくださった。

麻雀のスタイルも、他3選手は攻撃型と記している中、唯一のバランス型と記し、決勝にあたっての抱負などの項には「気楽にやります。」と記してあった。
過去にも、一般参加の方でマスターズの栄誉に輝いた方は気楽、もしくは無欲に映った方が多かったように思える。
最終戦のオーラストータルトップでありながらも、親満のリーチを打ち続け、そしてツモりアガリ続ける方もいらっしゃった。

それは勝ちとか、負けとかではなく、純粋に麻雀に溶け込んでいたのだろう。
中西正行さんの風情を見ていて、ふと、その時の光景を思い出していた。

 

100
中西 正行さん

 

 

そこに会場入りして来たのが和久津晶プロ。
「最終戦、4着に位置していたらどうしょう」等と言いながら
「朝、「ultrasoul」を聞いていたら気分が高揚しちゃって!!」
誰に言うでもなく表情はやわらかいのだが、ハイテンションである。

マスターズを「夢の舞台」と記し、決勝への抱負を「今日は完全な大穴なので自由に打ちたい」そう記している。
決勝慣れしている和久津晶でさえ、自分自身をそう評価していることに少し驚かされた。

 

100
和久津 晶

 

1回戦

 

100

 

東1局、いきなりの勝負手に恵まれたのが中西正行さん。
7巡目に、ドラである白をツモった局面である。

七万二索六索六索七索八索四筒四筒七筒八筒白白白白  ドラ白

麻雀に正解は無い。
中西さんはここから白の暗カンをせず打六索とした。
この一打が、中西さんが自分を評する処のバランス型ということなのだろう。
攻撃型ならば、まずは暗カンをするように思う。

次巡、ツモ四索で1シャンテンとなり、ドラを暗カンし嶺上よりツモ六筒でテンパイ。
ここでヤミテンを選択。
これも中西さんのバランスであり強い意志である。

 

100

 

実際、この時点で待ち牌である三索は山に4枚全て生きている。
紺野真太郎以外の誰が掴んでも打ち出される牌である。

結果は、紺野がリーチを打ち、同巡、中西さんがツモ切り追いかけリーチを打ち紺野が残り2枚の三筒六筒をツモあがった。

五万六万七万三索四索五索七索八索九索二筒二筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ白南  裏四索北

続く東1局1本場は、和久津が6巡目にリーチを打ち9巡目にツモアガる。

三万四万五万四索五索六索七索七索六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ八筒  ドラ三万  裏中

南2局、西家である紺野が満貫をツモアガる。

八万八万三索四索五索五筒六筒七筒西西  ポン白白白  ツモ西  ドラ八万

このアガリで、トップ目の和久津晶との点差が6,200点。

南4局、ここまでは和久津、紺野のペースと言っても良いだろう。
オーラスの和久津の親を迎えた時点での並びは以下の通り。

和久津44,200 紺野38,000 中西24,400 西島13,400

 

100

 

中西さんの、発の加カンが入ったと同巡に、紺野が絶好とも思える四筒を引き入れるとともにリーチを打つ。

二万三万七万七万五索六索七索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ一索  カンドラ西

和久津との点差を考えれば、裏ドラ、カン裏ドラを期待するのも当然の一手とも思える。
紺野のリーチと、同巡に中西さんも四筒を引き込み、ノータイムで三筒を切り飛ばす。

三万四万二索三索四索二筒三筒四筒白白  加カン発発発発

この打三筒にシビれたのは紺野だろう。
紺野と中西さんとの点差13,600点がありながら、真っ直ぐに打ち出された三筒である。
理で考えるならば三元役の可能性が濃い。
打ち手の心情とは、本当に繊細で最悪のケースを考えるものである。
恐らく同じ思考を持ったのが和久津。

一索一索二索三索四索四索六索八索八索五筒六筒七筒中中

リーチ者の紺野の河には中がある。しかし、この中に手がかけられない。
勿論、和久津の目から見れば大三元はない。ドラである一索も自身が2枚抑え込んでいる。
少考の末、和久津が選択したのは、比較的安全牌に映る打八索

そして13巡目に、ツモ一筒でさらに長考の末、打八索
一筒を打てない以上、事実上この1局を紺野、中西さんにゆだねた一打である。

ところが、中西さんが紺野の入り目でもある四筒をツモ切る。
そして、和久津ツモ八索で打一筒と構えなおせた。
次巡、中西さんの手番で白をツモり熟考に沈む。
この熟考の意味は不明だが、受ける側の思考からすれば、白の暗カンを考えたようにも映る。
そして同巡、和久津にツモ七索でテンパイが入る。
和久津腹を括って「リーチ」。

一索一索二索三索四索六索七索八索五筒六筒七筒中中  リーチ

このリーチが打てるのが和久津の強みである。
このリーチの意味を私なりに考えてみた。

最初に思い当たったのが、和久津がアンケートに記した「自由に打ちたい」の言葉である。
次に理で考えたのが、仮に中西さんの待ち牌が中単騎であるならば、和久津と紺野のリーチの挟撃により、中西さんからの中の出アガリを期待したものかとも考えられる。
実際はもっとシンプルな思考で、「アマゾネス」の異名通り、牌の訪れ方に素直に従っただけなのかもしれない。

和久津のリーチに一発で中を打ちこまされたのが紺野。
紺野とは長い付き合いだが、どんな局面においてもキチンと美しく打牌を河に並べるのだが、卓の中央付近に放り投げるように強打する紺野を初めてみた。
さすがに、中西さんへの大三元を想定したものと思える。
本人に尋ねたわけではいないがそれほど検討違いではないだろう。

卓上に置かれた紺野の中を確認し
「ロン、18,000」
そう声があがったのは和久津である。
いずれにしても紺野にとっては痛い放銃には違いない。

続く1本場は、西島がドラ入り七対子をヤミテンでツモアガる。

二万二万二索三索三索四索四索三筒三筒四筒四筒中中  ツモ二索  ドラ中

リーチの選択もあったかもしれないが、親の和久津が明らかな一色手の仕掛けが入っている以上、そしてまだ初戦であることを考えれば、私には至当な収束に映った。

1回戦成績
和久津晶+44.1P  中西正行▲2.7P  西島一彦▲13.3P  紺野真太郎▲28.1P

 

100

 

2回戦

じっと顔を下に伏せ、麻雀に溶け込もうとする和久津と西島。
紺野は軽く首を振り、しこりを取り除くかのような仕草をしていた。

1回戦のオーラス、和久津とトップ争いを演じていたのだが、まさか、僅か2局でラスになることを予想していただろうか。
マスターズに限らず、大きなタイトル戦を戦う時に大切なことのひとつに、少ない休憩時間を如何に過ごすかということがあげられる。
自分の置かれている状況をきちんと把握し、次の回に如何に闘うかを決める大切な時間なのである。

勿論、前夜までにあらゆる状況、立ち位置は想定し、ゲームの組み立ては済ますものである。
その確認作業をするために休憩時間が大切になる。

天を仰いで、飄々とした表情で対局開始の合図を待ち続ける中西さん。
きっとこの方は、普段から心底麻雀を楽しんでいるのだろうという風情が伺える。

東3局1本場

 

100

 

親番である紺野の配牌。

四万五万六万八万八万一索六索二筒五筒東南西発中  ドラ四筒

この手牌が素晴らしいツモで、マンズの一色に寄りはじめる。
10巡目に、ツモ八万で待望のテンパイを果たす。

一万二万三万四万五万六万六万七万八万八万八万東東

そこに追いついたのが和久津。
ツモ二索でドラ四筒暗刻のリーチを打つ。

三万四万二索三索四索九索九索四筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

紺野と和久津のアガリ枚数は五分である。
次巡、紺野がツモ七万で、打八万と変化する。

一万二万三万四万五万六万六万七万七万八万八万東東

この姿形となるも、和久津が軽々と五万を引きアガる。
本当に強さを感じさせるツモアガリである。
そう思って紺野の表情を伺うが、そこには能面のような顔しか映っていなかった。
こんなことは何度もあるのだぞと、何度も何度も今日を迎えるにあたりシミュレートし続けたのだろう。

それにしても1回戦からここまでの展開、天運は和久津に味方している。
なにしろ5回戦しかないのだから、今半荘、和久津が連勝を決めたら勝負の趨勢も決まってしまうように思われた。

南2局、そんな和久津に苦悩の表情が浮かんだのが今局の西島のアガリである。

 

100

 

16巡目、和久津の手牌

一万二万三万三索四索五索六索八索四筒五筒六筒西西  ツモ四索  ドラ六索

和久津がツモ四索で手が止まる。

西島の河を凝視しながら、何かの思いを振り切るかのように打八索
打牌にも明らかに表情を出す和久津も珍しい。それだけの背景があった。

現状のトータルポイントが、一番近いのが親番でもある西島であり、今半荘のトップを競り合っている。
しかも和久津が、即リーチを打たなかったために、西島に本来のロン牌である七索を打たれている。
和久津がリーチを打ったら、西島がどう処したかはわからない。
それでも和久津から見たら、アガリ逃しに映ったのは想像に難くない。

上記の事を考え合わせれば、西島の現物である打四索が至当な一打のように思える。
西島の手牌

二万二万五万六万六万七万七万八万六索七索三筒五筒七筒

西島は、和久津の八索を仕掛け、打三筒とし、カン六筒の待ち取りとする。
実は、テンパイ一番乗りは6巡目の中西さんであり、この和久津への放銃は致し方ない所だろう。
中西さんの牌姿

七万八万九万一索二索三索六索二筒三筒四筒中中中  ツモ六筒

中西さんは、7巡目にツモ中六索単騎のヤミテンをどこまでも貫く。
これも中西さんの意志であり、バランスなのである。

麻雀の難しい所は、こういう部分でリーチの取捨選択が明暗を分ける。
カン七索待ちのリーチも、六索単騎のリーチも私は否定しない。
また、中西さんのように、どこまでもヤミテンを貫くのも強靭なまでの意志力を感じさせる。
いずれにしても、西島にとっては点数以上に大きなアガリのように私には思えた。

和久津に異変が起きたのはこのアガリを見てから。
今まで一度も左腕を肘掛けに置くことは無く、自分の左太もも辺りに置いていたのだが、この局以降、和久津は左腕を肘掛けに置くようになった。
対局姿勢に初めてブレが生じたように見えた。
本人は気づかないだろうが、側にいると心の在り方がはっきりと浮き彫りにされるように思える。

南2局1本場、中西さんが7巡目ツモ五索でリーチを打つ。

七万八万八万八万九万一索二索三索六索七索七索八索五筒  ツモ五索  ドラ七索

中西さんはこの満貫手をツモアガる。
これでわずか2,000点差の中に3者が並ぶ。

南3局、いままでの和久津には見られないような仕掛けが入る。
和久津が4巡目に五索を仕掛ける。

三万五万四索六索八索八索五筒五筒七筒南南中中  ドラ西

そして八索も仕掛ける。

四筒五筒六筒南南中中  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き

この仕掛けで今半荘、ノーホーラであった親番の紺野からリーチが入る。

二万二万二万八万八万四索五索六索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ

同巡、中西さんにもドラドラ七対のテンパイが入る。

五万五万六万六万七索七索九筒九筒東東西西発

そして和久津はノータイムで二筒をツモ切る。
「ロン12,000」
裏ドラが二万だった。本当に仕掛けは怖い。
いや、和久津をして、不自然な仕掛けをする精神状態に陥らせる程、マスターズという決勝のステージが高いということだろう。

この12,000点は、紺野が地力でアガった12,000点ではなく、和久津がアガらせた12,000点、少なくとも私はそう見る。
「もし和久津がマスターズを獲り損なったとしたならば、今局の仕掛けが敗因と私は視る」
私の観戦ノートにはそう記されている。

1回戦のオーラスの素晴らしいまでの攻めの力を発揮させた打ち手と、同一人物とは思えないほどの変容ぶりである。
その後も和久津は、放銃失点を重ね続ける。
続く1本場も紺野が2,000点を出アガる。
2本場、西島が絶好の四索を引き込み、6巡目にリーチを打つ。

四万五万六万三索四索五索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒  リーチ  ドラ南  裏六筒

このリーチに真っ向勝負に向かい放銃したのが和久津。

八万八万四索四索四索七索七索七索一筒二筒三筒五筒六筒六筒

ここからの打六筒での放銃。
和久津らしい無筋をいくつも通した攻め方ではあるが、紺野、中西さんのオリがはっきりしている以上、そして打点的にも攻める局なのかは悪手ではないにしろ疑問手ではある。
ひとつには、今半荘のトップ目は、前半荘大きく沈んだ紺野なのである。
紺野がトップの方が、和久津としても悪くはないだろう。
もったいない一局に思える。

ほんのつい20分ほど前まで、トータルポイントも今半荘もトップであったのだが、南4局1本場を迎える今、残り持ち点8,300点までになっていた。
そしてオーラス

 

100

 

和久津は紺野のリーチに追いかけるが、紺野には放銃しなかったが、紺野が西島に1,000は1,600点を放銃し、今半荘が終わった。
西島にとっては、1回戦同様、値千金の嬉しい、そして重いアガリだった。
30年ほど前、故川田隆プロから学んだ言葉を思い出していた。

「強い打ち手の定義に、1,000点のアガリが必要な局面でアガリ切れるということが言えると思うよ」

2回戦成績
西島一彦+26.6P  中西正行+11.6P  紺野真太郎▲0.5P   和久津晶▲37.7P

2回戦終了時
西島一彦+13.3P  中西正行+8.9P  和久津晶+6.4P  紺野真太郎▲28.6P

3回戦

東1局、親番である中西さんに5巡目という速いテンパイが入る。

四万五万六万六万七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ一筒

ここをきちんと正攻法のヤミテンに構える。
これは、一発や裏ドラがあるBルールでも幾つかの手変わりがある以上、親番と言えども構え方として好感が持てる。
8巡目のツモ五筒でリーチを打つ。

 

100

 

これは見切り時としては柔軟な構えである。
このリーチに対して、紺野が1枚切れの発を打つ。

「危なげな一打」
そう記してある。

四万七万九万一索二索五索五索一筒一筒六筒八筒東白発

確かに、中西さんの八索の空切りはトイツ落としにも映る。
だが、紺野の手牌は1メンツもなく、とても戦える手牌ではない。
何よりも、私の知っている紺野は何時だって、こういう局面ではきちんと頭を下げ打一索としてきた。
それが紺野の麻雀であり、紺野真太郎という男である。

 

100

 

結果は、中西さんが裏ドラを2枚乗せての12,000点のアガリである。
「堪えろ、紺野」
そう記してあった。
たかが親満じゃないか__。

中西さんは、このアガリを皮切りに続く1本場

七万七万二索二索二索四筒五筒  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン東東東  ツモ六筒  ドラ六筒

この親満を引きアガる。
次局も、中西さんがリーチを打ち流局。
この親番を落とすことが3者共通の使命であり、この親番をいかにブレイクさせるかが中西さんの課題である。

この親番を落としたのが西島。
1シャンテンが一番速かったのが好調な中西さん。
わずか3巡目にして下図となった。

七万八万九万四索七索八索一筒一筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ六筒

テンパイ一番乗りは紺野、次に和久津。
和久津は

二万三万六万七万八万五索六索七索二筒二筒三筒四筒四筒  ツモ三筒

三万のヤミテンに構えると、西島がその三万をポン。
次巡、五索ツモで二万単騎のまま空切りリーチを打つ。

最終形

紺野
二万三索四索五索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒

西島
三索四索八索八索八索五筒五筒六筒七筒八筒  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き

紺野からすれば、四万単騎で押していたのだが、和久津のロン牌であるツモ二万で待ち変え、その途端に、和久津に四万を打たれ紺野自身も次巡、四万をツモアガっている。
勿論、当事者である紺野にはロン牌とは解らない。
結果、西島への放銃である。

こういう放銃は、和久津のリーチの待ちの答えが解らない分だけ応えるように思う。
西島の三万ポンの仕掛けは一見危なげに映るが、牌譜検証してみた所、中西さんのアガリを阻止していたことも付け加えておく。

七万八万九万四索七索八索三筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒  ドラ六筒

この手が成就していたら、中西さんはどこまで加点したか解らないほどであった。
結果として、西島のファインプレイであったことは間違いない。

南2局、和久津が10巡目に、出アガリ2,600点のテンパイが入る。

五万五万二索四索四索五索六索六索七索八索四筒四筒四筒  ドラ七索

同巡、西島もフリテンの九索を引き戻し、リーチを打つ。

六万七万八万三索四索五索七索八索九索五筒五筒六筒七筒  リーチ

次巡、和久津に打ちづらいツモ四筒が入り当然の暗カン。
すると、カンドラが四筒となる。一気に交わし手が勝負手となる。
こうなったらオリる和久津ではない。無筋を切り飛ばす。

和久津は12巡目にして、既に二通りのアガリを逃しているのだが、そんなことは和久津にとっては全く関係ないことで、そこに和久津の強さがある。
そこに割り込んで来たのがもう後がない親番の紺野。
無理は承知で、白のポンテンをとる。

七万七万七万三索四索五索五索六索南南  ポン白白白

さらに、白の加カンで勝負をかける。
この加カンで、さらにドラが2枚増える和久津。
結果は、和久津の西島よりの出アガり倍満。
このアガリで大量リードしていた中西さんを捲ってしまう。
次局、和久津が親番を迎え10巡目にリーチを打つ。

六万六万六万一索二索三索三索四索六索七索八索五筒五筒  リーチ  ドラ四筒

ただし、既にテンパイを入れていた西島が立ち向かう。

二万三万四万五万七万八万八万二筒三筒四筒南南南  ドラ四筒

ここに、ツモ七万で打二万の待ち変え。
次巡、危険牌に映る八索をツモるとツモ切りリーチで追う。
結果、ラス牌の七万を和久津が掴み放銃する。
西島のアガリ形を見て軽く頷きながら、点棒を支払う和久津。
これで、中西さんと再逆転である。

オーラスは、紺野が第一ツモのドラである東を暗カンし、7巡目にリーチを打つ。

四索五索六索一筒一筒四筒五筒発発発  暗カン牌の背東東牌の背  リーチ  ドラ東  カンドラ七万

このリーチには、さすがに誰も向かわない、否、向かっては行けない局面である。
先にテンパイが入っていた中西さんもオリに向かう。
紺野にしても、ツモアガれるとは毛ほども思ってはいないだろう。
この手が実るくらいならば、こんな持ち点にはなってはいない。
それでもこの手牌は、他3者に配慮したものか動機はわからないが、トータルポイントから見ても、麻雀プロとして打つべきリーチであることは間違いないように思う。

 

100

 

3回戦成績
中西正行+31.8P  和久津晶+16.0P  西島一彦▲4.9P  紺野真太郎▲45.9P(供託+3.0P)

3回戦終了時
中西正行+40.7P  和久津晶+22.4P  西島一彦+8.4P  紺野真太郎▲74.5P(供託+3.0P)

