第28期新人王戦 予選レポート 岡本 和也

2014年8月、今年も新人王戦の季節がやってきた。

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新人王戦の初日である8月30日、暦の上では8月であるが、夏の茹だるような暑さは薄れ、外気は秋の入りを感じさせるものであった。

前年度までは1dayで実施されていた新人王戦であったが、今期から初日に予選7回戦を実施し、翌日に決勝4回戦を実施することとなった。

また、前年度と大きく違う点は、決勝2回戦であったのが決勝4回戦に増えた点と、決勝戦は連盟チャンネルにて動画生配信される点である。参加選手は、「是が非でも決勝に残り、自分の対局をオンエアで流し、優勝したい。」そう思わずにはいられないだろう。

このように新人王戦の若干のシステム変更があったものの、今期の新人王戦の参加者は前年度6名減の122名での争いとなった。
参加者は東京本部61名、東北本部13名、中部本部10名、関西本部10名、九州本部14名、静岡支部4名、北陸支部1名、北関東支部5名、広島支部4名、この日のために全国各地から多くの連盟員が集結した。
参加人数も多いため、予選は2会場を使用して実施されることとなった。

改めて、今期の新人王戦のシステムについて紹介したい。

●参加資格は入会3年目までの連盟員のみである。
●ルールは一発裏ドラのない連盟Aルール(いわゆる競技ルール)である。
●初日に予選7回戦を行い、翌日に決勝4回戦を行う。
●予選は4回戦終了時の上位48名が5回戦に進出、5回戦終了時の上位32名が6回戦に進出、6回戦終了時の上位20名が7回戦に進出、7回戦終了時の上位4名が決勝戦に進出となる(ポイント持ち越し)。
●決勝戦は予選でのポイントはリセットされ、4回戦の合計ポイントがトップの者が優勝となる。

【予選】
対局開始である12時を向かえ、大会委員長である伊藤優孝副会長の挨拶、競技委員長の藤原隆弘プロからの説明・合図により、予選1回戦が開始となった。

まずは全卓を回り、参加選手の様子を見る。

前年度の新人王戦の決勝で共に戦った清水哲也プロ、三浦智博プロ。
清水プロ、三浦プロともに今期が最後のチャンスだけに頑張ってもらいたい。

第25期チャンピオンズリーグ優勝の森岡貞臣プロ、特別昇級リーグで準優勝し、C1リーグへとジャンプアップした本田朋広プロ、第31期D2リーグ前期で、1節で脅威の+170ポイントを叩き出し、D1リーグへ昇級となったケネス・徳田プロ。

また、同じ静岡支部である鷲見隼人プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ。
日頃、頻繁に接するだけあって、観戦記者をやりながらも彼らの活躍に期待したい。

続いて、コナミ「麻雀格闘倶楽部」で活躍中の女流プロを紹介したい。

小笠原奈央プロ
石田亜沙己プロ
井上絵美子プロ
鈴木彩夏プロ
月江いくこプロ
手塚紗掬プロ
東城りおプロ

小笠原奈央プロ、手塚紗掬プロは28期生であるため、今年が最後の新人王戦。今期の新人王戦にかける意気込みも一入であろう。

また、今年度の最強戦ガール東日本の菅原千瑛プロ。

菅原千瑛プロ

予選4回戦の開始直前、運営より5回戦への進出ボーダーが発表される。目安は10ポイント程度。
決勝に残るためには約100ポイントが目安とされているが、まずは5回戦に進まなければ決勝への道もそこで閉ざされてしまう。ポイントが足りない選手は予選を勝ち上がっていくためにはどうしても踏込みを深くせざるを得ないが、5回戦への進出ボーダーにポイントが足りている選手も手を緩めることができないのが新人王戦の予選である。

5回戦に進出できるのは122名のうち上位48名のみ。4回戦が終了した段階で、清水哲也プロ、三浦智博プロ、森岡貞臣プロ、ケネス徳田プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ、小笠原奈央プロ、石田亜沙己プロ、井上絵美子プロ、鈴木彩夏プロ、東城りおプロ、菅原千瑛プロがここで敗退となった。

森岡貞臣プロ 『今日は完敗です。負けました。』
三浦智博プロ 『出来ることはやれたと思いますが、悔しいです。』
小笠原奈央プロ 『一生獲れない新人王というタイトルなので、本当に悔しいです。』
井上絵美子プロ 『高い手の材料が来たのにアガリに結び付かず、厳しかったです。』
菅原千瑛プロ 『高い手が決まらず、終始苦しい戦いでした。』

【予選5回戦】
122名の参加者から48名が5回戦へと進出となったが、通過ボーダーは+14.7Pと例年に比べ若干高くなっていた。さらに、5回戦終了時のポイント上位32名が6回戦に進出となるため、ぎりぎりで5回戦に進出できた選手にとってはここからは1つも落とせない非常に厳しい戦いとなる。

4回戦終了時の1位は九州本部の北島勇輝プロの+81.7P。次いで、東京本部の柴田吉和プロ、金子正明プロの78.1P。回を重ねるにつれて、上位陣のポイントも増えていくのが新人王戦であるが、5回戦終了時の上位は以下のとおりとなった。

1位:九州本部 金子正明プロ +94.0P
2位:東京本部 五反地清一郎プロ +88.2P
3位:東京本部 柴田吉一プロ +87.0P
4位:北関東支部 小谷美和子プロ +86.7P
5位:東京本部 大野彩乃プロ +80.0P

5回戦が終了した段階で、注目選手である本田朋広プロ、月江いくこプロが敗退となった。

【予選6回戦】
6回戦進出のボーダーは+28.1Pと、少しずつであるが選手にかかる重圧は大きくなってくる。
決勝戦に進めるのはポイント上位4名のため、6回戦付近から決勝を意識して選手は皆ポイントを叩こうと必死になるが、前のめりになり過ぎるとその分、大きな失点を招く可能性も高くなる。逸る気持ちを抑え、平常心で場況を判断し、打牌選択をしていくことがより重要となっていく。

開始から25分が経過した頃、現状5位の大野彩乃プロが東4局の親番5巡目に以下の牌姿。

三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒八筒  ドラ西

ピンフのみのテンパイをしている所、7巡目にドラの西をツモり、ドラ単騎でリーチ。

三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西

そこに新井駿一プロが、テンパイ打牌でドラの西を勝負。大野プロにとっては大きなアドバンテージとなる7,700点のアガリ。

また、別卓では現状4位の小谷美和子プロが南1局で29,400点持ちの2着目。同卓の福島佑一プロが42,200点持ちのトップ目・親番で9巡目にツモり四暗刻のリーチ!

四万四万四万四索四索三筒三筒三筒発発中中中  リーチ  ドラ五索

ドラ表示牌に四索が1枚あるため、アガリ牌は3枚となるが、ツモりアガることができれば16,000オールのアガリとなるため、早くも福島プロの決勝進出が濃厚となる。福島プロの模打に力が込められるが、三索,五索,七索,二索とツモるが一番欲しい四索だけがツモれない。最終的に、小谷プロも発トイツの七対子をテンパイしており、福島プロ、小谷プロの2人テンパイで流局となった。

6回戦が終わり、7回戦への通過ボーダーは+53.0P。5回戦まで順調にポイントを重ねていた手塚紗掬プロもここで敗退となってしまった。また、最後の静岡支部員である鷲見隼人プロもここで涙を飲む結果となった。

32名いた選手からさらに上位20名に絞られて7回戦が行われることとなった。

【予選7回戦(最終戦)】 ※敬称略
予選最終戦である7回戦は5卓20名で行われ、7回戦終了時の上位4名が決勝進出となる。
最終戦の順位、ポイント、卓組みは以下のとおりとなった。

[1卓] 五反地清一郎(①+104.8P)×土田小緒里(⑩+68.4P)×白銀紗希(⑪+67.3P)×金子正明(⑳+51.1P)
[2卓] 船木伸一(②+103.4P)×柴田吉和(⑨+72.5P)×新井駿一(⑫+66.6P)×山神達也(⑲+53.0P)
[3卓] 大野彩乃(③+89.4P)×上村政雄(⑧+72.9P)×福島佑一(⑬+65.7P)×青山秀佑(⑱+58.0P)
[4卓] 石田智成(④+88.7P)×宮崎皓之介(⑦+76.3P)×進栄二(⑭+65.2P)×樋口徹(⑰+60.6P)
[5卓] 小谷美和子(⑤+80.7P)×北島勇輝(⑥+76.6P)×佐々木啓文(⑮+63.8P)×高谷圭一(⑯+61.4P)

対局開始前、選手たちは同卓者にポイントを開示することで条件を確認するが、卓内トップであれば決勝戦に進めるわけではなく、大きなトップを取れば下の位置からでも十分な巻き返しが出来ることが分かる。

決勝に進めるのは僅か4名。泣いても笑っても最後の戦いが始まった。

開始早々、1卓では東1局に親番の金子が土田からホンイツ白ドラ1の11,600点のアガリ。

一索二索三索四索五索六索七索九索白白  ポン南南南  ドラ四索

続く東2局は土田がツモり四暗刻の1シャンテンとなるも、8巡目に金子からリーチ!
ここは五反地が冷静にタンヤオピンフツモの1,300オールのアガリで素点を稼ぎながら親番を維持。

四索五索六索六索七索八索二筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒  ツモ五筒

5卓では、北島からリーチがかかるも、親番である小谷が、

六万七万二索二索  ポン白白白  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ二索

この5,800は6,400を佐々木からアガリ、決勝進出への足掛かりとする。

~25分経過~
2卓では局が進むのが早く、既に南3局、柴田の親番となっていた。
船木27,500点、柴田28,000点、新井38,500点、山神26,000点。
最後の親番で柴田が以下の牌姿からタンヤオへ移行しての1,500点をアガリ、親番を死守。

四万四万五万五万六万二索二索三索五索五索五筒九筒九筒

~30分経過~
3卓では、南2局で親番の大野が41,200点、上村38,300点という状況。
上村が決勝進出するには大野を捲ってトップに立つか、大きな素点を叩いての2着が必要であるが、ここで大野が

五万五万六万六万七万七万九万九万五索五索四筒五筒五筒  ドラ五筒

この七対子ドラ2の9,600点は9,900点を福島からアガリ、5万点オーバーとなり決勝進出に王手をかける。

~40分経過~
1卓は南3局で五反地が39,800点の2着目。親番も無いため、あとは無理さえしなければ決勝はほぼ間違いない状況である。
2卓は南3局で柴田が親番で連荘を続け、持ち点は46,800点の1人浮きトップ状態となっていた。
大外からの決勝進出も十分にあり得る。
3卓は南3局で大野が53,800点。このまま行けば、決勝進出はほぼ間違いない。
4卓は南4局で親番の進が43,900点持ちで、渾身のダブルリーチをかける。

二万二万六万六万九万二筒二筒三筒三筒東東西西  ドラ八索

これをツモりアガれれば決勝進出も十分にあり得る状態であったが、無情にも流局となった。
ダブルリーチの宣言牌は五索 左向きであったが、五索単騎にしていれば5巡目にツモりアガっていた。きっと同じ場所に座っていたら、私も九万単騎待ちを選択していたであろうが、進の心境は複雑なものであっただろう・・・。

5卓は南3局で持ち点21,900点の小谷の親番。連荘さえすれば決勝が見える位置にいる小谷であるが、そうはさせないと北島からリーチが放たれる。
しかし、ここは歯を食いしばって攻め抜いた佐々木の勝利。

二万三万四万五万六万七万北北発発  ポン白白白(さらに白を加槓)

北島のリーチを掻い潜り、力強く北をツモり、ホンイツ白の1,600、3,200のアガリで持ち点は5万点オーバーに。

~残り5分~
残すは1卓のみで、オーラス親番の土田が2本場まで積んでいた。

金子40,400点、土田35,100点、五反地31,500点

南家の金子はツモがあと1回という所で、ハイテイツモを狙った渾身のリーチを打つ。

一万二万二万三万三万四万四万五万六万六索六索三筒四筒  ドラ三万

だが、ハイテイ牌は無情にも西で、全卓7回戦が終了することとなった。

~7回戦終了~
2卓の柴田が49,500点、5卓の佐々木が50,200点という大トップを取ることで大外からの決勝進出となった。また、7回戦開始時の首位であった五反地は、最終戦を30,500点持ちのプラスで終えることが出来たため、決勝進出のチケットを守った。7回戦開始時、3位であった大野は更にポイントを上乗せし、五反地を抜いて首位での予選通過となった。

7回戦が終わり、最終的に以下の結果となった。
1位通過: 大野彩乃 +126.6P
2位通過: 五反地清一郎 +106.3P
3位通過: 柴田吉和 +100.0P
4位通過: 佐々木啓文 +96.3P
5位: 石田智成 +92.8P

5位の石田は7回戦開始時は+88.7Pの4位にいて、最終戦も浮きの2着で終えることができたが、柴田、佐々木の猛烈な追い上げに抜かれる結果となってしまった。

長かった予選も終わり、122名の参加者から決勝進出は、大野彩乃、五反地清一郎、柴田吉和、佐々木啓文の4名で決まった。

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決勝は翌日の8月31日に行われ、予選のポイントはリセットされ、4回戦の戦いを残すだけとなった。
最終戦で大捲りを見せた柴田、佐々木が新人王を獲るのか。または大野が女流で3人目となる新人王を獲るのか。まだ若いながらも、予選では終始安定した戦いを見せていた五反地が獲るのか。

決勝4回戦については、後日掲載される決勝観戦記にてレポートさせて頂きたい。

新人王 レポート/第28期新人王戦 予選レポート 岡本 和也

2014年8月、今年も新人王戦の季節がやってきた。
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新人王戦の初日である8月30日、暦の上では8月であるが、夏の茹だるような暑さは薄れ、外気は秋の入りを感じさせるものであった。
前年度までは1dayで実施されていた新人王戦であったが、今期から初日に予選7回戦を実施し、翌日に決勝4回戦を実施することとなった。
また、前年度と大きく違う点は、決勝2回戦であったのが決勝4回戦に増えた点と、決勝戦は連盟チャンネルにて動画生配信される点である。参加選手は、「是が非でも決勝に残り、自分の対局をオンエアで流し、優勝したい。」そう思わずにはいられないだろう。
このように新人王戦の若干のシステム変更があったものの、今期の新人王戦の参加者は前年度6名減の122名での争いとなった。
参加者は東京本部61名、東北本部13名、中部本部10名、関西本部10名、九州本部14名、静岡支部4名、北陸支部1名、北関東支部5名、広島支部4名、この日のために全国各地から多くの連盟員が集結した。
参加人数も多いため、予選は2会場を使用して実施されることとなった。
改めて、今期の新人王戦のシステムについて紹介したい。
●参加資格は入会3年目までの連盟員のみである。
●ルールは一発裏ドラのない連盟Aルール(いわゆる競技ルール)である。
●初日に予選7回戦を行い、翌日に決勝4回戦を行う。
●予選は4回戦終了時の上位48名が5回戦に進出、5回戦終了時の上位32名が6回戦に進出、6回戦終了時の上位20名が7回戦に進出、7回戦終了時の上位4名が決勝戦に進出となる(ポイント持ち越し)。
●決勝戦は予選でのポイントはリセットされ、4回戦の合計ポイントがトップの者が優勝となる。
【予選】
対局開始である12時を向かえ、大会委員長である伊藤優孝副会長の挨拶、競技委員長の藤原隆弘プロからの説明・合図により、予選1回戦が開始となった。
まずは全卓を回り、参加選手の様子を見る。
前年度の新人王戦の決勝で共に戦った清水哲也プロ、三浦智博プロ。
清水プロ、三浦プロともに今期が最後のチャンスだけに頑張ってもらいたい。
第25期チャンピオンズリーグ優勝の森岡貞臣プロ、特別昇級リーグで準優勝し、C1リーグへとジャンプアップした本田朋広プロ、第31期D2リーグ前期で、1節で脅威の+170ポイントを叩き出し、D1リーグへ昇級となったケネス・徳田プロ。
また、同じ静岡支部である鷲見隼人プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ。
日頃、頻繁に接するだけあって、観戦記者をやりながらも彼らの活躍に期待したい。
続いて、コナミ「麻雀格闘倶楽部」で活躍中の女流プロを紹介したい。
小笠原奈央プロ
石田亜沙己プロ
井上絵美子プロ
鈴木彩夏プロ
月江いくこプロ
手塚紗掬プロ
東城りおプロ
小笠原奈央プロ、手塚紗掬プロは28期生であるため、今年が最後の新人王戦。今期の新人王戦にかける意気込みも一入であろう。
また、今年度の最強戦ガール東日本の菅原千瑛プロ。
菅原千瑛プロ
予選4回戦の開始直前、運営より5回戦への進出ボーダーが発表される。目安は10ポイント程度。
決勝に残るためには約100ポイントが目安とされているが、まずは5回戦に進まなければ決勝への道もそこで閉ざされてしまう。ポイントが足りない選手は予選を勝ち上がっていくためにはどうしても踏込みを深くせざるを得ないが、5回戦への進出ボーダーにポイントが足りている選手も手を緩めることができないのが新人王戦の予選である。
5回戦に進出できるのは122名のうち上位48名のみ。4回戦が終了した段階で、清水哲也プロ、三浦智博プロ、森岡貞臣プロ、ケネス徳田プロ、坪井哲也プロ、平野敬悟プロ、土屋幸弘プロ、小笠原奈央プロ、石田亜沙己プロ、井上絵美子プロ、鈴木彩夏プロ、東城りおプロ、菅原千瑛プロがここで敗退となった。
森岡貞臣プロ 『今日は完敗です。負けました。』
三浦智博プロ 『出来ることはやれたと思いますが、悔しいです。』
小笠原奈央プロ 『一生獲れない新人王というタイトルなので、本当に悔しいです。』
井上絵美子プロ 『高い手の材料が来たのにアガリに結び付かず、厳しかったです。』
菅原千瑛プロ 『高い手が決まらず、終始苦しい戦いでした。』
【予選5回戦】
122名の参加者から48名が5回戦へと進出となったが、通過ボーダーは+14.7Pと例年に比べ若干高くなっていた。さらに、5回戦終了時のポイント上位32名が6回戦に進出となるため、ぎりぎりで5回戦に進出できた選手にとってはここからは1つも落とせない非常に厳しい戦いとなる。
4回戦終了時の1位は九州本部の北島勇輝プロの+81.7P。次いで、東京本部の柴田吉和プロ、金子正明プロの78.1P。回を重ねるにつれて、上位陣のポイントも増えていくのが新人王戦であるが、5回戦終了時の上位は以下のとおりとなった。
1位:九州本部 金子正明プロ +94.0P
2位:東京本部 五反地清一郎プロ +88.2P
3位:東京本部 柴田吉一プロ +87.0P
4位:北関東支部 小谷美和子プロ +86.7P
5位:東京本部 大野彩乃プロ +80.0P
5回戦が終了した段階で、注目選手である本田朋広プロ、月江いくこプロが敗退となった。
【予選6回戦】
6回戦進出のボーダーは+28.1Pと、少しずつであるが選手にかかる重圧は大きくなってくる。
決勝戦に進めるのはポイント上位4名のため、6回戦付近から決勝を意識して選手は皆ポイントを叩こうと必死になるが、前のめりになり過ぎるとその分、大きな失点を招く可能性も高くなる。逸る気持ちを抑え、平常心で場況を判断し、打牌選択をしていくことがより重要となっていく。
開始から25分が経過した頃、現状5位の大野彩乃プロが東4局の親番5巡目に以下の牌姿。
三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒八筒  ドラ西
ピンフのみのテンパイをしている所、7巡目にドラの西をツモり、ドラ単騎でリーチ。
三万四万五万四索五索六索一筒二筒三筒六筒七筒八筒西
そこに新井駿一プロが、テンパイ打牌でドラの西を勝負。大野プロにとっては大きなアドバンテージとなる7,700点のアガリ。
また、別卓では現状4位の小谷美和子プロが南1局で29,400点持ちの2着目。同卓の福島佑一プロが42,200点持ちのトップ目・親番で9巡目にツモり四暗刻のリーチ!
四万四万四万四索四索三筒三筒三筒発発中中中  リーチ  ドラ五索
ドラ表示牌に四索が1枚あるため、アガリ牌は3枚となるが、ツモりアガることができれば16,000オールのアガリとなるため、早くも福島プロの決勝進出が濃厚となる。福島プロの模打に力が込められるが、三索,五索,七索,二索とツモるが一番欲しい四索だけがツモれない。最終的に、小谷プロも発トイツの七対子をテンパイしており、福島プロ、小谷プロの2人テンパイで流局となった。
6回戦が終わり、7回戦への通過ボーダーは+53.0P。5回戦まで順調にポイントを重ねていた手塚紗掬プロもここで敗退となってしまった。また、最後の静岡支部員である鷲見隼人プロもここで涙を飲む結果となった。
32名いた選手からさらに上位20名に絞られて7回戦が行われることとなった。
【予選7回戦(最終戦)】 ※敬称略
予選最終戦である7回戦は5卓20名で行われ、7回戦終了時の上位4名が決勝進出となる。
最終戦の順位、ポイント、卓組みは以下のとおりとなった。
[1卓] 五反地清一郎(①+104.8P)×土田小緒里(⑩+68.4P)×白銀紗希(⑪+67.3P)×金子正明(⑳+51.1P)
[2卓] 船木伸一(②+103.4P)×柴田吉和(⑨+72.5P)×新井駿一(⑫+66.6P)×山神達也(⑲+53.0P)
[3卓] 大野彩乃(③+89.4P)×上村政雄(⑧+72.9P)×福島佑一(⑬+65.7P)×青山秀佑(⑱+58.0P)
[4卓] 石田智成(④+88.7P)×宮崎皓之介(⑦+76.3P)×進栄二(⑭+65.2P)×樋口徹(⑰+60.6P)
[5卓] 小谷美和子(⑤+80.7P)×北島勇輝(⑥+76.6P)×佐々木啓文(⑮+63.8P)×高谷圭一(⑯+61.4P)
対局開始前、選手たちは同卓者にポイントを開示することで条件を確認するが、卓内トップであれば決勝戦に進めるわけではなく、大きなトップを取れば下の位置からでも十分な巻き返しが出来ることが分かる。
決勝に進めるのは僅か4名。泣いても笑っても最後の戦いが始まった。
開始早々、1卓では東1局に親番の金子が土田からホンイツ白ドラ1の11,600点のアガリ。
一索二索三索四索五索六索七索九索白白  ポン南南南  ドラ四索
続く東2局は土田がツモり四暗刻の1シャンテンとなるも、8巡目に金子からリーチ!
ここは五反地が冷静にタンヤオピンフツモの1,300オールのアガリで素点を稼ぎながら親番を維持。
四索五索六索六索七索八索二筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒  ツモ五筒
5卓では、北島からリーチがかかるも、親番である小谷が、
六万七万二索二索  ポン白白白  チー七筒 左向き六筒 上向き八筒 上向き  チー六索 左向き四索 上向き五索 上向き  ドラ二索
この5,800は6,400を佐々木からアガリ、決勝進出への足掛かりとする。
~25分経過~
2卓では局が進むのが早く、既に南3局、柴田の親番となっていた。
船木27,500点、柴田28,000点、新井38,500点、山神26,000点。
最後の親番で柴田が以下の牌姿からタンヤオへ移行しての1,500点をアガリ、親番を死守。
四万四万五万五万六万二索二索三索五索五索五筒九筒九筒
~30分経過~
3卓では、南2局で親番の大野が41,200点、上村38,300点という状況。
上村が決勝進出するには大野を捲ってトップに立つか、大きな素点を叩いての2着が必要であるが、ここで大野が
五万五万六万六万七万七万九万九万五索五索四筒五筒五筒  ドラ五筒
この七対子ドラ2の9,600点は9,900点を福島からアガリ、5万点オーバーとなり決勝進出に王手をかける。
~40分経過~
1卓は南3局で五反地が39,800点の2着目。親番も無いため、あとは無理さえしなければ決勝はほぼ間違いない状況である。
2卓は南3局で柴田が親番で連荘を続け、持ち点は46,800点の1人浮きトップ状態となっていた。
大外からの決勝進出も十分にあり得る。
3卓は南3局で大野が53,800点。このまま行けば、決勝進出はほぼ間違いない。
4卓は南4局で親番の進が43,900点持ちで、渾身のダブルリーチをかける。
二万二万六万六万九万二筒二筒三筒三筒東東西西  ドラ八索
これをツモりアガれれば決勝進出も十分にあり得る状態であったが、無情にも流局となった。
ダブルリーチの宣言牌は五索 左向きであったが、五索単騎にしていれば5巡目にツモりアガっていた。きっと同じ場所に座っていたら、私も九万単騎待ちを選択していたであろうが、進の心境は複雑なものであっただろう・・・。
5卓は南3局で持ち点21,900点の小谷の親番。連荘さえすれば決勝が見える位置にいる小谷であるが、そうはさせないと北島からリーチが放たれる。
しかし、ここは歯を食いしばって攻め抜いた佐々木の勝利。
二万三万四万五万六万七万北北発発  ポン白白白(さらに白を加槓)
北島のリーチを掻い潜り、力強く北をツモり、ホンイツ白の1,600、3,200のアガリで持ち点は5万点オーバーに。
~残り5分~
残すは1卓のみで、オーラス親番の土田が2本場まで積んでいた。
金子40,400点、土田35,100点、五反地31,500点
南家の金子はツモがあと1回という所で、ハイテイツモを狙った渾身のリーチを打つ。
一万二万二万三万三万四万四万五万六万六索六索三筒四筒  ドラ三万
だが、ハイテイ牌は無情にも西で、全卓7回戦が終了することとなった。
~7回戦終了~
2卓の柴田が49,500点、5卓の佐々木が50,200点という大トップを取ることで大外からの決勝進出となった。また、7回戦開始時の首位であった五反地は、最終戦を30,500点持ちのプラスで終えることが出来たため、決勝進出のチケットを守った。7回戦開始時、3位であった大野は更にポイントを上乗せし、五反地を抜いて首位での予選通過となった。
7回戦が終わり、最終的に以下の結果となった。
1位通過: 大野彩乃 +126.6P
2位通過: 五反地清一郎 +106.3P
3位通過: 柴田吉和 +100.0P
4位通過: 佐々木啓文 +96.3P
5位: 石田智成 +92.8P
5位の石田は7回戦開始時は+88.7Pの4位にいて、最終戦も浮きの2着で終えることができたが、柴田、佐々木の猛烈な追い上げに抜かれる結果となってしまった。
長かった予選も終わり、122名の参加者から決勝進出は、大野彩乃、五反地清一郎、柴田吉和、佐々木啓文の4名で決まった。
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決勝は翌日の8月31日に行われ、予選のポイントはリセットされ、4回戦の戦いを残すだけとなった。
最終戦で大捲りを見せた柴田、佐々木が新人王を獲るのか。または大野が女流で3人目となる新人王を獲るのか。まだ若いながらも、予選では終始安定した戦いを見せていた五反地が獲るのか。
決勝4回戦については、後日掲載される決勝観戦記にてレポートさせて頂きたい。

第93回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その1』 魚谷 侑未

【序章】

皆さんこんにちは。魚谷侑未です。
今回は牌効率について勉強して行きましょう。

[牌効率]という言葉は、皆さん馴染み深い言葉だと思いますが、その意味についてどう認識されていますか?
まずはお馴染みのWikipediaにて言葉の意味を調べてみましょう。

牌効率(はいこうりつ)とは、麻雀において、聴牌に至る確率・早さのことをいう。

Wikipediaでは、テンパイまでの効率を求めて行くことを牌効率と述べていますね。
一般的な認識もそれに近いと思います。

しかし、この講座では
【テンパイまでの速さとアガりまでの速さのバランスが最も良い選択をする事】
を、牌効率と述べていきます。

テンパイまでが速いだけでは駄目なんです。
何故テンパイまでの速さより、アガリまでの速さが重要かというと、麻雀で勝つために一番重要な事は「アガリによる加点」であるからです。テンパイ料だけで勝負を勝ち切る事は難しいでしょう。

しかし、テンパイまでが最速であるというのは、相手の攻撃を受けないための一番の武器であり最善手段ともなり得ます。先手が何故強いのかは、前回の記事でお話したのでそちらを参照して下さい。

今回の牌効率編では、基礎の部分は分かっていることを前提として、見落としやすい部分をピックアップしていこうと思います。

長い目で見ると、与えられた運の量は全員が等しいと私は思っています。
自分だけツイてないと嘆くのはやめましょう。
そりゃあ、1局、1半荘、1日、1週間単位で見たら、ツイてない日だってあるでしょう。
しかし、それはみんな同じ事です。逆に、ツキに助けられる日だってあるんです。

同じ状況下の中で、与えられた運を活かせるかどうかがその人の技量だと思います。
ツイていたとしても、それを活かす技術がなければチャンスは離れていくだけです。
そして、その技量が一番顕著に表れるのが牌効率です。
きちんと与えられた手牌を活かせるように勉強していきましょう!

