第12期プロクイーン決定戦 ベスト8B卓レポート 編集部
2014年12月15日
二階堂瑠美(現・プロクイーン)、優木美智、宮内こずえ(A卓勝ち上がり)の3名。
残りの2名は御存知の通り、和久津晶、茅森早香(B卓勝ち上がり)に決まりました。
すでにプロクイーンのCMも連盟チャンネルにて流れていますね。
第12期プロクイーン決定戦を楽しむ材料の1つとして、改めてベスト8での彼女たちの戦いぶりをレポート致します。
併せてA卓のレポートもご覧ください。
ベスト8B卓
和久津晶(日本プロ麻雀連盟23期)
第9期プロクイーン。今期、マスターズ準優勝。決勝経験は数知れず。
近年はシルバーコレクター等と言われ始めてしまったが、実績だけを見ても女流トップクラス。
プロクイーンベスト8の1週前には女流桜花決定戦への進出を決め、その圧巻の内容からは今週も死角なしか。
吾妻さおり(日本プロ麻雀連盟21期)
第8期女流桜花にして、現・女流桜花。
彼女の持ち味も攻撃力。
女流桜花決定戦より一足早く和久津とここで対戦することに。
一発裏ドラルールも制して2冠を狙う。
茅森早香(最高位戦日本プロ麻雀協会26期後期)
第11期女流最高位。
天才がついにプロクイーンベスト8に登場。
プロクイーン出場は意外と2回目。
自団体のルールと酷似しているためか、戦前の予想は茅森優勢の声がやはり多かった。
内山えみ(日本プロ麻雀連盟27期)
ベスト8の中で唯一勝ち残った若手。
昨年もベスト16まで残っており、今年はベスト8。
タイトルホルダー3名相手に、どこまで通用するか。
後1つ、勝って初決勝を目指す。
1回戦
起家から(和久津・内山・茅森・吾妻)
東1局、内山が先手
リーチ ドラ
このリーチを打てた事は、内山が普段どおり緊張せずに打てている証拠かもしれない。
ただし、結果はハイテイで8,000の放銃。
茅森
ロン
内山は頭が真っ白になったに違いない。
彼女にとって初めてのテレビ対局のオープニングなのだ。
東2局、和久津
ポン ドラ
空振り。
前週のA卓を観るようにこの後、流局が続く。
アガリが出たのは東4局3本場、親の吾妻が内山から七対子の2,400は3,300。
しかし二の矢は打てず本場を連れたまま南入。
6本場、和久津、内山のリーチを吾妻が交わす。
吾妻の出来が良い。和久津は手が入るもののここまで実らない。
茅森は最初の満貫以降、加点出来ずにじりじり持ち点が減っていく。
そして南3局、吾妻が勝負手をリーチ。
リーチ ドラ
しかし勝ったのは仕掛けを入れた和久津。
チー ロン
3,900をトップの吾妻から直撃で和久津がトップに立つ。
南4局
和久津42,700 内山12,200 茅森27,900 吾妻37,200
茅森にドラ暗刻のチャンス手。テンパイ後、即リーチ。
リーチ ドラ
跳満ツモでトップになれるが結末は、なんとトップの和久津が仕掛けを入れているところから一発で放銃。
裏が乗れば吾妻を捲くれたが裏ドラはなし。吾妻はやはり展開がいい。
打った和久津も苦笑い。その表情からはまだ余裕が窺える。
1回戦成績
吾妻+22.2P 茅森+10.9P 和久津▲0.3P 内山▲32.8P
2回戦
起家から(和久津・内山・茅森・吾妻)
起家、和久津、わずか5巡で5,800を吾妻からアガった次局。
8巡目に内山がポンテンを入れると、次巡、を引き入れてリーチ。
リーチ ドラ
なんと9巡目にして待ちは4枚とも山に。
そして難なく一発ツモ。6,100オールのアガリ。
1回戦目のオーラスのあの不敵な笑いは、このアガリを知っていたかのよう。
東1局でこの半荘の勝負を決めてしまった感がある。
東場は小場で局が進む。
東4局、和久津攻撃の手を緩めない4巡目リーチ。
そこに追いついた茅森もリーチ。
安全牌に詰まった内山は、和久津の現物をツモ切りしてこれが一発ロン。
内山苦しい。
南3局、内山今シリーズ初アガリがようやく出る。
リーチ ツモ ドラ 裏
そしてオーラスの得点状況は以下のように熾烈な2着争い。
和久津54,900 内山20,200 茅森20,800 吾妻24,100
茅森は2着を狙いリーチ。瞬間4着目に。
リーチ ドラ
ツモれば文句なしの2着。吾妻から直撃でもよし。他家からだと裏ドラが必要。
このとき吾妻はテンパイまでは程遠い。
3着致し方なしで、直撃だけは避ける打牌を選ぶだろう。
しかしこのとき、倍満を放銃してもトップの和久津がドラドラ1シャンテンで真っ向勝負。
その和久津が切った牌を内山はチー。
チー
「1,000点の仕掛けだがリーチが入った以上、3着キープは致し方なし。」と解説の勝又。
吾妻は内山、和久津が戦ってくれれば2人テンパイ以上は確実なのでオリを選択。
内山も無筋を切り飛ばしていく。そしてついにドラのを掴む。
一度テンパイを外しハイテイでまた選択。
ドラを切ればテンパイで3着キープ。もし仮に和久津もテンパイしていれば、吾妻と2,900点差の為、2着になれる。
しかし内山の選択は4着を引き受けた。
これはどうだっただろうか?