つづく・・・

麻雀マスターズ 決勝観戦記/第23期マスターズ 決勝観戦記前編~前原 雄大~

~それぞれの光景~
何処までも突き抜けるような青空を仰ぎながら、第23期麻雀マスターズ決勝の会場であるスタジオに向かっていた。
会場入りしたのは、集合時間の30分ほど前。
各選手の対局前の様子を見るためと、簡単なアンケートを記してもらうためだった。
和久津晶プロを除く3選手はすでに会場入りしており、紺野真太郎プロは自前の弁当を食していた。
自身の麻雀を「超攻撃型」と記し、
マスターズを「4年前の忘れ物」
決勝への抱負を「ただ、やるだけ」そう記していた。
そう記す分だけ固い決意を感じさせた。
 

100
紺野 真太郎

 
 
西島一彦プロは、和久津晶プロの会場入りの遅さに、事故でもあったのでは、と心配されていた。
少し表情が硬めなのはやはり緊張されていたのだろう。
マスターズを「夢」と記し、
抱負を「夢の舞台なので全力で頑張ります!」
気合も充分なのだろう。
 

100
西島 一彦

 
 
中西正行さんはアンケートを見て困った様子。
麻雀以外の趣味を記す項目が書けないとのこと、
「私、麻雀以外に趣味がないのです」
恥ずかしそうにそうおっしゃってくださった。
麻雀のスタイルも、他3選手は攻撃型と記している中、唯一のバランス型と記し、決勝にあたっての抱負などの項には「気楽にやります。」と記してあった。
過去にも、一般参加の方でマスターズの栄誉に輝いた方は気楽、もしくは無欲に映った方が多かったように思える。
最終戦のオーラストータルトップでありながらも、親満のリーチを打ち続け、そしてツモりアガリ続ける方もいらっしゃった。
それは勝ちとか、負けとかではなく、純粋に麻雀に溶け込んでいたのだろう。
中西正行さんの風情を見ていて、ふと、その時の光景を思い出していた。
 

100
中西 正行さん

 
 
そこに会場入りして来たのが和久津晶プロ。
「最終戦、4着に位置していたらどうしょう」等と言いながら
「朝、「ultrasoul」を聞いていたら気分が高揚しちゃって!!」
誰に言うでもなく表情はやわらかいのだが、ハイテンションである。
マスターズを「夢の舞台」と記し、決勝への抱負を「今日は完全な大穴なので自由に打ちたい」そう記している。
決勝慣れしている和久津晶でさえ、自分自身をそう評価していることに少し驚かされた。
 

100
和久津 晶

 
1回戦
 

100

 
東1局、いきなりの勝負手に恵まれたのが中西正行さん。
7巡目に、ドラである白をツモった局面である。
七万二索六索六索七索八索四筒四筒七筒八筒白白白白  ドラ白
麻雀に正解は無い。
中西さんはここから白の暗カンをせず打六索とした。
この一打が、中西さんが自分を評する処のバランス型ということなのだろう。
攻撃型ならば、まずは暗カンをするように思う。
次巡、ツモ四索で1シャンテンとなり、ドラを暗カンし嶺上よりツモ六筒でテンパイ。
ここでヤミテンを選択。
これも中西さんのバランスであり強い意志である。
 

100

 
実際、この時点で待ち牌である三索は山に4枚全て生きている。
紺野真太郎以外の誰が掴んでも打ち出される牌である。
結果は、紺野がリーチを打ち、同巡、中西さんがツモ切り追いかけリーチを打ち紺野が残り2枚の三筒六筒をツモあがった。
五万六万七万三索四索五索七索八索九索二筒二筒四筒五筒  リーチ  ツモ六筒  ドラ白南  裏四索北
続く東1局1本場は、和久津が6巡目にリーチを打ち9巡目にツモアガる。
三万四万五万四索五索六索七索七索六筒七筒七筒八筒九筒  リーチ  ツモ八筒  ドラ三万  裏中
南2局、西家である紺野が満貫をツモアガる。
八万八万三索四索五索五筒六筒七筒西西  ポン白白白  ツモ西  ドラ八万
このアガリで、トップ目の和久津晶との点差が6,200点。
南4局、ここまでは和久津、紺野のペースと言っても良いだろう。
オーラスの和久津の親を迎えた時点での並びは以下の通り。
和久津44,200 紺野38,000 中西24,400 西島13,400
 

100

 
中西さんの、発の加カンが入ったと同巡に、紺野が絶好とも思える四筒を引き入れるとともにリーチを打つ。
二万三万七万七万五索六索七索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ  ドラ一索  カンドラ西
和久津との点差を考えれば、裏ドラ、カン裏ドラを期待するのも当然の一手とも思える。
紺野のリーチと、同巡に中西さんも四筒を引き込み、ノータイムで三筒を切り飛ばす。
三万四万二索三索四索二筒三筒四筒白白  加カン発発発発
この打三筒にシビれたのは紺野だろう。
紺野と中西さんとの点差13,600点がありながら、真っ直ぐに打ち出された三筒である。
理で考えるならば三元役の可能性が濃い。
打ち手の心情とは、本当に繊細で最悪のケースを考えるものである。
恐らく同じ思考を持ったのが和久津。
一索一索二索三索四索四索六索八索八索五筒六筒七筒中中
リーチ者の紺野の河には中がある。しかし、この中に手がかけられない。
勿論、和久津の目から見れば大三元はない。ドラである一索も自身が2枚抑え込んでいる。
少考の末、和久津が選択したのは、比較的安全牌に映る打八索
そして13巡目に、ツモ一筒でさらに長考の末、打八索
一筒を打てない以上、事実上この1局を紺野、中西さんにゆだねた一打である。
ところが、中西さんが紺野の入り目でもある四筒をツモ切る。
そして、和久津ツモ八索で打一筒と構えなおせた。
次巡、中西さんの手番で白をツモり熟考に沈む。
この熟考の意味は不明だが、受ける側の思考からすれば、白の暗カンを考えたようにも映る。
そして同巡、和久津にツモ七索でテンパイが入る。
和久津腹を括って「リーチ」。
一索一索二索三索四索六索七索八索五筒六筒七筒中中  リーチ
このリーチが打てるのが和久津の強みである。
このリーチの意味を私なりに考えてみた。
最初に思い当たったのが、和久津がアンケートに記した「自由に打ちたい」の言葉である。
次に理で考えたのが、仮に中西さんの待ち牌が中単騎であるならば、和久津と紺野のリーチの挟撃により、中西さんからの中の出アガリを期待したものかとも考えられる。
実際はもっとシンプルな思考で、「アマゾネス」の異名通り、牌の訪れ方に素直に従っただけなのかもしれない。
和久津のリーチに一発で中を打ちこまされたのが紺野。
紺野とは長い付き合いだが、どんな局面においてもキチンと美しく打牌を河に並べるのだが、卓の中央付近に放り投げるように強打する紺野を初めてみた。
さすがに、中西さんへの大三元を想定したものと思える。
本人に尋ねたわけではいないがそれほど検討違いではないだろう。
卓上に置かれた紺野の中を確認し
「ロン、18,000」
そう声があがったのは和久津である。
いずれにしても紺野にとっては痛い放銃には違いない。
続く1本場は、西島がドラ入り七対子をヤミテンでツモアガる。
二万二万二索三索三索四索四索三筒三筒四筒四筒中中  ツモ二索  ドラ中
リーチの選択もあったかもしれないが、親の和久津が明らかな一色手の仕掛けが入っている以上、そしてまだ初戦であることを考えれば、私には至当な収束に映った。
1回戦成績
和久津晶+44.1P  中西正行▲2.7P  西島一彦▲13.3P  紺野真太郎▲28.1P
 

100

 
2回戦
じっと顔を下に伏せ、麻雀に溶け込もうとする和久津と西島。
紺野は軽く首を振り、しこりを取り除くかのような仕草をしていた。
1回戦のオーラス、和久津とトップ争いを演じていたのだが、まさか、僅か2局でラスになることを予想していただろうか。
マスターズに限らず、大きなタイトル戦を戦う時に大切なことのひとつに、少ない休憩時間を如何に過ごすかということがあげられる。
自分の置かれている状況をきちんと把握し、次の回に如何に闘うかを決める大切な時間なのである。
勿論、前夜までにあらゆる状況、立ち位置は想定し、ゲームの組み立ては済ますものである。
その確認作業をするために休憩時間が大切になる。
天を仰いで、飄々とした表情で対局開始の合図を待ち続ける中西さん。
きっとこの方は、普段から心底麻雀を楽しんでいるのだろうという風情が伺える。
東3局1本場
 

100

 
親番である紺野の配牌。
四万五万六万八万八万一索六索二筒五筒東南西発中  ドラ四筒
この手牌が素晴らしいツモで、マンズの一色に寄りはじめる。
10巡目に、ツモ八万で待望のテンパイを果たす。
一万二万三万四万五万六万六万七万八万八万八万東東
そこに追いついたのが和久津。
ツモ二索でドラ四筒暗刻のリーチを打つ。
三万四万二索三索四索九索九索四筒四筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
紺野と和久津のアガリ枚数は五分である。
次巡、紺野がツモ七万で、打八万と変化する。
一万二万三万四万五万六万六万七万七万八万八万東東
この姿形となるも、和久津が軽々と五万を引きアガる。
本当に強さを感じさせるツモアガリである。
そう思って紺野の表情を伺うが、そこには能面のような顔しか映っていなかった。
こんなことは何度もあるのだぞと、何度も何度も今日を迎えるにあたりシミュレートし続けたのだろう。
それにしても1回戦からここまでの展開、天運は和久津に味方している。
なにしろ5回戦しかないのだから、今半荘、和久津が連勝を決めたら勝負の趨勢も決まってしまうように思われた。
南2局、そんな和久津に苦悩の表情が浮かんだのが今局の西島のアガリである。
 

100

 
16巡目、和久津の手牌
一万二万三万三索四索五索六索八索四筒五筒六筒西西  ツモ四索  ドラ六索
和久津がツモ四索で手が止まる。
西島の河を凝視しながら、何かの思いを振り切るかのように打八索
打牌にも明らかに表情を出す和久津も珍しい。それだけの背景があった。
現状のトータルポイントが、一番近いのが親番でもある西島であり、今半荘のトップを競り合っている。
しかも和久津が、即リーチを打たなかったために、西島に本来のロン牌である七索を打たれている。
和久津がリーチを打ったら、西島がどう処したかはわからない。
それでも和久津から見たら、アガリ逃しに映ったのは想像に難くない。
上記の事を考え合わせれば、西島の現物である打四索が至当な一打のように思える。
西島の手牌
二万二万五万六万六万七万七万八万六索七索三筒五筒七筒
西島は、和久津の八索を仕掛け、打三筒とし、カン六筒の待ち取りとする。
実は、テンパイ一番乗りは6巡目の中西さんであり、この和久津への放銃は致し方ない所だろう。
中西さんの牌姿
七万八万九万一索二索三索六索二筒三筒四筒中中中  ツモ六筒
中西さんは、7巡目にツモ中六索単騎のヤミテンをどこまでも貫く。
これも中西さんの意志であり、バランスなのである。
麻雀の難しい所は、こういう部分でリーチの取捨選択が明暗を分ける。
カン七索待ちのリーチも、六索単騎のリーチも私は否定しない。
また、中西さんのように、どこまでもヤミテンを貫くのも強靭なまでの意志力を感じさせる。
いずれにしても、西島にとっては点数以上に大きなアガリのように私には思えた。
和久津に異変が起きたのはこのアガリを見てから。
今まで一度も左腕を肘掛けに置くことは無く、自分の左太もも辺りに置いていたのだが、この局以降、和久津は左腕を肘掛けに置くようになった。
対局姿勢に初めてブレが生じたように見えた。
本人は気づかないだろうが、側にいると心の在り方がはっきりと浮き彫りにされるように思える。
南2局1本場、中西さんが7巡目ツモ五索でリーチを打つ。
七万八万八万八万九万一索二索三索六索七索七索八索五筒  ツモ五索  ドラ七索
中西さんはこの満貫手をツモアガる。
これでわずか2,000点差の中に3者が並ぶ。
南3局、いままでの和久津には見られないような仕掛けが入る。
和久津が4巡目に五索を仕掛ける。
三万五万四索六索八索八索五筒五筒七筒南南中中  ドラ西
そして八索も仕掛ける。
四筒五筒六筒南南中中  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き
この仕掛けで今半荘、ノーホーラであった親番の紺野からリーチが入る。
二万二万二万八万八万四索五索六索三筒四筒六筒七筒八筒  リーチ
同巡、中西さんにもドラドラ七対のテンパイが入る。
五万五万六万六万七索七索九筒九筒東東西西発
そして和久津はノータイムで二筒をツモ切る。
「ロン12,000」
裏ドラが二万だった。本当に仕掛けは怖い。
いや、和久津をして、不自然な仕掛けをする精神状態に陥らせる程、マスターズという決勝のステージが高いということだろう。
この12,000点は、紺野が地力でアガった12,000点ではなく、和久津がアガらせた12,000点、少なくとも私はそう見る。
「もし和久津がマスターズを獲り損なったとしたならば、今局の仕掛けが敗因と私は視る」
私の観戦ノートにはそう記されている。
1回戦のオーラスの素晴らしいまでの攻めの力を発揮させた打ち手と、同一人物とは思えないほどの変容ぶりである。
その後も和久津は、放銃失点を重ね続ける。
続く1本場も紺野が2,000点を出アガる。
2本場、西島が絶好の四索を引き込み、6巡目にリーチを打つ。
四万五万六万三索四索五索二筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒  リーチ  ドラ南  裏六筒
このリーチに真っ向勝負に向かい放銃したのが和久津。
八万八万四索四索四索七索七索七索一筒二筒三筒五筒六筒六筒
ここからの打六筒での放銃。
和久津らしい無筋をいくつも通した攻め方ではあるが、紺野、中西さんのオリがはっきりしている以上、そして打点的にも攻める局なのかは悪手ではないにしろ疑問手ではある。
ひとつには、今半荘のトップ目は、前半荘大きく沈んだ紺野なのである。
紺野がトップの方が、和久津としても悪くはないだろう。
もったいない一局に思える。
ほんのつい20分ほど前まで、トータルポイントも今半荘もトップであったのだが、南4局1本場を迎える今、残り持ち点8,300点までになっていた。
そしてオーラス
 

100

 
和久津は紺野のリーチに追いかけるが、紺野には放銃しなかったが、紺野が西島に1,000は1,600点を放銃し、今半荘が終わった。
西島にとっては、1回戦同様、値千金の嬉しい、そして重いアガリだった。
30年ほど前、故川田隆プロから学んだ言葉を思い出していた。
「強い打ち手の定義に、1,000点のアガリが必要な局面でアガリ切れるということが言えると思うよ」
2回戦成績
西島一彦+26.6P  中西正行+11.6P  紺野真太郎▲0.5P   和久津晶▲37.7P
2回戦終了時
西島一彦+13.3P  中西正行+8.9P  和久津晶+6.4P  紺野真太郎▲28.6P
3回戦
東1局、親番である中西さんに5巡目という速いテンパイが入る。
四万五万六万六万七索八索九索二筒三筒四筒五筒六筒七筒  ドラ一筒
ここをきちんと正攻法のヤミテンに構える。
これは、一発や裏ドラがあるBルールでも幾つかの手変わりがある以上、親番と言えども構え方として好感が持てる。
8巡目のツモ五筒でリーチを打つ。
 

100

 
これは見切り時としては柔軟な構えである。
このリーチに対して、紺野が1枚切れの発を打つ。
「危なげな一打」
そう記してある。
四万七万九万一索二索五索五索一筒一筒六筒八筒東白発
確かに、中西さんの八索の空切りはトイツ落としにも映る。
だが、紺野の手牌は1メンツもなく、とても戦える手牌ではない。
何よりも、私の知っている紺野は何時だって、こういう局面ではきちんと頭を下げ打一索としてきた。
それが紺野の麻雀であり、紺野真太郎という男である。
 

100

 
結果は、中西さんが裏ドラを2枚乗せての12,000点のアガリである。
「堪えろ、紺野」
そう記してあった。
たかが親満じゃないか__。
中西さんは、このアガリを皮切りに続く1本場
七万七万二索二索二索四筒五筒  チー六筒 左向き七筒 上向き八筒 上向き  ポン東東東  ツモ六筒  ドラ六筒
この親満を引きアガる。
次局も、中西さんがリーチを打ち流局。
この親番を落とすことが3者共通の使命であり、この親番をいかにブレイクさせるかが中西さんの課題である。
この親番を落としたのが西島。
1シャンテンが一番速かったのが好調な中西さん。
わずか3巡目にして下図となった。
七万八万九万四索七索八索一筒一筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ六筒
テンパイ一番乗りは紺野、次に和久津。
和久津は
二万三万六万七万八万五索六索七索二筒二筒三筒四筒四筒  ツモ三筒
三万のヤミテンに構えると、西島がその三万をポン。
次巡、五索ツモで二万単騎のまま空切りリーチを打つ。
最終形
紺野
二万三索四索五索一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒九筒
西島
三索四索八索八索八索五筒五筒六筒七筒八筒  ポン三万 上向き三万 上向き三万 上向き
紺野からすれば、四万単騎で押していたのだが、和久津のロン牌であるツモ二万で待ち変え、その途端に、和久津に四万を打たれ紺野自身も次巡、四万をツモアガっている。
勿論、当事者である紺野にはロン牌とは解らない。
結果、西島への放銃である。
こういう放銃は、和久津のリーチの待ちの答えが解らない分だけ応えるように思う。
西島の三万ポンの仕掛けは一見危なげに映るが、牌譜検証してみた所、中西さんのアガリを阻止していたことも付け加えておく。
七万八万九万四索七索八索三筒四筒五筒六筒六筒六筒七筒八筒  ドラ六筒
この手が成就していたら、中西さんはどこまで加点したか解らないほどであった。
結果として、西島のファインプレイであったことは間違いない。
南2局、和久津が10巡目に、出アガリ2,600点のテンパイが入る。
五万五万二索四索四索五索六索六索七索八索四筒四筒四筒  ドラ七索
同巡、西島もフリテンの九索を引き戻し、リーチを打つ。
六万七万八万三索四索五索七索八索九索五筒五筒六筒七筒  リーチ
次巡、和久津に打ちづらいツモ四筒が入り当然の暗カン。
すると、カンドラが四筒となる。一気に交わし手が勝負手となる。
こうなったらオリる和久津ではない。無筋を切り飛ばす。
和久津は12巡目にして、既に二通りのアガリを逃しているのだが、そんなことは和久津にとっては全く関係ないことで、そこに和久津の強さがある。
そこに割り込んで来たのがもう後がない親番の紺野。
無理は承知で、白のポンテンをとる。
七万七万七万三索四索五索五索六索南南  ポン白白白
さらに、白の加カンで勝負をかける。
この加カンで、さらにドラが2枚増える和久津。
結果は、和久津の西島よりの出アガり倍満。
このアガリで大量リードしていた中西さんを捲ってしまう。
次局、和久津が親番を迎え10巡目にリーチを打つ。
六万六万六万一索二索三索三索四索六索七索八索五筒五筒  リーチ  ドラ四筒
ただし、既にテンパイを入れていた西島が立ち向かう。
二万三万四万五万七万八万八万二筒三筒四筒南南南  ドラ四筒
ここに、ツモ七万で打二万の待ち変え。
次巡、危険牌に映る八索をツモるとツモ切りリーチで追う。
結果、ラス牌の七万を和久津が掴み放銃する。
西島のアガリ形を見て軽く頷きながら、点棒を支払う和久津。
これで、中西さんと再逆転である。
オーラスは、紺野が第一ツモのドラである東を暗カンし、7巡目にリーチを打つ。
四索五索六索一筒一筒四筒五筒発発発  暗カン牌の背東東牌の背  リーチ  ドラ東  カンドラ七万
このリーチには、さすがに誰も向かわない、否、向かっては行けない局面である。
先にテンパイが入っていた中西さんもオリに向かう。
紺野にしても、ツモアガれるとは毛ほども思ってはいないだろう。
この手が実るくらいならば、こんな持ち点にはなってはいない。
それでもこの手牌は、他3者に配慮したものか動機はわからないが、トータルポイントから見ても、麻雀プロとして打つべきリーチであることは間違いないように思う。
 

100

 
3回戦成績
中西正行+31.8P  和久津晶+16.0P  西島一彦▲4.9P  紺野真太郎▲45.9P(供託+3.0P)
3回戦終了時
中西正行+40.7P  和久津晶+22.4P  西島一彦+8.4P  紺野真太郎▲74.5P(供託+3.0P)
つづく・・・

麻雀格闘倶楽部 特別対局イベントレポート

gpmax2012
日本プロ麻雀連盟 夏目坂スタジオから生放送!