 

【1章~素直に打とう~】

麻雀は素直に打つことが一番大切です。
そして、私は素直に打つことが一番の強さであると思い、日々麻雀に取り組んでいます。
しかし、この「素直に打つ」というのは簡単なようでいて、実はとても難しい事なんです。
実践でこれをきちんと活かし切ることはなかなか出来ません。
しかし、素直に打つことを心がけて打てば、良い方向に進んでいけると思います。

さて、ここまで散々「素直に打つ」と連呼してきましたが、「素直って何?」と思いませんか?
私の言う素直に打つというのは、「自分の手牌の事だけを考えて打つ」「自分の手牌に正直であること」という意味です。

① 変に迷彩を作って相手からの出アガリを期待したりしない。
待ちなんてバレバレでいいんです。

一万二万三万一索二索三索五索五索六索二筒三筒八筒八筒西

ここから五索を先切りしたりせず、リーチ宣言牌で自信を持って五索を切りましょう。
待ちになっている可能性が高いと読まれていても、他家も勝負の時はその牌を切ってきます。
五索八筒引きのテンパイを逃すのは、あまりにも痛すぎますよね。

また、分かりづらい待ちになっていても、ベタオリされたら出ません。
ぶっちゃけた話、出アガリを考える前にツモってしまえばいいんです。
出アガリを期待せずに、ツモアガリを自分の麻雀のベースにしていけば、素直に打つ事に一歩近づくはずです。

② 当たり前の手順で当たり前の手を作っていく事。
当たり前の手順、踏めてますか?
私は麻雀において物凄く重要であると感じているのが「普通の積み重ね」です。
人を驚かせるような奇手のアガリが10回に1回あることよりも、誰でも出来ることを間違わずに10回中10回出来る事が麻雀の本質の部分の強さであると考えます。
でもね、これって意外と難しいです。
麻雀中のミスというのは高頻度で発生しますし、自分自身のミスに気付けない事も多々あると思います。
そして、この自分自身のミスに気づかない事が、なかなか厄介なんです。

ではその、自分自身のミスに気付けるようになるためのお勧めの勉強方法は、
① プロの対局を観戦して、自分と違う部分を書き出して検証してみる(出来ればテレビ対局やニコ生などで解説があるものが望ましいです)
② ロン2で自分の牌譜を見直す(自分より雀力の高い人に一緒に検証してもらうと更に良いです)
これを繰り返す事によって、何が正しくて何が間違っているかの認識がついてくると思います。
これは雀力アップに直結する大切な事です。

素直に打つとは。
即ち、普通の事を当たり前に選択し続ける事。
口にすると凄く簡単そうですが、やり続けるのはかなり難しいです。
しかし、これを実践出来るようになった時には、あなたのレベルは飛躍的に上がっていることでしょう。

 

【2章~目一杯に構えよう~】

放銃が怖くて、安全牌を1枚持って打っていたりしませんか?
もちろん、状況や局面に応じて安全牌を持って打つ事もあります。

しかし、
[勝負手の時は安全牌を持たず、自分の都合で手牌をブクブクにしましょう]

1章の①の内容と少し被りますが、更に掘り下げて書いて行きます。
放銃って嫌ですよね。私も嫌です。
でも、アガリ逃しはもっと嫌です。

アガれる手(アガリたい手)の時には、放銃を恐れずに自分の都合で麻雀を打ちましょう。
オリる事なんて、他から先制をされた時に考えればいいんです。
「ブクブクにしてたらオリられないじゃんー!」
と思うかもしれませんが、意外にブクブクにしていてもオリ切る事って出来るものですよ。
それに、アガリに向かうべき局面では、オリる事はまずは考えずにに戦って欲しいです。

東1局南家6巡目

六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒四筒九筒九筒九筒西ドラ九筒

両面2つ残りの1シャンテンなので、4種15牌の受入枚数があります。

この手はドラの九筒が暗刻の勝負手です。ここに場に3枚切れの安全牌の西を持ってきました。
四筒を切って両面2つ残りの1シャンテンにしてしまいがちですが、この手は西を切って目一杯に構えましょう。

二筒五筒を引くと、更に良い1シャンテンの形が出来るということを想定しておくと、この四筒は必要不可欠な牌になります。

この形のままの1シャンテン、両面2つ残りの1シャンテンからテンパイまでの平均巡目が、何巡かかるか知っていますか?
なんと、平均で8巡かかるという計算が出ています。

8巡も待っていたら、他家にアガリのチャンスを与えてしまいます。
この手をアガリ切るためにも、少しでも早くテンパイを組みたいですよね。
そのためにはどうすればいいのか考えましょう。

ピンズの三筒三筒四筒の部分で1面子出来る事によって

六万七万一索二索三索四索五索二筒三筒四筒九筒九筒九筒

10種33牌の受入枚数になりました。
最初の両面2つ残りの1シャンテンの時より、受入枚数が2倍になったということは、それだけテンパイする可能性が高くなったということですね。

麻雀で勝ち組になるためには、この1シャンテンから更に良い1シャンテンへの変化に敏感になりましょう。
更に良い1シャンテンへの変化がある時は、両面2つ残りの1シャンテンで十分形と考えないようにしましょう!

[アガれる手をきちんとアガること]
そのためには、どうすればアガリに一番近付けるのか考えながら打つ事。
これがとても重要になってくるのです。
手牌をブクブクにするのは怖い事でもありますが、攻撃すべき手牌では、目一杯に構えて最速のアガリを目指しましょう。

 

【3章~リャンカンの選択~】

リャンカンの選択で迷った事はありませんか?
どっちでもいいやーと、適当に選択していませんか?
リャンカンの選択にも答えがあります。
その答えをきちんと考えて、導き出せるように学んでいきましょう♪

まずは、テンパイしている時のリャンカンの選択の基本をいくつか挙げていきます。

① 手役が絡む場合。

二万四万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒ドラ九索

はい、迷うことのないケースですね。
六万を切ってリーチでも良し。ヤミテンでも良し。
状況判断にお任せします。

② 状況判断がしにくいケース。

一万三万五万七万八万九万九万九万三筒四筒五筒五筒六筒七筒ドラ七筒

二万四万も場には1枚も見えていません。マンズの状況は良いとも悪いとも言えません。
こんな時は、思い切って五万を切ってリーチをしてみましょう。

リーチ宣言牌の筋牌は危険牌と認識され、そんなに簡単に出アガリ出来る牌とは言えませんが、それでも無筋よりは出てきやすい牌だと思っていいです。
そして、端に近い牌は他家にとって使いにくい牌になっている事も多く、3~7にかけての筋牌よりもアガリ易いです。

③ リーチを打ちたくないケース。

一万三万五万六万七万八万七索八索九索七筒八筒九筒九筒九筒ドラ白

リーチを打っても打点が安く、手替わると打点向上も見込めます。
形にまだ伸びを見たい時は、打一として手牌変化を見ましょう。
待ちを決めたい場合は、引っかけになる牌を切る、伸びを見たい時は、外側の牌を切って形の変化を待つというのがリャンカンの選択の基本になりますね。

続きまして、1シャンテンからのリャンカンの選択についてです。

① アガリ易い待ちを作る時。
1章で言った事と少し矛盾しているように感じられてしまうかもしれませんが、素直に打って出アガリし易い待ちに受ける事が出来るなら受けた方がいいと思います。
後々、待ちになる可能性のある部分に、布石を作っておくことは悪いことではありません。

一万三万五万七万八万九万三索四索五索六索六索八索中中ドラ八索

六索八索を切るという選択肢もありますが、少しアガリの早さや打点力は落ちます。
こんな時に五万を切ってみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌はかなりケアされますが、それ以前に切られている筋牌は他家から見ると盲点になりがちです。つまり、出アガリがし易くなります。
もちろん、メンゼンテンパイをした場合は、即リーチを打ちましょう。

ただ、既に二万が1枚でも場に切れている場合は、もう1枚打たれた瞬間に、カン二万待ちが厳しい待ちになってしまいますので、その場合は、ゆとりを持って打一万の良形変化待ちでもいいと思います。

② 先々の伸びや変化を見たい時。

一万三万五万六万七万八万三索四索五索六索六索八索中中ドラ九万

この牌姿では一万を切ることをお勧めします。
① のケースと何が違うの?と思いますよね。

まずは、この手にはドラがないということ。
テンパイしたところで1,300点の愚形ではリーチが打ちにくいですよね。
五万を切ってしまうと、形がカンチャンの二万に固定されてしまいますが、一万を打つ事によってマンズの横の伸びが期待出来ます。

例えば、この形から六索を引いたとしても、焦らずにヤミテンに構えるのが基本になります。
メンゼンでのマンズの良形変化や、中を引いたりシャンポン待ちになってからのリーチ選択や、場合によっては中をポンして役ありに受けたりも出来ますね。

麻雀の基本はリーチだと思っていますが、その時の状況に応じて焦らずじっくり構えることも大切になってきます。

以上、リャンカンの選択の基本を書きました。
上記した事は、あくまで基本であるというだけなので、少しずつ応用してみてくださいね。

はい、今回は3つのポイントに絞ってお話していきました。
牌効率については、話したいことが多すぎて今回の講座だけでは足りませんでした。
残りの中級講座を全て使ってもお伝えし切れるかわかりませんが、次回も牌効率の章をお届けしたいと思います。

それでは、また次回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その2』でお会いしましょう。

中級/第93回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その1』 魚谷 侑未

【序章】
皆さんこんにちは。魚谷侑未です。
今回は牌効率について勉強して行きましょう。
[牌効率]という言葉は、皆さん馴染み深い言葉だと思いますが、その意味についてどう認識されていますか?
まずはお馴染みのWikipediaにて言葉の意味を調べてみましょう。

牌効率(はいこうりつ)とは、麻雀において、聴牌に至る確率・早さのことをいう。

Wikipediaでは、テンパイまでの効率を求めて行くことを牌効率と述べていますね。
一般的な認識もそれに近いと思います。
しかし、この講座では
【テンパイまでの速さとアガりまでの速さのバランスが最も良い選択をする事】
を、牌効率と述べていきます。
テンパイまでが速いだけでは駄目なんです。
何故テンパイまでの速さより、アガリまでの速さが重要かというと、麻雀で勝つために一番重要な事は「アガリによる加点」であるからです。テンパイ料だけで勝負を勝ち切る事は難しいでしょう。
しかし、テンパイまでが最速であるというのは、相手の攻撃を受けないための一番の武器であり最善手段ともなり得ます。先手が何故強いのかは、前回の記事でお話したのでそちらを参照して下さい。
今回の牌効率編では、基礎の部分は分かっていることを前提として、見落としやすい部分をピックアップしていこうと思います。
長い目で見ると、与えられた運の量は全員が等しいと私は思っています。
自分だけツイてないと嘆くのはやめましょう。
そりゃあ、1局、1半荘、1日、1週間単位で見たら、ツイてない日だってあるでしょう。
しかし、それはみんな同じ事です。逆に、ツキに助けられる日だってあるんです。
同じ状況下の中で、与えられた運を活かせるかどうかがその人の技量だと思います。
ツイていたとしても、それを活かす技術がなければチャンスは離れていくだけです。
そして、その技量が一番顕著に表れるのが牌効率です。
きちんと与えられた手牌を活かせるように勉強していきましょう!
 
【1章~素直に打とう~】
麻雀は素直に打つことが一番大切です。
そして、私は素直に打つことが一番の強さであると思い、日々麻雀に取り組んでいます。
しかし、この「素直に打つ」というのは簡単なようでいて、実はとても難しい事なんです。
実践でこれをきちんと活かし切ることはなかなか出来ません。
しかし、素直に打つことを心がけて打てば、良い方向に進んでいけると思います。
さて、ここまで散々「素直に打つ」と連呼してきましたが、「素直って何?」と思いませんか?
私の言う素直に打つというのは、「自分の手牌の事だけを考えて打つ」「自分の手牌に正直であること」という意味です。
① 変に迷彩を作って相手からの出アガリを期待したりしない。
待ちなんてバレバレでいいんです。
一万二万三万一索二索三索五索五索六索二筒三筒八筒八筒西
ここから五索を先切りしたりせず、リーチ宣言牌で自信を持って五索を切りましょう。
待ちになっている可能性が高いと読まれていても、他家も勝負の時はその牌を切ってきます。
五索八筒引きのテンパイを逃すのは、あまりにも痛すぎますよね。
また、分かりづらい待ちになっていても、ベタオリされたら出ません。
ぶっちゃけた話、出アガリを考える前にツモってしまえばいいんです。
出アガリを期待せずに、ツモアガリを自分の麻雀のベースにしていけば、素直に打つ事に一歩近づくはずです。
② 当たり前の手順で当たり前の手を作っていく事。
当たり前の手順、踏めてますか?
私は麻雀において物凄く重要であると感じているのが「普通の積み重ね」です。
人を驚かせるような奇手のアガリが10回に1回あることよりも、誰でも出来ることを間違わずに10回中10回出来る事が麻雀の本質の部分の強さであると考えます。
でもね、これって意外と難しいです。
麻雀中のミスというのは高頻度で発生しますし、自分自身のミスに気付けない事も多々あると思います。
そして、この自分自身のミスに気づかない事が、なかなか厄介なんです。
ではその、自分自身のミスに気付けるようになるためのお勧めの勉強方法は、
① プロの対局を観戦して、自分と違う部分を書き出して検証してみる(出来ればテレビ対局やニコ生などで解説があるものが望ましいです)
② ロン2で自分の牌譜を見直す(自分より雀力の高い人に一緒に検証してもらうと更に良いです)
これを繰り返す事によって、何が正しくて何が間違っているかの認識がついてくると思います。
これは雀力アップに直結する大切な事です。
素直に打つとは。
即ち、普通の事を当たり前に選択し続ける事。
口にすると凄く簡単そうですが、やり続けるのはかなり難しいです。
しかし、これを実践出来るようになった時には、あなたのレベルは飛躍的に上がっていることでしょう。
 
【2章~目一杯に構えよう~】
放銃が怖くて、安全牌を1枚持って打っていたりしませんか?
もちろん、状況や局面に応じて安全牌を持って打つ事もあります。
しかし、
[勝負手の時は安全牌を持たず、自分の都合で手牌をブクブクにしましょう]
1章の①の内容と少し被りますが、更に掘り下げて書いて行きます。
放銃って嫌ですよね。私も嫌です。
でも、アガリ逃しはもっと嫌です。
アガれる手(アガリたい手)の時には、放銃を恐れずに自分の都合で麻雀を打ちましょう。
オリる事なんて、他から先制をされた時に考えればいいんです。
「ブクブクにしてたらオリられないじゃんー!」
と思うかもしれませんが、意外にブクブクにしていてもオリ切る事って出来るものですよ。
それに、アガリに向かうべき局面では、オリる事はまずは考えずにに戦って欲しいです。
東1局南家6巡目
六万七万一索二索三索四索五索三筒三筒四筒九筒九筒九筒西ドラ九筒
両面2つ残りの1シャンテンなので、4種15牌の受入枚数があります。
この手はドラの九筒が暗刻の勝負手です。ここに場に3枚切れの安全牌の西を持ってきました。
四筒を切って両面2つ残りの1シャンテンにしてしまいがちですが、この手は西を切って目一杯に構えましょう。
二筒五筒を引くと、更に良い1シャンテンの形が出来るということを想定しておくと、この四筒は必要不可欠な牌になります。
この形のままの1シャンテン、両面2つ残りの1シャンテンからテンパイまでの平均巡目が、何巡かかるか知っていますか?
なんと、平均で8巡かかるという計算が出ています。
8巡も待っていたら、他家にアガリのチャンスを与えてしまいます。
この手をアガリ切るためにも、少しでも早くテンパイを組みたいですよね。
そのためにはどうすればいいのか考えましょう。
ピンズの三筒三筒四筒の部分で1面子出来る事によって
六万七万一索二索三索四索五索二筒三筒四筒九筒九筒九筒
10種33牌の受入枚数になりました。
最初の両面2つ残りの1シャンテンの時より、受入枚数が2倍になったということは、それだけテンパイする可能性が高くなったということですね。
麻雀で勝ち組になるためには、この1シャンテンから更に良い1シャンテンへの変化に敏感になりましょう。
更に良い1シャンテンへの変化がある時は、両面2つ残りの1シャンテンで十分形と考えないようにしましょう!
[アガれる手をきちんとアガること]
そのためには、どうすればアガリに一番近付けるのか考えながら打つ事。
これがとても重要になってくるのです。
手牌をブクブクにするのは怖い事でもありますが、攻撃すべき手牌では、目一杯に構えて最速のアガリを目指しましょう。
 
【3章~リャンカンの選択~】
リャンカンの選択で迷った事はありませんか?
どっちでもいいやーと、適当に選択していませんか?
リャンカンの選択にも答えがあります。
その答えをきちんと考えて、導き出せるように学んでいきましょう♪
まずは、テンパイしている時のリャンカンの選択の基本をいくつか挙げていきます。
① 手役が絡む場合。
二万四万六万二索三索四索七索八索九索二筒三筒四筒九筒九筒ドラ九索
はい、迷うことのないケースですね。
六万を切ってリーチでも良し。ヤミテンでも良し。
状況判断にお任せします。
② 状況判断がしにくいケース。
一万三万五万七万八万九万九万九万三筒四筒五筒五筒六筒七筒ドラ七筒
二万四万も場には1枚も見えていません。マンズの状況は良いとも悪いとも言えません。
こんな時は、思い切って五万を切ってリーチをしてみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌は危険牌と認識され、そんなに簡単に出アガリ出来る牌とは言えませんが、それでも無筋よりは出てきやすい牌だと思っていいです。
そして、端に近い牌は他家にとって使いにくい牌になっている事も多く、3~7にかけての筋牌よりもアガリ易いです。
③ リーチを打ちたくないケース。
一万三万五万六万七万八万七索八索九索七筒八筒九筒九筒九筒ドラ白
リーチを打っても打点が安く、手替わると打点向上も見込めます。
形にまだ伸びを見たい時は、打一として手牌変化を見ましょう。
待ちを決めたい場合は、引っかけになる牌を切る、伸びを見たい時は、外側の牌を切って形の変化を待つというのがリャンカンの選択の基本になりますね。
続きまして、1シャンテンからのリャンカンの選択についてです。
① アガリ易い待ちを作る時。
1章で言った事と少し矛盾しているように感じられてしまうかもしれませんが、素直に打って出アガリし易い待ちに受ける事が出来るなら受けた方がいいと思います。
後々、待ちになる可能性のある部分に、布石を作っておくことは悪いことではありません。
一万三万五万七万八万九万三索四索五索六索六索八索中中ドラ八索
六索八索を切るという選択肢もありますが、少しアガリの早さや打点力は落ちます。
こんな時に五万を切ってみましょう。
リーチ宣言牌の筋牌はかなりケアされますが、それ以前に切られている筋牌は他家から見ると盲点になりがちです。つまり、出アガリがし易くなります。
もちろん、メンゼンテンパイをした場合は、即リーチを打ちましょう。
ただ、既に二万が1枚でも場に切れている場合は、もう1枚打たれた瞬間に、カン二万待ちが厳しい待ちになってしまいますので、その場合は、ゆとりを持って打一万の良形変化待ちでもいいと思います。
② 先々の伸びや変化を見たい時。
一万三万五万六万七万八万三索四索五索六索六索八索中中ドラ九万
この牌姿では一万を切ることをお勧めします。
① のケースと何が違うの?と思いますよね。
まずは、この手にはドラがないということ。
テンパイしたところで1,300点の愚形ではリーチが打ちにくいですよね。
五万を切ってしまうと、形がカンチャンの二万に固定されてしまいますが、一万を打つ事によってマンズの横の伸びが期待出来ます。
例えば、この形から六索を引いたとしても、焦らずにヤミテンに構えるのが基本になります。
メンゼンでのマンズの良形変化や、中を引いたりシャンポン待ちになってからのリーチ選択や、場合によっては中をポンして役ありに受けたりも出来ますね。
麻雀の基本はリーチだと思っていますが、その時の状況に応じて焦らずじっくり構えることも大切になってきます。
以上、リャンカンの選択の基本を書きました。
上記した事は、あくまで基本であるというだけなので、少しずつ応用してみてくださいね。
はい、今回は3つのポイントに絞ってお話していきました。
牌効率については、話したいことが多すぎて今回の講座だけでは足りませんでした。
残りの中級講座を全て使ってもお伝えし切れるかわかりませんが、次回も牌効率の章をお届けしたいと思います。
それでは、また次回『勝てる!リーチ麻雀講座③牌効率編その2』でお会いしましょう。

第9期女流桜花第4節レポート 立花 つくし

去る8月27日、第9期女流桜花、第4節が開催されました。
今期の女流桜花Aリーグは、全節、連盟チャンネルで生放送されていますので皆様ぜひご覧下さい。

4節目、私の対戦相手は、二階堂瑠美プロ、斎藤理絵プロ、魚谷侑未プロでした。
プロになってから3年目で、Cリーグ、BリーグとストレートにAリーグまで昇級することができました。
Aリーグ初めての第1節は、▲28.4Pとマイナスを叩いてしまい、今までの打ち方では太刀打ちできないと痛感しました。

私は面前で攻撃的に攻める雀風なのですが、愚形や安い手でリーチを打つことも多々あります。
1節目では、私の親番のリーチに、相手3人は簡単にはオリてくれず、リーチもかわされてしまい、このままではだめだ、自分の麻雀を変えようと思う、いいきっかけになり、2節目、3節目と変えた結果、トータル+77.4Pまでポイントを増やすことができました。

今までと違ってすぐにリーチを打たず、最終形を意識して、これはリーチなのかヤミテンなのか、しっかり考えて打つように心がけていました。

かなり腰が重い麻雀だったのですが、かわせる手は鳴く様にしたり、少しずつ自分の麻雀を見直していますが、まだまだ未熟な部分が多く勉強中です。

今回、初めて自戦記を書かせていただくことになったのですが、自分の中での反省点を見直そうとおもいます!