オリれば4着は確定。どうせ4着なら跳満を打ってでも3着以上を狙ったほうがいいのではないか?
賛否両論だとは思うが、単純に2連続4着はほぼ敗退を意味する。
そして吾妻、2着と展開がいい。
2回戦成績
和久津+38.9P 吾妻▲1.9P 茅森▲12.2P 内山▲25.8P (供託1.0P)
2回戦終了時
和久津+38.6P 吾妻+20.3P 茅森▲1.3P 内山▲58.6P (供託1.0P)
3回戦
起家から(内山・和久津・吾妻・茅森)
少し元気のない茅森。
攻守のバランスもよくトーナメントの戦い方も熟知している。
唯一展開だけが向かない。
東場大きな動きがないまま南場へ。
親番の内山、七対子テンパイもここは高打点を狙ってか見逃し。
するとあっさり吾妻が400・700ツモアガリ。
そして因果関係か、次局、吾妻に七対子ドラドラの6,400を放銃。
3連続4着で実質この3回戦で敗退が決まってしまった。
南4局、後がない茅森の親番。
しかし3回戦の主人公は女流桜花。
リーチ 一発ツモ ドラ 裏
3,000・6,000。
3回戦成績
吾妻+36.8P 和久津+6.1P 茅森▲10.7P 内山▲32.2P
3回戦終了時
吾妻+57.1P 和久津+44.7P 茅森▲12.0P 内山▲90.8P (供託1.0P)
4回戦
起家から(茅森・和久津・吾妻・内山)
さてここからがトーナメントの面白いところ。
現状、茅森は和久津との差は56.7P。
3着順差(トップラス)で26,700点差。
2着順差(1・3・2・4)で36,700点差。
トップを一度取ることが出来れば和久津か、吾妻は3着以下になるので、この3回戦目は茅森にとって正念場。
攻め主体になるか。和久津と、吾妻はどう考えるか。
2回のうち1回でも茅森より上の順位ならば通過はほぼ固いであろう。
守りすぎないことと、ターゲットにならないことが重要。
東1局、和久津が茅森の親を1,300で落とす。
東2局、6万点以上の2連勝が最低条件の西家・内山にドラ暗刻のチャンス。
配牌
ドラ
跳満以上を狙いたいが、まずは満貫でもいいのでリードしたい。
2巡目
ツモ
ツモが良く雀頭が出来たところ。ここで内山は打5としてしまう。
三色を狙うのであれば打。打。横に広げたければ、ペンチャンターツ外しも柔軟。
そして、親・和久津のリーチが入り3,900放銃。
そのときの形が
チー
少し勿体ない。
東2局1本場、和久津2,000オールは2,100オール。
2本場、怖い和久津の親をここは吾妻が400・700で交わす。
東3局の吾妻の親、ここも和久津が鳴いて捌きあっという間に落とす。
東4局、親の内山がまず先制リーチ。
リーチ ドラ
そして茅森がついに追いつく。
打 リーチ
無筋のか親の現物のか。ただし茅森の河は明らかな変則手。
茅森はを勝負し、内山との真っ向勝負に出た。
そして内山がを掴む。裏ドラがで12,000の大きなアガリ。
これで和久津に迫る。
しかし茅森は親番に繋がらない。親が流れ和久津の親番、南2局2本場。
大きすぎる2,600は2,800オール。これで和久津50,000オーバー。
南2局3本場、ほぼ通過確定に近い和久津はさらに加点をしにいく。
ここで茅森がリーチ。
リーチ ドラ
そして吾妻も応戦。
ポン
和久津にもタンヤオテンパイが入っていたがを掴みオリ。
この局を制すれば、茅森は最終戦に勝負を持ち越せる。
吾妻に放銃するようだと敗退濃厚の場面。
ここは茅森に軍配。
リーチ ツモ ドラ 裏
2,000・4,000これで和久津まで1,900点差。
南3局、西家・茅森が役ありリーチ。
リーチ ドラ
ヤミテンがセオリーの場面だが打点が欲しいところ。
これで親の吾妻の頭には否が応でも浮かぶ。
「満貫放銃すれば最終戦、着順勝負までなってしまうなあ。」
しかしそんな言葉を払いのけ真っ向勝負。
先に追いついたのはなんと内山。
リーチ
これに茅森が放銃してしまうと危なかったが、内山のハイテイ牌はなんと。
天才がついにトップを奪取。
4回戦成績
茅森+35.8P 和久津+19.5P 吾妻▲8.6P 内山▲49.7P
4回戦終了時
和久津+64.2P 吾妻+48.5P 茅森+23.8P 内山▲140.5P(供託1.0P)
こうなってしまえば最終戦、差は歴然。
吾妻は大量リードを守ることが出来なかった。
最終戦成績
和久津+30.2P 茅森+9.3P 内山▲3.2P 吾妻▲36.3P
最終結果
和久津+94.4P 茅森+33.1P 吾妻+12.2P 内山▲143.7P
B卓勝ち上がり
1位通過 和久津晶 2位通過 茅森早香
カテゴリ:プロクイーン決定戦 レポート