皆様こんにちは。
先月、4月20日に「麻雀格闘倶楽部特別対局イベント」が、
日本プロ麻雀連盟の夏目坂スタジオから生放送で行われました。
今回レポートを務めさせていただきます、蒼井ゆりかです。
最後までどうぞよろしくお願い致します。

まずは、麻雀格闘倶楽部特別対局イベントについて簡単に説明させていただきます。
大人気アーケードゲーム「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」で行われた、全国大会を勝ち上がってきた強者・・・
上位8名のユーザーと、「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」に出演中のプロ雀士8名が、生放送でガチンコバトル対決をするという、とーってもスペシャルなイベントなのです!

対局のシステムは、東風戦を組み合わせを変えて4回戦行った後、ユーザーとプロでトータルポイントの上位各4名で、東南戦1回の準決勝を行い、そこからトータルで上位各2名が決勝に進出します。
この特別対局イベントで、頂点に立つユーザーを決定するのです!!!

全国大会ポスターでは、宮内プロの投票選抜戦のマニュフェストを実行すべく、
宮内こずえプロ&和泉由希子プロの美人コンビのお二方がスタジオを飾ってくれました。

100
100

それでは参加選手の紹介をしたいと思います。

プロ代表から

100

小島武夫

100

滝沢和典

100

佐々木寿人

100

ガース

100

二階堂瑠美

100

宮内こずえ

100

和泉由希子

100

蒼井ゆりか

ユーザー代表

ゆうたんさん
てっかさん
マックスさん
0024さん
かなでさん
テロンさん
ミノーくんさん
いっこくさん

そして解説には、日本プロ麻雀連盟会長でもある森山茂和プロ。
司会は、投票選抜戦総合1位の白河雪菜プロと、豪華な顔ぶれとなっています(*^_^*)

gpmax2012

 

生放送では、1回戦毎に1卓の配信を行い、準決勝もA卓を、そして決勝も配信するということで、私も意気込んで対局に臨みましたが、残念ながらプロの中で3位・・・あと一歩のところで決勝進出には届きませんでした(>_<)

 

決勝に進出したのはこの4名。

gpmax2012
左から、かなでさん、ミノーくんさん、ガースプロ、滝沢和典プロ

 

と男だらけのアツイ対局となったのです!
中でも、有言実行をした男! 滝沢プロ!!
はインタビューで、
「いっぱい映りたいので勝ちます笑」と公言し、見事、準決勝・決勝とプロ最多の3回も生放送に出演しました。

惜しくも、準決勝で敗退してしまったヒサトプロは、とってもサービス精神が旺盛で、対局前にファンの方々に向けて、
「一色手を決めたいと思います。」とメッセージをくれました。
さすがかっこいいですね。ヒサトプロはやっぱり、言うことが違いますね!
と、ここまではよかったのですが、どうやら一色手はアガれなかったご様子で、対局終了後は、
「一色手アガリたいなんて宣言しなきゃよかった。これからは愚形の麻雀打ちでやっていきます。笑」と、どっと会場を沸かせてくれました。

 

gpmax2012

 

ユーザーの方々の中には、リアルで麻雀を打つのが、今日が初めてという方もいらっしゃいましたが、小島先生をはじめ、先輩プロが取り出しやサイコロ、点数計算などわからないことを丁寧に教えている姿が印象的で、改めて・・・麻雀って素敵だな~と思いました(*^_^*)

また、この日の為に、連盟の四ツ谷道場に通って練習をしてきた、という勉強熱心な方もいて感心するばかりです!

そして、麻雀格闘倶楽部特別対局イベント 頂点に立ったユーザーさんは・・・

ミノーくんさんです!!!
おめでとうございます。

 

gpmax2012

 

数え役満をアガるなど、終始、圧倒的な強さでポイントを重ね、ぶっちぎりで決勝に進んだのです。

ちなみに、プロ雀士の頂点はガースプロでした!ガースプロには大きな拍手を!(*^_^*)パチパチ・・・

この特別対局イベントの模様は、現在、コナミ「麻雀格闘倶楽部 頂の陣 ホームページ」から、いつでもご視聴いただけるようになっております!

動画内で紹介されている、全部で5文字のプレゼントコードは、6月30日まで有効ですので、番組を見た後は、ぜひゲーム機で入力してみてくださいね(*^_^*)

それでは皆様、また麻雀格闘倶楽部でお会いしましょう~!

gpmax2012

特集企画/麻雀格闘倶楽部 特別対局イベントレポート

gpmax2012
日本プロ麻雀連盟 夏目坂スタジオから生放送!

皆様こんにちは。
先月、4月20日に「麻雀格闘倶楽部特別対局イベント」が、
日本プロ麻雀連盟の夏目坂スタジオから生放送で行われました。
今回レポートを務めさせていただきます、蒼井ゆりかです。
最後までどうぞよろしくお願い致します。
まずは、麻雀格闘倶楽部特別対局イベントについて簡単に説明させていただきます。
大人気アーケードゲーム「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」で行われた、全国大会を勝ち上がってきた強者・・・
上位8名のユーザーと、「麻雀格闘倶楽部 頂の陣」に出演中のプロ雀士8名が、生放送でガチンコバトル対決をするという、とーってもスペシャルなイベントなのです!
対局のシステムは、東風戦を組み合わせを変えて4回戦行った後、ユーザーとプロでトータルポイントの上位各4名で、東南戦1回の準決勝を行い、そこからトータルで上位各2名が決勝に進出します。
この特別対局イベントで、頂点に立つユーザーを決定するのです!!!
全国大会ポスターでは、宮内プロの投票選抜戦のマニュフェストを実行すべく、
宮内こずえプロ&和泉由希子プロの美人コンビのお二方がスタジオを飾ってくれました。

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それでは参加選手の紹介をしたいと思います。
プロ代表から

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小島武夫

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滝沢和典

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佐々木寿人

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ガース

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二階堂瑠美

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宮内こずえ

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和泉由希子

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蒼井ゆりか

ユーザー代表
ゆうたんさん
てっかさん
マックスさん
0024さん
かなでさん
テロンさん
ミノーくんさん
いっこくさん
そして解説には、日本プロ麻雀連盟会長でもある森山茂和プロ。
司会は、投票選抜戦総合1位の白河雪菜プロと、豪華な顔ぶれとなっています(*^_^*)

gpmax2012

 
生放送では、1回戦毎に1卓の配信を行い、準決勝もA卓を、そして決勝も配信するということで、私も意気込んで対局に臨みましたが、残念ながらプロの中で3位・・・あと一歩のところで決勝進出には届きませんでした(>_<)
 
決勝に進出したのはこの4名。

gpmax2012
左から、かなでさん、ミノーくんさん、ガースプロ、滝沢和典プロ

 
と男だらけのアツイ対局となったのです!
中でも、有言実行をした男! 滝沢プロ!!
はインタビューで、
「いっぱい映りたいので勝ちます笑」と公言し、見事、準決勝・決勝とプロ最多の3回も生放送に出演しました。
惜しくも、準決勝で敗退してしまったヒサトプロは、とってもサービス精神が旺盛で、対局前にファンの方々に向けて、
「一色手を決めたいと思います。」とメッセージをくれました。
さすがかっこいいですね。ヒサトプロはやっぱり、言うことが違いますね!
と、ここまではよかったのですが、どうやら一色手はアガれなかったご様子で、対局終了後は、
「一色手アガリたいなんて宣言しなきゃよかった。これからは愚形の麻雀打ちでやっていきます。笑」と、どっと会場を沸かせてくれました。
 

gpmax2012

 
ユーザーの方々の中には、リアルで麻雀を打つのが、今日が初めてという方もいらっしゃいましたが、小島先生をはじめ、先輩プロが取り出しやサイコロ、点数計算などわからないことを丁寧に教えている姿が印象的で、改めて・・・麻雀って素敵だな~と思いました(*^_^*)
また、この日の為に、連盟の四ツ谷道場に通って練習をしてきた、という勉強熱心な方もいて感心するばかりです!
そして、麻雀格闘倶楽部特別対局イベント 頂点に立ったユーザーさんは・・・
ミノーくんさんです!!!
おめでとうございます。
 

gpmax2012

 
数え役満をアガるなど、終始、圧倒的な強さでポイントを重ね、ぶっちぎりで決勝に進んだのです。
ちなみに、プロ雀士の頂点はガースプロでした!ガースプロには大きな拍手を!(*^_^*)パチパチ・・・
この特別対局イベントの模様は、現在、コナミ「麻雀格闘倶楽部 頂の陣 ホームページ」から、いつでもご視聴いただけるようになっております!
動画内で紹介されている、全部で5文字のプレゼントコードは、6月30日まで有効ですので、番組を見た後は、ぜひゲーム機で入力してみてくださいね(*^_^*)
それでは皆様、また麻雀格闘倶楽部でお会いしましょう~!

gpmax2012

第五回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 出場選手紹介

2014年3月20日、今年で第5回となる『麻雀トライアスロン』が都内の会場で行われました。

今年も前回までと同じ様に、各界を代表する雀豪の方々16名にお集まりいただき、
非常に豪華な顔ぶれで開催されることとなりました。
日本プロ麻雀連盟からもスター選手がずらりと16名出場。
合計32名で優勝者を決めます。

選手紹介の前に、簡単にルールを説明しましょう。
麻雀『トライアスロン』の名の通り闘う種目は3つ。
東風戦→半荘戦→三人麻雀。
この3つの競技を1クールとして1次予選・2次予選・決勝と駒を進めていきます。
1次予選終了時にゲスト雀豪の下位4名、プロの下位4名が敗退。
1次予選で通過した24名は、それまでのポイントを半分にして2次予選を戦いますが、ここからはサバイバル方式となり、東風戦を終えた時点でゲスト雀豪下位2名、プロ2名が敗退。次の半荘戦終了時にも、下位2名づつが敗退となり、2次予選最後の三人麻雀を終えた時点でのゲスト雀豪上位2名、プロ2名が決勝進出となります。
決勝はポイントがリセットされ、東風戦、半荘戦、三人麻雀と順番に闘い優勝者を決定します!
三人麻雀では高打点のアガリが飛び交うゲームなだけに、ここでの一発逆転も可能となっており、手に汗握る展開が予想されます!

さぁお待たせしました!今回ゲスト雀豪として参加してくださったのはこの16名!
なんと豪華な顔ぶれでしょうか!
※【順不同・敬称略】

 

100

綾辻行人
(作家)

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織田哲郎
(ミュージシャン)

100

押川雲太郎
(漫画家)

100

蛭子能収
(漫画家・タレント)

100

海堂尊
(作家・医学博士)

100

ガッツ石松
(元WBC世界ライト級王者)

100

加藤哲郎
(元プロ野球選手・解説者)

100

コージー冨田
(タレント)

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佐々木信也
(元プロ野球選手・キャスター)

100

白川道
(作家)

100

先崎学
(日本将棋連盟八段)

100

武宮正樹
(日本棋院九段)

100

こしばてつや
(漫画家)

100

畑正憲
(作家)

100

広瀬章人
(日本将棋連盟八段)

100

武藤敬司
(WRESTLE-1代表)

 

 

続いて日本プロ麻雀連盟から16名!

 

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100

森山茂和会長

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灘麻太郎名誉会長

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小島武夫最高顧問

100

荒正義副会長

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伊藤優考副会長

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前原雄大

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沢崎誠

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藤崎智

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瀬戸熊直樹

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滝沢和典

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佐々木寿人

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二階堂亜樹

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二階堂瑠美

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宮内こずえ

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和泉由希子

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白河雪菜

 

この32名により過酷なサバイバルレースの幕開けです!
一体誰が優勝するのでしょうか!!?

予選や決勝の模様は6月からエンタメ~テレにて放送します!
皆さんお楽しみに!!

第5回麻雀トライアスロン雀豪決定戦#1

6/4(水)14:30~!!

プロ雀士コラム/第五回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 出場選手紹介

2014年3月20日、今年で第5回となる『麻雀トライアスロン』が都内の会場で行われました。
今年も前回までと同じ様に、各界を代表する雀豪の方々16名にお集まりいただき、
非常に豪華な顔ぶれで開催されることとなりました。
日本プロ麻雀連盟からもスター選手がずらりと16名出場。
合計32名で優勝者を決めます。
選手紹介の前に、簡単にルールを説明しましょう。
麻雀『トライアスロン』の名の通り闘う種目は3つ。
東風戦→半荘戦→三人麻雀。
この3つの競技を1クールとして1次予選・2次予選・決勝と駒を進めていきます。
1次予選終了時にゲスト雀豪の下位4名、プロの下位4名が敗退。
1次予選で通過した24名は、それまでのポイントを半分にして2次予選を戦いますが、ここからはサバイバル方式となり、東風戦を終えた時点でゲスト雀豪下位2名、プロ2名が敗退。次の半荘戦終了時にも、下位2名づつが敗退となり、2次予選最後の三人麻雀を終えた時点でのゲスト雀豪上位2名、プロ2名が決勝進出となります。
決勝はポイントがリセットされ、東風戦、半荘戦、三人麻雀と順番に闘い優勝者を決定します!
三人麻雀では高打点のアガリが飛び交うゲームなだけに、ここでの一発逆転も可能となっており、手に汗握る展開が予想されます!
さぁお待たせしました!今回ゲスト雀豪として参加してくださったのはこの16名!
なんと豪華な顔ぶれでしょうか!
※【順不同・敬称略】
 

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綾辻行人
(作家)

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織田哲郎
(ミュージシャン)

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押川雲太郎
(漫画家)

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蛭子能収
(漫画家・タレント)

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海堂尊
(作家・医学博士)

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ガッツ石松
(元WBC世界ライト級王者)

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加藤哲郎
(元プロ野球選手・解説者)

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コージー冨田
(タレント)

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佐々木信也
(元プロ野球選手・キャスター)

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白川道
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先崎学
(日本将棋連盟八段)

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武宮正樹
(日本棋院九段)

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こしばてつや
(漫画家)

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畑正憲
(作家)

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広瀬章人
(日本将棋連盟八段)

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武藤敬司
(WRESTLE-1代表)

 
 
続いて日本プロ麻雀連盟から16名!
 
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森山茂和会長

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灘麻太郎名誉会長

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小島武夫最高顧問

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荒正義副会長

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伊藤優考副会長

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前原雄大

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沢崎誠

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藤崎智

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瀬戸熊直樹

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滝沢和典

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佐々木寿人

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二階堂亜樹

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二階堂瑠美

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宮内こずえ

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和泉由希子

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白河雪菜

 
この32名により過酷なサバイバルレースの幕開けです!
一体誰が優勝するのでしょうか!!?
予選や決勝の模様は6月からエンタメ~テレにて放送します!
皆さんお楽しみに!!
第5回麻雀トライアスロン雀豪決定戦#1
6/4(水)14:30~!!

ロン2ファン感謝祭in東京~第18回リアル麻雀大会~

東京、新宿。見渡す限り麻雀卓の大きな会場。
ここが日本プロ麻雀連盟のプロ47名と、全国各地からお越しくださったロン2ユーザーさん141名、合計188名で埋めつくされた光景はいつ見ても圧巻です。
会場全員が麻雀を大好きなのだと思うと、それだけでなんだか胸が踊ります。

2014年5月17日土曜日、インターネット麻雀「ロン2」のリアル大会が行われました。
レポートは私、吾妻さおりがお送り致します。

開始前に、ロン2創設者の森山茂和会長から挨拶がありました。
「プロも真剣に打ちます」
楽しいイベントにするには、全員が一生懸命打つ事は必須条件。
加えて「ユーザーさん達の前でカッコよくトップを獲りたい」
「さすがプロですねと思われたい」という気持ちもあり、私も気合いが入ります。

 

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名誉会長の灘麻太郎プロ、小島武夫プロを筆頭に、これ以上はない程豪華なゲストプロが集まりました。

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森山茂和会長

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灘麻太郎名誉会長

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小島武夫プロ

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荒正義プロ

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伊藤優孝プロ

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前原雄大プロ

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沢崎誠プロ

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ともたけ雅晴プロ

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藤崎智プロ

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瀬戸熊直樹プロ

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山井弘プロ

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望月雅継プロ

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滝沢和典プロ

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佐々木寿人プロ

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山田浩之プロ

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勝又健志プロ

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猿川真寿プロ

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ダンプ大橋プロ

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紺野真太郎プロ

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白鳥翔プロ

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内川幸太郎プロ

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櫻井秀樹プロ

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福光聖雄プロ

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こごまさとしプロ

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ガースプロ

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井出康平プロ

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古橋崇志プロ

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太田優介プロ

 

 

女流プロも多数参加し、会場内はとても華やか。

 

 

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二階堂亜樹プロ

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宮内こずえプロ

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和泉由希子プロ

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蒼井ゆりかプロ

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魚谷侑未プロ

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高宮まりプロ

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ジェンプロ

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和久津晶プロ

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安田麻里菜プロ

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仲田加南プロ

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優木美智プロ

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白河雪菜プロ

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小島優プロ

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東城りおプロ

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古谷知美プロ

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中山奈々美プロ

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童瞳プロ

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松岡千晶プロ

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鈴木彩夏プロ

 

 

東風戦3対戦、東南戦2対戦の計5対戦の成績で競います。
5対戦すべてにおいて可能な限り各卓にプロが同卓するよう配慮してくださるとの事。
思わず「私もユーザーとして参加したい」と思ってしまいました。

1回戦が開始して間もなく、「跳満出ました?」の声が会場内に響きます。
恒例の跳満賞は、森山茂和会長、荒正義プロ、伊藤優孝プロの3枚組ステッカー。

さらに「役満出ました?!」国士無双を最初にアガった1名様に、女流プロ写真集「国士無双」がプレゼントされました。
この他、飛び賞、役満賞など多数の賞品が用意されております。

対局の合間は、プロとユーザーさんが今終わったばかりの対局について談話していたり、写真やサインをお願いしていたりと一転して和やかなムード。

4回戦が終了すると上位陣の発表があります。
5回戦目は、彼らのポイントを上回る事を目指す戦いになるからです。

現状1位は仲田加南プロ。もともとプラスでまとめた所から優勝へ加速する大四喜ツモ。
「私が連荘するから親番回って来ませんよ」の名言を残したとの噂も。

 

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2位につけるのは魚谷侑未プロ。「優勝本気で狙っています」と力強い言葉。
女流プロの活躍が目立つ大会となって来ました。

 

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それぞれの思惑が絡み合う最終戦も終わり、いよいよ結果発表。
プロ部門優勝は仲田プロ、2位、魚谷プロとここまでは変動なし。
3位は、灘名誉会長が滑り込み!
短期決戦の限られた対局で結果を残すのは灘プロの強さの真骨頂。
グランプリの公開対局で披露した、卓上を支配する自在な麻雀は記憶に新しいですが、やはりここでも魅せてくださいました。

 

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一般部門の優勝はだいきちさん。
豪華賞品+好きなプロ5名を指名して記念撮影。
後日サインを入れて郵送されるそうです。一生の記念になりますね。

2位はシャカさん、3位はワードナーさん、4位はshimaさんという結果になりました。
入賞者の皆さん、おめでとうございます!