まずは、1回戦東4局3本場 西家

九万九万九万五索六索一筒二筒三筒三筒四筒五筒八筒九筒  ツモ九筒  ドラ南

先制で魚谷プロからリーチを受けて、ここで八筒切りリーチにしたのですが、結果は、次巡六万を持ってきて魚谷プロに7,700は8,600点の放銃。

結果だけを見て言うわけではないですが、役なしテンパイで、リーチをかけることはリスクが高かったと反省しています。

他の2人が来てるわけでもなかったので、ここはヤミテンで様子見して、危険牌を引いたらオリてもよかったと思いました。その前の局でもずっと手が入らず落ちていたので、ここは我慢の局面でした。

そして4回戦東2局0本場 

一万二万四万四万四万一索二索一筒二筒三筒五筒五筒五筒東  ドラ八万

ここから東を打ち、親の斎藤プロにダブ東を鳴かれ、その後あせりから三索をチー打四万
123の三色のみのテンパイをとりました。

ドラは1枚も見えてない状態で、親にもダブ東を鳴かれてる状態。
そこでこのテンパイをずっと維持して、結果的に、親にダブ東ドラ1の5,800の放銃となりました。

安い手で押すというのが、私の悪いクセであり弱点だと思い知りました。
あそこで東を切らず、五筒を先に打ってもよかったな、と思いました。

結果、この日は4着、3着、1着、2着で▲13.2Pでした。

自分の中で反省点はかなり多く、やはり打牌ミスや全体的に局面が見えていないなと見返して思いました。
第4節が終わって、私のポイントは+64.2Pで順位は5位となりました。
残る2節は、プレーオフに残ることを目標に頑張りたいです。

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第9期女流桜花第4節レポート 立花 つくし

去る8月27日、第9期女流桜花、第4節が開催されました。
今期の女流桜花Aリーグは、全節、連盟チャンネルで生放送されていますので皆様ぜひご覧下さい。
4節目、私の対戦相手は、二階堂瑠美プロ、斎藤理絵プロ、魚谷侑未プロでした。
プロになってから3年目で、Cリーグ、BリーグとストレートにAリーグまで昇級することができました。
Aリーグ初めての第1節は、▲28.4Pとマイナスを叩いてしまい、今までの打ち方では太刀打ちできないと痛感しました。
私は面前で攻撃的に攻める雀風なのですが、愚形や安い手でリーチを打つことも多々あります。
1節目では、私の親番のリーチに、相手3人は簡単にはオリてくれず、リーチもかわされてしまい、このままではだめだ、自分の麻雀を変えようと思う、いいきっかけになり、2節目、3節目と変えた結果、トータル+77.4Pまでポイントを増やすことができました。
今までと違ってすぐにリーチを打たず、最終形を意識して、これはリーチなのかヤミテンなのか、しっかり考えて打つように心がけていました。
かなり腰が重い麻雀だったのですが、かわせる手は鳴く様にしたり、少しずつ自分の麻雀を見直していますが、まだまだ未熟な部分が多く勉強中です。
今回、初めて自戦記を書かせていただくことになったのですが、自分の中での反省点を見直そうとおもいます!
まずは、1回戦東4局3本場 西家
九万九万九万五索六索一筒二筒三筒三筒四筒五筒八筒九筒  ツモ九筒  ドラ南
先制で魚谷プロからリーチを受けて、ここで八筒切りリーチにしたのですが、結果は、次巡六万を持ってきて魚谷プロに7,700は8,600点の放銃。
結果だけを見て言うわけではないですが、役なしテンパイで、リーチをかけることはリスクが高かったと反省しています。
他の2人が来てるわけでもなかったので、ここはヤミテンで様子見して、危険牌を引いたらオリてもよかったと思いました。その前の局でもずっと手が入らず落ちていたので、ここは我慢の局面でした。
そして4回戦東2局0本場 
一万二万四万四万四万一索二索一筒二筒三筒五筒五筒五筒東  ドラ八万
ここから東を打ち、親の斎藤プロにダブ東を鳴かれ、その後あせりから三索をチー打四万
123の三色のみのテンパイをとりました。
ドラは1枚も見えてない状態で、親にもダブ東を鳴かれてる状態。
そこでこのテンパイをずっと維持して、結果的に、親にダブ東ドラ1の5,800の放銃となりました。
安い手で押すというのが、私の悪いクセであり弱点だと思い知りました。
あそこで東を切らず、五筒を先に打ってもよかったな、と思いました。
結果、この日は4着、3着、1着、2着で▲13.2Pでした。
自分の中で反省点はかなり多く、やはり打牌ミスや全体的に局面が見えていないなと見返して思いました。
第4節が終わって、私のポイントは+64.2Pで順位は5位となりました。
残る2節は、プレーオフに残ることを目標に頑張りたいです。

第13期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第5節レポート

Aリーグレポート:辻本翔哉

夏本番。早くも折り返しの5節目です。
A1卓:花岡、貫上、勝間、上村
A2卓:藤川、米川、佐々木、辻本
A3卓:仁科、横山、堀、中川

A1卓の上村の打ち筋を注目しました。
4回戦、東2局2本場、上村は北家で28,300持ち。
途中からの観戦でしたが、親が6巡目にリーチ。
上村の手は

三万七万八万九万八索九索二筒二筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ一万

この三色1シャンテン。
その後のツモは、3巡ほど字牌や筋の牌などツモ切りでやり過ごす。
親のリーチから4巡後、七筒をツモって三色のテンパイ。
リーチをしてツモなら2,000・3,900だが、上村は安全牌の八索を切る。

その後、1枚あふれていた三万はリーチをした親がツモ切る。
結局横移動で終わり、前に進んでいても場に七索は切られなかったが、私なら引きずってしまうような局。
終了後、上村にその時の心情を聞き出した。

すると、上村はそこまで引きずっていなかった。
しかし、3回戦までの状態が良くなく心が弱くなっていたと語った。

麻雀はその時の心情や状態で、強く前に出たり後ろ向きになったりする。
常にベストのメンタルで戦う事が重要であるかと思いました。

A2卓、米川はメリハリがすごい。親のリーチに持っているのがおかしい程の安全牌の連打で完全なオリを見せたと思えば、また違う局はいきなり無筋などをバシバシ切り出したりする。

私は配牌の時点である程度は方針を決めるが、米川は配牌をもらった時点でかなりの最終形を考えた打ち筋のようだ。
どちらが良いかは、本人の考え方しだいだが、自分のスタイルを確立している雀士は強くなっていくと思います。

A3卓は、あまり観戦が出来なかったので結果を報告したいと思います。
横山+48.1P、堀+24.3P、仁科▲28.0P、中川▲44.4Pとなった。
これで豪腕の横山がトータルトップになった。
後半戦は横山を中心に決定戦に向けリーグ戦がますます熱くなりそうだ。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 横山  毅 50.3 31.2 40.9 ▲ 18.4 48.1 152.1
2 米川 基紀 27.9 26.7 60.0 ▲ 2.3 3.1 115.4
3 藤川 議次 62.9 4.0 18.9 44.2 ▲ 41.5 88.5
4 辻本 翔哉 30.1 ▲ 6.8 13.2 ▲ 6.9 56.4 86.0
5 堀  昭義 ▲ 75.7 39.9 ▲ 19.7 3.4 24.3 ▲ 27.8
6 上村 宜久 53.1 ▲ 34.5 42.2 ▲ 24.5 ▲ 65.0 ▲ 28.7
7 中川 由佳梨 ▲ 13.4 38.0 ▲ 7.9 ▲ 24.5 ▲ 44.4 ▲ 52.2
8 花岡 章生 43.0 ▲ 26.4 ▲ 82.5 12.9 ▲ 0.8 ▲ 53.8
9 勝間 伸生 ▲ 37.5 ▲ 56.3 ▲ 13.9 10.5 35.2 ▲ 62.0
10 貫上 洋志 ▲ 44.6 ▲ 15.6 ▲ 6.6 ▲ 31.3 29.6 ▲ 68.5
11 仁科健一郎 ▲ 79.2 ▲ 1.6 ▲ 4.4 34.8 ▲ 28.0 ▲ 78.4
12 佐々木 亮 ▲ 16.9 1.4 ▲ 40.2 ▲ 18.9 ▲ 18.0 ▲ 92.6

 

 

Bリーグレポート:宮田豊夢
(Bリーグ1卓 原田、山中、掛樋、森下)

リーグ戦もちょうど今日で折り返し地点、1回戦から非常に激しい展開となる。
東2局、親の山中がピンズ模様の仕掛け、対する南家の掛樋は索子模様の仕掛け。
そこに、西家の森下が

一万一万二万三万三万九万九万一索二索三索一筒二筒三筒

このテンパイ。
残り2枚しかない二万、テンパイ形こそ厳しいが、仕掛け2者の色が別のために、完全に盲点になっている絶好の待ちである。
それをテンパイ直後にピンズ仕掛けの親の山中が掴み、12,000の放銃。
森下としては手役をしっかり作った良いアガリ、放銃した山中は非常に厳しい立ち上がりになった。

局も進み、現在リーグトップの原田がじわじわ点数を重ねて森下に迫る勢い、森下としては原田を突き放しておきたいところ。
ここで森下に絶好の聴牌が入った。
南3局、親・掛樋

二万三万七万七万二索三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七万

四万でのアガリだと再び12,000、しかし一万だと3,900にしかならない。
リーチかヤミテンか悩ましいところだが、森下は現在トップ目のためヤミテンを選択。
これが、功を奏して山中から四万がこぼれて12,000を出アガった。

この後も、森下は緩急の効いた麻雀で破竹の4連勝という素晴らしい折り返しを魅せた。
とは言え、ようやくプラスに転じたところである。これからの戦いに注目したいと思います。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 原田 保正 66.3 ▲ 8.7 39.5 17.1 48.9 163.1
2 筒井 宏晶 19.7 55.9 27.5 3.0 ▲ 6.8 99.3
3 山本 善嗣 12.0 ▲ 67.5 44.8 2.4 92.5 84.2
4 西原 佳隆 83.2 ▲ 15.1 ▲ 12.4 ▲ 8.7 ▲ 12.1 34.9
5 近野理智男 15.4 10.7 18.6 10.0 ▲ 40.5 14.2
6 森下 恭好 0.8 ▲ 24.9 ▲ 33.2 ▲ 20.4 87.5 9.8
7 坂本 誠裕 22.5 18.1 2.4 23.5 ▲ 58.8 7.7
8 中野 孝治 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9
9 宮田 豊夢 ▲ 18.4 7.2 43.5 13.4 ▲ 44.0 1.7
10 中川  保 ▲ 43.0 46.0 19.6 ▲ 16.1 ▲ 23.2 ▲ 16.7
11 玉木 章司 14.5 ▲ 4.0 ▲ 63.5 1.3 17.2 ▲ 34.5
12 掛樋 忠雄 ▲ 4.5 ▲ 32.0 6.3 10.6 ▲ 15.6 ▲ 35.2
13 吉田 哲史 ▲ 98.2 27.7 ▲ 17.7 2.5 47.7 ▲ 38.0
14 山中  翼 ▲ 9.4 4.0 ▲ 0.2 2.4 ▲ 76.8 ▲ 80.0
15 稲森 英子 ▲ 66.9 ▲ 20.9 ▲ 18.2 ▲ 21.3 ▲ 8.3 ▲ 135.6
16 延原 明美 1.1 ▲ 17.5 ▲ 57.0 ▲ 40.7 ▲ 27.7 ▲ 141.8

 

 

C1リーグレポート:秋山淑子

こんにちは、ついに最終節を迎えました。
C1は昇級も降級もあるクラスなので、いやがおうにも緊張感が高まります。
ここで昇級争いの得点差を今一度確認しておきます。
昇級は2名
1位 中安 138.3P
2位 上村 131.5P
3位 山室 127.1P
4位 川崎 58.8P

1卓は中安、山室、川上、西村。2卓は上村、川崎、三好、赤木。
3位の山室が逆転するのか、中安、上村が凌ぎきって昇級を手にするのか、はたまた4位以下から大爆発をしてくる者がいるのか、とても楽しみな状況です。

最終節は3回戦まで全卓が打ち終わるのをまち、得点計算と順位を明確にしてから4回戦を打ち始めます。
待ち時間にとてもドラマチックな局が観戦できました。昇級組の卓ではないのですがご紹介したいと思います。

3回戦
4卓(田村、吉本、木下、伊原)
南3局2本場(東家・木下)

南家 伊原の配牌
三万四万八万八万九万二索六索六索九索一筒三筒東西  ドラ二万

西家 田村の配牌
四万一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索一筒中

南家 伊原は 二筒発三筒五万白二筒 と次々と有効牌を引き、あっというまに形のよい1シャンテンとします。

三万四万五万八万八万九万六索六索一筒二筒二筒三筒三筒

一方西家 田村は、七筒南四筒一万北五万 とソーズを1枚も引けず2シャンテンのまま。

一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索南北中

8巡目、南家・伊原があっさり6を暗刻にしてリーチ。

三万四万五万八万八万六索六索六索一筒二筒二筒三筒三筒  リーチ  ドラ二万

やっと西家・田村にソーズの入り始めた矢先の立直。
どう凌ぐのかとワクワクしてきました!!

9巡目、田村がドラそばの一万を強打!まっすぐチンイツに向かう宣戦布告!

一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索八索八索中  打一万  ドラ二万

10巡目に七索を引き、1シャンテンとしますが六索はカラ、九索はリーチ者伊原の安牌なので、さくさく場に落とされ、六索九索のスジは残り1枚に、しかし、最後の1枚の九索を伊原が持ってきて、チーテンで追いつきます。

一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き

そして14順目、軍配は田村に上がり見事満貫ツモとしたのでした。

一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ツモ一索

3回戦を終わり、上位陣に少し変動が出ました
1位 上村 141.7P
2位 中安 137.0P
3位 山室 103.4P
4位 川上  69.3P

山室と中安の差が広がって、33.6P差になっていました。
直接対決なので、中安は山室との差分だけを考えながら打てばいいので、外野からすると中安有利に見えましたが、
本人曰「今日一日とても苦しかった」そうです。

4回戦南2局、東家・川上
山室の親番がなくなり、点棒的にも3万点超えの中安。
怖いのは山室の直撃、という状況で北家の山室が北を積極的に仕掛けてきます。

南家、中安手牌

二万二万三万五万六万八万二索四索四索三筒発発中  ドラ四万

発がポン出来ればいいのですが、北ポンの山室ともちもちの可能性も。

西家・西村手牌

一万三万三万三索三索四索六索八索八索九索六筒八筒八筒

七対子の2シャンテンですが、面子手にしてもよい柔軟性のある手牌です。
北ポンの山室、手出しの七万、次巡ツモ切りで七万とドラ筋をめった切りし
「俺の手は高いぜ!」オーラを全開で出してきます。

3枚目の七万を山室に捨てられた次巡、中安は待望の四万を積もり、一気にスピード感のある手牌になりますが、八万は生き場を失いつつありました。

南家・中安9巡目

二万二万二万三万四万五万六万四索四索三筒発発  打八万

これに山室から「ポン」の声。もう発は絶対切れない状態に。
しかし、この後山室から場に六万発が河に放たれます。

南家・中安 12巡目

二万二万二万三万四万五万四索四索二筒三筒  ポン発発発

心中させられるかもしれなかった牌が形を成したおかげで、最高のテンパイを手に入れることが出来ました!
次巡あっさり四筒をツモり、昇級争いに大いなるアドバンテージを得る500・1,000を得たのでした。

最終結果は

1位:上村 2位:中安 3位:山室 4位:赤木

こうなりました。
昇級となった上村、中安プロおめでとうございます!
つたない文章を5節にわたりお付き合いくださり、ありがとうございました。

C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 上村 政雄 36.0 33.2 21.7 40.6 27.4 158.9
2 中安 武尊 72.0 29.7 ▲ 16.9 53.5 3.9 142.2
3 山室 太二 45.8 25.3 5.1 50.9 ▲ 5.6 121.5
4 赤木 由実 39.6 41.9 ▲ 42.8 ▲ 27.9 43.0 53.8
5 川上 直也 ▲ 2.9 ▲ 0.2 53.2 ▲ 0.2 ▲ 0.3 49.6
6 川崎 諒介 ▲ 20.4 42.9 50.2 ▲ 13.9 ▲ 21.1 37.7
7 西村 友和 36.9 ▲ 20.3 38.4 ▲ 36.8 ▲ 2.0 16.2
8 田村  豊 ▲ 43.1 15.7 27.4 ▲ 23.8 37.0 13.2
9 三好 直幸 20.8 81.1 11.0 ▲ 86.5 ▲ 50.3 ▲ 23.9
10 秋山 淑子 ▲ 37.4 ▲ 31.4 ▲ 37.8 ▲ 8.3 82.4 ▲ 32.5
11 富田 淳一 9.4 ▲ 38.4 ▲ 29.0 31.0 ▲ 7.9 ▲ 34.9
12 吉本 卓矢 ▲ 3.9 ▲ 2.9 6.5 ▲ 40.3 ▲ 3.4 ▲ 44.0
13 谷上 脩平 ▲ 47.2 ▲ 42.5 12.2 65.6 ▲ 54.0 ▲ 65.9
14 森元 直哉 ▲ 42.3 ▲ 20.7 ▲ 39.0 41.3 ▲ 20.5 ▲ 81.2
15 木下 恭子 ▲ 2.6 ▲ 98.6 19.9 ▲ 13.9 ▲ 26.3 ▲ 121.5
16 伊原 達也 ▲ 61.7 ▲ 35.8 ▲ 81.1 ▲ 31.3 ▲ 8.3 ▲ 218.2

 

 

C2リーグレポート:下山学

最終節である今節は昇格争いをかけていろいろな戦いがあったようです。
まず1卓。ここは1・3・5・7位の対戦でした。

ほぼ昇格が決まっている丸山は、本来の戦いができなかったようです。
4回戦目の東4局木下の

一万二万三万一索二索一筒二筒三筒七筒八筒九筒東東  ドラ東

跳満の三索を放銃。
など精細を欠きましたが、何とかげ切って優勝。

2卓。2・4・6・8位の対戦。
ここは4位・高谷・6位・稲岡が生き残りを、8位・辻井が逆転をかけての戦いでしたが、結局3戦目で辻井が脱落してしまった。

今回は最終節で大逆転がある波乱でした。
3卓。ここは昇格可能性のある後藤がどれだけ頑張れるか?でした。
4回戦の東1、親でリーチ。

四万五万六万八万八万八万二索二索八索八索八索六筒六筒

二索ツモで8,000オールと後藤の独壇場となった。
結局、後藤は一躍3位まで駆け上がった。

4卓。ここも昇格可能性があるのは大橋とぎりぎり大久保。
内容はぶっちぎりで大橋が大トップをとるが、僅か12ポイント足らずで涙を飲む事になった。
集計が終るまで、心配顔で涙目の稲岡ミカは、「6位稲岡?」の声を聞いて、嬉し涙に変わる感激の一幕もあった。
丸山、松永、後藤、高谷、下村、稲岡の6名の皆さんC1へ昇級おめでとうございます。

C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 丸山  直 1.9 47.6 81.9 44.0 ▲ 15.9 159.5
2 松永 侑己 4.9 50.9 18.5 50.1 25.7 150.1
3 後藤 俊孝 33.8 41.0 ▲ 47.3 27.4 82.5 137.4
4 高谷 圭一 50.0 10.4 ▲ 33.8 91.7 14.8 133.1
5 下村 学 54.5 8.2 86.4 2.5 ▲ 20.4 131.2
6 稲岡 ミカ ▲ 13.7 5.6 30.6 48.4 48.8 119.7
7 大橋 慶一郎 ▲ 15.8 ▲ 37.1 ▲ 8.4 98.0 81.8 118.5
8 前川 憲一 ▲ 3.9 10.1 107.5 ▲ 6.6 ▲ 5.0 102.1
9 木下 誠二郎 14.4 39.2 22.5 ▲ 19.0 ▲ 4.8 52.3
10 大久保 朋美 ▲ 37.7 ▲ 8.3 61.2 ▲ 19.6 40.5 36.1
11 長尾 浩平 ▲ 33.3 26.1 ▲ 7.1 3.3 28.4 17.4
12 辻井 和也 20.8 25.8 ▲ 10.1 19.8 ▲ 43.2 13.1
13 小西 輝彦 ▲ 32.4 ▲ 47.8 2.9 ▲ 4.2 75.7 ▲ 5.8
14 吉田 圭吾 95.1 ▲ 48.1 3.1 ▲ 91.9 33.3 ▲ 8.5
15 鎌田 周平 15.8 ▲ 26.9 ▲ 15.2 34.7 ▲ 20.5 ▲ 12.1
16 山神 剛 ▲ 33.9 9.8 ▲ 29.0 ▲ 42.3 52.1 ▲ 43.3
17 赤木 里恵 57.4 ▲ 46.0 ▲ 41.0 5.8 ▲ 22.6 ▲ 46.4
18 長野 恵美 13.7 ▲ 37.1 11.8 ▲ 14.6 ▲ 33.0 ▲ 59.2
20 辰巳 晴基 1.0 ▲ 32.1 ▲ 16.9 1.9 ▲ 17.9 ▲ 64.0
21 城 裕介 ▲ 4.8 29.5 ▲ 39.0 ▲ 43.3 ▲ 48.0 ▲ 105.6
22 疋田 豪 ▲ 39.2 6.6 ▲ 6.2 18.4 ▲ 90.4 ▲ 110.8
19 永田 知也 ▲ 37.1 20.0 ▲ 29.0 27.8 ▲ 99.7 ▲ 118.0
25 高橋 正人 ▲ 16.5 ▲ 88.6 ▲ 14.1 ▲ 46.4 ▲ 24.8 ▲ 190.4
23 只野 真理子 ▲ 82.8 21.6 ▲ 52.8 ▲ 92.7 1.5 ▲ 205.2
24 土田 小緒里 ▲ 14.2 ▲ 24.4 ▲ 76.5 ▲ 96.2 ▲ 40.9 ▲ 252.2

関西プロリーグ レポート/第13期関西プロリーグ A・B・Cリーグ 第5節レポート

Aリーグレポート:辻本翔哉
夏本番。早くも折り返しの5節目です。
A1卓:花岡、貫上、勝間、上村
A2卓:藤川、米川、佐々木、辻本
A3卓:仁科、横山、堀、中川
A1卓の上村の打ち筋を注目しました。
4回戦、東2局2本場、上村は北家で28,300持ち。
途中からの観戦でしたが、親が6巡目にリーチ。
上村の手は
三万七万八万九万八索九索二筒二筒五筒六筒七筒八筒九筒  ドラ一万
この三色1シャンテン。
その後のツモは、3巡ほど字牌や筋の牌などツモ切りでやり過ごす。
親のリーチから4巡後、七筒をツモって三色のテンパイ。
リーチをしてツモなら2,000・3,900だが、上村は安全牌の八索を切る。
その後、1枚あふれていた三万はリーチをした親がツモ切る。
結局横移動で終わり、前に進んでいても場に七索は切られなかったが、私なら引きずってしまうような局。
終了後、上村にその時の心情を聞き出した。
すると、上村はそこまで引きずっていなかった。
しかし、3回戦までの状態が良くなく心が弱くなっていたと語った。
麻雀はその時の心情や状態で、強く前に出たり後ろ向きになったりする。
常にベストのメンタルで戦う事が重要であるかと思いました。
A2卓、米川はメリハリがすごい。親のリーチに持っているのがおかしい程の安全牌の連打で完全なオリを見せたと思えば、また違う局はいきなり無筋などをバシバシ切り出したりする。
私は配牌の時点である程度は方針を決めるが、米川は配牌をもらった時点でかなりの最終形を考えた打ち筋のようだ。
どちらが良いかは、本人の考え方しだいだが、自分のスタイルを確立している雀士は強くなっていくと思います。
A3卓は、あまり観戦が出来なかったので結果を報告したいと思います。
横山+48.1P、堀+24.3P、仁科▲28.0P、中川▲44.4Pとなった。
これで豪腕の横山がトータルトップになった。
後半戦は横山を中心に決定戦に向けリーグ戦がますます熱くなりそうだ。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 横山  毅 50.3 31.2 40.9 ▲ 18.4 48.1 152.1
2 米川 基紀 27.9 26.7 60.0 ▲ 2.3 3.1 115.4
3 藤川 議次 62.9 4.0 18.9 44.2 ▲ 41.5 88.5
4 辻本 翔哉 30.1 ▲ 6.8 13.2 ▲ 6.9 56.4 86.0
5 堀  昭義 ▲ 75.7 39.9 ▲ 19.7 3.4 24.3 ▲ 27.8
6 上村 宜久 53.1 ▲ 34.5 42.2 ▲ 24.5 ▲ 65.0 ▲ 28.7
7 中川 由佳梨 ▲ 13.4 38.0 ▲ 7.9 ▲ 24.5 ▲ 44.4 ▲ 52.2
8 花岡 章生 43.0 ▲ 26.4 ▲ 82.5 12.9 ▲ 0.8 ▲ 53.8
9 勝間 伸生 ▲ 37.5 ▲ 56.3 ▲ 13.9 10.5 35.2 ▲ 62.0
10 貫上 洋志 ▲ 44.6 ▲ 15.6 ▲ 6.6 ▲ 31.3 29.6 ▲ 68.5
11 仁科健一郎 ▲ 79.2 ▲ 1.6 ▲ 4.4 34.8 ▲ 28.0 ▲ 78.4
12 佐々木 亮 ▲ 16.9 1.4 ▲ 40.2 ▲ 18.9 ▲ 18.0 ▲ 92.6

 
 
Bリーグレポート:宮田豊夢
(Bリーグ1卓 原田、山中、掛樋、森下)
リーグ戦もちょうど今日で折り返し地点、1回戦から非常に激しい展開となる。
東2局、親の山中がピンズ模様の仕掛け、対する南家の掛樋は索子模様の仕掛け。
そこに、西家の森下が
一万一万二万三万三万九万九万一索二索三索一筒二筒三筒
このテンパイ。
残り2枚しかない二万、テンパイ形こそ厳しいが、仕掛け2者の色が別のために、完全に盲点になっている絶好の待ちである。
それをテンパイ直後にピンズ仕掛けの親の山中が掴み、12,000の放銃。
森下としては手役をしっかり作った良いアガリ、放銃した山中は非常に厳しい立ち上がりになった。
局も進み、現在リーグトップの原田がじわじわ点数を重ねて森下に迫る勢い、森下としては原田を突き放しておきたいところ。
ここで森下に絶好の聴牌が入った。
南3局、親・掛樋
二万三万七万七万二索三索四索二筒三筒四筒六筒七筒八筒  ドラ七万
四万でのアガリだと再び12,000、しかし一万だと3,900にしかならない。
リーチかヤミテンか悩ましいところだが、森下は現在トップ目のためヤミテンを選択。
これが、功を奏して山中から四万がこぼれて12,000を出アガった。
この後も、森下は緩急の効いた麻雀で破竹の4連勝という素晴らしい折り返しを魅せた。
とは言え、ようやくプラスに転じたところである。これからの戦いに注目したいと思います。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 原田 保正 66.3 ▲ 8.7 39.5 17.1 48.9 163.1
2 筒井 宏晶 19.7 55.9 27.5 3.0 ▲ 6.8 99.3
3 山本 善嗣 12.0 ▲ 67.5 44.8 2.4 92.5 84.2
4 西原 佳隆 83.2 ▲ 15.1 ▲ 12.4 ▲ 8.7 ▲ 12.1 34.9
5 近野理智男 15.4 10.7 18.6 10.0 ▲ 40.5 14.2
6 森下 恭好 0.8 ▲ 24.9 ▲ 33.2 ▲ 20.4 87.5 9.8
7 坂本 誠裕 22.5 18.1 2.4 23.5 ▲ 58.8 7.7
8 中野 孝治 1.9 0.0 0.0 0.0 0.0 1.9
9 宮田 豊夢 ▲ 18.4 7.2 43.5 13.4 ▲ 44.0 1.7
10 中川  保 ▲ 43.0 46.0 19.6 ▲ 16.1 ▲ 23.2 ▲ 16.7
11 玉木 章司 14.5 ▲ 4.0 ▲ 63.5 1.3 17.2 ▲ 34.5
12 掛樋 忠雄 ▲ 4.5 ▲ 32.0 6.3 10.6 ▲ 15.6 ▲ 35.2
13 吉田 哲史 ▲ 98.2 27.7 ▲ 17.7 2.5 47.7 ▲ 38.0
14 山中  翼 ▲ 9.4 4.0 ▲ 0.2 2.4 ▲ 76.8 ▲ 80.0
15 稲森 英子 ▲ 66.9 ▲ 20.9 ▲ 18.2 ▲ 21.3 ▲ 8.3 ▲ 135.6
16 延原 明美 1.1 ▲ 17.5 ▲ 57.0 ▲ 40.7 ▲ 27.7 ▲ 141.8

 
 
C1リーグレポート:秋山淑子
こんにちは、ついに最終節を迎えました。
C1は昇級も降級もあるクラスなので、いやがおうにも緊張感が高まります。
ここで昇級争いの得点差を今一度確認しておきます。
昇級は2名
1位 中安 138.3P
2位 上村 131.5P
3位 山室 127.1P
4位 川崎 58.8P
1卓は中安、山室、川上、西村。2卓は上村、川崎、三好、赤木。
3位の山室が逆転するのか、中安、上村が凌ぎきって昇級を手にするのか、はたまた4位以下から大爆発をしてくる者がいるのか、とても楽しみな状況です。
最終節は3回戦まで全卓が打ち終わるのをまち、得点計算と順位を明確にしてから4回戦を打ち始めます。
待ち時間にとてもドラマチックな局が観戦できました。昇級組の卓ではないのですがご紹介したいと思います。
3回戦
4卓(田村、吉本、木下、伊原)
南3局2本場(東家・木下)
南家 伊原の配牌
三万四万八万八万九万二索六索六索九索一筒三筒東西  ドラ二万
西家 田村の配牌
四万一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索一筒中
南家 伊原は 二筒発三筒五万白二筒 と次々と有効牌を引き、あっというまに形のよい1シャンテンとします。
三万四万五万八万八万九万六索六索一筒二筒二筒三筒三筒
一方西家 田村は、七筒南四筒一万北五万 とソーズを1枚も引けず2シャンテンのまま。
一索一索一索二索二索三索三索五索五索八索南北中
8巡目、南家・伊原があっさり6を暗刻にしてリーチ。
三万四万五万八万八万六索六索六索一筒二筒二筒三筒三筒  リーチ  ドラ二万
やっと西家・田村にソーズの入り始めた矢先の立直。
どう凌ぐのかとワクワクしてきました!!
9巡目、田村がドラそばの一万を強打!まっすぐチンイツに向かう宣戦布告!
一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索八索八索中  打一万  ドラ二万
10巡目に七索を引き、1シャンテンとしますが六索はカラ、九索はリーチ者伊原の安牌なので、さくさく場に落とされ、六索九索のスジは残り1枚に、しかし、最後の1枚の九索を伊原が持ってきて、チーテンで追いつきます。
一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き
そして14順目、軍配は田村に上がり見事満貫ツモとしたのでした。
一索一索一索二索二索三索三索四索五索五索  チー九索 左向き七索 上向き八索 上向き  ツモ一索
3回戦を終わり、上位陣に少し変動が出ました
1位 上村 141.7P
2位 中安 137.0P
3位 山室 103.4P
4位 川上  69.3P
山室と中安の差が広がって、33.6P差になっていました。
直接対決なので、中安は山室との差分だけを考えながら打てばいいので、外野からすると中安有利に見えましたが、
本人曰「今日一日とても苦しかった」そうです。
4回戦南2局、東家・川上
山室の親番がなくなり、点棒的にも3万点超えの中安。
怖いのは山室の直撃、という状況で北家の山室が北を積極的に仕掛けてきます。
南家、中安手牌
二万二万三万五万六万八万二索四索四索三筒発発中  ドラ四万
発がポン出来ればいいのですが、北ポンの山室ともちもちの可能性も。
西家・西村手牌
一万三万三万三索三索四索六索八索八索九索六筒八筒八筒
七対子の2シャンテンですが、面子手にしてもよい柔軟性のある手牌です。
北ポンの山室、手出しの七万、次巡ツモ切りで七万とドラ筋をめった切りし
「俺の手は高いぜ!」オーラを全開で出してきます。
3枚目の七万を山室に捨てられた次巡、中安は待望の四万を積もり、一気にスピード感のある手牌になりますが、八万は生き場を失いつつありました。
南家・中安9巡目
二万二万二万三万四万五万六万四索四索三筒発発  打八万
これに山室から「ポン」の声。もう発は絶対切れない状態に。
しかし、この後山室から場に六万発が河に放たれます。
南家・中安 12巡目
二万二万二万三万四万五万四索四索二筒三筒  ポン発発発
心中させられるかもしれなかった牌が形を成したおかげで、最高のテンパイを手に入れることが出来ました!
次巡あっさり四筒をツモり、昇級争いに大いなるアドバンテージを得る500・1,000を得たのでした。
最終結果は
1位:上村 2位:中安 3位:山室 4位:赤木
こうなりました。
昇級となった上村、中安プロおめでとうございます!
つたない文章を5節にわたりお付き合いくださり、ありがとうございました。
C1リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 上村 政雄 36.0 33.2 21.7 40.6 27.4 158.9
2 中安 武尊 72.0 29.7 ▲ 16.9 53.5 3.9 142.2
3 山室 太二 45.8 25.3 5.1 50.9 ▲ 5.6 121.5
4 赤木 由実 39.6 41.9 ▲ 42.8 ▲ 27.9 43.0 53.8
5 川上 直也 ▲ 2.9 ▲ 0.2 53.2 ▲ 0.2 ▲ 0.3 49.6
6 川崎 諒介 ▲ 20.4 42.9 50.2 ▲ 13.9 ▲ 21.1 37.7
7 西村 友和 36.9 ▲ 20.3 38.4 ▲ 36.8 ▲ 2.0 16.2
8 田村  豊 ▲ 43.1 15.7 27.4 ▲ 23.8 37.0 13.2
9 三好 直幸 20.8 81.1 11.0 ▲ 86.5 ▲ 50.3 ▲ 23.9
10 秋山 淑子 ▲ 37.4 ▲ 31.4 ▲ 37.8 ▲ 8.3 82.4 ▲ 32.5
11 富田 淳一 9.4 ▲ 38.4 ▲ 29.0 31.0 ▲ 7.9 ▲ 34.9
12 吉本 卓矢 ▲ 3.9 ▲ 2.9 6.5 ▲ 40.3 ▲ 3.4 ▲ 44.0
13 谷上 脩平 ▲ 47.2 ▲ 42.5 12.2 65.6 ▲ 54.0 ▲ 65.9
14 森元 直哉 ▲ 42.3 ▲ 20.7 ▲ 39.0 41.3 ▲ 20.5 ▲ 81.2
15 木下 恭子 ▲ 2.6 ▲ 98.6 19.9 ▲ 13.9 ▲ 26.3 ▲ 121.5
16 伊原 達也 ▲ 61.7 ▲ 35.8 ▲ 81.1 ▲ 31.3 ▲ 8.3 ▲ 218.2

 
 
C2リーグレポート:下山学
最終節である今節は昇格争いをかけていろいろな戦いがあったようです。
まず1卓。ここは1・3・5・7位の対戦でした。
ほぼ昇格が決まっている丸山は、本来の戦いができなかったようです。
4回戦目の東4局木下の
一万二万三万一索二索一筒二筒三筒七筒八筒九筒東東  ドラ東
跳満の三索を放銃。
など精細を欠きましたが、何とかげ切って優勝。
2卓。2・4・6・8位の対戦。
ここは4位・高谷・6位・稲岡が生き残りを、8位・辻井が逆転をかけての戦いでしたが、結局3戦目で辻井が脱落してしまった。
今回は最終節で大逆転がある波乱でした。
3卓。ここは昇格可能性のある後藤がどれだけ頑張れるか?でした。
4回戦の東1、親でリーチ。
四万五万六万八万八万八万二索二索八索八索八索六筒六筒
二索ツモで8,000オールと後藤の独壇場となった。
結局、後藤は一躍3位まで駆け上がった。
4卓。ここも昇格可能性があるのは大橋とぎりぎり大久保。
内容はぶっちぎりで大橋が大トップをとるが、僅か12ポイント足らずで涙を飲む事になった。
集計が終るまで、心配顔で涙目の稲岡ミカは、「6位稲岡?」の声を聞いて、嬉し涙に変わる感激の一幕もあった。
丸山、松永、後藤、高谷、下村、稲岡の6名の皆さんC1へ昇級おめでとうございます。
C2リーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 6節 7節 8節 9節 10節 合計
1 丸山  直 1.9 47.6 81.9 44.0 ▲ 15.9 159.5
2 松永 侑己 4.9 50.9 18.5 50.1 25.7 150.1
3 後藤 俊孝 33.8 41.0 ▲ 47.3 27.4 82.5 137.4
4 高谷 圭一 50.0 10.4 ▲ 33.8 91.7 14.8 133.1
5 下村 学 54.5 8.2 86.4 2.5 ▲ 20.4 131.2
6 稲岡 ミカ ▲ 13.7 5.6 30.6 48.4 48.8 119.7
7 大橋 慶一郎 ▲ 15.8 ▲ 37.1 ▲ 8.4 98.0 81.8 118.5
8 前川 憲一 ▲ 3.9 10.1 107.5 ▲ 6.6 ▲ 5.0 102.1
9 木下 誠二郎 14.4 39.2 22.5 ▲ 19.0 ▲ 4.8 52.3
10 大久保 朋美 ▲ 37.7 ▲ 8.3 61.2 ▲ 19.6 40.5 36.1
11 長尾 浩平 ▲ 33.3 26.1 ▲ 7.1 3.3 28.4 17.4
12 辻井 和也 20.8 25.8 ▲ 10.1 19.8 ▲ 43.2 13.1
13 小西 輝彦 ▲ 32.4 ▲ 47.8 2.9 ▲ 4.2 75.7 ▲ 5.8
14 吉田 圭吾 95.1 ▲ 48.1 3.1 ▲ 91.9 33.3 ▲ 8.5
15 鎌田 周平 15.8 ▲ 26.9 ▲ 15.2 34.7 ▲ 20.5 ▲ 12.1
16 山神 剛 ▲ 33.9 9.8 ▲ 29.0 ▲ 42.3 52.1 ▲ 43.3
17 赤木 里恵 57.4 ▲ 46.0 ▲ 41.0 5.8 ▲ 22.6 ▲ 46.4
18 長野 恵美 13.7 ▲ 37.1 11.8 ▲ 14.6 ▲ 33.0 ▲ 59.2
20 辰巳 晴基 1.0 ▲ 32.1 ▲ 16.9 1.9 ▲ 17.9 ▲ 64.0
21 城 裕介 ▲ 4.8 29.5 ▲ 39.0 ▲ 43.3 ▲ 48.0 ▲ 105.6
22 疋田 豪 ▲ 39.2 6.6 ▲ 6.2 18.4 ▲ 90.4 ▲ 110.8
19 永田 知也 ▲ 37.1 20.0 ▲ 29.0 27.8 ▲ 99.7 ▲ 118.0
25 高橋 正人 ▲ 16.5 ▲ 88.6 ▲ 14.1 ▲ 46.4 ▲ 24.8 ▲ 190.4
23 只野 真理子 ▲ 82.8 21.6 ▲ 52.8 ▲ 92.7 1.5 ▲ 205.2
24 土田 小緒里 ▲ 14.2 ▲ 24.4 ▲ 76.5 ▲ 96.2 ▲ 40.9 ▲ 252.2

第24期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:長谷川弘

今期レポートを担当させていただく20期生長谷川弘です。
拙文で読みづらい点も多々あるかとは思いますが、最終節まで御清覧いただければ幸いです。

連日うだる暑さが続く。
第24期中部プロリーグが荒天のもと開幕した。こちらも灼熱の闘いが繰り広げられることだろう。

第1節に臨むにあたって各対局者の胸中は如何なるものか。前期惜敗の無念を晴らそうと意気込む者、連期決勝卓進出を虎視眈々と狙う者、昇級組は初の対戦相手に畏敬の念を抱きながらも踊る心を抑えられず、といったところか。
いずれにしても各者プラススコアでの開節を目論んで臨んだにちがいない。

私自身の対戦相手3名に、第1節に臨むにあたってどんな点に留意しているか、また対局を振り返っての感想についてそれぞれ話を伺ったのでご紹介したい。

杉村「第1節はいつも通り丁寧に打つことを心がけています。今日は他の対局者に比べ自分が最も手が入っていたと思いますが、成就しなかった局も多かったので少し悔やまれます。でも自分の持ち味は出せたと思います。」

杉浦「第1節から3節は決勝進出の芽をつぶさないよう対局しようと意識しています。今日は先手を取れた局が多く、後手を踏んでも押し返せるだけの手材料と展開に恵まれました。」

森下「第1節は浮きよりも原点維持をいつも考えています。対局全体の感触は悪くなかったが、展開には恵まれなかったと感じています。」

第1節は第5節と同等、もしくはそれ以上に重要な節と私自身は捉えている。
それだけに、ふがいない成績に終わった私は3者の言葉に身をつまされた。

1節を終えて各者ともそれぞれ最初の岐路に立たされた。
開期前には存在しなかった道が各々の歩みによって創り出された。
やがて訪れる最終結果に向けて後悔のない一歩を踏み出せただろうか。
後悔に価値はない。違う道を選択することもできない。選択は既に行われたのだ。
選択した行為によって生まれたのが結果である。
ここからは自分が置かれた状況を拒むことなく受け入れ続けなければならない。
さもなくば、ただ淡々と対局を消化するに留まり、そこからは無意味な成果しか生まれないだろう。
次節以降取りうる最善策はそれらを認めることによってはじめて効を成すのではなかろうか。
地力を昇華させるのは対局への執念だけではないはずだ。

決勝卓への道のりはわずか5節と短い。
次節が終わればまた違う岐路に立たされることだろう。

Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 三戸 亮祐 46.9 46.9
2 杉村 泰治 43.4 43.4
3 杉浦 貴紀 43.1 43.1
4 寺戸 孝志 36.7 36.7
5 村瀬 寛光 23.9 23.9
6 太田 充 15.5 15.5
7 佐藤 あいり 10.5 10.5
8 森下 剛任 8.0 8.0
9 伊藤 鉄也 7.2 7.2
10 樋口 新 7.1 7.1
11 日下 健司 ▲ 5.8 ▲ 5.8
12 櫛田 利太 ▲ 12.4 ▲ 12.4
13 毛受 俊 ▲ 41.4 ▲ 41.4
14 掛水 洋徳 ▲ 41.7 ▲ 41.7
15 土岐 雄太 ▲ 47.5 ▲ 47.5
16 長谷川 弘 ▲ 94.5 ▲ 94.5

 

 

Bリーグ:山神達也

28期生の山神達也です。今期の中部プロリーグBリーグのレポートを担当させていただきます。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間宜しくお願いします。

中部地方に台風が接近する荒天のなか、会場はそれにも負けない熱気を帯びて第24期中部プロリーグが開幕した。
私自身、初のBリーグへの挑戦となるので、より一層気を引き締めて結果を出したいところである。

まずは第1節の結果から。
前期のBリーグでは7位と悔しい思いをした牛尾だったが、今節+89.8Pと2位の越川を30P以上離すプラスとし、頭ひとつ抜けた首位となっている。
逆に苦しいスタートを切ったのは山本。

同じ卓内の中西が親番で四暗刻をアガったこともあり、今節を大きなマイナスで終えている。
また、今節をマイナスとした木村・鈴木(基)・葛山らベテラン勢の次節以降の巻き返しにも期待したいところである。

私はというと、+27.5Pとプラスで終えることができた。
対局者は鈴木(基)・葛山・中谷。
1回戦目は序盤から葛山に手が入り、葛山が1人浮きのトップをとる。
2回戦、3回戦目は私がトップをとったものの、常に誰かとアガり牌をめくり合うような状況にしてしまったので、とても危なっかしいトップであった。
4回戦目、それまで手が入らず苦しい印象の鈴木(基)だったが、東1局の親を活かしリードすると、終盤南3局で中谷の親番での巻き返しはあったものの、安定した卓回しをした上で加点し、トップを維持した。

私は今節をプラスで終えられたものの、次節への課題が残ることとなった。
すぐに修正を必要とする点は、打点を簡単に読まれてしまう仕掛けが目立った点。
常に自分と誰かが戦っている状況に陥ってしまう原因である。
これが修正できないと今後Bリーグを戦っていくのは厳しいと感じているので、なんとしてでも次節までに改善し、次に繋げていきたい。

最後に、今回の反省点を前向きに捉え、麻雀技術を向上させたうえで次節に臨みたいと思う。
私はまた次節、卓につくのが楽しみである。

Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 89.8 89.8
2 越川 清一 59.6 59.6
3 大滝 聡 42.3 42.3
4 安藤 大貴 31.6 31.6
5 山神 達也 27.5 27.5
6 中谷 彰吾 23.8 23.8
7 朝岡 祐 13.6 13.6
8 古川 孝次 2.6 2.6
9 中西 栄二 ▲ 4.7 ▲ 4.7
10 葛山 英樹 ▲ 11.8 ▲ 11.8
11 菅野 直 ▲ 16.3 ▲ 16.3
12 原田 知彦 ▲ 24.4 ▲ 24.4
13 鈴木 基芳 ▲ 39.5 ▲ 39.5
14 木村 東平 ▲ 48.8 ▲ 48.8
15 鈴木 雄介 ▲ 57.6 ▲ 57.6
16 山本 拓哉 ▲ 87.7 ▲ 87.7

 

 

Cリーグ:池沢麻奈美

はじめまして。29期生の池沢麻奈美です。今期Cリーグのレポートを担当させて頂きます。
まだまだ未熟な私ですが、全5節に渡るリーグ戦で感じた事を素直に綴っていけたらと思います。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが半年間お付き合い頂ければ幸いです。

台風11号の影響で雨と風の吹き荒れる中始まった第1節。
私の第1節対局相手はAリーグ経験者でもある岡本、若松、さらに1年前の新人王戦では決勝卓まで残った清水の以上3名。実力者揃いの対局に自分自身の麻雀ができるか不安ではあったが、気持ちだけは負けないようにと気合を入れて対局に臨んだ。

私は日頃から負けない麻雀を心掛けている。しかし今回は第1節目。
プラスで終えて今後に勢いをつけたいと考えた私は「強気でいく」を目標にしていた。

そして始まった1回戦目。
若松が1人浮きの+40.4Pと大きくリード。
逆に私は、大きなラスの▲27.8Pとなり焦っていたのだろう。

2回戦目からはただひたすらにリーチを打ち打点を上げにいった。
だが、気づけばことごとく私の勝負手はかわされ第1節終了時、蓋を開けてみれば私は▲78.4Pと大きなマイナスを背負う事となってしまった。

これが格上との戦いか。リーチのメリット、デメリットをわきまえていたつもりだったが、今回私はリーチに大きく頼り過ぎてしまったのかもしれない。
さまざまな反省と課題を残して私の1節目は終えた。

Cリーグの成績を見てみるとそれぞれの卓内トップ者が上位に名を並べた。
ルーキーである都築が+102.0Pで首位に立ち、ベテランである大高坂が+98.9Pで次位、惜しくも前期Bリーグから降級してしまった若松が+72.4Pで3位という結果に。

幸先いいスタートをきれた者もそうでない者も今期はまだ始まったばかりある。
各選手昇級に向けての次節以降の戦いに注目したい。

今回は私の主観での記述が多くなってしまったので、次回はもっと周りの選手に目を向けたレポートをお送りできればと思います。

Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 都築 友和 102.0 102.0
2 大高坂 松城 98.9 98.9
3 若松 正和 72.4 72.4
4 河合 慎悟 56.4 56.4
5 加藤 泰史 39.5 39.5
6 岡本 丈司 27.5 27.5
7 中山 千鶴 26.0 26.0
8 太田 峻也 14.1 14.1
9 大町 篤志 ▲ 15.2 ▲ 15.2
10 上田 利華 ▲ 18.0 ▲ 18.0
11 清水 哲也 ▲ 21.5 ▲ 21.5
12 小野 雅峻 ▲ 25.8 ▲ 25.8
13 浅野 文雅 ▲ 37.9 ▲ 37.9
14 鈴木 淳 ▲ 41.8 ▲ 41.8
15 大西 義則 ▲ 44.7 ▲ 44.7
16 斎藤 寛生 ▲ 71.0 ▲ 71.0
17 池沢 麻奈美 ▲ 78.4 ▲ 78.4
18 家田 みゆき ▲ 83.5 ▲ 83.5
19 角谷 和幸 ▲ 100.0 ▲ 100.0

中部プロリーグ レポート/第24期中部プロリーグ 第1節レポート

Aリーグ:長谷川弘
今期レポートを担当させていただく20期生長谷川弘です。
拙文で読みづらい点も多々あるかとは思いますが、最終節まで御清覧いただければ幸いです。
連日うだる暑さが続く。
第24期中部プロリーグが荒天のもと開幕した。こちらも灼熱の闘いが繰り広げられることだろう。
第1節に臨むにあたって各対局者の胸中は如何なるものか。前期惜敗の無念を晴らそうと意気込む者、連期決勝卓進出を虎視眈々と狙う者、昇級組は初の対戦相手に畏敬の念を抱きながらも踊る心を抑えられず、といったところか。
いずれにしても各者プラススコアでの開節を目論んで臨んだにちがいない。
私自身の対戦相手3名に、第1節に臨むにあたってどんな点に留意しているか、また対局を振り返っての感想についてそれぞれ話を伺ったのでご紹介したい。
杉村「第1節はいつも通り丁寧に打つことを心がけています。今日は他の対局者に比べ自分が最も手が入っていたと思いますが、成就しなかった局も多かったので少し悔やまれます。でも自分の持ち味は出せたと思います。」
杉浦「第1節から3節は決勝進出の芽をつぶさないよう対局しようと意識しています。今日は先手を取れた局が多く、後手を踏んでも押し返せるだけの手材料と展開に恵まれました。」
森下「第1節は浮きよりも原点維持をいつも考えています。対局全体の感触は悪くなかったが、展開には恵まれなかったと感じています。」
第1節は第5節と同等、もしくはそれ以上に重要な節と私自身は捉えている。
それだけに、ふがいない成績に終わった私は3者の言葉に身をつまされた。
1節を終えて各者ともそれぞれ最初の岐路に立たされた。
開期前には存在しなかった道が各々の歩みによって創り出された。
やがて訪れる最終結果に向けて後悔のない一歩を踏み出せただろうか。
後悔に価値はない。違う道を選択することもできない。選択は既に行われたのだ。
選択した行為によって生まれたのが結果である。
ここからは自分が置かれた状況を拒むことなく受け入れ続けなければならない。
さもなくば、ただ淡々と対局を消化するに留まり、そこからは無意味な成果しか生まれないだろう。
次節以降取りうる最善策はそれらを認めることによってはじめて効を成すのではなかろうか。
地力を昇華させるのは対局への執念だけではないはずだ。
決勝卓への道のりはわずか5節と短い。
次節が終わればまた違う岐路に立たされることだろう。
Aリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 三戸 亮祐 46.9 46.9
2 杉村 泰治 43.4 43.4
3 杉浦 貴紀 43.1 43.1
4 寺戸 孝志 36.7 36.7
5 村瀬 寛光 23.9 23.9
6 太田 充 15.5 15.5
7 佐藤 あいり 10.5 10.5
8 森下 剛任 8.0 8.0
9 伊藤 鉄也 7.2 7.2
10 樋口 新 7.1 7.1
11 日下 健司 ▲ 5.8 ▲ 5.8
12 櫛田 利太 ▲ 12.4 ▲ 12.4
13 毛受 俊 ▲ 41.4 ▲ 41.4
14 掛水 洋徳 ▲ 41.7 ▲ 41.7
15 土岐 雄太 ▲ 47.5 ▲ 47.5
16 長谷川 弘 ▲ 94.5 ▲ 94.5

 
 