優勝:仲田加南プロ
2位:だいきちさん
3位:魚谷侑未プロ
4位:シャカさん
5位:ワードナさん
6位:shimaさん
7位:灘麻太郎プロ
8位:黒子プロチーム
9位:増殖さん
10位:猿川真寿プロ

ユーザーさん達は皆充実した表情で麻雀を打ち、休憩時間には「今日のノルマがまだ終わっていない」と忙しそうに、お目当てのプロ達との交流を楽しんでおられました。
嬉しそうな姿からこの日を心待ちにしていた事が窺え、私達も暖かい気持ちになりました。
また明日から強くなるために頑張る力を頂きました。

時間を作って足を運んでくださった全国各地のユーザーさん、本当にありがとうございます。
参加してくださったプロの皆さん、大会を盛り上げてくださって本当にありがとうございます。
運営として大規模な大会を支え、滞りなく進行してくださったプロの皆さん。
会場をお借りした新宿葵のスタッフの皆さん。本当にありがとうございます。

今後とも日本プロ麻雀連盟、並びに「ロン2」を末永くよろしくお願いします。

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リアル麻雀大会/ロン2ファン感謝祭in東京~第18回リアル麻雀大会~

東京、新宿。見渡す限り麻雀卓の大きな会場。
ここが日本プロ麻雀連盟のプロ47名と、全国各地からお越しくださったロン2ユーザーさん141名、合計188名で埋めつくされた光景はいつ見ても圧巻です。
会場全員が麻雀を大好きなのだと思うと、それだけでなんだか胸が踊ります。
2014年5月17日土曜日、インターネット麻雀「ロン2」のリアル大会が行われました。
レポートは私、吾妻さおりがお送り致します。
開始前に、ロン2創設者の森山茂和会長から挨拶がありました。
「プロも真剣に打ちます」
楽しいイベントにするには、全員が一生懸命打つ事は必須条件。
加えて「ユーザーさん達の前でカッコよくトップを獲りたい」
「さすがプロですねと思われたい」という気持ちもあり、私も気合いが入ります。
 

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名誉会長の灘麻太郎プロ、小島武夫プロを筆頭に、これ以上はない程豪華なゲストプロが集まりました。

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森山茂和会長

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灘麻太郎名誉会長

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小島武夫プロ

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荒正義プロ

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伊藤優孝プロ

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前原雄大プロ

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沢崎誠プロ

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ともたけ雅晴プロ

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藤崎智プロ

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瀬戸熊直樹プロ

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山井弘プロ

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望月雅継プロ

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滝沢和典プロ

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佐々木寿人プロ

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山田浩之プロ

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勝又健志プロ

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猿川真寿プロ

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ダンプ大橋プロ

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紺野真太郎プロ

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白鳥翔プロ

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内川幸太郎プロ

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櫻井秀樹プロ

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福光聖雄プロ

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こごまさとしプロ

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ガースプロ

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井出康平プロ

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古橋崇志プロ

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太田優介プロ

 
 
女流プロも多数参加し、会場内はとても華やか。
 
 

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二階堂亜樹プロ

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宮内こずえプロ

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和泉由希子プロ

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蒼井ゆりかプロ

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魚谷侑未プロ

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高宮まりプロ

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和久津晶プロ

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安田麻里菜プロ

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仲田加南プロ

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優木美智プロ

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白河雪菜プロ

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小島優プロ

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東城りおプロ

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古谷知美プロ

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中山奈々美プロ

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童瞳プロ

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松岡千晶プロ

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鈴木彩夏プロ

 
 
東風戦3対戦、東南戦2対戦の計5対戦の成績で競います。
5対戦すべてにおいて可能な限り各卓にプロが同卓するよう配慮してくださるとの事。
思わず「私もユーザーとして参加したい」と思ってしまいました。
1回戦が開始して間もなく、「跳満出ました?」の声が会場内に響きます。
恒例の跳満賞は、森山茂和会長、荒正義プロ、伊藤優孝プロの3枚組ステッカー。
さらに「役満出ました?!」国士無双を最初にアガった1名様に、女流プロ写真集「国士無双」がプレゼントされました。
この他、飛び賞、役満賞など多数の賞品が用意されております。
対局の合間は、プロとユーザーさんが今終わったばかりの対局について談話していたり、写真やサインをお願いしていたりと一転して和やかなムード。
4回戦が終了すると上位陣の発表があります。
5回戦目は、彼らのポイントを上回る事を目指す戦いになるからです。
現状1位は仲田加南プロ。もともとプラスでまとめた所から優勝へ加速する大四喜ツモ。
「私が連荘するから親番回って来ませんよ」の名言を残したとの噂も。
 

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2位につけるのは魚谷侑未プロ。「優勝本気で狙っています」と力強い言葉。
女流プロの活躍が目立つ大会となって来ました。
 

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それぞれの思惑が絡み合う最終戦も終わり、いよいよ結果発表。
プロ部門優勝は仲田プロ、2位、魚谷プロとここまでは変動なし。
3位は、灘名誉会長が滑り込み!
短期決戦の限られた対局で結果を残すのは灘プロの強さの真骨頂。
グランプリの公開対局で披露した、卓上を支配する自在な麻雀は記憶に新しいですが、やはりここでも魅せてくださいました。
 

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一般部門の優勝はだいきちさん。
豪華賞品+好きなプロ5名を指名して記念撮影。
後日サインを入れて郵送されるそうです。一生の記念になりますね。
2位はシャカさん、3位はワードナーさん、4位はshimaさんという結果になりました。
入賞者の皆さん、おめでとうございます!
優勝:仲田加南プロ
2位:だいきちさん
3位:魚谷侑未プロ
4位:シャカさん
5位:ワードナさん
6位:shimaさん
7位:灘麻太郎プロ
8位:黒子プロチーム
9位:増殖さん
10位:猿川真寿プロ
ユーザーさん達は皆充実した表情で麻雀を打ち、休憩時間には「今日のノルマがまだ終わっていない」と忙しそうに、お目当てのプロ達との交流を楽しんでおられました。
嬉しそうな姿からこの日を心待ちにしていた事が窺え、私達も暖かい気持ちになりました。
また明日から強くなるために頑張る力を頂きました。
時間を作って足を運んでくださった全国各地のユーザーさん、本当にありがとうございます。
参加してくださったプロの皆さん、大会を盛り上げてくださって本当にありがとうございます。
運営として大規模な大会を支え、滞りなく進行してくださったプロの皆さん。
会場をお借りした新宿葵のスタッフの皆さん。本当にありがとうございます。
今後とも日本プロ麻雀連盟、並びに「ロン2」を末永くよろしくお願いします。

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第31期A2リーグ第2節レポート 佐々木 寿人

「これは苦労しそうだな。」

四万五万六万六万八万三索四索五索四筒五筒六筒八筒八筒  ロン七万  ドラ一万

白鳥が、リーチの黒沢から打たれた七万で手牌を倒した瞬間、率直にそう思った。
開局に起家を引いた私の配牌は以下。

一万一万五万七万八万二索八索四筒五筒八筒九筒西白中

これがわずか6巡目にテンパイ。

一万一万七万八万中中中  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き

1節は半荘4回の戦いであるが、やはり初戦、特に開局の入り方は大変重要である。
出て5,800、ツモアガリ2,600オールのこの手が決まれば上々の滑り出しだ。
戦い方にも余裕が生まれることは間違いない。

ところが、結果はあっという間の1,300。それに関してはもう仕方がない。
問題は、このアガリから何を感じ、どう対処するかである。

8年もリーグ戦をやっていれば、ある種のパターンがあることはわかってくる。
それはもちろん、良いときのパターン、そして崩れそうなときのパターンである。

この手はたった1,300ではあるが、私にとって後者をイメージさせるには十分過ぎるアガリだった。
ただ、開局にこれを感じ取ることができたのは大きかった。
後は、ここからどうやって自分のペースに持ち込めるかである。

それが上手く形に現れたのが東4局であろう。

一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ポン白白白  ロン一筒  ドラ四筒

配牌こそあまりよくないものの、第一ツモの感触で向かうべき方向は決まっていた。

三万五万八万九万九索二筒三筒六筒七筒九筒西北白  ツモ四筒

私は最近、若手勉強会などでよく口にすることがある。

「放銃したっていいからまずチャレンジしてみろ。そこから何かが変わることだってあるんだから。」

振り返れば正にそんな一局だったのではないだろうか。

このアガリを契機に、私は1、2回戦をどうにかプラスの2着で終えることが出来た。
そして、何と言ってもこの日のハイライトは、3回戦の南1局だった。

まずは、西家の白鳥が黒沢の第一打である西を仕掛ける。
こちらの心証とすれば、持ち点が38,200の白鳥が一鳴きする以上、ドラが最低でも2枚あるか、或いは早い捌き手が入ったかのどちらかである。

西を仕掛けた段階での白鳥の手牌は以下。

一万二万三万六万六索八索三筒四筒白白  ポン西西西  ドラ白

やはりドラは2枚で、形もまずまずのものとなっている。
これが3巡目には、五筒を引き込んでカン七索待ちでのテンパイ。
私も南を鳴いて応戦してはいるが、アガリまでの道のりは決して平坦ではない。 

三索三索五索七索八索九索七筒九筒白中  ポン南南南

しかし、白鳥の捨て牌にソーズが高いことも手伝って、私の手牌も自然にソーズの一色に染まっていく。
白鳥は、5巡目に五索を引いて四索七索待ちへと変化。
南家・黒沢も場面に安いマンズ待ちで10巡目にテンパイを果たす。

二万二万六万七万二索三索四索六索七索八索  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き

だが、次巡に二索を引いたところで少考。
そこまでの白鳥の捨て牌はこうだ。

七筒 上向き八筒 上向き六万 上向き八万 上向き八索 上向き中東五万 上向き発八筒 上向き一万 上向き

私の捨て牌にもソーズはただの1枚も切られていないが、この少考はどちらかと言えば白鳥を警戒してのものだろう。
黒沢はここで打七万とテンパイを壊す。

映像を見ればやはりここがターニングポイントだったように思う。
私が黒沢の立場なら、二索が当たろうが当たるまいが、最後まで五万八万の待ちで突っ張っていただろう。
それで結果がどうなったかはわからない。
ただ、私のアガリがなかったことだけは間違いない。
 
14巡目、私は以下の手牌から打三索をチョイスする。

一索二索三索三索五索七索八索九索九索白  ツモ七索  ポン南南南

先にも述べた通り、ドラはもちろんのこと、ソーズは白鳥に相当危険である。 
だが、こちらがアガリに向かうなら、いずれどれかは勝負しなければならない。
こういう手牌構成にした以上、打ち込みは覚悟の上である。

本当に運良くと言っていいだろう。
この三索が通り、黒沢がカン三索で仕掛ける。
 
二万二万二索三索六索七索八索  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き 

これによって、私は4枚目の南を引く。
これを加カンすると、リンシャンから引いたのが四索だ。

一索二索三索五索七索七索八索九索九索白  ツモ四索 上向き  加カン南南南南

三索を切ってある以上、まだドラには手を掛けられない。
また、三索が通った以上、やはりドラはまだ打てない。
この2つの思いが私に打九索とさせる。

すると次巡、一索がやってくる。これでもう散って後悔なしだ。
白。(白は頭だったか…)
そして決着はすぐに訪れた。

一索一索二索三索四索五索七索七索八索九索  ツモ六索  加カン南南南南

私はこのアガリを皮切りに、1本場で11,600。

二万三万四万三索四索五索六索六索三筒四筒四筒五筒六筒  リーチ  ロン二筒  ドラ五索

2本場で4,000オールと、自分の波を捕まえることに成功した。

三万四万五万八万八万八万四索五索六索九索九索七筒八筒  リーチ  ツモ九筒  ドラ八万

結局、この日は60Pを超えるプラスで終わることができたが、牌譜を見る限り、この結果は相手のミスによるところが大きかったように思う。
ただ、それは自分自身の身にも起こりうることである。
麻雀が4人の戦いであること、そしてメンタルのバランスが誰かしらは必ずブレることを考えれば、皆が皆正着を打ち続けるのは不可能と言っても過言ではない。

その部分は常に意識し、きっかけを掴んだら手放さない、そういう心構えで1年間戦っていきたいと思う。
それから…
沈み行く夕日、これを見送る努力を怠らないようしっかり打ち抜きたい。 

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A2リーグ第2節レポート 佐々木 寿人

「これは苦労しそうだな。」
四万五万六万六万八万三索四索五索四筒五筒六筒八筒八筒  ロン七万  ドラ一万
白鳥が、リーチの黒沢から打たれた七万で手牌を倒した瞬間、率直にそう思った。
開局に起家を引いた私の配牌は以下。
一万一万五万七万八万二索八索四筒五筒八筒九筒西白中
これがわずか6巡目にテンパイ。
一万一万七万八万中中中  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き
1節は半荘4回の戦いであるが、やはり初戦、特に開局の入り方は大変重要である。
出て5,800、ツモアガリ2,600オールのこの手が決まれば上々の滑り出しだ。
戦い方にも余裕が生まれることは間違いない。
ところが、結果はあっという間の1,300。それに関してはもう仕方がない。
問題は、このアガリから何を感じ、どう対処するかである。
8年もリーグ戦をやっていれば、ある種のパターンがあることはわかってくる。
それはもちろん、良いときのパターン、そして崩れそうなときのパターンである。
この手はたった1,300ではあるが、私にとって後者をイメージさせるには十分過ぎるアガリだった。
ただ、開局にこれを感じ取ることができたのは大きかった。
後は、ここからどうやって自分のペースに持ち込めるかである。
それが上手く形に現れたのが東4局であろう。
一筒二筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒八筒九筒  ポン白白白  ロン一筒  ドラ四筒
配牌こそあまりよくないものの、第一ツモの感触で向かうべき方向は決まっていた。
三万五万八万九万九索二筒三筒六筒七筒九筒西北白  ツモ四筒
私は最近、若手勉強会などでよく口にすることがある。
「放銃したっていいからまずチャレンジしてみろ。そこから何かが変わることだってあるんだから。」
振り返れば正にそんな一局だったのではないだろうか。
このアガリを契機に、私は1、2回戦をどうにかプラスの2着で終えることが出来た。
そして、何と言ってもこの日のハイライトは、3回戦の南1局だった。
まずは、西家の白鳥が黒沢の第一打である西を仕掛ける。
こちらの心証とすれば、持ち点が38,200の白鳥が一鳴きする以上、ドラが最低でも2枚あるか、或いは早い捌き手が入ったかのどちらかである。
西を仕掛けた段階での白鳥の手牌は以下。
一万二万三万六万六索八索三筒四筒白白  ポン西西西  ドラ白
やはりドラは2枚で、形もまずまずのものとなっている。
これが3巡目には、五筒を引き込んでカン七索待ちでのテンパイ。
私も南を鳴いて応戦してはいるが、アガリまでの道のりは決して平坦ではない。 
三索三索五索七索八索九索七筒九筒白中  ポン南南南
しかし、白鳥の捨て牌にソーズが高いことも手伝って、私の手牌も自然にソーズの一色に染まっていく。
白鳥は、5巡目に五索を引いて四索七索待ちへと変化。
南家・黒沢も場面に安いマンズ待ちで10巡目にテンパイを果たす。
二万二万六万七万二索三索四索六索七索八索  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き
だが、次巡に二索を引いたところで少考。
そこまでの白鳥の捨て牌はこうだ。
七筒 上向き八筒 上向き六万 上向き八万 上向き八索 上向き中東五万 上向き発八筒 上向き一万 上向き
私の捨て牌にもソーズはただの1枚も切られていないが、この少考はどちらかと言えば白鳥を警戒してのものだろう。
黒沢はここで打七万とテンパイを壊す。
映像を見ればやはりここがターニングポイントだったように思う。
私が黒沢の立場なら、二索が当たろうが当たるまいが、最後まで五万八万の待ちで突っ張っていただろう。
それで結果がどうなったかはわからない。
ただ、私のアガリがなかったことだけは間違いない。
 
14巡目、私は以下の手牌から打三索をチョイスする。
一索二索三索三索五索七索八索九索九索白  ツモ七索  ポン南南南
先にも述べた通り、ドラはもちろんのこと、ソーズは白鳥に相当危険である。 
だが、こちらがアガリに向かうなら、いずれどれかは勝負しなければならない。
こういう手牌構成にした以上、打ち込みは覚悟の上である。
本当に運良くと言っていいだろう。
この三索が通り、黒沢がカン三索で仕掛ける。
 
二万二万二索三索六索七索八索  チー三索 左向き二索 上向き四索 上向き  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き 
これによって、私は4枚目の南を引く。
これを加カンすると、リンシャンから引いたのが四索だ。
一索二索三索五索七索七索八索九索九索白  ツモ四索 上向き  加カン南南南南
三索を切ってある以上、まだドラには手を掛けられない。
また、三索が通った以上、やはりドラはまだ打てない。
この2つの思いが私に打九索とさせる。
すると次巡、一索がやってくる。これでもう散って後悔なしだ。
白。(白は頭だったか…)
そして決着はすぐに訪れた。
一索一索二索三索四索五索七索七索八索九索  ツモ六索  加カン南南南南
私はこのアガリを皮切りに、1本場で11,600。
二万三万四万三索四索五索六索六索三筒四筒四筒五筒六筒  リーチ  ロン二筒  ドラ五索
2本場で4,000オールと、自分の波を捕まえることに成功した。
三万四万五万八万八万八万四索五索六索九索九索七筒八筒  リーチ  ツモ九筒  ドラ八万
結局、この日は60Pを超えるプラスで終わることができたが、牌譜を見る限り、この結果は相手のミスによるところが大きかったように思う。
ただ、それは自分自身の身にも起こりうることである。
麻雀が4人の戦いであること、そしてメンタルのバランスが誰かしらは必ずブレることを考えれば、皆が皆正着を打ち続けるのは不可能と言っても過言ではない。
その部分は常に意識し、きっかけを掴んだら手放さない、そういう心構えで1年間戦っていきたいと思う。
それから…
沈み行く夕日、これを見送る努力を怠らないようしっかり打ち抜きたい。 