Bリーグ:山神達也
28期生の山神達也です。今期の中部プロリーグBリーグのレポートを担当させていただきます。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが、半年間宜しくお願いします。
中部地方に台風が接近する荒天のなか、会場はそれにも負けない熱気を帯びて第24期中部プロリーグが開幕した。
私自身、初のBリーグへの挑戦となるので、より一層気を引き締めて結果を出したいところである。
まずは第1節の結果から。
前期のBリーグでは7位と悔しい思いをした牛尾だったが、今節+89.8Pと2位の越川を30P以上離すプラスとし、頭ひとつ抜けた首位となっている。
逆に苦しいスタートを切ったのは山本。
同じ卓内の中西が親番で四暗刻をアガったこともあり、今節を大きなマイナスで終えている。
また、今節をマイナスとした木村・鈴木(基)・葛山らベテラン勢の次節以降の巻き返しにも期待したいところである。
私はというと、+27.5Pとプラスで終えることができた。
対局者は鈴木(基)・葛山・中谷。
1回戦目は序盤から葛山に手が入り、葛山が1人浮きのトップをとる。
2回戦、3回戦目は私がトップをとったものの、常に誰かとアガり牌をめくり合うような状況にしてしまったので、とても危なっかしいトップであった。
4回戦目、それまで手が入らず苦しい印象の鈴木(基)だったが、東1局の親を活かしリードすると、終盤南3局で中谷の親番での巻き返しはあったものの、安定した卓回しをした上で加点し、トップを維持した。
私は今節をプラスで終えられたものの、次節への課題が残ることとなった。
すぐに修正を必要とする点は、打点を簡単に読まれてしまう仕掛けが目立った点。
常に自分と誰かが戦っている状況に陥ってしまう原因である。
これが修正できないと今後Bリーグを戦っていくのは厳しいと感じているので、なんとしてでも次節までに改善し、次に繋げていきたい。
最後に、今回の反省点を前向きに捉え、麻雀技術を向上させたうえで次節に臨みたいと思う。
私はまた次節、卓につくのが楽しみである。
Bリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 牛尾 信之 89.8 89.8
2 越川 清一 59.6 59.6
3 大滝 聡 42.3 42.3
4 安藤 大貴 31.6 31.6
5 山神 達也 27.5 27.5
6 中谷 彰吾 23.8 23.8
7 朝岡 祐 13.6 13.6
8 古川 孝次 2.6 2.6
9 中西 栄二 ▲ 4.7 ▲ 4.7
10 葛山 英樹 ▲ 11.8 ▲ 11.8
11 菅野 直 ▲ 16.3 ▲ 16.3
12 原田 知彦 ▲ 24.4 ▲ 24.4
13 鈴木 基芳 ▲ 39.5 ▲ 39.5
14 木村 東平 ▲ 48.8 ▲ 48.8
15 鈴木 雄介 ▲ 57.6 ▲ 57.6
16 山本 拓哉 ▲ 87.7 ▲ 87.7

 
 
Cリーグ:池沢麻奈美
はじめまして。29期生の池沢麻奈美です。今期Cリーグのレポートを担当させて頂きます。
まだまだ未熟な私ですが、全5節に渡るリーグ戦で感じた事を素直に綴っていけたらと思います。
初めてのレポートで拙い文章になるかもしれませんが半年間お付き合い頂ければ幸いです。
台風11号の影響で雨と風の吹き荒れる中始まった第1節。
私の第1節対局相手はAリーグ経験者でもある岡本、若松、さらに1年前の新人王戦では決勝卓まで残った清水の以上3名。実力者揃いの対局に自分自身の麻雀ができるか不安ではあったが、気持ちだけは負けないようにと気合を入れて対局に臨んだ。
私は日頃から負けない麻雀を心掛けている。しかし今回は第1節目。
プラスで終えて今後に勢いをつけたいと考えた私は「強気でいく」を目標にしていた。
そして始まった1回戦目。
若松が1人浮きの+40.4Pと大きくリード。
逆に私は、大きなラスの▲27.8Pとなり焦っていたのだろう。
2回戦目からはただひたすらにリーチを打ち打点を上げにいった。
だが、気づけばことごとく私の勝負手はかわされ第1節終了時、蓋を開けてみれば私は▲78.4Pと大きなマイナスを背負う事となってしまった。
これが格上との戦いか。リーチのメリット、デメリットをわきまえていたつもりだったが、今回私はリーチに大きく頼り過ぎてしまったのかもしれない。
さまざまな反省と課題を残して私の1節目は終えた。
Cリーグの成績を見てみるとそれぞれの卓内トップ者が上位に名を並べた。
ルーキーである都築が+102.0Pで首位に立ち、ベテランである大高坂が+98.9Pで次位、惜しくも前期Bリーグから降級してしまった若松が+72.4Pで3位という結果に。
幸先いいスタートをきれた者もそうでない者も今期はまだ始まったばかりある。
各選手昇級に向けての次節以降の戦いに注目したい。
今回は私の主観での記述が多くなってしまったので、次回はもっと周りの選手に目を向けたレポートをお送りできればと思います。
Cリーグ

順位 名前 1節 2節 3節 4節 5節 合計
1 都築 友和 102.0 102.0
2 大高坂 松城 98.9 98.9
3 若松 正和 72.4 72.4
4 河合 慎悟 56.4 56.4
5 加藤 泰史 39.5 39.5
6 岡本 丈司 27.5 27.5
7 中山 千鶴 26.0 26.0
8 太田 峻也 14.1 14.1
9 大町 篤志 ▲ 15.2 ▲ 15.2
10 上田 利華 ▲ 18.0 ▲ 18.0
11 清水 哲也 ▲ 21.5 ▲ 21.5
12 小野 雅峻 ▲ 25.8 ▲ 25.8
13 浅野 文雅 ▲ 37.9 ▲ 37.9
14 鈴木 淳 ▲ 41.8 ▲ 41.8
15 大西 義則 ▲ 44.7 ▲ 44.7
16 斎藤 寛生 ▲ 71.0 ▲ 71.0
17 池沢 麻奈美 ▲ 78.4 ▲ 78.4
18 家田 みゆき ▲ 83.5 ▲ 83.5
19 角谷 和幸 ▲ 100.0 ▲ 100.0

第26期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 山口 大和

2014年8月23日

26期目を迎えたチャンピオンズリーグ。
半年で20半荘の予選を終え、上位29名がこのトーナメントに進んだ。

チャンピオンズリーグは半年で1期のタイトル戦で、日本プロ麻雀連盟員ならだれでも参加できる。
今期は80名の参加で、リーグも様々、まさに垣根を越えた戦いとなった。

トーナメントが始まる前に、立会人の瀬戸熊プロから重大なお知らせが選手に報告された。
日本プロ麻雀連盟のタイトル戦、対局の模様をお伝えしているニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルにおいて、今期よりチャンピオンズリーグも決勝戦の対局を放送することになった。
吉報とも言えるこの知らせに選手はさらに気合が入ったことだろう。

同一メンバーで3半荘行い、ポイント上位2名が勝ち上がりとなるトーナメント。
1日で半荘9回戦の長丁場を戦い抜き、明日の決勝の舞台にコマを進めるのは誰なのか?
ベスト28、16、8の模様をお伝えします。

 

【ベスト28】

A卓:福島祐一vs真鍋明広vs福光聖雄vs佐藤佳彦

1回戦、静かな立ち上がりかと思われたが均衡を破ったのは真鍋だった。
南場の親で6,000オールを引くと、ここぞと言わんばかりの連荘で突き抜ける。
終始、我慢の展開だった福島がラス親で粘り浮きに回るも真鍋がトップで終了。

2回戦、1回戦とは真逆の展開となる。
東4局、東家の佐藤が以下の牌姿で福島から12,000をアガリそこから更に加点していく。

六索七索八索北北北発発中中  ポン東東東  ロン発  ドラ三万

福光も南場でなんとか浮きに回り、最終戦に望みを繋いだ。

2回戦終了時
真鍋+28.8P  福島+1.2P  佐藤▲6.2P  福光▲23.8P

最終戦、ここまでおとなしかった福光がついに爆発する。
しかも高打点のアガリにことごとく飛び込んだのはトップの真鍋。
南入時点で真鍋を捲りそのまま1位で通過。
次いで、佐藤が2位に滑り込んだ。

1位通過:福光聖雄 2位通過:佐藤佳彦

 

B卓:清原継光vs藤原隆弘vs石川純vs塚越裕次郎

来期Aリーグに復帰が決まった藤原に、Dリーグの3人が挑戦する形となったB卓。
1回戦、塚越が勢いのあるアガリを連発して1人浮きのトップをとる。

2回戦、流れを掴んだのは清原。仕掛けを多用して相手を牽制しながら加点していく。
ただ、藤原はドンと腰を据えて周りに振り回されず、やるべきことに集中しているように見えた。

2回戦終了時
塚越+19.7P  清原+17.6P  藤原+4.1P  石川▲41.4P

上位3名の勝負となった最終戦。石川は少々厳しいか?
塚越、清原がガソリン切れかのごとく、展開は藤原ペース。
最後は余裕をもった試合運びで圧倒した。
2位のイスは、清原と塚越が最後まで争うも清原に軍配が上がった。

1位通過:藤原隆弘 2位通過:清原継光

 

C卓:小川拓麻vs伊賀則夫vs田中史孝vs白鳥翔

C卓の注目はやはりAリーガーの白鳥。だが1、2回戦共に点棒を削られていく展開。
やはりAリーガー、マークも厳しくなるので仕方ないのか。

逆に印象が強かったのは田中。
やや遠い仕掛けには3者が対応してくれて、本手にはアシストが多くなるという理想通りの展開で局面をリードしていく。
伊賀が2回戦のオーラス親番で

二万二万五万六万七万一索三索五索六索七索五筒六筒七筒  ツモ二索  ドラ五索

この3,900は4,000オールを引きアガリ田中に肉薄する。

2回戦終了時
田中+27.8P  伊賀+17.6P  小川▲14.5P  白鳥▲31.9P

最終戦
東2局、親の田中が序盤に一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向きで両面からチーをすると、田中にピンズの山が流れ込んできて楽々と4,000オール。通過を決める。

二筒三筒四筒五筒六筒八筒八筒八筒九筒九筒  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ツモ一筒  ドラ五索

伊賀、白鳥は何とか田中の牙城を崩そうとするも更に傷を負う。
そこに付け入るかのごとく、最後の親で小川が伊賀をかわして2位に浮上した。

1位通過:田中史孝 2位通過:小川拓麻

 

D卓:藤本哲也vs紺野真太郎vs杉浦勘助vs太田優介

山田浩之の欠場で繰り上がりの藤本。追い風ポールポジションなるか?
1回戦、その藤本がペースを掴む。そして杉浦が攻撃的に映ったのが印象的だった。
ただ、杉浦は思いとは裏腹にアガリには結びつかない、そして相手のアガリ牌を1人で掴み続けてしまう。
2回戦は、太田が私もここにいますよと言わんばかりに、存在感を表しトップをもぎ取る。
紺野は連続2着だが、どちらも浮きに回って安定感のある試合運びであった。

2回戦終了時
藤本+32.6P  紺野+17.0P  太田+3.7P  杉浦▲53.3P

最終戦
東3局、太田2局連続アガって迎えた親番。場が煮詰まってきた終盤に「ツモ」の声。
手を開けたのは紺野だった。

一索二索三索四索五索六索七索七索八索八索九索北北  ツモ六索  ドラ三索

この4,000、8,000をアガリ、トップに躍り出る。
逆に、親被りの太田の心境はいかがなものだろうか?
だがドラマはまだ続いた。

南1局、紺野の親番でこれまで終始苦しんでいた杉浦が、白中とたてつづけに2フーロする。
ただ、ここまでトータルラス目の杉浦には、他の3者の警戒度はそれほど高くなく淡々と局は進んでいく。ちなみに杉浦の最終手出しは発であり、場に発がすべて見えたのも要因だろう。
そして杉浦がついにアガリ牌を手繰り寄せる。

東東西西北北北  ポン白白白  ポン中中中  ツモ東

この8,000、16,000をアガリわずかな望みを繋ぐ。
親被りの紺野は苦しくなるかと思ったが、ここまでトータルトップの藤本が1万点を切り3位まで落ちてしまった。
そして、最後は紺野が自力で通過を決め、太田と共にベスト16にコマを進めた。

1位通過:太田優介 2位通過:紺野真太郎

 

E卓 西川舞vs安村浩司vs吉田直vs中村慎吾

今期トーナメントで紅一点の西川が、実力者3人とどう戦うかが注目となった。
1回戦、開局から吉田が飛ばす。4,000オールをアガッた1本場にこのリーチ。

七万七万二索三索五索六索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ  ツモ一索  ドラ七万

あっさり4,000は4,100オール。
一索四索を7枚持っていた中村に、このアガリはどう映っただろうか?
2本場、吉田はノミ手ながらリーチに行く。
非常に押し辛い局面ではあるが、西川がジリジリと手を進めドラを暗刻にしての純チャンを吉田から捕える。
そうすると一転、西川のペースで局が進んでいく。

2回戦終了時
西川+39.4P  中村▲0.4P  吉田▲6.2P  安村▲32.8P

最終戦、中村と吉田の一騎打ちと思われたが待ったをかけたのは安村。
オーラスをトップで迎えて吉田とアガリ勝負となったのだが、道中ヤミテンを入れていた西川に吉田が飛び込みここで吉田は敗退となった。

1位通過:西川舞 2位通過:安村浩司

 

F卓 末続ヒロトシvs小川尚哉vs西田修vs五反地清一郎
今期リーグ戦でB1リーグに昇級した小川にマークが集まる中、上手いゲーム回しをしたのは五反地。1、2回戦を危なげなく終えた。
2回戦を終えて最終戦は末続、西田の2番手争いかと思われた。

2回戦終了時
五反地+28.8P  西田+6.6P  末続▲3.0P  小川▲32.4P

最終戦、並びをつけてのトップという条件の中、ついに小川がブレイクする。
終わってみれば1人浮きの大トップ。トータル2位に滑り込んだ。

1位通過:五反地清一郎 2位通過:小川尚哉

 

G卓 松崎良文vs内川幸太郎vs西島一彦vs柚木正仁

チャンピオンズリーグトーナメントの常連が4人集まったようなG卓。
トーナメント巧者の松崎が主導権を握る。2連勝で早々に通過を決める。

2回戦終了時
松崎+34.7P  内川+2.2P  西島▲13.3P  柚木▲24.6P

最終戦、内川がAリーガーの意地を見せる。東2局の親番で七対子のドラ単騎を早々にテンパイすると即リーチに踏み切る。終盤に引きアガリ6,000オール。こうなると内川は更に攻め続けトータルトップで通過した。

1位通過:内川幸太郎 2位通過:松崎良文

最終戦で順位が大きく変わる卓が多くみられた。これは勝ち上がり条件がつくトーナメントならではの対局で最後まで気が抜けない熱い対局となっている。
ベスト16からはディフェンディングの森岡貞巨、予選1位の船木伸一を加えてベスト8のイスを争うことになる。

 

【べスト16】

A卓 内川幸太郎vs五反地清一郎vs佐藤佳彦vs森岡貞巨

ここから登場の森岡。対局開始1時間前には会場入りしてベスト28を観戦、表情も柔らかくすんなりと対局に入れそうだ。
1回戦は終始、小場で進んでいく。仕掛けが多くみられ、メンゼンでも捌き手がほとんどで決め手になるアガリがほとんどなかった。結果、オーラスまで全員にトップのチャンスがあったが最後も仕掛けて森岡がアガリきりそのまま逃げ切った。

2回戦、1回戦同様に小場で進み、流局も増えている緊迫した展開。どうにも流れを掴み取れない内川にチャンスがやっと訪れる。
南3局、1巡目にオタ風を仕掛けて内川を牽制する森岡。ドラ色のピンズに寄せていく。
すると上家の内川は対応せざる得ない。
ここで佐藤に以下のテンパイが入る。

四万五万七万七万三索四索五索一筒二筒三筒四筒四筒四筒  ドラ七筒

テンパイ打牌はドラの七筒。これを内川に鳴かれるも明らかに見た感じの速度は遅い。
またマンズの場況がとても良いため、リーチに行くかと思われたがヤミテンで押していく。
やはりと言うか三万六万が場にどんどん放たれ、佐藤はツモることができずに内川に最後の最後にテンパイを入れさせてしまう。

僥倖の親権維持。このチャンスを逃すわけがない内川。次局、手牌がキラキラして見えたことだろう。五反地の先制リーチに同巡に追いつき、リーチにいく。

三万四万四万五万六万九索九索九索三筒四筒五筒七筒七筒  リーチ  ロン二万  ドラ九索

この12,000は12,900をアガリ、そこから怒涛の連荘で一気にこの半荘トップになった。

2回戦終了時
佐藤+25.4P  内川+13.1P  森岡+3.3P  五反地▲41.8P

ほぼ三つ巴の戦い。これまで牌勢、展開に非常に恵まれている佐藤が、東場の親番で8本場まで積む大連荘。持ち点は70,000点を早々に超え勝ち上がりを決める。なんとか親を流そうと「戦う姿勢」をみせる内川だが佐藤の勢いに逆に呑まれてしまい、最後の親番でも決定打となるアガリを森岡に決められ勝負あり。佐藤、森岡にとっては大きな金星となった。

1位通過:佐藤佳彦 2位通過:森岡貞巨

 

B卓 松崎良文vs西川舞vs船木伸一vs清原光継

予選1位の船木、圧倒的な攻撃力でポイントを叩きベスト16からの登場である。会場入りした時、緊張からかちょっとソワソワしているかのように見えたが大丈夫だろうか?
1回戦、好調の西川がアガリを重ねていく。

二索三索四索五索六索七索南南白白  明カン発発発発  ハイテイツモ白  ドラ六索

この3,000、6,000を皮切りに場を制していく。
終盤、清原も仕掛けを多用して追いすがるも、西川が逃げ切りトップ。
船木の攻撃力を、西川、清原が上手く包みこみ受け流すかの如く点棒を削っていっているようにみえた。

こうなると船木は苦しいか?2回戦以降、相手のロン牌が寄ってきてそれが止まらなくなってくる。
2回戦、ここまで淡々と自分の麻雀を打っている松崎に、流れを一気に引き寄せるアガリが生まれる。

南場の親番7巡目で以下の牌姿となる。

三万四万五万七万八万九万二索三索四索三筒五筒八筒八筒  ツモ四筒  ドラ四万

ツモ、ドラ1の1,000オールのアガリだが、ここから打二索でフリテンリーチを敢行する。
すると一発(連盟Aルールに一発はないが)で五索を引き寄せ6,000オール。
意志の籠ったこの素晴らしいアガリでトップまで駆け上がった。

2回戦終了時
西川+35.1P  松崎+28.8P  清原▲9.6P  船木▲54.3P

ほぼ大勢は決まったかのように見えたが、清原が意地を見せ1人浮きのトップ目に立つ。
松崎にあと一歩まで迫るも、トーナメント巧者の松崎、きっちりポイントを合わせて最後は逃げ切り勝ち。ベスト8に滑り込んだ。

1位通過:西川舞 2位通過:松崎良文

 

C卓 太田優介vs小川尚哉vs小川拓麻vs福光聖雄

1回戦東1局、南家・小川尚

一万二万三万三万四万五万二索三索五索五索一筒二筒三筒  リーチ  ツモ一索  ドラ九索

この2,000・4,000をアガリ開局を制す。

しかしこの後が続かず、逆にブレイクしたのは福光と太田。
特に福光、ベスト28でもそうだったように、苦しいところからでも一撃でトップまで立つ瞬発力には目を見張るものがある。そして2回戦もこの2人が対局を作っていく。

2回戦終了時
太田+41.8P  福光+33.1P  小川拓▲33.1P  小川尚▲41.8P

完全に前後の差が開いてしまった。対局終了時に小川尚がちょっと条件がキツ過ぎたと言っていた通り、太田と福光の利害が一致してしまった為に最終戦はスムーズに局は進み、大きなアガリ、連荘も無くそのまま静かに終了した。

1位通過:福光聖雄 2位通過:太田優介

 

D卓 紺野真太郎vs藤原隆弘vs安村浩司vs田中史孝

どっしりとした麻雀の紺野、藤原にバランスが良い安村、仕掛けの田中の対局。
1回戦、メンゼンで大物手のテンパイが各々に入るもアガリが生まれない。場も重苦しい雰囲気でピリピリした空気の中、安村の4,000オールが決まる。

南1局、東家・安村

二索三索四索七索八索九索四筒五筒六筒南南中中  リーチ  ツモ南  ドラ二索

これを機に安村に牌が寄ってきて南3局にはこのテンパイ。

一索三索四索五索六索七索八索九索中中  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ三索

これで一歩抜け出すかと思われたが、ちょうど壁側で見ることのできなかった親番の紺野から「ツモ」の声。

三万四万五万三索四索五索八索八索三筒四筒四筒五筒五筒  ツモ六筒

そう簡単には走らせないよと言わんばかりの6,000オール。
そこからは紺野の時間。アガリを重ねてトップ。
田中が1人大きく沈み、藤原も何とか浮きに回ろうと粘るも届かず。

2回戦、田中の仕掛けがついに実る。
田中以外の3人の受けが強いため、牽制気味の仕掛けでも場が遅くなり自分のペースを掴み始める。
そして親番、細かいアガリで加点し、この半荘トップを取り1回戦の負債をほとんど消す。

2回戦終了時
紺野+19.9P  安村+16.5P  田中▲6.3P  藤原▲30.1P

最終戦、田中は序盤から2回戦と同じように仕掛けを多用していく。しっかりと受けつつ勝負所をうかがっていた紺野、藤原も最終戦という事も加味してやや前に出始める。そこが丁度、田中のタイミングに合ってしまう。最後の親番で紺野がアガリを決めれば通過の手を、逆に田中が紺野から値千金の8,000を直撃。逆転でベスト8にコマを進めた。もう1人は安村、オール2着の安定した戦いで勝ち上がった。Aリーグの2人が姿を消す波乱となった。

1位通過:安村浩司 2位通過:田中史孝

森岡以外の7人はすでに6半荘を消化、体力的にも厳しいだろうが、もう一度勝ち上がらなければ決勝の舞台には進めない。ただ、疲労の色はほとんど見えず、次の対局に静かに集中している選手が多く見られたのが印象的だった。

 

【ベスト8】

A卓 福光聖雄vs佐藤佳彦vs松崎良文vs田中史孝

1回戦、序盤は小場で進む。決め手に欠け、アガリが安い。
これまで仕掛けを多用してイニシアティブを握ってきた田中だが、一転、東場の親番で5巡目にリーチを打つ。

一万一万五万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒

これを松崎から11,600のアガリ。
すると3者が田中の動きに対応してしまう。こうなると田中のペース。
仕掛けを駆使して局を回しながら加点していき1人浮きのトップ。

2回戦も同じように田中のアガリが続く。
東3局、西家・田中

一索二索三索七索八索九索北北発発  ポン西西西  ドラ九索  ロン発

この12,000を佐藤から、

南2局

一万一万二万三万三万四万五万  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ポン発発発  ツモ一万  ドラ五万

この2,000・3,900などで完全に独走態勢になった。

2回戦終了時
田中+65.1P  佐藤▲14.3P  福光▲24.5P  松崎▲26.8P

最終戦、田中はほぼ通過。
ほぼ3人の着順勝負、佐藤が浮きに回ると福光、松崎はある程度の条件が付く。

ここまで静かだった松崎が、田中に合わせてなのか仕掛けながら細かいアガリを重ねていく。
南1局、親の福光が先制リーチを打つも、逆に受けに回っていた田中にハイテイで7,700は8,000を放銃してしまい通過は厳しいものとなる。

佐藤、最後の親番で打点は低いが2回のアガリをものにして、浮きに回り一度は松崎を微差ながら捲る。その親番を松崎が捌ききって捲り返す。

迎えたオーラス、佐藤は2,000点のアガリで再逆転、松崎は親なのでアガリ止めがなく流局時に伏せても佐藤に捲られる可能性があるので一度アガリが欲しいところ。

配牌、佐藤に逆転の材料が入るものの、6巡目に田中のヤミテンに捕まってしまい勝負あり。
最後まで見ごたえのある戦いであった。

1位通過:田中史孝 2位通過:松崎良文

 

B卓 西川舞vs太田優介vs森岡貞臣vs安村浩司

1回戦、ここまで快進撃の西川。摸打を見ていても迷いなく打ち切れていて気持ちがいい。
開局、そんな西川の挨拶代わりの倍満で幕が開く。

二万二万三万三万三万四万五万六万七万八万八万九万九万  ツモ七万  ドラ五索

8巡目にこの4,000・8,000をものにする。
次局、太田に8,000を放銃するも、迎えた親番で2,600オール、2,600は2,700オールとアガリ、勢いそのままに駆け上がるかと思われた。

待ったをかけたのは太田。西川からリーチ七対子を直撃すると、東4局3本場には

一万二万三万七万八万九万一索七筒八筒九筒  ポン東東東  ロン一索  ドラ九万

この11,600は12,500を森岡からアガリ、西川に並びかける。
親を落としたのは安村。ここも七対子だがドラ2の6,400は7,600を西川から。
徐々に点棒を減らしていき、さらにここで痛恨の放銃をしてしまう。

南2局、親番の安村が5巡目に両面チーから入る。その2巡後に、森岡からリーチが入るも安村も臨戦態勢。そして西川は森岡の現物の四索を抜き打つと安村の手が開かれた。

四万五万六万八万八万八万五索六索八索八索  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  ロン四索  ドラ八万

この11,600でついに原点を割ってしまう。後に聞いてみると、この1局については西川も相当悔しかったようだ。結局1回戦は太田の1人浮きで終わる。

2回戦、それでも西川に手が入る。本流へとさらに波に乗りたいところだが、1回戦を引きずっているのか、もう一歩流れを手繰り寄せられない。展開が功を奏して、何とかトップで最終戦へ。
逆に苦しくなったのは森岡。次は大きなトップが絶対条件となってしまった。

2回戦終了時
太田+36.4P  安村+4.7P  西川+0.5P  森岡▲36.7P

最終戦、安村と西川は着順勝負となった。これまで圧倒的な勢いで勝ち上がってきたが初めて追う展開。着順勝負では、自力に勝る安村に分があるのではと思っていた。西川は対局中、とても集中していたのか、顔色を変えず淡々と打つ姿は好感が持てた。
安村が、我慢を重ねて最後に大きなトップで太田と共に決勝へコマを進めた。

1位通過:太田優介 2位通過:安村浩司

 

ついに決勝のメンバーが出揃った。タイプの異なる4名で白熱した対局になるのは間違いないだろう。
最初にお伝えした通り、今期からチャンピオンズリーグもニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信される。そういう面でも良い1戦になることを期待したい。

最後に決勝進出者からのコメントで締めさせていただこうと思う。

太田優介「夢のようです」

田中史孝「疲れたけど、明日もがんばります」

安村浩司「今日は我慢の麻雀が多かったので、明日は暴れたいと思います」

松崎良文「映像で麻雀を打つのは初めてですが、自分らしく頑張ろうと思います」

JPML WRCリーグ レポート/第26期チャンピオンズリーグ トーナメントレポート 山口 大和

2014年8月23日
26期目を迎えたチャンピオンズリーグ。
半年で20半荘の予選を終え、上位29名がこのトーナメントに進んだ。
チャンピオンズリーグは半年で1期のタイトル戦で、日本プロ麻雀連盟員ならだれでも参加できる。
今期は80名の参加で、リーグも様々、まさに垣根を越えた戦いとなった。
トーナメントが始まる前に、立会人の瀬戸熊プロから重大なお知らせが選手に報告された。
日本プロ麻雀連盟のタイトル戦、対局の模様をお伝えしているニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルにおいて、今期よりチャンピオンズリーグも決勝戦の対局を放送することになった。
吉報とも言えるこの知らせに選手はさらに気合が入ったことだろう。
同一メンバーで3半荘行い、ポイント上位2名が勝ち上がりとなるトーナメント。
1日で半荘9回戦の長丁場を戦い抜き、明日の決勝の舞台にコマを進めるのは誰なのか?
ベスト28、16、8の模様をお伝えします。
 
【ベスト28】
A卓:福島祐一vs真鍋明広vs福光聖雄vs佐藤佳彦
1回戦、静かな立ち上がりかと思われたが均衡を破ったのは真鍋だった。
南場の親で6,000オールを引くと、ここぞと言わんばかりの連荘で突き抜ける。
終始、我慢の展開だった福島がラス親で粘り浮きに回るも真鍋がトップで終了。
2回戦、1回戦とは真逆の展開となる。
東4局、東家の佐藤が以下の牌姿で福島から12,000をアガリそこから更に加点していく。
六索七索八索北北北発発中中  ポン東東東  ロン発  ドラ三万
福光も南場でなんとか浮きに回り、最終戦に望みを繋いだ。
2回戦終了時
真鍋+28.8P  福島+1.2P  佐藤▲6.2P  福光▲23.8P
最終戦、ここまでおとなしかった福光がついに爆発する。
しかも高打点のアガリにことごとく飛び込んだのはトップの真鍋。
南入時点で真鍋を捲りそのまま1位で通過。
次いで、佐藤が2位に滑り込んだ。
1位通過:福光聖雄 2位通過:佐藤佳彦
 
B卓:清原継光vs藤原隆弘vs石川純vs塚越裕次郎
来期Aリーグに復帰が決まった藤原に、Dリーグの3人が挑戦する形となったB卓。
1回戦、塚越が勢いのあるアガリを連発して1人浮きのトップをとる。
2回戦、流れを掴んだのは清原。仕掛けを多用して相手を牽制しながら加点していく。
ただ、藤原はドンと腰を据えて周りに振り回されず、やるべきことに集中しているように見えた。
2回戦終了時
塚越+19.7P  清原+17.6P  藤原+4.1P  石川▲41.4P
上位3名の勝負となった最終戦。石川は少々厳しいか?
塚越、清原がガソリン切れかのごとく、展開は藤原ペース。
最後は余裕をもった試合運びで圧倒した。
2位のイスは、清原と塚越が最後まで争うも清原に軍配が上がった。
1位通過:藤原隆弘 2位通過:清原継光
 
C卓:小川拓麻vs伊賀則夫vs田中史孝vs白鳥翔
C卓の注目はやはりAリーガーの白鳥。だが1、2回戦共に点棒を削られていく展開。
やはりAリーガー、マークも厳しくなるので仕方ないのか。
逆に印象が強かったのは田中。
やや遠い仕掛けには3者が対応してくれて、本手にはアシストが多くなるという理想通りの展開で局面をリードしていく。
伊賀が2回戦のオーラス親番で
二万二万五万六万七万一索三索五索六索七索五筒六筒七筒  ツモ二索  ドラ五索
この3,900は4,000オールを引きアガリ田中に肉薄する。
2回戦終了時
田中+27.8P  伊賀+17.6P  小川▲14.5P  白鳥▲31.9P
最終戦
東2局、親の田中が序盤に一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向きで両面からチーをすると、田中にピンズの山が流れ込んできて楽々と4,000オール。通過を決める。
二筒三筒四筒五筒六筒八筒八筒八筒九筒九筒  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ツモ一筒  ドラ五索
伊賀、白鳥は何とか田中の牙城を崩そうとするも更に傷を負う。
そこに付け入るかのごとく、最後の親で小川が伊賀をかわして2位に浮上した。
1位通過:田中史孝 2位通過:小川拓麻
 
D卓:藤本哲也vs紺野真太郎vs杉浦勘助vs太田優介
山田浩之の欠場で繰り上がりの藤本。追い風ポールポジションなるか?
1回戦、その藤本がペースを掴む。そして杉浦が攻撃的に映ったのが印象的だった。
ただ、杉浦は思いとは裏腹にアガリには結びつかない、そして相手のアガリ牌を1人で掴み続けてしまう。
2回戦は、太田が私もここにいますよと言わんばかりに、存在感を表しトップをもぎ取る。
紺野は連続2着だが、どちらも浮きに回って安定感のある試合運びであった。
2回戦終了時
藤本+32.6P  紺野+17.0P  太田+3.7P  杉浦▲53.3P
最終戦
東3局、太田2局連続アガって迎えた親番。場が煮詰まってきた終盤に「ツモ」の声。
手を開けたのは紺野だった。
一索二索三索四索五索六索七索七索八索八索九索北北  ツモ六索  ドラ三索
この4,000、8,000をアガリ、トップに躍り出る。
逆に、親被りの太田の心境はいかがなものだろうか?
だがドラマはまだ続いた。
南1局、紺野の親番でこれまで終始苦しんでいた杉浦が、白中とたてつづけに2フーロする。
ただ、ここまでトータルラス目の杉浦には、他の3者の警戒度はそれほど高くなく淡々と局は進んでいく。ちなみに杉浦の最終手出しは発であり、場に発がすべて見えたのも要因だろう。
そして杉浦がついにアガリ牌を手繰り寄せる。
東東西西北北北  ポン白白白  ポン中中中  ツモ東
この8,000、16,000をアガリわずかな望みを繋ぐ。
親被りの紺野は苦しくなるかと思ったが、ここまでトータルトップの藤本が1万点を切り3位まで落ちてしまった。
そして、最後は紺野が自力で通過を決め、太田と共にベスト16にコマを進めた。
1位通過:太田優介 2位通過:紺野真太郎
 
E卓 西川舞vs安村浩司vs吉田直vs中村慎吾
今期トーナメントで紅一点の西川が、実力者3人とどう戦うかが注目となった。
1回戦、開局から吉田が飛ばす。4,000オールをアガッた1本場にこのリーチ。
七万七万二索三索五索六索七索三筒四筒四筒五筒五筒六筒  リーチ  ツモ一索  ドラ七万
あっさり4,000は4,100オール。
一索四索を7枚持っていた中村に、このアガリはどう映っただろうか?
2本場、吉田はノミ手ながらリーチに行く。
非常に押し辛い局面ではあるが、西川がジリジリと手を進めドラを暗刻にしての純チャンを吉田から捕える。
そうすると一転、西川のペースで局が進んでいく。
2回戦終了時
西川+39.4P  中村▲0.4P  吉田▲6.2P  安村▲32.8P
最終戦、中村と吉田の一騎打ちと思われたが待ったをかけたのは安村。
オーラスをトップで迎えて吉田とアガリ勝負となったのだが、道中ヤミテンを入れていた西川に吉田が飛び込みここで吉田は敗退となった。
1位通過:西川舞 2位通過:安村浩司
 
F卓 末続ヒロトシvs小川尚哉vs西田修vs五反地清一郎
今期リーグ戦でB1リーグに昇級した小川にマークが集まる中、上手いゲーム回しをしたのは五反地。1、2回戦を危なげなく終えた。
2回戦を終えて最終戦は末続、西田の2番手争いかと思われた。
2回戦終了時
五反地+28.8P  西田+6.6P  末続▲3.0P  小川▲32.4P
最終戦、並びをつけてのトップという条件の中、ついに小川がブレイクする。
終わってみれば1人浮きの大トップ。トータル2位に滑り込んだ。
1位通過:五反地清一郎 2位通過:小川尚哉
 
G卓 松崎良文vs内川幸太郎vs西島一彦vs柚木正仁
チャンピオンズリーグトーナメントの常連が4人集まったようなG卓。
トーナメント巧者の松崎が主導権を握る。2連勝で早々に通過を決める。
2回戦終了時
松崎+34.7P  内川+2.2P  西島▲13.3P  柚木▲24.6P
最終戦、内川がAリーガーの意地を見せる。東2局の親番で七対子のドラ単騎を早々にテンパイすると即リーチに踏み切る。終盤に引きアガリ6,000オール。こうなると内川は更に攻め続けトータルトップで通過した。
1位通過:内川幸太郎 2位通過:松崎良文
最終戦で順位が大きく変わる卓が多くみられた。これは勝ち上がり条件がつくトーナメントならではの対局で最後まで気が抜けない熱い対局となっている。
ベスト16からはディフェンディングの森岡貞巨、予選1位の船木伸一を加えてベスト8のイスを争うことになる。
 
【べスト16】
A卓 内川幸太郎vs五反地清一郎vs佐藤佳彦vs森岡貞巨
ここから登場の森岡。対局開始1時間前には会場入りしてベスト28を観戦、表情も柔らかくすんなりと対局に入れそうだ。
1回戦は終始、小場で進んでいく。仕掛けが多くみられ、メンゼンでも捌き手がほとんどで決め手になるアガリがほとんどなかった。結果、オーラスまで全員にトップのチャンスがあったが最後も仕掛けて森岡がアガリきりそのまま逃げ切った。
2回戦、1回戦同様に小場で進み、流局も増えている緊迫した展開。どうにも流れを掴み取れない内川にチャンスがやっと訪れる。
南3局、1巡目にオタ風を仕掛けて内川を牽制する森岡。ドラ色のピンズに寄せていく。
すると上家の内川は対応せざる得ない。
ここで佐藤に以下のテンパイが入る。
四万五万七万七万三索四索五索一筒二筒三筒四筒四筒四筒  ドラ七筒
テンパイ打牌はドラの七筒。これを内川に鳴かれるも明らかに見た感じの速度は遅い。
またマンズの場況がとても良いため、リーチに行くかと思われたがヤミテンで押していく。
やはりと言うか三万六万が場にどんどん放たれ、佐藤はツモることができずに内川に最後の最後にテンパイを入れさせてしまう。
僥倖の親権維持。このチャンスを逃すわけがない内川。次局、手牌がキラキラして見えたことだろう。五反地の先制リーチに同巡に追いつき、リーチにいく。
三万四万四万五万六万九索九索九索三筒四筒五筒七筒七筒  リーチ  ロン二万  ドラ九索
この12,000は12,900をアガリ、そこから怒涛の連荘で一気にこの半荘トップになった。
2回戦終了時
佐藤+25.4P  内川+13.1P  森岡+3.3P  五反地▲41.8P
ほぼ三つ巴の戦い。これまで牌勢、展開に非常に恵まれている佐藤が、東場の親番で8本場まで積む大連荘。持ち点は70,000点を早々に超え勝ち上がりを決める。なんとか親を流そうと「戦う姿勢」をみせる内川だが佐藤の勢いに逆に呑まれてしまい、最後の親番でも決定打となるアガリを森岡に決められ勝負あり。佐藤、森岡にとっては大きな金星となった。
1位通過:佐藤佳彦 2位通過:森岡貞巨
 
B卓 松崎良文vs西川舞vs船木伸一vs清原光継
予選1位の船木、圧倒的な攻撃力でポイントを叩きベスト16からの登場である。会場入りした時、緊張からかちょっとソワソワしているかのように見えたが大丈夫だろうか?
1回戦、好調の西川がアガリを重ねていく。
二索三索四索五索六索七索南南白白  明カン発発発発  ハイテイツモ白  ドラ六索
この3,000、6,000を皮切りに場を制していく。
終盤、清原も仕掛けを多用して追いすがるも、西川が逃げ切りトップ。
船木の攻撃力を、西川、清原が上手く包みこみ受け流すかの如く点棒を削っていっているようにみえた。
こうなると船木は苦しいか?2回戦以降、相手のロン牌が寄ってきてそれが止まらなくなってくる。
2回戦、ここまで淡々と自分の麻雀を打っている松崎に、流れを一気に引き寄せるアガリが生まれる。
南場の親番7巡目で以下の牌姿となる。
三万四万五万七万八万九万二索三索四索三筒五筒八筒八筒  ツモ四筒  ドラ四万
ツモ、ドラ1の1,000オールのアガリだが、ここから打二索でフリテンリーチを敢行する。
すると一発(連盟Aルールに一発はないが)で五索を引き寄せ6,000オール。
意志の籠ったこの素晴らしいアガリでトップまで駆け上がった。
2回戦終了時
西川+35.1P  松崎+28.8P  清原▲9.6P  船木▲54.3P
ほぼ大勢は決まったかのように見えたが、清原が意地を見せ1人浮きのトップ目に立つ。
松崎にあと一歩まで迫るも、トーナメント巧者の松崎、きっちりポイントを合わせて最後は逃げ切り勝ち。ベスト8に滑り込んだ。
1位通過:西川舞 2位通過:松崎良文
 
C卓 太田優介vs小川尚哉vs小川拓麻vs福光聖雄
1回戦東1局、南家・小川尚
一万二万三万三万四万五万二索三索五索五索一筒二筒三筒  リーチ  ツモ一索  ドラ九索
この2,000・4,000をアガリ開局を制す。
しかしこの後が続かず、逆にブレイクしたのは福光と太田。
特に福光、ベスト28でもそうだったように、苦しいところからでも一撃でトップまで立つ瞬発力には目を見張るものがある。そして2回戦もこの2人が対局を作っていく。
2回戦終了時
太田+41.8P  福光+33.1P  小川拓▲33.1P  小川尚▲41.8P
完全に前後の差が開いてしまった。対局終了時に小川尚がちょっと条件がキツ過ぎたと言っていた通り、太田と福光の利害が一致してしまった為に最終戦はスムーズに局は進み、大きなアガリ、連荘も無くそのまま静かに終了した。
1位通過:福光聖雄 2位通過:太田優介
 
D卓 紺野真太郎vs藤原隆弘vs安村浩司vs田中史孝
どっしりとした麻雀の紺野、藤原にバランスが良い安村、仕掛けの田中の対局。
1回戦、メンゼンで大物手のテンパイが各々に入るもアガリが生まれない。場も重苦しい雰囲気でピリピリした空気の中、安村の4,000オールが決まる。
南1局、東家・安村
二索三索四索七索八索九索四筒五筒六筒南南中中  リーチ  ツモ南  ドラ二索
これを機に安村に牌が寄ってきて南3局にはこのテンパイ。
一索三索四索五索六索七索八索九索中中  暗カン牌の背白白牌の背  ドラ三索
これで一歩抜け出すかと思われたが、ちょうど壁側で見ることのできなかった親番の紺野から「ツモ」の声。
三万四万五万三索四索五索八索八索三筒四筒四筒五筒五筒  ツモ六筒
そう簡単には走らせないよと言わんばかりの6,000オール。
そこからは紺野の時間。アガリを重ねてトップ。
田中が1人大きく沈み、藤原も何とか浮きに回ろうと粘るも届かず。
2回戦、田中の仕掛けがついに実る。
田中以外の3人の受けが強いため、牽制気味の仕掛けでも場が遅くなり自分のペースを掴み始める。
そして親番、細かいアガリで加点し、この半荘トップを取り1回戦の負債をほとんど消す。
2回戦終了時
紺野+19.9P  安村+16.5P  田中▲6.3P  藤原▲30.1P
最終戦、田中は序盤から2回戦と同じように仕掛けを多用していく。しっかりと受けつつ勝負所をうかがっていた紺野、藤原も最終戦という事も加味してやや前に出始める。そこが丁度、田中のタイミングに合ってしまう。最後の親番で紺野がアガリを決めれば通過の手を、逆に田中が紺野から値千金の8,000を直撃。逆転でベスト8にコマを進めた。もう1人は安村、オール2着の安定した戦いで勝ち上がった。Aリーグの2人が姿を消す波乱となった。
1位通過:安村浩司 2位通過:田中史孝
森岡以外の7人はすでに6半荘を消化、体力的にも厳しいだろうが、もう一度勝ち上がらなければ決勝の舞台には進めない。ただ、疲労の色はほとんど見えず、次の対局に静かに集中している選手が多く見られたのが印象的だった。
 
【ベスト8】
A卓 福光聖雄vs佐藤佳彦vs松崎良文vs田中史孝
1回戦、序盤は小場で進む。決め手に欠け、アガリが安い。
これまで仕掛けを多用してイニシアティブを握ってきた田中だが、一転、東場の親番で5巡目にリーチを打つ。
一万一万五万六万七万八万九万七索八索九索七筒八筒九筒  リーチ  ロン四万  ドラ六筒
これを松崎から11,600のアガリ。
すると3者が田中の動きに対応してしまう。こうなると田中のペース。
仕掛けを駆使して局を回しながら加点していき1人浮きのトップ。
2回戦も同じように田中のアガリが続く。
東3局、西家・田中
一索二索三索七索八索九索北北発発  ポン西西西  ドラ九索  ロン発
この12,000を佐藤から、
南2局
一万一万二万三万三万四万五万  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ポン発発発  ツモ一万  ドラ五万
この2,000・3,900などで完全に独走態勢になった。
2回戦終了時
田中+65.1P  佐藤▲14.3P  福光▲24.5P  松崎▲26.8P
最終戦、田中はほぼ通過。
ほぼ3人の着順勝負、佐藤が浮きに回ると福光、松崎はある程度の条件が付く。
ここまで静かだった松崎が、田中に合わせてなのか仕掛けながら細かいアガリを重ねていく。
南1局、親の福光が先制リーチを打つも、逆に受けに回っていた田中にハイテイで7,700は8,000を放銃してしまい通過は厳しいものとなる。
佐藤、最後の親番で打点は低いが2回のアガリをものにして、浮きに回り一度は松崎を微差ながら捲る。その親番を松崎が捌ききって捲り返す。
迎えたオーラス、佐藤は2,000点のアガリで再逆転、松崎は親なのでアガリ止めがなく流局時に伏せても佐藤に捲られる可能性があるので一度アガリが欲しいところ。
配牌、佐藤に逆転の材料が入るものの、6巡目に田中のヤミテンに捕まってしまい勝負あり。
最後まで見ごたえのある戦いであった。
1位通過:田中史孝 2位通過:松崎良文
 
B卓 西川舞vs太田優介vs森岡貞臣vs安村浩司
1回戦、ここまで快進撃の西川。摸打を見ていても迷いなく打ち切れていて気持ちがいい。
開局、そんな西川の挨拶代わりの倍満で幕が開く。
二万二万三万三万三万四万五万六万七万八万八万九万九万  ツモ七万  ドラ五索
8巡目にこの4,000・8,000をものにする。
次局、太田に8,000を放銃するも、迎えた親番で2,600オール、2,600は2,700オールとアガリ、勢いそのままに駆け上がるかと思われた。
待ったをかけたのは太田。西川からリーチ七対子を直撃すると、東4局3本場には
一万二万三万七万八万九万一索七筒八筒九筒  ポン東東東  ロン一索  ドラ九万
この11,600は12,500を森岡からアガリ、西川に並びかける。
親を落としたのは安村。ここも七対子だがドラ2の6,400は7,600を西川から。
徐々に点棒を減らしていき、さらにここで痛恨の放銃をしてしまう。
南2局、親番の安村が5巡目に両面チーから入る。その2巡後に、森岡からリーチが入るも安村も臨戦態勢。そして西川は森岡の現物の四索を抜き打つと安村の手が開かれた。
四万五万六万八万八万八万五索六索八索八索  チー三筒 左向き四筒 上向き五筒 上向き  ロン四索  ドラ八万
この11,600でついに原点を割ってしまう。後に聞いてみると、この1局については西川も相当悔しかったようだ。結局1回戦は太田の1人浮きで終わる。
2回戦、それでも西川に手が入る。本流へとさらに波に乗りたいところだが、1回戦を引きずっているのか、もう一歩流れを手繰り寄せられない。展開が功を奏して、何とかトップで最終戦へ。
逆に苦しくなったのは森岡。次は大きなトップが絶対条件となってしまった。
2回戦終了時
太田+36.4P  安村+4.7P  西川+0.5P  森岡▲36.7P
最終戦、安村と西川は着順勝負となった。これまで圧倒的な勢いで勝ち上がってきたが初めて追う展開。着順勝負では、自力に勝る安村に分があるのではと思っていた。西川は対局中、とても集中していたのか、顔色を変えず淡々と打つ姿は好感が持てた。
安村が、我慢を重ねて最後に大きなトップで太田と共に決勝へコマを進めた。
1位通過:太田優介 2位通過:安村浩司
 
ついに決勝のメンバーが出揃った。タイプの異なる4名で白熱した対局になるのは間違いないだろう。
最初にお伝えした通り、今期からチャンピオンズリーグもニコニコ生放送日本プロ麻雀連盟チャンネルで配信される。そういう面でも良い1戦になることを期待したい。
最後に決勝進出者からのコメントで締めさせていただこうと思う。
太田優介「夢のようです」
田中史孝「疲れたけど、明日もがんばります」
安村浩司「今日は我慢の麻雀が多かったので、明日は暴れたいと思います」
松崎良文「映像で麻雀を打つのは初めてですが、自分らしく頑張ろうと思います」

何を切る?fromロン2 2014年09月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。

問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)

東1局1本場北家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※南家は白を鳴いて打五索発を鳴いて打一筒

 

プロ

七索切り・・・31人
八筒切り・・・12人
四万切り・・・11人
三筒切り・・・2人
二筒切り・・・1人

 

ロン2ユーザー

八筒切り・・・53.2%
四万切り・・・18%
七索切り・・・16.3%
五筒切り・・・4.7%
二筒切り・・・3%
六筒切り・・・3%
三筒切り・・・1.7%

 

 

プロ解答(50音順)

七索切り

吾妻さおり
「仕掛けの現物の七索を切り、次とその次のツモを見る。四筒三万五万を引くようなら勝負する。二万引きの234はヤミテン。一筒九筒引きなら現状維持のツモ切り。」

鮎川卓
「勝負するには対面に対し無筋を2牌以上押さなくてはなりませんが、この手はそのリスクに見合っていません。七索を切って回り、マンズにくっついてから勝負します。」

伊藤優孝
「うまくマンズにくっついて三色になれば良しで、ここは七索を切って様子を見ましょう。四万は切らない(切りたくない)。」

魚谷侑未
「南家は七索5とカンチャンターツを払った後に発を鳴いて打一筒。その前の手出しNから本線はホンイツと読みます。そしてほぼソーズ受けのない形のテンパイでしょう。ここは四万八筒で当たると高いので、七索をトイツ落としします。ピンズが高く一筒四筒七筒の2度受けもあるので、戦える1シャンテンと思えません。」

勝又健志
中発と切った以上、攻めるのが筋ではあるが、対面の2フーロに押し返すのに見合っていないので、様子を見る七索切り。」

加藤博己
「この手を真っ直ぐ進めてもアガれるイメージがないので、いったん打七索とし様子を見る。」

木戸僚之
「点数がノーテン罰符しか動いていない東1局で、この手から四万やピンズを南家の手にぶつけるには見合っていない。後々苦しくなりそうな手格好ではあるが、現物の七索落としから、最高形のタンピン三色を目指す。もしピンズの形でテンパイしたとしても、通ってない限り四万は打たない。」

黒沢咲
「自分の手がそこまで勝負手でもないので、もう危険牌は切りません。」

越野智紀
「対面の仕掛けに対応。余る可能性がある四万六筒八筒がどれも危険。四筒三万四筒七筒八筒などを引いたら1枚勝負してリーチ。」

近藤久春
「南家はピンズのホンイツ。西家は中を切るくらいなのでテンパイ。七索は怖いのだが様子を見ながら。」

猿川真寿
一筒手出しでマンズのホンイツはなさそうだが、ドラまたぎの四万は打ちづらく、ピンズも切りづらいので、現物の七索をとりあえず切る。」

沢崎誠
「南家は序盤を見ればマンズ本線だが、手出し一筒を見てマンズ、ピンズは切りたくない!現物の七索切りの一手!!」

柴田弘幸
「ピンズ3メンツは厳しいと見て、様子見の打七索。」

白鳥翔
「対面は七索五索のカンチャンターツ落としが入っているが、テンパイが入っているかは断定できない。真っ直ぐに打つなら打四万だが、自身が一筒四筒七筒の二度受けであることを考えると押しにくく、ここは打七索として、234の三色を見ながら柔らかく構えたい。」

須浦正裕
「456を狙いつつ、ドラ雀頭やドラメンツを使ったピンフやリャンメンテンパイでも良しとする。下家の動向も視野に入れたい。」

鈴木秀幸
「南家が最終手出し一筒のためほぼテンパイ。それに対し中をぶつけた西家に、七索が当たる可能性はもちろんありますが、正直他に手をかける牌がないです。ピンズで放銃した場合12,000まであるし、自分の手が後手を踏み魅力的な手ではないので、いったん引きます。」

滝沢和典
「南家の手出し一筒でピンズは打ちづらい。とくに二筒、次に五筒の危険度が高い。」

ともたけ雅晴
「対面は役牌2つ鳴いてテンパイしたと思われるが、ホンイツはあるとしたらピンズで、自分の余るピンズが当たり牌になる可能性も高いし、マンズのドラ周り、とくにドラ表示牌の四万は切りづらいので、東1局だし様子見も兼ねて。」

仲田加南
「この形からの放銃はしたくないので、南家の現物の七索で回ります。あらためて勝負手になった時に1枚くらいの勝負ならするかもしれませんが。」

西岡慎泰
四万を切るには、危険度と自分の打点が見合っていない。マンズでドラ絡み満貫となる手になった場合のみ勝負する。」

仁平宣明
「打牌の一貫性はないが、ピンズには手を付けづらい。三元牌を全て押してからの七索は消極的ではあるが、仕掛けを入れられてしまったからには受け気味に。三筒六筒発の仕掛けの前に通っているので、テンパイからの待ち替えは考えにくい。となると二筒雀頭のドラまたぎあたりかな?」