第23期マスターズ ベスト8レポート

去る4月29日、麻雀マスターズのベスト8の対局が行われた。
今期の麻雀マスターズでは、ベスト8よりニコニコ生放送での公開対局として行われる。

前年度優勝者としてベスト16から参加した私だったが、この公開対局に行き着くことはできなかった。
それだけ強者ばかりが残っていて、誰が決勝に残ってもおかしくないということである。
そんな8名がさらに半分に絞られ、ようやく決勝のメンバーが決まる。
たった4枚しかない夢の舞台への切符は、果たして誰の手中に納まったのか。
熱い思いのぶつかり合った激戦の模様を振り返ってみたい。

 

A卓
紺野真太郎(連盟) vs 西島一彦(連盟) vs 宮崎皓之介(連盟) vs 市橋篤文さん(一般)

gpmax2012

gpmax2012
紺野真太郎(連盟)

gpmax2012
西島一彦(連盟)

gpmax2012
宮崎皓之介(連盟)

gpmax2012
市橋篤文さん(一般)

 

B1リーグをぶっちぎりで優勝しA2リーグに返り咲き、そのA2リーグでも現在2位。(1節終了時)
今期の麻雀マスターズのA級本戦でも1位通過によるベスト16シード獲得と、絶好調の紺野に注目が集まる。
序盤から、やはり紺野を中心にゲームが進んでいた。

1回戦(起家から、紺野・市橋さん・西島・宮崎)

東1局に市橋さんがあっさり3,900を西島からアガリ、最初の親番こそ失ってしまったが、紺野ペースでのゲーム進行。

東2局、市橋さんの手牌。

二万二万六万七万八万二索三索六筒八筒中  ポン中中中  ツモ七筒  ドラ四万

このテンパイにより中を加カンするが、新ドラは五索と乗らない。
そこへ紺野がリーチ。

六万七万八万五索六索七索七索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ

その巡目に、無スジの三筒をツモった市橋さんは、自身のアガリ点数が1,300しかないことと、一発裏ドラ有のBルールであるということから、現物の二万のトイツ落としを選択する。
結局、誰もリーチに立ち向かうことなく流局し、紺野の1人テンパイ。

東3局、紺野のリーチ。

三万四万五万七万七万七万七万八万一索二索三索七索七索  リーチ  ドラ二万

これを一発で九万をツモ。1,000・2,000は1,100・2,100の得点。

南1局、7巡目に紺野がテンパイ。

三万五万五万六万七万六索六索七索八索八索四筒五筒六筒  ツモ五索  ドラ三筒

素直にテンパイを取るとしても、二万五万六万八索ツモで形が良くなり、三筒七筒ツモで打点が上がる。
三万とし、テンパイを取らず四索五索七索ツモに対応するという手だってある。
当然、紺野だってそんなことはわかっている。
しかし紺野はその全てを否定し、打六索のリーチを打った。
その気迫に呼応するかのように、一発で四万をツモ。4,000オール。

紺野に点数を持たせると、本当に隙が無い。
南4局、ここまでいいところがなかった宮崎が最後の親番でリーチ。

一万一万七万八万九万一索二索三索五筒六筒七筒中中  ツモ一万  ドラ東  裏七万

2,600オールをアガリなんとか食らい付くも、紺野には届かず。

1回戦終了時
紺野+29.2P 宮崎+6.2P 市橋さん▲18.2P 西島▲18.2P

2回戦(起家から、市橋さん・西島・宮崎・紺野)

打点力にも守備力にも定評がある紺野を簡単に逃がさないのは、さすがはベスト8に残った面々だと思い知らされることとなる。

東1局、宮崎の手牌。

四万四万七万八万九万三索三索六索七索八索中中中  リーチ  ツモ四万  ドラ五索

一発で四万をツモ。2,000・4,000

東2局、親の西島の手牌。

二万三万二索三索四索二筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ四万  ドラ六索

一発で四万をツモ。6,000オール。

東4局、市橋さんが2巡目に仕掛け始め、5巡目には以下の手牌に。

六筒七筒八筒中  ポン西西西  ポン白白白  ポン南南南

ここに九筒をツモり、六筒九筒待ちに変えたところで、紺野のリーチ宣言牌である六筒を捕らえ8,000。

南1局、市橋さんに大物手が入る。

九万九万二索三索三索三索六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ドラ二索

ここからテンパイを外す打九筒とし、四暗刻を目指す。
しかし、ここからテンパイし直す時間も与えないほどのスピードで、西島に1,000点のアガリでかわされる。

南2局、3者からの執拗なまでの包囲網を掻い潜り、紺野が反撃に出る。
カン五のテンパイを取らず、絶好のドラを引き入れて以下の手牌でリーチ。

六万七万八万一索一索一索二索三索七索八索九索二筒二筒  リーチ  ドラ三索

このリーチによって、迂回させられた市橋さんが、少しいびつな追いかけリーチを打つ。

一索二索三索五索六索七索四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ

市橋さんがまっすぐアガリに向かっていれば、おそらく市橋さんのアガリだった局。
絶妙な手順でのリーチによって、紺野が市橋さんから二筒でアガリをもぎ取る。

南3局、西島の手牌。

九万九万三索四索四索五索五索二筒三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ六索  ドラ三索  裏九万

3,000・6,000。

南4局1本場、ラス親の紺野も粘りを見せるも、まだ3着と400点差のラス。
「紺野をラスで終わらせたい」という3者の利害は一致していた。
宮崎が以下の手牌をアガリ、2回戦終了。

三万三万三万五万五万五筒六筒七筒北北  チー四索 左向き二索 上向き三索 上向き  ツモ北  ドラ一筒

2回戦の成績
西島+44.9P 宮崎▲0.8P 市橋さん▲16.7P 紺野▲27.4P

2回戦終了時
西島+26.7P 宮崎+5.4P 紺野+1.8P 市橋さん▲34.9P

3回戦(起家から、市橋さん・西島・紺野・宮崎)

西島優勢だが、そこまで大きな点差が開いているわけではない。
西島、紺野、宮崎の3人で2つの席を奪い合うという構図。
もちろん市橋さんにもチャンスはあるが、かなり大きなチャンスに恵まれなければ厳しい状況というのは否めない。

東2局に勝負局が訪れる。
まずは宮崎が先制リーチ。

二万二万六万七万八万五索六索七索二筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ二万

これをアガることができれば、宮崎に勝ち上がりの席がぐっと近づく。
逆に、ここで宮崎に本手をアガられるとかなり厳しい状況になってしまう紺野は食らい付く。

三万四万五万二索二索四索五索六索五筒五筒五筒南南  リーチ

これを制したのは紺野。願ってもない南をツモると、それを手元に置いた。裏ドラは五索
2,000・4,000のアガリ。
だが、宮崎の追撃は止まらない。

東4局、宮崎の手牌。

二万二万四万四万三索四索五索  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン中中中  ドラ四万

ドラでアガれば8,000という勝負手だったが、ここも紺野にかわされてしまう。

南1局、宮崎の手牌。

二万三万四万七万七万三索四索五索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ七万

宮崎の勝ちたい気持ちに手牌が応える。
しかしこれも、最後の親番を絶対に落とせない市橋さんの執念にかわされる。

そして迎えた南4局。
2,900をアガリ、続く1本場、2本場にはなんとかテンパイを入れて連チャンした宮崎。
この時点で、トータル2着の西島まで0.7P差まで迫る。
しかし、いつまでも好きにさせてはもらえず、3本場の4巡目には西島にあっさり以下の手牌が入り終了。

一万二万三万三索四索五索六索七索七筒八筒九筒東東  ロン八索  ドラ七万

3回戦の成績
紺野+20.8P 市橋さん+7.3P 宮崎▲4.7P 西島▲23.4P

3回戦終了時
紺野+22.6P 西島+3.3P 宮崎+0.7P 市橋さん▲27.6P

 

決勝勝ち上がり
紺野真太郎 西島一彦

 

「このような舞台で戦えたことは、とてもいい機会に巡り合えたと思います。
今より強くなって、リベンジしたいです」(宮崎)

「ここまで来れただけで満足してる……と言いたいところですが、かなり悔しいです。
お世話になっている葛山プロ、林プロに恩返しするためにも、来年までに鍛えてきます」(市橋さん)

「苦しかった。自分のミスがそのまま苦しみになった。
決勝では同じミスを繰り返さず、なんとか頑張りたい」(西島)

「1回戦のカン四万リーチは以前はヤミテンにしていたが、自分自身変わった部分。
スピードと手役のバランスを前よりも深く考えながら戦うようになった。
決勝はやることを精いっぱいやるだけです。見てる人にいい戦いを届けたい」(紺野)

 

 

B卓
木原浩一(協会) vs 芝美穂子さん(一般) vs 中西正行さん(一般) vs 和久津晶(連盟)

gpmax2012

gpmax2012
木原浩一(協会)

gpmax2012
芝美穂子さん(一般)

gpmax2012
中西正行さん(一般)

gpmax2012
和久津晶(連盟)

 

”超攻撃アマゾネス”和久津と、日本プロ麻雀協会の看板を一人背負って挑むエース木原に注目が集まる。

1回戦(起家から、中西さん・木原・和久津・芝さん)

東1局、開局早々わずか3巡で和久津の勝負手が成就。

二万二万三万五万六索七索八索二筒二筒二筒四筒五筒六筒  ロン四万  ドラ二筒

芝さんは手痛い8,000の放銃。

東2局、芝さんがすぐに失点を取り返す。

二万二万二万一索二索三索四索五索六索八索九索五筒五筒  リーチ  ツモ七索  ドラ八索

2,000・4,000。

東4局4本場、前の局まで4回連続流局となり、供託となった1,000点棒は4本となっていた。
テンパイ一番乗りの中西さんの手牌。

二万三万六万七万八万二索二索六索七索八索六筒七筒八筒  ドラ八索

これを一旦ヤミテンに構えるが、2巡後にツモ切りリーチ。
すぐに和久津もテンパイ。

一万二万三万二筒四筒白白白発発  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き

ここに芝さんも前線へ出る。

四万五万六万七万七万三索四索五索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ

ここに木原が以下のテンパイから、中西さんのロン牌である四万を打ち出す。

三万三万四万六索六索二筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒

供託のリーチ棒は、今目の前に出ているものを合わせると6,000点分。
2件リーチ、1件の仕掛けに対してもなお、前に出る選択をしてしまうのは仕方がない。
ツモ切りリーチ等が入り、混沌とした状況なだけに打点推測がしにくい分、12,000という失点は木原にとって想定外のダメージとなってしまった。

南2局1本場、現状4着の木原はなんとしても連チャンしたいところ。

三万四万五万六万七万六索七索五筒五筒六筒六筒七筒中中  ドラ北

3巡目にこの手牌をもらった木原は、ここから打中とじっくり構える。
すぐに五万をツモるが、ここからテンパイまでが遠い。
そうしている間に、中西さんの本手がテンパイ。

八万九万七索八索九索北北  ポン白白白  ポン南南南

ロン牌の七万を掴まされたのは木原。8,000は8,300の放銃。
木原は六筒五筒と外していく面前では最速の手組みもあり、そうしていればすぐにリーチを打てていたため展開は違っていた。
そんなことは「たられば」でしかないが、打点を追い結果的には裏目となってしまった。

1回戦終了時
中西さん+41.2P 和久津+7.8P 芝さん▲14.1P 木原▲34.9P

2回戦(起家から、和久津・木原・芝さん・中西さん)

東2局、木原が以下の手牌でひっそりとアガり牌を待つ。

二万二万三万三万四万四万五万五万六万七万七万二筒二筒  ドラ六筒

そこへ芝さんもテンパイ。

四万四万五万五万六万六万七万七万三索四索六索七索八索

二索が場に4枚見えているためヤミテンを選択。
他の者の手牌の中にあるものを確認すると、五索は牌山に2枚しか残っていなかったのだが、運悪くそれを木原があっさり掴み、3,900は4,200の放銃。

東3局、親の芝さんからリーチ。

三万四万五万六万七万二索三索四索五索六索七索九筒九筒  リーチ  ドラ東

木原、テンパイで打二万。裏ドラが三索で5,800の放銃。
木原は自らの手牌に押し出される形での放銃が続いてしまう。

続く1本場、木原が反撃に出る。

七筒八筒九筒九筒  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ツモ六筒  ドラ五索

2,000・4,000は2,100・4,100。

東4局、親の中西さんからリーチ。

四万五万五万六万七万六索七索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン三万  ドラ七筒

木原がテンパイのところ三万を掴んでしまう。5,800のアガリ。

東4局1本場、和久津が芝さんから以下の手牌をアガる。

六万六万五索五索八索八索二筒二筒四筒七筒七筒南南  ロン四筒  ドラ八索

6,400は6,700。

南2局1本場、また和久津が芝さんから七対子をアガる。

八万八万四索四索七索七索九索三筒三筒西西北北  リーチ  ロン九索  ドラ南

3,200は3,500。

南4局、親の中西さんの第一打の六筒を和久津がチー。

五万八万七索一筒二筒五筒六筒南北北白  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ドラ一筒

とんでもなく遠い仕掛けである。
この時の点数状況は以下の通り。

和久津34,400 中西さん32,700 芝さん32,400 木原20,500

親の中西さんには1回戦での大きなビハインドがある。
下家である和久津が、あからさまな仕掛けを入れれば、無理はしてこない可能性が高い。
ならば、和久津はテンパイさえして流局すれば、トップは守れるという算段だ。
一方、高打点作りを強いられる木原の11巡目の手牌。

一万七万七万九万九万東東東南北北発発中

ここで長考が入る。木原は跳満ツモで一気にトップである。
七対子に決め打つ東に一瞬手がかかるが、四暗刻の可能性も残して打一万とする。
この後発をツモり、四暗刻の1シャンテンになるものの、河に一万南のトイツを並べてしまう。
どちらが正解だとか、そういうことではない。
ただ、木原の思惑とは逆の結果が、ことごとく木原を苦しめる。
結局、誰もテンパイを入れることができないまま流局。

2回戦の成績
和久津+19.4P 中西さん+7.7P 芝さん▲2.6P 木原▲24.5P

2回戦終了時
中西さん+48.9P 和久津+27.2P 芝さん▲16.7P 木原▲59.4P

3回戦(起家から、中西さん・芝さん・木原・和久津)

東2局2本場、木原の手牌。

六万七万七万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒八筒八筒  リーチ  ツモ八筒  ドラ二索

残り3回のツモしかない巡目だったが迷いなくリーチ。
ようやく手応えのあるアガリが木原に訪れる。
2,000・4,000は2,200・4,200。

東3局、木原の大事な親番だったが、芝さんからリーチ。

六万六万七万七万二索二索三筒三筒六筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ九筒  裏二索

芝さんの4,000・8,000が炸裂し、一気に和久津をまくりトータル2着に。

東4局、中西さんからリーチが入る。

六万六万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ三筒

中西さんがリーチ後にツモ切った東を親の和久津がポン。

二万二万四万六万三筒五筒六筒七筒  ポン東東東  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き

ここからドラの三筒を切らず、打二万とする。二万だって決して安全牌ではない。
3面張のリーチに対して、ここから競り勝ってしまうからすごい。
この後、和久津はドラの三筒を重ね、カン五万をツモってしまった。
超攻撃アマゾネスが、その片鱗を見せた。4,000オール。

続く東3局1本場、和久津はまたチャンス手を入れていた。

五索六索七索八索九索一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒東  ツモ二筒  ドラ一筒

14巡目、ここから和久津は五筒を切る。言えばもっと前に東を切っておくこともできた。
しかし和久津は、1シャンテンからリーチにゴリ押しした前の局とは打って変わって、今度は1シャンテンから迂回を始めたのである。
その時、木原が発をポンしていた。
そう、木原の仕掛けが安いわけはないのだ。
東を切ってロンと言われれば、また苦しい位置へと落ちてしまう。
和久津の強さは、攻撃面にばかり目が行ってしまうが、そうではない。
派手な攻撃の中に、きちんとこういう繊細さを練り込んでいる。
立ち位置によって、スタイルを一瞬で変えることができる。だから強い。

南2局には、和久津が芝さんから8,000をアガる。

三万三万三万三索三索六索六索五筒六筒七筒  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ロン三索  ドラ三万

これが決定打となり、そのまま和久津が逃げ切って決着。

3回戦の成績
和久津+26.0P 芝さん+13.5P 木原▲10.0P 中西さん▲29.5P

3回戦終了時
和久津+53.2P 中西さん+19.4P 芝さん▲3.2P 木原▲69.4P

 

勝ち上がり
和久津晶 中西正行さん

 

「ことごとく裏目になる対局でした。
悔いが残るところはたくさんありますが、四暗刻かメンホン七対子かの選択が一番難しかったです。
来年までにもうちょっと勉強してきます」(木原)

「ミスが多かったです。押さなきゃいけないところで押し切れなかった。
勉強になったので、それを活かしてまた来年頑張りたいです」(芝さん)

「2回戦が終わってほぼ勝ち上がりが決まったので、最終戦は高い手に放銃しないことにだけ気を付けました。
決勝は楽しく打ちたいとは思いますが、決勝だからきっと苦しいんだろうなあ……」(中西さん)

「ベスト16を勝ってからの4日間、ろくにご飯も食べられませんでした。
先に対局を終えた紺野さんの汗を見て、絶対に私も残ってこの人と戦うんだって誓いました。
マスターズの決勝に残れるなんて夢にも思わなかったけど、決勝までの1週間できっちり壁を越えてきます!」(和久津)

紺野、西島、和久津、中西さん。
上記4名が5月6日(火)に夏目坂スタジオにて行われる決勝へと進出。

ついに第23期麻雀マスターズの決勝メンバーが決まった。
決勝を終えて、最後に笑うのはただ1人。

誰が勝っても素晴らしい対局になることは約束されたと言っても過言ではない決勝戦。
栄光は誰の手に輝くのか、楽しみで仕方がないのである。

麻雀マスターズ レポート/第23期マスターズ ベスト8レポート

去る4月29日、麻雀マスターズのベスト8の対局が行われた。
今期の麻雀マスターズでは、ベスト8よりニコニコ生放送での公開対局として行われる。
前年度優勝者としてベスト16から参加した私だったが、この公開対局に行き着くことはできなかった。
それだけ強者ばかりが残っていて、誰が決勝に残ってもおかしくないということである。
そんな8名がさらに半分に絞られ、ようやく決勝のメンバーが決まる。
たった4枚しかない夢の舞台への切符は、果たして誰の手中に納まったのか。
熱い思いのぶつかり合った激戦の模様を振り返ってみたい。
 
A卓
紺野真太郎(連盟) vs 西島一彦(連盟) vs 宮崎皓之介(連盟) vs 市橋篤文さん(一般)

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紺野真太郎(連盟)

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西島一彦(連盟)

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宮崎皓之介(連盟)

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市橋篤文さん(一般)

 
B1リーグをぶっちぎりで優勝しA2リーグに返り咲き、そのA2リーグでも現在2位。(1節終了時)
今期の麻雀マスターズのA級本戦でも1位通過によるベスト16シード獲得と、絶好調の紺野に注目が集まる。
序盤から、やはり紺野を中心にゲームが進んでいた。
1回戦(起家から、紺野・市橋さん・西島・宮崎)
東1局に市橋さんがあっさり3,900を西島からアガリ、最初の親番こそ失ってしまったが、紺野ペースでのゲーム進行。
東2局、市橋さんの手牌。
二万二万六万七万八万二索三索六筒八筒中  ポン中中中  ツモ七筒  ドラ四万
このテンパイにより中を加カンするが、新ドラは五索と乗らない。
そこへ紺野がリーチ。
六万七万八万五索六索七索七索一筒二筒三筒三筒四筒五筒  リーチ
その巡目に、無スジの三筒をツモった市橋さんは、自身のアガリ点数が1,300しかないことと、一発裏ドラ有のBルールであるということから、現物の二万のトイツ落としを選択する。
結局、誰もリーチに立ち向かうことなく流局し、紺野の1人テンパイ。
東3局、紺野のリーチ。
三万四万五万七万七万七万七万八万一索二索三索七索七索  リーチ  ドラ二万
これを一発で九万をツモ。1,000・2,000は1,100・2,100の得点。
南1局、7巡目に紺野がテンパイ。
三万五万五万六万七万六索六索七索八索八索四筒五筒六筒  ツモ五索  ドラ三筒
素直にテンパイを取るとしても、二万五万六万八索ツモで形が良くなり、三筒七筒ツモで打点が上がる。
三万とし、テンパイを取らず四索五索七索ツモに対応するという手だってある。
当然、紺野だってそんなことはわかっている。
しかし紺野はその全てを否定し、打六索のリーチを打った。
その気迫に呼応するかのように、一発で四万をツモ。4,000オール。
紺野に点数を持たせると、本当に隙が無い。
南4局、ここまでいいところがなかった宮崎が最後の親番でリーチ。
一万一万七万八万九万一索二索三索五筒六筒七筒中中  ツモ一万  ドラ東  裏七万
2,600オールをアガリなんとか食らい付くも、紺野には届かず。
1回戦終了時
紺野+29.2P 宮崎+6.2P 市橋さん▲18.2P 西島▲18.2P
2回戦(起家から、市橋さん・西島・宮崎・紺野)
打点力にも守備力にも定評がある紺野を簡単に逃がさないのは、さすがはベスト8に残った面々だと思い知らされることとなる。
東1局、宮崎の手牌。
四万四万七万八万九万三索三索六索七索八索中中中  リーチ  ツモ四万  ドラ五索
一発で四万をツモ。2,000・4,000
東2局、親の西島の手牌。
二万三万二索三索四索二筒三筒四筒五筒五筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ四万  ドラ六索
一発で四万をツモ。6,000オール。
東4局、市橋さんが2巡目に仕掛け始め、5巡目には以下の手牌に。
六筒七筒八筒中  ポン西西西  ポン白白白  ポン南南南
ここに九筒をツモり、六筒九筒待ちに変えたところで、紺野のリーチ宣言牌である六筒を捕らえ8,000。
南1局、市橋さんに大物手が入る。
九万九万二索三索三索三索六筒六筒六筒七筒七筒八筒八筒九筒  ドラ二索
ここからテンパイを外す打九筒とし、四暗刻を目指す。
しかし、ここからテンパイし直す時間も与えないほどのスピードで、西島に1,000点のアガリでかわされる。
南2局、3者からの執拗なまでの包囲網を掻い潜り、紺野が反撃に出る。
カン五のテンパイを取らず、絶好のドラを引き入れて以下の手牌でリーチ。
六万七万八万一索一索一索二索三索七索八索九索二筒二筒  リーチ  ドラ三索
このリーチによって、迂回させられた市橋さんが、少しいびつな追いかけリーチを打つ。
一索二索三索五索六索七索四筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ
市橋さんがまっすぐアガリに向かっていれば、おそらく市橋さんのアガリだった局。
絶妙な手順でのリーチによって、紺野が市橋さんから二筒でアガリをもぎ取る。
南3局、西島の手牌。
九万九万三索四索四索五索五索二筒三筒三筒四筒四筒五筒  ツモ六索  ドラ三索  裏九万
3,000・6,000。
南4局1本場、ラス親の紺野も粘りを見せるも、まだ3着と400点差のラス。
「紺野をラスで終わらせたい」という3者の利害は一致していた。
宮崎が以下の手牌をアガリ、2回戦終了。
三万三万三万五万五万五筒六筒七筒北北  チー四索 左向き二索 上向き三索 上向き  ツモ北  ドラ一筒
2回戦の成績
西島+44.9P 宮崎▲0.8P 市橋さん▲16.7P 紺野▲27.4P
2回戦終了時
西島+26.7P 宮崎+5.4P 紺野+1.8P 市橋さん▲34.9P
3回戦(起家から、市橋さん・西島・紺野・宮崎)
西島優勢だが、そこまで大きな点差が開いているわけではない。
西島、紺野、宮崎の3人で2つの席を奪い合うという構図。
もちろん市橋さんにもチャンスはあるが、かなり大きなチャンスに恵まれなければ厳しい状況というのは否めない。
東2局に勝負局が訪れる。
まずは宮崎が先制リーチ。
二万二万六万七万八万五索六索七索二筒三筒七筒八筒九筒  リーチ  ドラ二万
これをアガることができれば、宮崎に勝ち上がりの席がぐっと近づく。
逆に、ここで宮崎に本手をアガられるとかなり厳しい状況になってしまう紺野は食らい付く。
三万四万五万二索二索四索五索六索五筒五筒五筒南南  リーチ
これを制したのは紺野。願ってもない南をツモると、それを手元に置いた。裏ドラは五索
2,000・4,000のアガリ。
だが、宮崎の追撃は止まらない。
東4局、宮崎の手牌。
二万二万四万四万三索四索五索  チー二筒 左向き三筒 上向き四筒 上向き  ポン中中中  ドラ四万
ドラでアガれば8,000という勝負手だったが、ここも紺野にかわされてしまう。
南1局、宮崎の手牌。
二万三万四万七万七万三索四索五索五筒六筒七筒七筒八筒  リーチ  ドラ七万
宮崎の勝ちたい気持ちに手牌が応える。
しかしこれも、最後の親番を絶対に落とせない市橋さんの執念にかわされる。
そして迎えた南4局。
2,900をアガリ、続く1本場、2本場にはなんとかテンパイを入れて連チャンした宮崎。
この時点で、トータル2着の西島まで0.7P差まで迫る。
しかし、いつまでも好きにさせてはもらえず、3本場の4巡目には西島にあっさり以下の手牌が入り終了。
一万二万三万三索四索五索六索七索七筒八筒九筒東東  ロン八索  ドラ七万
3回戦の成績
紺野+20.8P 市橋さん+7.3P 宮崎▲4.7P 西島▲23.4P
3回戦終了時
紺野+22.6P 西島+3.3P 宮崎+0.7P 市橋さん▲27.6P
 
決勝勝ち上がり
紺野真太郎 西島一彦
 
「このような舞台で戦えたことは、とてもいい機会に巡り合えたと思います。
今より強くなって、リベンジしたいです」(宮崎)
「ここまで来れただけで満足してる……と言いたいところですが、かなり悔しいです。
お世話になっている葛山プロ、林プロに恩返しするためにも、来年までに鍛えてきます」(市橋さん)
「苦しかった。自分のミスがそのまま苦しみになった。
決勝では同じミスを繰り返さず、なんとか頑張りたい」(西島)
「1回戦のカン四万リーチは以前はヤミテンにしていたが、自分自身変わった部分。
スピードと手役のバランスを前よりも深く考えながら戦うようになった。
決勝はやることを精いっぱいやるだけです。見てる人にいい戦いを届けたい」(紺野)
 
 
B卓
木原浩一(協会) vs 芝美穂子さん(一般) vs 中西正行さん(一般) vs 和久津晶(連盟)

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木原浩一(協会)

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芝美穂子さん(一般)

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中西正行さん(一般)

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和久津晶(連盟)

 
”超攻撃アマゾネス”和久津と、日本プロ麻雀協会の看板を一人背負って挑むエース木原に注目が集まる。
1回戦(起家から、中西さん・木原・和久津・芝さん)
東1局、開局早々わずか3巡で和久津の勝負手が成就。
二万二万三万五万六索七索八索二筒二筒二筒四筒五筒六筒  ロン四万  ドラ二筒
芝さんは手痛い8,000の放銃。
東2局、芝さんがすぐに失点を取り返す。
二万二万二万一索二索三索四索五索六索八索九索五筒五筒  リーチ  ツモ七索  ドラ八索
2,000・4,000。
東4局4本場、前の局まで4回連続流局となり、供託となった1,000点棒は4本となっていた。
テンパイ一番乗りの中西さんの手牌。
二万三万六万七万八万二索二索六索七索八索六筒七筒八筒  ドラ八索
これを一旦ヤミテンに構えるが、2巡後にツモ切りリーチ。
すぐに和久津もテンパイ。
一万二万三万二筒四筒白白白発発  ポン九索 上向き九索 上向き九索 上向き
ここに芝さんも前線へ出る。
四万五万六万七万七万三索四索五索二筒三筒四筒五筒六筒  リーチ
ここに木原が以下のテンパイから、中西さんのロン牌である四万を打ち出す。
三万三万四万六索六索二筒二筒三筒三筒四筒四筒五筒五筒六筒
供託のリーチ棒は、今目の前に出ているものを合わせると6,000点分。
2件リーチ、1件の仕掛けに対してもなお、前に出る選択をしてしまうのは仕方がない。
ツモ切りリーチ等が入り、混沌とした状況なだけに打点推測がしにくい分、12,000という失点は木原にとって想定外のダメージとなってしまった。
南2局1本場、現状4着の木原はなんとしても連チャンしたいところ。
三万四万五万六万七万六索七索五筒五筒六筒六筒七筒中中  ドラ北
3巡目にこの手牌をもらった木原は、ここから打中とじっくり構える。
すぐに五万をツモるが、ここからテンパイまでが遠い。
そうしている間に、中西さんの本手がテンパイ。
八万九万七索八索九索北北  ポン白白白  ポン南南南
ロン牌の七万を掴まされたのは木原。8,000は8,300の放銃。
木原は六筒五筒と外していく面前では最速の手組みもあり、そうしていればすぐにリーチを打てていたため展開は違っていた。
そんなことは「たられば」でしかないが、打点を追い結果的には裏目となってしまった。
1回戦終了時
中西さん+41.2P 和久津+7.8P 芝さん▲14.1P 木原▲34.9P
2回戦(起家から、和久津・木原・芝さん・中西さん)
東2局、木原が以下の手牌でひっそりとアガり牌を待つ。
二万二万三万三万四万四万五万五万六万七万七万二筒二筒  ドラ六筒
そこへ芝さんもテンパイ。
四万四万五万五万六万六万七万七万三索四索六索七索八索
二索が場に4枚見えているためヤミテンを選択。
他の者の手牌の中にあるものを確認すると、五索は牌山に2枚しか残っていなかったのだが、運悪くそれを木原があっさり掴み、3,900は4,200の放銃。
東3局、親の芝さんからリーチ。
三万四万五万六万七万二索三索四索五索六索七索九筒九筒  リーチ  ドラ東
木原、テンパイで打二万。裏ドラが三索で5,800の放銃。
木原は自らの手牌に押し出される形での放銃が続いてしまう。
続く1本場、木原が反撃に出る。
七筒八筒九筒九筒  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  チー三筒 左向き二筒 上向き四筒 上向き  ツモ六筒  ドラ五索
2,000・4,000は2,100・4,100。
東4局、親の中西さんからリーチ。
四万五万五万六万七万六索七索八索二筒二筒三筒四筒五筒  リーチ  ロン三万  ドラ七筒
木原がテンパイのところ三万を掴んでしまう。5,800のアガリ。
東4局1本場、和久津が芝さんから以下の手牌をアガる。
六万六万五索五索八索八索二筒二筒四筒七筒七筒南南  ロン四筒  ドラ八索
6,400は6,700。
南2局1本場、また和久津が芝さんから七対子をアガる。
八万八万四索四索七索七索九索三筒三筒西西北北  リーチ  ロン九索  ドラ南
3,200は3,500。
南4局、親の中西さんの第一打の六筒を和久津がチー。
五万八万七索一筒二筒五筒六筒南北北白  チー六筒 左向き五筒 上向き七筒 上向き  ドラ一筒
とんでもなく遠い仕掛けである。
この時の点数状況は以下の通り。
和久津34,400 中西さん32,700 芝さん32,400 木原20,500
親の中西さんには1回戦での大きなビハインドがある。
下家である和久津が、あからさまな仕掛けを入れれば、無理はしてこない可能性が高い。
ならば、和久津はテンパイさえして流局すれば、トップは守れるという算段だ。
一方、高打点作りを強いられる木原の11巡目の手牌。
一万七万七万九万九万東東東南北北発発中
ここで長考が入る。木原は跳満ツモで一気にトップである。
七対子に決め打つ東に一瞬手がかかるが、四暗刻の可能性も残して打一万とする。
この後発をツモり、四暗刻の1シャンテンになるものの、河に一万南のトイツを並べてしまう。
どちらが正解だとか、そういうことではない。
ただ、木原の思惑とは逆の結果が、ことごとく木原を苦しめる。
結局、誰もテンパイを入れることができないまま流局。
2回戦の成績
和久津+19.4P 中西さん+7.7P 芝さん▲2.6P 木原▲24.5P
2回戦終了時
中西さん+48.9P 和久津+27.2P 芝さん▲16.7P 木原▲59.4P
3回戦(起家から、中西さん・芝さん・木原・和久津)
東2局2本場、木原の手牌。
六万七万七万七万八万二索三索四索二筒三筒四筒八筒八筒  リーチ  ツモ八筒  ドラ二索
残り3回のツモしかない巡目だったが迷いなくリーチ。
ようやく手応えのあるアガリが木原に訪れる。
2,000・4,000は2,200・4,200。
東3局、木原の大事な親番だったが、芝さんからリーチ。
六万六万七万七万二索二索三筒三筒六筒六筒七筒九筒九筒  リーチ  ツモ七筒  ドラ九筒  裏二索
芝さんの4,000・8,000が炸裂し、一気に和久津をまくりトータル2着に。
東4局、中西さんからリーチが入る。
六万六万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒八筒八筒八筒  リーチ  ドラ三筒
中西さんがリーチ後にツモ切った東を親の和久津がポン。
二万二万四万六万三筒五筒六筒七筒  ポン東東東  チー三索 左向き一索 上向き二索 上向き
ここからドラの三筒を切らず、打二万とする。二万だって決して安全牌ではない。
3面張のリーチに対して、ここから競り勝ってしまうからすごい。
この後、和久津はドラの三筒を重ね、カン五万をツモってしまった。
超攻撃アマゾネスが、その片鱗を見せた。4,000オール。
続く東3局1本場、和久津はまたチャンス手を入れていた。
五索六索七索八索九索一筒一筒四筒五筒五筒六筒七筒東  ツモ二筒  ドラ一筒
14巡目、ここから和久津は五筒を切る。言えばもっと前に東を切っておくこともできた。
しかし和久津は、1シャンテンからリーチにゴリ押しした前の局とは打って変わって、今度は1シャンテンから迂回を始めたのである。
その時、木原が発をポンしていた。
そう、木原の仕掛けが安いわけはないのだ。
東を切ってロンと言われれば、また苦しい位置へと落ちてしまう。
和久津の強さは、攻撃面にばかり目が行ってしまうが、そうではない。
派手な攻撃の中に、きちんとこういう繊細さを練り込んでいる。
立ち位置によって、スタイルを一瞬で変えることができる。だから強い。
南2局には、和久津が芝さんから8,000をアガる。
三万三万三万三索三索六索六索五筒六筒七筒  チー七筒 左向き五筒 上向き六筒 上向き  ロン三索  ドラ三万
これが決定打となり、そのまま和久津が逃げ切って決着。
3回戦の成績
和久津+26.0P 芝さん+13.5P 木原▲10.0P 中西さん▲29.5P
3回戦終了時
和久津+53.2P 中西さん+19.4P 芝さん▲3.2P 木原▲69.4P
 
勝ち上がり
和久津晶 中西正行さん
 
「ことごとく裏目になる対局でした。
悔いが残るところはたくさんありますが、四暗刻かメンホン七対子かの選択が一番難しかったです。
来年までにもうちょっと勉強してきます」(木原)
「ミスが多かったです。押さなきゃいけないところで押し切れなかった。
勉強になったので、それを活かしてまた来年頑張りたいです」(芝さん)
「2回戦が終わってほぼ勝ち上がりが決まったので、最終戦は高い手に放銃しないことにだけ気を付けました。
決勝は楽しく打ちたいとは思いますが、決勝だからきっと苦しいんだろうなあ……」(中西さん)
「ベスト16を勝ってからの4日間、ろくにご飯も食べられませんでした。
先に対局を終えた紺野さんの汗を見て、絶対に私も残ってこの人と戦うんだって誓いました。
マスターズの決勝に残れるなんて夢にも思わなかったけど、決勝までの1週間できっちり壁を越えてきます!」(和久津)
紺野、西島、和久津、中西さん。
上記4名が5月6日(火)に夏目坂スタジオにて行われる決勝へと進出。
ついに第23期麻雀マスターズの決勝メンバーが決まった。
決勝を終えて、最後に笑うのはただ1人。
誰が勝っても素晴らしい対局になることは約束されたと言っても過言ではない決勝戦。
栄光は誰の手に輝くのか、楽しみで仕方がないのである。

~決定戦進出~

鳳凰の部屋はプロ連盟の最上階だけあって夜景がとてもきれいである。
今日も夜景を見ながら、ひとりワイングラスをかたむける。

「ルネッサンス!」

ちょっと古い・・・。

さて本題。プロリーグも大詰め第8節の3回戦。
現在約▲92ポイントは、暫定最下位の12位。
対戦相手は、鳳凰位決定戦進出ボーダーの柴田プロ。
少しマイナスで、決定戦進出に勝負所の荒プロ。
それに、暫定11位で私と共に降級争い真只中の近藤プロ。

今日の後残り2回戦は、3人にとってとても重要な戦いとなっていた。
残り2回のまず最初の半荘、勝負所で高目ツモ6,000オールの手が入ったのは親の荒プロ。
その荒プロとのリーチ合戦に競り勝ち、メンホンの跳満をアガリきり、やや大きめのトップをとる。これでマイナスも60ポイント台に減り暫定9位まで浮上。

しかし、暫定8位の荒プロとはまだ40ポイント以上の差があるため、次回、最終節に待ち受けている、降級争いとなるであろうC卓から逃れるのは難しい。
従って、今日の最終戦をどんな結果で終えたとしても、次節は下位4名の直接対決なのであまり大きな意味は成さない。

というわけで、今日は一仕事終わらせた感いっぱいで気楽な気持ちで向かえた最終戦。
夏目坂スタジオ初の役満をアガる。「メンゼン大三元」。しかも親かぶりは荒プロ。

あれ?もしかしてこれは?そう、それです。・・・何のこっちゃ「祝・降級候補脱出」というわけです。めでたしめでたし。と、今期のプロリーグは実質、最終節を待たずしてここで幕を閉じるはずであった。

ちなみに、この後は周りの反響がすごかった。
会う人会う人「メンゼン大三元すごかったですね」と言ってくれる。
もちろん悪い気はしない。いやいやこの際だからもっと正直に言おう。めちゃめちゃ嬉しかった。
言われるたびに、にやけ顔を抑えるのに必死だった。
今思うとアホな話だが、このときはちょっと王様気分だった。