福光聖雄
一筒四筒七筒の二度受けではアガリづらいのでピンズを外したいが、対面に対して切りづらい。七索をトイツ落としして、マンズで1メンツができれば六筒を勝負したい。」

藤島健二郎
「手牌は悪くないが局面的には凡手。オリの一手。」

古川孝次
「ここでピンズを払って行くよりも、七索を落として様子を見る。南家の仕掛けへの放銃を回避するのが先決。展望としては234の三色が見えるが、遅すぎるきらいがある。」

前田直哉
「対面をケアして、七索切って様子見。」

村上拓也
「好形の1シャンテンとはいえ、ドラもなく、押し返すには厳しい形である。現物の七索切りで234三色、ドラ受けを残すことができるので、その後のツモを見て勝負する。」

安村浩司
「南家は三筒に反応していないため、ピンズの形と待ちの形を特定できないが、1~4巡目にターツ外しをしているため、テンパイと読む。ドラがくっついてのテンパイのみ押し返す。」

山井弘
「すでに対面に先手を取られ、手役があるとすればピンズのホンイツが本線。もちろんドラ周りも十分にあるため、ピンズが切りにくくなった以上、ここはドラそばの四万も温存し、ぐるりと迂回するしかない。」

山田浩之
「タンピンイーペーコーの1シャンテンだが、ピンズは二度受けでタンヤオも確定していない。対面の仕掛けは待ちもスピードもわかりづらいが、四万八筒も危ないので1回受ける。」

和久津晶
「作り直し!ピンズで雀頭はいつでも作れそう。」

 

 

八筒切り

安達紘文
「勝負手なので対面の仕掛けは怖いけどアガリに行きます。四万残しは234とドラ引きの打点上昇のため。また、七索五筒ツモでリーチのみの手に終わらせたくないので。」

荒正義
「ドラの指示牌は危険。だが四筒ツモなら勝負か。」

和泉由希子
「ドラを使うか三色を見たいので四万は残したい。イーペーコーでもうれしい。一通は見ません。」

櫻井秀樹
「東1局だしひとまずベタオリはしない。そもそもベタオリする牌も十分にない。四万はできれば勝負したくないので、くっつけばピンズを払う。」

佐々木寿人
四万の横にくっついたら三筒二筒を落としてメンタンピンへ。棒テンには構えない。」

刀川昌浩
「南家に対してマンズ以外は押して行きたい。」

羽山真生
「ドラ受けを残しつつ1シャンテンを維持。ただし自信のない形ですね。」

一井慎也
「ここまで手を進めさせて、下手に回してアガリ逃しから大物手を決められることが罪だと思うので、すぐの一筒四筒七筒はテンパイに取りたい。数巡のあいだの四万、もしくはピンズ2牌での放銃は覚悟。」

古橋崇志
「対面の仕掛けに対してぶつけていくので、打四万では打点が物足りない。最高形のタンピン三色、またはタンピンイーペーコー狙い。」

増田隆一
四筒七筒引きで即リーチを打てるように。五万を引いたら二筒三筒と払って手を組み替えます。」

宮内こずえ
「234の三色を見つつドラ引きにも備えて。」

四柳弘樹
「ドラ引きに備えてまだ四万は切りたくない。一筒四筒七筒を引いたら素直にテンパイを取る。」

 

 

四万切り

石渡正志
「三色同順やドラは確定する形となっておらず、効率通りに打四万。」

内川幸太郎
「開局ですし、目一杯に構えます。八万九万ツモ切りの後の手出し南一筒からマンズのホンイツも薄れるので。南家の手は3,900くらいかな。」

黒木真生
「打四万五万をツモったらやめる。」

瀬戸熊直樹
「行きがかり上、ピンズは勝負牌にしたい。四筒が入れば打八筒勝負とする。」

中村毅
「まだ東1局なので、1シャンテンに受け、アガリに向かう。」

奈良圭純
「あまり勝負したい手牌ではないですが、とりあえず手広く。」

西川淳
「南家の最終手出し一筒には必ず意味がある。【パターン①関連牌残しの場合】トイトイかピンズが後で伸びてのホンイツが怖い。【パターン②親の現物残しの場合】ロスを承知で残す程度の手だったらそれ程怖くない。パターン一筒が怖いが、だとしたら待ちがまだ絞れない。オリるより自分がアガりに行った方が優位と見る。最速の四万切り。」

藤原隆弘
「対面は白発ポンで自風の南一筒が手出しであるため、ピンズのホンイツでテンパイしている。上家は中まで切ってきているので、好形か高いヤミテンが入っていると読める。そうするとこの手はアガリに向かうには難しく、危険である。オリたいのだが、上家の当たり牌が読めないのでとりあえず1シャンテンに取るが、決して無理はダメである!」

前原雄大
「上家の打中は許可せざるを得ないところだが、対面を基点に考えればピンズにも手が付けられない。結局はオリに向かうことになるのだろうが、ここは瞬間押してみる。」

三戸亮祐
「対面の最終手出しが一筒のため、二筒三筒も打ちにくい。ソーズ落としも手詰まりになる可能性があるなら、ここで四万を勝負して手広く構える。」

望月雅継
「もちろん手役や打点も追いたいが、さすがにここは型を組んでいく場面ではない。ぎりぎりまで戦うつもりで打四万。」

 

 

三筒切り

小車祥
「南家は一色手ではなさそうなので、ドラ周辺やトイトイになりそうな牌では放銃したくない。それでも西家の打中がなければ素直に四万切りにするが、自分が中を切った後に一度手出しを入れてからRを鳴いた南家に対して中を切ってきている西家も見て、ここは三筒切りとする。」

ケネス徳田
「小三元のリスクもあるのに中を打ち出してきていることから、西家は明らかに役有りテンパイ。しかもアガリやすく打点もある。この手はとりあえず受け。西家の切った三筒をポンしていないので、南家に三筒のトイツはない。」

 

 

二筒切り

二階堂亜樹
一筒が弱いのと、四万を切るとその後のマンズに対応できなくなるのが嫌です。危ないし。二筒も通ってないですが、ポンで出た一筒なので。ピンズのホンイツでもなさそうなので。」

何を切る?/何を切る?fromロン2 2014年09月

このコーナーでは、オンライン麻雀「ロン2」の協力のもと、プロ雀士とロン2ユーザーの解答をグラフを使って比較していきたいと思います。
多くのプロより、解説をいただきましたので、みなさんの雀力アップの参考にしていただければと思います。
問題提供:「ロン2」  作成:杉浦勘介

ロン2道場ルール (一発、裏ドラ、カンドラあり、赤なし)
東1局1本場北家 (色の濃くなっている牌はツモ切りです)
※南家は白を鳴いて打五索発を鳴いて打一筒
 
プロ

七索切り・・・31人
八筒切り・・・12人
四万切り・・・11人
三筒切り・・・2人
二筒切り・・・1人
 
ロン2ユーザー

八筒切り・・・53.2%
四万切り・・・18%
七索切り・・・16.3%
五筒切り・・・4.7%
二筒切り・・・3%
六筒切り・・・3%
三筒切り・・・1.7%
 
 
プロ解答(50音順)
七索切り
吾妻さおり
「仕掛けの現物の七索を切り、次とその次のツモを見る。四筒三万五万を引くようなら勝負する。二万引きの234はヤミテン。一筒九筒引きなら現状維持のツモ切り。」
鮎川卓
「勝負するには対面に対し無筋を2牌以上押さなくてはなりませんが、この手はそのリスクに見合っていません。七索を切って回り、マンズにくっついてから勝負します。」
伊藤優孝
「うまくマンズにくっついて三色になれば良しで、ここは七索を切って様子を見ましょう。四万は切らない(切りたくない)。」
魚谷侑未
「南家は七索5とカンチャンターツを払った後に発を鳴いて打一筒。その前の手出しNから本線はホンイツと読みます。そしてほぼソーズ受けのない形のテンパイでしょう。ここは四万八筒で当たると高いので、七索をトイツ落としします。ピンズが高く一筒四筒七筒の2度受けもあるので、戦える1シャンテンと思えません。」
勝又健志
中発と切った以上、攻めるのが筋ではあるが、対面の2フーロに押し返すのに見合っていないので、様子を見る七索切り。」
加藤博己
「この手を真っ直ぐ進めてもアガれるイメージがないので、いったん打七索とし様子を見る。」
木戸僚之
「点数がノーテン罰符しか動いていない東1局で、この手から四万やピンズを南家の手にぶつけるには見合っていない。後々苦しくなりそうな手格好ではあるが、現物の七索落としから、最高形のタンピン三色を目指す。もしピンズの形でテンパイしたとしても、通ってない限り四万は打たない。」
黒沢咲
「自分の手がそこまで勝負手でもないので、もう危険牌は切りません。」
越野智紀
「対面の仕掛けに対応。余る可能性がある四万六筒八筒がどれも危険。四筒三万四筒七筒八筒などを引いたら1枚勝負してリーチ。」
近藤久春
「南家はピンズのホンイツ。西家は中を切るくらいなのでテンパイ。七索は怖いのだが様子を見ながら。」
猿川真寿
一筒手出しでマンズのホンイツはなさそうだが、ドラまたぎの四万は打ちづらく、ピンズも切りづらいので、現物の七索をとりあえず切る。」
沢崎誠
「南家は序盤を見ればマンズ本線だが、手出し一筒を見てマンズ、ピンズは切りたくない!現物の七索切りの一手!!」
柴田弘幸
「ピンズ3メンツは厳しいと見て、様子見の打七索。」
白鳥翔
「対面は七索五索のカンチャンターツ落としが入っているが、テンパイが入っているかは断定できない。真っ直ぐに打つなら打四万だが、自身が一筒四筒七筒の二度受けであることを考えると押しにくく、ここは打七索として、234の三色を見ながら柔らかく構えたい。」
須浦正裕
「456を狙いつつ、ドラ雀頭やドラメンツを使ったピンフやリャンメンテンパイでも良しとする。下家の動向も視野に入れたい。」
鈴木秀幸
「南家が最終手出し一筒のためほぼテンパイ。それに対し中をぶつけた西家に、七索が当たる可能性はもちろんありますが、正直他に手をかける牌がないです。ピンズで放銃した場合12,000まであるし、自分の手が後手を踏み魅力的な手ではないので、いったん引きます。」
滝沢和典
「南家の手出し一筒でピンズは打ちづらい。とくに二筒、次に五筒の危険度が高い。」
ともたけ雅晴
「対面は役牌2つ鳴いてテンパイしたと思われるが、ホンイツはあるとしたらピンズで、自分の余るピンズが当たり牌になる可能性も高いし、マンズのドラ周り、とくにドラ表示牌の四万は切りづらいので、東1局だし様子見も兼ねて。」
仲田加南
「この形からの放銃はしたくないので、南家の現物の七索で回ります。あらためて勝負手になった時に1枚くらいの勝負ならするかもしれませんが。」
西岡慎泰
四万を切るには、危険度と自分の打点が見合っていない。マンズでドラ絡み満貫となる手になった場合のみ勝負する。」
仁平宣明
「打牌の一貫性はないが、ピンズには手を付けづらい。三元牌を全て押してからの七索は消極的ではあるが、仕掛けを入れられてしまったからには受け気味に。三筒六筒発の仕掛けの前に通っているので、テンパイからの待ち替えは考えにくい。となると二筒雀頭のドラまたぎあたりかな?」
福光聖雄
一筒四筒七筒の二度受けではアガリづらいのでピンズを外したいが、対面に対して切りづらい。七索をトイツ落としして、マンズで1メンツができれば六筒を勝負したい。」
藤島健二郎
「手牌は悪くないが局面的には凡手。オリの一手。」
古川孝次
「ここでピンズを払って行くよりも、七索を落として様子を見る。南家の仕掛けへの放銃を回避するのが先決。展望としては234の三色が見えるが、遅すぎるきらいがある。」
前田直哉
「対面をケアして、七索切って様子見。」
村上拓也
「好形の1シャンテンとはいえ、ドラもなく、押し返すには厳しい形である。現物の七索切りで234三色、ドラ受けを残すことができるので、その後のツモを見て勝負する。」
安村浩司
「南家は三筒に反応していないため、ピンズの形と待ちの形を特定できないが、1~4巡目にターツ外しをしているため、テンパイと読む。ドラがくっついてのテンパイのみ押し返す。」
山井弘
「すでに対面に先手を取られ、手役があるとすればピンズのホンイツが本線。もちろんドラ周りも十分にあるため、ピンズが切りにくくなった以上、ここはドラそばの四万も温存し、ぐるりと迂回するしかない。」
山田浩之
「タンピンイーペーコーの1シャンテンだが、ピンズは二度受けでタンヤオも確定していない。対面の仕掛けは待ちもスピードもわかりづらいが、四万八筒も危ないので1回受ける。」
和久津晶
「作り直し!ピンズで雀頭はいつでも作れそう。」
 
 
八筒切り
安達紘文
「勝負手なので対面の仕掛けは怖いけどアガリに行きます。四万残しは234とドラ引きの打点上昇のため。また、七索五筒ツモでリーチのみの手に終わらせたくないので。」
荒正義
「ドラの指示牌は危険。だが四筒ツモなら勝負か。」
和泉由希子
「ドラを使うか三色を見たいので四万は残したい。イーペーコーでもうれしい。一通は見ません。」
櫻井秀樹
「東1局だしひとまずベタオリはしない。そもそもベタオリする牌も十分にない。四万はできれば勝負したくないので、くっつけばピンズを払う。」
佐々木寿人
四万の横にくっついたら三筒二筒を落としてメンタンピンへ。棒テンには構えない。」
刀川昌浩
「南家に対してマンズ以外は押して行きたい。」
羽山真生
「ドラ受けを残しつつ1シャンテンを維持。ただし自信のない形ですね。」
一井慎也
「ここまで手を進めさせて、下手に回してアガリ逃しから大物手を決められることが罪だと思うので、すぐの一筒四筒七筒はテンパイに取りたい。数巡のあいだの四万、もしくはピンズ2牌での放銃は覚悟。」
古橋崇志
「対面の仕掛けに対してぶつけていくので、打四万では打点が物足りない。最高形のタンピン三色、またはタンピンイーペーコー狙い。」
増田隆一
四筒七筒引きで即リーチを打てるように。五万を引いたら二筒三筒と払って手を組み替えます。」
宮内こずえ
「234の三色を見つつドラ引きにも備えて。」
四柳弘樹
「ドラ引きに備えてまだ四万は切りたくない。一筒四筒七筒を引いたら素直にテンパイを取る。」
 
 
四万切り
石渡正志
「三色同順やドラは確定する形となっておらず、効率通りに打四万。」
内川幸太郎
「開局ですし、目一杯に構えます。八万九万ツモ切りの後の手出し南一筒からマンズのホンイツも薄れるので。南家の手は3,900くらいかな。」
黒木真生
「打四万五万をツモったらやめる。」
瀬戸熊直樹
「行きがかり上、ピンズは勝負牌にしたい。四筒が入れば打八筒勝負とする。」
中村毅
「まだ東1局なので、1シャンテンに受け、アガリに向かう。」
奈良圭純
「あまり勝負したい手牌ではないですが、とりあえず手広く。」
西川淳
「南家の最終手出し一筒には必ず意味がある。【パターン①関連牌残しの場合】トイトイかピンズが後で伸びてのホンイツが怖い。【パターン②親の現物残しの場合】ロスを承知で残す程度の手だったらそれ程怖くない。パターン一筒が怖いが、だとしたら待ちがまだ絞れない。オリるより自分がアガりに行った方が優位と見る。最速の四万切り。」
藤原隆弘
「対面は白発ポンで自風の南一筒が手出しであるため、ピンズのホンイツでテンパイしている。上家は中まで切ってきているので、好形か高いヤミテンが入っていると読める。そうするとこの手はアガリに向かうには難しく、危険である。オリたいのだが、上家の当たり牌が読めないのでとりあえず1シャンテンに取るが、決して無理はダメである!」
前原雄大
「上家の打中は許可せざるを得ないところだが、対面を基点に考えればピンズにも手が付けられない。結局はオリに向かうことになるのだろうが、ここは瞬間押してみる。」
三戸亮祐
「対面の最終手出しが一筒のため、二筒三筒も打ちにくい。ソーズ落としも手詰まりになる可能性があるなら、ここで四万を勝負して手広く構える。」
望月雅継
「もちろん手役や打点も追いたいが、さすがにここは型を組んでいく場面ではない。ぎりぎりまで戦うつもりで打四万。」
 
 
三筒切り
小車祥
「南家は一色手ではなさそうなので、ドラ周辺やトイトイになりそうな牌では放銃したくない。それでも西家の打中がなければ素直に四万切りにするが、自分が中を切った後に一度手出しを入れてからRを鳴いた南家に対して中を切ってきている西家も見て、ここは三筒切りとする。」
ケネス徳田
「小三元のリスクもあるのに中を打ち出してきていることから、西家は明らかに役有りテンパイ。しかもアガリやすく打点もある。この手はとりあえず受け。西家の切った三筒をポンしていないので、南家に三筒のトイツはない。」
 
 
二筒切り
二階堂亜樹
一筒が弱いのと、四万を切るとその後のマンズに対応できなくなるのが嫌です。危ないし。二筒も通ってないですが、ポンで出た一筒なので。ピンズのホンイツでもなさそうなので。」

第9期女流桜花第4節レポート 二階堂 亜樹

今節から復帰したリーグ戦。
今回の女流桜花は第9期で、第2期からAリーグにいる自分にとっては6回目の桜花挑戦。
(第1期はリーグ無し)

第2、3期と連覇した後は、いつも手が届かないところにいるような気がする。
返り咲きたい気持ちはいっぱいなんですけどね。

産休明け一発目のリーグ戦にかなりの不安はありましたが、その予感は的中なのか、両リーグとも内容はかなり上下に幅のある麻雀になってしまっている。

良く打てたときもある。
でも、それ以上に悪いときの方が多く感じる。

忙しさからくる、イメージトレーニング不足などは否めないが、それでもそれなりに打てなきゃいけないと思う。

それなりというのも語弊があるかもしれないが、「良く打てて当たり前」で、「良く打てなかった」をなるべくなるべく少なくするのがプロだと思うからである。

そして自分がよく打ててると思うときは、ほとんどが押し引きのバランスが合ってるかどうかで判断する。

読めてるのか、感じてるのかはこの際どちらでも良いと思う。
合ってるのか合っていないのか。

もちろん麻雀だから、というか自分が未熟だからですが、わからない部分の方が多い訳で。
ただでさえわからない事が多いのに、トレーニング不足だと、わかっていた事がわからなくなっちゃうんですよね。そして次の瞬間に、こうだったじゃないかって思い出すような。

麻雀のレベルというか、スキルって経験によるものが大きくて、経験してきたものを自分のなかで納得して消化して省略できるようになって、初めて自分のものにできる。
でも自分のものにしても、使ってないと忘れちゃうんですよね。
だから打つことが凄く大事なのはわかってるのに・・

特に酷く感じたのは、3回戦南2局の親番。

本調子ではない今節の3回戦目で、必死で3万点を維持してるなか、行けるのか行けないのか中途半端感しかない。
そう感じてるなか、対面からリーチを受けて一発目に上家から放たれた役牌に大長考。

1枚目は見送るが、結局2枚目には声をかける。
けして早い巡目ではないのに、この段階で何の準備もできてない自分に、嫌気がさす。
更にどうにかなるんじゃないかと甘い期待をしてる自分がもう本当に嫌。
結局ギリギリでテンパイを入れられるはずだったのに、生牌の白が打ち切れず。

もともと親番維持にそこまで固執しないタイプですが、こんな簡単にオリたり親番を手放してたら勝てる訳が無いんですよね。

そしてなにより、はっきり言って、かなりダサい麻雀を打ってしまった。
こんなダサい麻雀を打つために、人に観てもらうために麻雀を打ち続けてきた訳ではないのに。

格好よく見られたい訳でも無いけど、ダサいのは流石に嫌だ。

今まで似たような状況で、何度この白を切ってきたのか。
通れば正解なのか?
放銃すれば失敗なのか?
いつも考える。
幾度となく考えてる。

でも、この白を河に放つ覚悟と勇気を持つために、長年プロを続けてるのではないのか?
そんな自問自答と反省を繰り返しながら、また勉強しながら頑張っていこうと思う。

そんな第4節が終わり、自分は9位でプレーオフボーダー付近。
自分のことはこれくらいにして周りをみれば、今回同卓してプラス約50ほどした和泉が4位浮上。

プラス100オーバーの上3人はほっといて、現実的には6位から13位くらいまでの人達(自分も入ってますけど)でプレーオフ争いになるんじゃないかと予想。

自分の目標としては、次節プラス40Pを目標にして、もしマイナスしたら下を見て戦うことになりますね。
次節はトレーニング不足も解消して、しっかり体調も整えて、悔いのない麻雀を打てたらと思います。

女流プロリーグ(女流桜花) レポート/第9期女流桜花第4節レポート 二階堂 亜樹

今節から復帰したリーグ戦。
今回の女流桜花は第9期で、第2期からAリーグにいる自分にとっては6回目の桜花挑戦。
(第1期はリーグ無し)
第2、3期と連覇した後は、いつも手が届かないところにいるような気がする。
返り咲きたい気持ちはいっぱいなんですけどね。
産休明け一発目のリーグ戦にかなりの不安はありましたが、その予感は的中なのか、両リーグとも内容はかなり上下に幅のある麻雀になってしまっている。
良く打てたときもある。
でも、それ以上に悪いときの方が多く感じる。
忙しさからくる、イメージトレーニング不足などは否めないが、それでもそれなりに打てなきゃいけないと思う。
それなりというのも語弊があるかもしれないが、「良く打てて当たり前」で、「良く打てなかった」をなるべくなるべく少なくするのがプロだと思うからである。
そして自分がよく打ててると思うときは、ほとんどが押し引きのバランスが合ってるかどうかで判断する。
読めてるのか、感じてるのかはこの際どちらでも良いと思う。
合ってるのか合っていないのか。
もちろん麻雀だから、というか自分が未熟だからですが、わからない部分の方が多い訳で。
ただでさえわからない事が多いのに、トレーニング不足だと、わかっていた事がわからなくなっちゃうんですよね。そして次の瞬間に、こうだったじゃないかって思い出すような。
麻雀のレベルというか、スキルって経験によるものが大きくて、経験してきたものを自分のなかで納得して消化して省略できるようになって、初めて自分のものにできる。
でも自分のものにしても、使ってないと忘れちゃうんですよね。
だから打つことが凄く大事なのはわかってるのに・・
特に酷く感じたのは、3回戦南2局の親番。
本調子ではない今節の3回戦目で、必死で3万点を維持してるなか、行けるのか行けないのか中途半端感しかない。
そう感じてるなか、対面からリーチを受けて一発目に上家から放たれた役牌に大長考。
1枚目は見送るが、結局2枚目には声をかける。
けして早い巡目ではないのに、この段階で何の準備もできてない自分に、嫌気がさす。
更にどうにかなるんじゃないかと甘い期待をしてる自分がもう本当に嫌。
結局ギリギリでテンパイを入れられるはずだったのに、生牌の白が打ち切れず。
もともと親番維持にそこまで固執しないタイプですが、こんな簡単にオリたり親番を手放してたら勝てる訳が無いんですよね。
そしてなにより、はっきり言って、かなりダサい麻雀を打ってしまった。
こんなダサい麻雀を打つために、人に観てもらうために麻雀を打ち続けてきた訳ではないのに。
格好よく見られたい訳でも無いけど、ダサいのは流石に嫌だ。
今まで似たような状況で、何度この白を切ってきたのか。
通れば正解なのか?
放銃すれば失敗なのか?
いつも考える。
幾度となく考えてる。
でも、この白を河に放つ覚悟と勇気を持つために、長年プロを続けてるのではないのか?
そんな自問自答と反省を繰り返しながら、また勉強しながら頑張っていこうと思う。
そんな第4節が終わり、自分は9位でプレーオフボーダー付近。
自分のことはこれくらいにして周りをみれば、今回同卓してプラス約50ほどした和泉が4位浮上。
プラス100オーバーの上3人はほっといて、現実的には6位から13位くらいまでの人達(自分も入ってますけど)でプレーオフ争いになるんじゃないかと予想。
自分の目標としては、次節プラス40Pを目標にして、もしマイナスしたら下を見て戦うことになりますね。
次節はトレーニング不足も解消して、しっかり体調も整えて、悔いのない麻雀を打てたらと思います。

第31期十段戦ベスト16C卓レポート 山井 弘

今年度から、連盟チャンネルで十段戦ベスト16が配信されることになった。
プロリーグなど、普段の対局はもちろん面白いが、この十段戦はメンバーが高段者が多いこと。
そして、上位2名しか勝ち上がることができないトーナメントということ。

そのため、対局者同士の駆け引きや押し引きなど、卓上で交わされるその戦いは見ている者を引き付ける。
そんな戦いが、この十段戦ベスト16では繰り広げられる。

3卓目になるC卓のメンバーは、
「ミスター麻雀」小島武夫、「サーフィン打法」の古川孝次、「現A1リーガー」柴田弘幸、みんな大好きダンプ大橋。
以上の4名での戦いとなる。

ちなみにここまでの勝ち上がりは、
ベスト8A卓=一井慎也vs櫻井秀樹vsC卓1位vsD卓2位
ベスト8B卓=沢崎誠vs中尾多門vsC卓2位vsD卓1位
このようになっている。

100

1回戦
トーナメントの戦いで、1回戦はかなり重要なポイントだと思う。
どんな勝負でもそうだが、いかに先手を取れるか。先行できれば、その後の戦いに選択肢が増える。
特にこのトーナメントは、タイトル戦の決勝とは違って、2人勝ち上がりの分、圧倒的に先行しているほうが有利と言えよう。

その開局、北家・古川は得意の仕掛けを使って先手を取る。

一万三万七万七索九索七筒八筒東西西北北白  ドラ七索

ここから北をポン。古川らしい。
古川はよく仕掛けているイメージがあるが、実は何でもしかけるわけではない。
以前インタビューで、「高くなる要素のない仕掛けはしない」そのようなことを話していた。
仕掛けて行きながら、打点を作りに行く。

100

これを受けて小島は

五万五万七万八万二索三索四索四索七索七索四筒五筒五筒  ツモ三索

親番で早くも勝負手が入っていた。
手牌は難しくなったが、七万が場に2枚切れとあって、七対子も見て打七万
すぐに古川から二索が出るが、小島は微動だにしない。
さらに五万を入れて

五万五万五万二索三索三索四索四索七索七索四筒五筒五筒

こうなっても、次の古川の五索も動かない。
正に古川とは真逆の打ち手と言ってもいいだろう。

この時、私は解説をさせてもらっていたのだが、対戦前の展開予想として、小島と古川が2人一緒に勝ち上がることはないだろうと予想したのはこのことからだ。どちらが勝つにせよ、それは勝つほうの場の流れになっているだろうと、もし古川が勝てば仕掛けが多い場、小島が勝てばメンゼンで手役がぶつかる場だと思ったからだ。

結果、古川が

一万三万七索八索九索六筒七筒八筒西西  ポン北北北  ロン二万
このアガリで開局を制した。
ちなみに小島は、五索を鳴けば古川に入る六筒でツモアガリの道もあった。
しかしそれは小島のスタイルではなく、古川の場に引き込まれているようでもある。
なので、私はこの局はこれで、小島にとっては良かったのではないかと思った。

100

東3局2本場
ここで柴田に手が入る。

三索五索六索七索四筒五筒五筒北北発発中中  ドラ八索

北をポンして打五筒三索を残してホンイツへ渡ろうということだ。
狙い通り四索を引いてホンイツへ移行。

三索四索五索六索七索白発発中中  加カン北北北北

この仕掛けに対してぶつけたのは古川。

四万五万六万八万二索二索四索五索六索五筒六筒中  ツモ七万

何と、ここで字牌の中を残してドラの八索から切って行く。
そして次に安全牌を引き、中をリリース。
自分に不要なドラが当たり牌になる前に処理する、紙一重の芸術とも言える手順だ。

この中をポンしてテンパイは柴田。
柴田もまた、しっかりとホンイツまで見据えて手を作っている。
このような駆け引きが、実に見応えある。
しかし無情にも、またもドラの八索が古川の手にやってき、これは止まらず放銃となってしまった。

南1局、小島。

八万七索八索九索五筒六筒七筒発発中  暗カン牌の背三万 上向き三万 上向き牌の背  ドラ八万

ここで発が出ても動かない小島。六万を引いてリーチとなる。
私は何時も思うが、親の連荘率はこの発を鳴くより、メンゼンでリーチのほうが高まるのではないか。
発をポンしてしまうと、打点はわからない、テンパイかどうかも分からないと、他家からすると、分からないだらけのところに対しては、自分の手を中心に進めるしか方法はない。

しかし、親からリーチであれば、確実にテンパイしているということを示すことができる。
そう考えると、やはりこの発をポンするより、メンゼンのほうが連荘率は高まると思うのだが。

そしてここで困ったのが柴田。
ダンプがチーしてテンパイを取ったので、ハイテイが南家の柴田に回ってきた。
柴田の手牌は

一筒一筒二筒二筒三筒四筒四筒四筒五筒六筒六筒九筒七万  ツモ八万

こうで、ちなみにピンズは何も通っていない状況。
マンズは五万が切れているので八万が筋とはいえドラ。
七万は無筋。さあ柴田は何を切るのか!?