しかし1週間後、沢崎プロが国士十三面をアガる。
それ以来、話題は国士十三面へ。「メンゼン大三元」のメの字も聞かなくなった。
沢崎プロには、デビュー当時からかわいがってもらっており、いまでもあこがれのプロの1人ではあるが、このときばかりはちょっと嫌いになった。・・・そんなわけないか。

この卓が大荒れだった。
暫定1位の沢崎プロと、暫定2位の伊藤プロが大きくポイントを増やし、最終節を待たずして決定戦進出に当確ランプを灯した。

このあおりをくった形となったのが、柴田プロが沈んだことにより、暫定3位となっていた望月プロと、十分決定戦を狙える位置につけていたダンププロ。
これにより、最後の椅子をかけた争いが大混戦となった。

こうなると、5位まで順位をあげていた私にもチャンスがでてきたということである。
どうやら私の今期のプロリーグには、まだ続きがあったようだ。

A1リーグの最終節は、順位順でA卓からC卓に分かれてC卓から対局が行われる。
わたしはB卓。3位の柴田プロと、4位のともたけプロより1週早い対局のため、私の最終節の目標は、まずB卓の卓内トップとなること。その目標をクリアした場合のみ、私より約50ポイント上にいる柴田プロより、1トップ分程のポイントを上積みできるように攻めること。
約65ポイントのプラス。この2つである。

それでも柴田プロとともたけプロは、その結果をふまえての戦いができるため、私にとってはかなり厳しい条件である。しかし、ついこの間まで厳しい残留条件を突き付けられていたと思えば、楽ではないが気軽な条件である。

最終節は、降級ボーダーを意識せざる得ない対局者達を利用し、展開を味方につけてうまく立ち回る事ができた。特殊な状況での対局ではあったが、今期初めて納得の内容だった。

目標には10Pほど届かなかったが、56Pの上積みに成功した。
現在暫定3位・柴田プロとは約9P。ともたけプロとは約21Pの差である。

1週間後の、プロリーグ最終節最終卓の結果待ちとなったが、この時の正直な気持ちをここに書いておく。

もしかしたらプロとしては失格なのかもしれないが、おそらく決定戦には柴田プロかともたけプロがいくのだろう。しかしそれでいいと思った。
決定戦は、今期いい麻雀を打ち切った3人が進出すべきである。今期の自分に、その資格があると思うか?と問われれば、私の答えは「NO」である。

ツイていただけの人間が立っていい舞台ではない。
最終卓の生配信を、柴田プロとともたけプロの直接対決のみではなく、少し盛り上げる役割を果たすことができただけで今期は十分である。

昨年は、胸を張って決定戦に進出したということが影響していたのだろう。
とにかく、今期鳳凰位決定戦を戦う心構えは、全くといっていいほどなかった。

さて最終卓。私は生配信を見ていた。けして、自分の決定戦進出を望んでいたわけではない。
しかし、最後まで見届ける責任があるような気がした。
最終戦のオーラス、柴田プロのピンフ・ドラドラのリーチ。おそらく私には打てないリーチである。そして、リーチをしなければおそらく沢崎プロがアガって終わっていただろう。
そのリーチを受けた最後の親番で、いくしかない状況のともたけプロの打ちまわしは見事だったと思う。

しかし、最終的に決定戦の最後の椅子に座ったのは私。「なぜ?」と思う。
もちろん答えなど永久に見つからないのはわかっている。
ただ、私が目に見えない力に選ばれたのは事実である。

「鳳凰位決定戦」。2年前から生配信になって、ただのタイトル戦の決勝戦ではなくなった。
実際に戦う4人にとっては「夢の舞台」でもない。

プロ連盟最高峰の戦いであるがゆえに、様々な人達の想いを全て4人で背負うまさに大舞台であり、逃げることは許されない現実である。

「責任感」という重圧が私を襲う。
もし本番がこの1週間後であったなら、気持ちの整理がつかないまま戦って、散々な結果となっていただろう。

私にとって幸いだったのは、ここから本番まで1ヶ月以上空いていたことだった。

鳳凰の部屋/~決定戦進出~

鳳凰の部屋はプロ連盟の最上階だけあって夜景がとてもきれいである。
今日も夜景を見ながら、ひとりワイングラスをかたむける。
「ルネッサンス!」
ちょっと古い・・・。
さて本題。プロリーグも大詰め第8節の3回戦。
現在約▲92ポイントは、暫定最下位の12位。
対戦相手は、鳳凰位決定戦進出ボーダーの柴田プロ。
少しマイナスで、決定戦進出に勝負所の荒プロ。
それに、暫定11位で私と共に降級争い真只中の近藤プロ。
今日の後残り2回戦は、3人にとってとても重要な戦いとなっていた。
残り2回のまず最初の半荘、勝負所で高目ツモ6,000オールの手が入ったのは親の荒プロ。
その荒プロとのリーチ合戦に競り勝ち、メンホンの跳満をアガリきり、やや大きめのトップをとる。これでマイナスも60ポイント台に減り暫定9位まで浮上。
しかし、暫定8位の荒プロとはまだ40ポイント以上の差があるため、次回、最終節に待ち受けている、降級争いとなるであろうC卓から逃れるのは難しい。
従って、今日の最終戦をどんな結果で終えたとしても、次節は下位4名の直接対決なのであまり大きな意味は成さない。
というわけで、今日は一仕事終わらせた感いっぱいで気楽な気持ちで向かえた最終戦。
夏目坂スタジオ初の役満をアガる。「メンゼン大三元」。しかも親かぶりは荒プロ。
あれ?もしかしてこれは?そう、それです。・・・何のこっちゃ「祝・降級候補脱出」というわけです。めでたしめでたし。と、今期のプロリーグは実質、最終節を待たずしてここで幕を閉じるはずであった。
ちなみに、この後は周りの反響がすごかった。
会う人会う人「メンゼン大三元すごかったですね」と言ってくれる。
もちろん悪い気はしない。いやいやこの際だからもっと正直に言おう。めちゃめちゃ嬉しかった。
言われるたびに、にやけ顔を抑えるのに必死だった。
今思うとアホな話だが、このときはちょっと王様気分だった。
しかし1週間後、沢崎プロが国士十三面をアガる。
それ以来、話題は国士十三面へ。「メンゼン大三元」のメの字も聞かなくなった。
沢崎プロには、デビュー当時からかわいがってもらっており、いまでもあこがれのプロの1人ではあるが、このときばかりはちょっと嫌いになった。・・・そんなわけないか。
この卓が大荒れだった。
暫定1位の沢崎プロと、暫定2位の伊藤プロが大きくポイントを増やし、最終節を待たずして決定戦進出に当確ランプを灯した。
このあおりをくった形となったのが、柴田プロが沈んだことにより、暫定3位となっていた望月プロと、十分決定戦を狙える位置につけていたダンププロ。
これにより、最後の椅子をかけた争いが大混戦となった。
こうなると、5位まで順位をあげていた私にもチャンスがでてきたということである。
どうやら私の今期のプロリーグには、まだ続きがあったようだ。
A1リーグの最終節は、順位順でA卓からC卓に分かれてC卓から対局が行われる。
わたしはB卓。3位の柴田プロと、4位のともたけプロより1週早い対局のため、私の最終節の目標は、まずB卓の卓内トップとなること。その目標をクリアした場合のみ、私より約50ポイント上にいる柴田プロより、1トップ分程のポイントを上積みできるように攻めること。
約65ポイントのプラス。この2つである。
それでも柴田プロとともたけプロは、その結果をふまえての戦いができるため、私にとってはかなり厳しい条件である。しかし、ついこの間まで厳しい残留条件を突き付けられていたと思えば、楽ではないが気軽な条件である。
最終節は、降級ボーダーを意識せざる得ない対局者達を利用し、展開を味方につけてうまく立ち回る事ができた。特殊な状況での対局ではあったが、今期初めて納得の内容だった。
目標には10Pほど届かなかったが、56Pの上積みに成功した。
現在暫定3位・柴田プロとは約9P。ともたけプロとは約21Pの差である。
1週間後の、プロリーグ最終節最終卓の結果待ちとなったが、この時の正直な気持ちをここに書いておく。
もしかしたらプロとしては失格なのかもしれないが、おそらく決定戦には柴田プロかともたけプロがいくのだろう。しかしそれでいいと思った。
決定戦は、今期いい麻雀を打ち切った3人が進出すべきである。今期の自分に、その資格があると思うか?と問われれば、私の答えは「NO」である。
ツイていただけの人間が立っていい舞台ではない。
最終卓の生配信を、柴田プロとともたけプロの直接対決のみではなく、少し盛り上げる役割を果たすことができただけで今期は十分である。
昨年は、胸を張って決定戦に進出したということが影響していたのだろう。
とにかく、今期鳳凰位決定戦を戦う心構えは、全くといっていいほどなかった。
さて最終卓。私は生配信を見ていた。けして、自分の決定戦進出を望んでいたわけではない。
しかし、最後まで見届ける責任があるような気がした。
最終戦のオーラス、柴田プロのピンフ・ドラドラのリーチ。おそらく私には打てないリーチである。そして、リーチをしなければおそらく沢崎プロがアガって終わっていただろう。
そのリーチを受けた最後の親番で、いくしかない状況のともたけプロの打ちまわしは見事だったと思う。
しかし、最終的に決定戦の最後の椅子に座ったのは私。「なぜ?」と思う。
もちろん答えなど永久に見つからないのはわかっている。
ただ、私が目に見えない力に選ばれたのは事実である。
「鳳凰位決定戦」。2年前から生配信になって、ただのタイトル戦の決勝戦ではなくなった。
実際に戦う4人にとっては「夢の舞台」でもない。
プロ連盟最高峰の戦いであるがゆえに、様々な人達の想いを全て4人で背負うまさに大舞台であり、逃げることは許されない現実である。
「責任感」という重圧が私を襲う。
もし本番がこの1週間後であったなら、気持ちの整理がつかないまま戦って、散々な結果となっていただろう。
私にとって幸いだったのは、ここから本番まで1ヶ月以上空いていたことだった。

第31期A1リーグ第2節レポート 近藤 久春

連盟のプロになって今年で15年目になる。
第1節にトップスタートとなったのは初めての事で、ネガティブ志向の私にとっては落ち着かない位置ではある。
とはいえ、少々足取りも軽くいざ夏目坂スタジオへ。

対戦相手は、荒正義プロ、瀬戸熊直樹プロ、望月雅継プロ。
あれ?3人とも歴代鳳凰位・・・・
そうですAリーグはタイトルホルダーの集団なのです。

いまだタイトルに無縁で、決勝卓すら経験のない私には、全員が格上の存在。
常に胸を借りるつもりで緊張感を持って臨んでいます。

瀬戸熊プロとは、前節とマスターズと続けて対戦。
前節、私が好調の中、終わってみれば、ほとんどプラスポイントが一緒。本当に強い。
荒プロ、望月プロは何度も対戦し、その都度、精度の高い麻雀、メンタルの強さに感服しています。

さて、自戦記と云う事で1回戦 東2局、東家

一万一万七万九万一筒二筒三筒  加カン南南南南  ポン北北北  ツモ一万  ドラ九万

私の選択はツモ切り。ツモ九万以外は全てツモ切りと決めていたのです。
七万切りはとても魅力的ですが、それにより私の手がガラス張りなるのを避けるためでした。
ラッキーにも1回戦はトップで終え、2回戦も2局続けてアガリ、調子良さそうに見えたかも?
でも対戦している本人は何か違和感を覚え、その正体が分からずジリジリ後退してラス。
勝負所は、3回戦の2度の七対子ドラドラ。

南1局3本場、供託1本
東家・瀬戸熊 12巡目

四万五万六万七万八万二索三索四索一筒二筒二筒二筒三筒  リーチ  ドラ一筒

瀬戸熊プロのこのリーチに対し、持ってきたのが三万

南家・近藤 9巡目テンパイ。

八万八万二索二索八索八索九索九索一筒一筒南南発  ツモ三万

いつもの私なら、今までヤミテンでアガれないのだから、やや危険度の低い発を切るのだが、打三万としてアガリにかけてしまう。

南4局2本場、供託2本
東家 荒プロ 8巡目リーチ

四万五万六万六万七万八万五索六索七索二筒二筒四筒五筒  リーチ  ドラ九索

西家・近藤

一万六索六索九索九索三筒三筒九筒九筒発発中中  リーチ

この時私は、3巡目に三筒の暗刻切りでテンパイしていて、浮き狙いからトップ狙いへギアチェンジのリーチ。
しかし、あえなく4枚目の三筒をつかみ放銃。
待ち選択やリーチかヤミテンの選択の全てが裏目に。

特にオーラスは、トイトイに気持ちは向かっていた。
理由は同じ手役を2度失敗している為、またアガリを逃す事になるのでは?
そんな事を考えていると3巡目テンパイの誘惑に。これでは、いい結果が出るはずはない。

その後は何もできない状態が続きひどい事に。
このリーグは何も出来なくなると、矢の雨が降って来るような感覚です。
うまくかわそうとしても、無傷ではすみません。

結果は、瀬戸熊プロの3連勝で終幕。
私は好スタートを切ったにも拘らず、終わってみれば卓内4着。
いつもながら反省点の多い対局となりました。

後でニコ生をもう一度見ると、森山会長の指摘に得る所も多く、また今回の対戦者から学ぶ事も出来、それらを糧にし、また明日から謙虚に麻雀に取り組んでいきたいと思います。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ第2節レポート 近藤 久春

連盟のプロになって今年で15年目になる。
第1節にトップスタートとなったのは初めての事で、ネガティブ志向の私にとっては落ち着かない位置ではある。
とはいえ、少々足取りも軽くいざ夏目坂スタジオへ。
対戦相手は、荒正義プロ、瀬戸熊直樹プロ、望月雅継プロ。
あれ?3人とも歴代鳳凰位・・・・
そうですAリーグはタイトルホルダーの集団なのです。
いまだタイトルに無縁で、決勝卓すら経験のない私には、全員が格上の存在。
常に胸を借りるつもりで緊張感を持って臨んでいます。
瀬戸熊プロとは、前節とマスターズと続けて対戦。
前節、私が好調の中、終わってみれば、ほとんどプラスポイントが一緒。本当に強い。
荒プロ、望月プロは何度も対戦し、その都度、精度の高い麻雀、メンタルの強さに感服しています。
さて、自戦記と云う事で1回戦 東2局、東家
一万一万七万九万一筒二筒三筒  加カン南南南南  ポン北北北  ツモ一万  ドラ九万
私の選択はツモ切り。ツモ九万以外は全てツモ切りと決めていたのです。
七万切りはとても魅力的ですが、それにより私の手がガラス張りなるのを避けるためでした。
ラッキーにも1回戦はトップで終え、2回戦も2局続けてアガリ、調子良さそうに見えたかも?
でも対戦している本人は何か違和感を覚え、その正体が分からずジリジリ後退してラス。
勝負所は、3回戦の2度の七対子ドラドラ。
南1局3本場、供託1本
東家・瀬戸熊 12巡目
四万五万六万七万八万二索三索四索一筒二筒二筒二筒三筒  リーチ  ドラ一筒
瀬戸熊プロのこのリーチに対し、持ってきたのが三万
南家・近藤 9巡目テンパイ。
八万八万二索二索八索八索九索九索一筒一筒南南発  ツモ三万
いつもの私なら、今までヤミテンでアガれないのだから、やや危険度の低い発を切るのだが、打三万としてアガリにかけてしまう。
南4局2本場、供託2本
東家 荒プロ 8巡目リーチ
四万五万六万六万七万八万五索六索七索二筒二筒四筒五筒  リーチ  ドラ九索
西家・近藤
一万六索六索九索九索三筒三筒九筒九筒発発中中  リーチ
この時私は、3巡目に三筒の暗刻切りでテンパイしていて、浮き狙いからトップ狙いへギアチェンジのリーチ。
しかし、あえなく4枚目の三筒をつかみ放銃。
待ち選択やリーチかヤミテンの選択の全てが裏目に。
特にオーラスは、トイトイに気持ちは向かっていた。
理由は同じ手役を2度失敗している為、またアガリを逃す事になるのでは?
そんな事を考えていると3巡目テンパイの誘惑に。これでは、いい結果が出るはずはない。
その後は何もできない状態が続きひどい事に。
このリーグは何も出来なくなると、矢の雨が降って来るような感覚です。
うまくかわそうとしても、無傷ではすみません。
結果は、瀬戸熊プロの3連勝で終幕。
私は好スタートを切ったにも拘らず、終わってみれば卓内4着。
いつもながら反省点の多い対局となりました。
後でニコ生をもう一度見ると、森山会長の指摘に得る所も多く、また今回の対戦者から学ぶ事も出来、それらを糧にし、また明日から謙虚に麻雀に取り組んでいきたいと思います。

<大阪>『第7回ゴールデンカップ』開催! 

日 時:2015年1月25日(日) 10:30受付 11:00開始
場 所:大阪駅前第一ビル地下1F 『大和クラブ』 TEL06(6341)8410
参加資格:プロ、アマチュアを問わず18歳以上の者(高校生不可)
ゲスト:日本プロ麻雀連盟名誉会長 灘麻太郎プロ
参加費:7000円(昼食、参加賞付き)
入 賞:上位4位まで表彰あり。(優勝者にはマスターズ本戦シード)
アマチュア上位には日本プロ麻雀連盟の段位を贈呈いたします。
ルール:日本プロ麻雀連盟Bルール(一発、裏ドラ、カンドラ、カン裏あり)
システム:半荘5回戦

申込受付:日本プロ麻雀連盟関西本部本部長 稲森 英子(HP:090-3281-3169)まで。
お電話にてお申し込み後、現金書留にて参加費7000円を下記宛てにご郵送ください。
〒578-0975  東大阪市鴻池町1丁目7-4-108 稲森 英子 宛

連盟インフォメーション/<大阪>『第7回ゴールデンカップ』開催! 

日 時:2015年1月25日(日) 10:30受付 11:00開始
場 所:大阪駅前第一ビル地下1F 『大和クラブ』 TEL06(6341)8410
参加資格:プロ、アマチュアを問わず18歳以上の者(高校生不可)
ゲスト:日本プロ麻雀連盟名誉会長 灘麻太郎プロ
参加費:7000円(昼食、参加賞付き)
入 賞:上位4位まで表彰あり。(優勝者にはマスターズ本戦シード)
アマチュア上位には日本プロ麻雀連盟の段位を贈呈いたします。
ルール:日本プロ麻雀連盟Bルール(一発、裏ドラ、カンドラ、カン裏あり)
システム:半荘5回戦
申込受付:日本プロ麻雀連盟関西本部本部長 稲森 英子(HP:090-3281-3169)まで。
お電話にてお申し込み後、現金書留にて参加費7000円を下記宛てにご郵送ください。
〒578-0975  東大阪市鴻池町1丁目7-4-108 稲森 英子 宛

第23期マスターズ トーナメントレポート

第23期麻雀マスターズの本戦が行われた翌日、ベスト28の対局が行われた。
昨年度までは、ここでベスト8までの対局が行われていたが、今年度からは日本プロ麻雀連盟チャンネルの開設に伴い、ベスト8からは夏目坂スタジオで生放送される事が決定したため、この日はベスト16までの対局となる。

システムは通過順位によって決定した4名で半荘3回を戦い、トータルポイント上位2名が勝ち上がるトーナメント方式。ベスト28を通過した14名に加え、昨年度優勝者である小車祥と、前日の本戦を1位通過した紺野真太郎の2名を加え、ベスト16の対局が行われる。
なお、ルールは日本プロ麻雀連盟Bルール(一発、裏ドラあり)を採用しており、順位ウマはトップが+15P、2着が+5P、3着が▲5P、4着が▲15Pと、各順位に1万点の差がつくようになっている。

 

 

gpmax2012
左から、荒木栄二(協会)、四柳弘樹(連盟)、小西隆之(一般)、蛯原朗(連盟)

 

プロ連盟Aリーガーである四柳と2013年度の麻雀最強戦ファイナルに勝ち進んだ荒木のいるこの1卓。東三局に嵐が吹き荒れる。
親番の荒木。持ち味である仕掛けを多用し連荘に連荘を重ねる。何度も蛯原と小西さんが仕掛けで応戦し、果敢に立ち向かうものの、和了に結びつかず、10本場にも及ぶ大連荘を許す。
荒木は1回戦を+70.3Pで終え、大きなアドバンテージを獲得。

続く2回戦は四柳がトップをとり、荒木は4着。安全圏とは言えないかもしれないが、まだ優位である事には違いない。

 

gpmax2011_67
四柳弘樹

 

2回戦終了時成績

荒木+38.2P 四柳▲9.5P 小西▲13.6P 蛯原▲15.1P

 

最終3回戦、起家は小西さん。6000オールを決め、大きく前進。

そして東三局には蛯原が連荘。4者の持ち点は以下。

小西40700 荒木 12700 蛯原51900 四柳14700

終止苦しい四柳であるが、時間打ち切りがない限りまだ親番は2回ある。

しかし、東場で抜け出した小西さんは守りきり、蛯原はさらに加点しフィニッシュ。
波乱の1卓であった。

 

gpmax2011_67
蛯原朗

 

3回戦終了時最終成績

蛯原+40.5P 小西+2.6P 四柳▲16.8P 荒木▲26.3P

 

勝ち上がり:蛯原朗(連盟)、小西隆之(一般)

 

 

gpmax2012
左から、魚谷侑未(連盟)、水沼利晃(一般)、渋川難波(協会)、浅井裕介(最高位戦)

 

1回戦起家は魚谷。リーチをかけるがここは流局。しかし1本場は2000オール、2本場は4000オールと攻撃の手を緩めない。

 

gpmax2012
魚谷侑未

 

1回戦終了時成績

魚谷+31.9P 水沼+14.9P 浅井▲6.6P 渋川▲40.2P

 

続く2回戦。1回戦4着だった渋川が大連荘しトータルポイントを2着につける。

 

gpmax2012
渋川難波

 

2回戦終了時成績

魚谷+37.9P 渋川+11.2P 浅井▲11.2P 水沼▲37.9P

 

最終3回戦、浅井と、元最強位の水沼さんが首位に肉薄するが、あと一歩届かずここで敗退となってしまう。

 

3回戦終了時最終成績

渋川+9.6P 魚谷+6.4P 浅井▲1.2P 水沼▲14.8P

 

勝ち上がり:魚谷侑未(連盟)、渋川難波(協会)

 

 

gpmax2012
左から、仲田加南(連盟)、和久津晶(連盟)、鳥居裕一(最高位戦)、芝美穂子(一般)

 

第11期プロクイーン決定戦、第8期女流桜花決定戦での準優勝が記憶に新しい和久津晶。
4大タイトル戦であるこのマスターズでもここまで勝ち進むことは、その強さをより一層証明している。

 

gpmax2012
和久津晶

 

1回戦東四局の親番で4,000オールを和了り初戦トップの和久津。
2回戦は仲田がトップ、和久津が2着でトータルポイントは以下。

 

2回戦終了時成績

和久津+32.9P 仲田+27.3P 芝+0.2P 鳥居▲60.4P

 

最終戦、芝さんが南二局の親番で抜け出し4者の持ち点は以下。

和久津 32700 芝 51300 鳥居 16800 仲田 19200

仲田以下の形でリーチ

五万五万六万七万八万四索五索六索七筒八筒九筒発発 リーチ ドラ八万

打点が欲しい仲田、リーチ宣言牌は六万 左向き
しかし、鳥居に
一万二万三万三万四万四索五索五索六索六索七索五筒五筒 リーチ

この形で追っかけられ、二万をつかみ2000点の放縦。
ちなみに四万七万での和了り逃しもなかった。

鳥居、仲田共にラス親にかけたい所だが、敢え無くここまで。

 

gpmax2012
仲田加南

 

3回戦終了時最終成績

和久津+43.2P 芝+34.2P 仲田▲3.4P 鳥居▲74.0P

 

勝ち上がり:和久津晶(連盟)、芝美穂子(一般)

 

 

gpmax2012
左から、坂本大志(最高位戦)、丸江茂(一般)、西野圭介(一般)、滝沢和典(連盟)

 

1回戦オーラス。

西野 17500 丸江 27600 坂本 44600 滝沢 29300

流れ4本場、供託1000点で迎えた滝沢の親番5巡目。

四万九万九万二索二索二索三索四索六索七索二筒三筒五筒 ツモ四筒 ドラ四索
三色の目が消えてしまうが、伸びをマンズかピンズに絞ってイーシャンテンキープする打ち手も多いと思うが、滝沢の選択は打九万

この切迫した状況で滝沢らしい一打。
坂本から三筒六筒待ちの先制リーチが入るが、14巡目に、滝沢にもテンパイが入る。
四万二索二索二索三索四索五索六索七索二筒三筒四筒五筒 ツモ三筒 打四万 左向き ドラ四索
2巡後四筒をツモリ4000オール。

 

gpmax2012
滝沢和典

 

1回戦終了時成績

滝沢+23.6P 坂本+12.7P 丸江▲1.3P 西野▲35.0P

 

2回戦オーラス3本場、親番は滝沢。

西野 26000 丸江 36400 坂本 34500 滝沢 23100

西野さんが、

五万六万七万八万八万九万七索七索三筒四筒四筒五筒六筒 ツモ二筒 打九万

の形に受け、すぐに八万が出るがこれを見逃し。1回戦を4着で終え、この局面で3着から着順の変わらない和了りをしても、最終戦が苦しいと考えたためであろう。ここはタンピン三色の最終形を目指す。
しかし流局。親の滝沢もテンパイで続く4本場、滝沢5巡目。
二万四万六索六索七索七索七索二筒二筒四筒五筒六筒八筒 ドラ六筒 ツモ四万 打八筒 上向き

同巡丸江さんがリーチ。
一万二万三万六万六万六万一筒一筒六筒七筒北北北 リーチ
自然に打ち出された八筒であるが間に合っている滝沢。8順目に追いつきリーチ。
二万三万四万六索六索七索七索七索二筒二筒四筒五筒六筒 リーチ
丸江さんの北と滝沢の七索に暗カンが入り、三色の手変わりを待っていた西野さんもツモ切りリーチ。
三万五万九万九万四索五索六索三筒四筒五筒九筒九筒九筒 リーチ ドラ六筒西四万

丸江さんが六索をつかみ、滝沢に12000の放縦で決着。裏四筒七筒四索

そして5本場。8巡目、滝沢にテンパイが入るがここはダマテン。
七万八万九万五索六索七索四筒四筒七筒八筒八筒九筒九筒 ドラ九索
11巡目に丸江さんからリーチが入り、同巡ションパイの発を持ってきてヤメ。
丸江さんの手牌
五万五万五万三索四索五索九索九索七筒七筒七筒発発 リーチ

 

2回戦終了時成績

滝沢+47.4P 坂本+19.7P 丸江▲23.6P 西野▲44.5P

 

最終戦、西野さんが2着に差し迫るもここで敗退となってしまう。

 

3回戦終了時最終成績

滝沢+49.5P 坂本▲6.0P 西野▲8.9P 丸江▲35.6P

 

勝ち上がり:滝沢和典(連盟)、坂本大志(最高位戦)

 

 

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左から、杉浦勘介(連盟)、寺戸孝志(連盟)、市橋篤文(一般)、勝又健志(連盟)

 

1回戦終了時成績

杉浦+40.0P 寺戸+9.4P 市橋▲12.1P 勝又▲37.3P

 

gpmax2012
杉浦勘介

 

南二局の親番で7本場まで積み、初戦をトップで飾る杉浦。
一方、トーナメント巧者で有名な勝又は4着スタート。残す2戦の戦いぶりに注目だが、さっそく転機が訪れた。
2回戦、東一局の親番で、跳満を出和了り、最終戦を着順勝負にまで持ち込む。

 

gpmax2012
勝又健志

 

2回戦終了時成績

杉浦+25.6P 市橋+3.6P 勝又▲5.3P 寺戸▲23.9P

 

3回戦、南二局1本場、親番は市橋さんで4者の持ち点は以下。

杉浦35400 市橋 19400 寺戸33600 勝又30600 供1.0

7巡目に勝又先制リーチ。

一万一万一万二索三索四索六索六索七筒八筒九筒北北 リーチ ドラ六索

11巡目に寺戸も追いつき手がぶつかる。

四万四万四万五索七索七索八索九索二筒三筒四筒発発 リーチ

両者にとって勝負所。模打に力が入り、場面に言いようの無い重い空気が流れる。
勝又のシャンポンの片割れ、北は場に1枚、杉浦の手に一枚で、両者の待ちであるドラの六索は残り1枚。そこに・・・

 

『リーチ!』
親番の市橋さんである。
15巡目に追いつき、そして次巡手が開かれた。

三万四万三索四索五索六索七索八索三筒四筒五筒九筒九筒 リーチ 一発ツモ五万 ドラ六索 裏四万

強烈な8000オールでベスト16に駒を進める。

gpmax2012
市橋さん

 

3回戦終了時最終成績

杉浦+33.0P 市橋+25.0P 勝又▲9.0P 寺戸▲49.0P

 

勝ち上がり:杉浦勘介(連盟)、市橋篤文(一般)

 

 

gpmax2012
左から、西島一彦(連盟)、櫻井秀樹(連盟)、中西正行(一般)、小池美穂(最高位戦)

 

1回戦、東四局、6巡目に親の西島が先制リーチ。

五万六万七万二索三索四索八索八索八索五筒五筒七筒九筒

10巡目、小池に四暗刻のテンパイが入るがここは流局。

四万四万五索五索五索六索六索九索九索九索二筒二筒二筒

南一局、親は小池に変わり、先制リーチ。押し返していた中西さんからロンの声がかかる。
開かれた手は国士無双。痛恨の放縦となってしまうが、まだ1回戦。諦めるわけにはいかない。
2回戦は見事トップをとり、2着争いに食い込む。

 

gpmax2012
櫻井秀樹

 

2回戦終了時成績

中西+70.7P 櫻井▲11.6P 西島▲25.0P 小池▲34.1P

 

3回戦、2着を狙う3者の激しいデッドヒート。成績を見ても分かるように、僅差で勝負が決まった。

 

3回戦成績

西島+25.6P 櫻井+6.4P 小池▲10.3P 中西▲22.7P

 

3回戦終了時最終成績

中西+48.0P 西島+0.6P 櫻井▲5.2P 小池▲44.4P

Aリーガーの櫻井と女流最高位の小池が敢え無く敗退。

 

gpmax2012
小池美穂

 

勝ち上がり:中西正行(一般)、西島一彦(連盟)

 

 

gpmax2012
左から、木原浩一(協会)、宮崎皓之介(連盟)、山田浩之(連盟)、猿川真寿(連盟)

 

1回戦終了時成績

宮崎+33.9P 木原+8.3P 猿川▲11.8P 山田▲30.4P

 

2回戦、東二局1本場、連荘中の山田。3巡目に木原の先制リーチが入る。
受けつつも終盤にこのテンパイを入れ、反撃成功。

一万一万一万二索三索三索三索四索六索六索七索七索八索 リーチ ロン八索 裏一万

持ち点を6万点オーバーとし、1回戦の成績をひっくり返す。

 

gpmax2012
山田浩之

 

2回戦終了時成績

宮崎+46.6P 山田+19.9P 猿川▲32.2P 木原▲34.3P

 

最終戦オーラス今度は木原がトップ目に。

山田 18100 宮崎 21300 猿川 24300 木原 56300

山田は2着条件、猿川はツモなら三倍満であったが、木原の4000オールで終了。
山田、猿川の両名はここで敗退。

 

gpmax2012
猿川真寿

 

勝ち上がり:宮崎皓之介(連盟)、木原浩一(協会)

 

 

gpmax2012
左から、木原浩一(協会)、杉浦勘介(連盟)、紺野真太郎(連盟)、魚谷侑未(連盟)

 

昨日の本戦を堂々の4連勝で飾りベスト16の切符を手に入れた紺野真太郎。満を持しての登場である。
しかし、相手は先刻ベスト28を勝ち抜いてきた選手達。立ち上がりは苦しい展開となる。

 

1回戦終了時成績

木原+49.2P 魚谷▲5.4P 紺野▲16.0P 杉浦▲27.8P

 

2回戦、初戦を一人浮きで終えた木原が、東一局、東二局と連続で満貫をツモ和了り、首位の座をより強固なものとする。
それにより、他の3者は残り1席をかけた戦いを強いられる事となった。

南一局、場面が動く。
親番は魚谷。木原が先制リーチをかけると、魚谷が追いつき三万六万で追いかけリーチ。
三筒をポンしていた紺野がツモってきた牌は六万
六万は暗刻でかかえていて、カンをした後リンシャンからツモ三万。それが跳満の和了り牌であった。

三万三万六索六索発発発 暗カン牌の背六万 上向き六万 上向き牌の背 ポン三筒 上向き三筒 上向き三筒 上向き ツモ三万

 

2回戦終了時成績

木原+65.7P 紺野+15.2P 魚谷▲35.8P 杉浦▲45.1P

 

最終戦、魚谷が3000,6000そして4000オールと和了り、南三局でツモれば逆転という所まで肉薄するが、紺野自ら決着をつけベスト8進出。

 

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紺野真太郎

 

紺野『1回戦苦しかったけどラス抜けできた事が大きかったです。ターニングポイントはリンシャンから跳満をひけた局。木原さんが抜けた分、お互いにテーマが一致したところがあるので、その後は優位に進める事ができたと思います。
しかし魚谷の追い上げは凄かった、さすがです!』

 

3回戦終了時最終成績

木原+54.1P 紺野+24.6P 魚谷▲0.9P 杉浦▲77.8P

 

勝ち上がり:木原浩一(協会)、紺野真太郎(連盟)

 

 

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左から、宮崎皓之介(連盟)、小車祥(連盟)、小西隆之(一般)、中西正行(一般)

 

そしてこちら、昨年度のマスターズ覇者で紺野と同じくベスト16シードの小車祥。小車にとって今期のマスターズ初戦となるため、いかに勝ち上がってきた選手の温度に順応できるかが鍵となる事は間違いないであろう。

 

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小車祥

 

1回戦、(起家から中西、小西、小車、宮崎)東一局、小車からリーチの声。流局かと思われた矢先、タンヤオのみで宮崎がチーテンをとり、本来回ってこない小車にハイテイを回す。
『3000,6000!』
私はこの和了りを見て、他の卓の観戦に足を向けたのであるが、終局時のポイントは逆転していた。

 

1回戦終了時成績

小西+24.5P 宮崎+7.2P 小車▲5.3P 中西▲26.4P

 

2回戦、ベスト28で国士を和了った中西さんがトップでトータル2着に浮上。宮崎は連続2着でポイントを伸ばし、トータル首位で最終戦を迎える。

 

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宮崎皓之介

 

2回戦終了時成績

宮崎+26.1P 中西+8.8P 小車▲15.9P 小西▲19.0P

 

最終戦オーラス、小車はマンツモ条件で、10巡目にタンヤオドラ2のイーシャンテンまでいくがテンパイ叶わず、小西さんは倍ツモ条件で、条件を満たすメンチンリーチまでこぎつけるが敢え無く流局。

 

3回戦終了時最終成績

 

宮崎+16.7P 中西+16.5P 小車+5.7P 小西▲39.9P

 

勝ち上がり:宮崎皓之介(連盟)、中西正行(一般)

 

 

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左から、西島一彦(連盟)、蛯原朗(連盟)、滝沢和典(連盟)、芝美穂子(一般)

 

1回戦東一局、蛯原の親番を西島が捌くと、迎えた親番。

六万七万八万九万九万四索五索六索六索七索六筒七筒八筒 リーチ ツモ八索

高めツモで4000オールと好スタート。さらに2回戦東一局、親番は西島。

三万四万五万五万六万七万六索七索二筒二筒五筒六筒七筒 リーチ

こちらもあっさり高め五索をツモ和了り6000オール。

 

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西島一彦

 

南一局、好調の西島が親番であるが滝沢がこの手で先手を取る。

一索二索三索三索四索六索六索八索八索八索北北北??リーチ

しかし芝さんが置いた東にロンの声。

九万九万九索九索二筒二筒東白白発発中中

9600をヤミで和了り追撃を許さない。

滝沢は東場の親では芝さんのハネツモを親っかぶり、南場の親でも芝さんのマンツモを親っかぶりと進退両難。

 

2回戦終了時成績

西島+77.7P 蛯原▲1.1P 芝▲12.1P 滝沢▲64.5P

 

最終戦オーラス持ち点は以下

西島 29000 蛯原 39000 滝沢 11400 芝 40600

蛯原と芝さんの息を呑むような戦いとなったが、芝さんがこれを制した。

 

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芝さん

 

勝ち上がり:西島一彦(連盟)、芝美穂子(一般)

 

 

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左から、市橋篤文(一般)、坂本大志(最高位戦)、渋川難波(協会)、和久津晶(連盟)

 

1回戦終了時成績

市橋+43.5P 坂本▲1.7P 和久津▲14.0P 渋川▲27.8P

 

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坂本大志

 

2回戦、南一局親番は渋川。
和久津と渋川の手がぶつかる。

和久津先制

四万五万七万八万九万二索三索四索五索六索七索九筒九筒??リーチ??ロン六万??ドラ八筒??裏九筒

渋川

一万二万三万七万八万九万七索八索九索七筒八筒中中??リーチ

渋川が六万をつかみ和久津へ8000の放銃となった。

南二局1本場、和久津が満貫をツモり3者のポイントが横一線となる。

二索三索八索八索??ポン発発発??ポン白白白??ポン北北北??ツモ四索

 

2回戦終了時成績

市橋+29.8P 坂本+20.0P 和久津+19.9P 渋川▲69.7P

 

最終戦、東一局、和久津が渋川から決定打となる18000を和了り、ベスト8進出。

 

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和久津晶

 

勝ち上がり:和久津晶(連盟)、市橋篤文(一般)

 

ベスト8A卓:市橋篤文(一般)vs紺野真太郎(連盟)vs西島一彦(連盟)vs宮崎皓之介(連盟)

ベスト8B卓;木原浩一(協会)vs芝美穂子(一般)vs中西正行(一般)vs和久津晶(連盟)