八万

放銃となったら致命傷となってしまう牌。しかし、現状、手の中にある牌の中で、一番通りそうな牌。
それでも、この八万を打つことはかなり勇気がいる。
ピンズは当てずっぽうになるし、七はワンチャンスとはいえ、無筋でドラの側。
だったら、致命傷になりかねないが、通る確率の高い牌となったのだろう。
柴田、渾身の一打で交わす。

100

一方小島は、この連荘からアガリが続く。
まずは2,600オール。そして、

二万三万四万八万八万二索三索四索二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ四筒

この三色のアガリを決めてダントツになった。
柴田はオーラス、

二万二万五万六万七万三索四索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五索

このアガリで原点を超えて2着をキープする。

小島+36.4P  柴田+7.0P  ダンプ▲15.2P  古川▲28.2P

2回戦は、古川、ダンプの反撃。
最後は柴田が浮きに回るアガリで、小島は1人沈みのラスとなってしまった。

3回戦はオーラスまで接戦となり、
ダンプ+32,200
古川+31,700
小島29,100
柴田2,7000
点数状況はこのようになっていた。

現状、トップ目のダンプはトータルで▲9.2Pとなっており、ここはどうしてもトップで終わらせたいところ。

三万四万五万六万三索三索三索四索六索六索三筒五筒六筒七筒  ドラ中

ここから打三筒
広いのは四索切りだが、ダンプはリーチ棒を出したくないので、タンヤオをなるべく確定させたかったのであろう。すぐに三万を引きテンパイ。

100

しかし、その時小島はすでにテンパイを入れており、

五万五万七万七万八万八万九万九万三索五索七筒八筒九筒

このヤミテン。アガれば浮きに回る。ここに五索を引き入れると、今度は一転リーチと行った。
そして、テンパイしていたダンプが持ってきたのは五索。もしカン四索に受けていればアガリの牌。

しかし、あの時点でよっぽど感性が働かない限りカンチャンには受けられない。
トップを取れば少し楽になる。現状のポイントを考えれば仕方のない放銃かもしれない。
でも、まだ3回戦、ここは形上アガリ逃しになってしまった牌である五索を持ってきたので、勇気を振り絞って止める手はあったかもしれない。

3回戦終了時
小島+18.6P  柴田▲1.8P  古川▲3.2P  ダンプ▲13.6P

4回戦、こうなると小島が乗ってくる。

二索二索二筒二筒八筒八筒九筒九筒西西白中中  リーチ  ツモ白  ドラ七索

東1局の親でこの七対子をツモアガリ。
続けて、ドラ暗刻のリーチを打った古川から、

二万三万四万三索三索四索五索六索五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ロン四筒

このアガリを決める。

五万六万七万三索四索五索五索七索一筒一筒一筒白白  ドラ六万

乗っている親なら、ここ最近はリーチが主流であろう。
しかし、小島は自分の麻雀を曲げない。
ここに三索を引きイーペーコーをつけてからリーチしてツモアガリとなった。

4回戦は小島が大きなトップを取り当確。
最後の椅子は3人での争いとなった。

小島+69.6P  柴田▲18.0P  ダンプ▲25.0P  古川▲26.6P

最終5回戦

東4局、柴田が自風の北をポン。
そこにダンプが追いつきリーチ。

一万二万五万六万七万三索三索四索四索四索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ九万

手は勝負というほどでもないが、局面は勝負の局面を迎えていた。
連荘中の古川も仕掛けており、柴田も攻めてきている。
自身の手がどうこうというよりも、相手の手を潰すことに価値がある局面。
しかし、これを制したのは柴田。

八万八万三索四索六索七索八索  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ポン北北北  ロン五索

柴田にとってもここは勝負局となった。
さらに南2局、

三万四万一索二索二索三索三索四筒六筒八筒八筒南南  ツモ五筒  ドラ白

柴田はここから打四万。すぐに六筒,八筒を引き入れトータルトップなのでヤミテンを選択。
これは、すぐにオリられるようにしておくためでもある。

ダンプは、最後の親で果敢にしかけてテンパイを取りに行き、ドラの白を切ると、これを古川がポン。
古川は、

二万三万三索四索五索六索七索三筒五筒六筒七筒白白  ツモ三筒

前巡、ここから三筒をツモ切ったので、雀頭のなくなった形になったが、そんなことはお構いなしに仕掛ける。

これを受けて、真っ直ぐ行くしかないダンプ。

しかし、柴田の押し引きは難しい。このような局面になったときのためのヤミテンだ。
古川の河に無筋の六万を引いて柴田は長考に沈む。また、その古川の河には自身のアガリ牌である一索が置いてあるのも行きたくなる理由の1つだ。柴田にとって、最後の正念場となった。

六万をツモ切り。そして次の四筒はノータイムでツモ切った。腹を括ったようだ。

一索二索二索三索三索四筒五筒六筒六筒七筒八筒南南  ロン一索

粘った甲斐があった。

柴田は今回、かなり苦しい戦いを強いられていたと思う。
その中、持ち味であるその守備力を発揮し、見事ベスト8へと駒を進めることができた。

古川は、その自在の攻めで相手を翻弄しながら攻めるタイプだが、今回はその仕掛けが上手く噛み合わず、反対に小島先生にしっかりとメンゼンで押し切られてしまった。
動の古川に対して、静の小島に今回は軍配があがった。

対戦を終えた翌日、「ダンプは完全に体力負けでしたね」とコメントをくれたのは現十段位の瀬戸熊。
長丁場となる5回戦のトーナメントで、78歳になる小島先生に体力負けするとは、ダンプの鍛え方が足りないということであろう。

勝ち上がり 小島武夫 柴田弘幸

このレポートがアップされるころには、ベスト8A卓の結果が出ていることだろう。
十段戦決勝の舞台へと進むの誰だ!?

十段戦 レポート/第31期十段戦ベスト16C卓レポート 山井 弘

今年度から、連盟チャンネルで十段戦ベスト16が配信されることになった。
プロリーグなど、普段の対局はもちろん面白いが、この十段戦はメンバーが高段者が多いこと。
そして、上位2名しか勝ち上がることができないトーナメントということ。
そのため、対局者同士の駆け引きや押し引きなど、卓上で交わされるその戦いは見ている者を引き付ける。
そんな戦いが、この十段戦ベスト16では繰り広げられる。
3卓目になるC卓のメンバーは、
「ミスター麻雀」小島武夫、「サーフィン打法」の古川孝次、「現A1リーガー」柴田弘幸、みんな大好きダンプ大橋。
以上の4名での戦いとなる。
ちなみにここまでの勝ち上がりは、
ベスト8A卓=一井慎也vs櫻井秀樹vsC卓1位vsD卓2位
ベスト8B卓=沢崎誠vs中尾多門vsC卓2位vsD卓1位
このようになっている。

100

1回戦
トーナメントの戦いで、1回戦はかなり重要なポイントだと思う。
どんな勝負でもそうだが、いかに先手を取れるか。先行できれば、その後の戦いに選択肢が増える。
特にこのトーナメントは、タイトル戦の決勝とは違って、2人勝ち上がりの分、圧倒的に先行しているほうが有利と言えよう。
その開局、北家・古川は得意の仕掛けを使って先手を取る。
一万三万七万七索九索七筒八筒東西西北北白  ドラ七索
ここから北をポン。古川らしい。
古川はよく仕掛けているイメージがあるが、実は何でもしかけるわけではない。
以前インタビューで、「高くなる要素のない仕掛けはしない」そのようなことを話していた。
仕掛けて行きながら、打点を作りに行く。
100
これを受けて小島は
五万五万七万八万二索三索四索四索七索七索四筒五筒五筒  ツモ三索
親番で早くも勝負手が入っていた。
手牌は難しくなったが、七万が場に2枚切れとあって、七対子も見て打七万
すぐに古川から二索が出るが、小島は微動だにしない。
さらに五万を入れて
五万五万五万二索三索三索四索四索七索七索四筒五筒五筒
こうなっても、次の古川の五索も動かない。
正に古川とは真逆の打ち手と言ってもいいだろう。
この時、私は解説をさせてもらっていたのだが、対戦前の展開予想として、小島と古川が2人一緒に勝ち上がることはないだろうと予想したのはこのことからだ。どちらが勝つにせよ、それは勝つほうの場の流れになっているだろうと、もし古川が勝てば仕掛けが多い場、小島が勝てばメンゼンで手役がぶつかる場だと思ったからだ。
結果、古川が
一万三万七索八索九索六筒七筒八筒西西  ポン北北北  ロン二万
このアガリで開局を制した。
ちなみに小島は、五索を鳴けば古川に入る六筒でツモアガリの道もあった。
しかしそれは小島のスタイルではなく、古川の場に引き込まれているようでもある。
なので、私はこの局はこれで、小島にとっては良かったのではないかと思った。
100
東3局2本場
ここで柴田に手が入る。
三索五索六索七索四筒五筒五筒北北発発中中  ドラ八索
北をポンして打五筒三索を残してホンイツへ渡ろうということだ。
狙い通り四索を引いてホンイツへ移行。
三索四索五索六索七索白発発中中  加カン北北北北
この仕掛けに対してぶつけたのは古川。
四万五万六万八万二索二索四索五索六索五筒六筒中  ツモ七万
何と、ここで字牌の中を残してドラの八索から切って行く。
そして次に安全牌を引き、中をリリース。
自分に不要なドラが当たり牌になる前に処理する、紙一重の芸術とも言える手順だ。
この中をポンしてテンパイは柴田。
柴田もまた、しっかりとホンイツまで見据えて手を作っている。
このような駆け引きが、実に見応えある。
しかし無情にも、またもドラの八索が古川の手にやってき、これは止まらず放銃となってしまった。
南1局、小島。
八万七索八索九索五筒六筒七筒発発中  暗カン牌の背三万 上向き三万 上向き牌の背  ドラ八万
ここで発が出ても動かない小島。六万を引いてリーチとなる。
私は何時も思うが、親の連荘率はこの発を鳴くより、メンゼンでリーチのほうが高まるのではないか。
発をポンしてしまうと、打点はわからない、テンパイかどうかも分からないと、他家からすると、分からないだらけのところに対しては、自分の手を中心に進めるしか方法はない。
しかし、親からリーチであれば、確実にテンパイしているということを示すことができる。
そう考えると、やはりこの発をポンするより、メンゼンのほうが連荘率は高まると思うのだが。
そしてここで困ったのが柴田。
ダンプがチーしてテンパイを取ったので、ハイテイが南家の柴田に回ってきた。
柴田の手牌は
一筒一筒二筒二筒三筒四筒四筒四筒五筒六筒六筒九筒七万  ツモ八万
こうで、ちなみにピンズは何も通っていない状況。
マンズは五万が切れているので八万が筋とはいえドラ。
七万は無筋。さあ柴田は何を切るのか!?
八万
放銃となったら致命傷となってしまう牌。しかし、現状、手の中にある牌の中で、一番通りそうな牌。
それでも、この八万を打つことはかなり勇気がいる。
ピンズは当てずっぽうになるし、七はワンチャンスとはいえ、無筋でドラの側。
だったら、致命傷になりかねないが、通る確率の高い牌となったのだろう。
柴田、渾身の一打で交わす。
100
一方小島は、この連荘からアガリが続く。
まずは2,600オール。そして、
二万三万四万八万八万二索三索四索二筒三筒五筒六筒七筒  リーチ  ツモ四筒
この三色のアガリを決めてダントツになった。
柴田はオーラス、
二万二万五万六万七万三索四索四筒五筒六筒六筒七筒八筒  リーチ  ツモ五索
このアガリで原点を超えて2着をキープする。
小島+36.4P  柴田+7.0P  ダンプ▲15.2P  古川▲28.2P
2回戦は、古川、ダンプの反撃。
最後は柴田が浮きに回るアガリで、小島は1人沈みのラスとなってしまった。
3回戦はオーラスまで接戦となり、
ダンプ+32,200
古川+31,700
小島29,100
柴田2,7000
点数状況はこのようになっていた。
現状、トップ目のダンプはトータルで▲9.2Pとなっており、ここはどうしてもトップで終わらせたいところ。
三万四万五万六万三索三索三索四索六索六索三筒五筒六筒七筒  ドラ中
ここから打三筒
広いのは四索切りだが、ダンプはリーチ棒を出したくないので、タンヤオをなるべく確定させたかったのであろう。すぐに三万を引きテンパイ。
100
しかし、その時小島はすでにテンパイを入れており、
五万五万七万七万八万八万九万九万三索五索七筒八筒九筒
このヤミテン。アガれば浮きに回る。ここに五索を引き入れると、今度は一転リーチと行った。
そして、テンパイしていたダンプが持ってきたのは五索。もしカン四索に受けていればアガリの牌。
しかし、あの時点でよっぽど感性が働かない限りカンチャンには受けられない。
トップを取れば少し楽になる。現状のポイントを考えれば仕方のない放銃かもしれない。
でも、まだ3回戦、ここは形上アガリ逃しになってしまった牌である五索を持ってきたので、勇気を振り絞って止める手はあったかもしれない。
3回戦終了時
小島+18.6P  柴田▲1.8P  古川▲3.2P  ダンプ▲13.6P
4回戦、こうなると小島が乗ってくる。
二索二索二筒二筒八筒八筒九筒九筒西西白中中  リーチ  ツモ白  ドラ七索
東1局の親でこの七対子をツモアガリ。
続けて、ドラ暗刻のリーチを打った古川から、
二万三万四万三索三索四索五索六索五筒五筒六筒六筒七筒  リーチ  ロン四筒
このアガリを決める。
五万六万七万三索四索五索五索七索一筒一筒一筒白白  ドラ六万
乗っている親なら、ここ最近はリーチが主流であろう。
しかし、小島は自分の麻雀を曲げない。
ここに三索を引きイーペーコーをつけてからリーチしてツモアガリとなった。
4回戦は小島が大きなトップを取り当確。
最後の椅子は3人での争いとなった。
小島+69.6P  柴田▲18.0P  ダンプ▲25.0P  古川▲26.6P
最終5回戦
東4局、柴田が自風の北をポン。
そこにダンプが追いつきリーチ。
一万二万五万六万七万三索三索四索四索四索三筒四筒五筒  リーチ  ドラ九万
手は勝負というほどでもないが、局面は勝負の局面を迎えていた。
連荘中の古川も仕掛けており、柴田も攻めてきている。
自身の手がどうこうというよりも、相手の手を潰すことに価値がある局面。
しかし、これを制したのは柴田。
八万八万三索四索六索七索八索  チー七万 左向き八万 上向き九万 上向き  ポン北北北  ロン五索
柴田にとってもここは勝負局となった。
さらに南2局、
三万四万一索二索二索三索三索四筒六筒八筒八筒南南  ツモ五筒  ドラ白
柴田はここから打四万。すぐに六筒,八筒を引き入れトータルトップなのでヤミテンを選択。
これは、すぐにオリられるようにしておくためでもある。
ダンプは、最後の親で果敢にしかけてテンパイを取りに行き、ドラの白を切ると、これを古川がポン。
古川は、
二万三万三索四索五索六索七索三筒五筒六筒七筒白白  ツモ三筒
前巡、ここから三筒をツモ切ったので、雀頭のなくなった形になったが、そんなことはお構いなしに仕掛ける。
これを受けて、真っ直ぐ行くしかないダンプ。
しかし、柴田の押し引きは難しい。このような局面になったときのためのヤミテンだ。
古川の河に無筋の六万を引いて柴田は長考に沈む。また、その古川の河には自身のアガリ牌である一索が置いてあるのも行きたくなる理由の1つだ。柴田にとって、最後の正念場となった。
六万をツモ切り。そして次の四筒はノータイムでツモ切った。腹を括ったようだ。
一索二索二索三索三索四筒五筒六筒六筒七筒八筒南南  ロン一索
粘った甲斐があった。
柴田は今回、かなり苦しい戦いを強いられていたと思う。
その中、持ち味であるその守備力を発揮し、見事ベスト8へと駒を進めることができた。
古川は、その自在の攻めで相手を翻弄しながら攻めるタイプだが、今回はその仕掛けが上手く噛み合わず、反対に小島先生にしっかりとメンゼンで押し切られてしまった。
動の古川に対して、静の小島に今回は軍配があがった。
対戦を終えた翌日、「ダンプは完全に体力負けでしたね」とコメントをくれたのは現十段位の瀬戸熊。
長丁場となる5回戦のトーナメントで、78歳になる小島先生に体力負けするとは、ダンプの鍛え方が足りないということであろう。
勝ち上がり 小島武夫 柴田弘幸
このレポートがアップされるころには、ベスト8A卓の結果が出ていることだろう。
十段戦決勝の舞台へと進むの誰だ!?

第31期A1リーグ第5節レポート 柴田 弘幸

またもや敗戦記となった第5節。
自分の視点で書いてみようと思う。

1回戦東2局、伊藤の仕掛けを見て

七万八万一索一索  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ドラ一索

伊藤の道中、78五が手出しだったので、カン八万?と簡単に考えてしまい、私はこの手から七万切りリーチを選択。

三万三万五万五万八万九万九万西西北北発発  リーチ  打七万 左向き

しかしこの七万が古川の2,900に捕まる。

五万六万一索二索三索七索八索九索七筒七筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き

A型の性なのか、この八が伊藤に当たる可能性をすぐに考えなおしたのを覚えている。
観なおしてみれば、仕掛けた後に七索八索より五万が大事なわけがないし、ドラの一索六万の捨て牌が強い私へのケアも含めて、勝負となるや一気に攻め込んでくる伊藤の間の取り方であることがわかる。

古川もスピードを合わせるといった意味での仕掛けだった。
初戦から辛い。

この時にすごく感じたのは、2人の仕掛けよりも望月の私の捨て牌への視線である。
2人の仕掛けでも、私の手がぼやけて見えないようにという力強いものを感じた。

1本場、古川の連荘を嫌い、次局以降積極的に仕掛けるが落とせない。

六万七万八万二筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き

古川
二万三万四万八万八万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒  ロン九索

2本場
五万五万六万六万三筒四筒五筒七筒七筒七筒  ポン中中中

流局
3本場、今度は今までの軽さを逆手に取ってリーチを打つ。

二万二万三万三万四万四万五万六万八万八万八万発発  リーチ

ここで古川にまたしても捕まる。

四万六万三索四索五索五索五索  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ロン五万

これでこの半荘の勝負付けは決まった。
客観的に見ればここからは我慢の時間。
だけどまだ・・・そんな自分が出たのが次局。
4本場

三万三万七万八万九万一索四索五索六索七索八索九索八筒中  ドラ中

ここから打中。平面で見れば中が悪いわけではない。
前がかりだったので、感覚や洞察力が麻痺してくるので、ここは気を引き締める意味で中以外のどちらかを選ぶべきであっただろう。

結果は、一気通貫テンパイでの余剰牌八筒で、7,700+1.200を献上。

伊藤
五万六万七万八万八万五索六索七索五筒六筒六筒七筒七筒  ロン八筒

ここから私は手も足も出ず、出そうものなら返り討ちという、伊藤&望月の猛攻を4半荘受けることになる。

最後に4回戦目。

伊藤
六万七万八万三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き  ドラ三筒

古川
四万五万六万八万八万三筒三筒五筒六筒七筒  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き

望月
一万九万一索九索九索一筒九筒東南西北白中

流局。
私に放銃は無さそうだったが、前のめりにメンツ手を組んでたら私が餌食だったのかな。
折り返しなので持ち味のしぶとさをみせたいところだ。

プロリーグ(鳳凰戦)レポート/第31期A1リーグ第5節レポート 柴田 弘幸

またもや敗戦記となった第5節。
自分の視点で書いてみようと思う。
1回戦東2局、伊藤の仕掛けを見て
七万八万一索一索  ポン一万 上向き一万 上向き一万 上向き  ポン九筒 上向き九筒 上向き九筒 上向き  チー一筒 左向き二筒 上向き三筒 上向き  ドラ一索
伊藤の道中、78五が手出しだったので、カン八万?と簡単に考えてしまい、私はこの手から七万切りリーチを選択。
三万三万五万五万八万九万九万西西北北発発  リーチ  打七万 左向き
しかしこの七万が古川の2,900に捕まる。
五万六万一索二索三索七索八索九索七筒七筒  チー四索 左向き五索 上向き六索 上向き
A型の性なのか、この八が伊藤に当たる可能性をすぐに考えなおしたのを覚えている。
観なおしてみれば、仕掛けた後に七索八索より五万が大事なわけがないし、ドラの一索六万の捨て牌が強い私へのケアも含めて、勝負となるや一気に攻め込んでくる伊藤の間の取り方であることがわかる。
古川もスピードを合わせるといった意味での仕掛けだった。
初戦から辛い。
この時にすごく感じたのは、2人の仕掛けよりも望月の私の捨て牌への視線である。
2人の仕掛けでも、私の手がぼやけて見えないようにという力強いものを感じた。
1本場、古川の連荘を嫌い、次局以降積極的に仕掛けるが落とせない。
六万七万八万二筒二筒三筒三筒三筒四筒五筒  チー五索 左向き六索 上向き七索 上向き
古川
二万三万四万八万八万四索五索六索七索八索四筒五筒六筒  ロン九索
2本場
五万五万六万六万三筒四筒五筒七筒七筒七筒  ポン中中中
流局
3本場、今度は今までの軽さを逆手に取ってリーチを打つ。
二万二万三万三万四万四万五万六万八万八万八万発発  リーチ
ここで古川にまたしても捕まる。
四万六万三索四索五索五索五索  ポン八索 上向き八索 上向き八索 上向き  チー五筒 左向き六筒 上向き七筒 上向き  ロン五万
これでこの半荘の勝負付けは決まった。
客観的に見ればここからは我慢の時間。
だけどまだ・・・そんな自分が出たのが次局。
4本場
三万三万七万八万九万一索四索五索六索七索八索九索八筒中  ドラ中
ここから打中。平面で見れば中が悪いわけではない。
前がかりだったので、感覚や洞察力が麻痺してくるので、ここは気を引き締める意味で中以外のどちらかを選ぶべきであっただろう。
結果は、一気通貫テンパイでの余剰牌八筒で、7,700+1.200を献上。
伊藤
五万六万七万八万八万五索六索七索五筒六筒六筒七筒七筒  ロン八筒
ここから私は手も足も出ず、出そうものなら返り討ちという、伊藤&望月の猛攻を4半荘受けることになる。
最後に4回戦目。
伊藤
六万七万八万三筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒  チー七索 左向き六索 上向き八索 上向き  ドラ三筒
古川
四万五万六万八万八万三筒三筒五筒六筒七筒  チー五万 左向き六万 上向き七万 上向き
望月
一万九万一索九索九索一筒九筒東南西北白中
流局。
私に放銃は無さそうだったが、前のめりにメンツ手を組んでたら私が餌食だったのかな。
折り返しなので持ち味のしぶとさをみせたいところだ。